説明

インキ組成物およびそれを用いた硬化物

【課題】
シングルパス方式で印刷し、高画質な画像と高精細な文字・バーコードを形成する印刷方法およびインキセットを提供すること。
【解決手段】
シングルパス方式で印刷するインクジェット印刷方法において、CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキを印刷し、印刷したインキを仮硬化させた後、仮硬化させた硬化膜上に7pl〜18plでBLACKを印刷した際のBLACKのドット径広がりが80μm以上200μm以下であることを特徴とする印刷方法、ならびに当該印刷方法に用いるインキセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルパス方式で印刷し、高画質な画像を形成する印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用インクジェットは、既存の印刷方法で行なわれていなかった、サイン市場を開拓して発展してきた。サイン市場に用いられているプリンターは、マルチパス方式がほぼ全てを占めており、そのほとんどは溶剤系インクジェットインキを用いている。しかし、揮発溶剤などの環境配慮の観点から、水性インクジェットインキや紫外線硬化型インクジェットインキが注目されてきている。水性インクジェットインキは、安全性が高い反面、紙系基材にしか直接印刷することが出来ず、乾燥工程に大きなエネルギーを要する。
【0003】
また、紫外線硬化型インクジェットインキは、基材汎用性が高く乾燥工程が簡易であるが、マルチパス方式ではインキが基材に着弾してレベリングする間も無く硬化させるため、画像がマットになり、画質において溶剤系インクジェットインキに劣る。
【0004】
一方、近年ではインクジェットヘッドの性能向上に伴い、既存印刷市場の少ロット印刷対応に注目が集まっている。印刷市場では、生産性が重要であり、サイン市場で用いられているマルチパス方式では、必要とされる生産性を出すことが出来ない。そのため、マルチパス方式で得られない生産性を出すために、印刷市場に用いられるインクジェット印刷の方式は、シングルパス方式を用いることがほとんどである。また、サイン市場で用いられている基材のほとんどは、塩化ビニルシートであったが、印刷市場では紙系やフィルム系などの多種多様な基材が存在するため、基材汎用性に優れた紫外線硬化型インキが最適である。
【0005】
しかし、紫外線硬化型インクジェットインキでは、CYAN、MAGENTA、YELLOW、BLACKなどを1色ずつ硬化させると、マルチパス方式のように画像がマットになってしまい、良好な画質を得ることが出来ない。一方、全色同時に硬化させると、カラーインキとBLACKインキの混色や、画像のコントラストに大きく影響するBLCAKインキが十分に広がらず、良好な画質を得ることが出来なかった。
文献1では、マルチパス方式の水系インクジェットインキを用いており、基材汎用性が低く生産性が遅い。また、文献2、3では、マルチパス方式の紫外線硬化型インクジェットインキを用いているが、生産性が遅い。文献4、5では、シングルパス方式の紫外線硬化型インクジェットインキを用いているが、各色を1色ずつ硬化させているため、画像がマットになり、良好な画質を得ることが出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-89559号公報
【特許文献2】国際公開WO2006/087930号パンフレット
【特許文献3】国際公開2007/023735号パンフレット
【特許文献4】特開2008-23980号公報
【特許文献5】特開2008-83267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、シングルパス方式で印刷し、高画質な画像と高精細な文字・バーコードを形成する印刷方法およびインキセットを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、シングルパス方式で印刷する印刷方法において、CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキを印刷した後、印刷したインキを仮硬化させ、その後、仮硬化させた硬化膜上に7pl〜18plでBLACKを印刷した際のBLACKのドット径広がりが80μm以上200μm以下であることを特徴とする印刷方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の印刷方法により、高い生産性を兼ね備えつつ、良好なグロスを備えつつ発色が良く混色が少ない良好な画質と、精細な文字・バーコードを印刷することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明におけるシングルパス方式とは、1個または複数のインクジェットヘッドを固定し、印刷基材を動かして印刷する方法であり、印刷基材が1個または複数のインクジェットヘッドを一度通過した際に、目的とする解像度の画像を得る方式である。印刷基材を一度通過させるだけで、目的とする画像が得られるために生産性が高く、本発明では、シングルパス方式によって印刷することにより、マルチパス方式では得られない、高い生産性を出すことができる。
