説明

インクジェット供給されたエネルギー受容体のための方法及び装置

本発明は、処理装置(203)に電力供給できるエネルギー受容体(109)を備えた眼科用レンズを形成するための方法及び装置を開示する。このエネルギー受容体には、眼科用レンズを形成するために使用される媒体上に堆積され鋳型内に配置される、導電性材料が含まれる。この導電性材料が媒体上にインクジェット噴射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願第61/039596号(2008年3月26日出願)の非暫定的出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、エネルギー印加された生物医学的装置の製造、より具体的には、いくつかの実施形態において、エネルギー印加された眼科用レンズの製造のための方法及び装置を記述するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、コンタクトレンズ、眼内レンズ、又は涙点プラグ等の眼科用装置には、矯正、美容、又は治療的クオリティを有する生体適合性装置が含まれていた。例えば、コンタクトレンズは、視力矯正機能、美容強化、及び治療効果のうちの1つ以上を提供することができる。それぞれの機能は、レンズの物理的特性によって提供される。レンズに屈折性質を組み込む設計は、視力矯正機能を提供することができる。レンズに組み込まれる顔料は、美容強化を提供することができる。レンズに組み込まれる活性剤は、治療的機能を提供することができる。そのような物理的特性は、レンズをエネルギー印加状態にすることなく達成される。
【0004】
更に近年では、活性成分は、コンタクトレンズに組み込まれ得ることが理論化されている。いくつかの成分は、半導体装置を含むことができる。いくつかの実施例では、動物の目に定置されたコンタクトレンズに組み込まれた半導体装置を示している。しかしながら、そのような装置は、永続的なエネルギー印加機構に欠く。ワイヤは、そのような半導体装置に電力を供給するためにレンズから電池まで回すことがあるとはいえ、この装置は、無線で電力を供給し得ることが理論化されているが、そのような無線電力のための機構は、利用可能となってはいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、眼科用レンズ等の生物医学的装置に組み込まれる半導体装置に電力を供給するのに好適な範囲まで無線でエネルギー印加される眼科用レンズの形成に資する付加的方法及び装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、半導体装置に電力を供給することが可能なエネルギー印加部分を有する、眼科用レンズ等の生物医学的装置を形成するための方法及び装置を含む。いくつかの実施形態では、眼科用レンズは、生体適合的に眼科用レンズ内に含まれる電波を介してエネルギーを受け取ることが可能なエネルギー受容体を有する、鋳造鋳型シリコーンヒドロゲルを含むことになる。このエネルギー印加部分は、レンズを作るのに使用される鋳型部分の一方又は両方に導電性材料をスプレーするジェットプロセスを介して作成される。
【0007】
更なる実施形態では、ジェット技術を用いてエネルギー受容体を堆積させる工程を含んだ眼科用レンズを形成する方法が含まれ、エネルギー受容体は電波を介してエネルギーを受け取ることができる。エネルギー受容体は第1鋳型部分及び第2鋳型部分の一方又は両方に堆積させることができる。第1鋳型部分及び第2鋳型部分の一方に、反応性モノマー混合物が配置される。第1鋳型部分は、第2鋳型部分に近接して配置され、それによって、エネルギー受容体及び反応性モノマー混合物の少なくとも一部を有するレンズキャビティを形成し、反応性モノマー混合物を化学線に曝露させる。
【0008】
レンズは、反応性モノマー混合物が曝露される化学線の制御を介して形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による、鋳型組立品装置を図示。
【図2A】処理チップ及びエネルギー受容体を備えた、眼科用レンズを図示。
【図2B】処理チップ及び同調されたエネルギー受容体を備えた、眼科用レンズを図示。
【図3】導電性材料をインクジェット噴射して媒体上にエネルギー受容体を形成するのに利用される、インクジェット装置を図示。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による装置及び方法工程を図示。
【図5】本発明のいくつかの更なる態様による装置及び方法工程を図示。
【図6】本発明のいくつかの実施形態を実践するために使用され得るプロセッサを図示。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、眼科用レンズ等の生物医学的装置、及び眼科用レンズを作製する方法を含む。特に、本発明は、インクジェットタイプの装置を介して、レンズ又はレンズ鋳型部分に付与された無線エネルギー受容体を備えた眼科用レンズを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、コンタクトレンズの視覚領域の周辺部に沿った、全体的に環状のエネルギー受容体を備えたヒドロゲルコンタクトレンズを含む。更なる実施形態は、眼科用レンズ内、又はその上に組み込まれる導電性材料のパターンを含む、エネルギー受容部分を含む。パターンは、レンズに無線で伝送することができる、エネルギーの同調された波長に基づくことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、導電性材料のパターンは、レンズの着用者がそれを通して見るであろう視覚領域の外部に配置することができる一方、他の実施形態は、コンタクトレンズの着用者の視界に悪影響を及ぼさないほど小さい導電性材料のパターンを含むことができ、したがって、視覚領域内、又は外部に位置づけることができる。
【0012】
一般的に、本発明のいくつかの実施形態によれば、エネルギー受容体は、レンズを作るために使用する鋳型部分に対して受容体材料を所望の位置に定置するジェット印刷プロセスを介して、眼科用レンズ内に統合される。いくつかの実施形態では、コンポーネントを受容体材料に電気的導通した状態で配置し、これにより、コンポーネントの電力を受容体材料が供給することができる。エネルギー受容体及びプロセッサの配置後、反応混合物は、鋳型部分によって成形することができ、重合して眼科用レンズを形成することができる。
【0013】
定義
本明細書で使用するとき、「エネルギー受容体」は、例えば、電波伝送を介するエネルギー等の無線エネルギーを受け取るアンテナとして機能する媒体を指す。
【0014】
本明細書で使用するとき、「エネルギー受容部分」は、エネルギー受容体として機能的である眼科用レンズ等の生物医学的装置の部分を指す。
【0015】
本明細書で使用するとき、「インクジェット」は、液体又は溶融材料の液滴を媒体に噴射するための装置を指す。インクジェット装置には、非限定的な例として、1台以上の圧電インクジェット装置、サーマルインクジェット装置、及び連続インクジェット装置が含まれ得る。
【0016】
本明細書で使用するとき、「インクジェット噴射」又は「ジェット噴射」は、液滴又は溶融材料を媒体に噴射する結果をもたらす実施行為を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、「レンズ」は、眼内又は眼上にある任意の眼科用装置を指す。これらの装置は光学補正をもたらすことができるか、又は美容用であっても良い。例えば、レンズという用語は以下のものを指すことができる。コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用挿入物、光学挿入物、又は他の同様の、視力が補正若しくは変更される装置か、又は視力を妨げることなく目の生理機能が美容的に拡張される(例えば、虹彩色)装置。いくつかの実施形態では、本発明の好ましいレンズは、シリコーンヒドロゲル、及びフルオロヒドロゲルを含むが、これらに限定されない、シリコーンエラストマー又はヒドロゲルから作製される、ソフトコンタクトレンズである。
