説明

インクジェット用インク組成物

【課題】被記録媒体のポリ塩化ビニル等の非吸収面においても、滲みを抑制できるインクジェット用インク組成物の提供。
【解決手段】剪断減粘性付与剤、着色剤及び溶剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体上での滲みが抑制されたインクジェット用インクのための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット記録方式は、コンティニュアスタイプとオンデマンドタイプとの2つの方式に大別できる。そして、これらインクジェット記録方式の優れた特徴としては、直接記録であるためにプロセスが簡単であることに加えて、インパクト方式ではないために無騒音であること、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること、普通紙が使用できるためランニングコストが低いこと、微小インク滴を吐出させるため高解像度の記録が可能であること等が挙げられる。また、インクジェット記録方式は、印刷方式とは異なり、印刷版が不要であり、一台の機械で様々なパターンを記録できることから、例えば、梱包剤、ポスター、車体のラッピング等、幅広い分野での利用が可能である。
【0003】
一方で、インクジェット記録方式に使用されるインク(以下、「インクジェット用インク」又は「インク」と略記する)は、例えば、グラビアインク等と比較してかなり粘度が低く、インク小滴が着弾してから乾燥するまでの間に、被記録媒体上でインクが濡れ広がり易く、滲みが多くなって印字物等の記録情報のコントラストが低下してしまうことがある。そこで、滲みが抑制されたインクジェット用インクの開発が強く望まれている。
【0004】
これに対して従来は、被記録媒体の着弾面に、着弾後のインクと反応してこれを固化させる反応液を塗布しておくことで、インクを固化させて、滲みを抑制する技術(例えば、特許文献1参照)、特に紙面に対するインクの浸透と毛細管現象によるインクの広がりを防止して、滲みを抑制する技術(特許文献2参照)、被記録媒体への着弾後のインクにおいて、溶剤の揮発に伴う粘度上昇を促進することにより、インクの滲みを抑制する技術(特許文献3)が提案されている。また、圧力の印加により粘性が低下し、圧力の印加が解消された通常の状態では粘性が上昇するという特徴を有するゲルインクを使用することにより、インクジェットヘッドから支障なく吐出されて被記録媒体上に着弾したインクにおいて、粘性を上昇させて滲みを抑制する技術(特許文献4)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−076395号公報
【特許文献2】特開2005−036203号公報
【特許文献3】特開2006−016412号公報
【特許文献4】特開2007−301876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜3で提案されている技術では、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の非吸収面においては、十分な滲みの抑制効果が得られず、使用できる被記録媒体が限定されてしまうという問題点があった。
また、特許文献4では、前記ゲルインクについて、具体的な組成や物性はもとより、奏する効果の程度や吐出条件等についても全く開示されていない。加えて、通常の状態では粘性が高く、圧力の印加により粘性が低下するという物性は、従来のインクをはじめとする広範な液状組成物でも、ある程度は認められるものである。したがって、特許文献4では、滲みが抑制されたゲルインクについて、実質的には何も開示されていない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被記録媒体のポリ塩化ビニル等の非吸収面においても、滲みを抑制できるインクジェット用インク組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、
本発明は、剪断減粘性付与剤、着色剤及び溶剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物を提供する。
本発明のインクジェット用インク組成物においては、25℃で5分間静置後に、10000s-1の剪断を付与した直後の粘度が、0.001〜0.03Pa・sであり、さらに5秒間静置後に、25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度が、0.04〜100Pa・sであることが好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物においては、25℃で5分間静置後に、10000s-1の剪断を付与した直後の粘度が0.001〜0.03Pa・sであることが好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物においては、25℃で5分間静置後に、0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度が0.1〜100Pa・sであることが好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物においては、前記剪断減粘性付与剤が、天然多糖類、前記天然多糖類の水酸基を構成する一つ以上の水素原子がアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基、カルボキシアルキル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基又はリン酸基で置換された天然多糖類誘導体、前記天然多糖類の塩、前記天然多糖類誘導体の塩、アクリル系樹脂及び鉱物系物質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物においては、前記剪断減粘性付与剤が、セルロース、セルロースの水酸基を構成する一つ以上の水素原子がアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基、カルボキシアルキル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基又はリン酸基で置換されたセルロース誘導体、セルロースの塩及び前記セルロース誘導体の塩からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被記録媒体のポリ塩化ビニル等の非吸収面においても、滲みを抑制できる。その結果、例えば、記録情報のコントラストが向上し、鮮明で高品質な情報記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1〜5及び比較例1〜2のインクジェット用インク組成物について、25℃で5分間静置後に、所定の大きさの剪断を付与した直後の粘度の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のインクジェット用インク組成物(以下、インク組成物と略記することがある)は、剪断減粘性付与剤、着色剤及び溶剤を含有することを特徴とする。
かかるインク組成物は、前記剪断減粘性付与剤を含有することにより、剪断減粘性を示す。ここで、「剪断減粘性」とは、静置状態では粘度が高いが、振動やずり等、外部からの圧力の印加により、粘度が低くなることを意味する。したがって、インクジェットヘッドからの吐出時には粘度が低くて良好な吐出性を示すが、被記録媒体上に着弾後は、静置されることで圧力の印加が解消され、粘度が上昇するので、滲みが抑制される。
【0012】
(剪断減粘性付与剤)
本発明において、前記剪断減粘性付与剤は、インク組成物に剪断減粘性を付与するものである。