一方、マルチパス方式とは、1個または複数のインクジェットヘッドを数回通過させることによって、目的とする解像度の画像を得る方法である。マルチパス方式では可動型インクジェットヘッドがほとんどであり、基材の上をシャトルの様に往復して印刷するため、ポスターなどの大判サイズの印刷に向くが、画像1枚を印刷するためにかなりの時間がかかり、生産性が低い。また、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキでは、複数回硬化させることにより画像がマットになってしまい、良好な画質を得ることができない。
【0011】
本発明ではCYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキを印刷した後、印刷したインキを仮硬化させ、その後、仮硬化させた硬化膜上に7pl〜18plでBLACKを印刷した際のBLACKのドット径広がりが70μm以上200μm以下である必要がある。
CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITE、BLCAKを1色ずつ硬化させると、マルチパス方式のように画像がマットになってしまい、良好な画質を得ることが出来ない。一方、全色同時に硬化させると、カラーインキとBLACKインキの混色や、画像のコントラストに大きく影響するBLACKインキが十分に広がらず良質な画像を得ることができない。
【0012】
本発明におけるカラーインキとはCYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEなどのBLACKインキ以外のインキのことであり、CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITE以外にライト系インキやGREENやORANGEなどの特色インキを用いても良い。
【0013】
本発明におけるBLACKインキの液滴量は、7pl〜18plが望ましい。7plより小さい液滴量だけでは、インキ硬化膜上で十分な広がり性が得られず、良好な画質を得ることができない。また、18plより多い液滴量だけでは、インキ量が多すぎて、画像のにじみが発生し良好な画質を得ることができない。
また、必要に応じて、BLACKインキの液滴量7pl〜18pl以外の液滴量を併用して用いても良い。
【0014】
本発明におけるカラーインキ硬化膜上でのBLACKインキのドット径は、一色または複数のカラーインキを印字率100%で印刷し、仮硬化させた後、BLACKインクを印字率10%で印刷し硬化させた後、顕微鏡を用いてBLACKインクのドットの直径を10点測定し、平均値を計算して求める。
本発明における、カラーインキ硬化膜上でのBLACKインキのドット径は70μm以上200μm以下であることが望ましい。70μmより小さいドット径では、十分に広がらずBLACKの濃度が低く良好な画質が得られない。また、200μmより大きいドット径では、ドットが広がり過ぎてにじみが発生してしまい、良好な画質が得られない。
【0015】
本発明におけるインキセットとは、少なくともCYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキとBLACKインキを含むインキセットである。
【0016】
本発明におけるインキとは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキのことであり、少なくとも、着色剤、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含み、必要に応じて表面調整剤、重合禁止剤、溶剤を含むことができる。
【0017】
本発明におけるインキには、必要に応じて単官能、2官能および多官能モノマーを用いることができる。
【0018】
具体的な単官能モノマーは、N−ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシフェノキシエチルアクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2-アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート(あるいは、そのエチレンオキサイド並び/またはプロピレンオキサイド付加モノマー)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、1、4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
【0019】
また、2官能および多官能のモノマーとして、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。2官能および多官能のモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
【0020】
本発明におけるインキにはジプロピレングリコールジアクリレートを用いることが望ましい。原理は定かではないが、塗工紙上に良好なインキ広がりを示す。ジプロピレングリコールジアクリレートの好ましい含有量は、20重量%以上95重量%以下である。20重量%以上含有することで塗工紙上に良好なインキ広がりを示す。また、95重量%より多く配合すると、十分な量の着色剤や重合開始剤を含有することができない。
【0021】
本発明のインキには、上記以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
【0022】
また、インキの低粘度化、及び基材への濡れ広がり性を向上させるために、インキ中に有機溶剤を含有させてもよい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチルジグリコール、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類があげられる。この中でも、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコールが好ましい。
