説明

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット描画装置

【課題】アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、配線基板と圧電素子との間に押し付けすぎや接点不良が発生せず、電気的接続の信頼性の向上したインクジェットヘッドの提供。
【解決手段】複数のノズル11aと、複数の圧力室13aと、アクチュエータ15とを有するヘッド基板10と、配線を有する配線基板20とを備え、配線基板20がヘッド基板10に対して接着樹脂層30を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、アクチュエータ15表面の電極と配線とが電気的に接続されると共にヘッド基板10と配線基板20とが接合されてなるインクジェットヘッド1であって、アクチュエータ15表面の電極と配線との間の電気的接続は、融点が前記加熱温度よりも高い第1のバンプと、融点が前記加熱温度以下である第2のバンプとの接合による電気的接続であり、第1のバンプと第2のバンプのうちの一方がアクチュエータ15表面の電極に設けられ、他方が配線に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット描画装置に関し、詳しくは、アクチュエータに対する給電のための配線の電気的接続の信頼性が向上したインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェット描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の微細なノズルからインクを吐出して各種記録媒体に画像を形成するインクジェットヘッドは、より高精度、高精細な画像形成を実現するために、ノズルのより一層の高密度配置が求められている。
【0003】
インクジェットヘッドには、インクの共通流路がノズル列毎に設けられる他、インクに吐出圧力を付与するための圧力室や、共通流路から各圧力室へインクを供給するための個別流路が、複数のノズルに対して個別に設けられている。そのため、これら共通流路、圧力室及び個別流路をノズルの配列方向(水平方向)に並設してしまうと、複数のノズルを高密度に配置することが困難となる。
【0004】
そこで、従来、インクジェットヘッド本体を、ノズルの上方に圧力室を設け、共通流路に代わる共通インク室を圧力室の上方に設けた積層体によって構成することで、ノズルの配列方向の広がりを抑え、ノズルの高密度配置を可能したインクジェットヘッドが提案されている(例えば特許文献1参照)。このインクジェットヘッドは、積層体中の圧力室の上壁を薄板状に形成して振動板とし、この振動板の上面に圧電素子等の電気機械変換素子によって形成されるアクチュエータを積層している。
【0005】
このように積層体を有するインクジェットヘッドでは、アクチュエータに給電するための各配線も高密度に形成する必要がある。しかし、アクチュエータが設置されている基板上には、アクチュエータそのものの他に各圧力室にインク供給を行うための流路がすでに配置されているため、配線を引きまわすだけの面積的な余裕はない。このため、各アクチュエータに対して給電するための配線が形成された配線基板(インターポーザ)を別途形成し、これを積層体に対してアクチュエータの上方から積層して、各アクチュエータ表面に形成されている電極(上部電極)と各配線とを電気的に接続することで配線の高密度化を図っている。
【0006】
このとき、アクチュエータの上方から積層される配線基板は、アクチュエータの機械的変位を阻害することのないようにするため、アクチュエータとの間に所定の隙間を形成する必要がある。特許文献1では、配線基板と積層体との間に感光性樹脂からなるリブ隔壁をアクチュエータの周囲を取り囲むように立設することで、配線基板とアクチュエータとの間に所定の空間を形成すると共に、配線基板側の配線にアクチュエータ側に向けて突出するバンプを形成することで、接合時に配線とアクチュエータ表面の電極との間の電気的接続を図り得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−264322号公報
【特許文献2】特開2004−262190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電気的接続を容易にするために用いられるバンプには、一般に加熱によって容易に溶融して接合し得るはんだバンプが用いられるが、はんだはアクチュエータの上部電極(一般に金電極が用いられる。)に対して濡れ易い性質を有しているため、両者を接合すると、はんだが上部電極表面に濡れ広がってしまい、アクチュエータの変形を阻害する問題がある。
【0009】
また、従来の方法では、アクチュエータの上方から配線基板を接合する際、配線基板とアクチュエータとの間に空間を形成している感光性樹脂からなるリブ隔壁が加熱圧着されることで、これが接着層として機能するが、このときリブ隔壁が圧着によって圧縮変形することによって寸法変化が生じ易く、配線基板とアクチュエータとの間隔を厳密に維持することが難しい。本発明者が鋭意検討したところによると、およそ10%の寸法の縮小が生じていることが確認された。このことにより、配線から突出するバンプとアクチュエータ表面の電極との間で、部分的に押し付けすぎる箇所が発生してしまい、基板破損の原因となる問題がある。
