説明

インクタンクおよび記録ヘッド

【課題】 容積効率が高く、また、簡易な製造工程ないし構造でインク漏れを防ぐことができるインクタンクを提供する。
【解決手段】 栓部26は円筒形をなし、その寸法がインクタンク11において開口20を形成する周囲部の寸法より大きめに定められることにより、その弾性力によって周囲部分に固定される。これにより、開口20を塞ぎインクタンク内部を外部に対して密閉することができる。また、栓部26は、その円筒形の大部分において環状弾性部27と接続しているが、この環状の接続部以外の一部で環状弾性部27と接続していない部分がある。これにより、インクタンク11が記録ヘッドに装着されたとき、図1に示すように、栓部26が記録ヘッド30の接合口39によって押圧され、これによって、上記接続しない部分がインクタンク内に大きく変位して接合口39の内部とインクタンク11の内部とが連通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタなどで用いられるインクタンクおよび該インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドに関し、詳しくは、インクタンクと記録ヘッドが相互に着脱可能な構成においてインクタンクから記録ヘッドへインクを供給するための構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクを容積上効率よく貯蔵する構成は、目薬容器のような薄肉容器に何も介さずにインクをそのままの状態(自由状態)で貯留することである。しかしながら、この形態の従来のインクタンクは、そのインクタンクから記録ヘッドへインクを供給する場合の供給性やインクタンク単体で存在するときのインク漏れ防止などの観点から不利な点が多い。
【0003】
例えば、一般に、インクタンクはインク供給の際の記録ヘッドとの圧力関係を良好に保つために記録ヘッドの上部に配されることが多く、インクタンクの下部において記録ヘッドと接続する。また、この構成はプリンタにおいてユーザがインクタンクを交換する際に便利であるなどの利点もある。しかし、この構成では、下部に位置する記録ヘッドのノズルに形成されるインクメニスカスに対して、記録ヘッドとインクタンクとの間の高低差に基づく水頭差が加わることから、これによるノズルからのインク漏出を防ぎ、また、インク吐出に伴うインク供給を良好に行うための構成が必要になる。自由状態でインクを貯留する形態の従来のインクタンクは、バルブなどの比較的複雑な構成を用いることにより、インク漏出を防いだり、インク供給を良好に維持したりしている。
【0004】
これに対し、比較的簡易な構成でノズルからのインク漏出を防ぐものとして、特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。これらは、インクタンク内にスポンジなどのインク吸収体を配し、それに含浸させたインクとの間に働く毛細管力を利用してインクを保持するものである。この構成によれば、例えば、大気連通孔および開口部をシールすることでインクタンク単体での保存も簡便であり、インクを保持しつつ、より強い界面力が働く記録ヘッドへインクの供給が可能であり、水頭差を設ける必要がなくそれによるインク漏れなどの無いインクタンクを提供するこができる。また、全体として小型で、また、安価なインクタンクとして製品化することができる。
【0005】
しかし、この構成はインクをインク吸収体の容積の70%程度しか充填できず、充填したインクの20%程度がインク吸収体に残留して使用できないことがあるという問題がある。この問題を改善したインクタンクの例として、特許文献3に記載されたものが知られている。
【0006】
図6は、この改良タイプのインクタンクを説明するための模式的断面図である。図中、10はインクタンク、12はインク室、13はインク、17は使用時には剥される大気連通孔16の開口部を塞ぐシール部材、18は製造時インクを注液する開口部を圧入封止する球栓を示す。19はインクの供給口20の栓部材を示し、そのインクタンク10を記録ヘッド(不図示)に装着する際に取り外される。21はシリコーンゴム等のパッキング部材を示し、栓部材19と供給口20との間に配されて供給口20をシールする。22はインクの残量検出用の透明な光学部材を示す。
【0007】