【0023】
発明で説明する活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示すが、重合反応を誘発させるエネルギー線であれば、これに限定しない。
【0024】
着色剤としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。顔料成分としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が使用できる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
【0025】
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
【0026】
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special BLCAK350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
【0027】
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。 有機顔料は、レーザー散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
【0028】
有機顔料の微細化は下記の方法で行うことができる。すなわち、有機顔料、有機顔料の3重量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3重量倍以上、好ましくは20重量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3重量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られない。また、20重量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
【0029】
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0030】
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、組成物中に0.1〜30重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0031】
本発明では、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
【0032】
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
【0033】
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824、827、711」、テゴケミサービス社製「TEGODisper685」等が挙げられる。
分散剤は組成物中に0.01〜20重量%含まれることが好ましい。
【0034】
本発明の組成物には、顔料の分散性およびインキの保存安定性をより向上させるために、有機顔料の酸性誘導体を顔料の分散時に配合することが好ましい。
【0035】
本発明のインキにおける光重合開始剤の具体例は、4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、4、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等が挙げられ、必要に応じて複数の光重合開始剤を併用しても良い。これらの重合開始剤は一例であり、これに限定されるものではない。
【0036】
本発明では、必要に応じて増感剤を用いることが望ましい。具体例は、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。また、上記増感剤は一例であり、これに限定されるものではない。
上記光重合開始剤および増感剤は、重合性モノマーに対し、2〜25重量%含有することが好ましい。2重量%未満であると硬化速度が著しく悪化し、25重量%より多いと、含有量が10重量%のものと硬化速度が変わらないばかりか、溶解残りが発生する場合があり、熱をかけて溶け残りを溶かしたとしても、インキの粘度が上昇し、インクジェット吐出性が悪化するという問題がある。
【0037】
本発明では、カラーインキの表面張力差が2.0mN/m以下であることが望ましい。カラーインキの表面張力差が2.0mN/m以下であることによって、カラーインキ同士の混色が少なく抑えられる。
【0038】
また、カラーインキとBLACKの表面張力差が3.0mN/m以上であることが望ましい。カラーインキとBLACKインキの表面張力差が3.0mN/m以上であることにより、BLACKインキがカラーインキ硬化膜上でより良い広がりを示す。
【0039】
本発明では、基材への濡れ広がり性を向上させるために表面調整剤を加えることが好ましい。本発明における表面調整剤とは、インキに1重量%添加した際に、インキ表面張力を0.5mN/m以上下げる樹脂のことである。
表面調整剤には、シリコン系表面調整剤やアクリル系表面調整剤が挙げられる。本発明では、カラーインキにはアクリル系表面調整剤を使用することが望ましく、BLACKインキにはシリコン系表面調整剤を使用することが望ましい。アクリル系表面調整剤は、表面張力低下能が低く、シリコン系表面調整剤は表面張力低下能が高いため、カラーインキとBLACKインキの表面張力に差を付けることが容易である。
