説明

インクジェット式印刷ヘッド用空気抽出装置

対応するインク取入口によって供給を受けるノズルのアレイを有するインクジェット印刷ヘッド組立体。ノズルのアレイに対応するインク室は、インク取入口と流体接続されている。空気抜き取り室は、空気室と、該空気室の環境への通気を許容する開ポジションおよび該空気室の環境への通気を許容しない閉ポジションをもつ一方向性逃がし弁とを含む。圧縮可能な部材が、開ポジションにある一方向性逃がし弁を通じて、強制的に空気を空気室から排出させる。圧縮可能な部材はまた、一方向性逃がし弁が閉ポジションにある間は、膜に低下した空気圧を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的にはインクジェット印刷の分野に、詳細にはプリンタ内にある間に印刷ヘッドから空気を除去するため空気抜き取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷システムは典型的には、一つまたは複数の印刷ヘッドおよびそれらの対応するインク供給部を含む。印刷ヘッドは、インク供給部に接続されたインク取入口と滴噴出器のアレイとを含み、各噴出器はインク加圧室と、噴出アクチュエータと、噴出されるインク小滴が通るノズルとを含む。噴出アクチュエータは、さまざまな型の一つでありえ、小滴をノズルから射出するために室中のインクの一部を気化するヒーターや、小滴を噴出する圧力波を生成するためにインク加圧室の壁面幾何構造を変える圧電デバイスが含まれる。画像データに従って像を生成するために、印刷媒体が印刷ヘッドに対して動かされる際に、画像データは滴噴出器のための電子発射(firing)パルスに変換され、小滴は典型的には紙またはその他の印刷媒体(本稿では時に一般的に記録媒体または用紙と称される)に向けられる。
【0003】
印刷ヘッドに対する印刷媒体の動きは、滴が噴出される間、印刷ヘッドを定常に保つことと、印刷ヘッドを通って印刷媒体を進めることからなることができる。この構成は、印刷ヘッド上のノズル・アレイが印刷媒体の幅を通じて関心領域全体を扱うことができるならば、適切である。そのような印刷ヘッドは時に、ページ幅印刷ヘッドと呼ばれる。第二の型のプリンタ構成は、印刷ヘッド・ノズル・アレイが印刷媒体上の印刷のための関心領域の広がりよりいくぶん小さく、印刷ヘッドがキャリッジ上にマウントされるキャリッジ・プリンタである。キャリッジ・プリンタでは、印刷媒体は、印刷媒体送り方向に沿って所与の距離進められ、次いで止められる。印刷媒体が止められている間、印刷ヘッド・キャリッジが、印刷媒体送り方向と実質的に垂直なキャリッジ走査方向に動かされ、その間滴がノズルから噴出される。キャリッジが印刷媒体を横切りながらイメージの走跡(swath)を印刷したら、印刷媒体が進められ、キャリッジ動き方向が反転され、像は走跡ごとに形成される。
【0004】
インクジェットのインクは、顔料もしくは染料、湿潤剤、像耐久性向上剤および基材もしくは溶剤を含む多様な揮発性および不揮発性成分を含む。インク調合およびインク送達におけるキーとなる要件は、印刷媒体上で高品質のイメージを生成できることである。インク供給部から滴噴出器のアレイまでの小さなインク通路が気泡によって塞がれると、像品質が劣化することがある。そのような気泡は、噴出された滴がその意図された飛行経路から誤った方向に向けられたり、あるいは意図されたより小さな滴体積をもったり、あるいは噴出しそこなったりすることにつながりうる。気泡は多様な源から生じうる。気密でない外被を通じてインク供給部にはいる空気がインクに溶け、その後、たとえば高められた動作温度にある印刷ヘッド中でインクから離脱する(つまり溶液から出てくる)ことがある。インク・タンクのような交換可能なインク供給部をもつ印刷ヘッドについては、インク・タンクを交換するときに空気が印刷ヘッドにはいることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常のインクジェット・プリンタでは、印刷ヘッド維持ステーションの一部は、蠕動性またはチューブ・ポンプのような吸引ポンプに接続されたキャップである。キャップは、インクの揮発成分の蒸発を防ぐため、印刷しない期間中、印刷ヘッドのノズル面を囲む。定期的に、ノズルからインクおよび望まれない気泡を除去するために吸引ポンプが作動させられる。ノズルを通じたこのインクのポンピングはあまり効率的なプロセスではなく、プリンタの寿命の間にかなりの量のインクを無駄にする。インクが無駄になるばかりでなく、それに加えて、吸引によって除去されたインクを吸収するために、プリンタに廃物パッド(waste pad)を設ける必要がある。廃インクおよび廃物パッドは望ましくない費用となる。さらに、廃物パッドはプリンタ内のスペースを取り、より大きなプリンタ体積を必要とする。さらに、廃インクおよび廃物パッドはその後、処分される必要がある。また、吸引動作は印刷動作を遅らせることがある。
【0006】
ほとんどまたは全くインクの無駄なしに空気を除去できる、インクジェット印刷ヘッド用空気抜き取り装置であって、コンパクトなプリンタ構成と両立し、低コストで、環境にやさしく、印刷動作を遅らせないものが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある好ましい実施形態は、対応するインク取入口によって供給を受けるノズルのアレイを有するインクジェット印刷ヘッド組立体を含む。ノズルのアレイに対応するインク室は、インク取入口と流体的に接続されている。空気抜き取り室は、空気室と、該空気室の環境への通気を許容する開ポジションおよび該空気室の環境への通気を許容しない閉ポジションをもつ一方向性逃がし弁〔リリーフ・バルブ〕とを含む。圧縮可能な部材が、開ポジションにある一方向性逃がし弁を通じて、強制的に空気を空気室から排出〔ベント〕させる。圧縮可能な部材はまた、一方向性逃がし弁が閉ポジションにある間は、膜に低下した空気圧を加える。膜は、空気は透過できるが、液体は透過できない。この実施形態における空気抜き取り室は、一方向性逃がし弁の近くに配された、空気室の空気放出部と、空気室の空気蓄積部と、空気蓄積部と空気放出部の間の一方向性封じ込め弁とをもつ。この弁は、空気蓄積部と空気放出部の間で空気が移動することを許容する開ポジションと、閉ポジションをもつ。一方向性封じ込め弁は、前記圧縮可能な部材の拡張によって開ポジションに移ることができる。取り外し可能なインク・タンクが、インク室取入口ポートに接続されるポートを含む。
【0008】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、二つの部分をもつ容器を有する。第一の液体保持部分は、該液体を供給するための供給開口を含む。第二の部分は、第一の部分からその中にガスを受け入れる弁付きの開口を含む。もう一つの弁付きの開口が、圧力下で、第二の部分からガスを放出する。第一の弁付きの開口は、ガスが第一の部分に再びはいることを許さない。第二の部分におけるさらにもう一つの開口が、ガスを強制的に容器の第二の部分に入れたり出したりするために使われる。この作用の一つの側面は、第二の部分における圧力を低下させるための吸引に関わる。この作用のもう一つの側面は、第二の部分からガスを放出するために弁付きの開口からガスを押し出すことに関わる。
【0009】
本発明のこれらおよびその他の側面および目的は、以下の記述および付属の図面との関連で考えるときに、よりよく認識され、理解されるであろう。ただし、以下の記述が、本発明の好ましい実施形態およびその数多くの個別的詳細を示しているものの、限定ではなく例解として与えられていることを理解しておくべきである。本発明の精神から外れることなく、本発明の範囲内で、多くの変更および修正がなされてもよく、本発明はそのようなすべての修正を含む。下記の図面は、サイズ、角度関係または相対位置に関し、いかなる厳密な縮尺に従って描かれることも意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】インクジェット・プリンタ・システムの概略表現である。
