説明

インクジェット装置

【課題】吐出方向の制御範囲が広く、吐出方向バラツキを補正できるインクジェット装置であって、電子デバイスの製造に用いたときの製品の歩留まりがより高められるインクジェット装置を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェット装置は、圧力室110を、一対の隔壁111、ノズル100を有するノズルプレート101、及び隔壁111で支えられるダイヤフラム112によって構成する。そしてダイヤフラム112に接触する、圧力室110に向けて伸長する圧電素子131、132と、隔壁111を支える圧電素子141、142、143とをさらに有する。圧電素子131、132と圧電素子141〜143は、いずれも、独立して電圧を印加できるように構成されている。さらに、圧電素子等とダイヤフラム112との接触幅、及びダイヤフラム112と隔壁111との接触幅がそれぞれ特定の関係を満たすように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット技術を用いて電子デバイスを製造する方法が注目を集めている。
【0003】
インクジェット技術による製造は、蒸着技術などに比べ、シンプルな構成の設備による安価な製造が可能である。また、インクジェット技術は、直接パターニング技術であるため、蒸着技術におけるマスクが不要で、より大型の製品の製造が可能である。例えば、表示のための電子デバイスにおける画面の大型化の市場の要求が高まり、インクジェット塗布による電子デバイス製造技術への期待は高まっている。
【0004】
以下、有機ELディスプレイを例に、塗布による製造技術を説明する。
【0005】
図1に有機ELディスプレイの構造を示す。有機ELディスプレイは、基板1、陰極32、発光層301R、301G、301B、陽極33、隔壁(以下、「バンク」とも言う)31からなる。基板1にはディスプレイを駆動するためのTFTが内蔵されているが、図示しない。また、陰極32の上には、封止膜やカラーフィルターなどが適宜配置されるが、図示していない。
【0006】
有機ELディスプレイは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に対応した3種類の発光層を有する。それぞれの色の発光層が301R、301G、301Bで表されている。バンク31は、次の製造工程の説明において述べるインクジェットによる塗布において、各画素に塗布するインクのパターニングに使用される。インクとは、溶媒に溶けた発光層材料の溶液のことを言う。
【0007】
有機ELディスプレイの発光層の原料としては、ポリフルオレン系、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、アルコキシベンゼン、アルキルベンゼンなどの高分子材料が挙げられ、溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキシルベンゼン等の単独または混合溶媒が挙げられる。
【0008】
インクは塗布されるべき領域にはバンク31が形成されているので、塗布されたインクは、所望の画素領域に留まる。こうして、インクが混合することなく、高品位なディスプレイが実現される。バンク31としては、フッ素を含む樹脂が使用されている。バンク31は撥インク性を持っている。
【0009】
このように構成されたデバイスは、陰極からの電子と陽極からの正孔が発光層内で結合することで発光し、ディスプレイとしての機能を果たす。
【0010】
図2は、発光層の高さの位置における有機ELディスプレイの断面を示している。同図は、RGBがいずれもピクセル状にパターニングされている例を示している。それぞれのピクセル(画素ともいう)を発光させることで、有機ELディスプレイは、テレビ等の表示装置として機能することができる。このピクセルが形成されている領域を表示領域という。
【0011】
画素の幅およびピッチは50〜100μmである。画素の幅およびピッチは微細であるので、インクジェットのような精密塗布技術が必要となる。
【0012】
次に有機ELディスプレイの製造工程を説明する。
【0013】
まず、フォトリソグラフィの技術を用いて基板上に陽極が作製される。
【0014】
次に、フォトリソグラフィの技術を用いてバンクが作製される。その後、インクジェット印刷法によりRGBの発光層のインクが基板に塗布される。塗布されたインクは、塗布工程および次の工程で乾燥され、発光層のパターンが形成される。さらにその後、発光層の上にスパッタリングなどの方法で陰極が形成される。
【0015】
以下、インクジェットによるインクの塗布を説明する。
【0016】
図3は、インクジェット装置(または液滴吐出装置)の概観図である。図3(A)は、インクジェット装置によって基板1に塗布領域が形成される前の様子を示している。図3(B)は、インクジェット装置によって基板1に塗布領域が形成された後の様子を示している。
【0017】
