インクジェット記録装置
【課題】帯電制御方式のインクジェット記録装置において、被印字物が曲面である場合に、各種設定値を入力することにより最適な印字制御値を計算する印字補正手段を追加する。被印字物が曲面の場合においても被印字物が平面の場合と同様の印字結果を得ることにより、印字検査装置による判定を容易とする。
【解決手段】被印字物の形状を入力できる画面表示と、その入力値より最適な印字制御値を計算する印字補正プログラムを、インクジェット記録装置内のプログラム格納装置に格納する。
【解決手段】被印字物の形状を入力できる画面表示と、その入力値より最適な印字制御値を計算する印字補正プログラムを、インクジェット記録装置内のプログラム格納装置に格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電制御方式のインクジェット記録装置に関し、特に曲面印字に対応したインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品加工技術や工業製品製造技術の分野などの製造技術分野においては、製品の製造日時や流通経路などを管理する「トレーサビリティ」に対する需要が、消費者および生産者の区別なく高まっている。トレーサビリティを高めるために、各々の製品にその製造日時や管理番号などの製品固有情報を表示するようにしている。その表示を行うために、食品の収納容器や製品自体を被印字物として、これに非接触で文字や図形をマーキングする帯電制御方式のインクジェット記録装置が使用されている。このインクジェット記録装置は、印字ヘッドのノズルを被印字物に接触させることなく、インクをノズルから被印字物に向け連続的に飛翔させて印字することができるので、特に工場の搬送ラインにおいて製品を短時間で大量に加工、製造する場合に広く用いられている。
【0003】
インクジェット記録装置では、基本的に平面被印字物に対して印字することを想定して各種制御を行っている。印字内容の高さや幅、実際に印字を行う印字ヘッドと被印字物との距離、印字センサ入力地点から被印字物までの書き出し開始位置、被印字物を搬送する搬送ラインの搬送速度などを入力して、印字内容通りに印字されるよう最適な印字制御値を計算する。しかし、被印字物が曲面である場合には印字ヘッドと被印字物との距離が一定でないため、最適な印字制御値を求めることが困難であった。そのため、印字結果が想定よりも歪んでしまい、印字検査装置による判定が難しい一因となっていた。
【0004】
すなわち、図9に示す被印字物平面の場合は、被印字物表面に正面から見て均等間隔でインク粒子の着弾点すなわち印字ドットが形成されるように偏向電圧を調整してインク飛翔軌跡を制御する。このとき被印字物正面から見ると、インク粒子の飛翔速度は被印字物搬送速度に対し十分大きく、図9の右側に示す様にインク着弾点は垂直方向に直線上に等間隔で並ぶ。しかし被印字物表面が図10、図11に示す凹曲面の場合は、図9の被印字物平面を仮想平面として均等着弾点を形成しようとしても、凹曲面には周辺部が密に配列された印字ドットが形成され文字図形が歪んでしまう。図10は凹曲面の一部分に印字された場合、図11は凹曲面の全面に印字された場合を示す。
【0005】
また、図12、図13に示す凸曲面の場合は、これと反対に中央部が密に配列された印字ドットが形成され文字図形が歪む。図12は凸曲面に文字の一部分が印字された場合、図13は凸曲面に文字全体が印字された場合を示す。
【0006】
特許文献1には、距離センサにより被印字物表面とノズルの距離を測定し、曲面を有する被印字物に対しその距離に応じてインク粒子の帯電量を補正し偏向量を変えて、曲面上に歪みのない印字を行う例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−91878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の制御方式では、被印字物の曲面上の全ての位置を検出しこれに対するインク粒子の偏向補正量を算出して制御するため演算処理に膨大な時間を要し、実用上十分な補正を行う為には高性能のプロセッサを有する制御装置を必要とし、コストアップの要因となっていた。本発明では、被印字物が曲面である場合において、簡潔な構成で使い勝手がよく、しかもローコストで最適な印字制御値を行う補正装置を有するインクジェット記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コントローラと印字装置を有し、前記コントローラにより制御される印字装置のノズルから連続的に噴出するインク粒子を帯電電極で帯電し、偏向電極で偏向し、被印字物に印字するインクジェット記録装置において、前記コントローラは、被印字物の表面形状を含む外部情報を入力する入力部と、該入力部の出力に従って印字を制御する制御部と、該制御部の出力に従って前記印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、前記制御部は前記被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の飛翔補正値を算出し、前記出力部は算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することを特徴とする。
【0010】
また、インクジェット記録装置において、前記コントローラは前記制御部と接続されるプログラム格納装置を有する記憶部を備え、前記プログラム格納装置には被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムを有することを特徴とする。
