説明

インタフェース制御方式、インタフェース制御方法、及びインタフェース制御用プログラム

【課題】ネットワーク機器のインタフェース制御において、リンクアグリゲーショングループと、それに所属する物理ポートの双方を検索対象にできる実装を実現する。
【解決手段】ネットワーク機器において、論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、論理グループに所属する物理ポートとのそれぞれに対して所定の機能の有効化が行われている場合、論理インタフェースと物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とする。このとき、論理インタフェースに対して所定の機能の有効化が行われていても、物理ポートを自動的には管理インタフェースに組み込まず、管理対象外とする。すなわち、論理インタフェースと物理ポートとを独立して管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタフェース制御方式に関し、特にオープンフロー(OpenFlow)におけるネットワーク機器のインタフェース制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信機器においては、装置管理や通信処理を行っているが、近年のブロードバンド化やALL IP(Internet Protocol)化に向け、複雑なネットワークへの対応や多くの処理を行う必要があり、通信装置の制御部にかかる負荷が高くなってきている。なお、ALL IPとは、あらゆる機器がIPネットワークで接続されている環境を示す。
【0003】
このように、ネットワークインフラの急速な発展により、装置への負荷が高くなることによって、ネットワークの使われ方の多様化により、ネットワークの仕組みそのものが過剰に複雑化していることが問題点と考えられている。
【0004】
上記の問題点を解決するために、新世代ネットワークへの期待が高まっているが、白紙の状態(Clean slate)からのアーキテクチャの再構築や多様性の拡大のために、コントロールプレーンからネットワーク機器を柔軟に制御できるようにする必要がある。
【0005】
このために、コントローラからネットワークインタフェースを自由に制御可能な仕組みが必要であると考えられる。
【0006】
現在、コントローラからネットワークインタフェースを制御する仕組みの1つとして、オープンフロー(OpenFlow)という仕組みが考えられている。なお、オープンフロー(OpenFlow)は、「The OpenFlow Switch Consortium」(非特許文献1参照)で規定されているアークテクチャである。
【0007】
また、回線の帯域を増強させる方法の1つに、ネットワーク機器間をつなぐ複数の物理的な回線を仮想的に束ねて1本の太い回線として扱う「リンクアグリゲーション(LA:Link Aggregation)」と呼ばれる方法がある。
【0008】
オープンフロー(OpenFlow)の特徴を生かし、柔軟にフローを制御するためには、リンクアグリゲーショングループ(LAG:Link Aggregation Group)と、それが所属する物理ポートの双方を検索対象にできる実装が必要となる。
【0009】
しかし、従来の管理では、リンクアグリゲーショングループは、それ自体がリンクアグリゲーショングループインタフェースとして扱われ、それを構成する物理ポートは隠蔽される管理となる。
【0010】
この場合、オープンフロー(OpenFlow)における管理インタフェースは、リンクアグリゲーショングループインタフェースとなる。そのため、オープンフロー(OpenFlow)において、リンクアグリゲーショングループに所属する物理ポートは、管理対象外となる。
【0011】
オープンフロー(OpenFlow)において、管理インタフェースの候補を検索する際に、検索対象としてリンクアグリゲーショングループを使用した場合、検索対象とするインタフェースに物理ポートを指定できないことが問題となる。
【0012】
逆に、オープンフロー(OpenFlow)において、リンクアグリゲーショングループに所属している物理ポートを検索対象とした場合、リンクアグリゲーショングループインタフェースを検索対象とできないことが問題となる。
【0013】
なお、関連する技術として、特開2007−180891号公報(特許文献1)に通信装置及びそれに用いるパケット送信制御方法並びにそのプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−180891号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】The OpenFlow Switch Consortium <http://www.openflowswitch.org/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、ネットワーク機器において、リンクアグリゲーショングループ自体と、当該リンクアグリゲーショングループを構成する物理ポートを共に管理、制御、及び検索対象とするインタフェース制御方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のインタフェース制御方式は、ネットワーク機器のインタフェース制御方式であって、論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、論理グループに所属する物理ポートと、インタフェース制御部とを具備する。インタフェース制御部は、論理インタフェース及び物理ポートのそれぞれに対して所定の機能の有効化が行われている場合、論理インタフェースと物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とする
【0018】
本発明のインタフェース制御方法は、ネットワーク機器のインタフェース制御方法である。このインタフェース制御方法では、論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、論理グループに所属する物理ポートとのそれぞれに対して、個別に、所定の機能の有効化の設定を受け付ける。また、論理インタフェース及び物理ポートのそれぞれに対して所定の機能の有効化が行われている場合、論理インタフェースと物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とする。
