説明

インクジェットヘッドパッケージ、その組立装置及び組立方法

【課題】本発明は、インクジェットヘッドパッケージ、その組立装置及び組立方法に関する。
【解決手段】本発明によるインクジェットヘッドパッケージは、夫々が一面に形成された多数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成される多数のインクジェットヘッドと、一面に前記多数のインクジェットヘッドの他面が対向して固定配置され、内部に前記他面の一部を露出させる開口部が形成されるフレームと、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドパッケージ、その組立装置及び組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にインクジェットヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さいノズルを介してインクが微小な液滴(droplet)の形態で吐出されるようにする構造体である。このようなインクジェットヘッドは最近、産業用インクジェットプリンターにおいて広く用いられている。
【0003】
例えば、フレキシブル印刷回路基板(FPCB)上に金、銀などの金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成させたり、産業グラフィックや液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)の製造及び太陽電池などに用いられる。
【0004】
このようなインクジェットプリンティング工程においては、出来る限りプリンティング面積が広く、ノズル集積度(nozzle density)が高く、多くのノズル数を有するインクジェットヘッドを用いることが有利である。しかし、ノズル間に最小間隔が維持されなければならないため、インクジェットヘッドに形成できるノズル数には限界があり、これによりノズル集積度が高いインクジェットヘッドを製作することに困難がある。
【0005】
従って、短時間内に高精密及び高解像度の印刷を具現することができるように、数個〜数十個のインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンターが用いられている。このようなインクジェットプリンターには、多数のインクジェットヘッドを数μm以内の誤差範囲内で精密に整列するために、インクジェットヘッドを個別に整列する方法が適用されており、これを実現するためには多くの精密ステージや治具、センサーなどが付加的に必要である。例えば、一つのインクジェットヘッドを整列するにあたり、x、y、z、θ軸の制御が可能なステージ、治具、センサーなどを含む装備が必要である。
【0006】
このように夫々のインクジェットヘッドを個別に整列させる場合、インクジェットヘッド間の精密度を向上させることはできるが、夫々のインクジェットヘッドごとに上記装備を備えなければならないため、多数のインクジェットヘッドを装着する場合、上記装備の個数も増加する。例えば、インクジェットプリンターに10個のインクジェットヘッドを装着すると、制御用ステージの場合全部で40個が必要となることからインクジェットヘッドを装着する装備の全体的なサイズを増加させ、上記装備を制御する制御システムも複雑になるため、上記装備の制御が困難になるという問題点がある。
【0007】
また、制御用ステージやセンサーなどは高価な装備であるため、設備コストも急激に上昇するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、インクジェットプリンターに多数のインクジェットヘッドを装着するにあたり、装着装備数を画期的に減らし、装着を制御するシステムを単純化することができるインクジェットヘッドパッケージ、その組立装置及び組立方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージは、夫々が一面に形成された多数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成される多数のインクジェットヘッドと、一面に上記多数のインクジェットヘッドの他面が対向して固定配置され、内部に上記他面の一部を露出させる開口部が形成されるフレームと、を含むことができる。
【0010】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージにおいて、上記多数のインクジェットヘッドは互いに隣接するインクジェットヘッドのノズル開口の中心がオフセットされるように配置されることができる。
【0011】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージにおいて、上記フレームは、上記多数のインクジェットヘッドの固定時、上記多数のインクジェットヘッドを上記フレームに真空吸着するように形成された真空吸着ホールを含むことができる。
【0012】
この際、上記真空吸着ホールは、上記多数のインクジェットヘッドと接する部分の水平断面積がその反対部分より大きく形成されることができる。
【0013】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージは、上記多数のインクジェットヘッドを上記フレームに結合する結合部材をさらに含むことができる。
【0014】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージは、上記多数のインクジェットヘッドの位置をガイドするように、上記多数のインクジェットヘッド及び上記フレームのうち少なくとも一つに形成されるガイド部材をさらに含むことができる。