【0011】
また、インクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の帯電電圧補正により行うことを特徴とする。
【0012】
また、インクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の偏向電圧補正により行うことを特徴とする。
【0013】
また、インクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凹曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とする。
【0014】
また、インクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凸曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とする。
【0015】
また、インクジェット記録装置において、前記インクジェット記録装置は前記入力部に接続された入力手段を有し、前記印字補正プログラムは前記入力手段に表示される入出力インターフェイス手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、被印字物表面が平面、凹曲面、凸曲面のいずれか一つを選択する製品表面選択手段を有することを特徴とする。
【0017】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凹曲面が選択されたとき、さらに凹曲面の直径、深さ及び凹曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とする。
【0018】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凸曲面が選択されたとき、さらに凸曲面の外周長さ、高さ及び凸曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とする。
【0019】
また、インクジェット記録装置において、記入出力インターフェイス手段により入力した値を格納するメモリを前記記憶部に設けたことを特徴とする。
【0020】
また、インクジェット記録装置において、時刻を入力する入力手段と、入力した時刻を格納するメモリと、入力した時刻を表示するディスプレイとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、コントローラと印字装置を有する帯電制御方式の連続噴出型インクジェット記録装置において、コントローラは被印字物の表面形状を入力する入力部と、入力部に従って印字を制御する制御部と、制御部に従って印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、制御部が前記被印字物の表面形状に応じてインク粒子の飛翔補正値を算出し、出力部が算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することにより、被印字物が曲面の場合においても被印字物が平面の場合と同様の明瞭な印字結果が得られる。また印字検査装置による判定をより容易かつ確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図3】本発明の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図4】本発明の製品表面選択画面を示す説明図
【図5】本発明の凹曲面に対する製品寸法入力画面例を示す説明図
【図6】本発明の凸曲面に対する製品寸法入力画面例を示す説明図
【図7】本発明の曲面印字プロセスを示すフローチャート
【図8】本発明の曲面印字補正方法を示すフローチャート
【図9】従来の被印字物平面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図10】従来の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図11】従来の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図12】従来の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図13】従来の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、本発明にかかる実施例について、図面を用いて詳述する。なお、本発明は図示例に限定されるものではない。
【実施例】
【0024】
〔基本構成〕
図1は、本発明の一実施例におけるインクジェット記録装置1の全体図である。インクジェット記録装置1はコントローラAと印字装置Bから構成され、搬送ライン12上にある被印字物である製品13に対して印字を行う。
【0025】
インクジェット記録装置1は、入力部2から得た情報を制御装置11を有する制御部3と、メモリ8およびプログラム格納装置21を有する記憶部4で解析し、最適な印字結果を得られるよう必要な制御信号補正を行って出力信号を出力部5より送信する。また、コントローラAの入力部2で被印字物検知装置14、RTC検知装置28、オペレータによる入力信号を受信する入力装置6により印字装置Bや製品の情報を入力し、上記制御部3で演算処理して出力部5から印字装置Bに対し出力信号を発信している。