【0019】
本発明のインタフェース制御用プログラムは、論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、論理グループに所属する物理ポートとのそれぞれに対して、個別に、所定の機能の有効化の設定を受け付けるステップと、論理インタフェース及び物理ポートのそれぞれに対して所定の機能の有効化が行われている場合、論理インタフェースと物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とするステップとをネットワーク機器に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のインタフェース制御用プログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
オープンフロー(OpenFlow)の特徴を生かし、フローの柔軟な制御を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】既存ネットワーク機器の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例の構成を示す概念図である。
【図3】既存ネットワーク機器のインタフェースにおけるオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化と管理インタフェースへの組み込みとの関係を示す図である。
【図4】既存ネットワーク機器のインタフェースにおけるオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化と管理インタフェースへの組み込みとの関係を示す図である。
【図5】既存ネットワーク機器のインタフェースにおけるオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化と管理インタフェースへの組み込みとの関係を示す図である。
【図6】既存ネットワーク機器のインタフェースにおけるオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化と管理インタフェースへの組み込みとの関係を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
[既存ネットワーク機器の構成]
図1に、オープンフロー(OpenFlow)機能を動作されるための既存ネットワーク機器10の構成を示す。
【0024】
既存ネットワーク機器10は、VLAN(Virtual Local Area Network)インタフェース20と、リンクアグリゲーショングループインタフェース30と、物理ポート40を有する。
【0025】
VLANインタフェース20は、VLANグループの論理インタフェースである。ここでは、VLANインタフェース20は、VLAN「V1」と、VLAN「V2」を有する。「V1」及び「V2」は、VLAN番号(VLAN ID)である。VLAN「V1」及びVLAN「V2」は、VLAN番号に対応するVLANグループである。
【0026】
リンクアグリゲーショングループインタフェース30は、リンクアグリゲーショングループの論理インタフェースである。ここでは、リンクアグリゲーショングループインタフェース30は、リンクアグリゲーショングループ「LAG1」の論理インタフェースとして機能する。
【0027】
物理ポート40は、既存ネットワーク機器10の物理インタフェースである。物理ポート40は、物理ポート「P1」〜「P6」を有する。物理ポート「P1」は、VLAN「V1」にuntaggedポートとして所属している。物理ポート「P1」は、untaggedポートを1つだけ設定する。物理ポート「P2」〜「P5」は、VLAN「V1」、VLAN「V2」のそれぞれにtaggedポートとして所属している。物理ポート「P2」〜「P5」は、VLANの種類にかかわらずtaggedポートを設定する。物理ポート「P6」は、VLAN「V2」にuntaggedポートとして所属している。更に、物理ポート「P2」〜「P5」は、同一のリンクアグリゲーショングループ「LAG1」に所属している。ここでは、物理ポート「P2」〜「P5」は、リンクアグリゲーショングループインタフェース30を構成する。
【0028】
なお、untaggedポートは、VLANタグ(VLAN Tag)を使用せずに1つのVLANだけを使用するポートである。すなわち、untaggedポートは、1つのVLANに所属し、そのVLANのフレームを送受信することができるポート(アクセスポート)である。
【0029】
また、taggedポートは、VLANタグでVLANを分けるポートである。すなわち、taggedポートは、複数のVLANに所属し、そのVLANのフレームを送受信するポート(トランクポート)である。
【0030】
[実施例の構成]
図2に、オープンフロー(OpenFlow)が管理するネットワーク機器としてのインタフェースと、既存ネットワーク機器10のインタフェースとのマッピングを示す。
【0031】
図2では、既存ネットワーク機器10に加えて、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50と、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60と、オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70が図示されている。
【0032】
オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50は、ルーティングポリシーとして自身に設定されたフロー定義情報(フロー:ルール+アクション)に従い、マルチレイヤ及びフロー単位の経路情報(フローテーブル)をスイッチに設定し、経路制御やノード制御を行う。オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50は、ネットワーク内のスイッチを監視し、通信状況に応じて、ネットワーク内のスイッチにパケットの配送経路を動的に設定する。これにより、経路制御機能がルータやスイッチから分離され、コントローラによる集中制御によって最適なルーティング、トラフィック管理が可能となる。