【図2】本発明のある実施形態に基づくキャリッジ・プリンタの一部の概略的な斜視図である。
【図3】図2と同様の概略的な斜視図であるが、突起が回転して係合整列から外れている。
【図4】Aは、本発明のある実施形態に基づく空気抜き取り室をもつ印刷ヘッドを含む印刷ヘッド組立体の分解前方斜視図である。Bは、Aの印刷ヘッドにおいて使用できる印刷ヘッド・ダイのノズル面図である。
【図5】Aは、図4のAと同様の印刷ヘッドの側方斜視図である。Bは図4のAの空気抜き取り室の側方斜視図である。
【図6】Aは、本発明のある実施形態に基づく印刷ヘッド組立体の断面図である。Bは本発明において使用できる一方向性弁の例である。
【図7】Aは本発明のある実施形態に基づく取り付け基板および二印刷ヘッド・ダイの分解斜視図である。Bは前記印刷ヘッド・ダイへの接続のための出口開口をもつ、図6のAの取り付け基板の側方斜視図である。Cは本発明のある実施形態に基づく印刷ヘッドおよびインク・タンクの一部の概略的な上面図である。
【図8】本発明のある実施形態に基づくキャリッジ・プリンタの一部の概略的な斜視図である。
【図9】本発明のある実施形態に基づくキャリッジ・プリンタの一部の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照するに、インクジェット・プリンタ・システム10の概略表現が、本発明での有用性について示されているが、完全な記述は、その全体においてここに参照によって組み込まれる米国特許第7,350,902号にある。インクジェット・プリンタ・システム10はデータ信号を提供する画像データ源12を含む。データ信号はコントローラ14によって滴を噴出するためのコマンドとして解釈される。コントローラ14は、印刷のための像をレンダリングするための画像処理ユニット15を含み、電気エネルギー・パルスの電気パルス源16に信号を出力する。電気エネルギー・パルスは、少なくとも一つのインクジェット印刷ヘッド・ダイ110を含むインクジェット印刷ヘッド100に入力される。
【0012】
図1に示した例では、二つのノズル・アレイがある。第一のノズル・アレイ120内のノズル121は、第二のノズル・アレイ130内のノズル131より大きな開口面積をもつ。この例では、これら二つのノズル・アレイのそれぞれは、二つの互い違いになったノズル列をもつ。各列はインチ当たり600のノズル密度をもつ。すると、各アレイにおける有効ノズル密度はインチ当たり1200となる(すなわち、図1でd=1/1200インチ)。記録媒体20上のピクセルが紙送り方向に沿って逐次的に番号付けられたとすると、アレイの一方の列からのノズルは奇数番号のピクセルを印刷し、アレイの他方の列からのノズルは偶数番号のピクセルを印刷する。
【0013】
各ノズル・アレイとは、対応するインク送達経路が流体連通している。インク送達経路122は第一のノズル・アレイ120と流体連通し、インク送達経路132は第二のノズル・アレイ130と流体連通している。インク送達経路122および132の一部が図1に、印刷ヘッド・ダイ基板111を通る開口として示されている。一つまたは複数のインクジェット印刷ヘッド・ダイ110がインクジェット印刷ヘッド100に含まれるが、明確のため、図1には一つのインクジェット印刷ヘッド・ダイ110しか示していない。印刷ヘッド・ダイは、図2との関連で以下で論じる支持部材上に配置される。図1では、第一の流体源18がインク送達経路122を介して第一のノズル・アレイ120にインクを供給し、第二の流体源19がインク送達経路132を介して第二のノズル・アレイ130にインクを供給する。相異なる流体源18および19が示されているが、応用によっては、第一のノズル・アレイ120および第二のノズル・アレイ130の両方にそれぞれインク送達経路122および132を介してインクを供給する単一の流体源をもつことが有益であることもある。また、実施形態によっては、二つより少ないまたは二つより多くのノズル・アレイが印刷ヘッド・ダイ110に含まれることもできる。実施形態によっては、インクジェット印刷ヘッド・ダイ110上に複数サイズのノズルをもたず、インクジェット印刷ヘッド・ダイ110上のすべてのノズルが同じサイズであることができる。
【0014】
図1には示していないが、ノズルに付随する滴形成機構がある。滴形成機構は多様な型のものであることができ、インクの一部を気化させてそれにより液滴の噴出を引き起こす加熱要素や、流体室の体積を絞ってそれにより噴出を引き起こす圧電トランスデューサ、あるいはその動き(たとえば二層要素を加熱することによって動かす)によって噴出を引き起こすアクチュエータが含まれる。いずれにせよ、所望される堆積パターンに従って、電気パルス源16からの電気パルスがさまざまな滴噴出器に送られる。図1の例では、第一のノズル・アレイ120から噴出された液滴181は、より大きなノズル開口面積のため、第二のノズル・アレイ130から噴出される液滴182より大きい。典型的には、異なるサイズの滴のための滴噴出プロセスを最適化するために、それぞれノズル・アレイ120および130に関連付けられた滴形成機構(図示せず)の他の側面も異なるサイズにされる。動作の間、インクの液滴は記録媒体20上に堆積させられる。ノズルは滴噴出器の最も目に見える部分なので、滴噴出器アレイとノズル・アレイの用語は本稿で交換可能に使われることがある。
【0015】
図2は、本発明のある実施形態に基づくデスクトップ・キャリッジ・プリンタの一部の概略的な斜視図を示している。本プリンタの一部の部分は、他の部分がより明瞭に見えるよう、図2に示されるビューでは隠されている。プリンタ・シャーシ300は印刷領域303をもち、キャリッジ200上にマウントされる印刷ヘッド250からインクの滴が噴出される間、この印刷領域303にわたって、キャリッジ200がキャリッジ走査方向305において前後に移動する。文字ABCDは、紙片371または他の記録媒体上で印刷領域303において印刷されたイメージの一部を示す。キャリッジ・モータ380は、キャリッジ案内棒382に沿ってキャリッジ200を動かすためにベルト384を動かす。エンコーダ・センサー(図示せず)がキャリッジ200上にマウントされており、エンコーダ383に対するキャリッジ位置を示す。
【0016】
印刷ヘッド250はキャリッジ200内にマウントされ、インク・タンク262は印刷ヘッド250にインクを供給するためにマウントされ、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのようなインクまたは他の記録流体を含む。任意的に、たとえばシアン、マゼンタおよびイエローなど、いくつかのインク・タンクが一つの複数チャンバ・インク供給部として一緒に束ねられることができる。異なるインク・タンク262からのインクは異なるノズル・アレイに与えられる。これについては下記でより詳細に述べる。
【0017】
プリンタを通じて記録媒体を進めるために多様なローラーが使われる。図2のビューでは、記録媒体を印刷されるべき画像の次の走跡のために位置付けるために、フィード・ローラー312および受動ローラー(単数または複数)323が記録媒体片371を、印刷領域303を横断するキャリッジ走査方向305と実質的に垂直な媒体送り方向304に沿って進める。排出ローラー324は記録媒体片371を、印刷された媒体を取り出せる出力領域に向けて送り続ける。星形ホイール(図示せず)が記録媒体片371を排出ローラー324に対して保持する。
