説明

インクジェットヘッドモジュール及びこれを用いたインクジェットヘッドの位置合わせ方法

【課題】インクジェットヘッドの位置合わせのために要求される部品をインクジェット設備から省略できるため、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができ、かつ複数のインクジェットヘッドのそれぞれを微細に移動できるため、インクジェットヘッドの位置合わせをより高精度にすることができる、インクジェットヘッドモジュール及びこれを用いたインクジェットヘッドの位置合わせ方法を提供する。
【解決手段】本発明によるインクジェットヘッドモジュールは、インクジェット設備に着脱可能なフレームと、フレームにそれぞれ結合され、インクを吐出するノズルが形成される複数のヘッドと、フレームと複数のヘッドとの間にそれぞれ介在され、ヘッドをフレームに対して移動可能に支持する複数の支持台と、複数のヘッドをそれぞれ移動させて複数のヘッドを位置合わせする複数の圧電モータと、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドモジュール及びこれを用いたインクジェットヘッドの位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷技術は、インクジェットヘッドのノズルを介して液滴状のインクを吐出する原理を利用した技術である。このようなインクジェット印刷技術は、有機発光ダイオード(OLED、organic light emitting diodes)、液晶表示装置(LCD、liquid crystal display)、プラズマ表示パネル(PDP、plasma display panel)、電界放出ディスプレイ(FED、field emission display)などの分野において競争力ある工程技術として期待されており、これに関する研究が盛んに行われている。
【0003】
このようなインクジェット印刷技術を用いて回路パターンなどを形成するには、量産性の向上のためにインクジェット設備に複数のインクジェットヘッドを装着することが必須である。これにより、これら複数のインクジェットヘッドを位置合わせする技術が要求されている。
【0004】
従来技術によれば、複数のインクジェットヘッドを位置合わせするためにインクジェット設備内にインクジェットヘッドの位置合わせシステムが内蔵された。具体的に、それぞれのインクジェットヘッドに回転軸を備えたモータを装着し、このモータを作動してインクジェットヘッドのx軸及びy軸の変位と、z軸を中心とした回転角度(θ)をそれぞれ調節することにより、複数のインクジェットヘッド間の水平度及び間隔などを調節した。
【0005】
しかし、このような従来技術は、複数のインクジェットヘッドを位置合わせするために複数のモータと、モータ回転軸からの動力伝達のための駆動軸などが要求されてインクジェット設備の全体サイズやコストが上昇する問題があった。また、回転軸を備えたモータを用いることにより機械的な誤差などが生じ、位置合わせの精度が低下する限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こういう従来技術の問題点に鑑み、本発明は、インクジェット設備の全体サイズを小型化し、複数のインクジェットヘッドを高精度に位置合わせすることができるインクジェットヘッドモジュール及びこれを用いたインクジェットヘッドの位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、インクジェット設備に着脱可能なフレーム(frame)と、フレームにそれぞれ結合され、インクを吐出するノズル(nozzle)が形成された複数のヘッドと、フレームと複数のヘッドとの間にそれぞれ介在され、ヘッドをフレームに対して移動可能に支持する複数の支持台と、複数のヘッドをそれぞれ移動させて複数のヘッドを位置合わせする複数の圧電モータ(piezoelectric motor)と、を含むインクジェットヘッドモジュール(inkjet head module)が提供される。
【0008】
ここで、圧電モータはヘッドを直線移動または回転移動させることができる。
【0009】
また、圧電モータはヘッドを横方向に直線移動させる第1単位モータと、ヘッドを縦方向に直線移動させるか、横方向及び縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させる一対の第2単位モータと、を含むことができる。
【0010】
一方、支持台は圧電モータの作動により移動したヘッドに弾性力を提供することができる。
【0011】
また、支持台はヘッドを固定する載置部と、載置部から離隔し、フレームに固定される結合部と、載置部と結合部との間に介在され、載置部に弾性力を提供する弾性部と、を含むことができる。
【0012】
そして、結合部は載置部を囲み、弾性部は、載置部を囲んでおり、載置部及び結合部からそれぞれ離隔する支持ストリップ(supporting strip)と、載置部と支持ストリップ、及び結合部と支持ストリップをそれぞれ連結する一対の弾性ストリップ(elastic strip)と、を含むことができる。
【0013】