【0018】
本明細書で使用するとき、「レンズ形成混合物」、「反応性混合物」又は、「RMM」(反応性モノマー混合物)という用語は、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科用レンズを形成することができる、モノマー又はプレポリマー材料を指す。さまざまな実施形態は、UV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科用レンズに望まれ得る他の添加剤等の1つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含むことができる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「レンズ形成表面」は、レンズを成型するために使用する表面を意味する。いくつかの実施形態では、任意のこのような表面103〜104は、光学品質表面仕上げを備えることができる。光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が、光学的に許容可能であるように形成されることを示す。更に、いくつかの実施形態では、レンズ形成表面103〜104は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正などに加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0020】
本明細書で使用するとき、「鋳型」という用語は、未硬化配合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい鋳型は、前側湾曲部鋳型部分及び後側湾曲部鋳型部分を形成する、2つの鋳型部分を含む。
【0021】
本明細書で使用するとき、「視覚領域」は、眼科用レンズの着用者がそこを通して見る、眼科用レンズの領域を意味する。
【0022】
本明細書で使用するとき、「鋳型から取り外す」とは、レンズが、鋳型から完全に分離した状態、又は穏やかな揺動によって取り外すか、若しくは綿棒を用いて押し外すことができるように、ほんの軽く付着した状態のいずれかとなることを意味する。
【0023】
鋳型
図1を参照すると、眼科用レンズ用の例示的鋳型100の図は、エネルギー受信部分109とともに図示される。本明細書で使用するとき、鋳型という用語は、レンズ形成混合物の反応又は硬化の際に所望の形状の眼科用レンズが製造されるように、レンズ形成混合物110を分配することができる、キャビティ105を有する形態100を含む。本発明の鋳型及び鋳型組立品100は、複数の「鋳型部分」又は「鋳型片」101〜102から構成される。鋳型部分101〜102を組み合わせて、キャビティ105を鋳型部分101〜102間に形成し、その中にレンズを形成することができるようにすることができる。このような鋳型部分101〜102の組み合わせは、一時的であることが好ましい。レンズが形成されたら、レンズを取り出すために鋳型部分101〜102を再び分離することができる。
【0024】
少なくとも1つの鋳型部分101〜102は、その表面103〜104の少なくとも一部がレンズ形成混合物と接触していて、レンズ形成混合物110の反応又は硬化の際に、表面103〜104が所望の形状及び形態を表面が接触しているレンズ部分にもたらすようになっている。少なくとも1つの他の鋳型部分101〜102についても同じである。
【0025】
こうして、例えば、好ましい実施形態では、鋳型組立品100を、2つの部分101〜102、すなわち雌型の凹部片(前側片)102と雄型の凸部片(後側片)101(それらの間にキャビティが形成されている)から形成する。凹部表面104のレンズ形成混合物と接触する部分は、鋳型組立品100内に作製すべき眼科用レンズの前側湾曲部の湾曲を有するとともに、十分に滑らかであり、凹部表面104と接触しているレンズ形成混合物の重合によって形成された眼科用レンズの表面が光学的に許容できるものとなるように形成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、前側鋳型片102はまた、円形の周辺エッジ108と一体でこれを囲む環状フランジを備えることができ、このフランジから、軸線に垂直でフランジ(図示せず)から延びる平面内で延びている。
【0027】
レンズ形成表面は、光学品質表面仕上げを備える表面103〜104を含むことができ、光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が、光学的に許容可能であるように形成されていることを示す。更に、いくつかの実施形態では、レンズ形成表面103〜104は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正などに加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0028】
111では、媒体が図示されており、この上にエネルギー受容体をインクジェット噴射することができる。媒体111は、導電性材料をインクジェット噴射することができる任意の受容材料であってよい。いくつかの実施形態では、媒体111は、レンズ形成の際にレンズに組み込むことができる材料の透明コーティングであり得る。透明コーティングは、例えば、後述のように、顔料、モノマー、又は他の生体適合性材料を含むことができる。更なる実施形態では、挿入物を含んだ媒体を含めることができ、この挿入物は剛性又は成形可能であり得る。いくつかの実施形態では、剛性挿入物は、視覚的特性を提供する視覚領域(視覚補正に利用されるものなど)と、非視覚領域部分とを含み得る。エネルギー受容体は、挿入物の視覚領域及び非視覚領域の一方又は両方にインクジェット噴射され得る。
【0029】
更にさまざまな実施形態では、レンズを形成するのに用いられる鋳型部分に挿入物を配置する前に、挿入物上にエネルギー受容体をインクジェット噴射することが含まれる。また、挿入物、又は他の媒体111は、エネルギー受容体109を介して電荷を受け取るための1つ以上のコンポーネントも含み得る。
【0030】
鋳型部分101〜102材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、及び変性ポリオレフィンのうちの1つ以上のポリオレフィンを含むことができる。
【0031】
好ましい脂環式コポリマーは、2種の異なる脂環式ポリマーを含み、Zeon Chemicals L.P.によってZEONORの商品名で販売される。ZEONORには、複数の異なる等級がある。種々の等級には、105℃〜160℃の範囲のガラス転移温度があっても良い。特に好ましい材料は、ZEONOR 1060Rである。
【0032】
1つ以上の添加剤と組み合わせて、眼科用レンズの鋳型を形成し得る他の鋳型材料には、例えば、ジーグラナッタ(Zieglar-Natta)ポリプロピレン樹脂(しばしばznPPと称される)が含まれる。代表的なジーグラナッタポリプロピレン樹脂は、PP 9544 MEDという名で入手可能である。PP 9544 MEDは、FDA規則21 CFR(c)3.2により清浄成型に対する透明化ランダムコポリマーであり、ExxonMobile Chemical Companyにより入手可能である。PP9 544 MEDは、エチレン基を有するランダムコポリマー(znPP)である(以下、9544 MED)。他の代表的なジーグラナッタポリプロピレン樹脂としては、アトフィーナポリプロピレン(Atofina Polypropylene)3761及びアトフィーナポリプロピレン3620WZが挙げられる。