図3に示すように、インクジェット装置は、架台41、架台41の上に設置された基板搬送ステージ42、及び、基板搬送ステージ42に対向するインクジェットヘッド50、からなる。インクジェットヘッド50は、基板搬送ステージ42を跨ぐガントリー43に設置されている。基板1の大きさは、いわゆる第8世代のガラスではおよそ2m×2.5mである。
【0018】
図4にインクジェットヘッドの構造を示す。図4(A)は、圧力室110が加圧されていない状態のインクジェットヘッドの断面を示している。図4(B)は、圧力室110を加圧したときのインクジェットヘッドの断面を示している。
【0019】
インクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズル100、ノズル100に連通する圧力室110、圧力室110を隔てる隔壁111、圧力室110の一部をなすダイヤフラム112、ダイヤフラム112を振動させる圧電素子130、隔壁111を支える圧電素子140、圧電素子130に電圧を印可する共通電極120及び個別電極121、及び、共通電極120及び個別電極121がそれぞれ接続される駆動回路122を有する。インクジェットヘッドは、他に図示しないインクの導入口を有する。
【0020】
また、インクを循環するように構成されている場合は、インクジェットヘッドは、図示しないインクの排出口をさらに有する。圧電素子130と圧電素子140は、一つの圧電素子材料の板材に、ダイシングによって切れ込みを入れることによって形成される。ノズル100の直径は20〜50μmであり、ノズル100間のピッチは100〜500μmである。一列当たりのノズル100数は、100〜300である。
【0021】
このように構成されたインクジェットヘッドは、次のように動作する。共通電極120と個別電極121との間に電圧を印可すると、圧電素子130が図4(A)に示す状態から図4(B)に示す状態に変形する。圧電素子130が変形すると、圧力室110の容積が小さくなり、インクに圧力が加えられる。その圧力でインクがノズル100から吐出する。
【0022】
次に、インクジェット装置の塗布動作を説明する。
【0023】
基板搬送ステージ42は、図3(A)に示す状態から図3(B)に示す状態へ移動する。この時、基板搬送ステージ42上に載置された基板1に向けて、インクジェットヘッド50からインクが吐出され、基板1の、インクが塗布されるべき領域44にインクが塗布される。基板搬送ステージ42の速度は、20〜400mm/sである。また、吐出周波数は、1,000〜5,000Hzである。インクジェット装置は、基板搬送ステージ42の位置を検出し、インクの吐出のタイミングを制御することで、ピクセルパターンを形成する。
【0024】
ピクセルパターンを形成するために、ノズル100から吐出される液滴の吐出角度のバラツキを小さくする必要がある。一般的な吐出角度のバラツキの最大許容値は、10mrad〜50mradである。ノズル100からインクの液滴が真っ直ぐ吐出されない現象は、一般に飛行曲がりと呼ばれる。ノズル100の加工精度、ノズル100の撥液膜の劣化、インク材料の拭き残りなどの原因によって、生産の初期と生産の途中との間で、インクの吐出角度のバラツキが生じることがある。
【0025】
そのバラツキを補正するために、特許文献1には、ノズルの周辺に圧電素子を設け、インクの吐出方向を制御する技術が開示されている。図5は、特許文献1のインクジェットヘッドを示している。13がノズルである。電極21、23によって圧電素子22に電圧を印加し、圧電素子22および振動板18を変形させることでインクを吐出する。同時に、圧電素子22によってノズル13の出口にある薄板材16を変形させ、インクの吐出方向を制御する。
【0026】
さらに、圧力室を隔てる隔壁と、ダイヤフラムを介して圧力室に圧力を加える圧電素子Aと、ダイヤフラムを介して隔壁に当接する圧電素子Bと、を有するインクジェット装置が知られている(例えば、特許文献2〜7参照。)。中でも、圧電素子A及び圧電素子Bの両方に電気回路が接続され、圧電素子Aが圧力室に向けて伸長したときに、この圧力室を形成する一対の隔壁に対して圧電素子Bが伸長又は縮退するインクジェット装置が知られている(例えば、特許文献4及び5参照。)。或いは、ノズルの整列方向における圧電素子Aとダイヤフラムとの接触幅、圧電素子Bとダイヤフラムとの接触幅、及び、隔壁とダイヤフラムとの接触幅が、それぞれ圧電素子A、圧電素子B、及び隔壁の幅よりも小さく、かつ各接触幅の大小関係が設定されているインクジェット装置が知られている(例えば、特許文献6及び7参照。)。
【0027】
その他にも、隔壁と圧電素子Aとダイヤフラムとを有し、前記隔壁が、異なる剛性を有する複数の層の積層体であるインクジェット装置(例えば、特許文献8及び9参照。);圧力室の天井と一体的に設けられている隔壁と圧電素子Aとを有するインクジェット装置であって、圧電素子Aの伸長によって天井を押圧して前記隔壁を変形させることで、圧力室内のインクを加圧するインクジェット装置(例えば、特許文献10参照。);が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開2010−214851号公報
【特許文献2】特開平9−39234号公報