このタイプのインクタンク10は、自由状態でインク13を保持するインク室12と、これとは別にポリエステルフェルトなどのインク吸収体15a、15b、15cが配されるとともに、上部に外気に連通する迷路状の大気連通孔16が設けられたインク吸収体室14を備えている。このインク吸収体室14にインク吸収体を配することにより、インク供給について水頭差を設ける必要がなく、また、それによるインク漏れなどを未然に防止できるとともに、容積効率が改善されたインクタンクとすることができる。すなわち、インク吸収体15bは背圧生成手段として機能し、インク吸収体15cは周囲環境が変動した際の背圧制御手段として機能する。例えば、気圧が下がりインクタンクの内圧が相対的に上昇するとインク室12内上層部の空気が膨張する。このとき、膨張によってインク室12から押し出されたインクをインク吸収体15cが吸収することにより、記録ヘッドに対する背圧の変化を低減して一定範囲内の背圧を維持することができる。インク吸収体15cは、インク吸収体15bよりも密度が粗いものであり、これにより空気が通り易くインクが残り難くなっている。これに対し、インク吸収体15aは、インク吸収体15bよりも密度が高いものであり、これにより、毛細管力が強く働きインクを集め易くなっている。
【0008】
【特許文献1】特開昭63−87242号公報
【特許文献2】特開平02−34349号公報
【特許文献3】特許第3278410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように特許文献3に記載されるタイプのインクタンクは、インクの大部分を自由状態で貯蔵するので、インクタンク内をインク吸収体で埋め尽くしたタイプと比較すると容積効率は改善されるなどの利点を有している。しかし、記録ヘッドに至るインクの流通部分にインク吸収体15a、15bが存在してインク流通の抵抗成分となることによりつぎのような問題がある。抵抗成分が存在することによって、インクタンク製造工程におけるインク注入に時間を要する。または、このインク注入の速度を早くしようとして、例えば、供給口20を介して吸引を行いインク吸収体15bへのインクの浸透を速めるような構成を採ると、インク注入に吸引工程またはそのための構成が余分に必要となる。
【0010】
また、このタイプのインクタンクは、機能上3箇所に開口部ないし開口を塞いだ部分があるため、インクタンク製造工程がそれだけ煩雑となる。また、使用時には、ユーザが大気連通口のシール部材17とインク供給口の栓部材19を外す操作も必要となる。また、その際、栓部材19を外したときに供給口20からのインク漏出がないよう、例えば、インク吸収体15aの密度を高めに設定する。そして、インク供給におけるその分の抵抗増加の対策として、その供給口20を大きめに設定することが行われる。その結果、インクタンクが比較的大きなものとなり、装置の小型化に資することができず、また、インク漏れ防止の点で不利なものとなる。
【0011】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、容積効率が高く、また、簡易な製造工程ないし構造でインク漏れを防ぐことができるインクタンクおよびそのインクタンクを装着して用いる記録ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために本発明では、インクを貯留するためのインクタンクであって、インクを貯留するためのインクタンクの内部を当該インクタンクの外部に連通させる1つの開口と、該開口を形成する部材に接して配設された環状弾性部と、該環状弾性部と接続するとともに前記開口と係合して当該開口を塞ぐ弾性栓部であって、該弾性栓部の一部が前記インクタンク内方に向けて変位し当該インクタンク内部と前記環状弾性部中央の孔との間を連通することが可能な弾性栓部と、を具えたことを特徴とする。
【0013】
また、インクを貯留するインクタンクであって、インクを貯留するインクタンクの内部を当該インクタンクの外部に連通させる1つの開口と、該開口を形成する部材に接して配設された環状弾性部と、該環状弾性部と接続するとともに前記開口と係合して当該開口を塞ぐ弾性栓部であって、該弾性栓部の一部が前記インクタンク内方に向けて変位し当該インクタンク内部と前記環状弾性部中央の孔との間を連通することが可能な弾性栓部と、を備えたインクタンクを装着し、該インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドであって、前記インクとの接合に際して、前記環状弾性部中央の孔に当該環状弾性部を押し退けるように侵入して前記弾性栓部をインクタンク内方へ変位させる接合口と、該接合口の内部に配設されたインク吸収と、を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成によれば、インクタンクを記録ヘッドに装着する際、記録ヘッドの接合口を環状弾性部に係合させてその弾性力に逆らいながら押し退けるように挿入すると、上記接合口の先端部はインクタンクの開口を塞いでいる弾性栓部に突き当たり、環状弾性部と部分的に弱く一体化された弾性栓部をインクタンク内方に押し込む。押し込まれた弾性栓部の体積分のインクが上記開口を介して記録ヘッド側に押し出されるが、そこには上記接合口と環状弾性部によって実質的に密閉された空間が存在する。一方、接合口の内部はその大部分を記録ヘッド側のインク吸収体が占めているため、押し出されたインクはそのインク吸収体に押し込まれつつ毛細管力により吸引される。そして、記録ヘッドをこのインク吸収体を介して気液交換が行われるように構成することによって、インクタンクから記録ヘッドにインクが供給される。