【0015】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージにおいて、上記多数のインクジェットヘッドは長さ方向において上記ノズルの最外側にアライメントマークが形成されることができる。
【0016】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージにおいて、上記多数のインクジェットヘッドは上記フレームより0.1〜2mm長く形成されることができる。
【0017】
一方、他の側面における本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置は、フレームを支持するフレーム支持部と、多数のインクジェットヘッドの上記フレーム上の位置をモニタリングするセンシング部と、上記センシング部から伝送される上記多数のインクジェットヘッドの位置情報を基に上記フレーム上の決められた位置に上記多数のインクジェットヘッドを移送してアライメントするアライメント部と、を含むことができる。
【0018】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置において、上記センシング部は、上記多数のインクジェットヘッドの上記フレーム上の位置を撮影するカメラと、上記カメラを上記多数のインクジェットヘッドのうちアライメントする対象インクジェットヘッドの決められた位置に移動させるカメラ移送部と、を含むことができる。
【0019】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置において、上記アライメント部は、上記多数のインクジェットヘッドを上記フレーム上に移送し、上記フレーム上の決められた位置に移動させるグリッパーと、上記多数のインクジェットヘッドが上記フレーム上の決められた位置にアライメントされるように、上記センシング部から伝送される上記多数のインクジェットヘッドの位置情報を基に上記グリッパーを移動させる移送ステージと、を含むことができる。
【0020】
この際、上記移送ステージは、上記グリッパーが上記多数のインクジェットヘッドを上記フレーム上で平面移動させるように、x軸、y軸及びθ軸ステージを含むことができる。
【0021】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置は、上記アライメントされた多数のインクジェットヘッドが上記フレーム上の決められた位置に固定されるように、上記フレームに形成された真空吸着ホールの内部を減圧する真空ホルダーをさらに含むことができる。
【0022】
一方、また他の側面における本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法は、夫々が多数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成される多数のインクジェットヘッドのノズル形成面の反対面が、フレームの一面と対向し上記反対面の一部が上記フレームに形成された開口部によって露出されるように、上記多数のインクジェットヘッドを上記フレーム上に移送する段階と、上記多数のインクジェットヘッドを上記フレーム上の決められた位置にアライメントする段階と、上記アライメントされた多数のインクジェットヘッドを上記フレームに固定する段階と、を含むことができる。
【0023】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法において、上記アライメントする段階は、上記多数のインクジェットヘッドのうちアライメントする対象インクジェットヘッドの上記フレーム上の位置をモニタリングするセンシング部を上記対象インクジェットヘッドの決められた位置に移動させる段階と、上記センシング部によってモニタリングされる上記対象インクジェットヘッドの位置情報を基に上記対象インクジェットヘッドを上記決められた位置に移動させる段階と、を含むことができる。
【0024】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法において、上記固定する段階は、上記フレームに形成された真空吸着ホールによって上記多数のインクジェットヘッドを真空吸着した状態で行われることができる。
【0025】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法において、上記固定する段階は、上記フレームの一面に塗布された接着剤により上記多数のインクジェットヘッドを接着することで行われることができる。
【0026】
また、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法において、上記固定する段階は、上記フレームと上記多数のインクジェットヘッドをねじ結合することで行われることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるインクジェットヘッドパッケージ、その組立装置及び組立方法によると、インクジェットプリンターに多数のインクジェットヘッドを装着するにあたり、装着装備数を画期的に減らし、装着を制御するシステムを単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージのインクジェットヘッドから見た平面図である。
【図3】本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの分解斜視図である。