【0033】
オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50により制御されるスイッチは、従来のルータやスイッチのようにパケットやフレームの単位ではなく、エンド・ツー・エンド(End to End)のフローとして通信を取り扱う。詳細には、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50は、スイッチやノード毎にフロー(ルール+アクション)を設定することで当該スイッチやノードの動作(例えばパケットデータの中継動作)を制御する。
【0034】
なお、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50により制御されるスイッチは、オープンフロースイッチ(OpenFlow Switch)と呼ばれる。ここでは、既存ネットワーク機器10は、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60により、オープンフロースイッチ(OpenFlow Switch)となる。
【0035】
フローテーブルとは、スイッチやノード毎のフローの情報(フローエントリ)を格納したものである。フローとは、所定の規則(ルール)に適合するパケットに対して行うべき所定の処理(アクション)を定義したものである。フローのルールは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)パケットのヘッダ領域に含まれる入出力ポート情報(Input/Output Port)、宛先アドレス(Destination Address)、送信元アドレス(Source Address)、宛先ポート番号(Destination Port)、送信元ポート番号(Source Port)のいずれか又は全てを用いた様々な組み合わせにより定義され、区別可能である。なお、上記のアドレスには、MACアドレス(Media Access Control Address)やIPアドレス(Internet Protocol Address)を含むものとする。また、上記のポートには、論理ポートや物理ポートを含むものとする。
【0036】
既存ネットワーク機器10のインタフェースに対してオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化すると、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、当該インタフェースをオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースに追加する。
【0037】
ここでは、既存ネットワーク機器10の設定により、リンクアグリゲーショングループインタフェース30でオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化すると、リンクアグリゲーショングループインタフェース30は、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60により、既存ネットワーク機器10上でオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとして組み込まれる。
【0038】
このとき、リンクアグリゲーショングループを構成する物理ポートは、自動的にオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとしては組み込まれない。リンクアグリゲーションを構成する物理ポートをオープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50から制御したい場合は、それぞれの物理ポートでオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化することで実現する。
【0039】
オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、既存ネットワーク機器10とオープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50との間で、オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70を管理する。
【0040】
オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、オープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースである。すなわち、オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60の管理対象である。
【0041】
オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、物理ポート「A1」〜「A6」と、リンクアグリゲーショングループインタフェース「B1」を有する。物理ポート「A1」〜「A6」は、物理ポート「P1」〜「P6」に対応する。リンクアグリゲーショングループインタフェース「B1」は、リンクアグリゲーショングループインタフェース30に対応する。
【0042】
オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、リンクアグリゲーショングループインタフェース「B1」と、それを構成する物理ポート「A2」〜「A5」を、全て既存ネットワーク機器10のインタフェースとして管理する。
【0043】
オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、これらのインタフェースに関するインタフェース情報を、オープンフロープロトコル(OpenFlow Protocol)で、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50へ通知し、更にオープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50からの参照を受け付ける。ポート状態の変更通知には、ポート状態(Port Status)メッセージ、及びポートモジュール(Port Mod)メッセージを用いる。
