説明

インクジェット記録装置

【課題】液滴量が多いインクと微少なインクとをともに吐出する画像記録において、液滴量が微少なインクをも確実に硬化させることが可能であり、インクに照射する紫外線の光量を低減可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】紫外線硬化型のインクを基材Sに吐出し、紫外線の照射によりインクを硬化させて基材S上に画像を記録するインクジェット記録装置1において、設定された閾値以下の液滴量のインクを吐出可能な第一記録ヘッド41と、閾値よりも多い液滴量のインクを吐出する第二記録ヘッド42と、基材Sに着弾したインクに紫外線を照射する紫外線照射装置5と、を備え、第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾したインクよりも、第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾したインクの方が紫外線照射装置5による紫外線の照射タイミングが早くなるように各記録ヘッド41、42および紫外線照射装置5を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、基材に吐出された紫外線硬化型のインクに紫外線を照射して画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙や布帛等の通常の基材のみならず、樹脂フィルムや金属類等のインク吸収性の乏しい基材に対しても画像を記録することができる画像記録装置として、記録ヘッドの一端面に設けられたノズルからインクを吐出して基材上に着弾させるインクジェット記録装置が開発され、現在、その技術は種々の技術分野で応用されている。
【0003】
中でも、基材上に着弾したインクに対して紫外線を照射して硬化させて定着させる紫外線硬化型のインクジェット記録装置は、高精細な画像を簡易に得ることができる記録装置として盛んに開発が進められている。高精細な画像を記録するためには、記録ヘッドから基材上に吐出されるインクの液滴量が微量となり、特許文献1、2等に記載されているようにpl(ピコリットル)オーダーの液滴量のインクを吐出することが求められている。
【0004】
また、記録される画像の階調表現を豊かにすることが要請されることも多く、このような要請に応えるものとして、例えば記録ヘッドから吐出されるインクの1滴あたりの液滴量を種々変えることが可能なインクジェット記録装置が開発されている(例えば特許文献1等参照)。例えば、マルチドロップ方式のインクジェット記録装置では、各ノズルから例えば2[pl]や4[pl]のインクを吐出したり、記録ヘッドから吐出されたそれらのインクを空中で合体させるなどして、基材上に着弾するインクの1滴あたりの液滴量を2、4、8、16、32[pl]等に変えることができるようになっている。
【特許文献1】特開2006−346919号公報
【特許文献2】特開2005−89552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像記録に用いられるインクとしては、一般的に、カチオン重合系のインクやラジカル重合系のインクが用いられるが、いずれのインクにおいても、インクの液滴量が微少であると、基材上に着弾した当該インクに紫外線を照射しても十分に硬化しない場合がある。これは、インクが基材上で広がるとインクの体積に対する表面積の割合が大きくなり、周囲の環境の影響を受け易くなるが、液滴量が微少なインクの場合、液滴量が多いインクよりももともと体積に対する表面積の割合が大きいため、より周囲の環境の影響を受け易くなるためと考えられる。
【0006】
つまり、カチオン重合系のインクの場合には、周囲の温度や湿度に応じてインクの粘度が変化したりインク中から水分が蒸発しまたは周囲の水分がインク中に吸収されるなどしてインクの硬化特性が変化する。例えば、周囲の環境が高温の状態であるとインクの粘度が低下して紫外線を照射されても十分に硬化しなくなり、また、周囲の環境が高湿の状態ではインクが周囲の水分を吸収して紫外線を照射されても十分に硬化しなくなる。特に、液滴量が微少なインクではその影響が顕著となり、液滴量が多いインクが硬化する程度の光量の紫外線を照射しても十分に硬化しない場合が生じる。
【0007】
また、ラジカル重合系のインクの場合には、特許文献2に記載されているように空気中の酸素によってインクのラジカル重合反応が阻害され易いという特性があるが、もともと体積に対する表面積の割合が大きい液滴量が微少なインクが基材に着弾して基材上で広がってさらに体積に対する表面積の割合が増加すると、微少な体積に対して大きな表面積を介して酸素がインク内に入り込み、単位体積あたりの混入酸素量が増大してラジカル重合反応が阻害される。そのため、液滴量が微少なインクに、液滴量が多いインクが硬化する程度の光量の紫外線を照射しても十分に硬化しない場合が生じる。
【0008】