【図4】図1のA−A'線に沿って切断した概略断面図である。
【図5】本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置の概略構成図である。
【図6】本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0030】
また、各実施形態の図面に示す同一の思想における機能が同一の構成要素は、同一または類似する参照番号を用いて説明する。
【0031】
図1は本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの斜視図であり、図2は本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージのインクジェットヘッド側から見た平面図であり、図3は本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの分解斜視図であり、図4は図1のA−A'線に沿って切断した概略断面図である。
【0032】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージ10は、夫々が一面に形成された多数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成される多数のインクジェットヘッド30と、一面に上記多数のインクジェットヘッドが固定されるフレーム20とを含む。
【0033】
本実施例では、フレーム20に二つのインクジェットヘッド30a、30bが配列されている構成を図示して説明するが、本発明はこれに限らず、求められる条件及び設計仕様に応じて三つ以上のインクジェットヘッドが一つのフレームに配列されてもよく、数十個のインクジェットヘッドが一つのフレームに固定されてもよい。
【0034】
インクジェットヘッド30は、第1のインクジェットヘッド30aと、第2のインクジェットヘッド30bとで構成されることができる。インクジェットヘッド30がフレーム20に配列される時、第1のインクジェットヘッド30aが基準ヘッドとなり、第2のインクジェットヘッド30bがターゲットヘッドとなることができる。即ち、第2のインクジェットヘッド30bは第1のインクジェットヘッド30aを基準に配列されることができる。一つのフレームに配列されるインクジェットヘッドの数が三つ以上である場合、一番目に配列されるインクジェットヘッドが基準ヘッド、その次に配列されるインクジェットヘッドがターゲットヘッドで構成される。
【0035】
一方、第1及び第2のインクジェットヘッド30a、30b夫々には、一面にインクが吐出される多数のノズル32が形成されており、内部にはインク流路が形成されている。ここで、インクジェットヘッドの一面はノズルが形成されている面、即ち、フレーム20に固定される面と対向する面を意味し、インクジェットヘッドの他面はノズル形成面と対向する面、即ち、フレーム20に固定される面を意味する。
【0036】
インクジェットヘッド30はアクチュエーター(未図示)の駆動によるインク流路内の圧力または体積の変化によってノズルにインクを吐出する装置であり、具体的な構成は一般的なインクジェットヘッドと実質的に同一であるため、詳しい説明は省略する。
【0037】
本実施例でそれぞれのインクジェットヘッド30は二つの単位ヘッドが対称形成された構造であり、上記単位ヘッドは長さ方向両側に夫々インク注入口31、34を含む。
【0038】
それぞれのインクジェットヘッド30は長さ方向の両端部に貫通ホール33を含み、上記貫通ホール33はフレーム20に形成された貫通孔23とともにインクジェットヘッド30をフレーム20に固定するため、結合部材37が挿入される孔を形成することができる。
【0039】
上記結合部材37はねじであることができ、上記貫通ホール33及び貫通孔23の内面には、上記結合部材37がねじ結合されるようにねじ山が形成されることができる。即ち、上記結合部材37が雄ねじであり、上記貫通ホール33及び貫通孔23からなる孔が雌ねじであることができる。
【0040】
本実施例では、インクジェットヘッド30をフレーム20に固定するにあたり、ねじ結合を利用する場合を図示して説明しているが、本発明はこれに限らず、例えば、フレームやインクジェットヘッドに接着剤を塗布してボンディングによって固定してもよい。
【0041】
インクジェットヘッド30の一面であるノズル形成面には、長さ方向においてノズル32の最外側にインクジェットヘッド30をフレーム20に配列する時、これを容易にするためのアライメントマーク35が形成されることができる。
【0042】
インクジェットヘッド30は互いに隣接するインクジェットヘッドのノズル開口の中心がオフセットされるように配置されることができる。即ち、図2に図示されたように、第1のインクジェットヘッド30aのノズル開口の中心と第2のインクジェットヘッド30bのノズル開口の中心が、x1だけオフセットされることができる。
【0043】
インクジェットヘッド30は、フレーム20上に配列する時に容易に移送できるように、フレーム20より長さ方向に0.1〜2mm長く形成されることができる。図2を参照すると、インクジェットヘッド30はフレーム20より長さ方向にx2だけ長く形成されている。これは、フレーム20の一面にインクジェットヘッド30を移送して配列する時、インクジェットヘッド30をグリッパー(gripper)121(図5参照)で把持して移動するためである。
【0044】