【0026】
印字を行う際の印字データや各種印字条件を設定し変更するときは、印字装置Bの入力手段としてのタッチパネル7からコントローラAの入力装置6に入力した設定値を、記憶部4のメモリ8で記憶するとともに制御部3の制御装置11で演算処理し、表示装置9のディスプレイ10で表示する。
【0027】
搬送ライン12上にある製品13に対して印字を開始するときは、センサを有する被印字物検知装置14で製品13の位置を特定する。次にインク容器15からポンプ16によって供給されたインクを、印字ヘッド17内のノズル30を励振電圧発生装置18で励振してインク粒子31を形成し、メモリ8上の印字データに合わせて帯電電圧発生装置19で帯電電極32に帯電電圧をかける。荷電されたインク粒子31は、偏向電圧発生装置20の電圧を印加した偏向電極33を通過するときに偏向し、製品13に対して印字ドットを形成し印字を行う。荷電されないインク粒子31は印字に使用されずに回収されインク容器15に戻る。24は内部時計記憶素子で、その内部にRTC22と内蔵電池23を有する。
〔補正原理〕
図2は、凹曲面を持つ被印字物表面について、印字ノズルから噴出されたインク粒子の製品表面までの飛翔軌跡およびインク着弾点(印字ドット)について説明した模式図である。平面印字を想定した仮想平面上で均等間隔のインク着弾点を配列しようとして、インク粒子飛翔軌跡を従来通り実線で設定すると、被印字物正面から見た場合に「仮想平面」で均等間隔であっても、実際の飛翔軌跡は点線のように更に長くなり「凹曲面」上のインク着弾点の間隔は中央部が疎で周縁部が密になる。
【0028】
このとき、あらかじめ偏向電圧が補正されたインク粒子飛翔軌跡でインク粒子を飛翔させると、「補正後」のインク着弾点に示すように、インク着弾点は正面から見て均等に配列され文字の歪みをなくすことができる。
【0029】
図3は、凸曲面を持つ被印字物表面について、印字ノズルから噴出されたインク粒子の製品表面までの飛翔軌跡およびインク着弾点(印字ドット)について説明した模式図である。平面印字を想定した仮想平面上で均等間隔のインク着弾点を配列しようとしてインク粒子飛翔軌跡を従来通り実線で設定すると、被印字物正面から見た場合に「仮想平面」で均等であっても、実際の飛翔軌跡は点線のように短くなり「凸曲面」上のインク着弾点の間隔は中央部が密で周縁部が疎になる。
【0030】
このとき、あらかじめ偏向電圧が補正されたインク粒子飛翔軌跡でインク粒子を飛翔させると、「補正後」のインク着弾点に示すように、インク着弾点は均等に配列され文字の歪みをなくすことができる。
【0031】
本発明の実施例では、あらかじめ形状が凹凸曲面に限定された製品に対し、印字補正を行うものである。従って上記凹凸曲面に関する補正プログラムが用意され、そのサイズに関する入力に応じて補正が行われる。
【0032】
すなわち、製品の形状を入出力するインターフェイスプログラムと、入力値より最適な印字補正制御を計算して、被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムをあらかじめ準備し、インクジェット記録装置1のプログラム格納装置21に格納し、制御部3の制御装置11によりこれを呼出して演算を行い、算出された補正値に従って出力部5の帯電電圧発生装置19を制御して、インク粒子31の偏向量を制御する。
〔補正値入力画面〕
図4は、ディスプレイ10に表示された印字対象となる製品表面を選択する画面例を示す説明図である。製品表面は「平面]「凹曲面]「凸曲面」の3つから選択することができる。製品表面を選択することで、インク粒子の飛距離を補正するかどうかを自動的に選択することができる。図4では平面が選択されているため、下部の画面には選択情報が何も表示されていない。
【0033】
図5、図6は、曲面を持つ製品表面に応じた、製品寸法を入力する画面例を示す説明図である。製品寸法を入力できる製品表面は「凹曲面」「凸曲面」である。図5に示す様に製品表面が「凹曲面」の場合は、凹曲面の直径、凹曲面の中心部分の深さ、凹曲面の端から文字下端までの垂直距離を入力する。寸法単位のmmは、ミリメートルを示す。
【0034】
図6に示す様に、製品表面が「凸曲面」の場合は、凸曲面に垂直な面の円周、凸曲面の中心部分の高さ、凸曲面の端から文字下端までの垂直距離を入力する。凸曲面の場合にその直径を直接測定することは困難であり、代わりに凸曲面の基部円周を測定して、その直径を算出する。このように製品寸法を入力することで、インク粒子の飛距離の補正値を具体的に計算することができる。
〔補正処理手順〕
図7は、本発明の曲面印字プロセスを示すフローチャートである。初めに、製品表面を決定するプログラムを開始する(S100)。まず製品の表面が平面か凹曲面か、凸曲面かを決定する(S101)。
【0035】
凸曲面の場合は、凸曲面外周長さを入力する(S102)。次に凸曲面深さを入力する(S103)。次に凸曲面下端から印字底部までの垂直距離を入力する(S104)。このデータに基づき凸曲面形状を算出する(S105)。算出式は実際の製品に応じて球面近似、非球面近似等の任意のモデルを用いることができる。次に算出した凸曲面に応じて均等間隔に印字ができるようにインク偏向量の平面偏向量からの補正値を算出する(S106)。この値に基づいて製品に印字を行う(S400)。
【0036】