前記剪断減粘性付与剤としては、多糖類、前記多糖類の誘導体、前記多糖類の塩、前記多糖類の誘導体の塩、(メタ)アクリル系樹脂及び鉱物系物質が例示できる。ここで、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂の双方を指すものとする。
前記剪断減粘性付与剤は、水溶性であることが好ましい。
【0013】
前記多糖類の誘導体としては、前記多糖類の一つ以上の水素原子が置換基で置換されたものが例示できる。なかでも、前記多糖類の水酸基を構成する一つ以上の水素原子が置換基で置換されたものが好ましい。
前記置換基の好ましいものとしては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基、カルボキシアルキル基、カルバモイル基(−C(=O)−NH2)、アルキルカルバモイル基、リン酸基(−P(=O)−(OH)2)が例示できる。
前記置換基におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良いが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素数が1〜10であることが好ましい。
前記置換基におけるヒドロキシアルキル基としては、前記アルキル基の一つの水素原子が水酸基(−OH)で置換された一価の基が例示でき、好ましいものとしては、ヒドロキシプロピルセルロース中で見られる、式「−CH2−CH(CH3)−OH」で表されるものが例示できる。
前記置換基における「ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基」としては、好ましいものとして、ヒドロキシプロピルセルロース中で見られる、一般式「(−CH2−CH(CH3)−O)mH(式中、mは2以上の整数である。)」で表されるものが例示できる。
前記置換基におけるカルボキシアルキル基としては、前記アルキル基の一つの水素原子がカルボキシ基(−COOH)で置換された一価の基が例示できる。
前記置換基におけるアルキルカルバモイル基としては、カルバモイル基の一つ又は二つの水素原子が前記アルキル基で置換された一価の基が例示できる。アルキル基で置換された水素原子が二つである場合、二つのアルキル基は互いに同一でも異なっていても良い。
前記置換基が二つ以上である場合、これら置換基は互いに同一でも異なっていても良い。すなわち、すべての置換基が互いに異なっていても良いし、一部の置換基が互いに同一でも良く、すべての置換基が互いに同一でもあっても良い。
前記置換基の置換位置は特に限定されない。
【0014】
前記多糖類又はその誘導体の塩としては、前記多糖類又はその誘導体を構成する分子中の、例えば、カルボキシ基(−COOH)、スルホン酸基(−SO3H)、水酸基(−OH)、リン酸基(−P(=O)−(OH)2)等の水素イオン(H+)が解離し得る一つ以上の基において、水素イオンがその他のカチオンに置換されているものが例示できる。
水素イオンが置換される前記カチオンとしては、一つの原子に由来するものであれば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;鉄イオン、銅イオン、銀イオン、亜鉛イオン等の遷移金属イオン等が例示でき、複数の原子から構成される分子に由来するものであれば、アンモニウムイオン等が例示できる。
【0015】
前記多糖類は、天然多糖類が好ましく、セルロースがより好ましい。また、前記多糖類は、質量平均分子量が1×104〜1×109であることが好ましい。
【0016】
前記(メタ)アクリル系樹脂は、架橋型及び非架橋型のいずれでも良く、ポリ(メタ)アクリレート、ポリメタクリル酸メチル(PMA)等、公知のもので良いが、アクリル系樹脂であることが好ましい。
【0017】
前記鉱物系物質は、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機ヘクトライト、スメクタイト、無水ケイ酸等、公知のもので良く、特に限定されない。
【0018】
また、前記剪断減粘性付与剤としては、4−オキシエチレンオレイルエーテルリン酸又はその塩等の界面活性剤で、特定のpH域で剪断減粘性を示すものも使用できる。ここで、前記界面活性剤は、比較的高分子量であるものが好ましく、例えば、分子量が250以上のものが例示できるが、これに限定されるものではない。
【0019】
前記剪断減粘性付与剤としては、市販品を使用しても良く、具体例としては、HPC−SL、HPC−L、HPC−M、HPC−H(以上、日本曹達株式会社製)、アビセルPH−101、アビセルPH−102、アビセルPH−301、アビセルPH−M06、TG−101(以上、旭化成株式会社製)等のセルロース及びその誘導体;ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、三晶株式会社製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、株式会社興人製)、イナゲルV−7、イナゲル7T(以上、伊那食品工業株式会社製)等のキサンタンガム;アルカシーガム、ゼータシーガム(以上、伯東株式会社)等のグルコース、グルクロン酸又はラムノースを主鎖とする天然高分子多糖類;レオザン(三唱株式会社製)等のサクシノグルカン;K1A96(三唱株式会社製)等のウエランガム;K1A112、K7C2433(以上、三唱株式会社製)等のラムザンガム;ジャガー8111、ジャガー8600、ジャガーHP−8、ジャガーHP−60、ジャガーCP−13(以上、三唱株式会社製)等のグァーガム及びその誘導体;カラギーナン、デキストラン、アルギン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、ペクチン(以上、三唱株式会社製)等の天然多糖類;PVM/MAクロスポリマー、カルボキシビニルポリマー(以上、三唱株式会社製)、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(以上、BFグッドリッチ社製)等のアクリル系水溶性樹脂;ビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ベントン(有機ヘクトライト)(以上、三唱株式会社製)、VANGEL−B、VANGEL−C、VANGEL−ES、VANGEL−O、VEEGUM−T、VEEGUM−F、VEEGUM−HV、VEEGUM−HSK、VEEGUM−PRO、VEEGUM−D、VEEGUM−ULTRA、VEEGUM−PLUS(以上、米国、R.T.ヴァンダービルトCo.LTD製)等の鉱物系物質が例示できる。
【0020】
前記剪断減粘性付与剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0021】
インク組成物中の前記剪断減粘性付与剤の含有量は、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.08〜3.5質量%であることがより好ましい。
【0022】
前記剪断減粘性付与剤としては、使用時のpH域の限定が不要で、使用する着色剤の選択の自由度が高く、吐出装置等において接触する部材の腐食等の発生懸念が一層少ないことから、前記多糖類、前記多糖類誘導体、前記多糖類の塩、前記多糖類誘導体の塩、(メタ)アクリル系樹脂及び鉱物系物質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
【0023】
(着色剤)
本発明において、前記着色剤は、本発明の組成物の用途に応じて適宜選択できる。
例えば、水性のインクジェット用インクに適用する場合には、従来の水性インク組成物で使用される公知の染料又は顔料を前記着色剤として使用できる。
【0024】
水性インク組成物で使用される前記染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料等が例示できる。
