説明

インクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物

【課題】画像彩度に優れ、画像濃度が高く、色調調整が容易であり、かつ保存安定性、画像の耐水性に優れ、吐出安定性が良好であり、特に印字曲がりの無いマゼンタインクとして好適なインクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物の提供。
【解決手段】少なくとも樹脂微粒子、顔料、顔料分散剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、前記樹脂微粒子が、(1)最大吸収波長が500nm以上550nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子、及び(2)最大吸収波長が550nm以上600nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子から選択される2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子を含有するインクジェット記録用インクである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出安定性に優れ、高彩度で良好な色調の高品位画像が得られ、耐水性及び耐光性に優れ、特にマゼンタインクとして好適なインクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット記録方式に用いるインクとしては、各種の水溶性染料を水単体もしくは水と水溶性溶剤からなる溶媒中に溶解し、必要に応じて各種添加剤を添加したものが主流であった。しかし、このような染料系インクを用いて印字を行った場合、記録媒体上での記録画像の耐水性が悪く、水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料のにじみが生ずるという問題や、耐光性が悪いため、記録部分に光が当ると色調変化や濃度低下が発生するという問題があった。
【0003】
染料系インクの上記問題を改良するため、着色剤として染料の替りにカーボンブラックや各種有機顔料を用いた、いわゆる顔料系インクをインクジェット記録方式に適用することが知られている。顔料系インクを用いて印字を行った場合、記録媒体上で乾燥したインクは着色剤が顔料であるため、水がかかっても染料のように溶解してにじみが発生することはなく、耐水性が良好である。また、顔料は染料に比較して光に対する反応性が低いため、顔料系インクの耐光性は染料系インクに較べて優れている。
【0004】
このような顔料系インクは、一般に顔料と液媒体と分散剤よりなる混合物をボールミル、サンドミル等の分散機で分散処理を行い製造した顔料分散液に必要に応じて各種添加剤を添加して製造するが、インクジェット記録用インクに使用する顔料分散液は印刷装置(インクジェットプリンタ)のノズル詰まり防止、印字画像の鮮明性、2次色再現性、透明性確保のため、通常200nm以下の粒子径レベルまで顔料分散液中の顔料粒子を微粒子化分散する必要がある。更に50nm以下の粒子径レベルにまで微粒子化すれば、染料インクに近い、高彩度で透明性の高い画像が形成し得ることが知られている。
しかし、例えばマゼンタ色で従来より主に使用されている顔料のひとつであるキナクリドン系顔料等では、微粒子化によりある程度画像彩度は上昇するが、染料インクで形成されたマゼンタ色画像の彩度には及んでいない。
【0005】
顔料インクの画像彩度の向上を図った提案としては、特許文献1がある。この提案では、蛍光顔料をインク量に対し0.1質量%〜3質量%添加する。これにより、彩度を約5%程度向上させることが開示されている。
しかし、この提案のように蛍光顔料を通常の顔料に添加した場合には、作製されたインクは、液として非常に不安定な分散状態となり、このインクを用いてインクジェットプリンタで印字評価を行った場合、印字曲がり、若しくはインクをピエゾ方式のインクジェットプリンタにセットし1ヶ月間放置後、再度印字を行った際にインクが詰まり、インク供給ができず印字ができなくなるという課題があった。
【0006】
更に、顔料インクで高彩度化を図った場合の従来技術の問題点について以下に説明する。
(1)高彩度化を図る場合には、蛍光顔料の比率を増加させて高彩度化図る方法が取られる。その際、通常青みが強い蛍光顔料と青みの弱い蛍光顔料と比較するとより高精彩な蛍光顔料(彩度)を得られるのは青みの弱い蛍光顔料(彩度)であり、この青みの弱い蛍光顔料の量を多くすることにより高彩度化を行っている。
(2)その際、色調をマゼンタ色に合わせる調整を行う場合には、ブレンド系では、色調が赤みの方向にシフトし赤み補正のため蛍光をもたない顔料の比率を多くしていくことが通常行われている。しかし、この方法であるとインクの保存性悪くなるという課題がある。このような保存性の悪くなったインクで印字を行うと、印字曲がり(白スジ又は低濃度スジ)が生じる。印字曲がりは、インク保存後粘度上昇がある場合に起こる。
したがって粘度上昇が起き、印字曲がりの課題が起こるのは、上記(1)及び(2)の過程を経てインクの高彩度化を行った場合である。
【0007】
ところで、インクジェットプリンタのカテゴリーの一つとしてビジネス用インクジェット分野がある。この分野で使用されている高粘度のビスカスインクは、記録媒体(紙)に着弾するなりゲル化して乾燥し普通紙でも滲まずすぐに乾燥し高速両面印刷も可能である。
しかし、このような高粘度のインクを使用した場合、印字の安定性及び低メンテンス性(長期間の保存安定性)が染料インクに比べて悪い傾向がある。また、顔料を用いたインクであるため、染料と同じレベルの高彩度かつ高精彩の印字画像が得られるところまではきていない。
更に、ビジネス用インクジェットプリンタに不具合が生じたとき、修理を行う必要があるが、通常、インクジェットプリンタには事務所を訪ねて修理する「オンサイト保守」のシステムはない。そのため、ユーザーはプリンタに不具合が起こると、修理センターに本体を送るしかなく、その間はプリンタが使えない状況であり、ビジネス業務に支障をきたすという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開平10−130558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、画像彩度に優れ、画像濃度が高く、色調調整が容易であり、かつ保存安定性、画像の耐水性に優れ、吐出安定性が良好であり、特に印字曲がりの無いマゼンタインクとして好適なインクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため本発明者らが、保存性が悪くなる(印字曲がりが多くなる)という課題について鋭意検討を重ねた結果、蛍光染料の量を多くして高彩度化を進めていくと色調が赤みとなるので、色調がより青みの蛍光染料を混合することにより前記課題を解決できることを知見した。即ち、蛍光染料微粒子水溶液の380nm〜780nmにおける、最大吸収波長が500nm以上550nm未満である蛍光染料微粒子(青みの弱い蛍光染料)と、最大吸収波長が550nm以上600nm未満である蛍光染料微粒子(青みの強い蛍光染料)とを組み合わせることで良好な印字性能が得られ、かつ高彩度なインクジェット記録用インクを作製できることを知見した。