【0018】
記録媒体の典型的な長さは写真プリント(4インチ×6インチ)については6インチ、あるいは用紙(8.5×11インチ)については11インチである。よって、画像全体を印刷するためには、印刷ヘッド・シャーシ250を記録媒体片371を横断して動かしながら、多数の走跡が逐次印刷される。ある走跡の印刷後、記録媒体20は媒体送り方向304に沿って進められる。フィード・ローラー312は、フィード・ローラー・シャフトにマウントされた別個のローラーを含んでいてもよいし、あるいはフィード・ローラー・シャフト上の薄い高摩擦コーティングを含んでいてもよい。フィード・ローラー312の角回転をモニタリングするために、回転エンコーダ(図示せず)がフィード・ローラー・シャフト上に同軸的にマウントされることができる。フィード・ローラー312および排出ローラー324を含む紙送りローラーに動力を与えるモータは図2には示していない。通常の用紙フィードのためには、フィード・ローラー312および排出ローラー324が順回転方向313に駆動される。
【0019】
プリンタ・シャーシ300の奥には、この例では、電子回路ボード390が位置している。電子回路ボード390は、印刷ヘッド・キャリッジ200への、あるいはそこから印刷ヘッド250への、ケーブル(図示せず)を介した通信のためのケーブル・コネクタを含む。電子回路ボードにはまた、典型的には、キャリッジ・モータ380のためおよび紙送りモータのためのモーター・コントローラ、プロセッサおよび/または印刷プロセスを制御するための他の制御電子回路(図1ではコントローラ14および画像処理ユニット15として概略的に示している)や、ホスト・コンピュータへのケーブルのための任意的なコネクタがマウントされる。
【0020】
プリンタ・シャーシ300の右側には、図2の例では、維持ステーション330がある。維持ステーション330は、印刷ヘッド250のノズル面をクリーニングするためのワイパー(図示せず)およびインクの揮発成分の蒸発を遅くするためにノズル面に封着するキャップ332を含むことができる。多くの従来のプリンタは、誤動作したときにインクや空気を印刷ヘッドのノズルから吸い出すために、キャップに取り付けられた真空ポンプを含む。
【0021】
図2には、印刷ヘッド250から空気を除去するための異なる方法が示されており、本発明の諸実施形態との関連で以下でより詳細に論じる。空気抜き取り室220が印刷ヘッド250に取り付けられる。ベローズ222のような圧縮可能部材が空気抜き取り室220の一部である。ベローズ222が圧縮されていると、ベローズ222は、一方向性逃がし弁224を通じて、空気を空気抜き取り室220から強制的に出す。ベローズ222は、圧縮状態からひとりでに伸張する傾向があるよう構成される。下記でより詳細に論じるように、ベローズ222が伸張する際、ベローズ222は、空気抜き取り室220内に低下した気圧を与え、これが印刷ヘッド250から空気を抜き取る。ベローズ222は、キャリッジ走査方向305と実質的に平行な圧縮方向223に沿って圧縮可能なようにマウントされる。ベローズ222は、たとえばプリンタ・シャーシ300の壁面306から延びる突起340のような圧縮部材と同一線上に揃っている。ベローズ222を圧縮するためには、キャリッジ200は、突起340がベローズ222と係合するまで壁面306のほうに動かされる。キャリッジ200の位置はエンコーダ383に対して追跡されるので、キャリッジ200の壁面306に向かう動きの量は精密に制御できる。それにより、キャリッジが壁面306に向かって動く際、突起340によるベローズ222の圧縮の量が制御される。ベローズ222が突起340に当たったのちキャリッジ200が所定の距離だけ動かされるよう、キャリッジ200は、突起340に対して所定の位置にベローズ222を動かすよう制御されることができる。コントローラ14(図1参照)は、圧縮のために突起340をベローズ222と係合させるようキャリッジ200を壁面306のほうに動かすよう、キャリッジ・モータ380にいつ信号を送るべきかを決定するための命令を含むことができる。ベローズ222の所望される量の圧縮が達成されたのち、コントローラ14は、キャリッジ200を壁306から離す方向に動かすようキャリッジ・モータ380に信号を送ることができる。ベローズ222は、ゆっくりと伸張する際、かなり長期間にわたって部分的に圧縮されたままとなることができ、それにより空気抜き取り室220内で低下した気圧を与え続けることができる。
【0022】
突起340はキャリッジ走査経路の一端近くに位置される。実施形態によっては、図2のように、維持ステーション330は、キャリッジ走査方向305に沿ったキャリッジ走査経路の反対側に位置される。突起340を受け入れるために必要とされるプリンタ・シャーシ300の必要な幅を減らすため、実施形態によっては、図2のように、突起340は、可動突起マウント342に取り付けられ、可動突起マウント342により、突起340は、ベローズ222との係合可能な整列位置にはいったり、該整列から出たりして動かされることができる。それにより、突起340がベローズ222に係合することなく、キャリッジ200を壁面306のより近くにもってくることができる。図2に示した実施形態では、突起マウント342はシャフト344によって壁面306に離心的に取り付けられている。突起マウント342は、回転方向の矢印346によって示されるように、シャフト344を軸として前後に回転されることができる。突起マウント342が図2に示される位置にあるとき、突起340はベローズ222と係合する整列状態にある。突起マウント342が図3に示される位置まで回転されると、突起340は整列状態から外れ、ベローズ222に係合しなくなる。回転方向346はフィード・ローラー312の順方向313および逆方向に沿っているので、歯車列またはベルト(図示せず)のような選択的に接続可能な結合を使って、フィード・ローラー312に進めるのに使われるのと同じモータを使って突起マウント340を回転させることはストレートなことである。ここにその全体において参照によって組み込まれる米国特許出願公開第20090174733号は、同じモーターを使って複数のプリンタ機能を駆動する装置および方法を開示しており、これを使って、フィード・ローラー312から動力を選択的に解放し、そのモーターを突起340を必要に応じてベローズ222の経路に入れたり出したりするよう動かすために使うことができる。コントローラ14(図1参照)は、突起340を動かしてベローズ222と係合可能な整列状態にしたり整列状態から外したりするよういつ信号を送るべきかに関する命令を含むことができる。
【0023】
ベローズ222が突起340に当たり、圧縮されるよう、キャリッジ200を動かすおよび/または突起340を動かすコントローラ14のための命令は、イベント・ベース、クロック・ベース、計数ベース、センサー・ベースまたはこれらの組み合わせであることができる。イベント・ベースの命令の例は、プリンタがオンにされたときに、あるいはメンテナンス動作(たとえばワイプ)が実行される直前または直後、または印刷ジョブの最後のページが印刷されたあとに、ベローズ222を圧縮させるよう、コントローラ14が適切な信号を送るというものであろう。クロック・ベースの命令の例は、ベローズ222が最後に圧縮された時から1時間後に、ベローズ222を圧縮させるよう、コントローラが適切な信号を送るというものであろう。計数ベースの命令の例は、所定数のページが印刷されたあと、あるいは所定数のメンテナンス・サイクルが実行されたあとに、ベローズ222を圧縮させるよう、コントローラ14が適切な信号を送るというものであろう。センサー・ベースの命令の例は、光学センサーが一つまたは複数のジェットが誤動作していることを検出するときに、あるいは熱センサーが印刷ヘッドが所定の温度を超えたことを示すときに、ベローズ222を圧縮させるよう、コントローラ14が適切な信号を送るというものであろう。組み合わせベースの命令の例は、熱センサーおよび時計が、印刷ヘッドが所定の時間より長く所定の温度を超えていたことを示すときに、ベローズ222を圧縮させるよう、コントローラが適切な信号を送るというものであろう。コントローラ14からの命令は、ベローズ222の完全な圧縮または圧縮なしを引き起こすものであることができ、あるいはまた、ベローズ222を、複数の所定量のうちの一つだけ圧縮させることができ、それはエンコーダ383に対してモニタリングされる対応する量だけキャリッジ200を動かすことによる。