【0033】
更にまた、いくつかの実施形態では、本発明の鋳型には、ポリマー、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、主鎖に脂環式部分を含む変性ポリオレフィン、及び環状ポリオレフィンが含まれる場合もある。このブレンドを、鋳型半片の一方又は両方の上で用いることができる。このブレンドを後側湾曲部上で用いて前側湾曲部は脂環式コポリマーからなることが好ましい。
【0034】
本発明により鋳型100を作るいくつかの好ましい方法では、既知の技術に従って射出成型を用いるが、実施形態には、他の技術によって作られる鋳型を含むこともできる。他の技術としては、例えば旋盤法、ダイヤモンド切削、又はレーザー切断が挙げられる。
【0035】
通常、レンズを、両方の鋳型部分101〜102の少なくとも1つの表面上に形成する。しかしながら、いくつかの実施形態では、レンズの片方の表面は、鋳型部分101〜102から形成され得、レンズの他方の表面は、旋盤法、又は他の方法を用いて形成することができる。
【0036】
レンズ
図2Aを参照すると、眼科用レンズ201は、エネルギー受容体109及びコンポーネント203とともに図示される。図に示すように、エネルギー受容体109には、例えば、カーボンファイバー、カーボンナノ構造(カーボンナノチューブを含む)、及び金属材料等の導電性材料が含まれ得る。好適な金属材料には、例えば、金、銀、及び銅が含まれ得る。カーボンナノ構造には、単層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブが含まれ得る。
【0037】
エネルギー受容体109は、コンポーネント203と電気的導通し得る。コンポーネント203には、状態変化で電荷に応答する任意の装置を含めることができ、例えば半導体タイプのチップ、受動的電気装置、又はクリスタルレンズ等の光学装置が挙げられる。いくつかの特定の実施形態では、コンポーネント203には、例えば、コンデンサ、ウルトラコンデンサ、スーパーコンデンサ、電池、又はその他の蓄電コンポーネント等の蓄電装置が含まれる。蓄電コンポーネント203には、例えば、視覚領域の外側、眼科用レンズの周辺部に配置され、1つ以上の、無線周波及び磁気誘導によってエネルギー受容体(インクジェットにより堆積されたもの)に充電可能な、リチウムイオン電池が含まれ得る。他の蓄電装置コンポーネントでは、エネルギー受容体109を介して電荷を受け取ることもできる。
【0038】
他の例示の実施形態では、無線周波識別チップ(「RFIDチップ」)を含むコンポーネントが含まれ得る。また、コンポーネント203には、複数の装置又は回路が含まれ得る。本説明において簡潔性を提供するために、1つ以上の装置は、一般的に、コンポーネント203のように、単数形で言及される。
【0039】
図2Bは、エネルギー受容体109が、媒体111上にパターン109Aでインクジェット噴射され得ることを更に示す。パターン109Aは、レンズ内に存在するエネルギー受容体の長さを延長するために使用され得る。更に、パターン109Aは無線波長に同調され、効率的なエネルギーの無線伝送を促進又は制御することができる。
【0040】
図示するように、いくつかの実施形態では、エネルギー受容部分109及びコンポーネント203は、視覚領域202の外側に配置され、視覚領域202には、レンズ201の着用者に視線を提供するレンズ201の部分が含まれる。他の実施形態では、眼科用レンズの視覚領域部分にエネルギー受容体109を含めることができる。例えば、そのような実施形態では、肉眼に対する補助なしでは小さすぎて見えないような導電性粒子の受容体部分109を含めることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、望ましいレンズの種類は、シリコーン含有成分を含む、レンズ201を含むことができる。「シリコーン含有成分」は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−]単位を含有する成分である。好ましくは、総Si及び結合Oは、シリコーン含有成分中に、そのシリコーン含有成分の総分子量の約20重量%より大きい、更に好ましくは30重量%より大きい量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド及びスチリル官能基等の重合性官能基を含む。
【0042】
好適なシリコーン含有成分は、式I:
【化1】

式中、
は、独立して、一価反応基、一価アルキル基、又は一価アリール基から選択され、前述のいずれかは、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能性を更に含み得、1−100 Si−Oの反復単位を含む一価シロキサン鎖は、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能性を更に含むこともあり、
式中、b=0〜500であり、bが0以外のときに、bは、表示値と同等のモードを有する分配であると理解され、
少なくとも1つのRは、一価反応基を含み、いくつかの実施形態では、1個と3個のRとの間は、一価反応基を含む)の化合物を含む。
【0043】
本明細書に使用されるとき、「一価反応基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応基の制限されない例には、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニルフェニル、C2〜12アルケニルナフチル、C2〜6アルケニルフェニルC1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート、及びO−ビニルカルボネートが含まれる。カチオン反応基の制限されない例には、ビニルエーテル又はエポキシド基、及びこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、フリーラジカル反応基には、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物が含まれる。
【0044】
好適な一価アルキル基及びアリール基には、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせ等の、非置換の一価C〜C16アルキル基、C〜C14アリール基が含まれる。
【0045】
一実施形態では、bは、ゼロであり、1個のRは、一価反応基であり、少なくとも3個のRは、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。本実施形態のシリコーン成分の制限されない例には、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキザニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが含まれる。
【0046】