より具体的には、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(C.I.ダイレクトブラック19)、ウォーターブラックL−200(C.I.ダイレクトブラック19)、ダイレクトファストブラックB(C.I.ダイレクトブラック22)、ダイレクトファストブラックAB(C.I.ダイレクトブラック32)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.ダイレクトブラック38)、ダイレクトファストブラックコンク(C.I.ダイレクトブラック51)、カヤラススプラグレイVGN(C.I.ダイレクトブラック71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(C.I.ダイレクトエロー26)、アイゼンプリムラエローGCLH(C.I.ダイレクトエロー44)、ダイレクトファストエローR(C.I.ダイレクトエロー50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(C.I.ダイレクトレッド4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(C.I.ダイレクトレッド23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(C.I.ダイレクトレッド31)、ダイレクトスカーレットB(C.I.ダイレクトレッド37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(C.I.ダイレクトレッド39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(C.I.ダイレクトレッド75)、スミライトレッドF3B(C.I.ダイレクトレッド80)、アイゼンプリムラレッド4BH(C.I.ダイレクトレッド81)、カヤラススプラルビンBL(C.I.ダイレクトレッド83)、カヤラスライトレッドF5G(C.I.ダイレクトレッド225)、カヤラスライトレッドF5B(C.I.ダイレクトレッド226)、カヤラスライトローズFR(C.I.ダイレクトレッド227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.ダイレクトブルー15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(C.I.ダイレクトブルー71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(C.I.ダイレクトブルー86)、ウォーターブルー#3(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラスターコイズブルーGL(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラススプラブルーFF2GL(C.I.ダイレクトブルー106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(C.I.ダイレクトブルー199)等の直接染料;
アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(C.I.アシッドブラック2)、スミノールミリングブラック8BX(C.I.アシッドブラック24)、カヤノールミリングブラックVLG(C.I.アシッドブラック26)、スミノールファストブラックBRコンク(C.I.アシッドブラック31)、ミツイナイロンブラックGL(C.I.アシッドブラック52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(C.I.アシッドブラック52)、スミランブラックWA(C.I.アシッドブラック52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(C.I.アシッドブラック107)、カヤノールミリングブラックTLB(C.I.アシッドブラック109)、スミノールミリングブラックB(C.I.アシッドブラック109)、カヤノールミリングブラックTLR(C.I.アシッドブラック110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(C.I.アシッドブラック119)、ウォーターブラック187−L(C.I.アシッドブラック154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(C.I.アシッドエロー17)、キシレンライトエロー2G140%(C.I.アシッドエロー17)、スミノールレベリングエローNR(C.I.アシッドエロー19)、ダイワタートラジン(C.I.アシッドエロー23)、カヤクタートラジン(C.I.アシッドエロー23)、スミノールファストエローR(C.I.アシッドエロー25)、ダイアシッドライトエロー2GP(C.I.アシッドエロー29)、スミノールミリングエローO(C.I.アシッドエロー38)、スミノールミリングエローMR(C.I.アシッドエロー42)、ウォーターエロー#6(C.I.アシッドエロー42)、カヤノールエローNFG(C.I.アシッドエロー49)、スミノールミリングエロー3G(C.I.アシッドエロー72)、スミノールファストエローG(C.I.アシッドエロー61)、スミノールミリングエローG(C.I.アシッドエロー78)、カヤノールエローN5G(C.I.アシッドエロー110)、スミノールミリングエロー4G200%(C.I.アシッドエロー141)、カヤノールエローNG(C.I.アシッドエロー135)、カヤノールミリングエロー5GW(C.I.アシッドエロー127)、カヤノールミリングエロー6GW(C.I.アシッドエロー142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(C.I.アシッドレッド9)、ソーラールビンエクストラ(C.I.アシッドレッド14)、ダイワニューコクシン(C.I.アシッドレッド18)、アイゼンボンソーRH(C.I.アシッドレッド26)、ダイワ赤色2号(C.I.アシッドレッド27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(C.I.アシッドレッド35)、カヤシルルビノール3GS(C.I.アシッドレッド37)、アイゼンエリスロシン(C.I.アシッドレッド51)、カヤクアシッドローダミンFB(C.I.アシッドレッド52)、スミノールレベリングルビノール3GP(C.I.アシッドレッド57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(C.I.アシッドレッド82)、アイゼンエオシンGH(C.I.アシッドレッド87)、ウォーターピンク#2(C.I.アシッドレッド92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(C.I.アシッドレッド92)、ローズベンガル(C.I.アシッドレッド94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(C.I.アシッドレッド111)、カヤノールミリングルビン3BW(C.I.アシッドレッド129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(C.I.アシッドレッド131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(C.I.アシッドレッド138)、アイゼンオパールピンクBH(C.I.アシッドレッド186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(C.I.