【0024】
インク中に溶解した空気は、インクが高い温度に上げられると、離脱する、すなわち溶液から出てくる傾向があるので、いくつかの実施形態では、印刷ヘッドから空気を抜く方法は、空気抜き取り室を介して低下した気圧を加えることとともに、印刷ヘッドの一部を加熱することを含むことができる。これは、ノズルからインクの液滴を噴出するためにインクを気化させるヒーターを含む滴噴出器を有する印刷ヘッド・ダイを含む熱インクジェット印刷ヘッドにとっては、特にストレートなことである。ヒーターを加熱するための電気パルスは、滴を噴出させる十分な振幅および継続時間のものであることができる。さまざまな実施形態において、コントローラ14は、ベローズが伸張し、それにより離脱した空気を印刷ヘッド250から引き出すために空気抜き取り室220において低下した圧力を与えることを許容される時の前、またはその時の間、印刷ヘッド・ダイ251を加熱するために、発射(firing)パルスまたは非発射(non-firing)パルスを引き起こすことができる。
【0025】
印刷ヘッド250および空気抜き取り室220は図4のAにより詳細に示されている。印刷ヘッド組立体210という用語は、本稿で使われるときは、印刷ヘッド250およびその構成部品ならびに空気抜き取り室220およびその構成部品を含む。空気抜き取り室220の下にある下向き矢印は、空気抜き取り室220がどのように印刷ヘッド250と一緒に組み立てられるかを示している。図4のAに示される空気抜き取り室のさらなる部品は、空気抜き取り室220を空気蓄積室230と空気放出室232に分離する一方向性封じ込め弁228を含む。さらに、一方向性逃がし弁224としてフラップ弁(flapper valve)の例が示されている。留め具(単数または複数)225がフラップ弁を空気抜き取り室220の外側表面に接続する。フラップ弁は典型的にはエラストマー・シートでできており、その自然状態において空気放出室232内の空気ベント226を覆い、密封する。同様に、一方向性封じ込め弁228も、空気通路231を密封し、覆うフラップ弁であることができる。通常は、一方向性逃がし弁224および一方向性封じ込め弁228はいずれも閉じられている。空気放出室232内の圧力が、一方向性逃がし弁224を強制的に開ポジションにするのに十分な量だけ周囲の圧力より大きい場合に、空気放出室232からある量の空気が一方向性逃がし弁224を通じて放出される。すると、エラストマーの復元力が一方向性逃がし弁224を再び閉じ、それにより空気はそれ以上空気ベント226からベントされることができなくなる。同様に、空気蓄積室230内の圧力が、一方向性封じ込め弁228を強制的に開にするのに十分な量だけ空気放出室232内の圧力より大きい場合に、空気蓄積室230から空気放出室232に空気が空気通路231を通じて移転される。すると、エラストマーの復元力が一方向性封じ込め弁228を再び閉じる。
【0026】
印刷ヘッド250は、複数のインク室を有する印刷ヘッド・ボディ240を含む。図4のAに示した例では、インク室241、242、243および244はそれぞれブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインクを含む。他の実施形態は4つより多くのインク室または4つより少ないインク室を有することもできる。インクは、それぞれの取入口ポート245によってインク室241〜244にはいる。粒子状デブリのような汚染物質をインク室外に保つために、取入口ポートは任意的にフィルタによって覆われることができる。各インク室241、242、243および244の上にはそれぞれ対応する膜236、237、238および239がある。膜236〜239は空気に対しては透過性であるが、液体に対しては透過性ではない。換言すれば、空気は膜236〜239を通ることができるが、インクは通り抜けることができない。
【0027】
インクを印刷ヘッド・ダイ251に提供するために、インクは、それぞれのインク出口246を通じてインク室241〜244を出る。印刷ヘッド・ダイ251はノズル面252上のノズル・アレイ257(図4のB)を含む。異なるノズル・アレイは異なるインク室241〜244からインクを供給される。図4のAでは、二つの印刷ヘッド・ダイ251があり、それぞれ二つのノズル・アレイを含んでいる。図4のBでは、四つすべてのノズル・アレイ257は、一つの印刷ヘッド・ダイ251上に交互に示されている。ノズル・アレイ257はアレイ方向254に沿って配され、各アレイは互いからアレイ離間方向258に沿って離間されている。典型的には、印刷ヘッド・ダイ251のコスト削減のため、アレイ離間方向258に沿った全幅を、その方向に沿った印刷ヘッド・ボディ240の幅に比べ相対的に小さく保つことが望まれる。いくつかの実施形態では、図4のAにおけるように、インクを、各インク室241〜244のインク出口246から、印刷ヘッド・ダイ251の、ノズル面252と反対側の対応するインク取入口256に持ってくるためにマニホールド247が使われる。インクは、インク取入口256から対応するインク・フィード255(図4のB)に流れ、そこからそれぞれのノズル・アレイ257へと流れる。図4のAにおける印刷ヘッド・ダイ251の下の小さな円は、種々のノズル・アレイ257から噴出された種々のカラー・インクの液滴を表す。図4のAの例において印刷ヘッド・ダイ251の実質的に垂直上方に位置される内側インク室242および243については、印刷ヘッド・ダイ251から印刷ヘッド・インク出口246への対応するマニホールド通路248は実質的に垂直であることができる。外側のインク室241および244については、対応するマニホールド通路248はより広範な水平方向のまたはやや傾いた部分をもつことができる。印刷ヘッド・ダイ251は、いくつかの実施形態では、印刷ヘッド・ダイ251とマニホールド247の間に位置されるマウント基板上にマウントされることができる。図4のAに示されるようないくつかの実施形態では、マニホールド247はマウント基板である。
【0028】
