説明

インクジェット記録用油性インク組成物、インキ及びインクジェット記録方法

【課題】 比較的高顔料分においても低粘度を維持したインクジェット記録用油性インクを得るためのインクジェット記録用油性インク組成物、該組成物を含有するインクジェット記録用油性インク、及び、該インクを加熱機構を有さないプリンターヘッドから吐出させるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 第一に、顔料と、有機溶剤を含有するインクジェット記録用油性インク組成物において、顔料が高分子化合物によって表面処理されたカプセル型顔料であることを特徴とするインクジェット記録用油性インク組成物。第二に、前記油性インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク。第三に、前記したインクジェット記録用油性インクを、加熱機構を有さないインクジェットプリンターヘッドから吐出させるインクジェット記録方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体として、低粘度であることを特徴とするインクジェット記録用油性インクを得るためのインク組成物、該インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク及び同インクを用いるインクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録用インクは、20ミクロンメーター程度のヘッドオリフィスからインクを吐出させるため、一般的な印刷インキなどと比較して、低粘度であることが必要とされている。インクジェット記録用油性インクを使用するプリンタにおいては、プリンターヘッドにヒータを有しており、加熱することで粘度の低下を図り、インクジェット吐出を可能にしているプリンターヘッドがある。しかしながら、プリンターヘッド内にヒータを有することは、消費電力の上昇、ヘッド構造の複雑化、大型化につながる。また、高画質化を図るためには、微小液滴を吐出させることが必要となるが、そのためには更にヘッドオリフィス直径の小さい孔から吐出させるため、インクに対してはより低粘度であることが求められる。
【0003】
一方、一般消費者向けのプリンタに使われているインクジェット記録用水性インクにおいては、インク中の顔料分は3〜5質量%である。これに対し、オフセット印刷用インキなどでは、顔料分が10〜20質量%と高くなっている。インクジェット記録物の発色濃度をあげるには、より高顔料分であることが求められる。しかしながら、顔料分を上げるとインクの粘度は高くなり、インクジェットヘッドからの吐出が困難になる。このため、産業用途向けのインクジェットプリンタにおいては、上述のようにヒータを有するヘッドを使用することが多くなる。
【0004】
インクジェット記録用水性インクを使用する場合、紙媒体に印刷したときに、水により繊維が膨潤することに起因するコックリング現象が問題になる。これを抑制するためには、主溶剤として有機溶剤を用いるインクジェット記録用油性インクを用いることで解決することが可能となる。
【0005】
この様なインクジェット記録用油性インクを調製する際には、カーボンブラック又は有機顔料を顔料分散剤の共存化、有機溶剤(油)に分散することでインクジェット記録用インクを直接調製、またはインクジェット記録用インク組成物を調製し、その後、種々の添加剤を添加してインクジェット記録用インクを調製する手法が一般に用いられる。
【0006】
上述の方法により、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルに対して、顔料を分散したインクジェット記録用油性インクの例が示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載されている油性インクは、顔料分が3〜5質量%程度と低く、且つ、その粘度は14〜250mPa・sと高く、ヒータ等を必要とする。
【0007】
カルボキシル基含有ポリアクリル系樹脂で処理された固体顔料調合物をインクジェット記録用水性インクに利用する例が示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、あくまで水性インクとしての利用を目的としており、親水性が高過ぎるため、溶剤型には不向きである。
【0008】
【特許文献1】特開平3−240557号公報
【特許文献2】特開平3−153775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、比較的高顔料分においても低粘度を維持したインクジェット記録用油性インクを得るためのインクジェット記録用油性インク組成物および該組成物を含有するインクジェット記録用油性インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明者らは、前記実情に鑑みて鋭意検討した結果、水中でカーボン又は有機顔料表面を樹脂で処理したマイクロカプセル型複合粒子を作製し、かつ溶剤中に適するカプセル樹脂を選択することにより、インクジェット記録用油性インクに於ける前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、第一に、顔料(a)と、有機溶剤(b)を含有するインクジェット記録用油性インク組成物において、顔料(a)が高分子化合物によって表面処理されたカプセル型顔料であるインクジェット記録用油性インク組成物を提供する。
【0012】
本発明は第二に、該インクジェット記録用油性インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク、及び、インクジェット記録用油性インクセットを提供する。