また、本発明の他の実施形態によれば、フレーム、フレームにそれぞれ結合される複数のヘッド、フレームと複数のヘッドとの間にそれぞれ介在され、ヘッドをフレームに対して移動可能に支持する複数の支持台、及び複数のヘッドをそれぞれ移動させる複数の圧電モータを備えたインクジェットヘッドモジュールを用いて複数のヘッドを位置合わせする方法であって、複数の圧電モータを用いて複数のヘッドをそれぞれ移動させて複数のヘッドを位置合わせする工程と、複数の圧電モータが複数のヘッドを位置合わせするためにそれぞれ作動した程度に対応する位置合わせデータを取得する工程と、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュールを装着する工程と、位置合わせデータに応じて複数の圧電モータを作動し複数のヘッドを再び位置合わせする工程と、を含むインクジェットヘッドの位置合わせ方法が提供される。
【0014】
ここで、圧電モータはヘッドを直線移動または回転移動させることができる。
【0015】
また、圧電モータはヘッドを横方向に直線移動させる第1単位モータと、ヘッドを縦方向に直線移動させるか、横方向及び縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させる一対の第2単位モータと、を含むことができる。
【0016】
また、位置合わせデータは複数のヘッドのそれぞれに対して複数の圧電モータがそれぞれ作動するように印加される電気的信号に対応することができる。
【0017】
一方、支持台は圧電モータの作動により移動したヘッドに弾性力を提供することができる。
【0018】
また、支持台は、ヘッドを固定する載置部と、載置部から離隔し、フレームに固定される結合部と、載置部と結合部との間に介在され、載置部に弾性力を提供する弾性部と、を含むことができる。
【0019】
そして、結合部は載置部を囲み、弾性部は、載置部を囲んでおり、載置部及び結合部からそれぞれ離隔する支持ストリップと、載置部と支持ストリップ、及び結合部と支持ストリップをそれぞれ連結する一対の弾性ストリップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、インクジェットヘッドを位置合わせするために要求される部品をインクジェット設備から省略できるため、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができる。
【0021】
また、複数のインクジェットヘッドのそれぞれを微細に移動できるため、インクジェットヘッドをより高精度に位置合わせすることができる。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュールの一実施例を示す底面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュールの一実施例の一部を示す底面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュールの作動状態を示す底面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュールの作動状態を示す底面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュールの作動状態を示す底面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるインクジェットヘッドの位置合わせ方法の一実施例を示す順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明によるインクジェットヘッドモジュール及びこれを用いたインクジェットヘッドの位置合わせ方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0025】
また、「結合」、「介在」、または「固定」とは、各構成要素間が物理的に直接接触する場合だけではなく、他の構成要素が各構成要素の間に介在され、該他の構成要素に構成要素がそれぞれ接触されている場合も含む概念として使用する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュール100の一実施例を示す底面図である。図2は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュール100の一実施例の一部を示す底面図である。図3から図5は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュール100の作動状態を示す底面図である。
【0027】
本実施例によれば、図1から図5に示すように、インクジェット設備に着脱可能なフレーム110と、フレーム110にそれぞれ結合され、インクを吐出するノズル122が形成された複数のヘッド120と、フレーム110と複数のヘッド120との間にそれぞれ介在され、ヘッド120をフレーム110に対して移動可能に支持する複数の支持台130と、複数のヘッド120をそれぞれ移動させて複数のヘッド120を位置合わせする複数の圧電モータ140と、を含むインクジェットヘッドモジュール100が提示される。
【0028】
このような本実施例によれば、インクジェット設備からヘッド120を駆動するためのインクジェットヘッドモジュール100を分離して個別的にモジュール化することにより、位置合わせ用カメラなどのようなヘッド120の位置合わせのために要求される部品をインクジェット設備から省略できるため、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができる。
【0029】