【0010】
基板破損を防ぐために、寸法の縮小分を考慮してバンプ高さを低く設定すると、逆に部分的に接触しない箇所が発生してしまい、接点不良となってしまう。
【0011】
このため、基板破損を生じるおそれなく全てが適正に導通した状態の信頼性の高い電気的接続を行うことが困難であるという問題があった。
【0012】
接点不良の問題は、バンプの突出高さを、配線とアクチュエータ表面との間の距離よりも大きく形成することによって解消できると考えられるが、バンプの突出高さを大きくすることは押し付けすぎの発生を助長し、基板破損のおそれを招く結果となることに変わりはない。
【0013】
そこで、本発明は、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に押し付けすぎや接点不良が発生せず、電気的接続の信頼性の向上したインクジェットヘッドを提供することを課題とする。
【0014】
また、本発明は、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に押し付けすぎや接点不良が発生せず、信頼性の高い電気的接続を行うことのできるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
【0015】
更に、本発明は、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に押し付けすぎや接点不良が発生せず、電気的接続の信頼性の向上したインクジェットヘッドを備えるインクジェット描画装置を提供することを課題とする。
【0016】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0018】
請求項1記載の発明は、インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ対応して配設され、該ノズルから吐出させるためのインクを収容する複数の圧力室と、前記圧力室にそれぞれ対応して配置され、該圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるための力を付与するアクチュエータとを有するヘッド基板と、前記アクチュエータ表面の電極に対して給電するための配線を有する配線基板とを備え、前記配線基板が前記ヘッド基板に対して接着樹脂層を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線とが電気的に接続されると共に前記ヘッド基板と前記配線基板とが接合されてなるインクジェットヘッドであって、
前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線との間の電気的接続は、融点が前記加熱温度よりも高い第1のバンプと、融点が前記加熱温度以下である第2のバンプとの接合による電気的接続であり、前記第1のバンプと前記第2のバンプのうちの一方が前記アクチュエータ表面の前記電極に設けられ、他方が前記配線に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッドである。
【0019】
請求項2記載の発明は、前記第1のバンプの先端が、前記第2のバンプの内部に食い込んだ状態で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドである。
【0020】
請求項3記載の発明は、前記第1のバンプは、スタッドバンプであり、前記第2のバンプは、はんだバンプであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドである。
【0021】
請求項4記載の発明は、前記スタッドバンプは、根元に位置する肩部と該肩部から突出する突起部とを有し、前記はんだバンプは、先端が平坦面又は球面であることを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッドである。
【0022】
請求項5記載の発明は、前記スタッドバンプは金スタッドバンプであることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェットヘッドである。
【0023】
請求項6記載の発明は、インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ対応して配設され、該ノズルから吐出させるためのインクを収容する複数の圧力室と、前記圧力室にそれぞれ対応して配置され、該圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるための力を付与するアクチュエータとを有するヘッド基板と、前記アクチュエータ表面の電極に対して給電するための配線を有する配線基板とを備え、前記配線基板が前記ヘッド基板の表面に対して接着樹脂層を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線とを電気的に接続すると共に前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線のうちのいずれか一方に融点が前記加熱温度よりも高い第1のバンプを設け、他方に融点が前記加熱温度以下である第2のバンプを設け、