凹曲面の場合も同様に、凹曲面高さを入力する(S202)。次に凹曲面深さを入力する(S203)。次に凹曲面下端から印字底部までの垂直距離を入力する(S204)。このデータに基づき凹曲面形状を算出する(S205)。算出式は実際の製品に応じて球面近似、非球面近似等の任意のモデルを用いることができる。次に算出した凹曲面に応じて均等間隔に印字ができるようにインク偏向量の平面偏向量からの補正値を算出して製品に印字を行う(S400)。
【0037】
平面の場合は、基本制御プログラムでインク偏向量を算出し(S306)、これに従って製品に印字を行う(S400)。
【0038】
図8は、本発明の曲面印字補正方法の概略を示すフローチャートである。初めに、インク粒子偏向量の補正値を算出するプログラムを開始する(S500)。まず製品の凹凸曲面を算出する(S501)。次いで凹凸曲面へ正面から見て均等間隔になるように印字ドットが印字された場合の印字ドット位置を決定する(S502)。さらに決定された印字ドット位置からノズルまでのインク粒子の仮想飛翔軌跡を算出する(S503)。最後に、上記軌跡を実現する帯電電位を算出して(S504)、印字装置Bに出力する。
【0039】
本発明は上記のように、使用される製品の形状に対応した印字補正ソフトウェアプログラムを用意しておき、インターフェイスから入力する製品の形状に応じて印字補正を行う為、従来のように距離センサに応じて個々の調整量を求める方式に比べ、遙かに効率よくかつ迅速な補正を低コストで提供する事が出来る。
【符号の説明】
【0040】
1:インクジェット記録装置
2:入力部
3:制御部
4:記憶部
5:出力部
6:入力装置
7:タッチパネル
8:メモリ
10:ディスプレイ
11:制御装置
12:搬送ライン
13:製品
14:被印字物検知装置
15:インク容器
17:印字ヘッド
18:励振電圧発生装置
19:帯電電圧発生装置
20:偏向電圧発生装置
30:ノズル
31:インク粒子
32:帯電電極
33:偏向電極
A:コントローラ
B:印字装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電制御方式のインクジェット記録装置に関し、特に曲面印字に対応したインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品加工技術や工業製品製造技術の分野などの製造技術分野においては、製品の製造日時や流通経路などを管理する「トレーサビリティ」に対する需要が、消費者および生産者の区別なく高まっている。トレーサビリティを高めるために、各々の製品にその製造日時や管理番号などの製品固有情報を表示するようにしている。その表示を行うために、食品の収納容器や製品自体を被印字物として、これに非接触で文字や図形をマーキングする帯電制御方式のインクジェット記録装置が使用されている。このインクジェット記録装置は、印字ヘッドのノズルを被印字物に接触させることなく、インクをノズルから被印字物に向け連続的に飛翔させて印字することができるので、特に工場の搬送ラインにおいて製品を短時間で大量に加工、製造する場合に広く用いられている。
【0003】
インクジェット記録装置では、基本的に平面被印字物に対して印字することを想定して各種制御を行っている。印字内容の高さや幅、実際に印字を行う印字ヘッドと被印字物との距離、印字センサ入力地点から被印字物までの書き出し開始位置、被印字物を搬送する搬送ラインの搬送速度などを入力して、印字内容通りに印字されるよう最適な印字制御値を計算する。しかし、被印字物が曲面である場合には印字ヘッドと被印字物との距離が一定でないため、最適な印字制御値を求めることが困難であった。そのため、印字結果が想定よりも歪んでしまい、印字検査装置による判定が難しい一因となっていた。
【0004】
すなわち、図9に示す被印字物平面の場合は、被印字物表面に正面から見て均等間隔でインク粒子の着弾点すなわち印字ドットが形成されるように偏向電圧を調整してインク飛翔軌跡を制御する。このとき被印字物正面から見ると、インク粒子の飛翔速度は被印字物搬送速度に対し十分大きく、図9の右側に示す様にインク着弾点は垂直方向に直線上に等間隔で並ぶ。しかし被印字物表面が図10、図11に示す凹曲面の場合は、図9の被印字物平面を仮想平面として均等着弾点を形成しようとしても、凹曲面には周辺部が密に配列された印字ドットが形成され文字図形が歪んでしまう。図10は凹曲面の一部分に印字された場合、図11は凹曲面の全面に印字された場合を示す。
【0005】
また、図12、図13に示す凸曲面の場合は、これと反対に中央部が密に配列された印字ドットが形成され文字図形が歪む。図12は凸曲面に文字の一部分が印字された場合、図13は凸曲面に文字全体が印字された場合を示す。
【0006】
特許文献1には、距離センサにより被印字物表面とノズルの距離を測定し、曲面を有する被印字物に対しその距離に応じてインク粒子の帯電量を補正し偏向量を変えて、曲面上に歪みのない印字を行う例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−91878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の制御方式では、被印字物の曲面上の全ての位置を検出しこれに対するインク粒子の偏向補正量を算出して制御するため演算処理に膨大な時間を要し、実用上十分な補正を行う為には高性能のプロセッサを有する制御装置を必要とし、コストアップの要因となっていた。本発明では、被印字物が曲面である場合において、簡潔な構成で使い勝手がよく、しかもローコストで最適な印字制御値を行う補正装置を有するインクジェット記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コントローラと印字装置を有し、前記コントローラにより制御される印字装置のノズルから連続的に噴出するインク粒子を帯電電極で帯電し、偏向電極で偏向し、被印字物に印字するインクジェット記録装置において、前記コントローラは、被印字物の表面形状を含む外部情報を入力する入力部と、該入力部の出力に従って印字を制御する制御部と、該制御部の出力に従って前記印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、前記制御部は前記被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の飛翔補正値を算出し、前記出力部は算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することを特徴とする。