アシッドレッド249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(C.I.アシッドレッド254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(C.I.アシッドレッド265)、カヤノールミリングレッドGW(C.I.アシッドレッド276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(C.I.アシッドバイオレット17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(C.I.アシッドブルー1)、パテントブルーAF(C.I.アシッドブルー7)、ウォーターブルー#9(C.I.アシッドブルー9)、ダイワ青色1号(C.I.アシッドブルー9)、スプラノールブルーB(C.I.アシッドブルー15)、オリエントソルブルブルーOBC(C.I.アシッドブルー22)、スミノールレベリングブルー4GL(C.I.アシッドブルー23)、ミツイナイロンファストブルーG(C.I.アシッドブルー25)、カヤシルブルーAGG(C.I.アシッドブルー40)、カヤシルブルーBR(C.I.アシッドブルー41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(C.I.アシッドブルー43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(C.I.アシッドブルー62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(C.I.アシッドブルー78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(C.I.アシッドブルー83)、サンドランシアニンN−6B350%(C.I.アシッドブルー90)、ウォーターブルー#115(C.I.アシッドブルー90)、オリエントソルブルブルーOBB(C.I.アシッドブルー93)、スミトモブリリアントブルー5G(C.I.アシッドブルー103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(C.I.アシッドブルー112)、カヤノールミリングシアニン5R(C.I.アシッドブルー113)、アイゼンオパールブルー2GLH(C.I.アシッドブルー158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(C.I.アシッドグリーン9)、ダイワグリーン#70(C.I.アシッドグリーン16)、カヤノールシアニングリーンG(C.I.アシッドグリーン25)、スミノールミリンググリーンG(C.I.アシッドグリーン27)等の酸性染料;
アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(C.I.ベーシックイエロー13)、スミアクリルイエローE−3RD(C.I.ベーシックイエロー15)、マキシロンイエロー2RL(C.I.ベーシックイエロー19)、アストラゾンイエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(C.I.ベーシックイエロー28)、アストラゾンイエロー5GL(C.I.ベーシックイエロー51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(C.I.ベーシックオレンジ30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(C.I.ベーシックレッド12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(C.I.ベーシックレッド15)、アストラゾンレッドGTL(C.I.ベーシックレッド18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(C.I.ベーシックレッド27)、マキシロンレッドGRL(C.I.ベーシックレッド46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット3)、アイゼンローダミンB(C.I.ベーシックバイオレット10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(C.I.ベーシックブルー3)、メチレンブルー(C.I.ベーシックブルー9)、マキシロンブルーGRL(C.I.ベーシックブルー41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(C.I.ベーシックブルー54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(C.I.ベーシックグリーン4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料
が例示できる。
【0025】
水性インク組成物で使用される前記顔料としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、天然染料系顔料等の有機系顔料;黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機系顔料が例示できる。
より具体的には、アニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660)、ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460)、パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が例示できる。
【0026】
また、水性インク組成物で使用される前記顔料としては、先に例示したもの以外に、加工顔料も例示できる。
より具体的には、Renol Yellow GG−HW30、Renol Yellow HR−HW30、Renol Orange RL−HW30、Renol Red HF2B−HW30、Renol Red FGR−HW30、Renol Red F5RK−HW30、Renol Carmine FBB−HW30、Renol Violet RL−HW30、Renol Blue B2G−HW30、Renol Blue CF−HW30、Renol GreenGG−HW30、Renol Brown HFR−HW30、Renol BlackR−HW30(以上、クラリアントジャパン株式会社製)、UTCO−001エロー、UTCO−012エロー、UTCO−021オレンジ、UTCO−031レッド、UTCO−032レッド、UTCO−042バイオレット、UTCO−051ブルー、UTCO−052ブルー、UTCO−061グリーン、UTCO−591ブラック、UTCO−592ブラック(以上、大日精化工業株式会社製)、MICROLITH Yellow 4G−A、MICROLITH Yellow MX−A、MICROLITH Yellow 2R−A、MICROLITH Brown5R−A、Scarlet R−A、Red2C−A、Red3R−A、Magenta2B−A、VioletB−A、Blue4G−A、GreenG−A(以上、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)等が例示できる。
【0027】
また、水性インク組成物で使用される前記顔料としては、先に例示したもの以外に、市販品である水分散タイプの顔料も例示できる。これら水分散タイプの顔料は、取扱性やインク組成物の生産性が向上する点で好ましい。