【0013】
更に本発明は、該インクジェット記録用油性インクを、加熱機構を有さないインクジェットプリンターヘッドから吐出させるインクジェット記録方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク及びインクセットは、カーボンブラック又は有機顔料(a)が高分子化合物によって表面処理されたカプセル型顔料を使用することで、従来の分散剤による分散体を使うインクと比較し、インク中に占める顔料が、より高い顔料分において、低粘度化を図ることが出来るという格別顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のインクジェット記録用油性インク組成物は、顔料(a)が高分子化合物で表面処理されたカプセル型顔料と、有機溶剤(b)を含有するインクジェット記録用油性インク組成物である。
【0016】
本発明のインクジェット記録用油性インク及びインクセットは、前記した、高分子化合物で表面処理されたカプセル型顔料を含有するインクジェット記録用油性インク組成物を溶剤中又はバインダー樹脂を溶解した溶剤中に必要に応じて各種添加剤とともに分散(混合)することで調製される。カプセル化処理は、有機溶剤中より水を主成分とする水系溶媒中で調製することが、カプセル化処理上、疎水性相互作用を有効に使える点で望ましい。
【0017】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物に用いるカプセル型顔料を形成する核剤としては、特に限定されるものではなく、公知慣用のカーボンブラック又は有機顔料がいずれも使用することが出来る。例えば、有機顔料では、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、インダンスレン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
【0018】
前記したカーボンブラック又は有機顔料に表面処理を施してカプセル型顔料化するための高分子化合物としては、数種類のモノエチレン性不飽和単量体の共重合体であり、かつ、酸価もしくはアミン価を有するような共重合体を使用することができる。
【0019】
共重合体に酸価を与えるモノエチレン性不飽和単量体としては、共重合可能な炭素−炭素二重結合とカルボン酸、リン酸、ホウ酸、スルホン酸などの遊離酸を生成する官能基とを同一分子内に持つような化合物を使用することができる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、3−スルホシキエチルアクリレート、3−スルホシキエチルメタクリレート、3−スルホキシプロピルアクリレート、3−スルホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホシキエチルモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホシキプロピルモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0020】
前記した共重合体の酸価は、30〜80(mgKOH/g)が好ましい。更に、30〜60(mgKOH)がより好ましい。酸価が高すぎる場合には、溶剤(油性)インクとして利用する場合には、粘度が高くなり過ぎて好ましくない。また、酸価が低過ぎる場合には、水系でカプセル処理する際に分散させることが難しくなり、好ましくない。ここで酸価とは、樹脂分1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を言う。
【0021】
共重合体にアミン価を与えるモノエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−アミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−アミノプロピル、アクリル酸2−(メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(メチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、等のアミノアルキル(メタ)アクリル酸類、(ジ)アルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、4−ブテニルピリジン、等のビニルピリジン類が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の総称として(メタ)アクリル酸と標記している。
【0022】
前記した共重合体のアミン価は、50〜100(mgHCl/g)が好ましい。更に50〜70(mgHCl)がより好ましい。アミン価が高過ぎる場合には、溶剤(油性)インクとして利用する場合には、粘度が高くなり過ぎて好ましくない。また、アミン価が低過ぎる場合には、水系でカプセル処理する際に分散させることが難しくなり、好ましくない。ここでアミン価とは、樹脂分1gを中和するのに必要な塩化水素のmg数を言う。
【0023】
カプセル型顔料化する高分子化合物としての共重合体として、酸価やアミン価を与える単量体と共に共重合可能なエチレン性不飽和単量体を使用することができる。共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
【0024】
本発明で用いる共重合体は、モノエチレン性不飽和単量体の重合単位のみの線状(リニアー)共重合体であっても、各種の架橋性を有するエチレン性不飽和単量体を極少量共重合させ、一部架橋した部分を含有する共重合体であっても良い。
【0025】