【特許文献3】米国特許第6176570号明細書
【特許文献4】特開平11−115181号公報
【特許文献5】米国特許第6053601号明細書
【特許文献6】特開平8−164607号公報
【特許文献7】米国特許第5818482号明細書
【特許文献8】特開2005−280439号公報
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0195228号明細書
【特許文献10】特開平7−52381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
今後、有機ELディスプレイの高精細化に伴い、インクの吐出方向を制御し、インクの吐出角度のバラツキを抑制することがますます重要になる。インクの吐出のバラツキの要因としては、ノズルの加工精度、ノズルの撥液膜の劣化、インク材料の拭き残りなどがある。
【0030】
図5のインクジェットヘッドは、薄板材16によってノズルの向きを変化させている。このため、インクの吐出方向を十分に制御できないという問題があった。インクの吐出方向を十分に制御できないと、インクの吐出角度のバラツキを補正できない。そのため、大掛かりなメンテナンスが必要となり、インクジェット装置の稼働率が低下する。また、インクの吐出角度のバラツキが十分に抑えられていないインクジェット装置で有機ELディスプレイを生産していると、生産途中で混色などの不良が発生し、製品の歩留まりが低下する。
【0031】
その他のインクジェット装置は、インクジェット装置の組み立て時に、圧電素子、ダイヤフラム、及び隔壁を、ダイヤフラムを所望の形状に変形させる位置に配置する観点から、改善の余地が残されている。
【0032】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、インクの吐出方向のバラツキが抑制されており、好ましくは、インクの吐出方向の制御範囲が広いインクジェット装置を提供する。それにより、電子デバイスの製造に用いたときの製品の歩留まりをより高められるインクジェット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のインクジェット装置を提供する。
[1]インクを吐出する複数のノズルと、前記各ノズルに連通する圧力室と、前記各圧力室に圧力を加える圧電素子Aと、前記圧力室間に配置される隔壁と、前記隔壁を支える圧電素子Bと、前記隔壁と圧電素子Bとの間に介在し、かつ圧電素子Aに接触するダイヤフラムと、を有するインクジェット装置において、
前記ノズルが配列される方向をX方向としたとき、圧電素子Aと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅L1と、圧電素子Bと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅L2と、圧電素子AにおけるX方向の幅及び圧電素子BにおけるX方向の幅L4とが、L4≧L2>L1を満たし、
X方向及び前記ノズルの軸に直交する方向をY方向としたとき、圧電素子AにおけるY方向の幅及び圧電素子BにおけるY方向の幅W1と、圧電素子A又は圧電素子Bと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるY方向の幅W2とが、W2>W1を満たす、インクジェット装置。
[2]前記ダイヤフラムに対して圧電素子A及び圧電素子B側に配置され、前記圧力室に供給されるインクが流れるインク供給流路および前記圧力室から排出されたインクが流れるインク排出流路と、
前記ダイヤフラムに対して前記隔壁側に配置され、前記ダイヤフラムに形成された貫通孔Xを介して前記インク供給流路と前記圧力室のそれぞれとを連通するインク入口流路と、
前記ダイヤフラムに対して前記隔壁側に配置され、前記ダイヤフラムに形成された貫通孔Yを介して前記圧力室のそれぞれと前記インク排出流路とを連通するインク出口流路と、
をさらに有する、[1]に記載のインクジェット装置。
[3]前記隔壁と前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅をL3としたときに、L2>L3をさらに満たす、[1]又は[2]に記載のインクジェット装置。
[4]貫通孔Xは、メッシュ状である、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット装置。
【0034】
[5]前記隔壁の圧縮剛性が前記圧力室の他の壁の圧縮剛性よりも低い、[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット装置。
[6]前記圧力室の間に、少なくとも2つの前記隔壁と、前記隔壁を支える少なくとも2つの圧電素子Bとを有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット装置。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、圧電素子A及び圧電素子Bとダイヤフラムとの配置のずれ、及びダイヤフラムと隔壁との配置のずれ、によるインクの吐出の不良をより少なくすることができる。さらに好ましくは、本発明では、圧力室の形状を変形できるため、圧力がかかる方向を変えることもできる。これにより、インクの吐出方向の制御範囲を広くすることができる。その結果、インクの吐出方向のバラツキを確実に補正できる。