前記ヘッド基板に対して前記配線基板を前記加熱温度で圧着することによって、前記第1のバンプと前記第2のバンプとを電気的に接続させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
【0024】
請求項7記載の発明は、前記第1のバンプは、スタッドバンプであり、前記第2のバンプは、はんだバンプであることを特徴とする請求項6記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
【0025】
請求項8記載の発明は、前記スタッドバンプは、根元に位置する肩部と該肩部から突出する突起部とを有し、前記はんだバンプは、先端が平坦面又は球面であることを特徴とする請求項7記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
【0026】
請求項9記載の発明は、前記スタッドバンプは金スタッドバンプであることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
【0027】
請求項10記載の発明は、前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合する前の前記第1のバンプと前記第2のバンプは、以下の条件(I)且つ(II)を満足することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
(I)第1のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<第1のバンプの全高+第2のバンプの全高
(II)第2のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【0028】
請求項11記載の発明は、前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合する前の前記スタッドバンプと前記はんだバンプは、以下の条件(III)且つ(IV)を満足することを特徴とする請求項8又は9記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
(III)肩部の高さ<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<スタッドバンプの全高+はんだバンプの全高
(IV)はんだバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【0029】
請求項12記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載してなることを特徴とするインクジェット描画装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に接点不良や押し付けすぎが発生せず、電気的接続の信頼性の向上したインクジェットヘッドを提供することができる。
【0031】
また、本発明によれば、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に接点不良や押し付けすぎが発生せず、信頼性の高い電気的接続を行うことのできるインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
【0032】
更に、本発明によれば、アクチュエータの変形が阻害されることなく、また、アクチュエータの上方に配線基板を樹脂接着層を介して積層する際に配線基板と圧電素子との間に接点不良や押し付けすぎが発生せず、電気的接続の信頼性の向上したインクジェットヘッドを備えるインクジェット描画装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明におけるバンプ同士の接続態様を説明する図
【図2】本発明に係るインクジェットヘッドの断面図
【図3】本発明に係るインクジェットヘッドの部分拡大断面図
【図4】本発明におけるバンプ同士が接続する様子を説明する図
【図5】本発明におけるバンプ同士が接続する他の態様を示す図
【図6】本発明に係るインクジェット描画装置の一例を示す概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明のインクジェットヘッドは、ヘッド基板と配線基板とが接合された積層体構造を有する。ヘッド基板は、インクを吐出させる複数のノズルと、ノズルにそれぞれ対応して配設され、該ノズルから吐出させるためのインクを収容する複数の圧力室と、圧力室にそれぞれ対応して配置され、該圧力室内のインクをノズルから吐出させるための力を付与するアクチュエータとを有している。
【0035】
アクチュエータはヘッド基板の表面に位置する圧力室の上壁の外側に積層形成されており、PZT等の圧電素子からなるアクチュエータ本体を間に挟んで、ヘッド基板と接する面に設けられた下部電極と、その反対面に設けられた上部電極とを有している。アクチュエータは、これら電極間に所定の駆動信号が印加されることによってアクチュエータ本体が変形し、圧力室の上壁によって形成される振動板を振動させることにより、圧力室内のインクに吐出のための圧力を付与する。