また、原理は定かではないが、アクリル系表面調整剤を使用することにより、特異的に塗工紙に対して濡れ広がり性が向上するが、シリコン系表面調整剤ではそれほど濡れ広がり性が向上しない。カラーインキにアクリル系表面調整剤を使用することで、塗工紙に対して良好な広がり性を示し、BLACKインキにシリコン系表面調整剤を用いることで、カラー硬化膜上で広がるのみでなく、BLACKインキが塗工紙上ではそれほど広がらないため、シャープな文字やバーコードを印刷することができる。
【0040】
アクリル系表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−350、352、354、355、358N、361N、381N、381、392」等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
また、シリコン系表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、355、356、357、390、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
表面調整剤には様々な分子量のものが存在するが、重量平均分子量が10000以下のものが望ましい。重量平均分子量が10000より大きい表面調整剤を用いるとインキジェット吐出特性が悪くなる。
表面調整剤は組成物中に、0.001〜5重量%含まれることが好ましい。0.001重量%未満では濡れ広がりが悪くなり、5重量%より多くても、表面調整剤がインキ界面に配向しきれず、一定の効果までしか発現しない。
【0041】
本発明では、インキの経時での粘度安定性、経時後の吐出性、記録装置内での機上の粘度安定性を高めるため、重合禁止剤として、フェノチアジン、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、ピロガロール、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤を必要に応じて、1種類または2種類以上用いることができる。本発明のインクジェットインキには、重合禁止剤インキ中0.01〜5重量%配合することが好ましい。
【0042】
本発明における仮硬化とは、印刷基材に印刷したインキに活性エネルギー線を照射することによって、インキ内のモノマーが重合し、仮硬化前より粘度が上昇する状態のことである。仮硬化は必要に応じて照射する積算光量を変えることができる。
本発明における仮硬化の望ましい積算光量は、10mJ/cm2以上500 mJ/cm2以下であり、より望ましくは20mJ/cm2以上300 mJ/cm2以下である。仮硬化の積算光量は10mJ/cm2で効果を発揮するが、20mJ/cm2以上照射した方が、BLCAKインキとカラーインキの混色がより少なく抑えられる。また、仮硬化の積算光量は高くとも問題がないが、500mJ/cm2より多い積算光量を照射するには、生産性を落して印刷の速度を遅くし、活性エネルギー線照射装置の量を増やす必要があり実用に適さない。また、300 mJ/cm2より多く照射しても、カラーインキの硬化状態は変化しない。
【0043】
本発明における積算光量とは、UV−A領域の積算光量であり、EIT社製UV POWER PUCK IIを用いて測定した値である。活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、一般的に紫外線を用いて硬化していることが多い。また、着色剤の光吸収領域はUV−B、UV−C領域に多く、光重合開始剤はUV−A領域に吸収の中心を持つものがほとんどあり、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの硬化性は、UV−A領域の積算光量によってほとんど決まる。
【0044】
本発明で用いられる印刷基材は、特に限定はないが、シングルパス方式に一般的に用いられている、塗工紙、PETシート、PPシート、などが挙げられる。特に塗工紙において、本発明の印刷方法を用いることで、良好な画質が得られ、シャープな文字やバーコードを印刷することができる。その他の基材として、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、並びにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材などが挙げられる。
【0045】
本発明で用いる塗工紙としては、従来各種の用途で使用されている広汎な塗工紙が全て対象となり、具体的には、例えば、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、キャストコート紙等が挙げられ、これらの厚みや形状は何ら限定されない。
本発明では、必要に応じて表面改質処理を行うことが好ましい。本発明で用いる表面改質処理はコロナ処理、フレーム処理またはプラズマ処理にて行なわれる事が好ましい。その中でも、基材に対するダメージの大きさ、装置の手軽さからコロナ処理を用いることが好ましい。
本発明で表面改質に用いるコロナ処理量は、20W・min/m以上500W・min/m程度で行うことが望ましい。コロナ処理量が少なすぎると、十分に効果が得られず、また、一定量以上実施しても、基材表面の酸化が飽和し、インキの濡れ広がり性は変らない。過剰に照射した場合は基材に対するダメージが激しくなり基材劣化が起こってしまうと共に、表面の荒れが著しくなり、真円状のドットを得ることが難しくなる。