【0036】
以上のように、本発明は、インクの吐出方向のバラツキを補正でき、さらに好ましくはインクの吐出方向の制御範囲が広いインクジェット装置を提供することができる。また本発明は、電子デバイスの製造に用いたときの製品の歩留まりをより高められるインクジェット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】有機ELパネルの断面図
【図2】有機ELパネルの平面図
【図3】インクジェット装置の概観図
【図4】従来のインクジェットヘッドの概略図
【図5】特許文献1記載のインクジェットヘッドを示す図
【図6】本発明の実施の形態1のインクジェットヘッドの構成を概略的に示す図
【図7】図6のインクジェットヘッドを切断した断面を示す図
【図8】インク吐出時のダイヤフラム112の形状を示す図
【図9】インク吐出時の圧電素子の形状とダイヤフラム112の形状を示す図
【図10】実施の形態1における変形例を示す図
【図11】本発明の実施の形態1のインクジェットヘッドの断面図
【図12】本発明の実施の形態2のインクジェットヘッドを示す図
【図13】本発明の実施の形態2の隔壁111の作製方法を説明する図
【図14】本発明の実施の形態3のインクジェットヘッドを示す図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図6は、本発明の実施の形態1のインクジェット装置が有するインクジェットヘッドをノズルの軸方向に沿って見たときの、インクジェットヘッドの構成の概略を示している。図6のインクジェットヘッドは、方向Xに沿って配置されるインク供給流路116及びインク排出流路117、方向Yにおけるインク供給流路116とインク排出流路117との間に配置される複数の圧力室110、圧力室110のそれぞれと外部とを連通するノズル100、圧力室110のそれぞれを隔てる隔壁111、圧力室110とインク供給流路116とを連通するインク入口流路118、及び、圧力室110とインク排出流路117とを連通するインク出口流路119、を有している。方向Xは、ノズル100が配列する方向であり、インクジェットヘッドの長手方向を示している。方向Yは、方向X及びノズル100の軸に直交する方向であり、インクジェットヘッドの短手方向を示している。
【0040】
図7(A)は、図6のインクジェットヘッドを図6中のA−A線で切断したときの切断面を示している。図7(B)は、図6のインクジェットヘッドを図6中のB−B線で切断したときの切断面を示している。図7(A)に示すように、圧力室110は、ノズル100を有するノズルプレート101と、ノズルプレート101から起立する隔壁111と、隔壁111の上面に接着するダイヤフラム112と、によって構成されている。ダイヤフラム112を介した圧力室110の上には、圧電素子131または132が配置され、ダイヤフラム112を介した隔壁111の上には、それぞれ圧電素子141、142または143が配置されている。圧電素子131、132は、圧力室に圧力を加える圧電素子Aに相当する。圧電素子141、142、143は、隔壁を支える圧電素子Bに相当する。
【0041】
図6および図7に示されるインクジェットヘッドにおいて、各ディメンションは特に制限されないが、例えば、ノズル100の直径は20〜50μmであり;ノズル100間のピッチは100〜500μmであり;ノズル100の一列当たりの数は100〜300でありうる。さらに、ノズルプレート101の厚みは30〜100μmであり;圧力室110の幅は50〜200μmであり;隔壁111の幅は50〜100μmであり;ダイヤフラム112の厚みは5〜20μmでありうる。圧電素子等の幅は50〜100μmであり、圧電素子等の高さは500〜1,000μmである。
【0042】
図7(A)に示されるように、圧電素子131、132のそれぞれには、共通電極120が接続されている。さらに、圧電素子141、142、143のそれぞれにも、共通電極120が接続されていてもよい。共通電極120のそれぞれは、方向制御回路123に接続されている。
【0043】
圧電素子131、132のそれぞれには、個別電極121が接続されている。さらに、圧電素子141、142、143のそれぞれにも、個別電極121が接続されていてもよい。個別電極121のそれぞれは、駆動回路122に接続されている。
【0044】
以下において、圧電素子131、132および圧電素子141、142、143を総称して「圧電素子等」とも言う。
【0045】
図7(A)に示されるように、ダイヤフラム112は、圧電素子の先端に接触する複数の凸部51と、圧電素子の先端に接触する複数の凸部52とを有している。ダイヤフラム112は、例えばニッケル−コバルト合金の薄板である。凸部51、52は、いずれも、めっきによって形成される。
【0046】