【0011】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも樹脂微粒子、顔料、顔料分散剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、
前記樹脂微粒子が、(1)最大吸収波長が500nm以上550nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子、及び(2)最大吸収波長が550nm以上600nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子から選択される2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録用インクである。
<2> 2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子における樹脂微粒子が、ビニル系単量体を少なくとも原料とする乳化重合体であって、前記ビニル系単量体が、(i)シアノ基含有ビニル系単量体Aと、(ii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらの官能基から誘導される基から選択される少なくとも1種の基を有するビニル系単量体Bと、(iii)前記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体Cとを含み、前記ビニル系単量体Bが単量体全量中の割合が4.75質量%以下である前記<1>に記載のインクジェット記録用インクである。
<3> インクの粘度が、25℃で7.0mPa・s以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<4> 顔料分散剤が、下記一般式(1)で表される化合物である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
【化2】

ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、及びアラルキル基のいずれかを表す。Lは、0〜7の整数を表す。pは、20〜200の整数を表す。
<5> 一般式(1)で表される化合物が、ポリオキシエチレン(n=40)βナフチルエーテルである前記<4>に記載のインクジェット記録用インクである。
<6> 樹脂微粒子が、更にアクリルシリコーン樹脂微粒子を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<7> アクリルシリコーン樹脂微粒子の平均粒径が50nm〜200nmである前記<6>に記載のインクジェット記録用インクである。
<8> 更にジオール化合物を含有する前記<1>から<7>に記載のインクジェット記録用インクである。
<9> ジオール化合物が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールである前記<8>に記載のインクジェット記録用インクである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなり、インクジェット記録装置本体に着脱可能であることを特徴とするインクカートリッジである。
<11> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録方法である。
<12> ピエゾ方式及びサーマル方式のいずれかである前記<11>に記載のインクジェット記録方法である。
<13> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<14> 記録媒体上に、前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
<15> 記録媒体が、紙である前記<14>に記載のインク記録物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、画像の彩度に優れ、画像濃度が高く、色調調整が容易であり、かつ保存安定性、画像の耐水性に優れ、吐出安定性が良好であり、特に印字曲がりの無いマゼンタインクとして好適なインクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(インクジェット記録用インク)
本発明のインクジェット記録用インクは、少なくとも樹脂微粒子、顔料、顔料分散剤、及び水を含有し、ジオール化合物、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0014】
−樹脂微粒子−
前記樹脂微粒子が、最大吸収波長が500nm以上550nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子、及び最大吸収波長が550nm以上600nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子から選択される2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子を含有する。これにより、インクの保存性が悪くなり、その粘度上昇を要因とする印字曲がり(白スジ又は低濃度スジ)が起こるという課題が回避される。
最大吸収波長が500nm以上550nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子以外の蛍光染料で染色された樹脂微粒子を用いると、例えば赤みの強い色調となり、蛍光をもたない染料を使用した場合にはインクの保存性が悪くなり、その粘度上昇により印字曲がり(白スジ又は低濃度スジ)が起こることがある。また、例えば最大吸収波長が600nm以上に単一ピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子を用いた場合には色調がマゼンタ色からかけ離れた色調となる。
【0015】
前記2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子における樹脂微粒子が、ビニル系単量体を少なくとも原料とする乳化重合体であって、前記ビニル系単量体が、(i)シアノ基含有ビニル系単量体Aと、(ii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらの官能基から誘導される基から選択される少なくとも1種の基を有するビニル系単量体Bと、(iii)前記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体Cとを含み、前記ビニル系単量体Bが単量体全量中の割合が4.75質量%以下であることが好ましく、3.7質量%〜4.75質量%がより好ましい。前記(ii)のビニル系単量体Bの割合が単量体全量中の4.75質量%を超えると、不安定な分散状態の液組成物となり、インクの保存安定性が悪くなり、吐出安定性が悪くなることがある。