図6は、本願発明者が行った実験結果の一例を表すグラフであり、ラジカル重合系のインクを用い、着弾したインクが基材S上で十分に広がった状態で硬化させる場合のインクの液滴量とインクを硬化させるために必要な最低限の紫外線の光量、すなわち硬化光量との関係を表すグラフである。なお、同図において、●は紫外線照射装置5の光源として約365nmの波長の紫外線を照射するLEDを用いた場合の値を表し、◆は約365nmにピーク波長を有するブロードな波長の紫外線を照射する高圧水銀灯を用いた場合の値を表している。また、図6で、同量のインクに対する硬化光量がLEDよりも高圧水銀灯で小さくなっているのは、高圧水銀灯からの照射光に含まれる紫外線以外の波長の光の影響や、高圧水銀灯から発せられる熱によるインクの温度の上昇の影響等によるものと考えられる。
【0009】
図6に示された結果は、前述のラジカル重合系インクの酸素による重合阻害を定量的に示すものと考えられる。しかも、同図に示されるように、光源がLEDの場合も高圧水源灯の場合もインクの液滴量が8、16、32[pl]の場合の硬化光量に比べて液滴量が4[pl]の場合の硬化光量が急激に大きくなっている。このように、本願発明者は、インクの液滴量を減少させていくと、ある液滴量でそれより多い液滴量の場合よりも硬化光量が急激に大きくなる液滴量が存在するという知見を得た。
【0010】
また、グラフでは示されていないが、液滴量が2[pl]の場合には硬化光量が4[pl]の場合と同程度或いはさらに大きくなることも分かっている。また、実験条件によっては液滴量が8[pl]の場合に硬化光量が16[pl]や32[pl]の場合よりも急激に大きくなる場合があることも確認されている。
【0011】
このように、液滴量が微少なインクを確実に硬化させるためには、図6に示したような液滴量が微少なインクの硬化に必要な大きな光量の紫外線を常時照射して、液滴量が微少のインクと液滴量が多いインクとをともに硬化させることが考えられる。しかし、それでは紫外線照射装置で消費される電力量が非常に大きくなってしまう。
【0012】
そこで、本発明は、上記の知見に基づいて、液滴量が多いインクと微少なインクとをともに吐出する画像記録において、液滴量が微少なインクをも確実に硬化させることが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。また、本発明は、インクに照射する紫外線の光量を低減可能なインクジェット記録装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の問題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、
紫外線硬化型のインクを基材に吐出し、紫外線の照射によりインクを硬化させて基材上に画像を記録するインクジェット記録装置において、
設定された閾値以下の液滴量のインクを吐出可能な第一記録ヘッドと、
前記閾値よりも多い液滴量のインクを吐出する第二記録ヘッドと、
基材に着弾したインクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備え、
前記第二記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクよりも、前記第一記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクの方が前記紫外線照射装置による紫外線の照射タイミングが早くなるように前記各記録ヘッドおよび前記紫外線照射装置を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のインクジェット記録装置によれば、基材上に着弾した閾値以下の液滴量のインクが基材上で広がらず、インクの体積に対する表面積の割合が拡大しないうちに紫外線を照射してインクを硬化させることが可能となる。そのため、閾値以下の液滴量のインクが周囲の環境の影響をさほど受けないうちに紫外線を照射するため、より小さい光量の紫外線の照射で閾値以下のインクを確実に硬化させることが可能となる。また、照射すべき紫外線の光量を低減することが可能となるため、紫外線照射装置により消費される電力量をより少なく抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1は、図1に示すように、略水平に配設されたプラテン2上を基材Sが図中矢印Zで示される搬送方向に搬送されるように構成されている。プラテン2の搬送方向Zの上流側および下流側には、基材Sを搬送するための搬送ローラ3がそれぞれ配設されており、搬送ローラ3は図示しない搬送モータ等を備える搬送装置により回転駆動されるようになっている。基材Sは、搬送ローラ3の回転に伴って一定速度でプラテン2上を搬送されるようになっている。
【0017】
プラテン2の上方には、紫外線硬化型のインクを吐出する複数の記録ヘッド4が基材Sの搬送方向Zに直交する方向に延在するように平行に並設されている。本実施形態では、2本の記録ヘッド4が並設されており、2本の記録ヘッド4からは例えばブラック(K)等の同一色のインクが吐出されるようになっている。なお、本実施形態は吐出されるインクの色がブラック(K)である場合に限定されない。また、インクとしては、ラジカル重合系のインクやカチオン重合系のいずれのインクも使用可能である。
【0018】