また、圧電モータ140及び支持台130を用いることにより、複数のヘッド120のそれぞれを微細に移動できるため、ヘッド120の位置合わせをより高精度にすることができる。
【0030】
以下、図1から図5を参照しながら各構成について、より詳細に説明する。
【0031】
本実施例によるインクジェットヘッドモジュール100は、ヘッド120を駆動させインクを吐出するインクジェット設備に装着される。インクジェット設備は、インクを貯留するインク貯留部、ヘッド120にインクを供給するインク搬送部、及びヘッド120の駆動のための電気的信号などを制御する制御部などで構成され、このようなインクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着することによりヘッド120が駆動され、インクジェット印刷が可能となる。
【0032】
インクジェットヘッドモジュール100は、フレーム110、フレーム110に直・間接的に設けられるヘッド120、支持台130、及び圧電モータ140などで構成される。
【0033】
このようなフレーム110はインクジェット設備に着脱可能である。つまり、従来のようにヘッド120を位置合わせするためのシステムがインクジェット設備内に内蔵されなく、インクジェットヘッドモジュール100としてインクジェット設備から独立して存在することができる。
【0034】
これにより、インクジェットヘッドモジュール100がインクジェット設備に着脱可能になってインクジェット設備から独立することで、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができる。
【0035】
すなわち、複数のヘッド120を位置合わせするためにはヘッド120の位置を把握するための位置合わせ用カメラ、このようなカメラ及びヘッド120の移動を制御するための別途の制御ユニット、及び電気配線などが要求され、従来のようにヘッド120の位置合わせシステムがインクジェット設備に内蔵される場合にはインクジェット設備の全体サイズが大きくなるという問題がある。
【0036】
しかし、本実施例のようにインクジェットヘッドモジュール100を構成すると、位置合わせ用カメラ、制御ユニット、及び配線などのヘッド120の位置合わせのために要求される部品を備えた位置合わせシステムをインクジェット設備とは別途に構成し、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着する前に、このような位置合わせシステムにより圧電モータ140でヘッド120を位置合わせすることで、インクジェットヘッドモジュール100をインクジェット設備に装着した後に、ヘッド120を位置合わせするために必要とされる位置合わせデータを取得することができる。
【0037】
結果的に、位置合わせ用カメラ、制御ユニット、及び配線などのヘッド120の位置合わせのために要求される部品をインクジェット設備から省略できるため、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができる。
【0038】
一方、複数のヘッド120は、図1及び図2に示すように、上述したフレーム110に支持台130がそれぞれ介在されて結合されることになり、インクを吐出するノズル122が形成される。すなわち、ヘッド120は支持台130に設けられることにより、フレーム110に対して移動可能となる。
【0039】
ここで、複数の支持台130は、図1及び図2に示すように、フレーム110と複数のヘッド120との間にそれぞれ介在され、ヘッド120をフレーム110に対して移動可能に支持する。これら支持台130は、ヘッド120を固定する載置部132と、載置部132から離隔し、フレーム110に固定される結合部134と、載置部132と結合部134との間に介在され、載置部132に弾性力を提供するばね(spring)の機能を行う弾性部136とで構成される。
【0040】
このように支持台130が載置部132及びこれらと離隔する結合部134で構成されることにより、載置部132と結合部134との間の間隔の変化からヘッド120の位置が変更され得る。
【0041】
また、弾性部136から載置部132に提供される弾性力が支持力として作用して、圧電モータ140の作動によりヘッド120に作用する荷重と弾性部136から載置部132に提供される弾性力との相互作用により、ヘッド120の位置を安定して維持することができる。
【0042】
一方、弾性部136から載置部132に提供される弾性力が復原力としても作用して、圧電モータ140の作動によりヘッド120が移動された後、圧電モータ140の作動が解除される場合、ヘッド120が圧電モータ140作動前の元の位置に戻ることができる。
【0043】
これにより、ヘッド120は、圧電モータ140が作動しないときには、常に原点を維持するので、上述した位置合わせシステムにより各ヘッド120が横方向(x軸、以下同じ)、縦方向(y軸、以下同じ)に直線移動するか、横方向及び縦方向に垂直な軸(z軸、以下同じ)を中心に所定角度(θ)回転して互いに位置合わせされた後、取得された位置合わせデータ、つまり位置合わせのために複数の圧電モータ140がそれぞれ作動するように各圧電素子に印加される電気的信号などに対応するデータを、インクジェット設備に装着されたインクジェットヘッドモジュール100にそのまま適用してヘッド120を誤差なく高精度に位置合わせすることができる。
【0044】