印刷ヘッド250からの空気抜き取り方法は、図2および図4のAを参照して記述できる。キャリッジ200は、突起340によってベローズ222がキャリッジ走査方向305に平行な圧縮方向223に沿って圧縮されるまで、キャリッジ走査方向305に沿って壁306のほうに動かされる。ベローズ222中にあった空気は空気放出室232中に強制され、それによりその室内の圧力を高める。それにより、通常は閉じている一方向性逃がし弁224が強制的に開にされ、ある量の空気が放出される。次いで、一方向性逃がし弁224が再び閉じる。キャリッジ200が壁306から離れて動いたのち、ベローズ222は伸張できる。ベローズ222が伸張すると、ベローズ222および空気放出室232中の全体積が増大する。圧力は気体の体積に反比例するので、空気放出室232中の圧力はベローズ222が伸張するにつれて低下する。空気放出室232中の圧力が、一方向性封じ込め弁228が強制的に開にされるのに十分、空気蓄積室230中の圧力より低くなると、いくらかの空気が空気蓄積室230から空気放出室232に空気通路231を通って移る。これは、(空気放出室232中の圧力を上げる傾向をもちつつ)空気蓄積室230中の圧力を低下させ、しまいには一方向性封じ込め弁228が閉じ、空気通路231は再び封印され、それ以上の空気は空気蓄積室230と空気放出室232の間で通ることができなくなる。空気蓄積室230中の低下した気圧は膜236〜239に加えられる。換言すれば、空気蓄積室230中の圧力はインク室241〜244内の圧力より低い。結果として、膜236〜239を通じてインク室241〜244から空気が引き抜かれ、それにより印刷ヘッド250のインク室241〜244から空気が抽出される。ベローズ222が伸張し続け、空気がインク室241〜244から空気蓄積室230中に引き抜かれ続けるにつれ、空気蓄積室230中の圧力が再び、一方向性封じ込め弁228を強制的に開にするのに十分、空気放出室232中の圧力を超えることができる。それにより空気蓄積室230中の圧力が再び低下したレベルまで下げられる。キャリッジ200が再び、ベローズ222を圧縮するよう突起340と係合するよう壁306のほうに動かされるとき、空気蓄積室230から空気放出室232およびベローズ222に移された空気が、一方向性逃がし弁224を通じて放出される。典型的には、ベローズ222の圧縮中、一方向性封じ込め弁228はその通常は閉のポジションにある。しかしながら、ベローズ222が圧縮され始めるときにたまたま一方向性封じ込め弁228が開である場合、空気放出室232中の増大した圧力は一方向性封じ込め弁228と閉じさせ、それにより空気放出室232中に圧力がさらに積み上がり、強制的に空気ベント226から空気を出す。
【0029】
図4のAにはいくつかの好ましい幾何学的詳細も示されている。空気抜き取り室220の空気蓄積室230は圧縮方向223に沿った長さ寸法L1をもつ。第一の膜(膜236など)の最も外側のエッジから第二の膜(膜239など)の反対側の最も外側のエッジまでの距離L2は好ましくはL1より小さい。そのようにして、単一の空気抜き取り室220が複数のインク室から対応する複数の膜を通じて空気を引き出すことができる。図4のAでは、一つの空気抜き取り室220が、四つのインク室241〜244のための空気管理を提供することができる。空気蓄積室230が対応する四つの膜236〜239に低下した圧力を与えることができるからである。
【0030】
ノズル・アレイ257は、実質的に媒体送り方向304に平行なノズル・アレイ方向254に沿って配される。ノズル・アレイ離間方向258はキャリッジ走査方向305と実質的に平行である。したがって、インク室インク出口246から印刷ヘッド・ダイ・インク取入口256までのインクの接続を簡単にするため、インク室241〜244は好ましくは互いから、キャリッジ走査方向305に沿って変位される。ベローズ222の圧縮方向223もキャリッジ走査方向305に実質的に平行なので、インク室241〜244は好ましくは、圧縮方向223に実質的に平行な方向に沿って互いから変位される。また、キャリッジ走査方向305が媒体送り方向304に実質的に垂直なので、圧縮方向223はアレイ方向254に実質的に垂直ということになる。さらに、図2を参照するに、プリンタ・シャーシ300の印刷ゾーン303の平面はキャリッジ走査方向305および媒体送り方向304の両方に実質的に平行である。印刷ヘッド250が印刷ヘッド・シャーシ300にマウントされるとき、膜236〜239は好ましくはインク出口248、印刷ヘッド・ダイ・インク取入口256および取入口ポート245の実質的に垂直上方にある。これは、後述するように、気泡がインクを通じて上るのを助けるためである。換言すれば、膜236〜239はノズル・アレイ257から(すなわち、滴噴出器のアレイから)、アレイ方向254および圧縮方向223の両方に実質的に垂直な膜変位方向235に沿って変位されることが好ましい。
【0031】
図5のAは、図4のAと同様だが膜変位方向235に平行な軸のまわりに回転した印刷ヘッド250の斜視図を示している。図5のBは、空気抜き取り室220の同様に回転させたビューである。図5のAのビューは、インク室241の側壁を通じて中を見せており、膜変位方向235に実質的に平行な方向に液体インク218を通じて上昇する気泡216を示している。気泡216は、印刷ヘッド250のインク出口246および取入口ポート245の両方から上昇する。インク出口246で発する気泡216はたとえば、上昇した温度においてインク218から離脱した空気に起因して、印刷ヘッド・ダイ251から来ることができる。取入口ポート245から発する気泡216はたとえば、インク・タンク262(図2参照)の交換の際にはいることができる。空気抜き取り室220は、両方の源からの気泡を抜き取るのに有効である。インク室241の開いた垂直幾何構造は、液体インク218の上方の、空気スペース217から膜236までの空気スペースにつながり、浮力による、液体インク218を通じた気泡216の、空気スペース217および膜236に向けた自由な上昇を容易にする。そのような垂直幾何構造のもう一つの記述法は、図3を参照するに、インク室241の取入口ポート245とプリンタ・シャーシ300の支持ベース302の間の距離が、空気抜き取り室220と支持ベース302の間の距離Sより小さいというものである。同様に、インク室241のインク出口246とプリンタ・シャーシ300の支持ベース302の間の距離が、空気抜き取り室220と支持ベース302の間の距離Sより小さいというものである。(ただし、明確のため図3にはインク出口246は示していない。)
図6のAは、本発明のある実施形態に基づく、印刷ヘッド組立体210の断面図である。この実施形態では、圧縮ばね215が空気放出室232内の固定された支持部213とベローズ222の端近くの可動支持部214の間に保持される。圧縮ばね215は、ベローズ222が圧縮方向223に沿って圧縮されたあとに伸張するのを助ける。他のいくつかの実施形態では、ベローズ222は、圧縮ばねを使うことなく、ベローズ伸張のために必要とされる伸張力を与えるのに十分な弾性属性をもつ材料で作られる。ベローズ222内に圧縮ばね215を設けることは、ベローズ222を作成するためにより安価な、あるいは他の点でより最適な材料を使うことを許容できる。ベローズ222の動かない端212は空気放出室232に取り付けられ、それにより空気はベローズ222の内部と空気放出室232の内部の間で自由に流れることができる。
【0032】
図6のAは、一方向性逃がし弁224と一方向性封じ込め弁228の両方が図6のBに示される型のフラップ弁である場合について、両方の弁の開ポジションおよび閉ポジションを示している。一方向性逃がし弁224の空気ベント226に対して通常は閉のポジションが網掛けの実線の長方形によって示されている。空気ベント226から離れた開ポジションが破線によって示されている。同様に、一方向性封じ込め弁228の空気通路231に対して通常は閉のポジションが網掛けの実線の長方形によって示されている。一方、空気通路231から離れた開ポジションが破線によって示されている。
【0033】
空気抽出室220における封印〔シール〕が気密であることは必要とされない。空気がインク室241〜244から膜236〜239を通じて空気抜き取り室220にはいる効果と、さまざまな封印における漏れを含めて、環境の圧力と空気抜き取り室220内の圧力の間の圧力差が失われる時定数は、いくつかの実施形態では、約5秒から約1時間までの間であることができる。
【0034】