前記ビニル系単量体Bの割合が、単量体全量中の4.75質量%以下である蛍光染料で染色された樹脂微粒子を使用して作製されたインクジェット記録用インクは、蛍光染料で染着された樹脂微粒子と顔料分散体との凝集を防止できる最適な安定状態におかれ、インクの凝集が防止される。
更に、前記(iii)のビニル系単量体Cの単量体全量中の割合は4.00質量%以下であることが好ましい。前記ビニル系単量体Cの単量体全量中の割合を4.00%以下とすることにより、インクの凝集を防ぎ、かつ高品位の染着が行われ、高画質で濃度均一な印字画像を提供できる。
【0016】
前記シアノ基含有ビニル系単量体Aとしては、例えばビニル系単量体のうちシアノ基を有するものであればよいが、代表例としてアクリロニトリルとメタクリロニトリルなどが挙げられる。
前記ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらの官能基から誘導される基から選択される少なくとも1種の基を有するビニル系単量体Bとしては、例えばアリルクロライド、メタリルクロライド、アクリル酸クロライド及びメタクリル酸クロライドから選ばれる一種又は二種以上の単量体などが挙げられる。単量体Bは染色性向上機能及び染料受容性(吸着性)を有するものである。前記ビニル系単量体Bは、一種又は二種以上使用することができる。
前記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体Cとしては、例えば上記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体であって、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ターシャリブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノアクリレート等のアクリレート類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ターシャリブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ジアリールフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の重合体性不飽和基を2個以上有する化合物、などが挙げられる。これらの中でも、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の硬い重合体を使用することが特に好ましい。
【0017】
前記蛍光染料で染色された樹脂微粒子の平均粒径は、50nm〜200nmが好ましく、70nm〜150nmがより好ましい。前記平均粒径が、50nm未満であると、蛍光強度が低下するため、画像の彩度が低くなることがあり、200nmを超えると、インクの吐出安定性が悪くなることがある。平均粒子径を70nm〜150nmとすることにより顔料粒子の乱反射を防ぎ、かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
ここで、前記蛍光染料で染色された樹脂微粒子の平均粒径は、例えば日機装株式会社製マイクロトラックUPAなどにより測定することができる。
【0018】
前記蛍光染料で染色された樹脂微粒子に用いる蛍光染料としては、特に制限はなく、狙いの色調及び最大吸収波長ごとに適宜調整することができ、例えば塩基染料(カチロン染料含む)、直接染料、蛍光増白染料等の各種の染料群より適宜選択して使用でき、これらの中でも、昼光蛍光染料の1種又は2種以上、昼光蛍光染料と普通染料(蛍光性の無い染料)との併用が特に好ましい。
前記蛍光染料で染色された樹脂微粒子に用いる蛍光染料としては、具体的には、C.I.BASIC RED 1、C.I.BASIC RED 13、C.I.BASIC RED 1:1、C.I.BASIC VIOLET 7、C.I.BASIC VIOLET 10、C.I.BASIC VIOLET 11、C.I.BASIC ORANGE 22、C.I.DIRECT ORANGE 8、C.I.DIRECTRED 9、C.I.DIRECT GREEN 6、C.I.FLUORESCENT BRIGHTENING AGENT 55、C.I.FLUORESCENT BRIGHTENING WHITEX WS 52、C.I.FLUORESCENT 162、FLUORESCENT 112、などが挙げられる。これらの中でも、C.I.BASIC RED 1、C.I.BASIC VIOLET 10、C.I.BASIC VIOLET 11、C.I.BASIC RED 1:1、C.I.FLUORESCENT BRIGHTENING WHITEX WS 52が特に好ましい。
【0019】
前記染料による樹脂微粒子の着色は、乳化重合時又は重合後のいずれでも行うことができる。その条件に関しては、大気圧下乃至加圧下で40℃〜110℃、1〜5時間撹拌状態に置くのが好ましく、染料の使用量は乳化重合体(固形分)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。
【0020】
前記蛍光染料で染色された樹脂微粒子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記合成方法としては、例えば特開2001−181544号公報に開示されている方法などが挙げられる。
前記市販品としては、例えば日本蛍光化学株式会社製(No.39−PINK−B、No.30−PINK−B、No.24−PINK−1、No.18−PINK−A)、などが挙げられる。
【0021】
本発明のインクジェット記録用インクは、前記樹脂微粒子としては、更にアクリルシリコーン樹脂微粒子(エマルジョン)を含有することが好ましく、後述するポリオール化合物を含むことがより好ましい。これにより、記録媒体(紙)に着弾すると直ぐにゲル化し普通紙においてもすぐに乾燥し高彩度な印刷が可能である。また、顔料及び蛍光染料で染色された樹脂微粒子に吸着するアクリルシリコーン成分が存在することにより、蛍光染料で染色された樹脂微粒子表面に適正なクリアコートが行われると考えられる。このようにクリアコート化されたインクの印字画像が、クリアコートがない場合と比較してより鮮明となると考えられる。
前記アクリルシリコーン樹脂微粒子の前記インクにおける含有量は、固形分で0.1質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、顔料及び蛍光染料で染色された樹脂微粒子に吸着するアクリルシリコーン成分が少なく、顔料同士の吸着が多くなり粒子の凝集が多くなることにより適正なクリアコートによる画像の鮮やかさが損なわれてしまうことがあり、5.0質量%を超えると、アクリルシリコーン樹脂微粒子同士の接着によりインクの安定性が悪くなることがある。