凸部51は、いずれも、圧電素子131、132の端面の方向Xにおける中央に接触している。凸部52は、いずれも、圧電素子141、142、143の端面の方向Xにおける中央に接触している。方向Xにおける凸部51の中心と凸部52の中心との距離は、隣り合う圧電素子圧電素子の中心間の距離と同じである。
【0047】
圧電素子131、132と接触する凸部51の幅L1は、例えば40〜55μmである。圧電素子141、142、143に接触する凸部52の幅L2は、例えば50〜65μmである。
【0048】
隔壁111は、ダイヤフラム112の下面と接触する凸部53を有している。隔壁111は、例えばステンレスの薄板の積層体である。凸部53は、隔壁111の端面の方向Xにおける中央に配置されている。凸部53の材料は、隔壁111に接合する金属(例えば隔壁111の材料)であり、凸部53は、熱拡散接合によって形成される。ダイヤフラム112と接触する部分の凸部53の幅L3は、例えば40〜60μmである。
【0049】
X方向における圧電素子等の幅L4は、いずれも同じであり、50〜200μmであってよく、例えば60〜80μmである。圧電素子等は、圧電素子材料の板材に等間隔でダイシングによって切れ込みを入れることによって形成される。
【0050】
本実施の形態1において、L1〜L4は、L4≧L2>L1の関係を有し、さらにL2>L3の関係を満たすことが更に好ましい。
【0051】
L1とL2との差は10〜20μmであることが好ましい。L1とL4との差は10〜30μmであることが好ましい。L2とL3との差は10〜30μmであることが好ましい。L2とL4との差は10〜30μmであることが好ましい。
【0052】
このように、圧電素子等の幅L4は、圧電素子131、132とダイヤフラム112との接触幅L1よりも大きい。よって、ダイヤフラム112と圧電素子等とが位置決め時に方向Xにおいてずれたとしても、圧電素子131、132が凸部51に確実に接触する。よって、圧力室110の方向Xにおける中央でダイヤフラム112を圧電素子131、132によって確実に押圧することができる。
【0053】
また、圧電素子等の幅L4は、圧電素子141、142、143とダイヤフラム112との接触幅L2と同じか、それよりも大きい。よって、ダイヤフラム112と圧電素子等とが位置決め時に方向Xへずれたとしても、圧電素子141、142、143が凸部52に確実に接触する。よって、圧電素子141、142、143によって、凸部53を介して隔壁111を押圧することができる。
【0054】
さらに、L1はL2よりも小さい。このため、凸部51は、凸部52に比べて、方向Xにおいて圧電素子等からはみ出しにくい。
【0055】
また凸部52の幅L2は、凸部53の幅L3よりも大きいことが好ましい。それにより、凸部53は、方向Xにおいて凸部52からはみ出しにくい。凸部53が方向Xにおいて凸部52から圧力室110側にはみ出していない場合では、ダイヤフラム112は、圧電素子131、132の伸長時に、凸部52の端から変形する(図8参照)。したがって、凸部53が方向Xにおいて凸部52からはみ出さなければ、凸部53は、ダイヤフラム112の変形時の形状に影響を及ぼさない。よって、圧力室110を一定に加圧することができる。
【0056】
図7(B)に示されるように、ダイヤフラム112に対して圧電素子131側には、インク供給流路116とインク排出流路117が配置されている。ダイヤフラム112に対して圧力室110側には、インク入口流路118とインク出口流路119が配置されている。インク供給流路116とインク入口流路118は、ダイヤフラム112に開けられている穴55を介して連通している。インク排出流路117とインク出口流路119は、ダイヤフラム112に開けられている穴56を介して連通している。穴55は貫通孔Xに相当し、穴56は貫通孔Yに相当している。
【0057】
圧電素子等の方向Yにおける幅W1は、いずれも同じであり、例えば40〜80μmである。また、圧電素子等と接触する凸部51の方向Yにおける幅W2は、いずれも同じであり、例えば50〜200μmである。また、圧電素子等の方向Yにおける両端縁には、図7(B)に示されるように、テーパ面134が形成されている。テーパ面134の寸法は、例えばC0.1〜0.2μmである。
【0058】
本実施の形態1において、W1及びW2は、W2>W1の関係を満たす。W1とW2との差は20〜100μmであることが好ましい。
【0059】
このように、圧電素子等のY方向の幅W1は、凸部51のY方向の幅W2よりも小さい。このため、圧電素子等は、方向Yにおいて凸部51からはみ出しにくい。圧電素子等は、伸長時、図9に示すように、方向Yにおける中央部が最も突出するように変形する。このため、圧電素子等が方向Yにおいて凸部51からはみ出さなければ、圧電素子等の伸長時における長さの最大の変位量がダイヤフラム112に確実に伝わる。よって、圧力室110上のダイヤフラム112や隔壁111を一定に押すことができる。
【0060】