前記水分散タイプの顔料として、より具体的には、無機又は有機顔料の分散体であれば、unisperseシリーズ(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)、Hostfineシリーズ(クラリアントジャパン株式会社製)、Disperseシリーズ、Ryudyeシリーズ(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、Rio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ(以上、東洋インキ株式会社製)、Emacolシリーズ、Sandyeシリーズ(以上、山陽色素株式会社製)、FUJI SP シリーズ(冨士色素株式会社製)、Poluxシリーズ(住化カラー株式会社製)等が例示でき、蛍光顔料の分散体であれば、NKWシリーズ(日本蛍光株式会社製)、コスモカラーシリーズ(東洋ソーダ株式会社製)、シンロイヒ・カラーベースシリーズ(シンロイヒ株式会社製)等が例示できる。
【0028】
一方、本発明のインク組成物を非水性のインクジェット用インクに適用する場合には、従来の非水性インク組成物で使用される公知の染料又は顔料を前記着色剤として使用できる。
【0029】
非水性インク組成物で使用される前記染料は、特に限定されない。例えば、非水溶性染料であれば、そのインク中の溶剤への溶解性を考慮して、いずれも使用できる。より具体的には、ニグロシンベ−スEE、ニグロシンベ−スEEL、ニグロシンベ−スEX、ニグロシンベ−スEXBP、ニグロシンベ−スEB、オイルイエロー101、オイルイエロー107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、オイルブラウンGR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、オイルブルーBOS オイルブラックHBB、オイルブラック860、オイルブラックBS、バリファストイエロー1101、バリファストイエロー1105、バリファストイエロー3108、バリファストイエロー4120、バリファストオレンジ2210、バリファストオレンジ3209、バリファストオレンジ3210、バリファストレッド1306、バリファストレッド1308、バリファストレッド1355、バリファストレッド1360、バリファストレッド2303、バリファストレッド2320、バリファストレッド3304、バリファストレッド3306、バリファストレッド3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、バリファストブラウン3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、バリファストブルー1605、バリファストブルー1607、バリファストブルー1631、バリファストブルー2606、バリファストブルー2610、バリファストブルー2620、バリファストバイオレット1701、バリファストバイオレット1702、バリファストブラック1802、バリファストブラック1807、バリファストブラック3804、同3806,同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド10バリファストブラック2、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、アイゼンスピロンイエローGRLHスペシャル、アイゼンスピロンイエローC−2GH、アイゼンスピロンイエローC−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、アイゼンスピロンオレンジGRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、アイゼンスピロンレッドBEH、アイゼンスピロンレッドGRLHスペシャル、アイゼンスピロンレッドC−GH、アイゼンスピロンレッドC−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、アイゼンスピロンバイオレットC−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、アイゼンスピロンブラウンRH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、アイゼンスピロンブルー2BNH、アイゼンスピロンブルーC−RH、アイゼンスピロンブルーBPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、アイゼンスピロングリーン3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、アイゼンスピロンブラックMH、アイゼンスピロンブラックRLH、アイゼンスピロンブラックGMHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、S.B.N.バイオレット521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、SOTブラック6、SOTブラック10、SOTブラック12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業株式会社製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、オイルブラックFSスペシャルA、オイルブラック2020、オイルブラック109、オイルブラック215、ALイエロー1106D、ALイエロー3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、ネオスーパーイエローC−132、ネオスーパーイエローC−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、ネオスーパーブラウンC−733(以上、中央合成化学株式会社製)、オレオゾールファストイエロー2G、オレオゾールファストイエローGCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、オレオゾールファストレッドRL(以上、田岡化学工業株式会社製)、サビニールイエロー2GLS、サビニールイエローRLS、サビニールイエロー2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、サビニールブルーGLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600(以上、BASF社製)等が例示できる。
【0030】
非水性インク組成物で使用される前記顔料としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、天然染料系顔料等の有機系顔料;黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機系顔料等、公知の顔料が例示できる。
より具体的には、TITONE SR−1、TITONE 650、TITONE R62N、TITONE R3L、TITONE R7E(以上、堺化学工業株式会社製)、クロノスKR−310、クロノスKR−380、クロノス480(以上、チタン工業株式会社製)、タイピュアR−900、タイピュアR−602、タイピュアR−960、タイピュアR−931(以上、デュポン・ジャパンリミテッド社製)、TITANIXJR301、TITANIXJR805、TITANIXJR602、TITANIXJR701、TITANIXJR800(以上、テイカ株式会社製)等の酸化チタン;