各記録ヘッド4には、図2に示すように、その底面すなわち基材Sに対向する側の面に複数のノズル4aが設けられている。各ノズル4aは、それぞれその内部に形成された図示しないインク溜めにインクが貯蔵されるようになっており、図示しない圧電素子が変形されてインク溜めの内部が加圧されることで各ノズル4aからインクが吐出されるようになっている。
【0019】
2本の記録ヘッド4のうち、基材Sの搬送方向Zの下流側の第一記録ヘッド41は、微少量の液滴量に設定された閾値以下の液滴量のインクを吐出することができるように構成されている。
【0020】
第一記録ヘッド41から吐出されるインクの液滴量の閾値は、図6に示したように、インクの液滴量を減少させていった場合に硬化光量が急激に大きくなる液滴量に設定される。すなわち、同図の場合には、液滴量の閾値は4[pl]に設定される。
【0021】
本願発明者が行った実験によれば、設定すべき液滴量の閾値は、インクジェット記録装置1における基材Sのインク吸収性等の材質やその搬送速度、インクの硬化感度や粘度等の性質や組成、後述する紫外線照射装置5の光源から照射する紫外線の光量、インクを吐出する記録ヘッド4周囲の温度や湿度等の環境等の種々の条件に応じて変わり得ることが分かっている。
【0022】
しかし、図6にも例示されているように、インクがラジカル重合系のインクであってもカチオン重合系のインクであっても、大抵の場合、閾値は4[pl]に設定すればよいことが分かっている。また、基材SとしてPET(polyethylene terephthalate)シート等のインクが広がり易い材質のものを用い、高温、高湿の環境下で画像記録が行われるような特殊な環境下では、液滴量が8[pl]でも紫外線の光量を増加させないと硬化しない場合があり、そのような場合には、閾値は8[pl]に設定される。
【0023】
本実施形態では、第一記録ヘッド41は、各ノズル4aからそれぞれ4[pl]のインクを吐出して、基材S上に4、8、16[pl]等の液滴量のインクを着弾させることができるマルチドロップ方式の記録ヘッドとされている。なお、第一記録ヘッド41を各ノズル4aからそれぞれ2[pl]のインクを吐出するマルチドロップ方式の記録ヘッドで構成することも可能であり、また、液滴量を変化させず、4[pl]等の前記閾値以下の一定の液滴量のインクのみを吐出する記録ヘッドとすることも可能である。
【0024】
一方、図1に示すように、2本の記録ヘッド4のうち、基材Sの搬送方向Zの上流側の第二記録ヘッド42は、設定された前記閾値よりも多い液滴量のインクを吐出するように構成されている。本実施形態では、第二記録ヘッド42は各ノズル4aからそれぞれ16[pl]のインクを吐出するように構成されているが、閾値が4[pl]に設定されている場合には、第二記録ヘッド42から8[pl]のインクを吐出するように構成することも可能である。また、第二記録ヘッド42をマルチドロップ方式の記録ヘッドで構成することも可能である。
【0025】
なお、図1では、第一記録ヘッド41や第二記録ヘッド42がそれぞれ1本の記録ヘッドで構成される場合を示したが、記録ヘッド4の構成はこれに限定されず、例えば、図3に示すように、第一、第二記録ヘッド41、42を、それぞれ複数の単位ヘッド411、412、413、421、422、423を千鳥状に配置して構成することも可能である。
【0026】
図1や図2に示すように、記録ヘッド4(41、42)の基材Sの搬送方向Zの下流側には、紫外線照射装置5が設けられている。本実施形態では、図2に示すように、紫外線照射装置5は、その底面すなわち基材Sに対向する側に複数のLED(Light Emitting Diode)5aを備えており、各LEDを点灯させて第一記録ヘッド41や第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾したインクに対して紫外線を照射するようになっている。なお、紫外線照射装置5の光源はLED5aに限定されず、この他にも、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ブラックライト、冷陰極管、半導体レーザ等を適宜選択して用いることができる。
【0027】
また、図3に示したように、第一記録ヘッド41や第二記録ヘッド42を、それぞれ複数の単位ヘッド411、412、413、421、422、423を千鳥状に配置して構成する場合には、紫外線照射装置5もそれにあわせて複数の照射装置51、52、53を千鳥状に配置して構成することが好ましい。
【0028】
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置1の作用について説明する。
【0029】
図1に示したように、基材Sがプラテン2上を搬送方向Zに搬送されると、まず、第二記録ヘッド42のノズル4aから閾値よりも多い液滴量(本実施形態では16[pl])のインクが吐出されて基材S上に着弾する。基材S上に着弾したインクは、基材Sの搬送にあわせて紫外線照射装置5の下方に搬送されて紫外線の照射を受けるまで基材S上で広がる。
【0030】