【0036】
配線基板は、アクチュエータ表面に露出する上部電極に対して給電するための配線を有しており、この配線基板がヘッド基板のアクチュエータ側の表面に対して接着樹脂層を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、この接着樹脂層によってヘッド基板の表面と配線基板の表面とが接合される。この接合と同時に、アクチュエータ表面の上部電極と配線とが電気的に接続される。
【0037】
接着樹脂層は、ヘッド基板と配線基板との間において、アクチュエータ及びその周囲を除いて設けられることにより、両基板間にアクチュエータの収容空間を確保するように基板同士を接着する。この接着樹脂層は、接着前の状態では所定の弾性率(0.1〜2.5GPa)を有し、接着時に所定の硬化温度(例えば200℃)に加熱されることによって硬化して接着機能を発揮する加熱硬化性接着樹脂層である。
【0038】
このような接着樹脂層には感光性接着樹脂シートを好ましく用いることができる。感光性接着樹脂シートは、アクチュエータの収容空間となる不要部分を露光、現像処理によって容易に除去することができ、所望パターンの層形成が容易である。具体的な接着樹脂層としては、例えば東レ社製感光性ポリイミド接着シート、デュポン社製PerMXシリーズ(商品名)等を用いることができる。
【0039】
このアクチュエータ表面の上部電極と配線との間の電気的接続は、融点が接合時の加熱温度よりも高い第1のバンプと、融点が接合時の加熱温度以下である第2のバンプとの接合による電気的接続である。第1のバンプと第2のバンプは上部電極と配線のいずれに設けられてもよい。すなわち、第1のバンプと第2のバンプのうちの一方がアクチュエータ表面の上部電極上に設けられ、他方が配線上に設けられる。
【0040】
この本発明によると、ヘッド基板と配線基板とが加熱圧着されて接合される際に、第2のバンプは溶融し、第1のバンプは所定のバンプ形状を維持したまま、両バンプ同士が接合するので、接合時に接着樹脂層が圧縮変形して、ヘッド基板と配線基板との間の距離が第1のバンプと第2のバンプのそれぞれの突出高さの合計距離よりも短くなったとしても、溶融した第2のバンプ内に第1のバンプが食い込むことによって接着樹脂層の寸法変化を吸収するため、アクチュエータと配線との間に押し付けすぎが発生することはなくなり、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0041】
しかも、接点不良を防止して確実な電気的接続を図るために、バンプ同士がオーバーラップするように突出高さを高く形成しても、上記同様に、溶融した第2のバンプ内に第1のバンプが食い込むことによってオーバーラップ部分を吸収するため、押し付けすぎが発生することはなく、基板破損を招くおそれはない。
【0042】
この結果、本発明のインクジェットヘッドは、第1のバンプの先端が第2のバンプの内部に食い込んだ状態で、ヘッド基板側のアクチュエータと配線基板側の配線とが電気的に接続され、確実な電気的接続が図られる。
【0043】
本発明の製造方法は、バンプ同士の確実な電気的接続を図るようにするため、ヘッド基板と配線基板とを接合する前の第1のバンプと第2のバンプは、以下の条件(I)且つ(II)を満足することが好ましい。
(I)第1のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<第1のバンプの全高+第2のバンプの全高
(II)第2のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【0044】
この条件を満足する場合、図1に示すように、第1のバンプと第2のバンプとが接続する態様は、第1バンプBu1の先端が第2のバンプBu2の先端にやや食い込む程度に接触した状態(実線で示す状態)と、第1バンプBu1の先端と第2のバンプBu2の先端のいずれか又は両方が、相手側の面に近接する程度まで第1のバンプBu1の先端が第2のバンプBu2内に食い込んだ状態(一点鎖線で示す状態)との間の距離Lの範囲内のいずれかの態様を採ることができ、いずれもバンプ同士が互いにオーバーラップして必ず接続した状態となり、アクチュエータと配線とが確実に電気的接続される。しかも、上記距離Lの範囲内であれば確実な電気的接続が可能となるため、接合時の寸法変化に対して吸収可能な許容範囲も広いという利点がある。
【0045】
図1では、いずれもドーム状(半球状)のバンプを例示しているが、第1のバンプ及び第2のバンプは、上記の融点の条件を満足するものであればどのようなバンプ形状であってもよく、第1のバンプと第2のバンプとが異なる形状であってもよい。例えば、第1のバンプをスタッドバンプとし、第2のバンプをはんだバンプすることもでき、本発明において好ましい。
【0046】
たとえ配線側にはんだバンプを用いても、このはんだバンプはアクチュエータ側のスタッドバンプに対してのみ接合すればよいため、はんだがアクチュエータの上部電極の表面に濡れ広がってアクチュエータの変形を阻害するというような問題は生じない。
【0047】