この場合、図1及び図2に示すように、結合部134は載置部132を囲むように形成され、弾性部136は、載置部132を囲み、載置部132及び結合部134からそれぞれ離隔する支持ストリップ137と、載置部132と支持ストリップ137、及び結合部134と支持ストリップ137をそれぞれ連結する一対の弾性ストリップ138とで構成される。
【0045】
具体的に、支持台130は、図1及び図2に示すように、板材に横方向及び縦方向に延びる複数のホールを形成することにより、載置部132と、載置部132から離隔し、これを囲む支持ストリップ137と、支持ストリップ137から離隔し、これを囲む結合部134と、図2を基準として上側に位置し、載置部132と支持ストリップ137とを横方向移動に対して弾性的に連結し、図2を基準として左側に位置し、支持ストリップ137と結合部134とを縦方向の移動に対して弾性的に連結する一対の弾性ストリップ138とを含むことができる。
【0046】
圧電モータ140は、図1及び図2に示すように、一端が載置部132に固定され、他端が結合部134に固定されて、電気的信号により作動してフレーム110に固定された結合部134に対する載置部132の位置を変化させて複数のヘッド120をそれぞれ移動させることで、複数のヘッド120を位置合わせすることができる。
【0047】
圧電モータ140は、PZT(PbZrTi)などからなる圧電素子の圧電効果を用いたモータであって、図1及び図2に示すように、ヘッド120を横方向に直線移動させる第1単位モータ142と、ヘッド120を縦方向に直線移動させるか、横方向及び縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させる一対の第2単位モータ144とで構成される。
【0048】
第1単位モータ142は、図2を基準として右側に位置しており、載置部132に対して左側または右側に荷重を加えることにより、載置部132及びこれに固定されているヘッド120を横方向に直線移動させることができる。
【0049】
そして、一対の第2単位モータ144は、図2を基準として下側にそれぞれ位置し、載置部132に対して上側または下側に荷重を加えることにより、載置部132及びこれに固定されているヘッド120を縦方向に直線移動させることができる。また、一対の第2単位モータ144が載置部132に対して反対方向に荷重をそれぞれ加えることにより、載置部132及びこれに固定されているヘッド120を時計方向または反時計方向に所定角度回転移動させることができる。
【0050】
このような圧電モータ140及び支持台130によるヘッド120の移動原理について、図3から図5を参照して詳細に説明する。
【0051】
先ず、図3を参照すると、図面を基準として右側に位置した第1単位モータ142に電気的信号が印加され第1単位モータ142が作動すると、載置部132には横方向の荷重が加えられて、図面を基準として上側に位置した弾性ストリップ138が変形することになってヘッド120が横方向に直線移動する。このとき、載置部132には弾性ストリップ138による弾性力が作用するため、移動後、ヘッド120はその位置を安定して維持することができる。
【0052】
次に、図4を参照すると、図面を基準として下側に位置した一対の第2単位モータ144にそれぞれ電気的信号が印加され第2単位モータ144がほぼ同様に作動すると、載置部132には縦方向の荷重が加えられて、図面を基準として左側に位置した弾性ストリップ138が変形することになってヘッド120が縦方向に直線移動する。このとき、載置部132には弾性ストリップ138による弾性力が作用するため、移動後、ヘッド120は安定的にその位置を維持することができる。
【0053】
次に、図5を参照すると、図面を基準として下側に位置した一対の第2単位モータ144にそれぞれ電気的信号が印加されそれぞれの第2単位モータ144が互いに反対に作動すると、載置部132には載置部132を反時計方向に回転させる荷重が加えられ、図面を基準として左側及び上側に位置した一対の弾性ストリップ138がそれぞれ変形することになってヘッド120が横方向及び縦方向に垂直な軸を中心に所定角度回転移動する。このとき、載置部132には弾性ストリップ138による弾性力が作用するため、移動後、ヘッド120はその位置を安定して維持することができる。
【0054】
以下では、図1から図6を参照して本発明の他の実施形態によるインクジェットヘッドの位置合わせ方法の一実施例について説明する。
【0055】
図6は、本発明の他の実施形態によるインクジェットヘッドの位置合わせ方法の一実施例を示す順序図である。
【0056】
本実施例では、図1から図6に示すように、フレーム110、フレーム110にそれぞれ結合された複数のヘッド120、フレーム110と複数のヘッド120との間にそれぞれ介在され、ヘッド120をフレーム110に対して移動可能に支持する複数の支持台130、及び複数のヘッド120をそれぞれ移動させる複数の圧電モータ140を備えたインクジェットヘッドモジュール100を用いて複数のヘッド120を位置合わせする方法であって、複数の圧電モータ140で複数のヘッド120をそれぞれ移動させて複数のヘッド120を位置合わせする工程と、複数の圧電モータ140が複数のヘッド120を位置合わせするためにそれぞれ作動した程度に対応する位置合わせデータを取得する工程と、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着する工程と、位置合わせデータに応じて複数の圧電モータ140を作動して複数のヘッド120を位置合わせする工程と、を含むインクジェットヘッドの位置合わせ方法が提示される。