この様な架橋性を有するエチレン性不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0026】
本発明における共重合体の分子量としては特に制限されないが、例えば、皮膜形成性の観点から、重量平均分子量5,000〜100,000、中でも、低粘度で取り扱いが容易な点で、5,000〜20,000であることが好ましい。
【0027】
本発明においては、用いる各単量体の反応率等は略同一と考えて、各単量体の仕込み割合を、各単量体の重合単位の質量換算の含有割合と見なすものとする。本発明における共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の種々の反応方法によって合成することが出来る。この際には、公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を併用することも出来る。
【0028】
共重合体を中和する物質としては、公知慣用のものがいずれも使用出来、例えばアニオン性共重合体の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアの様な無機塩基性物質や、トリエチルアミン、アルカノールアミンの様な有機塩基性物質を用いることが出来る。カチオン性共重合体の場合、塩酸、硫酸等の無機酸、クロロ酢酸、ニトロ酢酸等のカルボン酸が挙げられる。勿論、これら共重合体を中和するための物質は、水溶液の状態で使用することもできる。
【0029】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物に用いるカプセル型顔料の製造方法は、例えば下記する様な(1)〜(7)の方法に基づき実施することが出来る。
(1)上記有機高分子化合物を含む水性エマルジョンに顔料を機械的に強制分散し架橋する水性顔料分散体の製造方法。
(2)顔料の存在下の水中で分散剤を用いて上記した各単量体を重合させ架橋させ、必要に応じて会合させる水性顔料分散体の製造方法。
(3)顔料と上記有機高分子化合物と有機溶剤の混合物を、水と塩基性物質を用いて徐徐に油相から水相に転相させてから脱溶剤して、顔料が有機高分子化合物で被覆されたカプセル型顔料とする、同複合粒子を含む水性顔料分散体の製造方法。
(4)顔料と上記有機高分子化合物と塩基性物質と有機溶剤と水との均一混合物から脱溶剤して、酸を加えて酸析し析出物を洗浄後、この析出物を塩基性物質と共に水性媒体に分散させる、顔料が有機高分子化合物で被覆されたカプセル型顔料とする、同顔料を含む水性顔料分散体の製造方法。
(5)顔料と上記有機高分子化合物と塩基性物質と有機溶剤と水との均一混合物から脱溶剤して、酸を加えて酸析し析出物を洗浄後、この析出物を乾燥粉砕して、顔料が有機高分子化合物で被覆されたカプセル型顔料の製造方法。
(6)前記(1)〜(4)の水性顔料分散体を乾燥し水を除去した後、粉砕乾燥したカプセル型顔料の製造方法。
(7)前記(1)〜(4)の水性顔料分散体を水可溶性の有機溶剤に混合攪拌した後、水を蒸留留去することで溶剤にカプセル型顔料が分散した顔料分散体の製造方法。
【0030】
上記の(5)、(6)にある粉状カプセル型顔料を得る工程における乾燥方法は、加熱乾燥、真空乾燥、液膜乾燥法、凍結乾燥など公知方法を利用することができる。中でも樹脂の融着を抑制する真空乾燥、凍結乾燥などは好ましい。また、乾燥凝集を抑制するスプレードライ法も利用することができる。
【0031】
本発明では、上記いずれのカプセル型顔料の製造方法をとるにせよ、顔料、有機高分子化合物、有機高分子化合物を中和する物質および水からなる混合物を分散する工程を含ませることが好ましい。この混合物には水溶性有機溶剤を含めるのが好ましい。より具体的には、少なくとも顔料、有機高分子化合物、有機高分子化合物を中和する物質、水溶性有機溶剤および水からなる混合物を分散する工程(分散工程)を含ませることが好ましい。
【0032】
水系で処理した粉状(又は液状)のカプセル型顔料を、溶剤中に分散(混合)する方法は、直接溶剤に顔料を、分散剤を用いて分散する方法に比べて、次のような利点を有している。(1)粘度を低粘度にすることができる。(2)より多くのイオン性の官能基を持つ高分子化合物で顔料表面を修飾することができる。(3)溶剤中での分散時間を短縮することができる。
【0033】
また、分散工程において水溶性有機溶剤を併用することができ、それにより分散工程における液粘度を低下させることができる場合がある。水溶性有機溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素原子数が3〜6のケトンおよび炭素原子数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。これらの水溶性有機溶剤は有機高分子化合物溶液として用いられても良く、別途独立に分散混合物中に加えられても良い。
【0034】
前記した水性顔料分散体の製造方法においては、顔料/有機高分子化合物=100/10〜100/100とするのが好ましい。最適には、質量換算で顔料100部当たり、有機高分子化合物の不揮発分10〜65部かつ水性媒体835〜890部となる様に、上記した原料を用いて製造することが出来る。
【0035】
分散工程において用いることのできる分散装置として、既に公知の種々の方式による装置が使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、スチール、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌による剪断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する力を利用する方式等の分散方式を採ることができる。