スタッドバンプは、金属細線(ワイヤ)を用いて放電加熱により金属ボールを形成し、超音波アシストにより金属ボールを電極表面に接合させ、その後、金属細線を引きちぎることで電極表面にバンプを形成する。このようなスタッドバンプは、金属ボールから金属細線が引きちぎられることによって、根元に位置する金属ボール由来の台地状又はこぶ状の肩部と、該肩部から突出する金属細線の一部である突起部とを有している。また、はんだバンプは、ボール状に形成されたはんだを電極表面に接合させることで、先端が平坦面又は球面状に形成される。
【0048】
スタッドバンプとはんだバンプの組合せは、これらバンプ同士の接合時、スタッドバンプの先端の突起部が、溶融状態にある平坦面又は球面状のはんだバンプ先端に容易に食い込むことで、両者の電気的接続のより一層の確実性を図ることができる。
【0049】
スタッドバンプとはんだバンプを用いる場合、ヘッド基板と配線基板とを接合する前のスタッドバンプとはんだバンプは、以下の条件(III)且つ(IV)を満足することも好ましい。
(III)肩部の高さ<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<スタッドバンプの全高+はんだバンプの全高
(IV)はんだバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【0050】
これによると、スタッドバンプの肩部が配線に突き当たることはないため、押し付けすぎによる基板破損の心配はなく、また、突起部は配線に当接しても塑性変形することにより、それだけヘッド基板と配線基板とを近付けることができるので、バンプ同士がオーバーラップし得る許容範囲(接着樹脂層の寸法変化分の吸収可能範囲)を広くすることができる。
【0051】
スタッドバンプは金スタッドバンプであることが好ましい。金スタッドバンプは、先端の突起部がはんだバンプ内に過度に食い込んで相手側の面に当接するようなことがあっても、容易に塑性変形するので、電気的接続の確実性を図るためにスタッドバンプの突出高さを高くしても、基板破損を発生させるおそれなく電気的接続の確実性を容易に図ることができる。
【0052】
はんだバンプには、接着樹脂層の加熱硬化時の温度よりも低い温度で融解する低融点のはんだバンプが好ましく、特に共晶はんだにより形成されるバンプを好ましく用いることができる。共晶はんだとしては、Sn−52In系共晶はんだ(融点118℃)、Sn−58Bi系共晶はんだ(融点139℃)等が挙げられる。この他、接着樹脂層の加熱硬化時の温度よりも低い温度で融解するものであれば、一般の低融点はんだ、例えばSn−Bi−Agはんだ(Agは0〜1%)(融点139℃〜)等用いることもできる。
【0053】
以下、本発明の具体例について図面を用いて更に説明する。
【0054】
図2は、本発明に係るインクジェットヘッドの断面図、図3はその部分拡大断面図、図4はバンプ同士が接続する様子を説明する図である。
【0055】
インクジェットヘッド1は、ヘッド基板10と配線基板20とが、接着樹脂層30によって積層一体化されている。配線基板20の上面には箱型形状のマニホールド40が設けられ、配線基板20との間で、内部にインクが貯留される共通インク室41を形成している。
【0056】
ヘッド基板10は、図中下層側から、Si(シリコン)基板によって形成されたノズルプレート11、ガラス基板によって形成された中間プレート12、Si(シリコン)基板によって形成された圧力室プレート13、SiO薄膜によって形成された振動板14と有している。ノズルプレート11には下面にノズル11aが開口している。
【0057】
圧力室プレート13には、吐出のためのインクを収容する圧力室13aが形成されており、その上壁が振動板14によって構成され、下壁が中間プレート12によって構成されている。中間プレート12には、圧力室13aの内部とノズル11aとを連通する連通路12aが貫通形成されている。
【0058】
アクチュエータ15は、薄膜PZTからなるアクチュエータ本体15aが上部電極15bと下部電極15cとで挟まれてなる。下部電極15cは振動板14の表面に形成されており、この下部電極15c上に、圧力室13aに1対1に対応するように個別にアクチュエータ本体15aとその上面の上部電極15bとが積層されていると共に、上部電極15b上に金スタッドバンプ(第1のバンプ)16(融点1063℃)が配線基板20に向けて突出形成されている。
【0059】
金スタッドバンプ16は、図4に示すように、根元に位置して上部電極15bから台地状又はこぶ状に盛り上がるように形成される肩部(上部電極15bに接する基部)16aと、その肩部16aの上面中央付近から上方に突出する突起部16bとを有している。
【0060】
配線基板20は、Si基板からなる基板本体21の上面に、SiOからなる配線保護層22を介して上部配線23が形成されている。この上部配線23には、配線基板20の端部において、駆動IC27が実装されたFPC(フレキシブルプリント回路基板)28がACF(異方性導電フィルム)によって電気的に接続されている。
【0061】
上部配線23の一部は、基板本体21に形成された貫通孔21aによって基板本体21の下面に臨んでおり、該基板本体21の下面にSiOからなる配線保護層24を介して形成された下部配線25と導通している。アクチュエータ15に面する配線保護層24には、下部配線25の一部が露出しており、その露出した下部配線25に、はんだバンプ(第2のバンプ)26がヘッド基板10に向けて突出形成されている。