【0046】
[実施例]
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
【0047】
(BLACK顔料分散体の作製)
顔料 SpecialBLACK350(デグサ社製) 30.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 6.0部
モノマー ジプロピレングリコールジアクリレート 64.0部
上記材料をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
【0048】
(CYAN顔料分散体の作製)
顔料 LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製) 30.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 9.0部
モノマー ジプロピレングリコールジアクリレート 61.0部
【0049】
(MAGENTA顔料分散体の作製)
顔料 シンカシャマゼンタ B RT−343−D
(BASF社製) 35.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 6.0部
モノマー ジプロピレングリコールジアクリレート 59.0部
【0050】
(YELLOW顔料分散体の作製)
顔料 Novoperm YELLOW P−HG
(クラリアント社製) 35.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 7.0部
モノマー ジプロピレングリコールジアクリレート 61.0部
【0051】
(WHITE顔料分散体の作製)
顔料 タイペーク PF−740(石原産業 社製) 50.0部
顔料分散剤 ソルスパース32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 5.0部
モノマー ジプロピレングリコールジアクリレート 45.0部
【0052】
次に、表1配合処方にて、表の上から順次撹拌しながら添加し、樹脂および重合開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた後、1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することでインクジェットインキ組成物を得た。
【0053】
表1におけるインキ原料は、
DPGDA :ジプロピレングリコールジアクリレート
NVC :N−ビニルカプロラクタム
LA :ラウリルアクリレート
Irg819 :イルガキュア819 (BASF社製)
TPO :DAROCUR TPO(BASF社製)
Irg369 :イルガキュア369(BASF社製)
EsaOne :Esacure One (日本シイベルへグナー社製) BMS :KAYACURE BMS(日本化薬社製)
EPA :KAYACURE EPA(日本化薬社製)
DETX :SpeedCureDETX(DKSHジャパン社製)
BYK−UV3510 :BYK−UV3510(BYK Chemie社製 シリコン樹脂)
TEGO 2250 :TEGO RAD 2250(デグサ社製 シリコン樹脂)
BYK−352 :BYK−352(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)
BYK−361N :BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)
BHT :BHTスワノックス(精工化学社製)
フェノチアジン :フェノチアジン(精工化学社製)
を使用して作製した。
【0054】
表1配合処方と同様に、表2および表3の配合処方にてインクジェットインキ組成物を得た。
【0055】
実施例1−9
表4の印刷条件にて、京セラヘッドを積んだインクジェット吐出装置により、周波数20kHz、解像度600×600dpiで各基材上へ吐出した。シングルパス方式のプリンターは、トライテック社製1Passジェットを用いた。仮硬化のランプとして、各ヘッド間にインテグレーションテクノロジー社製LEDZero Solidcure(UV−LEDランプ 波長385nm)を付け、出力とランプ高さを変えることで、目的の積算光量になるように調整した。BLACKインキを印刷した後、最終硬化ランプとして、インテグレーションテクノロジー社製VZero Dバルブ(メタルハライドランプ)を200W/cmの出力で照射し、全色のインキでタックがなくなる状態まで硬化させた。
【0056】
表4の実施例における印刷基材は、
PET:リンテック社製 PET K2411
PP:リンテック社製 OPP 50C
コート紙: 王子製紙株式会社製 OKトップコート+
マットコート紙:王子タック株式会社製 Nマット55 P22U8C
を用いている。
【0057】
実施例10−18
実施例1−9と同様に、表5配合処方にて、インクジェットインキ組成物を作製し、印刷、硬化を行った。
実施例11−13、15、17の表面改質処理は、コロナ処理機 ナビダス社製マルチダイン1、出力800W、電極との距離5mmを用い、処理量はスピードを変えることで調節してコロナ処理を行なった。
【0058】
これらの塗膜およびインクジェットインキ組成物について評価を行なった。