フレーム20は、一面にインクジェットヘッド30のノズル形成面の反対面であるインクジェットヘッド30の他面が対向して固定配置され、内部に上記他面の一部を露出させる開口部21が形成されることができる。
【0045】
本実施例で、フレーム20は四角形に形成されているが、本発明はこれに限らず、フレームに固定配置されるインクジェットヘッドの数や配列形態によって多様な形状のフレームが使われることができる。
【0046】
フレーム20はインクジェットヘッド30が固定される部分に結合部材37が挿入されるように貫通孔23を含み、上記貫通孔23は内面にねじ山が形成され、インクジェットヘッド30に形成された貫通ホール33と連通して雌ねじを構成することができる。
【0047】
フレーム20は、インクジェットヘッド30の固定時にインクジェットヘッド30がフレーム20上に位置固定されるように、インクジェットヘッド30を真空吸着する真空吸着ホール22を含むことができる。
【0048】
真空吸着ホール22の内部はインクジェットヘッド30と接する部分の反対側で真空ホルダー144(図5参照)によって真空状態となり、これによりインクジェットヘッド30がフレーム20に吸着されることができる。従って、インクジェットヘッド30の貫通ホール33とフレーム20の貫通孔23に結合部材37が結合される間、インクジェットヘッド30がフレーム20上に位置固定されることができる。
【0049】
フレーム20はインクジェットヘッド30で容易に真空吸着できるように、±20μm以内の厚さを有するように形成されることができ、特に±10μm以内であることが好ましい。
【0050】
また、フレーム20は、インクジェットヘッド30で容易に真空吸着できるように、インクジェットヘッド30と接する部分の水平断面積がその反対部分より大きく形成されることができる。これは、真空ホルダー144によって真空吸着ホール22の内部を真空状態にする時、真空ホルダー側部分の入口が狭いほど吸着が円滑になされるためである。
【0051】
本実施例で、図4に図示されたように、真空吸着ホール22はインクジェットヘッド30と接する部分の水平断面積がその反対側より大きくなるように、段差状に形成されているが、本発明はこれに限らず、インクジェットヘッド30と接する部分の水平断面積が反対側より大きく形成されさえすればよい。例えば、真空吸着ホール22はインクジェットヘッドと接する部分からその反対側に行くほど水平断面積が次第に小さくなるように傾斜して形成されてもよい。
【0052】
フレーム20はインクジェットヘッド30を整列する時、インクジェットヘッド30の位置をガイドするためのガイド部材24を含むことができる。上記ガイド部材24は一定形態のマークであってもよく、フレーム20を貫通するホールの形態、フレーム20のインクジェットヘッド30の配列面から突出形成される突起形態などの多様な形態であってもよい。
【0053】
また、ガイド部材はインクジェットヘッド30に形成されてもよく、フレーム20とインクジェットヘッド30の全てに形成されてもよい。例えば、フレーム20の一面から突出形成されるガイドピンと、上記ガイドピンが挿入されるようにインクジェットヘッド30に形成されるガイド溝で形成されてもよく、その逆も同様である。即ち、ガイドピンがインクジェットヘッドに、ガイド溝がフレームに形成されることができる。
【0054】
本実施例で、インクジェットヘッドパッケージ10をインクジェットプリンターに装着する時、従来のように多数のインクジェットヘッドを個別に装着する代わりに、インクジェットヘッドパッケージ10自体を装着すれば良いことから、インクジェットヘッドの装着のためにインクジェットプリンターに設けられる装置の数を顕著に減らすことができ、インクジェットヘッドの装着のための装置の制御システムも単純化することができる。
【0055】
例えば、インクジェットヘッドパッケージ10に二つのインクジェットヘッドが組み立てられている場合、インクジェットプリンターに設けられる装置、特にx、y、z、θ軸移送ステージの数が半減するため、装置の数及び装置制御システムを単純化することができる。
【0056】
以下、上述の構成を有する本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置を説明する。
【0057】
図5は本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置の概略構成図である。
【0058】
図5を参照すると、本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立装置100は、フレーム20を支持するフレーム支持部110と、多数のインクジェットヘッド30をフレーム20上の決められた位置に移送してアライメントするアライメント部120と、多数のインクジェットヘッド30のフレーム20上の位置をモニタリングするセンシング部130と、多数のインクジェットヘッド30の移送及びアライメントを制御する制御部140と、を含むことができる。
【0059】
フレーム支持部110は上面にフレーム20をロードしてインクジェットヘッド30をアライメントする間にフレーム20を支持するものであり、アライメントされたインクジェットヘッド30の固定時、インクジェットヘッド30をフレーム20に密着させるためにフレーム20に形成された真空吸着ホール22と連通する減圧ホール111を含むことができる。
【0060】
上記減圧ホール111は真空吸着ホール22に対応する位置にフレーム支持部110を厚さ方向に貫通して形成されることができ、上記減圧ホール111に真空ホルダー144が連結され、インクジェットヘッド30をフレームに密着させる時に真空吸着ホール22が真空状態になるようにする。