【0036】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物に用いるカプセル型顔料は、分散到達レベル、分散所要時間および分散安定性の全ての面で、より優れた特性を発揮させるに当たっては、顔料が有機高分子化合物で被覆された粒子(即ち前記したカプセル型顔料)という形態で水性媒体中に分散していることが好ましい。
【0037】
このような状態を形成するため、顔料が有機高分子化合物を含有する液媒体中に分散している状態において、前記の分散工程の後工程として、溶解状態にある有機高分子化合物で顔料表面を被覆する工程とこの高分子化合物の架橋工程を組み込むことが好ましい。
【0038】
溶解状態にある有機高分子化合物を顔料表面に被覆させる工程としては、アルカリ性(酸性)水溶液に溶解している有機高分子化合物を、溶液を酸性化(アルカリ性化)することにより析出させる工程が好ましい。この工程により、顔料表面で樹脂を析出させることで、顔料と有機高分子化合物との相互作用を高めることができる。
【0039】
濾過工程の例には、前述した樹脂析出工程後の固形分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、加圧濾過装置等により濾過する工程等がある。再分散工程の例には、樹脂析出工程、濾過工程によって得られた固形分に塩基性(カチオン性樹脂の場合は、酸性)物質及び必要により水や添加物を加えて再び分散液とする工程がある。それにより有機高分子化合物中のイオン性官能基の対イオンを分散工程で用いたものから変更することができる。
【0040】
この結果、前記した様なカプセル型顔料が水性分散媒中に分散している形態を取らせることができ、水性分散体として、分散到達レベルや分散安定性等の物性面や耐溶剤性等の使用適性の面で、より優れた特性を発揮させることができる。
【0041】
カプセル型顔料は、水分散体として水溶性の有機溶剤に混合する方法で、溶剤型の分散体を作成することも可能である。更には前述のような乾燥方法を用いて水分を除去し、粉砕することで粉状のカプセル型顔料を得ることもできる。この際には、前述の濾過工程で得た固形分を乾燥する方法を用いるとカプセル表面の樹脂のイオン性官能基がイオン対になっていない状態(例えば、カルボン酸、アミンなど)のカプセル型顔料を得ることができる。
【0042】
以上のようにして得た粉状(又は液状)のカプセル型顔料を、有機溶剤に分散(混合)して、本発明のインクジェット用油性インク組成物を得られる。使用できる有機溶剤としては、非極性な溶剤として、長鎖脂肪酸エステル、植物油エステル類、高級脂肪酸、植物油、炭化水素類、高級アルコール類などが挙げられる。極性の高い溶剤として、低級アルコール、グリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類、低級アルコールエステル、ピロリドン類などが挙げられる。水分散体を液状で混合する場合には、極性が高く、水を可溶化することが出来る溶剤を使用することが望ましい。インクジェットで使用する場合には、ヘッドオリフィスでの乾燥を抑制するために高沸点であることが望ましい。また、非極性溶剤に分散する際には、水を除去した粉状のマイクロカプセル型複合粒子を使用するのが望ましい。これら溶剤にカプセル型顔料を分散(混合)する場合に、分散剤を併用することも可能である。
【0043】
非極性な溶剤としては、例えば、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸イソブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、アマニ油ブチル、大豆油、アマニ油、ひまし油、新日本石油社製「日石ナフテゾールH、0号ソルベントH、アイソゾール300、アイソゾール400、AF−5、AF−6、AF−7」、エクソンモービル社製「Exxol D80、Exxol D110、Exxol D130、Exxol D140」(いずれも商品名)、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
【0044】
極性の高い溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、キシリトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、イソプロピルアセテート、ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
【0045】
上記の溶剤は、単独または混合溶剤として利用することができる。混合溶剤とすることで、後述のバインダー樹脂やその他添加物の溶解度、溶剤の蒸発速度、印刷される被記録媒体への適性(インクの定着性、ドットの広がり)をコントロールすることができる。
【0046】
単独または混合して使用される溶剤は、インクジェット記録用油性インクとして、インクジェット吐出が可能となる粘度(20mPa・s以下)にするため、極力低粘度であることが好ましい。具体的には、20℃における粘度が1.5〜10mPa・sである単独または混合溶媒を用いることが好ましい。単独または混合で使用される溶剤の粘度が、高すぎる場合、顔料、バインダー樹脂等を添加することが困難になり、インクジェット記録用油性インクを作成することが困難に成る、または、添加量としてわずかしか添加できなくなり、インク設計上不利である。
【0047】
このようにして得たインクジェット記録用油性インク組成物に、必要に応じてバインダー樹脂を加えることは記録物の定着性を保つために好ましい。バインダー樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが利用可能であるが、使用する溶剤に不溶性の樹脂ではヘッドオリフィスで目詰まりを起こすため、使用することが難しい。