カラーインキのグロスは、カラーインキの印字率が合計で200%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、印刷面の60°グロスをBYK Gardner社製グロスメータ(Micro−TRI−Gloss)で測定した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0059】
60°グロスが
70以上 ○
20以上70未満 △
20未満 ×
【0060】
同様に、BLACKインキのグロスは、カラーインキの印字率が合計で100%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、さらにカラーインキの上からBLACKインキ単色で印字率が100%になるように印刷し、印刷面のグロスを測定した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0061】
60°グロスが
70以上 ○
20以上70未満 △
20未満 ×
【0062】
カラーインキの広がり、および基材上のBLACKインキの広がりは、印刷基材に印字率10%を印刷し、印刷部分を光学顕微鏡で観察し、1ドットの直径を10点測定し、平均値を算出した。同様に、カラーインキ上のBLACKインキの広がりは、カラーインキの印字率が、合計で100%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、印刷したカラーインキ上に、BLACKインキを印字率10%で印刷し、印刷部分を光学顕微鏡で観察し、1ドットの直径を10点測定し、平均値を算出した。
カラーインキ同士の混色は、カラーインキの印字率が合計で200%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、カラーインキのドットの縦横比を測定することにより、混色度合いを判断した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0063】
カラーインキの縦横比が
1.2未満 ◎
1.2以上1.4未満 ○
1.4以上1.8未満 △
1.8以上 ×
【0064】
同様にBLACKインキの混色は、カラーインキの印字率が合計で100%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、カラーインキ上のBLACKインキのドットの縦横比を測定することにより、混色度合いを判断した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0065】
カラーインキの縦横比が
1.2未満 ◎
1.2以上1.4未満 ○
1.4以上1.8未満 △
1.8以上 ×
【0066】
BLACKインキの発色は、カラーインキの印字率が合計で100%になるように各色均等に印字率を配分して印刷し、さらにカラーインキの上からBLACKインキ単色で印字率が100%になるように印刷し、印刷面のOD値を測定することにより、発色を評価した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0067】
OD値
2.0以上 ◎
1.8以上2.0未満 ○
1.5以上1.8未満 △
1.5未満 ×
【0068】
画質の評価は、CYAN、MAGENTA、YELLOW、BLCAKの4色を用いてISO画像(ISO/JIS- SCID JIX 9201-1995 サンプル番号 1(N1 ポートレート)を印刷して目視で評価した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0069】
画質
ラベル市場において実用品位以上の画質 ◎
ラベル市場において実用品位程度の画質 ○
ラベル市場において実用品位に満たないの画質 ×
文字の評価は、BLACKインキで印刷基材に文字を印刷し、文字を読むことができる最小ポイント評価することによって判断した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0070】
文字の評価
4ptの文字が読める ◎
4ptが読めないが6ptの文字が読める ○
6ptが読めないが9ptの文字が読める △
9ptの文字が読めない ×
【0071】
バーコードの評価は、BLCAKインキで印刷基材に1.5cm四方のQRコードを印刷し、バーコードリーダー(パナソニック社製携帯電話 931P)を用いて、QRコードを読み取るまでの時間で評価した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0072】
バーコード
1.5cm四方のQRコードが5秒未満に読み取れる ◎
1.5cm四方のQRコードが6秒以上30秒未満に読み取れる ○
1.5cm四方のQRコードが30秒以上3分以内に読み取れる △
1.5cm四方のQRコードが読み3分以内に取れない ×
【0073】
生産性の評価は、10cm×20cmの面積に、BLACKインキによって印字率100%を印刷する時間を測定し評価した。評価基準は以下の通りであり、○以上を良好とする。
【0074】
○:10cm×20cmの画像を描く時間が1秒未満
×:10cm×20cmの画像を描く時間が1秒以上
【0075】
実施例1−18では、表4及び表5で示したように、シングルパス方式で印刷する印刷方法において、CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキを印刷し、印刷したインキを仮硬化させた後、仮硬化させた硬化膜上に7pl〜18plでBLACKを印刷した際のBLCAKのドット径広がりが80μm以上200μm以下である印刷方法を用いることで、高い生産性を兼ね備えつつ、良好なグロスを備えつつ発色が良く混色が少ない良好な画質と、精細な文字・バーコードを印刷することができている。