【0022】
前記アクリルシリコーン樹脂(エマルジョン)の平均粒径は、50nm〜200nmであることが好ましい。前記平均粒径が50nm未満であると、インクの粘度が上昇し好ましくない。前記平均粒径が200nmを超えると、インクに沈降が生じることがある。
前記アクリルシリコーン樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば東洋インキ製造株式会社製のNANOFINE KPX−97−048、NANOFINE KPX−97−051、NANOFINE KPX−02−014、などが挙げられる。
【0023】
−顔料−
前記顔料としては、経時劣化がマゼンタ染料より優れている点からマゼンタ顔料が好適に用いられる。該マゼンタ顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばC.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット209、C.I.ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
【0024】
前記顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%以上、50.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上、20.0質量%以下がより好ましい。
前記顔料の体積平均粒径(D50)は、150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。ここで、前記顔料の体積平均粒径は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定した値を示す。これはノズルプレートに付着したインク中の顔料の粗大粒子量を減らすことにより、ワイピング時にインク中の粗大粒子の摩擦により撥インク層を損傷することを防止するからである。また、記録画像部の顔料粒子の乱反射を防ぎ、かつ濃度均一な記録画像を提供できるからである。
【0025】
なお、前記顔料はその表面に水分散性付与基を有し、顔料分散剤が無くとも安定に分散状態が維持できる、いわゆる自己分散型顔料(表面処理顔料)でもよいし、顔料表面の全体をポリマーで被覆し、これにより分散剤が無くとも安定に分散状態が維持できる、いわゆるカプセル型顔料(水分散性ポリマー包含顔料)でもよいし、顔料分散剤により分散された顔料でもよい。これらの中でも、顔料分散剤により水中で分散させて水系顔料分散体として使用されるものが特に好ましい。
【0026】
前記水系顔料分散体は、例えば以下の方法によって作製することができる。最初に顔料と分散剤との比率を決定する。それは、顔料と水との混合物をサンドミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散しながら、顔料分散剤を徐々に添加して、粒径が小さくなると同時に最も粘度の小さくなった比率に決定する。なお、ビーズミルで分散する場合に、泡の発生を抑制するために少量の消泡剤を添加することが好ましい。顔料の平均粒径については、分散機へ入れるビーズの大きさや分散時間などによって制御することが可能であり、平均粒径を150nm以下にするには、ビーズ直径は0.05mm〜1.0mm、分散時間は1時間/L〜100時間/Lで分散すればよい。
【0027】
−顔料分散剤−
前記顔料分散剤としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。このように下記一般式(1)で表される化合物を顔料分散剤として用いることにより、平均粒径が小さく、保存安定性に優れた水系顔料分散体、及び水系顔料インクを得ることができる。
【化3】

ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、及びアラルキル基のいずれかを表す。Lは、0〜7の整数を表す。pは、20〜200の整数を表す。
【0028】
前記一般式(1)において、pは、20〜200の整数であり、20〜100が好ましく、30〜50がより好ましい。前記pが、20未満であると、分散安定性が低下する傾向があり、平均粒径が大きい顔料を含むインクとなるため満足な彩度が得られないことがあり、200を超えると、インクの粘度が高くなり、インクジェット記録方式での記録が困難になることがある。
このように親水基としてポリオキシエチレン基を含むことにより、顔料表面の電荷を良好に維持することができる。
における炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、などが挙げられる。
におけるアラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジルなどが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えばポリオキシエチレン(n=20)β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン(n=40)β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン(n=60)β−ナフチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレン(n=40)β−ナフチルエーテルが特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、質量基準で、前記インクにおける顔料1質量部に対して0.1質量部〜2.0質量部が好ましく、0.1質量部〜1.0質量部がより好ましい。前記含有量範囲において、平均粒径の小さいインクを提供できる。前記含有量が、0.1質量部未満であると、顔料の分散が不十分となることがあり、2.0質量部を超えると、インクの粘度が高すぎてインクジェット方式での記録が困難になることがある。
【0029】
−水−
本発明のインクジェット記録用インクにおいて、水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いることにより、インクを長期間保存する場合にカビやバクテリアの発生を防ぐことができるので好適である。
【0030】
−ジオール化合物−
前記ジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、などが挙げられる。これらの中でも、炭素数が8〜11のものが好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが特に好ましい。
前記ジオール化合物の前記インクにおける添加量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましい。前記添加量が、0.5質量%未満であると、インクの紙への浸透性が悪くなることがあり、20質量%を超えると、インクの紙への浸透量が多くなり画像鮮明度が低下することがある。