【0015】
以上のように、インクタンク内に吸収体を使用すること無くインクを自由状態で100%の容積率で貯留可能な、かつ100%のインク消費が可能な、ブロー成型による薄肉一体密閉のインクタンクを提供することができ、また、インクタンクの開口部は一箇所で良く、これにより、例えば、注液時吸気工程を必要とせず、注液後の封栓工程をOリング装着と一緒の1工程に短縮することができる。また、インク容器が圧迫されても弾性突起部によりタンクを抜け難くすることができる。さらに、タンク内にインクが残った状態でインクタンクを分離しても弾性栓部がタンク開口部を塞ぐ状態に復元するのでインク漏れを最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係わるインクタンク11とこれを装着した記録ヘッド30を模式的に示す断面図である。また、図2は、記録ヘッドに装着されない状態のインクタンク11単体を図1に示す姿勢において側方から見た模式的断面図である。
【0017】
図1において、記録媒体上を走査可能なキャリッジ(不図示)に搭載された状態の記録ヘッド30の最下部には、記録ノズル部31が配されている。記録ノズル部31は、それぞれインクを吐出する300dpiの密度で配列された256個のノズルと、これらのノズルに共通に連通してそれぞれのノズルのインク吐出に応じてインクを供給するノズルインク室32を備える。このノズルインク室32には、一時的にインクを貯留するサブタンク35からフィルタ34とインク通路33を介してインクが供給される。記録ノズル部31のそれぞれのノズルにはインク滴を吐出するため、通電により気泡を発生させるための発熱体(図示せず)が設けられている。また、記録ヘッド30は、その上部に円筒形の接合口39を備える。この接合口39の内部には四角柱状のインク吸収体40が配され、この吸収体は、下方に向かってサブタンク35の一部を埋めるように延在している。なお、記録ヘッド部30には図示されていないが前記発熱体に記録信号を供給するプリント配線基板も配されている。
【0018】
図2に示すように、インクタンク11は、それが単体で存在するとき、弾性栓部材25が供給口となるインクタンク11の開口を塞いでインクタンク内部を外部に対して密閉する。詳しくは、弾性栓部材25は、栓部26と環状(ドーナッツ状)弾性部27とを備えて構成される。そのうち、栓部26は円筒形をなし、その寸法がインクタンク11において開口20を形成する周囲部の寸法より大きめに定められることにより、その弾性力によって周囲部分に固定される。これにより、インクタンクの開口20を塞ぎインクタンク内部を外部に対して密閉することができる。また、栓部26は、その円筒形の大部分において環状弾性部27と接続しているが、この環状の接続部以外の一部で環状弾性部27と接続していない部分(図4に示す切れ目部29)がある。インクタンク11が記録ヘッドに装着されたとき、図1に示すように、栓部26が記録ヘッド30の接合口39によって押圧され、これによって、弾性栓部材26がインクタンク内に大きく変位して接合口39の内部とインクタンク11の内部とが連通する。
【0019】
再び図1を参照すると、インクタンク11は、記録ヘッド部30のハウジングに形成された図示しないガイドに従って位置決めされつつ装着される際、記録ヘッドの接合口39は、インクタンク11の環状弾性部27の中央の孔の部分にその周囲の環状弾性部27を押し分けるようにして進入する。そして、上述したように、接合口39の先端部が開口部20を塞いでいる栓部26を押し退けてインク室に達する。
【0020】
このとき、栓部26がインクタンクのインク室12内に押し込まれた分のインクは開口20を介してインクタンクの外側に押し出される。このとき、タンク側の開口20部分は、ヘッド側の接合口39およびその内部のインク吸収体40と環状弾性体27とによって密閉空間が形成されており、これにより、押し出されたインクがさらに外側に漏れることを防止できるとともに、上記密閉空間はその大部分をヘッドの円筒形接合口39の吸収体40が占めていることから、タンクから押し出されたインクは、ヘッドのインク吸収体40の先端のフィルタ部42に触れ、吸収されつつヘッドのインク吸収体40に内包された空気成分と入れ替わって落下しサブタンク35に達する。サブタンク35内の空気は、開口20に隣接する上記密閉空間および開口20を通ってインクタンク11内部に侵入し、サブタンク35がインクで満杯となり空気が無くなるとインクの落下も停止する。
【0021】