別の実施形態では、bは、2〜20、3〜15、又はいくつかの実施形態では、3〜10であり、少なくとも1つの末端Rは、一価反応基を含み、残りのRは、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。更に別の実施形態では、bは、3〜15であり、1つの末端Rは、一価反応基を含み、他方の末端Rは、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基を含み、残りのRは、1〜3個の炭素原子を有する一価アルキル基を含む。本実施形態のシリコーン成分の制限されない例には、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端のポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS」)、モノメタクリルオキシプロピル末端のモノ−n−ブチル末端のポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(「mPDMS」)が含まれる。
【0047】
別の実施形態では、bは、5〜400、又は10〜300であり、両方の末端Rは、一価反応基を含み、残りのRは、独立して、炭素原子間のエーテル結合を有することもあり、ハロゲンを更に含むこともある、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。
【0048】
一実施形態では、シリコーンヒドロゲルレンズが望ましい場合、本発明のレンズは、ポリマーが作製される反応性モノマー成分の総重量に基づき、少なくとも約20重量%、好ましくは、約20〜70重量%のシリコーン含有成分を含む、反応性混合物から作製される。
【0049】
別の実施形態では、1〜4のRはビニルカーボネート又は以下の式のカルバメートを含む。
【化2】

式中、YはO−、S−又はNH−を意味し、
Rは、水素又はメチルを意味し、dは1、2、3又は4、そしてqは0又は1である。
【0050】
シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーは、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネートを含み、
【化3】

約200以下の弾性率を有する生物医学的装置が所望される場合、1個のRのみが一価反応基を含むものとし、残りのR基のうちの2個以下は、一価シロキサン基を含む。
【0051】
別のクラスのシリコーン含有成分は、次の式のポリウレタンマクロマーを含む。
式IV〜VI
G)
E(A)又は
E(G)
式中、
Dは、6〜30個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、
Gは、1〜40個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有できる。
はウレタン又はウレイド結合を意味し、
は、少なくとも1であり、
Aは次の式の2価重合ラジカルを意味する。
【化4】

11は独立してアルキル又は1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基を意味し、これには炭素原子間にエーテル結合を含んでよく、yは少なくとも1であり、pは400〜10,000の部分重量を提供し、E及びEはそれぞれ独立して次の式に示される重合性不飽和有機ラジカルを意味する。
【化5】

式中、R12は水素又はメチルであり、R13は水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル又はa−CO−Y−R15ラジカルで、Yは−O−、Y−S−又は−NH−であり、R14は1〜12個の炭素原子を有する二価ラジカルであり、Xは−CO−又は−OCO−を意味し、Zは−O−又は−NH−を意味し、Arは6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを意味し、wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0052】
1つの好ましいシリコーン含有成分は、以下の式で示されるポリウレタンマクロマーである。
【化6】

16は、イソフォロンジイソシアネートのジラジカル等のイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソホロンジイソシアネート及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【化7】

【0053】
本発明の使用に好適な他のシリコーン含有成分には、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ素化炭化水素、ポリフッ素化エーテル、及び多糖類基を含有するマクロマー、末端のジフルオロで置換された炭素原子に結合する水素原子を有する、極性のフッ素化グラフト又は側基を有するポリシロキサン、エーテルを含有する親水性シロキサニルメタクリレート、並びにポリエーテル及びポリシロキサニル基を含有するシロキサニル結合及び架橋性モノマーが含まれる。また、前述のポリシロキサンのいずれも、シリコーン含有成分として本発明に使用することもできる。
【0054】
プロセス
以下の方法の工程は、本発明のいくつかの態様により実施してもよいプロセスの例として与えられる。本方法の工程が示される順番は限定を意図するものではなく、他の順番を使用して本発明を実施し得ることを理解されるべきである。加えて、本発明を実施するためにすべての工程を必要とするわけではなく、また本発明の種々の実施形態には付加的な工程を含んでもよい。
【0055】
図4を参照すると、フローチャートは、本発明を実施するのに使用できる例示的な工程を示し、401では、エネルギー受容体109として動作できる導電性材料が媒体上にインクジェット噴射される。媒体111には1つ以上のコンポーネント203が含まれていてもいなくてもよい。
【0056】
402では、反応性モノマー混合物が鋳型部分101〜102に堆積され得る。
【0057】
403では、媒体111にインクジェット噴射された、インクジェットエネルギー受容体109を備えた媒体111が、鋳型部分101〜102内に配置され得る。いくつかの実施形態では、媒体111が機械的定置を介して鋳型部分101〜102内に配置される。機械的配置には、例えば、表面実装コンポーネントを配置するのに業界で知られているもののような、ロボット又はその他の自動操作部が含まれ得る。インクジェットエネルギー受容体109を備えた媒体111の人的定置も、本発明の範囲内である。したがって、鋳型部分に含まれる反応混合物110の重合化が、得られる眼科用レンズ内にエネルギー受容体109を含むように、鋳造鋳型部分内にエネルギー受容体109を備えた媒体111を配置するのに有効な任意の機械的定置。
【0058】
いくつかの実施形態では、エネルギー受容体を鋳型部分101〜102上に定置する前に、結合剤層111を鋳型部分101〜102に適用することができる。結合剤層111は、非限定的な例として、顔料又はモノマーを含むことができる。結合層111は、例えば、インクジェット又はパッド印刷プロセスを介して適用され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ装置203を、インクジェットエネルギー受容体111に電気的に接触した結合剤109内に配置することもできる。
【0059】
404では、レンズを形成するために第1鋳型部分を第2鋳型部分に隣接させて配置し、反応性モノマー混合物の少なくとも一部及びエネルギー受容体を備えたキャビティを形成する。405では、キャビティ内の反応性モノマー混合物を重合化させることができる。重合化は、例えば、化学線及び熱のいずれか又は両方に曝露させることによって達成することができる。406では、レンズが鋳型部分から取り外される。
【0060】