【0031】
本発明のインクジェット記録用インクは、水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止する湿潤剤として、水溶性有機溶剤を添加している。水溶性有機溶剤の使用は、インクを所望の物性(粘度)にし、また、顔料の分散乃至溶解安定性を向上させるという目的も兼ねる。
加えて、本発明では、特に、蛍光染料で染色された樹脂微粒子と顔料を混合したインクで画像性及び印字安定性を制御するため、適正な水溶性有機溶剤の選択が行われている。
【0032】
−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イロプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、メチル-1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ、などが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、ジエチレングリコールが特に好ましい。
前記水溶性有機溶剤の前記インクジェット記録用インクにおける含有量としては、環境性等の点も考慮すると50質量%以下が好ましい。
【0033】
本発明におけるインクジェット記録用インクには、上記水溶性有機溶剤の他、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、その他の成分を添加することができる。
【0034】
前記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤を用いることができる。これらの中でも、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
【0035】
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、などが挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、などが挙げられる。
前記両イオン系界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン、などが挙げられる。
【0036】
前記pH調整剤としては、例えばアミノエタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノエチル硫酸エステル、N−アセチル−L−システィン、カテコール、ピロガロール、o−フェノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、フロログルシノール、レソルシノール、アスパラギン、アルギニン、L−アロトレオニン、オルニチン、オルニチン塩酸塩、グルタチオン(還元型)、グルタチオン(酸化型)、グルタミン、シスチン、システィン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、シトルニン、L−セリン、DL−セリン、チロシン、トリプトファン、L−トレオニン、DL−トレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、ホモシステイン、DL−メチオニン、L−メチオニン、リシン、リシン塩酸塩、4−アミノピリジン、ピリドキサール、ピリドキシン塩酸塩、モルホリン、イノシン、ウラシル、グアニン、グアノシン、ヒポキサンチン、プリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、[Nトリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノ]エタンスルホン酸、N−2−ヒドキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、ピペラジン−N−N’−ビス(2−ヒドキシプロパン)−3−スルホン酸、3−[N−(トリスヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドキシプロパンスルホン酸、N−2’−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−ヒドキシプロパン−3−スルホン酸、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、トリス(ヒドキシメチル)アミノメタン、N−[トリス(ヒドキシメチル)メチル]グリシン、グリシルグルシン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−[トリス(ヒドキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール3−[(1.1ジメチル−2ヒドロキシエチル)アミノ]−2ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、などが挙げられる。これらの中でも、3−[(1.1ジメチル−2ヒドロキシエチル)アミノ]−2ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸が特に好ましい。
【0037】
前記pH調整剤の添加量は、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上2質量%以下が更に好ましい。前記pH調整剤の添加量が、0.001質量%未満であると、pHの変化を抑制する効果が小さく、10質量%より多いとインクの粘度が大きくなる傾向にある。
【0038】
前記その他の成分としては、例えば消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、比抵抗調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、粘度調整剤などが挙げられる。
【0039】
本発明の前記インクジェット記録用インクは、特に制限はなく、公知の方法により製造することができ、例えば前記顔料分散液、水、蛍光染料で染色された樹脂微粒子、必要に応じてアクリルシリコーン樹脂微粒子、ジオール化合物等を攪拌混合し、金属フィルター、メンブレンフィルター等を用いた減圧濾過、加圧濾過、遠心分離機による遠心濾過を行い、粗大粒子、異物(ほこり、ごみ)等を除去し、必要に応じて脱気することによって得られる。
【0040】
本発明のインクジェット記録用インクの粘度は、25℃で7.0mPa・s以上が好ましく、7.5mPa・s以上がより好ましい。前記インクの粘度が、7.0mPa・s未満であると、記録媒体(紙)上での乾きが遅くなり、単位面積当たりの着色剤濃度が低いため、画像濃度が低下することがある。
【0041】