【0076】
実施例4、6、10−12、18では、仮硬化の出力を20mJ/cm2以上照射することにより、カラーインキとBLACKインキの表面張力差が大きくても、カラーインキが十分に硬化しており、混色がさらに良好になっている。
実施例5、7−12、14−18において、カラーインキ表面張力差が2.0mN/m以下であるため、カラーインキ同士の混色がさらに良好となっている。また、実施例2、4、6、8、10−13、18では、カラーインキとBLACKの表面張力差が3.0mN/m以上であるインキセットを用いることによって、カラーインキ硬化膜上でのBLACKインキの広がりが良く、BLCAKの発色がさらに良好である。
【0077】
実施例2、6、10−13、18では、塗工紙において、カラーインキにアクリル系表面調整剤を含み、BLACKにシリコン系表面調整剤を含むインキセットを用いることにより、BLACKの発色がさらに良好でありつつ良好な画質とさらに精細な文字とバーコードの両立ができている。
実施例11−13、15、17では、コロナ処理を用いることによって、カラーインキ、BLACKインキ共にドット径がさらに広がり、実施例11、12では、混色がさらに良好で塗工紙に印刷する印刷方法とコロナ処理を組み合わせることによって、実用品位以上の画質が得られている。
【0078】
比較例1〜9
実施例1〜9および10〜18と同様に、表6配合処方にて、インクジェットインキ組成物を作製し、印刷、硬化を行った。また、比較例5、6において、マルチパス方式のプリンターとして、京セラヘッドを積んだインクジェット吐出装置により、周波数20kHz、解像度600×600dpi、8パスで各基材上へ吐出した。マルチパス方式のプリンターは、トライテック社製パターニングジェットを用いた。マルチパス方式の硬化のランプとして、BLACKインキのヘッドのとなりにインテグレーションテクノロジー社製SubZero Dバルブ(メタルハライドランプ)を付け、100W/cmの出力で照射し、全色のインキでタックがなくなる状態まで硬化させた。
【0079】
比較例1、3では、仮硬化を行わないことにより、カラーインキと表面両力差の大きいBLACKインキとの混色が起きており、良好な画質が得られない。また、比較例2では、仮硬化を行わないことにより、BLACKインキの発色が悪く、同時にBLACKインキの硬化不良が発生し、BLACK表面にシワが発生してグロスが低なり、良好な画質が得られない。
比較例5、6では、マルチパス方式を用いているため、生産性が著しく悪い。また、マルチパス方式では、画像がマットになってしまい、良好な画質が得られず、文字・バーコードも精細に印刷することができない。
【0080】
比較例4、7では、各色で仮硬化を行っており、画像がマットになってしまうため、良好な画質を印刷することができない。
比較例8では、液滴量が7pl未満であり、液滴量が少なすぎて良好な画質が得られず、文字・バーコードも良好に印刷することができない。
比較例9では、液滴量が18plより多く、液滴量が多すぎるため、BLACKインキの硬化不良が発生し、BLACK表面にシワが発生してグロスが低なっている。また、ドットが広がりすぎるため、良好な画質が得られず、文字・バーコードも精細に印刷することができない。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
【表4】

【0085】
【表5】

【0086】
【表6】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルパス方式で印刷するインクジェット印刷方法において、CYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITEのいずれか1色以上のカラーインキを印刷した後、印刷したインキを仮硬化させ、その後、仮硬化させた硬化膜上に7pl〜18plでBLACKを印刷することを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
BLACKのドット径広がりが80μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の印刷方法。
【請求項3】
請求項1または2における印刷方法に用いるインキセット。
【請求項4】
少なくともCYAN、MAGENTA、YELLOW、WHITE のいずれか2色以上のカラーインキを有し、カラーインキ同士の表面張力差が2.0mN/m以下であり、かつカラーインキとBLACKの表面張力差が3.0mN/m以上であることを特徴とする請求項3記載のインキセット。
【請求項5】
アクリル系表面調整剤を含み、BLACKにシリコン系表面調整剤を含むことを特徴とする請求項3または4いずれか記載のインキセット。
【請求項6】
塗工紙に印刷することを特徴とする請求項3〜5いずれか記載のインキセット。
【請求項7】
コロナ処理を行なった後、印刷することを特徴とする請求項3〜6いずれか記載のインキセット。
【請求項8】
請求項3〜7いずれか記載のインキセットを用いて印刷してなる印刷物。

【公開番号】特開2012−192616(P2012−192616A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58116(P2011−58116)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】