【0010】
また、インクジェット記録装置において、前記コントローラは前記制御部と接続されるプログラム格納装置を有する記憶部を備え、前記プログラム格納装置には被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムを有することを特徴とする。
【0011】
また、インクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の帯電電圧補正により行うことを特徴とする。
【0012】
また、インクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の偏向電圧補正により行うことを特徴とする。
【0013】
また、インクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凹曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とする。
【0014】
また、インクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凸曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とする。
【0015】
また、インクジェット記録装置において、前記インクジェット記録装置は前記入力部に接続された入力手段を有し、前記印字補正プログラムは前記入力手段に表示される入出力インターフェイス手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、被印字物表面が平面、凹曲面、凸曲面のいずれか一つを選択する製品表面選択手段を有することを特徴とする。
【0017】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凹曲面が選択されたとき、さらに凹曲面の直径、深さ及び凹曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とする。
【0018】
また、インクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凸曲面が選択されたとき、さらに凸曲面の外周長さ、高さ及び凸曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とする。
【0019】
また、インクジェット記録装置において、記入出力インターフェイス手段により入力した値を格納するメモリを前記記憶部に設けたことを特徴とする。
【0020】
また、インクジェット記録装置において、時刻を入力する入力手段と、入力した時刻を格納するメモリと、入力した時刻を表示するディスプレイとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、コントローラと印字装置を有する帯電制御方式の連続噴出型インクジェット記録装置において、コントローラは被印字物の表面形状を入力する入力部と、入力部に従って印字を制御する制御部と、制御部に従って印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、制御部が前記被印字物の表面形状に応じてインク粒子の飛翔補正値を算出し、出力部が算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することにより、被印字物が曲面の場合においても被印字物が平面の場合と同様の明瞭な印字結果が得られる。また印字検査装置による判定をより容易かつ確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図3】本発明の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図4】本発明の製品表面選択画面を示す説明図
【図5】本発明の凹曲面に対する製品寸法入力画面例を示す説明図
【図6】本発明の凸曲面に対する製品寸法入力画面例を示す説明図
【図7】本発明の曲面印字プロセスを示すフローチャート
【図8】本発明の曲面印字補正方法を示すフローチャート
【図9】従来の被印字物平面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図10】従来の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図11】従来の被印字物凹曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図12】従来の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【図13】従来の被印字物凸曲面に対するインク飛翔軌跡と着弾点を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、本発明にかかる実施例について、図面を用いて詳述する。なお、本発明は図示例に限定されるものではない。