Special Black 6、Special Black S170、Special Black S610、Special Black 5、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 550、Special Black 35、Special Black 250、Special Black 100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55Printex 、Printex 45、Printex P、Printex XE2,Printex L6、Printex L、Printex 300、Printex 30、Printex 3、Printex 35、Printex 25、Printex 200、Printex A、Printex G(以上、デグサ・ジャパン株式会社製)、#2400、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11,#50、#52、#45、#44、#40、#33,#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業株式会社製)、MONARCH 1300、MONARCH 1100、MONARCH 1000、MONARCH 900、MONARCH 880、MONARCH 800、MONARCH 700、MOGUL L、REGAL 400R、REGAL 660R、REGAL 500R、REGAL 330R、REGAL 300R、REGAL 99R、ELFTEX 8、ELFTEX 12、BLACK PEARLS 2000(以上、キャボットCo.LTD製)、RAVEN7000、RAVEN5750、RAVEN5250、RAVEN5000、RAVEN3500、RAVEN2000、RAVEN1500、RAVEN1255、RAVEN1250、RAVEN1200、RAVEN1170、RAVEN1060、RAVEN1040、RAVEN1035、RAVEN1020、RAVEN1000、RAVEN890H、RAVEN890、RAVEN850、RAVEN790、RAVEN780、RAVEN760、RAVEN500、RAVEN450、RAVEN430、RAVEN420、RAVEN410、RAVEN22,RAVEN16、RAVEN14、RAVEN825Oil Beads、RAVENH20、RAVENC、Conductex 975、Conductex 900,Conductex SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本株式会社製)等のカーボンブラック;
BS−605、BS−607(以上、東洋アルミ株式会社製)、ブロンズパウダーP−555、ブロンズパウダーP−777(以上、中島金属箔工業株式会社製)、ブロンズパウダー3L5、ブロンズパウダー3L7(以上、福田金属箔工業株式会社製)等の金属粉顔料;
黒色酸化鉄、低次性酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料;
ハンザエロー−10G、ハンザエロー−5G、ハンザエロー−3G、ハンザエロー−4、ハンザエロー−GR、ハンザエロー−A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン等の有機顔料;
硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫酸ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料
が例示できる。
【0031】
非水性インク組成物で使用される前記顔料は、油溶性樹脂中で分散した状態の顔料チップとして使用することにより、インクの製造適性が向上する。
前記顔料チップとして、より具体的には、NC790ホワイト、L1/8レッドF3RK−70、L1/8ブラックMA100、L1/8イエローN1F、L1/8オレンジ501、L1/8ブラウン5R、L1/8ブルーKLG、NCL1/8バイオレットPRL50(以上、太平化学社製)等が例示できる。
【0032】
前記着色剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0033】
インク組成物中の前記着色剤の含有量は、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましい。下限値以上とすることで、一層十分な濃度で情報記録でき、例えば、文字も一層容易に認識できるようになる。また、上限値以下とすることで、チップ内に充填されたインクのドライアップの増長に伴う書き出し性能の悪化を抑制する一層高い効果が得られる。
【0034】
本発明のインク組成物を、水性のインクジェット用インクに適用する際、着色剤として顔料を使用する場合には、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用しても良い。
水性インク用の前記分散剤としては、通常使用される水溶性樹脂、水可溶性樹脂、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤等が例示できる。より具体的には、高分子分散剤(水溶性樹脂、水可溶性樹脂)であれば、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子;ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合体の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子が例示できる。また、界面活性剤であれば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤が例示できる。
【0035】
本発明のインク組成物を、非水性のインクジェット用インクに適用する際、着色剤として顔料を使用する場合には、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用しても良い。
非水性インク用の前記分散剤としては、通常使用される高分子分散剤、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤等が例示できる。より具体的には、高分子分散剤であれば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成分とした共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分とした共重合体等の油溶性高分子が例示できる。また、界面活性剤であれば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸、N−アシルアミノ酸の塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤が例示できる。
【0036】
前記分散剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0037】
インク組成物中の前記分散剤の含有量は、該分散剤が水性インク用及び非水性インク用のいずれかによらず、0.1〜15質量%であることが好ましい。下限値以上とすることで、一層良好な分散効果が得られ、上限値以下とすることで、インク中の含有成分の溶解バランスを一層向上させることができる。
【0038】
(溶剤)
本発明において、前記溶剤としては、例えば、ノズル口におけるインクの乾燥防止、低温時におけるインクの凍結防止等の目的で使用される水溶性有機溶剤が例示できる。
このような乾燥又は凍結防止等のための前記水溶性有機溶剤として、より具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;トリエタノールアミン等の多価アルコールアミン類が例示できる。
前記水溶性有機溶剤は、水と併用することが好ましい。
【0039】
前記水溶性有機溶剤のインク組成物中の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。
また、前記水溶性有機溶剤と水との、インク組成物中の総含有量は、10〜90質量%であることが好ましい。
【0040】