【0061】
アライメント部120は、インクジェットヘッド30をピックアップしてフレーム20上に移送し、フレーム20上の決められた位置に移動させるグリッパー121と、グリッパー121を移動させる移送ステージ122、123を含むことができる。
【0062】
移送ステージはセンシング部130から伝送されるインクジェットヘッド30の位置情報を基にグリッパー121を移動させ、インクジェットヘッド30がフレーム20上の決められた位置にアライメントされるようにする。
【0063】
移送ステージはフレーム20の一面上でインクジェットヘッド30を平面移動させ、x軸及びx軸に垂直なy軸に沿って移動させる第1移送ステージ122と、x軸及びy軸を所定の軸から角度θ回転移動させる第2移送ステージ123とを含むことができる。
【0064】
第1移送ステージ122はインクジェットヘッド30をフレーム20の一面上で水平移動及び垂直移動させ、第2移送ステージ123はインクジェットヘッド30をフレーム20の一面上で所定の軸を中心に所定の角度だけ回転移動させる。
【0065】
本実施例では、移送ステージとしてx軸、y軸、θ軸ステージのみが必要であり、フレーム20の一面と垂直なz軸に沿った移動のためのz軸ステージは不必要であるため、インクジェットヘッドパッケージの組立装置の体積減少及び制御システムの単純化が可能である。
【0066】
センシング部130は、インクジェットヘッド30のフレーム20上の位置を撮影するカメラ133と、カメラ133をピックアップして多数のインクジェットヘッド30のうちアライメントする対象インクジェットヘッドの決められた位置に移動させるカメラ移送部131、132と、を含むことができる。
【0067】
カメラ移送部131、132は、インクジェットヘッド30のアライメントされる位置にカメラ133を移動させるものであり、カメラをピックアップするピックアップ機132と、ピックアップ機132を移動させる移送ステージ131と、を含むことができる。 移送ステージ131はカメラ133をx軸及び y軸方向に移動させることができる。
【0068】
カメラ133はインクジェットヘッド30のノズル形成面のアライメントマーク35を撮影してビジョンユニット143に伝送する。
【0069】
制御部140は、中央処理ユニット141と、制御ユニット142と、カメラ133で撮影されたインクジェットヘッド30の画像データを処理するビジョンユニット143と、フレーム20にインクジェットヘッド30を真空吸着させる真空ホルダー144と、を含むことができる。
【0070】
ビジョンユニット143は、カメラ133で撮影されたインクジェットヘッド30の画像データを処理するものであり、上記撮影された画像を読み取り、インクジェットヘッド30のノズル形成面に形成されたアライメントマーク35を確認する。
【0071】
中央処理ユニット141は、上記ビジョンユニット143によって処理された画像データからアライメントマーク35の座標データをインクジェットヘッド30の位置情報として抽出し、これを基にインクジェットヘッド30の位置補正値を計算する。
【0072】
制御ユニット142は中央処理ユニット141によって計算されたインクジェットヘッド30の位置補正値を基にアライメント部120の第1及び第2移送ステージ122、123の移動を制御し、これにより、インクジェットヘッド30が決められた位置にアライメントされることができる。
【0073】
制御ユニット142はセンシング部130を制御することができる。多数のインクジェットヘッドのうちアライメントされる対象インクジェットヘッドの決められた位置にカメラ133を移動させることを制御することができる。この際、カメラ133が移動される位置は対象インクジェットヘッドのアライメントマークが配置される位置である。
【0074】
制御ユニット142は真空ホルダー144を制御することができる。即ち、中央処理ユニット141によって計算されたインクジェットヘッド30の位置補正値が0である場合、これはインクジェットヘッド30が決められた位置にアライメントされたことを意味するため、制御ユニット142は真空ホルダー144を制御して、フレーム支持部110の減圧ホール111とフレーム20の真空吸着ホール22の内部を真空状態にすることができる。
【0075】
以下、上述の構成を有する本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法を説明する。
【0076】
図6は本発明の一実施例によるインクジェットヘッドパッケージの組立方法を示すフローチャートである。
【0077】
まず、フレーム20がフレーム支持部110上にロードされた状態で、インクジェットヘッド30をフレーム20の一面に移送する(第1段階、S01)。フレーム20に組立てるインクジェットヘッド30の数がnである場合、フレーム20に最初に移送されるインクジェットヘッドを基準ヘッドとし、残りのn−1個のインクジェットヘッドをターゲットヘッドとして、組立工程を行うことができる。この際、センシング部130のカメラ133を基準ヘッドがアライメントされる予め決められた位置に移動させる。これは、第1段階(S01)で基準ヘッドをフレーム20上に移送する前に行ってもよい。
【0078】
続いて、基準ヘッドのアライメントを実施する(第2段階、S02)。即ち、基準ヘッドの位置をカメラ133で撮影した後に抽出された基準ヘッドの現在位置情報を基に基準ヘッドの位置補正値を計算し、ここで計算された位置補正値に応じて第1及び第2移送ステージ122、123が基準ヘッドを移動することにより基準ヘッドのアライメントを実施する。
【0079】