【0048】
このようにして得られた有機溶剤中にカプセル型顔料が分散しているインクジェット記録用油性インク組成物に、必要に応じて、界面活性剤、ぬれ剤などの添加剤を加え、最終的に質量換算で顔料分3〜15%に調整して、インクジェット記録用油性インクを得る。また、得られたインクジェット記録用油性インクは、必要に応じて、超遠心分離やミクロフィルターによる濾過を行うことにより、粗大粒子の除去、分散粒子の粒子径分布の調整が出来、ノズル目詰まり等を極めて少なくすることが出来る。
【0049】
得られたインクジェット記録用油性インク組成物中の顔料分10質量%のときの20℃における粘度が3〜13mPa・sであることが好ましい。インクジェット記録用油性インク組成物の顔料分が低いと、インクジェット記録用油性インクを作成する際に、インク溶剤を追加する、バインダー樹脂を添加する、界面活性剤等の添加剤を添加するなどの調整を実施することが難しい。また、インクジェット記録用油性インク組成物の粘度が高くても、種々の添加剤等(溶剤、バインダー樹脂、界面活性剤等)を加えて、インクジェット吐出可能な粘度のインクジェット記録用油性インクを得ることは難しい。上記のインクジェット記録用油性インク組成物の顔料分10質量%は、20℃の粘度を測定する際の顔料分である。インクジェット記録用油性インク組成物としては、より高い顔料分が、種々の添加剤を添加して調整することが容易であり、好ましい。インクジェット記録用油性インクの顔料分としては、10〜30質量%が好ましく、更には10〜20質量%がインクジェット記録用油性インク組成物の取り扱いが容易となることから、より好ましい。
【0050】
界面活性剤としては、HLBが8〜17程度の材料が利用可能である。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキサイドモノアルキルエーテルモノ燐酸エステル、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
【0051】
本発明のインクジェット記録用油性インクは、そのインク色数の点で特に限定されるものではなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)からなる群から選ばれる少なくとも1色の油性インクである。1色でもよいし、2色以上でもよい。
【0052】
本発明において被記録媒体上にインクジェット記録を行うことで、着色画像が被記録媒体上に形成された記録物を得ることが出来る。
【0053】
本発明のインクジェット記録用油性インクセットは、公知慣用の被記録媒体へのインクジェット記録方法に使用することが出来る。この際の被記録媒体としては、例えば、PPC紙の様な普通紙、写真用紙(光沢)、写真用紙(絹目調)等の様なインクジェット記録用専用紙、オフセット印刷に使用される塗工紙、または、OHPフィルムの様な合成樹脂フィルムが挙げられる。なかでも本発明のインクジェット記録用油性インクセットは、インクジェット記録用専用紙、オフセット印刷に使用される塗工紙における発色性の向上に効果的である。
【0054】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク及びインクセットは、カーボンブラック又は有機顔料(a)が高分子化合物によって表面処理されたカプセル型顔料を使用することで、従来の分散剤による分散体を使うインクと比較し、インク中の不揮発分に占める顔料が、より高い顔料分において、低粘度化を図ることが出来るという格別顕著な効果を奏する。その結果、本発明は、該インクジェット記録用油性インクを、加熱機構を有さないインクジェットプリンターヘッドから吐出させるインクジェット記録方法を提供することができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、いずれも質量基準である。
【0056】
<合成例1>
攪拌装置、滴下装置、温度センサー、および上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟産業(株)製)の反応容器にMEK(2−ブタノン) 1000部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置よりメタクリル酸2−ヒドロキシエチル 150部、スチレン 200部、メタクリル酸 92.1部、メタクリル酸ブチル 370.1部、アクリル酸ブチル 157.8部、メタクリル酸グリシジル 30.0部、ブレンマーTGL(重合度調整剤) 40.0部およびパーブチル(登録商標)O(重合開始剤。いずれも日本油脂(株)製) 100.0部の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに同温度で7時間反応を継続させて、酸価60、重量平均分子量5,900、不揮発分46.32%の共重合体のMEK溶液を得た。
【0057】
<調製例1>
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、合成例1で得た共重合体263部、25%水酸化カリウム水溶液30部、水及びカーボンブラック Raven(登録商標)1255(コロンビア・カーボン日本(株)製)〕250部、水1064部を仕込み、攪拌、混合した。ここでそれぞれの仕込み量は、共重合体は顔料に対して不揮発分で50%の比率となる量、25%水酸化カリウム水溶液はスチレン−アクリル系共重合体の酸価が100%中和される量である。
【0058】