図6のAは、インク室241〜244内のインク出口246から液体インク218を通って液体インク218の上方の空気スペース217のほうに自由に上昇する気泡216を示している。内側のインク室242および243については、印刷ヘッド・ダイ・インク取入口256からの、マニホールド247を通ってインク取入口246へ、空気スペース217へ、空気抽出室220へのインク通路全体は、実質的に鉛直であり、これは、気泡216の動きのために好ましい。印刷ヘッド・ダイ251のコストを削減するため、およびインク室241〜244内において十分なインクを提供するため、最も外側のインク取入口256どうしの間の距離が最も外側のインク室241および244の間の距離より若干小さくなるということが一般に成り立つ。そのため、図6のAに示されるような実施形態について、外側のマニホールド通路248は水平方向からわずかな傾きをもつ部分をもつ。
【0035】
他の実施形態では、外側インク室についてさえ、印刷ヘッド・ダイ251から液体インク218の上方の空気スペース217までずっと気泡が流れるよう、印刷ヘッド中により垂直な経路を提供するために、図7のCに示される取り巻き〔ラップアラウンド〕インク室幾何構造が使用されることができる。取り巻きインク室幾何構造は、特に、図7のAの分解図に示されるような印刷ヘッド・ダイ構成と適合する。図7のAでは、インク取入口256のノズル・アレイ方向254に沿った長さが、アレイ離間方向258に沿ったインク取入口256間の間隔よりも長い。二つのトレンドのため、この印刷ヘッド・ダイ構成がより有利になる。より長い印刷走跡、すなわちより長いノズル・アレイ長を提供することによって印刷速度が向上する。印刷ヘッド・ダイのコストは、ダイの面積を縮小することによって低下する。したがって、低コストで高スピードの印刷ヘッドを提供するために、ノズル・アレイ間の間隔より長いノズル・アレイをもつことが有利である。図7のAに示される実施形態では、二つの印刷ヘッド・ダイ251があり、それぞれノズル面252上の二つのノズル・アレイを、ノズル面252と反対側の面上の対応するインク取入口256を有する。流体接続を与えるため、印刷ヘッド・ダイ251のインク取入口面は、典型的にはインク適合ダイ・ボンディング接着剤を用いて、マウント基板270のダイ・ボンディング面272に封着される。マウント基板270は、印刷ヘッドのインク室から印刷ヘッド・ダイにインクを提供するマウント基板通路274を含む。図7のAに示される実施形態では、マウント基板通路274は靴型である。マウント基板270のダイ・ボンディング面272上では、マウント基板通路274が細長い出口開口276(図7のB参照)として出る。これは、印刷ヘッド・ダイ251の同様の形状のインク取入口256と合わせるために好適である。マウント基板270の印刷ヘッド・マウント面275上では、マウント基板通路274は、ノズル・アレイ方向254に沿って互いから交互に互い違いにされているより小さな取入口開口278として出る。換言すれば、二つの隣接する取入口開口278の間の変位は、アレイ方向254に平行な成分c1と、アレイ離間方向に平行な成分c2とをもつ。多くの実施形態において、c1はc2より大きい。図7のAに示した実施形態において取入口開口278の互い違いの配位を提供するために、隣り合う靴型のマウント基板通路274は互いに反対向きに配向される。細長い出口開口276は、マウント基板270の内部のマウント基板通路274の諸部分によって、より小さな取入口開口278に流体的に接続される。
【0036】
印刷ヘッド280の取り巻きインク室幾何構造は、図7のCに示される上面図において示されている。印刷ヘッド・ボディ288は複数のインク室281〜284と、インク室281〜284についての取入口ポート286の線形配列とを含む。印刷ヘッド・ボディ288は、第一の外側壁295と該第一の外側壁295と反対側の第二の外側壁296を含む。第一の外側壁295は取入口ポート286の近位に(すなわち、取入口ポートのところにまたはその近くに)位置される。一方、第二の外側壁296は取入口ポート286にとって遠位である。この実施形態では、外側インク室281および284はL形であり、内側インク室282および283を取り巻く。結果として、外側インク室281および284はそれぞれ第一の外側壁295近くに位置される第一部分と、第二の外側壁296近くに位置される第二部分とを有する。内側インク室282および283はそれぞれ第一の外側壁295近くに位置される部分をもつが、第二の外側壁296近くに位置される部分はもたない。各インク室は、液体に対して透過性でない空気透過性膜285と、取入口ポート286と、インク出口287とをもつ。インク出口287は、マウント基板270の印刷ヘッド・マウント面上のより小さな取入口開口278と同じ互い違いの配位で、インク室281〜284の底面上に配置されている。インク室281〜284のそれぞれのインク出口287は、たとえばガスケット・シールを用いて、マウント基板270上の対応する取入口開口278に流体的に接続されることができる。図5のAおよび図6のAに示した液体インク218と空気スペース217の関係と同様に、インク室281〜284は液体インクを含み、液体インク上方のインク室の上部に空気スペースをもつ。気泡にとってマウント基板取入口開口278およびインク室281〜284の(外側インク室281および284および内側インク室282および283について)対応するインク出口287から空気スペースへの気泡の実質的に鉛直な進行経路があるので、空気スペースまでの気泡の動きは妨害されない。実際、垂直な進行経路は印刷ヘッド・ダイ251のインク取入口256まで延び、そこではインク取入口256はノズル・アレイ257に対応する(図4のB参照)。さらに、取入口286から空気スペースへの気泡にとっての実質的に垂直な進行経路があるので、取入口ポート286から対応するインク室の上にある空気スペースへの気泡の動きも妨害されない。膜285が対応するインク室の空気スペースと接触しており、膜が空気抜き取り室の寸法内に納まる限り、インク室281〜284内の膜285の位置は決定的ではない。
【0037】
図7のCに示した実施形態では、インク室281は、インク室282の取入口ポート286に隣接する取入口ポート286をもつ。インク出口287の互い違いにされた配位および印刷ヘッド280の取り巻きインク室幾何構造のため、インク室281のインク出口287は、インク室282のインク出口287から変位されており、二つの出口287の間の変位は、ノズル・アレイ方向254に平行な成分c1およびアレイ離間方向258に平行な成分c2をもつ(図7のAも参照)。取り巻きインク室幾何構造の他の含まれた意味は、インク室の間で共有される内側壁の構成に関係がある。以下の議論では、インク室281、282、283および284についての番号付け方法(すなわち、それぞれ第一、第二、第三および第四)は、それらのインク室についての対応する取入口ポートの位置に基づく。第二のインク室282(第一の内側室)の取入口ポート286は、第一のインク室281(第一の外側室)の取入口ポート286と第三のインク室283(第二の内側室)の取入口ポート286との間である。同様に、第三のインク室283(第二の内側室)の取入口ポート286は、第二のインク室282(第一の内側室)の取入口ポート286と第四のインク室284(第二の外側室)の取入口ポート286との間である。壁291は第一のインク室281と第二のインク室282の間で共有される。壁291が、第二のインク室282と第三のインク室283の間で共有される壁294と交わったのち、壁291はさらに、第一のインク室281、第二のインク室282および第三のインク室283の間で共有される壁292まで延びる。壁292はまた、第三のインク室283と第四のインク室284の間でも共有されている。第二の外側壁296と交わる壁293は、第一のインク室281と第四のインク室284の間で共有される。壁293は実質的に壁292と垂直である。