本発明のインクジェット記録用インクは、後述するように該インクを収容するインクカートリッジに好適に用いることができる。また、本発明のインクジェット記録用インクは、後述するように、紙等の記録媒体上に吐出させるインクジェット記録装置により、画像形成することができる。
【0042】
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋を少なくとも有するもの、プラスチックケース、などが好適に挙げられる。
【0043】
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができる。また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
【0044】
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記インクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0045】
前記インク飛翔手段としては、連続噴射型又はオンデマンド型が挙げられる。前記オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。これらの中でも、ピエゾ方式、サーマル方式が特に好ましい。
前記ピエゾ方式は、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるものである(特開平2−51734号公報参照)。
前記サーマル方式は、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させてインク滴を吐出させるものである(特開昭61−59911号公報参照)。
前記静電方式は、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるものである(特開平6−71882号公報参照)。
【0046】
前記刺激としては、例えば、刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
【0047】
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
【0048】
前記インクジェット記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクジェット記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクジェット記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
【0049】
本発明のインクジェット記録用インクを収容した本発明のインクジェット記録装置を用いて記録媒体上に画像を記録すると、オンデマンドで記録媒体上にインク記録物が得られる。また、インクジェット記録用インクの補充はインクカートリッジ単位で取り替えることが可能である。
【0050】
ここで、本発明のインクカートリッジ及びインクジェット記録装置について、図1を参照して説明する。
図1において、本発明の前記インクジェット記録用インクが収容されるインクカートリッジ20は、キャリッジ18内に収納される。ここで、インクカートリッジ20は便宜上複数設けられているが、複数である必要はない。このような状態でインクジェット用インクが、インクカートリッジ20からキャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aに供給される。なお、図1において、吐出ノズル面は下方向を向いた状態であるため見えない状態であるが、この吐出ノズル18aからインクジェット用インクが吐出される。
キャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aは、主走査モータ24で駆動されるタイミングベルト23によってガイドシャフト21、22にガイドされて移動する。一方、特定のコート紙(画像支持体)はプラテン19によって液滴吐出ヘッド18aと対面する位置に置かれる。なお、図1中、1はインクジェット記録装置、2は本体筐体、16はギア機構、17は副走査モータ、25及び27はギア機構、26は主走査モータをそれぞれ示す。
【0051】
(インク記録物)
本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記インクジェット記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
【0052】
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙等のインクに対して吸収性を有するもの、インクに対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。
前記記録媒体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート;黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面又は非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体;紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。これらの中でも、紙が経済性の点と画像の自然さの点で特に好ましい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、蛍光染料で染色された樹脂微粒子における蛍光染料の最大吸収波長、及び樹脂微粒子の平均粒径は、以下のようにして測定した。
【0054】
<蛍光染料で染色された樹脂微粒子における蛍光染料の最大吸収波長>
最大吸収波長は、UV分光光度計(日立製作所製、U−3300)を用いて測定した。
【0055】
<樹脂微粒子の平均粒径>
樹脂微粒子の平均粒径は、日機装株式会社製マイクロトラックUPAを用いてサンプル濃度0.1%で測定した。
【0056】
(合成例1)
−アクリルシリコーン樹脂微粒子の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えたフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)10g、過硫酸カリウム1g、及び純水286gを仕込み、65℃に昇温した。次に、メタクリル酸メチル150g、アクリル酸2エチルヘキシル100g、アクリル酸20g、ビニルトリエトキシシラン20g、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)を10g、過硫酸カリウム4g、及び純水398.3gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。80℃で更に3時間加熱熟成した後冷却し、水酸化カリウムでpHを7〜8となるように調整して、アクリル樹脂微粒子を合成した。