【実施例】
【0024】
〔基本構成〕
図1は、本発明の一実施例におけるインクジェット記録装置1の全体図である。インクジェット記録装置1はコントローラAと印字装置Bから構成され、搬送ライン12上にある被印字物である製品13に対して印字を行う。
【0025】
インクジェット記録装置1は、入力部2から得た情報を制御装置11を有する制御部3と、メモリ8およびプログラム格納装置21を有する記憶部4で解析し、最適な印字結果を得られるよう必要な制御信号補正を行って出力信号を出力部5より送信する。また、コントローラAの入力部2で被印字物検知装置14、RTC検知装置28、オペレータによる入力信号を受信する入力装置6により印字装置Bや製品の情報を入力し、上記制御部3で演算処理して出力部5から印字装置Bに対し出力信号を発信している。
【0026】
印字を行う際の印字データや各種印字条件を設定し変更するときは、印字装置Bの入力手段としてのタッチパネル7からコントローラAの入力装置6に入力した設定値を、記憶部4のメモリ8で記憶するとともに制御部3の制御装置11で演算処理し、表示装置9のディスプレイ10で表示する。
【0027】
搬送ライン12上にある製品13に対して印字を開始するときは、センサを有する被印字物検知装置14で製品13の位置を特定する。次にインク容器15からポンプ16によって供給されたインクを、印字ヘッド17内のノズル30を励振電圧発生装置18で励振してインク粒子31を形成し、メモリ8上の印字データに合わせて帯電電圧発生装置19で帯電電極32に帯電電圧をかける。荷電されたインク粒子31は、偏向電圧発生装置20の電圧を印加した偏向電極33を通過するときに偏向し、製品13に対して印字ドットを形成し印字を行う。荷電されないインク粒子31は印字に使用されずに回収されインク容器15に戻る。24は内部時計記憶素子で、その内部にRTC22と内蔵電池23を有する。
〔補正原理〕
図2は、凹曲面を持つ被印字物表面について、印字ノズルから噴出されたインク粒子の製品表面までの飛翔軌跡およびインク着弾点(印字ドット)について説明した模式図である。平面印字を想定した仮想平面上で均等間隔のインク着弾点を配列しようとして、インク粒子飛翔軌跡を従来通り実線で設定すると、被印字物正面から見た場合に「仮想平面」で均等間隔であっても、実際の飛翔軌跡は点線のように更に長くなり「凹曲面」上のインク着弾点の間隔は中央部が疎で周縁部が密になる。
【0028】
このとき、あらかじめ偏向電圧が補正されたインク粒子飛翔軌跡でインク粒子を飛翔させると、「補正後」のインク着弾点に示すように、インク着弾点は正面から見て均等に配列され文字の歪みをなくすことができる。
【0029】
図3は、凸曲面を持つ被印字物表面について、印字ノズルから噴出されたインク粒子の製品表面までの飛翔軌跡およびインク着弾点(印字ドット)について説明した模式図である。平面印字を想定した仮想平面上で均等間隔のインク着弾点を配列しようとしてインク粒子飛翔軌跡を従来通り実線で設定すると、被印字物正面から見た場合に「仮想平面」で均等であっても、実際の飛翔軌跡は点線のように短くなり「凸曲面」上のインク着弾点の間隔は中央部が密で周縁部が疎になる。
【0030】
このとき、あらかじめ偏向電圧が補正されたインク粒子飛翔軌跡でインク粒子を飛翔させると、「補正後」のインク着弾点に示すように、インク着弾点は均等に配列され文字の歪みをなくすことができる。
【0031】
本発明の実施例では、あらかじめ形状が凹凸曲面に限定された製品に対し、印字補正を行うものである。従って上記凹凸曲面に関する補正プログラムが用意され、そのサイズに関する入力に応じて補正が行われる。
【0032】
すなわち、製品の形状を入出力するインターフェイスプログラムと、入力値より最適な印字補正制御を計算して、被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムをあらかじめ準備し、インクジェット記録装置1のプログラム格納装置21に格納し、制御部3の制御装置11によりこれを呼出して演算を行い、算出された補正値に従って出力部5の帯電電圧発生装置19を制御して、インク粒子31の偏向量を制御する。
〔補正値入力画面〕
図4は、ディスプレイ10に表示された印字対象となる製品表面を選択する画面例を示す説明図である。製品表面は「平面]「凹曲面]「凸曲面」の3つから選択することができる。製品表面を選択することで、インク粒子の飛距離を補正するかどうかを自動的に選択することができる。図4では平面が選択されているため、下部の画面には選択情報が何も表示されていない。
【0033】
図5、図6は、曲面を持つ製品表面に応じた、製品寸法を入力する画面例を示す説明図である。製品寸法を入力できる製品表面は「凹曲面」「凸曲面」である。図5に示す様に製品表面が「凹曲面」の場合は、凹曲面の直径、凹曲面の中心部分の深さ、凹曲面の端から文字下端までの垂直距離を入力する。寸法単位のmmは、ミリメートルを示す。
【0034】
図6に示す様に、製品表面が「凸曲面」の場合は、凸曲面に垂直な面の円周、凸曲面の中心部分の高さ、凸曲面の端から文字下端までの垂直距離を入力する。凸曲面の場合にその直径を直接測定することは困難であり、代わりに凸曲面の基部円周を測定して、その直径を算出する。このように製品寸法を入力することで、インク粒子の飛距離の補正値を具体的に計算することができる。