いくつかの実施形態では、結合層111は、レンズ材料と相互貫通するポリマーネットワークを形成することが可能な結合ポリマーを含むことができ、安定したレンズ110を形成するための結合剤とレンズ材料との共有結合形成の必要性は排除される。結合剤内に定置されたエネルギー受容体を有するレンズ110の安定性は、結合ポリマー及びレンズベースのポリマーへのエネルギー受容体109の封入によって提供される。本発明の結合ポリマーは、例えば、互いに同様の溶解度パラメータを有する、ホモポリマー又はコポリマー、若しくはこれらの組み合わせから作製されるポリマーを含むことができ、結合ポリマーは、レンズ材料と同様の溶解度パラメータを有する。結合ポリマーは、結合ポリマーのポリマー及びコポリマーを、互いに相互作用することが可能なものにする官能基を含み得る。官能基は、顔料粒子の移動を抑制する、及び/又はそれを封入するのに役立つ相互作用の密度を増加する方法で、互いに相互作用するポリマー又はコポリマー基を含むことができる。官能基間の相互作用は、極性、分散的、又は電荷移動錯体の性質であってもよい。官能基は、ポリマー又はコポリマー骨格鎖上に配置されてもよく、あるいは骨格鎖からの側枝であってもよい。
【0061】
非限定的な例として、正電荷を有するポリマーを形成する、モノマー又はモノマーの混合物は、負電荷を有するポリマーを形成するモノマー又は複数のモノマーと併せて使用して、結合ポリマーを形成してもよい。更に具体的な実施例として、メタクリル酸(「MAA」)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)を使用して、MAA/HEMAコポリマーを提供し得、MAA/HEMAコポリマーは、次いで、結合ポリマーを形成するために、HEMA/3−(N,N−ジメチル)プロピルアクリルアミドコポリマーと混合される。
【0062】
別の例として、結合ポリマーは、次の式のアミド及びエステルを含むが、これらに限定されない疎水変性モノマーからなってよい:
CH(CH−L−COCHR=CH
式中、Lは−NH又は酸素であり得、xは2〜24の整数であり得、RはC〜Cのアルキル又は水素であり得、好ましくはメチル又は水素である。そのようなアミド及びエステルの例は、ラウリルメタクリルアミド及びヘキシルメタクリレート樹脂を含むが、これらに限定されない。更に別の実施例として、カルバメート及び尿素を拡大する脂肪族ポリマーを使用して、結合ポリマーを形成し得る。
【0063】
また、結合層111に好適な結合ポリマーは、HEMA、MAA、及びラウリルメタクリレート樹脂(「LMA」)のランダムブロックコポリマー、HEMA及びMAA若しくはHEMA及びLMAのランダムブロックコポリマー、又はHEMAのホモポリマーを含み得る。結合ポリマーの総重量に基づく、これらの実施形態における、それぞれの成分の重量パーセントは、約93〜約100重量パーセントのHEMA、約0〜約2重量パーセントのMAA、及び約0〜約5重量パーセントのLMAである。
【0064】
結合ポリマーの分子量は、レンズ材料内で若干可溶性であり、その中で膨張する場合がある。レンズ材料は、結合ポリマー内に拡散し、重合及び/又は架橋される。しかしながら、同時に、結合ポリマーの分子量は、印刷画像の品質に影響を及ぼすほど高くあってはならない。好ましくは、結合ポリマーの分子量は、約7,000〜約100,000、更に好ましくは、約7,000〜約40,000、最も好ましくは、約17,000〜約35,000Mピークであり、それは、SEC分析(=M×M1/2)における最大ピークの分子量に相当する。
【0065】
本発明の目的のため、分子量は、90°の光散乱及び屈折率検出器とともにゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定することができる。50mMの塩化ナトリウムに調節された重量比75/25のメタノール−水の溶離剤、325,000〜194の範囲の明確な分子量を有する、ポリエチレングリコール分子及びポリエチレンオキシド分子の混合物である、PW4000及びPW2500の2本のカラムを使用する。
【0066】
当業者は、結合ポリマーの製造において連鎖移動剤を使用、多量の開始剤を使用、リビング重合を使用、適切なモノマー及び開始剤の濃度の選択、溶媒の量及び種類の選択、又は、これらの組み合わせによって、所望の結合ポリマー分子量を得ることができることを理解するであろう。好ましくは、連鎖移動剤は、所望の分子量を得るために、開始剤と併せて、又はより好ましくは、開始剤及び1つ以上の溶媒とともに使用する。あるいは、少量の非常に高い分子量のポリマーは、結合ポリマー用の所望の粘度を維持するために、多量の溶媒と併せて使用し得る。好ましくは、結合ポリマーの粘度は23℃において約4,000〜約15,000センチポアズとなる。
【0067】
本発明に使用する結合ポリマーの形成に有用な連鎖移動剤は、約0.01以上、好ましくは、約7以上、より好ましくは、約25,000以上の連鎖移動定数値を有する。
【0068】
任意の所望の開始剤は、紫外線、可視光線、熱開始剤、及びこれらの組み合わせ(これらを含むが、これらに限定されない)を使用し得る。好ましくは、熱開始剤を使用し、より好ましくは、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2−アゾビス2−メチルブチロニトリルを使用する。使用する開始剤の量は、製剤の総重量に基づき、約0.1〜約5重量パーセントであろう。好ましくは、2,2−アゾビス2−メチルブチロニトリルをドデカンチオールとともに使用する。
【0069】
結合ポリマー層又はその他の媒体111は、ラジカル連鎖重合、工程重合、乳化重合、イオン鎖重合、開環、基移動重合、原子移動重合等を含むが、これらに限定されない、任意の従来の重合化プロセスによって作製し得る。好ましくは、熱開始のフリーラジカル重合を使用する。重合を実施する条件は、当業者の認識範囲内である。
【0070】
結合ポリマーの製造に有用な溶媒は、約120〜230℃の沸点を有する中沸点溶媒である。使用する溶媒の選択は、製造する結合ポリマーのタイプ及びその分子量に基づく。好適な溶媒は、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、イソプロピルラクテート、3−メトキシ1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等を含むが、これらに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明の結合ポリマー層111は、水中での膨張係数に関して、それとともに使用されるレンズ材料に合わせて作ることができる。結合ポリマーの膨張係数をパッキング溶液中の硬化レンズ材料の膨張係数と一致させる、又は実質的に一致させることは、視界の悪さ、及びレンズパラメータの変化をもたらすレンズ内のストレスの発達の回避を促進し得る。更に、結合ポリマーは、レンズ材料内で膨潤可能であり、それにより、本発明の着色剤を使用して印刷される画像の膨潤が起こり得る。この膨潤により、画像は、レンズの快適さにいかなる影響も及ぼさずに、レンズ材料内に取り込まれる。
【0072】
いくつかの実施形態では、着色剤は、結合剤111に含まれてもよい。本発明の着色剤内の結合ポリマーに有用な顔料は、コンタクトレンズの使用に有用な有機又は無機顔料、若しくはそのような顔料の組み合わせである。不透明度は、使用される顔料及び乳白剤の濃度を変化させることによって調節することができ、多量になるにつれてより高い不透明度がもたらされる。具体的な有機色素は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、バットオレンジNo.1など、及びこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。有用な無機色素の例は、黒酸化鉄、褐色酸化鉄、黄酸化鉄、赤酸化鉄、二酸化チタンなど、及びこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。これらの色素に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含むが、それらに限定されない、可溶性及び不溶性染料が使用されてもよい。有用な染料及び色素は、市販されている。