さらに基材Sが搬送されると、続いて第一記録ヘッド41のノズル4aから閾値以下の液滴量のインクが吐出され、基材S上に着弾する。第一記録ヘッド41から吐出され基材S上に着弾したインクも、紫外線照射装置5の下方に搬送されて紫外線の照射を受けるまでの間、基材S上で広がる。
【0031】
しかし、図1に示したように、第一記録ヘッド41は第二記録ヘッド42より基材Sの搬送方向Zの下流側に設けられ、第一記録ヘッド41と紫外線照射装置5との距離L1が第二記録ヘッド42と紫外線照射装置5との距離L2より短いため、第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾した閾値以下の液滴量のインクの方が、第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾した閾値より多い液滴量のインクよりも、着弾してから紫外線を照射されるまでの紫外線の照射タイミングが早くなる。
【0032】
そのため、第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾した閾値以下の液滴量のインクが紫外線の照射を受けるまでの基材S上での広がりの度合を、第二記録ヘッド42から吐出された閾値より多い液滴量のインクの広がりの度合よりも小さく抑えることができ、インクの体積に対する表面積の割合が拡大しないうちに紫外線を照射してインクを硬化させることが可能となる。
【0033】
そして、閾値以下の液滴量のインクの体積に対する表面積の割合が拡大しなければ、インクは周囲の環境の影響をさほど受けないため、より小さい光量の紫外線の照射でインクを硬化させることが可能となる。すなわち、例えば前述した図6の例で言えば、閾値以下の液滴量である4[pl]のインクを硬化させるためには、同図のように350[mJ/cm]を越える光量(光源が高圧水銀灯の場合は150[mJ/cm]を越える光量)の紫外線を照射しなくても十分に硬化させることが可能となる。
【0034】
第一記録ヘッド41と紫外線照射装置5との距離L1を十分に短く設定すれば、閾値以下の液滴量のインクに紫外線を照射する照射タイミングを非常に早くすることが可能となり、閾値より多い液滴量の8[pl]や16[pl]等のインクの硬化光量である約230[mJ/cm](光源が高圧水銀灯の場合は約120[mJ/cm])の光量の紫外線を照射して、閾値以下の液滴量のインクを十分に硬化させることも可能となる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1によれば、第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾したインクよりも、第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾したインクの方が、紫外線照射装置5による紫外線の照射タイミングが早くなるように構成した。
【0036】
それにより、基材S上に着弾した閾値以下の液滴量のインクが基材S上で広がらず、インクの体積に対する表面積の割合が拡大しないうちに紫外線を照射してインクを硬化させることが可能となる。そのため、閾値以下の液滴量のインクが周囲の環境の影響をさほど受けないうちに紫外線を照射するため、より小さい光量の紫外線の照射で閾値以下のインクを確実に硬化させることが可能となる。
【0037】
また、照射すべき紫外線の光量を低減することが可能となるため、紫外線照射装置により消費される電力量をより少なく抑えることが可能となる。
【0038】
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、同一色のインクを用いて、紫外線照射装置5に近い位置に配置された第一記録ヘッド41から閾値以下の液滴量のインクを吐出可能とし、紫外線照射装置5から遠い位置に配置された第二記録ヘッド42から閾値より多い液滴量のインクを吐出する場合について説明した。
【0039】
第2の実施形態では、基材S上にカラー画像を記録する場合のように、複数種類のインク、すなわち例えばイエロー(Y)やマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のプロセスカラーのインクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置について説明する。
【0040】
なお、複数種類のインクとして、上記のプロセスカラーの場合のほか、例えば、ライトマゼンタ(LM)やライトシアン(LC)等の濃淡インク、オレンジやバイオレット等の特色インク、ホワイト(W)や透明インク(CL)等の背景画像用インク等を用いることも可能である。また、以下では、本実施形態に係るインクジェット記録装置のうち、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1における部材と同様の機能を有する部材については同じ符号を付して説明する。
【0041】
図4に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置10は、基材Sを載置するプラテン2や基材Sを搬送するための搬送ローラ3等を備え、プラテン2の上方に記録ヘッド4や紫外線照射装置5を備える点では、前述した第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と同様である。