このようにして、基準ヘッドのアライメントが行われると、基準ヘッドが予め決められた位置にあるかを確認する(第3段階、S03)。具体的には、アライメントされた基準ヘッドの位置を撮影し、ここで抽出された基準ヘッドの位置情報を基に基準ヘッドの位置補正値が0であれば基準ヘッドのアライメントが確認されたものとして次の段階を行い、0でなければ 第2段階(S02)に戻り基準ヘッドの位置補正値に応じて基準ヘッドのアライメントを再び実施する。
【0080】
第3段階(S03)で基準ヘッドのアライメントが確認されたら、基準ヘッドをフレーム20に固定する(第4段階、S04)。基準ヘッドの固定は、基準ヘッドやフレームの一面に接着剤を塗布することにより行われてもよく、図3に図示されたようにねじ結合によってなされてもよい。
【0081】
このように、基準ヘッドのアライメントが完了されたら、次のインクジェットヘッドをターゲットヘッドとしてフレーム20上に移送する(第5段階、S05)。この際、センシング部130のカメラ133をターゲットヘッドがアライメントされる予め決められた位置に移動させる。これは、第5段階(S05)でターゲットヘッドをフレーム20上に移送する前に行ってもよい。
【0082】
続いて、ターゲットヘッドのアライメントを実施する(第6段階、S06)。これは第2段階(S02)の基準ヘッドのアライメントと同一の方法で行われることができる。即ち、ターゲットヘッドの位置をカメラ133で撮影し、ここで抽出されたターゲットヘッドの現在位置情報を基にターゲットヘッドの位置補正値を計算し、このように計算された位置補正値に応じて第1及び第2移送ステージ122、123がターゲットヘッドを移動することによりターゲットヘッドのアライメントを実施する。
【0083】
その次、ターゲットヘッドのアライメント可否を確認する(第7段階、S07)。これは第3段階(S03)の基準ヘッドのアライメント確認と同一の方法で行われることができる。即ち、アライメントされたターゲットヘッドの位置を撮影し、ここで抽出されたターゲットヘッドの位置情報を基にターゲットヘッドの位置補正値が0であればターゲットヘッドのアライメントが確認されたものとして次の段階を行い、0でなければ再び第6段階(S02)に戻りターゲットヘッドの位置補正値に応じてターゲットヘッドのアライメントを再び実施する。
【0084】
その次、ターゲットヘッドをフレーム20に固定する(第8段階、S08)。ターゲットヘッドの固定は、上記第4段階(S04)の基準ヘッドの固定と同一の方法で行われることができる。即ち、ターゲットヘッドやフレームの一面に接着剤を塗布することにより行われてもよく、図3に図示されたようにねじ結合によってなされてもよい。
【0085】
その次、フレーム20に固定されたターゲットヘッドの数を確認する(第9段階、S09)。固定されたターゲットヘッドの数が全体ターゲットヘッドの数、即ち、n−1個ならばインクジェットヘッドのアライメントが終了し、n−1個に満たないと、第5段階(S05)に戻り、次のターゲットヘッドをフレームにアライメントして固定する段階を繰り返す。
【0086】
上述したように、一つのフレームに数個のインクジェットヘッドをアライメントしてインクジェットヘッドパッケージを組立てると、インクジェットヘッドパッケージ自体をインクジェットプリンターに装着することができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施例を詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、当該分野で通常的知識を有した者であれば、ここから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるということは自明である。従って、本発明の真の技術的保護の範囲は添付された特許請求範囲によって決まるべきである。
【符号の説明】
【0088】
10 インクジェットヘッドパッケージ
20 フレーム
22 真空吸着ホール
24 ガイド部材
30 インクジェットヘッド
32 ノズル
35 アライメントマーク
37 結合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面と当該一方の面の反対面とを有し、前記一方の面に形成された複数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成されている複数のインクジェットヘッドと、
内部に開口部が形成されているフレームと
を含み、
前記フレームは、当該フレームの一方の面に前記複数のインクジェットヘッドの前記反対面が対向して固定配置され、
前記開口部は、前記反対面の一部を露出させるインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項2】
前記複数のインクジェットヘッドは、互いに隣接するインクジェットヘッドのノズル開口の中心がオフセットされるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項3】
前記フレームは、前記複数のインクジェットヘッドの固定時、前記複数のインクジェットヘッドを前記フレームに真空吸着するように形成された真空吸着ホールを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項4】
前記真空吸着ホールは、前記複数のインクジェットヘッドと接する部分の水平断面積が前記接する部分に対向する部分の水平断面積より大きく形成されることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項5】