【0038】
図7のCに示される実施形態では、取り外し可能なインク・タンク262のタンク・ポート263がインク室281〜284のそれぞれの取入口ポート286に流体接続される。図7のCにおいてアレイ離間方向258に沿って左から右に、インク室281〜284の取入口ポート286に供給される異なる色のインクの順序はYMCK(イエロー、次いでマゼンタ、次いでシアン、次いでブラック)である。印刷ヘッド280の取り巻きインク室幾何構造の一つの結果は、インク室281〜284のインク出口287が、アレイ離間方向258に沿って異なる順序MYCKで配置されるというものである。
【0039】
図8は、印刷ヘッド250のインク室241に、可動キャリッジ200上にマウントされるインク・タンクからではなく、印刷ヘッド・シャーシ300上に定常的にマウントされるリモート・インク供給部265からインクが供給される本発明の実施形態を示している。インクは、取入口ポート246に接続された柔軟なチューブ材266を通じてインク室241に供給される。明確のため、柔軟なチューブ材266は図8における四つの取入口ポートの一つのみに接続されて示されている。空気抜き取り室220は、他の実施形態との関連で上述したのと同様の仕方で動作する。
【0040】
図9は、図2および図3との関連で上述したのとは異なる仕方でベローズ222との係合可能な整列状態にはいったり、係合可能な整列状態から外れたりして突起340を動かす実施形態を示している。図9の実施形態では、突起340は、壁306に、旋回可能にマウントされる。圧縮方向223に沿ってベローズ222を圧縮することが望まれるときは、突起340は、図2におけるようにキャリッジ・スキャン方向305と実質的に平行な方向に沿って、壁306から突き出て延びるよう配向される。突起340をベローズ222との整列状態から外れるよう動かすことが望まれるときは、図9に示されるように、旋回させられて壁306に押しつけられる。それにより、突起340は、キャリッジ走査方向305に実質的に平行でない配向になる。
【0041】
本発明の諸実施形態は、インクを抜き取ることなく空気を抜き取るので、従来のプリンタよりも無駄になるインクが少ない。従来のプリンタで使われる廃インク・パッドをなくすことができ、あるいは少なくとも、ジェットからのスピッティング(spitting)のような維持動作を受け入れるようサイズにおいて縮小することができる。これは、プリンタを、動作がより経済的で、より環境にやさしく、よりコンパクトなものにすることを許容する。さらに、本発明の空気抜き取り方法は、連続的な時間期間にわたって印刷ヘッドに加えられる空気抜き取り室からの低下した圧力を用いて任意の時点において行えるので、印刷ヘッドから空気を抜くために印刷動作を遅らせることは必要ない。
【符号の説明】
【0042】
10 インクジェット・プリンタ・システム
12 画像データ源
14 コントローラ
15 画像処理ユニット
16 電気パルス源
18 第一の流体源
19 第二の流体源
20 記録媒体
100 インクジェット印刷ヘッド
110 インクジェット印刷ヘッド・ダイ
111 基板
120 第一のノズル・アレイ
121 ノズル(単数または複数)
122 インク送達経路(第一のノズル・アレイについて)
130 第二のノズル・アレイ
131 ノズル(単数または複数)
132 インク送達経路(第二のノズル・アレイについて)
181 液滴(単数または複数)(第一のノズル・アレイから噴出される)
182 液滴(単数または複数)(第二のノズル・アレイから噴出される)
200 キャリッジ
210 印刷ヘッド組立体
212 動かない端
213 固定支持部
214 可動支持部
215 圧縮ばね
216 気泡
217 空気スペース
218 液体インク
220 空気抜き取り室
222 ベローズ
223 圧縮方向
224 一方向性逃がし弁
225 留め具(単数または複数)
226 空気ベント
228 一方向性封じ込め弁
230 空気蓄積室
231 空気通路
232 空気放出室
235 膜変位方向
236 膜
237 膜
238 膜
239 膜
240 印刷ヘッド・ボディ
241 インク室
242 インク室
243 インク室
244 インク室
245 インク・ポート(単数または複数)
246 インク出口
247 マニホールド
248 マニホールド通路(単数または複数)
250 印刷ヘッド
251 印刷ヘッド・ダイ
252 ノズル面
253 ノズル・アレイ
254 ノズル・アレイ方向
255 インク・フィード
256 インク取入口
257 ノズル・アレイ(単数または複数)
258 アレイ離間方向
262 インク・他インク
265 リモート・インク供給部
266 柔軟なチューブ材
270 マウント基板
272 ダイ・ボンディング面
274 マウント基板通路
275 印刷ヘッド・マウント面
276 出口開口
278 取入口開口
280 印刷ヘッド
281 インク室
282 インク室
283 インク室
284 インク室
285 膜
286 取入口ポート
287 インク出口
288 印刷ヘッド・ボディ
291 壁
292 壁
293 壁
295 第一の外側壁
296 第二の外側壁
285 第二の外側壁
300 プリンタ・シャーシ
302 支持ベース
303 印刷領域
304 媒体送り方向
305 キャリッジ走査方向
306 壁
312 フィード・ローラー
313 (フィード・ローラーの)順方向の回転方向
323 受動ローラー(単数または複数)
324 排出ローラー
330 維持〔メンテナンス〕ステーション
332 キャップ
340 突起
342 突起マウント
344 シャフト
346 回転方向
371 記録媒体片
380 キャリッジ・モータ
382 キャリッジ案内棒
383 エンコーダ
384 ベルト
390 電子回路ボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷ヘッド組立体であって:
a)対応するインク取入口をもつノズルのアレイと;
b)ノズルの前記アレイに対応する、前記インク取入口と流体接続されているインク出口を含むインク室と;
c)空気に対しては透過性だが液体に対しては透過性でない膜と;
d)空気抜き取り室とを有しており、
前記空気抜き取り室は:
i)空気室と;
ii)前記空気室から環境への排気を許容する開ポジションおよび前記空気室から環境への排気を許容しない閉ポジションをもつ一方向性逃がし弁と;
iii)前記空気室から開ポジションにある前記一方向性逃がし弁を通じて空気が排気されるよう強制し、前記一方向性逃がし弁が閉ポジションにある間に前記膜に低下した気圧を加えるための圧縮可能部材とを有する、
インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項2】
請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記空気抜き取り室がさらに:
a)前記一方向性逃がし弁の近くに配された前記空気室の空気放出部と;
b)前記空気室の空気蓄積部と;
c)前記空気蓄積部と前記空気放出部の間の一方向性封じ込めベントとを有しており、前記一方向性封じ込め弁は、前記空気蓄積部と前記空気放出部の間で空気が通ることを許容する開ポジションおよび前記空気蓄積部と前記空気放出部の間で空気が通ることを許容しない閉ポジションをもつ、
インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項3】