【0073】
結合ポリマーでの顔料分子の被覆又は湿潤は、バルク結合ポリマー内の顔料分子の優れた分散をもたらす。被覆は、顔料の表面を覆うように静電気力、分散力、又は水素結合力の使用によって達成し得る。好ましくは、高せん断力を使用して、顔料を結合ポリマー内に分散する。顔料は、ポリマー及び顔料を回転軸混合器等の好適な混合器内に分散させ、均質の混合物が得られるまで、一般的に最大約30分間混合することによって、結合ポリマーに添加し得る。次いで、混合物は、アイガー(Eiger)ミル等の高せん断ミルに注入され、顔料を結合ポリマー内に分散し得る。完全な分散を達成するために、必要に応じて、ミル粉砕を反復して実施する。一般的に、ミル粉砕は、顔料が約0.2〜約3マイクロメートルの大きさになるまで実施する。ミル粉砕は、高せん断又はボールミル粉砕装置を含むが、これらに限定されない、任意の適切な市販の装置を使用して実施し得る。
【0074】
顔料及び結合ポリマーに加えて、いくつかの実施形態では、結合層111は、鋳型部分101〜102上に結合層を被覆するのを助長する1つ以上の溶媒を含む。結合層が塗布される鋳型部分101〜102の表面上にブリードしない又は移動しない結合層111を促進することが、本発明の別の発見であり、結合層101〜102が約27mN/m以下の表面張力を有することが望ましく、かつ好ましい。この表面張力は、結合層111が塗布される表面、例えば、鋳型表面の処理によって達成し得る。表面処理は、プラズマ及びコロナ処理等を含むが、これらに限定されない、当該技術において既知の方法によって達成し得る。あるいは、好ましくは、所望の表面張力は、着色剤に使用される溶媒の選択によって達成し得る。
【0075】
したがって、結合層111に有用な例示的溶媒には、結合層111の粘度を増加する、又は減少することが可能であり、表面張力の制御を助長することが可能な溶媒が含まれる。好適な溶媒は、シクロペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、イソプロピルラクテート等、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましくは、1−エトキシ−2−プロパノール及びイソプロピルラクテートを使用する。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも3つの異なる溶媒を本発明の結合層111に使用する。これらの溶媒の最初の2つの溶媒(両方とも中沸点溶媒)を結合ポリマーの製造に使用する。これらの溶媒は、その形成後、結合ポリマーから剥離され得るが、それらが保持されるのが好ましい。好ましくは、2つの溶媒は、1−エトキシ−2−プロパノール及びイソプロピルラクテートである。更なる低沸点溶媒(沸点が約75〜約120℃である溶媒という意味)を使用して、必要に応じて着色剤の粘度を低下させることができる。好適な低沸点溶媒は、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−プロパノール等、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましくは、1−プロパノールを使用する。
【0077】
使用される特定量の溶媒は、多くの要因による場合がある。例えば、結合ポリマーの形成に使用される溶媒の量は、所望の結合ポリマーの分子量及び結合ポリマーに使用されるモノマー及びコポリマー等の構成成分に依存する。使用される低沸点溶媒の量は、着色剤に所望の粘度及び表面張力に依存する。更に、着色剤が鋳型に塗布され、レンズ材料で硬化される場合、使用される溶媒の量は、使用されるレンズ及び鋳型材料に応じて、かつ鋳型材料がその湿潤性を増加するように任意の表面処理を受けたかどうかによって左右される。使用される溶媒の正確な量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般的に、使用される溶媒の総量は、使用される溶媒の約40〜約75重量パーセントである。
【0078】
溶媒に加えて、可塑剤は、結合層111の乾燥中の亀裂を減少させ、レンズ材料による結合層111の分散及び膨張を強化するために、結合層111に添加されてもよく、好ましくは、添加される。使用される可塑剤の種類及び量は、使用される結合ポリマーの分子量、及び使用前に保管された鋳型上に定置された着色剤では、所望の貯蔵寿命の安定度に依存する。有用な可塑剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、400、又は600等、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましくは、グリセロールを使用する。使用される可塑剤の量は、一般的に、着色剤の重量に基づき、0〜約10重量パーセントであろう。
【0079】
当業者は、説明する添加剤以外の添加剤もまた、本発明の結合層111の成分に含まれ得ることを理解するであろう。好適な添加剤には、流動及び平準化を助ける添加剤、泡防止のための添加剤、レオロジー修正のための添加剤、並びに同様物、並びにこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、結合層は、レンズ材料が硬化すると、レンズ材料内に組み込まれる。したがって、結合層111は、レンズの結合層11が塗布される鋳型の表面に応じて形成されるレンズの前面又は裏面に近接して組み込ませてもよい。また、結合層11の1つ以上の層は、任意の順番で塗布してもよい。
【0081】
本発明を使用して、任意の既知のレンズ材料、又はそのようなレンズの製造に好適な材料から製造されるハード又はソフトコンタクトレンズを提供し得るが、好ましくは、本発明のレンズは、約0〜約90パーセントの含水量を有する、ソフトコンタクトレンズである。更に好ましくは、レンズは、モノマー含有ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はこれらの両方から製造される、若しくは、シロキサン、ヒドロゲル、シリコーンヒドロゲル、及びこれらの組み合わせ等のシリコーン含有ポリマーから製造される。本発明のレンズを形成するのに有用な材料は、重合開始剤等の添加剤に加えて、マクロマー、モノマー、及びこれらの組み合わせの混合物を反応させることによって、製造し得る。好適な材料は、シリコーンマクロマー及び親水性モノマーから製造されるシリコーンヒドロゲルを含むが、これらに限定されない。
【0082】
再度、図4を参照すると、403では、反応混合物が第1鋳型部分と第2鋳型部分との間に定置され、少なくともエネルギー受容体109がその反応混合物と接触している。
【0083】
404では、反応混合物は、例えば、化学線及び熱のうちの片方又は両方への曝露等を介して、重合化される。405では、エネルギー受容体109を組み込む眼科用装置201は、眼科用装置201を形成するために使用される鋳型部分101〜102から除去される。
【0084】
図5を参照すると、本発明の別の態様では、眼科用装置201内に組み込まれるコンポーネント203は、無線で伝送されるエネルギーを介して電力を供給することができる。501では、媒体上にインクジェット噴射され生物医学的装置(眼科用レンズなど)に組み込まれるエネルギー受容体に無線エネルギーが伝送される。いくつかの実施形態では、このエネルギーは、眼科用レンズ201に含まれるエネルギー受容体111に同調された周波数で伝送される。502では、エネルギーは、眼科用レンズ内に含まれるエネルギー受容体内で受容される。エネルギー受容体111は、電荷としてエネルギーを扱うことができる。