【0057】
本実施例によれば、インクジェット設備から独立して個別的にモジュール化されたインクジェットヘッドモジュール100を用いてヘッド120を位置合わせすることにより、位置合わせ用カメラなど、ヘッド120の位置合わせのために要求される部品をインクジェット設備から省略できるため、インクジェット設備の全体サイズを小型化することができる。
【0058】
また、圧電モータ140及び支持台130を用いることにより、複数のヘッド120のそれぞれを微細に移動できるため、ヘッド120をより高精度に位置合わせすることができる。
【0059】
本実施例は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドモジュール100を用いてヘッド120を位置合わせする方法に関するもので、インクジェットヘッドモジュール100の構造、その機能及び作動原理などは上述した実施例と同一または類似するため、これに対する詳細な説明は省略し、以下、図1から図6を参照してヘッド120を位置合わせする各ステップについてより詳細に説明する。
【0060】
先ず、ステップS110で、複数の圧電モータ140で複数のヘッド120をそれぞれ移動させて複数のヘッド120を位置合わせする。各ヘッド120の位置を把握するための位置合わせ用カメラ、このカメラ及びヘッド120の移動を制御するための別途の制御ユニット及び電気配線などが装着された位置合わせシステムを用いて複数のヘッド120を位置合わせするステップである。
【0061】
具体的に、位置合わせ用カメラで各ヘッド120の位置を確認しながら各圧電モータ140を作動して複数のヘッド120を位置合わせする。図3から図5に示すように、圧電モータ140は、第1単位モータ142及び一対の第2単位モータ144を含むため、各ヘッド120を横方向、縦方向に直線移動させるか、横方向及び縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させることができる。
【0062】
次に、ステップS120で、複数の圧電モータ140が複数のヘッド120を位置合わせするためにそれぞれ作動した程度に対応する位置合わせデータを取得する。上述したステップから、位置合わせシステムでヘッド120を位置合わせした後、これらヘッド120の位置合わせのために各圧電モータ140が作動した程度に対応する位置合わせデータを確保するステップである。
【0063】
具体的に本ステップは、第1単位モータ142及び一対の第2単位モータ144をそれぞれ作動させるために第1単位モータ142及び一対の第2単位モータ144にそれぞれ印加された電気的信号を位置合わせデータに変換して圧電モータ140を駆動するための駆動制御部に格納するステップである。
【0064】
次に、ステップS130で、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着する。別の位置合わせシステムを用いてヘッド120を位置合わせするための位置合わせデータを取得した後、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着するステップである。
【0065】
このとき、インクジェット設備にインクジェットヘッドモジュール100を装着するために、位置合わせシステムからインクジェットヘッドモジュール100を除去すると、位置合わせシステムからの電源供給が停止する。したがって、圧電モータ140はこれ以上作動できなくなり、支持台130の弾性部136の作用により各ヘッド120は圧電モータ140の作動前の元の位置に戻ることになる。
【0066】
次に、ステップS140で、位置合わせデータに応じて複数の圧電モータ140を作動して複数のヘッド120を再び位置合わせする。上述したステップから、ヘッド120の位置合わせのための位置合わせデータを既に取得したので、このような位置合わせデータを用いてヘッド120を再び位置合わせすることができる。
【0067】
具体的に、インクジェットヘッドモジュール100が位置合わせシステムから除去されると、弾性部136の作用により各ヘッド120が元の位置に戻ることになるため、圧電モータ140を駆動させる駆動制御部に既に格納された位置合わせデータをそのまま適用するとヘッド120を高精度に再び位置合わせすることができる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0069】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、方法、及びシステムにおける動作、手順、ステップ、及び工程等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「先ず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0070】
100 インクジェットヘッドモジュール
110 フレーム
120 ヘッド
122 ノズル
130 支持台
132 載置部
134 結合部
136 弾性部
137 支持ストリップ
138 弾性ストリップ
140 圧電モータ
142 第1単位モータ
144 第2単位モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット設備に着脱可能なフレームと、
前記フレームにそれぞれ結合され、インクを吐出するノズルが形成された複数のヘッドと、