【0044】
オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50からポート情報を取得する場合、機能要求/応答(Feature Request/Reply)メッセージを用いる。
【0045】
[オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)の例]
オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50の例として、PC(パソコン)、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等の計算機を想定している。或いは、端末やサーバに限らず、中継機器や周辺機器、拡張ボード等でも良い。また、仮想マシン(Virtual Machine(VM))環境でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0046】
[オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)の例]
オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、プログラムで駆動される処理装置等のハードウェアと、そのハードウェアを駆動して所望の処理を実行するソフトウェアと、そのソフトウェアや各種データを格納する記憶装置によって実現される。
【0047】
上記の処理装置の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、同様の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0048】
上記の記憶装置の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)やSDメモリカード(Secure Digital memory card)等のリムーバブルディスクや記憶媒体(メディア)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0049】
なお、上記の処理装置や記憶装置は、既存ネットワーク機器10自体が備えるものでも良い。例えば、既存ネットワーク機器10の処理装置(図示略)が、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60として動作するためのプログラムを、ネットワーク経由で受信して、或いは、既存ネットワーク機器10に挿入された記憶媒体から読み出して、実行する事例が考えられる。
【0050】
[実施例の動作]
図3〜図6に示すインタフェース情報を参照して、既存ネットワーク機器のインタフェースの状態の変更と、その際の動作について説明する。
既存ネットワーク機器10のインタフェースに対してオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化すると、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、当該インタフェースをオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースに追加する。
【0051】
既存ネットワーク機器10のインタフェースに対するオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化は、インタフェースの種別に関係なく、それぞれのインタフェースで個別に設定することができる。
【0052】
リンクアグリゲーショングループインタフェース30に対してオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化した場合でも、そのリンクアグリゲーショングループインタフェース30を構成する物理ポート40は、オープンフロースイッチ(OpenFlow Switch)のインタフェースとして自動的には組み込まれない。すなわち、別途、物理ポート40に対してオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化したことを確認するまでは、自動的には組み込まれない。リンクアグリゲーショングループインタフェース30と物理ポート40は、独立して制御されている。
【0053】
例えば、図3の状態1のように、リンクアグリゲーショングループに所属している物理ポート40をオープンフロー(OpenFlow)機能として有効化させない場合は、オープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースは、リンクアグリゲーショングループインタフェース30となり、リンクアグリゲーショングループに所属する物理ポート40は、オープンフロー(OpenFlow)の管理対象外となる。
【0054】
また、図3の状態2のように、リンクアグリゲーショングループインタフェース30とそのリンクアグリゲーショングループを構成する物理ポート40の両方を同時にオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとして組み込みたい場合は、それぞれ、リンクアグリゲーショングループインタフェース30と物理ポート40にオープンフロー(OpenFlow)機能の有効化を行うことで実現できる。
【0055】
また、図4の状態3のように、リンクアグリゲーショングループを構成する物理ポート40だけにオープンフロー(OpenFlow)機能を有効化した場合、その物理ポート40が所属するリンクアグリゲーショングループインタフェース30はオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとならない。
【0056】
また、図4の状態4では、リンクアグリゲーショングループとそのリンクアグリゲーショングループを構成する物理ポート40にオープンフロー(OpenFlow)機能を有効にしていないため、オープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとはならない。
【0057】
[物理ポート40の削除]