【0042】
また、記録ヘッド4のうち、前述した閾値以下の液滴量のインクを吐出可能な第一記録ヘッド41が基材Sの搬送方向Zの下流側すなわち紫外線照射装置5に近い側に設けられ、閾値より多い液滴量のインクを吐出する第二記録ヘッド42が基材Sの搬送方向Zの上流側すなわち紫外線照射装置5から遠い側に設けられる点でも第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と同様である。
【0043】
従って、本実施形態においても、複数の第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾したインクの方が、第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾したインクよりも照射タイミングが早くなる。
【0044】
本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、さらに、各種のインクの硬化感度に着目し、少なくとも複数の第一記録ヘッド41の間では、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど照射タイミングが早くなるように配置されるようになっている。具体的には、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど基材Sの搬送方向Zの下流側に配置され、紫外線照射装置5により近い位置に配置されるようになっている。
【0045】
これは、前述したようにインクが基材S上に着弾して広がるとインクの体積に対する表面積の割合が大きくなり、周囲の環境の影響を受けて硬化し難くなるが、硬化感度が低いインクをより紫外線照射装置5に近い側で吐出させることで、周囲の環境の影響をさほど受けないうちに紫外線を照射して硬化させるためである。このようにすれば、もともと硬化感度が低いインクをも的確に硬化させることが可能となる。
【0046】
インクの硬化感度は、その組成等によりインクごとに異なるが、一般的なプロセスカラーでは、マゼンタ(M)やシアン(C)では高くブラック(K)では低い傾向がある。本実施形態では、マゼンタ(M)のインクの硬化感度が最も高く、次いでシアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順である場合について説明するが、インクの硬化感度の順番は予め測定されるなどして決定された各インクの硬化感度に基づいて決められる。
【0047】
上記の関係から、本実施形態では、図4に示すように、複数の第一記録ヘッド41の間では、最も硬化感度が高いマゼンタ(M)のインクを吐出する第一記録ヘッド41Mが基材Sの搬送方向Zの最も上流側に配置され、次いでシアン(C)、イエロー(Y)の各インクを吐出する第一記録ヘッド41C、41Yがその搬送方向Zの下流側に配置され、最も硬化感度が低いブラック(K)のインクを吐出する第一記録ヘッド41Kが搬送方向Zの最下流側に配置されて紫外線照射装置5に最も近い位置に配置されている。
【0048】
本実施形態では、閾値より多い液滴量を吐出する複数の第二記録ヘッド42の間においても同様に、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど照射タイミングが早くなるように配置されるようになっており、基材Sの搬送方向Zの最上流側からマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に下流側に配置されている。
【0049】
なお、本実施形態においても、第一記録ヘッド41から吐出されるインクの液滴量の閾値は、図6に示したように、インクの液滴量を減少させていった場合に硬化光量が急激に大きくなる液滴量に設定され、例えば4[pl]に設定される。設定すべき液滴量の閾値は、前述したように基材Sのインク吸収性等の材質等の種々の条件に応じて変わり得る。また、図示を省略するが、図3に示したように第一記録ヘッド41や第二記録ヘッド42、紫外線照射装置5を千鳥状に配置してもよい。
【0050】
上記のような構成のインクジェット記録装置10においても、前述した第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と同様に作用する。
【0051】
具体的には、第一記録ヘッド41(41M、41C、41Y、41K)は第二記録ヘッド42(42M、42C、42Y、42K)より基材Sの搬送方向Zの下流側に設けられ、紫外線照射装置5に近い位置に設けられているため、各第一記録ヘッド41から吐出された閾値以下の液滴量のインクの方が、各第二記録ヘッド42から吐出された閾値より多い液滴量のインクよりも、着弾してから紫外線を照射されるまでの紫外線の照射タイミングが早くなる。
【0052】