以上のように、インクタンク11と記録ヘッド30のサブタンク35は接合した連通状態で環状弾性部27によって外気から遮蔽された密閉空間を形成し、サブタンク35内の空気がインクタンク11の上層部に移動して代わりにインクがサブタンク35側に移動した状態ではインクタンク11の内部やサブタンク35内部は大気圧と同じであり、これによって、記録ノズル部31のオリフィスおよびインク吸収体40を満たすインクの表面張力が2箇所の開口部からのインクの漏出を防いでいる。インクタンク11の着脱時、記録ノズル部31は図示していないがキャッピング状態にあり、押し圧による微量のインク漏出があっても問題はない。この状態でキャップに連結された図示しない吸引ポンプで記録ノズル部31よりインクを少量吸引することにより、新たなインクを各オリフィス部へ誘導し、かつサブタンク35やインクタンク11のインク室内部が軽い負圧状態になる。サブタンク35は、インク吸収体40、および溢れインク収容部37を含む大気連通路36を介して外気に開放される。インクを含浸したインク吸収体40は外気とサブタンク35の内気との間の気圧差をある程度保つ。その気圧差はインク吸収体40と含浸したインクとの間に働く毛細管力などにより決まる。オリフィスからインクが漏れることなく、かつ吐出可能な値、例えば±30mmHO程度となるようにインク吸収体40のボアサイズ等が選定される。
【0022】
記録動作時のインク吐出などによってインクが消費されると、インクはフィルタ34を介してインク通路33から記録ノズル部31へ供給され、サブタンク35やインクタンク11の内部の圧力が低下する。さらに、吐出が続行されサブタンク35の内部の圧力がある程度以上低下し、内外の圧力差がインク吸収体40と含浸したインクとの間に働く一定の界面力を越えると、外気が少量ずつサブタンク35内に気泡の形で侵入し圧力の低下を緩和する。サブタンク35内に侵入した外気は接合部39の密閉空間を経てインクタンク11内に侵入し、その分量のインクがサブタンク35に供給される。インクタンク11にインクがある間は、インクを消費した分は上記の気液交換が繰り返され、サブタンク35内はインクで満たされた状態が保たれる。インクタンク11内のインクが全て消費されるとサブタンク35内のインク液位が下がり始める。サブタンク35内にはインク残量検出部材22が配されていて、インク液位が下がりインク残量検出部材22が空気に露出することにより警報が発せられる。警報はサブタンク35下部にインクが残る状態で発せられ、インク吸収体40が大気連通路36を塞ぐ部分やフィルタ34が空気に露出することは無い。インクの消費で内圧は減少するが、気圧低下や周囲温度下降時は逆に内圧が上昇する。このとき、インクタンク11上部の膨張した空気は外気と密閉状態で連通するサブタンク35内のインクを加圧し、インクを含浸したインク吸収体40に働く界面力を超えると大気連通路36にインクが押し出される。ノズルオリフィスに働く界面力はインク吸収体40に働く界面力よりも充分に強いのでノズルからインクが押しだされることはない。インクの消費が進みインクタンク11内の空気の比率が増えた場合、膨張する体積も大きくなり押し出されるインク量も増える。押し出されるインクが大量の場合、溢れインク収容部37まで達する。押し出される最大のインク量に相当する空間を溢れインク収容部37として確保することにより、環境変化による内気の膨張はインクを外部に漏出させること無く吸収される。溢れインク収容部37に溜まったインクは、インクが消費され始めるか、上昇した内圧が元に戻り始めると、インクは開放口38に近い大気連通路36からインク収容部37に戻るとともに、インク吸収体40を経由してインクタンク11内に戻る。インク吸収体40としては、0.1mm程度の親水性のSUS(ステンレス)薄板を多数枚積層した毛細管構造体が望ましい。
【0023】
上述したインクタンク11はインクが充分残った状態で記録ヘッド30を取り外しても、インクタンクの開口20には環状弾性部材27が隣接して、その内径は開放状態では数mm程度と細いのでインクは表面張力により漏れ難いが、振動や押し圧には弱い。このため、本実施形態では、上述したように、栓部26を環状弾性部27と大部分で接続し一部で非接続としているので、記録ヘッド30を分離したとき、上記非接続部が変形してできた開口は弾性部の復元力によって元の形に戻って開口20を塞ぐ。これにより、万が一インク漏洩を生じても少量で済む。また、栓部26には、その円周状頂部全体を小さな突起部28の形状とし、図2に示すように押し込んで封止した状態では開口部20の縁を挟み込むようにすることによって、インク容器が圧迫されても弾性突起部によりタンクを抜け難くすることができる。
【0024】