【0085】
503では、受容されたエネルギーは、情報コンポーネント203内に送られる。エネルギーは、例えば、電荷を導電することが可能な電気回路を介して、送ることができる。504では、コンポーネント203が情報に関する何らかの動作を実施する。動作は、情報の受容、伝送、保存、及び操作のうちの1つ以上を含むことができる。好ましい実施形態には、デジタル値として処理され、保存される情報が含まれるであろう。
【0086】
505では、いくつかの実施形態では、情報は、処理装置から伝送することができる。いくつかの実施形態は、情報に対して実行された動作に基づく情報の伝送を含むこともできる。
【0087】
装置
図3を参照すると、インクジェット装置310は、1つ以上のインクジェットノズル311を備えて図示されている。図に示されるように、それぞれ関連づけられている媒体314を備えた複数の鋳型部分が、パレット313上に収容され、インクジェットノズル311に相対していることが可能である。実施形態には、複数の媒体314内のエネルギー受容体109を個々にインクジェット噴射する単独ノズル211、又は複数の媒体(鋳型部分314など)内のエネルギー受容体を同時にインクジェット噴射する複数ノズル(図示なし)が含まれ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、インクジェット装置には、例えば、ある程度の量の導電性材料と流体連通している圧電プリンタが含まれ得る。この導電性材料が、各ノズルに供給される。電圧が印加されると、圧電材料が形状又は大きさを変え、ある程度の量の導電性材料内に圧力パルスを発生させることにより、導電性材料の複数の液滴が押し出され、インクジェットノズルから噴射される。好ましい実施形態では、電圧を圧電材料に印加し、導電性材料をノズルから噴射させるための、自動化コントローラが含まれる。いくつかの特定の実施形態では、タイミングを調整した間隔で電圧を印加する自動化コントローラが含まれる。
【0089】
図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態で使用し得るコントローラ600を図示する。コントローラ603は、通信装置620に結合する、1つ以上のプロセッサコンポーネントを含み得るプロセッサ610を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ600を使用して、眼科用レンズ内に定置されるエネルギー受容体にエネルギーを伝送することができる。
【0090】
コントローラは、通信チャネルを介してエネルギーを通信するように構成された通信装置に結合した1つ以上のプロセッサを含むことができる。この通信装置は、眼科用レンズの受容体にエネルギーを伝送することと、眼科用レンズへ、及びそのレンズからデジタルデータを伝送することのうちの、1つ以上を電気的に制御するのに使用することができる。
【0091】
通信装置620は、例えば、導電性材料をインクジェット噴射するためのインクジェット印刷装置など、例えば、1つ以上のコントローラ装置又は製造装置コンポーネントとの通信に使用することができる。
【0092】
プロセッサ610は、記憶装置630とも通信する。記憶装置630は、磁気記憶装置(例えば、磁気テープ及びハードディスクドライブ)、光学式記憶装置、及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)装置及びリードオンリーメモリ(ROM)装置等の半導体記憶装置を含む、任意の適切な情報記憶装置を備えてもよい。
【0093】
記憶装置630は、プロセッサ610を制御するためのプログラム616を記録することができる。プロセッサ610は、プログラム616の指示を実行し、それによって、本発明に従って作動する。例えば、プロセッサ610は、エネルギー受容体の定置、処理装置の定置等を説明する情報を受容し得る。記憶装置630は、1つ以上のデータベース内の眼科関連データを記憶することもできる。このデータベースには、導電性材料をインクジェット噴射してエネルギー受容体を形成するための、カスタム化されたエネルギー受容体設計、計測データ、及び具体的な制御シーケンスが含まれ得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、コンポーネント(プロセッサ装置など)を備えた眼科用レンズは、宝飾品、ワイシャツの襟、帽子、又は眼鏡等の形状要素で人体に配置された無線エネルギー源と組み合わせることができる。
【0095】
結論
上記の説明、及び以下の請求項によって更に定義されるとおり、本発明は、眼科用レンズを処理する方法、及びそのような方法を実行するための装置、並びにそれによって形成される眼科用レンズを提供する。
【0096】
〔実施の態様〕
(1) 電波を介してエネルギーを受け取ることができる導電性材料を媒体上にジェット噴射させることと、
反応性モノマー混合物を第1鋳型部分内に堆積させることと、
前記導電性材料を前記反応性モノマー混合物に接触させて、前記媒体を配置することと、
前記第1鋳型部分を第2鋳型部分に隣接させて配置することにより、前記媒体及び導電性材料並びに少なくともいくらかの反応性モノマー混合物を内部に備えたレンズキャビティを形成することと、
前記反応性モノマー混合物を化学線に曝露させることと、を含む、眼科用レンズを形成する方法。
(2) 前記導電性材料が前記媒体上にジェット噴射されるよう、タイミングを調整した間隔で電圧を圧電材料に自動的に印加する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記媒体が結合剤層を含み、前記方法が、
前記結合剤層を前記第1鋳型部分及び前記第2鋳型部分の一方の上に堆積させる工程と、
前記導電性材料を前記結合剤層上にインクジェット噴射する工程と、を更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記媒体に、前記第1鋳型部分及び前記第2鋳型部分の一方又は両方が含まれる、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記眼科用レンズを眼に装着したときに前記眼科用レンズの周辺部に近接し、かつ視野の外側にあるパターンで、前記導電性材料がインクジェット噴射される、実施態様2に記載の方法。
(6) 電波を介してエネルギーを受け取ることができる前記導電性材料が、導電性繊維を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記導電性繊維が、カーボンナノチューブを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記導電性繊維が、ナノ構造を含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 前記結合剤層が、顔料を含む、実施態様6に記載の方法。
(10) 前記結合剤層が、プレポリマーを含む、実施態様6に記載の方法。
【0097】
(11) 前記結合剤層が、反応性モノマー混合物を含む、実施態様6に記載の方法。
(12) 前記結合剤層が、ラジカル連鎖重合、ステップ重合、エマルション重合、イオン連鎖重合、開環、基移動重合、及び原子移動重合のうちの1つ以上を介して重合可能である、実施態様6に記載の方法。
(13) 導電性材料のインクジェット噴射が可能なインクジェット装置と、