そのため、各第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾した閾値以下の液滴量のインクが紫外線の照射を受けるまでの基材S上での広がりの度合を、各第二記録ヘッド42から吐出された閾値より多い液滴量のインクの広がりの度合よりも小さく抑えることができ、インクの体積に対する表面積の割合が拡大しないうちに紫外線を照射してインクを硬化させることが可能となる。
【0053】
そして、例えば図6の例で、閾値以下の液滴量である4[pl]のインクを硬化させるために必要な350[mJ/cm]を越える光量(光源が高圧水銀灯の場合は150[mJ/cm]を越える光量)の紫外線を照射しなくても十分に硬化させることが可能となり、各第一記録ヘッド41と紫外線照射装置5との距離を十分に短く設定すれば、閾値より多い液滴量の8[pl]や16[pl]等のインクの硬化光量である約230[mJ/cm](光源が高圧水銀灯の場合は約120[mJ/cm])の光量の紫外線を照射して、閾値以下の液滴量のインクを十分に硬化させることも可能となる。
【0054】
また、閾値以下の液滴量のインクを吐出する複数の第一記録ヘッド41の間では、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど照射タイミングが早くなるように配置することで、硬化感度が低いインクが基材S上で広がらず、周囲の環境の影響を受けないうちに紫外線を照射して硬化させることが可能となる。
【0055】
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置10によれば、前述した第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1の効果と同様の効果を奏することが可能となる。
【0056】
また、閾値以下の液滴量のインクを吐出する複数の第一記録ヘッド41間で、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど照射タイミングが早くなるように配置することで、もともと硬化感度が低く硬化し難いインクが基材S上で広がり、周囲の環境の影響を受けてさらに硬化し難くなることを防止し、硬化感度が低いインクの基材S上での広がりを抑制して、周囲の環境の影響を受けないうちに紫外線を照射して硬化させることが可能となり、硬化感度が低いインクを的確に硬化させることが可能となる。
【0057】
[第3の実施の形態]
上記の第2の実施形態では、閾値以下の液滴量の複数種類のインクを吐出する複数の第一記録ヘッド41を、インクの硬化感度が低いものほど紫外線照射装置5に近くなるように配置し、また、閾値より多い液滴量の複数種類のインクを吐出する複数の第二記録ヘッド42を各第一記録ヘッド41より基材Sの搬送方向Zの上流側に設ける場合について説明した。
【0058】
しかし、複数種類のインクを吐出させる場合には、上記第2の実施形態のほかにも、例えば図1に示したような第二記録ヘッド42と第一記録ヘッド41と紫外線照射装置5のセットを1つの群として、各色インクごとの群を基材Sの搬送方向Zに並べるように構成することも可能である。第3の実施形態では、このように構成されたインクジェット記録装置について説明する。
【0059】
なお、以下では、本実施形態に係るインクジェット記録装置のうち、第1、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置1、10における部材と同様の機能を有する部材については同じ符号を付して説明する。
【0060】
本実施形態に係るインクジェット記録装置20の構成を詳しく説明すれば、インクジェット記録装置20は、図5に示すように、第二記録ヘッド42、第二記録ヘッド42から吐出されるインクと同一色のインクを吐出する第一記録ヘッド41、および第一記録ヘッド41および第二記録ヘッド42からそれぞれ吐出され基材Sに着弾したインクに紫外線を照射する紫外線照射装置5を、基材Sの搬送方向Zの上流側からこの順に配置して1つの群Gを形成し、複数種類のインク、すなわち例えばマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクごとの群Gm、Gc、Gy、Gkを搬送方向Zに並設させて構成されている。
【0061】
なお、複数種類のインクとして、上記のプロセスカラー以外のインクを用いることが可能であることは上記第1、第2の実施形態の場合と同様であるが、いずれの種類のインクを用いる場合でも、各群G内では、基材Sの搬送方向Zの上流側から第二記録ヘッド42、第一記録ヘッド41、紫外線照射装置5の順に配置される。また、第一記録ヘッド41は閾値以下の液滴量のインクを吐出可能であり、第二記録ヘッド42は閾値より多い液滴量のインクを吐出するように構成されることも上記第1、第2の実施形態の場合と同様である。
【0062】
本実施形態に係るインクジェット記録装置20では、さらに、各群Gm、Gc、Gy、Gkは、吐出するインクの硬化感度に応じて、硬化感度が低いインクに係る群ほど基材Sの搬送方向Zの上流側に配置されるようになっている。
【0063】