得られた反応性シリル基を含まないシリコーン変性アクリル樹脂微粒子の粘度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した体積平均粒子径(D50%)は130nmであった。また、造膜温度測定装置により測定した最低造膜温度(MFT)は0℃であった。
【0057】
(実施例1)
下記構成の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(KDL型、直径0.3mmジルコニアボールを使用)で20時間循環分散し、平均粒子径95.0nmの顔料分散液(A)を得た。
・C.I.ピグメントレッド122(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガフォアマゼンタDMQ)・・・151質量部
・ポリオキシエチレン(n=40)βナフチルエーテル・・・57質量部
・蒸留水・・・702質量部
【0058】
得られた顔料分散液(A)34.0質量部に、自己乳化アニオン型ポリエーテル型ポリウレタンエマルジョン(三井武田ケミカル株式会社製、タケラックW−5025、固形分=30.0%、平均粒子径=20.3nm)10.0質量部を添加した後、30分間充分に攪拌を行い、顔料分散液(B)とした。
【0059】
次に、得られた顔料分散液(B)33.0質量部に、最大吸収波長が535nmである日本蛍光化学株式会社製(No.39−PINK−B、固形分濃度40%;C.I.ベーシックバイオレット11で染色されたスチレン−アクリル酸共重合体微粒子分散体、平均粒径110nm)の蛍光微粒子分散液(F)25.0質量部、及び最大吸収波長が566nmである日本蛍光化学株式会社製(No.30−PINK−B、固形分濃度40%;C.I.ベーシックレッド1:1で染色されたスチレン−アクリル酸共重合体微粒子分散体、平均粒径105nm)の蛍光微粒子分散液(G)5.0質量部を添加した後、30分間攪拌を行い、分散液(C)を調製した。
ここで、蛍光染料で染色された樹脂微粒子No.39−PINK−B及びNo.30−PINK−Bにおけるスチレン−アクリル酸共重合体樹脂微粒子は、(i)シアノ基含有ビニル系単量体Aと、(ii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらの官能基から誘導される基から選択される少なくとも1種の基を有するビニル系単量体Bと、(iii)前記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体Cとを含み、前記ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0060】
その後、下記組成のインク材料からインク液を調製し、30分間攪拌後、孔径0.8μmのメンブランフィルターで濾過し、真空脱気して、インクジェット記録用インクを作製した。
−インク組成−
・上記分散液(C)・・・63.0質量部
・グリセリン・・・15.0質量部
・ジエチレングリコール・・・5.0質量部
・1,3−ヘプタンジオール・・・2.0質量部
・合成例1のアクリルシリコーン樹脂微粒子(エマルジョン、平均粒径130nm)・・・7.0質量部
・蒸留水・・・4.0質量部
【0061】
(実施例2)
実施例1において、1,3−ヘプタンジオール2.0質量部の変わりに1,2−ヘキサンジオール2.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、7.7mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0062】
(実施例3)
実施例1において、1,3−ヘプタンジオール2.0質量部の変わりに1,6−ヘキサンジオールを2.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、7.8mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0063】
(実施例4)
実施例1において、1,3−ヘプタンジオール2.0質量部の変わりに2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを2.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、7.7mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0064】
(実施例5)
実施例1において、グリセリン15.0質量部、及び蒸留水4.0質量部の変わりにグリセリン13.0質量部、及び蒸留水6.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、6.9mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0065】
(比較例1)
実施例1において、最大吸収波長が566nmであるNo.30−PINK−B(固形分濃度40%)の蛍光微粒子分散液(G)5.0質量部を0質量部とし、顔料分散液(B)33.0質量部を39.8質量部とし、蒸留水4.0質量部を2.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、7.5mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0066】
(比較例2)
実施例2において、最大吸収波長が566nmであるNo.30−PINK−B(固形分濃度40%)の蛍光微粒子分散液(G)5.0質量部を0質量部とし、顔料分散液(B)33.0質量部を39.8質量部とし、蒸留水4.0質量部を2.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして、比較例2のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、7.4mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、3.70質量%であった。
【0067】
(比較例3)
実施例1において、最大吸収波長が566nmであるNo.30−PINK−B(固形分濃度40%)の蛍光微粒子分散液(G)5.0質量部を0質量部とし、顔料分散液(B)33.0質量部を39.8質量部とし、蒸留水4.0質量部を2.2質量部とし、自己乳化アニオン型ポリエーテル型ポリウレタンエマルジョンを15質量部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録用インクを作製した。
作製したインクの粘度は、8.2mPa・s(25℃)であり、ビニル系単量体Bの単量体全量中の比率は、5.45質量%であった。
【0068】
次に、得られた各インクジェット記録用インクをピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM−930C、EPSON株式会社製)で普通紙(X−4024、XEROX社製)に画像を記録した。以下のようにして諸特性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