媒体を前記インクジェット装置に近接して配置するためのマンドレルと、
前記媒体を受け取るための鋳型部分と、
反応性モノマー混合物を前記鋳型部分に堆積させるためのノズルと、
前記媒体を前記鋳型部分内に配置するための自動操作部と、
前記インクジェット装置の操作を制御するためのプロセッサと、
要求に応じて実行可能であり、ソフトウェアを含むデジタル記憶装置であって、前記ソフトウェアは、前記インクジェット装置が、無線エネルギーを受け取ることができるパターンで導電性材料を前記媒体上にジェット噴射するように前記プロセッサと共に動作可能である、デジタル記憶装置と、を含む、眼科用レンズを製造するための装置。
(14) 前記インクジェット装置が、ある程度の量の導電性材料と流体導通している圧電プリンタを含み、電圧が前記圧電材料に印加されたときに、前記圧電材料が圧力パルスを発生し、これにより一定量の導電性材料がインクジェットノズルから噴射される、実施態様13に記載の装置。
(15) 電圧を前記圧電材料に印加するためのコマンドで実施可能な実施可能コードを保存しているデジタル記憶装置、及びプロセッサを含む、自動化コントローラを更に含む、実施態様14に記載の装置。
(16) 前記眼科用レンズを眼に装着したときに前記眼科用レンズの周辺部に近接し、かつ視野の外側にあるパターンで、前記導電性材料がインクジェット噴射される、実施態様15に記載の装置。
(17) 電波を介してエネルギーを受け取ることができる前記導電性材料が、導電性繊維を含む、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記導電性繊維が、カーボンナノチューブを含む、実施態様15に記載の装置。
(19) 前記導電性繊維が、ナノ構造を含む、実施態様15に記載の装置。
(20) 前記結合剤層が、顔料を含む、実施態様15に記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を介してエネルギーを受け取ることができる導電性材料を媒体上にジェット噴射させることと、
反応性モノマー混合物を第1鋳型部分内に堆積させることと、
前記導電性材料を前記反応性モノマー混合物に接触させて、前記媒体を配置することと、
前記第1鋳型部分を第2鋳型部分に隣接させて配置することにより、前記媒体及び導電性材料並びに少なくともいくらかの反応性モノマー混合物を内部に備えたレンズキャビティを形成することと、
前記反応性モノマー混合物を化学線に曝露させることと、を含む、眼科用レンズを形成する方法。
【請求項2】
前記導電性材料が前記媒体上にジェット噴射されるよう、タイミングを調整した間隔で電圧を圧電材料に自動的に印加する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体が結合剤層を含み、前記方法が、
前記結合剤層を前記第1鋳型部分及び前記第2鋳型部分の一方の上に堆積させる工程と、
前記導電性材料を前記結合剤層上にインクジェット噴射する工程と、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記媒体に、前記第1鋳型部分及び前記第2鋳型部分の一方又は両方が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記眼科用レンズを眼に装着したときに前記眼科用レンズの周辺部に近接し、かつ視野の外側にあるパターンで、前記導電性材料がインクジェット噴射される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
電波を介してエネルギーを受け取ることができる前記導電性材料が、導電性繊維を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記導電性繊維が、カーボンナノチューブを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導電性繊維が、ナノ構造を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記結合剤層が、顔料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記結合剤層が、プレポリマーを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記結合剤層が、反応性モノマー混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記結合剤層が、ラジカル連鎖重合、ステップ重合、エマルション重合、イオン連鎖重合、開環、基移動重合、及び原子移動重合のうちの1つ以上を介して重合可能である、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
導電性材料のインクジェット噴射が可能なインクジェット装置と、
媒体を前記インクジェット装置に近接して配置するためのマンドレルと、
前記媒体を受け取るための鋳型部分と、
反応性モノマー混合物を前記鋳型部分に堆積させるためのノズルと、
前記媒体を前記鋳型部分内に配置するための自動操作部と、
前記インクジェット装置の操作を制御するためのプロセッサと、
要求に応じて実行可能であり、ソフトウェアを含むデジタル記憶装置であって、前記ソフトウェアは、前記インクジェット装置が、無線エネルギーを受け取ることができるパターンで導電性材料を前記媒体上にジェット噴射するように前記プロセッサと共に動作可能である、デジタル記憶装置と、を含む、眼科用レンズを製造するための装置。
【請求項14】
前記インクジェット装置が、ある程度の量の導電性材料と流体導通している圧電プリンタを含み、電圧が前記圧電材料に印加されたときに、前記圧電材料が圧力パルスを発生し、これにより一定量の導電性材料がインクジェットノズルから噴射される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
電圧を前記圧電材料に印加するためのコマンドで実施可能な実施可能コードを保存しているデジタル記憶装置、及びプロセッサを含む、自動化コントローラを更に含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記眼科用レンズを眼に装着したときに前記眼科用レンズの周辺部に近接し、かつ視野の外側にあるパターンで、前記導電性材料がインクジェット噴射される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
電波を介してエネルギーを受け取ることができる前記導電性材料が、導電性繊維を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記導電性繊維が、カーボンナノチューブを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記導電性繊維が、ナノ構造を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記結合剤層が、顔料を含む、請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−515256(P2011−515256A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502018(P2011−502018)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/038235
【国際公開番号】WO2009/120772
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【Fターム(参考)】