本実施の形態において、インク供給流路116のインクは、圧電素子131、132が、例えば伸長した状態から収縮する時に圧力室110に生じる負圧によって、穴55及びインク入口流路118を介して圧力室110に供給される。圧力室110に供給されたインクの一部は、圧電素子131、132の伸長による圧力室110への加圧によってノズル100から吐出され、残りはインク出口流路119及び穴56を介してインク排出流路117に排出される。インク排出流路117のインクは、インク供給流路116へ供給され、再びインクとして利用される。
【0061】
本実施の形態では、W1がW2よりも小さいことから、ダイヤフラム112に対して圧電素子等側にインク供給流路116とインク排出流路117とを配置することができる。ダイヤフラム112に対して圧電素子等側の体積は、ダイヤフラム112に対して圧力室側の体積よりも一般に大きいことから、インク供給流路116の容積及びインク排出流路117の容積をより大きくすることができる。このため、インクの循環量をより多くすることができる。
【0062】
さらに、穴55がメッシュ状であると、インク中の異物の圧力室110への侵入を防ぐことができる。メッシュ状の穴55は、穴55の開口部にメッシュを配置することによって形成することができる。或いは、複数のより細かい穴の集合によって穴55を構成することによって、メッシュ状の穴55を形成することができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、図10(A)に示すように、ダイヤフラム112に代えてダイヤフラム172を用いてもよい。ダイヤフラム172は、方向Yにおける圧力室110のインク出口流路119側に、薄肉部173を有している。ノズル100は、薄肉部173に対向する位置に形成されている。このような構成は、ノズル100からのインクの吐出や、インク出口流路119へのインクの排出をより円滑に行うのに有効である。
【0064】
また、本実施の形態では、ダイヤフラム112に凸部51及び凸部52を設けているが、ダイヤフラム112に凸部51、52を設けず、圧電素子131、132に凸部51を設け、圧電素子141、142、143に凸部52を設けてもよい。例えば図10(B)に示すように、圧力素子等が方向Yにおいてダイヤフラム112と接触する凸部135をさらに有していてもよい。凸部135は、例えば、方向Yにおける圧力素子131の両端縁に矩形の切り欠き部136を設けることによって形成される。方向Yにおける切り欠き部136の幅W3は、例えば50〜100μmである。図10(B)における圧電素子131の奥行き(図7(A)におけるL4)は、例えば100〜200μmである。凸部135は、方向Yにおいて、凸部51からより一層はみ出しにくい。よって、圧力室110上のダイヤフラム112や隔壁111を一定に押すのに有効である。凸部を有する圧電素子等は、ダイシングの幅と深さとを調整すること(例えば、狭い幅で深くダイシングした後に、広い幅で浅くダイシングすること)によって形成することができる。また、隔壁111に凸部53を設けずに、ダイヤフラム112に凸部53を設けてもよい。
【0065】
次に、圧電素子131に対応するノズル100からのインクの吐出が、紙面右方向に飛行曲がりした場合の飛行曲がりの補正を、図11を参照しながら説明する。図11(A)は、飛行曲がりの補正動作前のインクジェットヘッドを概略的に示している。図11(B)は、飛行曲がりの補正動作時のインクジェットヘッドを概略的に示している。以下の図11〜図14では、凸部51〜53を省略している。
【0066】
飛行曲がりは、一般に、製品となるパネルにインクを吐出する前に、ダミーパネルなどにインクを吐出し、着弾したインクの液滴を画像処理して検出する。飛行曲がりは、ノズル100の表面の撥液膜の劣化などが原因で発生する。
【0067】
圧電素子131に対応するノズル100からのインクの、紙面右方向への飛行曲がりを検出した場合、本実施の形態のインクジェットヘッドは、そのノズル100の紙面右側の隔壁111を支える圧電素子142に方向制御回路123から電圧を印加し、圧電素子142を伸長させる。その結果、図11(B)に示すように、圧電素子142によって支持される隔壁111が変形する。この変形によって、圧力室110の紙面右側の体積が減少する。
【0068】
この状態で、駆動回路122から圧電素子131に電圧を印加し、圧電素子131を伸長させる。すると、図4(A)及び図4(B)に示すように圧力室110の体積が小さくなり、圧力室110の圧力が上がる。圧力室110の右側の体積が、その圧力室110の左側の体積に比べて小さいので、その圧力室110の右側の圧力の方が、その圧力室110の左側の圧力より高くなる。このため、圧電素子131の伸長によって、インクを左に吐出させようとする力が働く。その結果、右方向への飛行曲がりが補正されて、飛行曲がりのないインクの吐出が可能となる。
【0069】
以上のように、本実施の形態は、圧力室110の形状を変形させ、インクを吐出させる圧力の方向Xにおけるバランスを変える。このため、ノズル100の先端の向きだけを制御する特許文献1のインクジェットヘッドなどに比べて、インクの吐出方向の制御範囲を広くすることができる。その結果、インクの吐出方向のバラツキを確実に補正することができる。