〔補正処理手順〕
図7は、本発明の曲面印字プロセスを示すフローチャートである。初めに、製品表面を決定するプログラムを開始する(S100)。まず製品の表面が平面か凹曲面か、凸曲面かを決定する(S101)。
【0035】
凸曲面の場合は、凸曲面外周長さを入力する(S102)。次に凸曲面深さを入力する(S103)。次に凸曲面下端から印字底部までの垂直距離を入力する(S104)。このデータに基づき凸曲面形状を算出する(S105)。算出式は実際の製品に応じて球面近似、非球面近似等の任意のモデルを用いることができる。次に算出した凸曲面に応じて均等間隔に印字ができるようにインク偏向量の平面偏向量からの補正値を算出する(S106)。この値に基づいて製品に印字を行う(S400)。
【0036】
凹曲面の場合も同様に、凹曲面高さを入力する(S202)。次に凹曲面深さを入力する(S203)。次に凹曲面下端から印字底部までの垂直距離を入力する(S204)。このデータに基づき凹曲面形状を算出する(S205)。算出式は実際の製品に応じて球面近似、非球面近似等の任意のモデルを用いることができる。次に算出した凹曲面に応じて均等間隔に印字ができるようにインク偏向量の平面偏向量からの補正値を算出して製品に印字を行う(S400)。
【0037】
平面の場合は、基本制御プログラムでインク偏向量を算出し(S306)、これに従って製品に印字を行う(S400)。
【0038】
図8は、本発明の曲面印字補正方法の概略を示すフローチャートである。初めに、インク粒子偏向量の補正値を算出するプログラムを開始する(S500)。まず製品の凹凸曲面を算出する(S501)。次いで凹凸曲面へ正面から見て均等間隔になるように印字ドットが印字された場合の印字ドット位置を決定する(S502)。さらに決定された印字ドット位置からノズルまでのインク粒子の仮想飛翔軌跡を算出する(S503)。最後に、上記軌跡を実現する帯電電位を算出して(S504)、印字装置Bに出力する。
【0039】
本発明は上記のように、使用される製品の形状に対応した印字補正ソフトウェアプログラムを用意しておき、インターフェイスから入力する製品の形状に応じて印字補正を行う為、従来のように距離センサに応じて個々の調整量を求める方式に比べ、遙かに効率よくかつ迅速な補正を低コストで提供する事が出来る。
【符号の説明】
【0040】
1:インクジェット記録装置
2:入力部
3:制御部
4:記憶部
5:出力部
6:入力装置
7:タッチパネル
8:メモリ
10:ディスプレイ
11:制御装置
12:搬送ライン
13:製品
14:被印字物検知装置
15:インク容器
17:印字ヘッド
18:励振電圧発生装置
19:帯電電圧発生装置
20:偏向電圧発生装置
30:ノズル
31:インク粒子
32:帯電電極
33:偏向電極
A:コントローラ
B:印字装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラと印字装置を有し、前記コントローラにより制御される印字装置のノズルから連続的に噴出するインク粒子を帯電電極で帯電し、偏向電極で偏向し、被印字物に印字するインクジェット記録装置において、
前記コントローラは、被印字物の表面形状を含む外部情報を入力する入力部と、該入力部の出力に従って印字を制御する制御部と、該制御部の出力に従って前記印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、前記制御部は前記被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の飛翔補正値を算出し、前記出力部は算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記コントローラは前記制御部と接続されるプログラム格納装置を有する記憶部を備え、前記プログラム格納装置には被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたインクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の帯電電圧補正により行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項2に記載されたインクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の偏向電圧補正により行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載されたインクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凹曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載されたインクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凸曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載されたインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録装置は前記入力部に接続された入力手段を有し、前記印字補正プログラムは前記入力手段に表示される入出力インターフェイス手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