前記一方向性封じ込め弁は、前記圧縮部材の伸張によってその開ポジションに動かされることができる、請求項2記載のインクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項4】
ポートを含む取り外し可能なインク・タンクをさらに有する、請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記インク室がさらに、前記取り外し可能なインク・タンクの前記ポートに流体接続可能な取入口ポートを有する、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項5】
前記インク室からリモートなインク供給部をさらに有する、請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記インク室は、前記リモートなインク供給部に柔軟なチューブ材によって流体接続可能な取入口ポートを有する、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項6】
前記圧縮可能部材がベローズを含む、請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項7】
前記圧縮可能部材がさらに、前記ベローズが圧縮されたあと伸張することにおいて前記ベローズを支援するばねを含む、請求項6記載のインクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項8】
請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記印刷ヘッド・ダイのノズルの前記アレイおよび対応するインク取入口がノズルの第一のアレイおよび対応する第一のインク取入口であり、前記インク室が第一のインク室であり、前記第一のインク室の前記インク出口が第一のインク出口であり、前記膜が第一の膜であり、当該インクジェット印刷ヘッド組立体がさらに:
a)対応する第二のインク取入口をもつノズルの第二のアレイと;
b)ノズルの前記第二のアレイに対応する、前記第二のインク取入口と流体接続されている第二のインク出口を含む第二のインク室と;
c)空気に対しては透過性だが液体に対しては透過性でない第二の膜とを有しており、
前記圧縮可能部材が伸張するとき、前記一方向性逃がし弁がその閉ポジションにある間、前記第二の膜に低下した気圧が加えられる、
インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項9】
請求項8記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、さらに:
第一のポートを含む第一の取り外し可能なインク・タンクと;
第二のポートを含む第二の取り外し可能なインク・タンクとを有し、
前記第一のインク室がさらに、前記第一の取り外し可能なインク・タンクの前記第一のポートに流体接続可能な第一の取入口ポートを有し、前記第二のインク室がさらに、前記第二の取り外し可能なインク・タンクの前記第二のポートに流体接続可能な第二の取入口ポートを有する、
インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項10】
請求項8記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記空気抽出室の前記圧縮可能部材がある圧縮方向に沿って圧縮可能であり、前記第二のインク室が前記第一のインク室から、前記圧縮方向と実質的に平行な方向に沿って変位している、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項11】
請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、ノズルの前記アレイがあるアレイ方向に沿って配されており、前記空気抽出室の前記圧縮可能部材は前記アレイ方向と実質的に垂直な圧縮方向に沿って圧縮可能である、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項12】
請求項11記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記膜は、前記アレイ方向および前記圧縮方向の両方に実質的に垂直な方向に沿ってノズルの前記アレイから変位されている、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項13】
請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記インク室がさらに液体インクを含み、前記空気抜き取り室は、前記インク室の前記インク出口から前記液体インクを通じて前記空気抜き取り室に向けて自由に上昇できるよう、前記インク室の前記インク出口の上方に配される、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項14】
請求項1記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記空気抜き取り室は、環境圧力と前記空気抜き取り室内の圧力との間の差の減少を特徴付ける時定数を含み、前記時定数は約5秒より大きく、約1時間より小さい、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項15】
請求項8記載のインクジェット印刷ヘッド組立体であって、前記第一の膜および前記第二の膜が複数の膜のうちの最も外側の膜であり、前記圧縮可能部材はある圧縮方向に沿って圧縮可能であり、前記第一の膜の最も外側の端と前記第二の膜の反対側の最も外側の端との間の距離が、前記圧縮方向に沿った前記空気抜き取り室の寸法より小さい、インクジェット印刷ヘッド組立体。
【請求項16】
気体および液体の容器であって:
a)前記液体を供給するための供給開口を含む第一の部分と;
b)第二の部分とを有しており、前記第二の部分は:
i)前記第一の部分から気体を放出するための弁を有する第一の弁開口と;
ii)圧力下で前記気体を放出するための第二の弁開口であって、圧力下では前記第一の弁は前記気体の通過を防止する、第二の弁開口と;
iii)前記気体を当該容器の前記第二の部分から強制的に出すための圧力開口とを有する、
容器。
【請求項17】
圧縮可能部材をさらに有する請求項16記載の容器であって、前記圧縮可能部材は、該圧縮可能部材の圧縮の間、前記気体を当該容器の前記第二の部分から強制的に出すことを実施するために前記圧力開口に結合されている、容器。
【請求項18】
請求項17記載の容器であって、前記圧縮可能部材は、該圧縮可能部材の伸張を引き起こすよう付勢されたばねである、請求項17記載の容器。
【請求項19】
前記圧縮部材は、前記圧縮部材の伸張の間に当該容器の前記第一の部分から空気を抜くためにも伸張可能である、請求項17記載の容器。
【請求項20】
前記第一の部分および前記第二の部分は、前記気体にとっては透過性であるが前記液体にとっては透過性でない膜によって分離されている、請求項19記載の容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−510022(P2013−510022A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537980(P2012−537980)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055383
【国際公開番号】WO2011/056926
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】