混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置〔SCミル SC100/32型、三井鉱山(株)製〕に通し、循環方式により4時間分散した。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれる様にした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水10,000部で混合槽及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。希釈分散液をガラス製蒸留装置に入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を常圧蒸留で除いた。
【0059】
メチルエチルケトンの除かれた分散液を冷却し、その後、攪拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整したのち、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを容器に採り、50℃、<0.01mmHgの条件下真空乾燥した。得られた固形物を乳鉢で粉砕して、カプセル型顔料(1)を得た。
【0060】
<調製例2>
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、合成例1で得た共重合体142部、25%水酸化カリウム水溶液18部、水及びFastogen(登録商標) Blue TGR〔大日本インキ化学工業(株)製〕250部、メチルエチルケトン58部、水905部を仕込み、攪拌、混合した。ここでそれぞれの仕込量は、共重合体は顔料に対して不揮発分で30%の比率となる量、25%水酸化カリウム水溶液はスチレン−アクリル系共重合体の酸価が100%中和される量である。
【0061】
混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置〔SCミル SC100/32型、三井鉱山(株)製〕に通し、循環方式により4時間分散した。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれる様にした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水10,000部で混合槽及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。希釈分散液をガラス製蒸留装置に入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を常圧蒸留で除いた。
【0062】
メチルエチルケトンの除かれた分散液を冷却し、その後、攪拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整したのち、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを容器に採り、50℃、<0.01mmHgの条件下真空乾燥した。得られた固形物を乳鉢で粉砕して、カプセル型顔料(2)を得た。
【0063】
(実施例1)
上記調製例1にて調製したカプセル型顔料(1)を30部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル170部、直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を混合し、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間混合した。ジルコニアビーズをシートメッシュ(200メッシュ)により取り除き、インクジェット記録用油性インク(1)を得た。
【0064】
(実施例2)
上記調製例1にて調製したカプセル型顔料(2)を11.2部、大豆油メチルを73.4部、SOLSPERSE(登録商標)13940(日本ループリゾール(株)製)を5.8部、Disperbyk(登録商標)2100(ビックケミー・ジャパン(株)製)を1.0部、ファインオキソコール(登録商標)140−N(日産化学工業(株)製)4.8部、直径0.5mmのジルコニアビーズ96部を混合し、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間混合した。ジルコニアビーズをシートメッシュ(200メッシュ)により取り除き、インクジェット記録用油性インク組成物を得た。
【0065】
以上のようにして得たインクジェット記録用油性インク組成物 84.3部に大豆油メチル21.1部で希釈し、インクジェット記録用油性インク(2)を得た。
【0066】
(比較例1)
カーボンブラック Raven(登録商標)1255(コロンビア・カーボン日本(株)製)20部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル170部、Disperbyk(登録商標)111(ビックケミー・ジャパン(株)製)を10部、直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を混合し、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間混合した。ジルコニアビーズをシートメッシュ(200メッシュ)により取り除き、インクジェット記録用油性インク(3)を得た。
【0067】
(比較例2)
カーボンブラック Raven(登録商標)1255(コロンビア・カーボン日本(株)製)20部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル170部、Disperbyk(登録商標)116(ビックケミー・ジャパン(株)製)を10部、直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を混合し、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間混合した。ジルコニアビーズをシートメッシュ(200メッシュ)により取り除き、インクジェット記録用油性インク(4)を得た。