、被印字物表面が平面、凹曲面、凸曲面のいずれか一つを選択する製品表面選択手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凹曲面が選択されたとき、さらに凹曲面の直径、深さ及び凹曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項8に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凸曲面が選択されたとき、さらに凸曲面の外周長さ、高さ及び凸曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段により入力した値を格納するメモリを前記記憶部に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項1乃至11に記載されたインクジェット記録装置において、時刻を入力する入力手段と、入力した時刻を格納するメモリと、入力した時刻を表示するディスプレイとを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項1】
コントローラと印字装置を有し、前記コントローラにより制御される印字装置のノズルから連続的に噴出するインク粒子を帯電電極で帯電し、偏向電極で偏向し、被印字物に印字するインクジェット記録装置において、
前記コントローラは、被印字物の表面形状を含む外部情報を入力する入力部と、該入力部の出力に従って印字を制御する制御部と、該制御部の出力に従って前記印字装置のインク粒子による印字を制御する出力部を有し、前記制御部は前記被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の飛翔補正値を算出し、前記出力部は算出された補正値に従って前記印字装置によるインク粒子の印字を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記コントローラは前記制御部と接続されるプログラム格納装置を有する記憶部を備え、前記プログラム格納装置には被印字物の表面形状に応じて前記インク粒子の被印字物への飛翔を補正する印字補正プログラムを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたインクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の帯電電圧補正により行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項2に記載されたインクジェット記録装置において、前記インク粒子の飛翔補正は、インク粒子の偏向電圧補正により行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載されたインクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凹曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載されたインクジェット記録装置において、前記印字補正プログラムは、凸曲面からなる被印字物表面に被印字物正面からの均等間隔印字を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載されたインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録装置は前記入力部に接続された入力手段を有し、前記印字補正プログラムは前記入力手段に表示される入出力インターフェイス手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、被印字物表面が平面、凹曲面、凸曲面のいずれか一つを選択する製品表面選択手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凹曲面が選択されたとき、さらに凹曲面の直径、深さ及び凹曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項8に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段は、凸曲面が選択されたとき、さらに凸曲面の外周長さ、高さ及び凸曲面下端からの印字位置を入力することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載されたインクジェット記録装置において、前記入出力インターフェイス手段により入力した値を格納するメモリを前記記憶部に設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項1乃至11に記載されたインクジェット記録装置において、時刻を入力する入力手段と、入力した時刻を格納するメモリと、入力した時刻を表示するディスプレイとを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−24997(P2012−24997A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164459(P2010−164459)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
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