【0070】
なお、上記説明においては、圧力室110の一方の隔壁111を支える圧電素子142を伸長させたが、圧電素子142の伸長と同時に、その圧力室110の他方の隔壁111を支える圧電素子141を縮小させると、右方向への飛行曲がりをより強く規制する観点から、より効果的である。圧電素子141、142への電圧の印加は連続的であることが望ましい。圧電素子131、132には、周期的に電圧を印加することがあるが、圧電素子141、142、143に周期的に電圧を印加すると、圧電素子等の発熱および圧電素子等の劣化の原因となることがある。また、圧電素子141、142、143に印加する電圧は、飛行曲がりに応じて変えることが望ましい。すなわち、飛行曲がりが大きい時は、圧電素子に印加する電圧を大きくし、飛行曲がりが小さい時は、圧電素子141、142、143に印加する電圧も小さくする。
【0071】
また、インクジェット装置を電子デバイスの製造に用いたときの製品の歩留まりのさらなる向上のみを目的とする場合では、図4(A)に示されるような、圧電素子131、132のみに共通電極120と個別電極121とが配置される構成;と、図7に示す、圧電素子等とダイヤフラム112との接触部における特定の接触幅、及びダイヤフラム112と隔壁111との接触部における特定の接触幅、を含む構成;とからなるインクジェットヘッドを構築する。これにより、ダイヤフラム112と圧電素子等、或いはダイヤフラム112と隔壁111との位置決め時における方向X又は方向Yへの多少のずれに関わらず、圧力室110に対してダイヤフラム112が一定に変形するインクジェット装置を得ることができる。
【0072】
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2のインクジェットヘッドの図である。図12(A)は、飛行曲がりの補正動作前における本実施の形態のインクジェットヘッドを概略的に示している。図12(B)は、飛行曲がりの補正動作時における本実施の形態のインクジェットヘッドを概略的に示している。図12において、図11と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0073】
本実施の形態のインクジェットヘッドは、実施の形態1のインクジェットヘッドに比べて、隔壁111の圧縮剛性(圧縮に対する剛性)を圧力室110の他の壁より低くしている。具体的には、隔壁111が空洞115を有する。
【0074】
空洞115を有するステンレス製の隔壁111の作製方法を、図13を用いて説明する。図13(A)〜(C)は、隔壁111を構成する部材のそれぞれを、図12のノズル100の軸方向に沿って見た図である。各部材は、一般にSUSなどの金属で作られている。図13に示す3枚のステンレス鋼の薄板を、例えば上からA、B、Cの順で重ねて、重ねた薄板を熱拡散接合することによって、図12に示す空洞115を有する隔壁111を作製することができる。
【0075】
圧電素子131に対応するノズル100からのインクの、紙面右方向への飛行曲がりを検出した場合、実施の形態1と同様に、そのノズル100の紙面右側の隔壁111を支える圧電素子142を伸長させ、図12(B)に示すように圧電素子142に対応する隔壁111を変形させ、インクの右方向への飛行曲がりを補正する。こうして、実施の形態1と同様に、インクの吐出方向のバラツキを補正する。
【0076】
本実施の形態は、隔壁111の内部に空洞115を有するので、圧力室110の形状をより効率的に変形することができる。すなわち、一定の電圧を圧電素子142に印加した時に、本実施の形態における圧力室110の体積の変化は、実施の形態1における圧力室110の体積の変化よりも大きい。よって、インクの吐出方向のバラツキをより確実に補正することができる。
【0077】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3のインクジェットヘッドの図である。図14において、図11と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図14(A)は、飛行曲がりの補正動作前における本実施の形態のインクジェットヘッドを概略的に示している。図14(B)は、飛行曲がりの補正動作時における本実施の形態のインクジェットヘッドを概略的に示している。
【0078】
本実施の形態のインクジェットヘッドは、隣り合う圧力室110、113の間に2つの隔壁111a、111bを有し、隔壁111aを支える圧電素子142aと、隔壁111bを支える圧電素子142bとを有する点で、実施の形態1のインクジェットヘッドと異なっている。
【0079】
圧電素子131に対応するノズル100からのインクの、紙面右方向への飛行曲がりを検出した場合、実施の形態1と同様に、そのノズル100の紙面右側の隔壁111aを支える圧電素子142aを伸長させ、図14(B)に示すように圧電素子142aに対応する隔壁111aを変形させ、インクの右方向への飛行曲がりを補正する。こうして、実施の形態1と同様に、インクの吐出方向のバラツキを補正する。
【0080】