具体的には、インクの硬化感度が、上記の場合と同様に例えばマゼンタ(M)>シアン(C)>イエロー(Y)>ブラック(K)の順である場合、第2の実施形態では図4に示したように硬化感度が最も高いマゼンタ(M)のインクを吐出する第一記録ヘッド41mを紫外線照射装置5から最も遠い搬送方向Zの上流側に配置したが、本実施形態では、逆に、硬化感度が最も低いブラック(K)のインクを吐出する第一記録ヘッド41kを含む群Gkを搬送方向Zの上流側に配置するようになっている。
【0064】
そして、基材Sの搬送方向Zの上流側から硬化感度が低い順にブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各インクに係る群Gk、Gy、Gc、Gmの順に配置するようになっている。
【0065】
なお、本実施形態では、インクの硬化感度がマゼンタ(M)>シアン(C)>イエロー(Y)>ブラック(K)の順である場合を示したが、インクの硬化感度の順番は予め測定されるなどして決定された各インクの硬化感度に基づいて決められることは言うまでもない。
【0066】
また、本実施形態においても、第一記録ヘッド41から吐出されるインクの液滴量の閾値は、図6に示したように、インクの液滴量を減少させていった場合に硬化光量が急激に大きくなる液滴量に設定され、例えば4[pl]に設定される。設定すべき液滴量の閾値は、前述したように基材Sのインク吸収性等の材質等の種々の条件に応じて変わり得る。また、図示を省略するが、各群を、図3に示したように第一記録ヘッド41や第二記録ヘッド42、紫外線照射装置5を千鳥状に配置して構成してもよい。
【0067】
上記のような構成のインクジェット記録装置20においては、各群Gk、Gy、Gc、Gmごとの構成は、図1に示した第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と全く同様の構成であるから、各群はインクジェット記録装置1と同様に作用する。
【0068】
すなわち、図5に示したように、第二記録ヘッド42から吐出され基材Sに着弾したインクよりも、第一記録ヘッド41から吐出され基材Sに着弾したインクの方が紫外線照射装置5による紫外線の照射タイミングが早くなる。そのため、基材S上に着弾した閾値以下の液滴量のインクが基材S上で広がらず、インクの体積に対する表面積の割合が拡大しないうちに紫外線を照射してインクを硬化させることが可能となる。
【0069】
そのため、閾値以下の液滴量のインクが周囲の環境の影響をさほど受けないから、より小さい光量の紫外線の照射で閾値以下のインクを確実に硬化させることが可能となる。また、照射すべき紫外線の光量を低減することが可能となるため、紫外線照射装置により消費される電力量をより少なく抑えることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置20では、各群ごとに基材Sに対する記録動作が完結する。
【0071】
すなわち、基材Sがブラック(K)の群Gkの下方を搬送される際、群Gkの第二記録ヘッド42kと第一記録ヘッド41kからそれぞれインクが吐出され、その直後に群Gkの紫外線照射装置5kから紫外線が照射されてインクが硬化し、群Gkでの記録動作が完了する。そして、基材Sがさらに搬送されると、続いて群Gyでインクが吐出されて紫外線の照射によりインクが硬化して群Gyでの記録動作が完了する。さらに搬送されて群Gc、Gmにおいてもそれぞれ記録動作が行われる。
【0072】
しかし、その際、ブラック(K)のインクは群Gkの紫外線照射装置5kから紫外線の照射を受けて硬化するが、その後、基材Sの搬送に伴って群Gy、Gc、Gmの下方を通過する際、各群の紫外線照射装置5y、5c、5mからもそれぞれ紫外線の照射を受け、紫外線が計4回照射される。
【0073】
同様に、イエロー(Y)のインクは群Gy、Gc、Gmの紫外線照射装置5y、5c、5mから計3回、シアン(C)のインクは群Gc、Gmの紫外線照射装置5c、5mから計2回、マゼンタ(M)のインクは群Gmの紫外線照射装置5mから1回だけ紫外線の照射を受ける。
【0074】
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置20によれば、各群Gk、Gy、Gc、Gmごとの第一記録ヘッド41、第二記録ヘッド42および紫外線照射装置5の構成が前述した第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と全く同様の構成であるから、各群Gk、Gy、Gc、Gmではそれぞれ第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1の効果と同様の効果を奏することができる。
【0075】
また、各群Gの第一、第二記録ヘッド41、42から吐出されるインクの硬化感度に応じて硬化感度が低いインクに係る群Gほど基材Sの搬送方向Zの上流側に配置したことにより、基材Sに着弾した硬化感度が低いインクは、当該群Gの紫外線照射装置5だけでなく、基材Sの搬送方向Zのより下流側に配置された他の群Gの紫外線照射装置5からも紫外線を受けるようになり、硬化感度が低いインクほど多くの紫外線の照射を受けるようにすることができる。
【0076】