なお、この突起部は、図3に示すように円周形状ではなく部分的な存在でも同様な効果を有する。また、栓部26とドーナツ状弾性部27の接続部は、切れ目部29を部分的な極細部にしても良い。また、図1や図2は環状弾性部27の受け部が開口20の部分にあるので、成型するためには開口側壁部41とともに別部品にしなければならない。図5は、単一部品として成型可能なインクタンク11の開口20用の弾性栓部材25である。環状弾性部27の外側に開口側壁部41を包み込むような細めの環状弾性部44を配して開口側壁部41の外側に配した凹部にはめ込んでその側壁を挟持する。このような構成の弾性栓部材25は1工程での組み付けが可能となりインクタンク11外壁が多少の力で押されても外れることがない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクタンクと記録ヘッドが接合された状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1に示すインクタンク単体を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるインクタンクに取り付けられる弾性栓部の他の実施形態を示す模式的断面図である。
【図4】上記弾性栓部のさらに他の実施形態を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかるインクタンク単体を示す模式的断面図である。
【図6】従来のインクタンクを説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
【0026】
11 インクタンク
12 インク室
13 インク
20 インクタンクの開口
22 インク残量検出部材
25 弾性栓部材
26 栓部
27 環状弾性部
28 突起部
29 切れ目
30 記録ヘッド
31 記録ノズル部
32 ノズルインク室
33 インク通路
34 フィルタ
35 サブタンク
36 大気連通路
37 溢れインク収容部
38 大気連通路の開放口
39 接合口
40 インク吸収体
41 インク供給口の外壁
42 フィルタ
43 開口部側壁の凹部
44 第2の環状弾性部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留するためのインクタンクであって、
インクを貯留するためのインクタンクの内部を当該インクタンクの外部に連通させる1つの開口と、
該開口を形成する部材に接して配設された環状弾性部と、
該環状弾性部と接続するとともに前記開口と係合して当該開口を塞ぐ弾性栓部であって、該弾性栓部の一部が前記インクタンク内方に向けて変位し当該インクタンク内部と前記環状弾性部中央の孔との間を連通することが可能な弾性栓部と、
を具えたことを特徴とするインクタンク。
【請求項2】
前記弾性栓部は円筒形状を有し、該円筒形状におけるインクタンク側の円周状頂部に突起部が設けられ、前記開口との係合に際して該頂部と当該開口を形成する部材の一部と係合することを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
【請求項3】
前記突起部は、当該円周状頂部において部分的に設けられることを特徴とする請求項2に記載のインクタンク。
【請求項4】
前記環状状弾性部には、その外側により細い第2の環状弾性部が設けられ、該第2の環状弾性部を前記開口の外側に配された側壁に係合させて当該側壁を挟持させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項5】
前記インクタンクは、インクを貯留したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項6】
インクを貯留するインクタンクであって、インクを貯留するインクタンクの内部を当該インクタンクの外部に連通させる1つの開口と、該開口を形成する部材に接して配設された環状弾性部と、該環状弾性部と接続するとともに前記開口と係合して当該開口を塞ぐ弾性栓部であって、該弾性栓部の一部が前記インクタンク内方に向けて変位し当該インクタンク内部と前記環状弾性部中央の孔との間を連通することが可能な弾性栓部と、を備えたインクタンクを装着し、該インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドであって、
前記インクとの接合に際して、前記環状弾性部中央の孔に当該環状弾性部を押し退けるように侵入して前記弾性栓部をインクタンク内方へ変位させる接合口と、
該接合口の内部に配設されたインク吸収体と、
を具えたことを特徴とする記録ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−142617(P2006−142617A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334858(P2004−334858)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】