また、前記溶剤としては、例えば、前記着色剤を溶解させる溶剤又は分散させる分散媒として、各種有機溶剤が例示できる。
このような着色剤を溶解又は分散させるための前記有機溶剤として、より具体的には、アセトン、ジメチルケトン、ジフェニルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート等のエステル類;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が例示できる。
【0041】
着色剤を溶解又は分散させるための前記有機溶剤の、インク組成物中の含有量は、5〜90質量%であることが好ましい。下限値以上とすることで、一層良好な溶解又は分散効果が得られ、不溶物や凝集物の発生を抑制する一層高い効果が得られる。また、上限値以下とすることで、インク粘度の低下に伴う吐出量の増加の抑制やインク吐出の安定性向上に一層高い効果が得られる。
【0042】
前記溶剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0043】
インク組成物中の前記溶剤と水との総含有量は、含有する成分や目的に応じて適宜調節すれば良く、特に限定されないが、3〜95質量%であることが好ましい。水は、目的に応じてインク組成物中に含有されていても良いし、されていなくても良い。
【0044】
(その他の成分)
本発明のインク組成物は、前記剪断減粘性付与剤、着色剤、溶剤及び必要に応じて分散剤以外に、これらに該当しないその他の成分を含有していても良い。
前記その他の成分としては、防錆剤、防腐剤、消泡剤、糸曳き性付与剤、レベリング性付与剤、発色助剤、定着剤等の各種添加剤が例示できる。これら添加剤は、インクジェット用インクの分野で通常使用される公知のもので良い。
前記その他の成分は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
前記その他の成分の含有量は、目的に応じて適宜調節すれば良く、特に限定されない。
【0045】
(インク組成物の粘度特性)
本発明のインク組成物は、剪断減粘性を示す。
したがって、本発明のインク組成物は、静置状態では粘度が高い。具体的には、剪断付与の影響が無い状態で、25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度(X1)が0.1〜100Pa・sであることが好ましく、0.5〜100Pa・sであることがより好ましく、1〜100Pa・sであることが特に好ましい。下限値以上であると、静置又は静置に近い状態における粘度が高く、インク組成物の滲みの抑制効果が一層高くなる。また、上限値以下であると、取り扱い性が一層良好となる。
【0046】
また、本発明のインク組成物は、外部からの圧力の印加時には粘度が低い。具体的には、剪断付与の影響が無い状態で、25℃で10000s-1の剪断を付与した直後の粘度(X2)が0.001〜0.03Pa・sであることが好ましく、0.001〜0.026Pa・sであることがより好ましく、0.001〜0.022Pa・sであることが特に好ましい。下限値以上であると、取り扱い性が一層良好となる。また、上限値以下であると、流動時等の圧力印加時における粘度の低下により、インク組成物の吐出が一層安定且つ容易となる。
【0047】
なお、本発明において、「剪断付与の影響が無い状態」とは、事前に剪断が付与されていても、その影響が解消されている態を意味し、例えば、剪断が付与されてから特定の時間が経過した後の状態が挙げられる。本発明においては、「剪断付与の影響が無い状態」として、5分間以上静置された状態を例示でき、通常は、5分間静置すれば十分である。
【0048】
さらに、本発明のインク組成物は、剪断付与の影響が無い状態で、25℃で10000s-1の剪断を付与した直後の粘度(X2)が前記範囲内であり、さらに5秒間静置後に、25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度(X3)が、0.04〜100Pa・sであることが好ましく、0.2〜100Pa・sであることがより好ましく、0.4〜100Pa・sであることが特に好ましい。
このように、25℃で10000s-1の剪断を付与して5秒間静置後に、さらに25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度(X3)が、10000s-1の剪断を付与しなかった場合(剪断付与の影響が無い状態)の粘度(X1)の40%以上であることにより、吐出されたインク組成物は、被記録媒体上に着弾した後、速やかに粘度が上昇して、滲みの抑制効果が一層速やかに発揮される。
【0049】
インク組成物の種々の状態における粘度は、含有成分の種類及び量を適宜調節することで調節できる。
【0050】
インク組成物の粘度は、例えば、測定機器としてレオメーターを使用し、公知の方法で測定できる。測定に使用するプレートの角度は、3°以下であることが好ましい。
【0051】
(インク組成物の製造方法)
本発明のインク組成物は、従来のインク組成物と同様の方法で製造できる。
例えば、原料である各成分を添加し、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー又はニーダー等の装置を使用して、十分に撹拌及び混合して配合すれば良い。この時、すべての成分を添加してから、これらを撹拌及び混合しても良いし、一部又はすべての成分を順次添加しながら、撹拌及び混合しても良い。
【0052】
各成分を配合して得られた組成物は、ろ過や遠心分離に供して、粗大粒子や気体を除去しても良い。
【0053】
各成分の配合時の温度は、例えば、15〜35℃とすることができるが、これに限定されない。配合時間は、その他の条件を考慮して適宜調節すれば良い。
各成分の配合時又は配合後には、混合物に対して、加熱や冷却等の温度調整、加圧や減圧等の圧力調整、不活性ガス置換等の雰囲気調整を行っても良い。
例えば、前記剪断減粘性付与剤を十分に膨潤させるために、得られたインク組成物を40〜90℃で短時間静置したり、40〜70℃で攪拌及び混合したりすることで、一層良好な品質のインク組成物を得られることがある。
また、インク組成物の温度を低く維持(例えば、0〜30℃)することにより、品質の経時劣化が一層抑制されたインク組成物を得られることがある。
【0054】
インク組成物製造時の前記各操作は、一種を単独で行っても良いし、二種以上を組み合わせて行っても良い。二種以上を組み合わせて行う場合、これら操作の組み合わせ及び回数は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0055】
本発明のインク組成物は、含有成分の溶解性及び分散安定性に優れる。また、外部からの圧力印加時には、粘度の低下により十分な流動性を有しているので、流路内やノズル内での追従性が高く、安定且つ容易に吐出させることができる。さらに、被記録媒体上に着弾後は速やかに粘度が上昇して、滲みが抑制される。この滲み抑制効果は、ポリ塩化ビニル(PVC)等の非吸収面においても発現されるので、被記録媒体の種類が限定されない。その結果、種々の被記録媒体において、記録情報のコントラストが向上し、鮮明で高品質な情報記録媒体が得られる。
【実施例】
【0056】
以下、具体的な実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0057】
<インク組成物の製造>
(実施例1)
表1に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、あらかじめイオン交換し、エチレングリコールに溶解させたゼータシーガム水溶液を調製し、室温及び常圧下でこれにその他の成分を添加し、攪拌、ろ過を行って、インク組成物とした。
【0058】
【表1】

【0059】
(実施例2)