本実施の形態は、圧力室110、113間に二つの隔壁111a、111bを有する。このため、隔壁111aの変形によって、隣りの圧力室113の形状が変形しない。よって、隣り合うノズル100が同時にインクを吐出する場合でも、一方のノズル100におけるインクの吐出方向のバラツキを、他方のノズル100におけるインクの吐出に影響を及ぼさずに、確実に補正することができる。このため、この補正によるクロストークを抑制することができる。本実施の形態は、隣り合うノズル100から同時にインクを吐出するインクジェットヘッドに好適である。なお、実施の形態1、2のは、本実施の形態に比べて、ノズル100間のピッチをより小さくすることができる。このため、実施の形態1、2は、実施の形態3に比べて、インクを製品により高密度に着弾させることができる。実施の形態1、2は、インクを均一に塗布する用途のインクジェットヘッドに好適である。
【0081】
本出願は、2011年4月20日出願の特願2011−093748に基づく優先権を主張する。当該出願明細書に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、有機ELの発光層の塗布や、カラーフィルターの色材料の塗布に使用されるインクジェット装置に適用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 基板
13、100 ノズル
16 薄板材
18 振動板
21、23 電極
22、130、131、132、140、141、142、142a、142b、143 圧電素子
31 バンク(隔壁)
32 陰極
33 陽極
41 架台
42 基板搬送ステージ
43 ガントリー
44 領域
50 インクジェットヘッド
51〜53、135 凸部
55、56 穴
101 ノズルプレート
110、113 圧力室
111、111a、111b 隔壁
112、172 ダイヤフラム
115 空洞
116 インク供給流路
117 インク排出流路
118 インク入口流路
119 インク出口流路
120 共通電極
121 個別電極
122 駆動回路
123 方向制御回路
134 テーパ面
136 切り欠き部
173 薄肉部
301R、301G、301B 発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する複数のノズルと、前記各ノズルに連通する圧力室と、前記各圧力室に圧力を加える圧電素子Aと、前記圧力室間に配置される隔壁と、前記隔壁を支える圧電素子Bと、前記隔壁と圧電素子Bとの間に介在し、かつ圧電素子Aに接触するダイヤフラムと、を有するインクジェット装置において、
前記ノズルが配列される方向をX方向としたとき、圧電素子Aと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅L1と、圧電素子Bと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅L2と、圧電素子AにおけるX方向の幅及び圧電素子BにおけるX方向の幅L4とが、L4≧L2>L1を満たし、
X方向及び前記ノズルの軸に直交する方向をY方向としたとき、圧電素子AにおけるY方向の幅及び圧電素子BにおけるY方向の幅W1と、圧電素子A又は圧電素子Bと前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるY方向の幅W2とが、W2>W1を満たす、
インクジェット装置。
【請求項2】
前記ダイヤフラムに対して圧電素子A及び圧電素子B側に配置され、前記圧力室に供給されるインクが流れるインク供給流路および前記圧力室から排出されたインクが流れるインク排出流路と、
前記ダイヤフラムに対して前記隔壁側に配置され、前記ダイヤフラムに形成された貫通孔Xを介して前記インク供給流路と前記圧力室のそれぞれとを連通するインク入口流路と、
前記ダイヤフラムに対して前記隔壁側に配置され、前記ダイヤフラムに形成された貫通孔Yを介して前記圧力室のそれぞれと前記インク排出流路とを連通するインク出口流路と、
をさらに有する、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項3】
前記隔壁と前記ダイヤフラムとが接触する部分におけるX方向の幅をL3としたときに、L2>L3をさらに満たす、請求項1又は2に記載のインクジェット装置。
【請求項4】
貫通孔Xは、メッシュ状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット装置。
【請求項5】
前記隔壁の圧縮剛性が前記圧力室の他の壁の圧縮剛性よりも低い、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット装置。
【請求項6】
前記圧力室の間に、少なくとも2つの前記隔壁と、前記隔壁を支える少なくとも2つの圧電素子Bとを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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