【0068】
(比較例3)
カーボンブラック Raven(登録商標)1255(コロンビア・カーボン日本(株)製)20部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル170部、Disperbyk(登録商標)185(ビックケミー・ジャパン(株)製)を10部、直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を混合し、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)で1時間混合した。ジルコニアビーズをシートメッシュ(200メッシュ)により取り除き、インクジェット記録用油性インク(5)を得た。
【0069】
上記のSOLSPERSE(登録商標)13940は櫛型ポリアミン系顔料分散剤、Disperbyk(登録商標)2100(ビックケミー・ジャパン(株)製)は顔料シナジスト、Disperbyk(登録商標)111(ビックケミー・ジャパン(株)製)は顔料分散剤で酸基を含む共重合物、Disperbyk(登録商標)116(ビックケミー・ジャパン(株)製)は顔料分散剤で顔料に親和性のあるアクリル系共重合物、Disperbyk(登録商標)185(ビックケミー・ジャパン(株)製)は顔料分散剤で顔料に親和性のあるブロック共重合物、ファインオキソコール(登録商標)140−N(日産化学工業(株)製)は分岐高級アルコール溶剤でイソミリスチルアルコールである。また、以下のDPMはジプロピレングリコールモノメチルエーテルを示している。
【0070】
【表1】

【0071】
体積平均粒子径はレーザードップラ式粒度分析計マイクロトラック(UPA150型、リーズ&ノースロップ社製)で測定した。粘度はR型粘度計(R−500型、東機産業(株)製)を用い回転数60rpmで測定した。
【0072】
実施例1と比較例1〜3との対比からわかる通り、アクリル系のカプセル樹脂で処理されたカプセル型顔料と、アクリル系の顔料分散剤での分散とでは、カプセル型顔料形状を取る実施例の方が低粘度になっていることがわかる。また、溶剤を非極性にした場合でも、カプセル型顔料は使用できる(実施例2)。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のインクジェット記録用油性インク組成物を含有するインクジェット記録用油性インク及びインクセットは、従来の分散剤による分散体を使うインクと比較し、インク中に占める顔料が、より高い顔料分においても、低粘度化を図ることが出来る。そのため加熱機構の無いプリンターヘッドでの使用の可能性も含め、各種ジェットインク記録に広く適用が可能である。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料(a)と、有機溶剤(b)を含有するインクジェット記録用油性インク組成物において、顔料(a)が高分子化合物によって表面処理されたカプセル型顔料であることを特徴とするインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項2】
前記したカプセル型顔料(a)が、水媒体中で、高分子化合物で表面処理されたカプセル型顔料である請求項1記載のインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項3】
前記した高分子化合物が、酸価30〜60の(メタ)アクリル酸系共重合物である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項4】
前記したカプセル型顔料の含有量が10質量%に調製されたインクジェット記録用油性インク組成物の20℃における粘度が、3〜13mPa・sである請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項5】
前記した有機溶剤(b)の20℃における粘度が、1.5〜10mPa・sである請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項6】
前記した有機溶剤(b)が、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルを含有する請求項1〜請求項5の何れかに記載のインクジェット記録用油性インク組成物。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のインクジェット記録用油性インク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用油性インク。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載のインクジェット記録用油性インク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用油性インクセット。
【請求項9】
請求項7に記載のインクジェット記録用油性インクを、加熱機構を有さないインクジェットプリンターヘッドから吐出させることを特徴とするインクジェット記録方法。




【公開番号】特開2007−314651(P2007−314651A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145172(P2006−145172)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】