<インク粘度>
各インクジェット記録用インクの25℃での粘度を、東機産業株式会社製E型粘度計RE−500を用いて、測定した。
【0070】
<画像濃度>
各インクジェット記録用インクによる普通紙における初期画像濃度、及びピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM−930C、EPSON株式会社製)にセットし、23℃、60%RH環境下で1ヶ月間放置後の画像濃度は、得られたベタ画像をXrite濃度計(Xrite社製)で測定して求めた。
【0071】
<画像彩度>
得られたベタ画像の測色をXrite濃度計(Xrite社製)にて行い、色度図上にプロットし、色度図上の原点からの距離から初期の画像彩度、及びピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM−930C、EPSON株式会社製)にセットし、23℃、60%RH環境下で1ヶ月間放置後の画像彩度を求めた。
【0072】
<印字曲がり数及びインク詰まりの有無>
面積率5%のベタ画像テストパターンをピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM−930C、EPSON株式会社製)でA4サイズの普通紙に連続で200枚印字し、印字終了後、200枚目のベタ画像をルーペで観察し、印字曲がりによる白スジ又は低濃度スジの本数を確認した。
同様に、各インクジェット記録用インクをピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM−930C、EPSON株式会社製)にセットし、23℃、60%RH環境下で1ヶ月間放置し、その後、上記と同じようにして印字を行った。
なお、上記評価において、インクの供給ができず印字ができなかったものを「インク詰まり発生」と表した。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェットプリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、などに好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 インクジェット記録装置
2 本体筐体
16 ギア機構
17 副走査モータ
18 キャリッジ
18a 液滴吐出ヘッド
19 プラテン
20 インクカートリッジ
21 ガイドシャフト
22 ガイドシャフト
23 タイミングベルト
24 主走査モータ
25 ギア機構
26 主走査モータ
27 ギア機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも樹脂微粒子、顔料、顔料分散剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、
前記樹脂微粒子が、(1)最大吸収波長が500nm以上550nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子、及び(2)最大吸収波長が550nm以上600nm未満に単一のピークを有する蛍光染料で染色された樹脂微粒子から選択される2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
【請求項2】
2種以上の最大吸収波長の異なる蛍光染料で染色された樹脂微粒子における樹脂微粒子が、ビニル系単量体を少なくとも原料とする乳化重合体であって、前記ビニル系単量体が、(i)シアノ基含有ビニル系単量体Aと、(ii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルホン酸基、リン酸基、及びこれらの官能基から誘導される基から選択される少なくとも1種の基を有するビニル系単量体Bと、(iii)前記ビニル系単量体A及びB以外のビニル系単量体Cとを含み、前記ビニル系単量体Bの単量体全量中の割合が4.75質量%以下である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項3】
インクの粘度が、25℃で7.0mPa・s以上である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【請求項4】
顔料分散剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【化1】

ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、及びアラルキル基のいずれかを表す。Lは、0〜7の整数を表す。pは、20〜200の整数を表す。
【請求項5】
一般式(1)で表される化合物が、ポリオキシエチレン(n=40)βナフチルエーテルである請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項6】
樹脂微粒子が、更にアクリルシリコーン樹脂微粒子を含有する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【請求項7】
アクリルシリコーン樹脂微粒子の平均粒径が50nm〜200nmである請求項6に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項8】
更にジオール化合物を含有する請求項1から7に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項9】
ジオール化合物が、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールである請求項8に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなり、インクジェット記録装置本体に着脱可能であることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項12】
ピエゾ方式及びサーマル方式のいずれかである請求項11に記載のインクジェット記録方法。
【請求項13】
請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
記録媒体上に、請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
【請求項15】
記録媒体が、紙である請求項14に記載のインク記録物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−209183(P2009−209183A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50796(P2008−50796)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】