【0062】
はんだバンプ26は、ここではSn−Bi系共晶はんだ(融点139℃)によって形成されたバンプからなり、図4に示すように、下部配線25の表面からアクチュエータ15に向けて半球状に盛り上がることによって、その先端面(下端面)26aは球面状となっている。
【0063】
これらヘッド基板10と配線基板20とは、各々別々に作製された後、ヘッド基板10のアクチュエータ15側の面と配線基板20の配線保護層24側の面とを対面させ、接着樹脂層30を介して積層一体化される。
【0064】
接着樹脂層30は、熱硬化性の感光性接着樹脂シート(ここでは硬化温度200℃とする。)であり、ヘッド基板10と配線基板20との間に該接着樹脂層30の厚み分の間隔を設けるべく、配線基板20の配線保護層24の表面(下面)に対して予め貼着される。そして、この接着樹脂層30付きの配線基板20を、接着樹脂層30の貼着面がヘッド基板10側に向くようにして、ヘッド基板10の振動板14表面に形成されている下部電極15cの上面に対して積層した後、所定の硬化温度に加熱され及び圧着されることによって、ヘッド基板10と配線基板20とが接着樹脂層30を介して接着される。接着樹脂層30は、配線基板20への貼着後でヘッド基板10との積層前に、アクチュエータ15及びその周囲に相当する領域が露光、現像によって除去される。これにより、ヘッド基板10と配線基板20との間に、アクチュエータ15(アクチュエータ本体15aと上部電極15b)の収容空間31が形成される。
【0065】
接着樹脂層30には、予め上下に貫通する貫通孔32が同じく露光、現像によって形成されており、その一端(上端)は、配線基板20に形成されているインク供給路29と連通し、他端(下端)は、ヘッド基板10の振動板14に形成された開口14aを通して圧力室13aの内部と連通している。インク供給路29は配線基板20の上面に開口しており、その開口部29aから共通インク室41内のインクを流入させて圧力室13a内に供給可能としている。
【0066】
圧力室13a内に供給されたインクは、配線基板20の下部配線25を介して駆動IC27から与えられる駆動信号によってアクチュエータ15が変形し、振動板14が振動することで、吐出のための圧力が付与され、連通路12aを通ってノズル11aから微小液滴として吐出される。
【0067】
ここで、金スタッドバンプ16とはんだバンプ26は、ヘッド基板10と配線基板20とが接着樹脂層30によって接合されて積層一体化される前の状態で、金スタッドバンプ16の全高(アクチュエータ15の上部電極15bの上面から突起部16bの先端までの高さ)をA1、はんだバンプ26の全高(下部配線25の下面から球面状の先端面26aまでの高さ)をB、接着樹脂層30の厚みをC、接着樹脂層30のヘッド基板10との接着面(ここでは下部電極15cの上面)からアクチュエータ15の上面(上部電極15bの上面)までの高さをDとしたとき(図4(a)参照)、
A1<C−D<A1+B 且つ B<C−D
となるように形成される。
【0068】
このため、間に接着樹脂層30を挟んでヘッド基板10と配線基板20とが積層されると、金スタッドバンプ16の先端(突起部16b)とはんだバンプ26の先端(先端面26a)とは互いにオーバーラップする。この状態で、接着樹脂層30の硬化温度(200℃)で加熱され及び圧着されると、この加熱温度よりも融点が高い金スタッドバンプ16はその形状を維持したままであるが、この加熱温度よりも融点が低いはんだバンプ26は溶融状態となり、接合時の金スタッドバンプ16の突起部16bの侵入(食い込み)を許容し、互いのオーバーラップ分を吸収する。
【0069】
また、加熱圧着時に接着樹脂層30が圧縮されることにより該接着樹脂層30に僅かに加圧潰れが生じ、その厚み寸法が小さくなる方向に変化するが、金スタッドバンプ16の突起部16bが溶融したはんだバンプ26内に食い込むことで、この接着樹脂層30の厚み寸法変化分も吸収する。これにより、金スタッドバンプ16の先端は、はんだバンプ26の内部に確実に食い込んだ状態となり(図4(b)参照)、アクチュエータ16の上部電極15bと下部配線25との確実な電気的接続が保証される。
【0070】
肩部16aの高さ(アクチュエータ15の上部電極15bの上面から肩部16aの先端までの高さ)をA2としたとき(図4(a)参照)、金スタッドバンプ16の突起部16bのみの高さ(A1−A2)は、バンプ形成時のワイヤの引きちぎりによって、およそA2の3倍よりも小さい値となることがわかっている。この突起部16bは極めて細いため、加熱圧着時に突起部16bに荷重がかかっても、容易に塑性変形して潰れることが発明者によって確認されている。
【0071】
このため、接着樹脂層30の硬化温度よりも融点が高い第1のバンプが、本実施形態に示すように、肩部16aと突起部16bとを有するスタッドバンプである場合は、
A2<C−D<A1+B 且つ B<C−D