そのため、本実施形態に係るインクジェット記録装置20によれば、基材Sに吐出されたインクは各群Gにおいて第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1の作用と同様の作用により十分に硬化されるが、硬化感度が低いインクほど基材Sの搬送方向Zの下流側の他の群Gの紫外線照射装置5から何度も紫外線の照射を受けることになるため、硬化感度が低いインクを含め、すべてのインクを確実に硬化させることが可能となる。
【0077】
なお、上記の第1〜第3の実施形態においては、第一記録ヘッド41および第二記録ヘッド42にラインヘッド方式のインクジェット用の記録ヘッドを用い、インクジェット記録装置1、10、20がラインヘッド方式である場合について説明したが、シリアルヘッド方式の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置においても同様に構成することが可能であり、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。
【図2】記録ヘッドや紫外線照射装置を下方側から見た斜視図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置において記録ヘッドや紫外線照射装置を千鳥状に配置した構成例を示す平面図である。
【図4】第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。
【図5】第3の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。
【図6】インクの液滴量と硬化光量との関係を求める実験結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0079】
1、10、20 インクジェット記録装置
41、41m、41c、41y、41k 第一記録ヘッド
42、42m、42c、42y、42k 第二記録ヘッド
5、5m、5c、5y、5k 紫外線照射装置
G、Gm、Gc、Gy、Gk 群
S 基材
Z 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化型のインクを基材に吐出し、紫外線の照射によりインクを硬化させて基材上に画像を記録するインクジェット記録装置において、
設定された閾値以下の液滴量のインクを吐出可能な第一記録ヘッドと、
前記閾値よりも多い液滴量のインクを吐出する第二記録ヘッドと、
基材に着弾したインクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備え、
前記第二記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクよりも、前記第一記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクの方が前記紫外線照射装置による紫外線の照射タイミングが早くなるように前記各記録ヘッドおよび前記紫外線照射装置を配置したことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
複数種類のインクを吐出する前記第一記録ヘッドを複数備え、
前記複数の第一記録ヘッドは、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど前記照射タイミングが早くなるように配置され、かつ、いずれも前記複数の第一記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクの方が前記第二記録ヘッドから吐出され基材に着弾したインクよりも前記照射タイミングが早くなるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記複数の第一記録ヘッドのうち、硬化感度が低いインクを吐出する第一記録ヘッドほど基材の搬送方向の下流側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
基材の搬送方向の上流側から、前記第二記録ヘッド、前記第二記録ヘッドから吐出されるインクと同一色のインクを吐出する前記第一記録ヘッド、前記第一記録ヘッドおよび第二記録ヘッドからそれぞれ吐出され基材に着弾したインクに紫外線を照射する前記紫外線照射装置の順に配置されて1つの群を形成し、
前記群をインクの色ごとに複数備え、
前記複数の群は、吐出するインクの硬化感度に応じて、硬化感度が低いインクに係る群ほど基材の搬送方向の上流側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記第一記録ヘッドおよび前記第二記録ヘッドは、ラインヘッド方式のインクジェット用の記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−78381(P2009−78381A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247599(P2007−247599)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】