前記複数のインクジェットヘッドを前記フレームに結合する結合部材をさらに含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項6】
前記複数のインクジェットヘッドの位置をガイドするように、前記複数のインクジェットヘッド及び前記フレームのうち少なくとも一つに形成されるガイド部材をさらに含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項7】
前記複数のインクジェットヘッドは長さ方向において前記複数のノズルの最外側にアライメントマークが形成されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項8】
前記複数のインクジェットヘッドは前記フレームより0.1〜2mm長く形成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のインクジェットヘッドパッケージ。
【請求項9】
フレームを支持するフレーム支持部と、
複数のインクジェットヘッドの前記フレーム上の位置をモニタリングするセンシング部と、
前記センシング部から伝送される前記複数のインクジェットヘッドの位置情報を基に前記フレーム上の決められた位置に前記複数のインクジェットヘッドを移送してアライメントするアライメント部と
を含むインクジェットヘッドパッケージの組立装置。
【請求項10】
前記センシング部は、
前記複数のインクジェットヘッドの前記フレーム上の位置を撮影するカメラと、
前記カメラを前記複数のインクジェットヘッドのうちアライメントする対象インクジェットヘッドの決められた位置に移動させるカメラ移送部と
を含むことを特徴とする請求項9に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立装置。
【請求項11】
前記アライメント部は、
前記複数のインクジェットヘッドを前記フレーム上に移送し、前記フレーム上の決められた位置に移動させるグリッパーと、
前記複数のインクジェットヘッドが前記フレーム上の決められた位置にアライメントされるように、前記センシング部から伝送される前記複数のインクジェットヘッドの位置情報を基に前記グリッパーを移動させる移送ステージと
を含むことを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立装置。
【請求項12】
前記移送ステージは、前記グリッパーが前記複数のインクジェットヘッドを前記フレーム上で平面移動させるように、前記フレーム上の一の方向であるx方向に移動させるx軸ステージ、前記x方向と垂直なy方向に移動させるy軸ステージ、並びに前記x方向及び前記y方向を所定の方向から角度θ回転移動させるθ軸ステージを含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立装置。
【請求項13】
前記アライメントされた複数のインクジェットヘッドが前記フレーム上の決められた位置に固定されるように、前記フレームに形成された真空吸着ホールの内部を減圧する真空ホルダーをさらに含むことを特徴とする請求項9から12の何れか1項に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立装置。
【請求項14】
複数のノズルを介してインクを吐出するようにインク流路が形成される複数のインクジェットヘッドの夫々のノズル形成面の反対面が、フレームの一面と対向して前記反対面の一部が前記フレームに形成された開口部によって露出されるように、前記複数のインクジェットヘッドを前記フレーム上に移送する段階と、
前記複数のインクジェットヘッドを前記フレーム上の決められた位置にアライメントする段階と、
前記アライメントされた複数のインクジェットヘッドを前記フレームに固定する段階と
を含むインクジェットヘッドパッケージの組立方法。
【請求項15】
前記アライメントする段階は、
前記複数のインクジェットヘッドのうちアライメントする対象インクジェットヘッドの前記フレーム上の位置をモニタリングするセンシング部を前記対象インクジェットヘッドの決められた位置に移動させる段階と、
前記センシング部によってモニタリングされる前記対象インクジェットヘッドの位置情報を基に前記対象インクジェットヘッドを前記決められた位置に移動させる段階と
を含むことを特徴とする請求項14に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立方法。
【請求項16】
前記固定する段階は、前記フレームに形成された真空吸着ホールによって前記複数のインクジェットヘッドを真空吸着した状態で行われることを特徴とする請求項14または15に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立方法。
【請求項17】
前記固定する段階は、前記フレームの一面に塗布された接着剤によって前記複数のインクジェットヘッドを接着することにより行われることを特徴とする請求項16に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立方法。
【請求項18】
前記固定する段階は、前記フレームと前記複数のインクジェットヘッドをねじ結合することにより行われることを特徴とする請求項16に記載のインクジェットヘッドパッケージの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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