を満たすようにしても、下部配線25に突き当たるのは上記のように容易に塑性変形可能な突起16bだけであり、肩部16aは下部配線25に突き当たることはないため、押し付けすぎによる基板破損の心配はない。しかも、この条件を満たす場合は、図5に示すように、突起部16bが相手側の面(下部配線25の下面)に当接して塑性変形するまでヘッド基板10と配線基板20とを近付けることができるので、バンプ同士がオーバーラップし得る許容範囲(接着樹脂層30の寸法変化分の吸収可能範囲)を、突起部16bの高さ分だけ、先に述べた条件を満足する場合よりも広くすることができ、より確実な電気的接続を得ることが可能である。
【0072】
中でも、金は柔らかいため、第1のバンプを金スタッドバンプ16とした場合、その突起部16bは圧着時の荷重の1/10程度の力で容易に塑性変形することができ、基板破損の心配なく確実な電気的接続を得る効果をより安定して得ることができる。
【0073】
図6は、かかるインクジェットヘッド1を搭載したインクジェット描画装置の一例を示す概略斜視図である。
【0074】
インクジェット描画装置100は、装置基台101上に、インクジェット描画を行うためのインクジェットヘッド1、上面に基材Wを載置して支持するためのステージ102、ステージ102をθ方向に回転移動させるためのθ回転機構103、ステージ102及びθ回転機構103を共にY方向に沿って直線移動させるY移動機構104、ステージ102及びθ回転機構103を共にX方向に沿って直線移動させるX移動機構105をそれぞれ備えている。
【0075】
なお、X方向とY方向とは水平面上で互いに直交する方向である。
【0076】
インクジェットヘッド1は、装置基台101上の端部近傍においてX方向に沿って平行に架設されたガントリ106に、スライダ107及びθ回転機構108を介して、そのノズル面が下面となるように取り付けられ、その下方に配置されるステージ102上の被記録材Wの表面と平行に対向するように配置されている。インクジェットヘッド1は、スライダ107がガントリ106に沿ってスライド移動することによりX方向に沿って往復移動し、また、θ回転機構108によって、X、Y方向と直交する法線方向であるZ方向に沿う方向を軸としてθ方向に回転移動し、更に、Z移動機構109によってθ回転機構108と共にZ方向に昇降移動することができるようになっている。
【0077】
ステージ102は、X方向に沿って延びるX移動機構105上に、θ回転機構103を介して設けられた平面視矩形状の定盤であり、その上面は被記録材Wを載置するための水平な載置面とされ、該載置面がインクジェットヘッド1のノズル面に対して所定の高さ位置となるように配設されている。このステージ102は、θ回転機構103と共にX移動機構105に沿ってスライド移動することによってX方向に沿って直線移動し、このX移動機構105が、それぞれY方向に沿って延びるY移動機構104に沿ってスライド移動することによって、θ回転機構103と共にY方向に沿って直線移動し、更に、θ回転機構103によって、インクジェットヘッド1のノズル面に対して平行を維持したまま、Z方向に沿う方向を軸としてθ方向に回転移動することができるようになっている。
【0078】
インクジェット描画装置100は、インクジェットヘッド1とステージ102とを相対的に移動させ、そのときの各位置情報に応じて、所定の吐出パターンデータに基づいてインクジェットヘッド1からの液滴の吐出を制御し、ステージ102上の被記録材W表面に着弾させることで、所望の描画を行う。
【符号の説明】
【0079】
1:インクジェットヘッド
10:ヘッド基板
11:ノズルプレート
11a:ノズル
12:中間プレート
12a:連通路
13:圧力室プレート
13a:圧力室
14:振動板
14a:開口部
15:アクチュエータ
15a:アクチュエータ本体
15b:上部電極
15c:下部電極
16:金スタッドバンプ(第1のバンプ)
16a:肩部
16b:突起部
20:配線基板
21:基板本体
21a:貫通孔
22:配線保護層
23:上部配線
24:配線保護層
25:下部配線
26:はんだバンプ
26a:先端面
27:駆動IC
28:FPC
29:インク供給路
29a:開口部
30:接着樹脂層
31:収容空間
40:マニホールド
41:共通インク室
100:インクジェット描画装置
101:装置基台
102:ステージ
103:θ回転機構
104:Y移動機構
105:X移動機構
106:ガントリ
107:スライダ
108:θ回転機構
109:Z移動機構
W:被記録材
Bu1:第1のバンプ
Bu2:第2のバンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ対応して配設され、該ノズルから吐出させるためのインクを収容する複数の圧力室と、前記圧力室にそれぞれ対応して配置され、該圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるための力を付与するアクチュエータとを有するヘッド基板と、前記アクチュエータ表面の電極に対して給電するための配線を有する配線基板とを備え、前記配線基板が前記ヘッド基板に対して接着樹脂層を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線とが電気的に接続されると共に前記ヘッド基板と前記配線基板とが接合されてなるインクジェットヘッドであって、