前記フレームと前記複数のヘッドとの間にそれぞれ介在され、前記複数のヘッドの各々を前記フレームに対して移動可能に支持する複数の支持台と、
前記複数のヘッドをそれぞれ移動させて前記複数のヘッドを位置合わせする複数の圧電モータと、
を含むインクジェットヘッドモジュール。
【請求項2】
前記複数の圧電モータの各々が、前記複数のヘッドの各々を直線移動または回転移動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドモジュール。
【請求項3】
前記複数の圧電モータの各々が、
前記複数のヘッドのうち対応するヘッドを横方向に直線移動させる第1単位モータと、
前記ヘッドを縦方向に直線移動させるか、前記横方向及び前記縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させる一対の第2単位モータと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドモジュール。
【請求項4】
前記複数の支持台の各々が、前記複数の圧電モータの各々の作動により移動された前記ヘッドに弾性力を提供することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のインクジェットヘッドモジュール。
【請求項5】
前記複数の支持台の各々は、
前記複数のヘッドのうち対応するヘッドを固定する載置部と、
前記載置部から離隔し、前記フレームに固定される結合部と、
前記載置部と前記結合部との間に介在され、前記載置部に弾性力を提供する弾性部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドモジュール。
【請求項6】
前記結合部が、前記載置部を囲み、
前記弾性部が、
前記載置部を囲み、前記載置部及び前記結合部からそれぞれ離隔する支持ストリップと、
前記載置部と前記支持ストリップ、及び前記結合部と前記支持ストリップをそれぞれ連結する一対の弾性ストリップと、を含むことを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドモジュール。
【請求項7】
フレーム、前記フレームにそれぞれ結合される複数のヘッド、前記フレームと前記複数のヘッドとの間にそれぞれ介在され、前記複数のヘッドの各々を前記フレームに対して移動可能に支持する複数の支持台、及び前記複数のヘッドをそれぞれ移動させる複数の圧電モータを備えたインクジェットヘッドモジュールを用いて前記複数のヘッドを位置合わせする方法であって、
前記複数の圧電モータを用いて前記複数のヘッドをそれぞれ移動させて前記複数のヘッドを位置合わせする工程と、
前記複数の圧電モータが前記複数のヘッドを位置合わせするためにそれぞれ作動した程度に対応する位置合わせデータを取得する工程と、
インクジェット設備に前記インクジェットヘッドモジュールを装着する工程と、
前記位置合わせデータに応じて前記複数の圧電モータを作動し前記複数のヘッドを再び位置合わせする工程と、
を含むインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項8】
前記複数の圧電モータの各々が、前記複数のヘッドの各々を直線移動または回転移動させることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項9】
前記複数の圧電モータの各々が、
前記複数のヘッドのうち対応するヘッドを横方向に直線移動させる第1単位モータと、
前記ヘッドを縦方向に直線移動させるか、前記横方向及び前記縦方向に垂直な軸を中心に回転移動させる一対の第2単位モータと、を含むことを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項10】
前記位置合わせデータは、前記複数のヘッドのそれぞれに対して前記複数の圧電モータがそれぞれ作動するように印加される電気的信号に対応することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項11】
前記複数の支持台の各々が、前記複数の圧電モータの各々の作動により移動した前記ヘッドに弾性力を提供することを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項12】
前記複数の支持台の各々は、
前記複数のヘッドのうち対応するヘッドを固定する載置部と、
前記載置部から離隔し、前記フレームに固定される結合部と、
前記載置部と前記結合部との間に介在され、前記載置部に弾性力を提供する弾性部と、を含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。
【請求項13】
前記結合部が、前記載置部を囲み、
前記弾性部が、
前記載置部を囲み、前記載置部及び前記結合部からそれぞれ離隔する支持ストリップと、
前記載置部と前記支持ストリップ、及び前記結合部と前記支持ストリップをそれぞれ連結する一対の弾性ストリップと、を含むことを特徴とする請求項12に記載のインクジェットヘッドの位置合わせ方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−167405(P2010−167405A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225550(P2009−225550)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】