表2に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、あらかじめイオン交換し、エチレングリコールに溶解させたケルザンAR水溶液を調製し、室温及び常圧下でこれにその他の成分を添加し、攪拌、ろ過を行って、インク組成物とした。
【0060】
【表2】

【0061】
(実施例3)
表3に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、あらかじめイオン交換し、エチレングリコールに溶解させたアルカシーガム水溶液を調製し、室温及び常圧下でこれにその他の成分を添加し、攪拌、ろ過を行って、インク組成物とした。
【0062】
【表3】

【0063】
(実施例4)
表4に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、あらかじめイオン交換し、エチレングリコールに溶解させたペミュレンTR−1水溶液を調製し、室温及び常圧下でこれにその他の成分を添加し、攪拌、ろ過を行って、インク組成物とした。
【0064】
【表4】

【0065】
(実施例5)
表5に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、あらかじめイオン交換し、エチレングリコールに溶解させたVEEGUM PRO水溶液を調製し、室温及び常圧下でこれにその他の成分を添加し、攪拌、ろ過を行って、インク組成物とした。
【0066】
【表5】

【0067】
(比較例1)
表6に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、室温及び常圧下で各成分を添加し、攪拌して溶解させた後、ろ過を行って、従来のインク組成物とした。
【0068】
【表6】

【0069】
(比較例2)
表7に示す組成のインク組成物を製造した。具体的には、室温及び常圧下で各成分を添加し、攪拌して溶解させた後、ろ過を行って、従来のインク組成物とした。
【0070】
【表7】

【0071】
<インク組成物の性能評価>
[粘度の評価]
実施例1〜5及び比較例1〜2で製造したインク組成物について、25℃で5分間静置後に、所定の大きさの剪断を付与した直後の粘度を測定した。測定結果を図1に示す。なお、図1において、グラフの縦軸及び横軸は、いずれも対数表示としており、縦軸の粘度の単位に付した記号「m」は「ミリ」を表す。また、特に、0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度(X1)、及び10000s-1の剪断を付与した直後の粘度(X2)を表8に示す。この時、10000s-1の剪断を付与した際には、さらに5秒間静置後に、25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度(X3)を測定した。測定結果を表8に示す。
なお、粘度の測定には、レオメーター MCR301(AntonPaar社製)を使用し、直径50mm、角度1°のコーンプレートを使用して、ギャップを0.050mmとして、測定を行った。
【0072】
【表8】

【0073】
<インクジェット用インクの性能評価>
実施例1〜5及び比較例1〜2で製造したインク組成物50gを遠心沈降管に入れ、卓上遠心機(H−103NR、国産社製)を使用して、管底が外側を向くように遠心処理を行い、脱泡して試験用インクを得た。この試験用インクについて、下記性能評価を行った。
【0074】
[吐出性能の評価]
得られた試験用インクを、液体噴射記録装置(360dpi、駆動周波数8kHz、ノズル数508)で吐出させ、インクが安定して吐出されるかどうかについて、ストロボを使用して確認し、下記評価基準に従って吐出性能を評価した。評価結果を表8に示す。
○:安定して吐出できる時間が1分以上である
△:安定して吐出できる時間が1分未満である
×:吐出できない
【0075】
[滲みの評価]
得られた試験用インクにより、液体噴射記録装置(360dpi、駆動周波数8kHz、ノズル数508)を使用して、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム上に幅2mm、高さ3mmの大きさでアルファベットを印字し、判読可能か目視にて観察して、下記評価基準に従って滲みの程度を評価した。評価結果を表8に示す。
○:全て判読可能である
△:判読可能な文字が半数以上である
×:判読可能な文字が半数以下である
【0076】
表8から明らかなように、剪断減粘性付与剤を含有しない比較例1のインク組成物は、剪断減粘性が不十分であり、滲みを抑制できなかった。
また、比較例2のインク組成物は粘度が高く、安定して吐出する事ができなかった。
これに対して、実施例1〜5のインク組成物は、滲み抑制及び吐出性能のいずれにも優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、インクジェット記録分野で利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪断減粘性付与剤、着色剤及び溶剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
【請求項2】
25℃で5分間静置後に、10000s-1の剪断を付与した直後の粘度が、0.001〜0.03Pa・sであり、さらに5秒間静置後に、25℃で0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度が、0.04〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
【請求項3】
25℃で5分間静置後に、10000s-1の剪断を付与した直後の粘度が0.001〜0.03Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
【請求項4】
25℃で5分間静置後に、0.01s-1の剪断を付与した直後の粘度が0.1〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
【請求項5】
前記剪断減粘性付与剤が、天然多糖類、前記天然多糖類の水酸基を構成する一つ以上の水素原子がアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基、カルボキシアルキル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基又はリン酸基で置換された天然多糖類誘導体、前記天然多糖類の塩、前記天然多糖類誘導体の塩、アクリル系樹脂及び鉱物系物質からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
【請求項6】
前記剪断減粘性付与剤が、セルロース、セルロースの水酸基を構成する一つ以上の水素原子がアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基の一つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されたエーテル結合を有する基、カルボキシアルキル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基又はリン酸基で置換されたセルロース誘導体、セルロースの塩及び前記セルロース誘導体の塩からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−17400(P2012−17400A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155294(P2010−155294)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(501167725)エスアイアイ・プリンテック株式会社 (198)
【Fターム(参考)】