前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線との間の電気的接続は、融点が前記加熱温度よりも高い第1のバンプと、融点が前記加熱温度以下である第2のバンプとの接合による電気的接続であり、前記第1のバンプと前記第2のバンプのうちの一方が前記アクチュエータ表面の前記電極に設けられ、他方が前記配線に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記第1のバンプの先端が、前記第2のバンプの内部に食い込んだ状態で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記第1のバンプは、スタッドバンプであり、前記第2のバンプは、はんだバンプであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
前記スタッドバンプは、根元に位置する肩部と該肩部から突出する突起部とを有し、前記はんだバンプは、先端が平坦面又は球面であることを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記スタッドバンプは金スタッドバンプであることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェットヘッド。
【請求項6】
インクを吐出させる複数のノズルと、前記ノズルにそれぞれ対応して配設され、該ノズルから吐出させるためのインクを収容する複数の圧力室と、前記圧力室にそれぞれ対応して配置され、該圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるための力を付与するアクチュエータとを有するヘッド基板と、前記アクチュエータ表面の電極に対して給電するための配線を有する配線基板とを備え、前記配線基板が前記ヘッド基板の表面に対して接着樹脂層を介して所定の加熱温度で圧着されることによって、前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線とを電気的に接続すると共に前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記アクチュエータ表面の前記電極と前記配線のうちのいずれか一方に融点が前記加熱温度よりも高い第1のバンプを設け、他方に融点が前記加熱温度以下である第2のバンプを設け、
前記ヘッド基板に対して前記配線基板を前記加熱温度で圧着することによって、前記第1のバンプと前記第2のバンプとを電気的に接続させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第1のバンプは、スタッドバンプであり、前記第2のバンプは、はんだバンプであることを特徴とする請求項6記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記スタッドバンプは、根元に位置する肩部と該肩部から突出する突起部とを有し、前記はんだバンプは、先端が平坦面又は球面であることを特徴とする請求項7記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記スタッドバンプは金スタッドバンプであることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項10】
前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合する前の前記第1のバンプと前記第2のバンプは、以下の条件(I)且つ(II)を満足することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(I)第1のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<第1のバンプの全高+第2のバンプの全高
(II)第2のバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【請求項11】
前記ヘッド基板と前記配線基板とを接合する前の前記スタッドバンプと前記はんだバンプは、以下の条件(III)且つ(IV)を満足することを特徴とする請求項8又は9記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(III)肩部の高さ<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ<スタッドバンプの全高+はんだバンプの全高
(IV)はんだバンプの全高<接着樹脂層の厚み−接着樹脂層のヘッド基板との接着面からアクチュエータの上面までの高さ
【請求項12】
請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載してなることを特徴とするインクジェット描画装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−218682(P2011−218682A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90928(P2010−90928)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】