図5に示すように、物理ポート40に対してオープンフロー(OpenFlow)機能を無効化する(状態5から状態6へ遷移)。この場合、その物理ポート40は、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60により、オープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースから削除される。その後、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50に対して、その物理ポート40の削除通知を行う(送信する)。
【0058】
[リンクアグリゲーションインタフェースの削除]
図6に示すように、リンクアグリゲーショングループインタフェース30に対してオープンフロー(OpenFlow)機能を無効化するか、リンクアグリゲーショングループインタフェース30をネットワーク機器のコンフィグレーションから削除する(状態7から状態8へ遷移)。この場合、そのリンクアグリゲーショングループインタフェース30は、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60により、オープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースからも削除される。その後、オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)60は、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50に対して、そのリンクアグリゲーションインタフェースの削除通知を行う(送信する)。
【0059】
このように、図2に示すリンクアグリゲーショングループインタフェース30と物理ポート40の双方に対し、オープンフロープロトコル(OpenFlow Protocol)の特徴でもあるフローエントリを登録することができる。また、リンクアグリゲーショングループインタフェース30である論理インタフェースだけでなく、その論理インタフェースに所属する物理ポート40に対しても柔軟にフローの登録が可能となる。
【0060】
本発明により、既存のIPネットワークで使われているネットワーク機器を基に、オープンフロープロトコル(OpenFlow Protocol)管理を行うことが可能になる。
【0061】
本発明では、新規のネットワーク機器の開発を行わなくても、既存のネットワーク機器のインタフェースをオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとして組み込める。
【0062】
また、本発明では、既存のIPネットワークで使われているネットワーク機器を用いて、リンクアグリゲーショングループのインタフェースと、そのリンクアグリゲーショングループを構成する物理ポートを個別に管理することができる。これにより、自由かつ柔軟にネットワークを構成する機器のインタフェースを管理、操作できる。
【0063】
また、本発明では、通常リンクアグリゲーショングループインタフェースは装置内部での振り分けアルゴリズムにしたがって、そのリンクアグリゲーショングループを構成する出力先物理ポートが選択されるが、オープンフロー(OpenFlow)の管理下の双方のインタフェースを登録できることによって、ユーザが任意に出力先物理ポートの制御を可能にできる。
【0064】
[他の実施例]
次に、本発明の他の実施例について図面を参照して説明する。
本実施例では、リンクアグリゲーショングループインタフェースの他に、VLANインタフェースも管理対象とする。リンクアグリゲーショングループやVLANグループは、いずれも仮想的なグループ(論理グループ)である。
【0065】
図7では、VLANインタフェース20は、VLAN「V1」を有する。物理ポート40は、物理ポート「P1」〜「P6」を有する。オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)70は、物理ポート「A1」〜「A6」と、リンクアグリゲーショングループインタフェース「B1」と、VLANインタフェース「C1」を有する。
【0066】
ここでは、物理ポート「P2」〜「P4」は、VLAN「V1」に所属する。すなわち、物理ポート「P2」〜「P4」は、VLANインタフェース20を構成する。物理ポート「P5」、「P6」は、リンクアグリゲーショングループ「LAG1」に所属する。すなわち、物理ポート「P5」、「P6」は、リンクアグリゲーショングループインタフェース30を構成する。
【0067】
物理ポート「A1」〜「A6」は、物理ポート「P1」〜「P6」に対応する。リンクアグリゲーショングループインタフェース「B1」は、リンクアグリゲーショングループインタフェース30に対応する。VLANインタフェース「C1」は、VLAN「V1」に対応する。
【0068】
図7に示すように、VLANインタフェースと、そのVLANインタフェースに所属する物理ポートのそれぞれのマッピングで構成することにより、VLANインタフェースと、そのVLANインタフェースを構成する物理ポートを独立してオープンフロー(OpenFlow)機能の管理インタフェースとすることができる。
【0069】
[発明の特徴]
以上のように、本発明によるオープンフロー(OpenFlow)におけるネットワーク機器のインタフェース制御方式では、リンクアグリゲーショングループ自体と、そのリンクアグリゲーショングループを構成する物理ポートを、共に管理、制御、及び検索の対象とすることができる。これにより、柔軟な制御を可能とする。
【0070】
本発明は、ネットワークインフラストラクチャにおいて、通信機器が有するインタフェースの構成方法の1つとして利用できる。
【0071】
特に、オープンフロープロトコル(OpenFlow Protocol)における、オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)50からのインタフェース制御で有用となる。
【0072】
<補足>
本発明は、ネットワーク機器のインタフェース制御方式についての発明であり、リンクアグリゲーションによるパケットの振り分け方式や、リンクアグリゲーションの管理方式についての発明ではない。
【0073】
本発明では、オープンフロー(OpenFlow)というプロトコルの特性上、ネットワーク機器は、コントローラにより制御される。
【0074】
通常のネットワーク機器でリンクアグリゲーション機能を使用した場合、リンクアグリゲーションインタフェース(ある複数の物理ポートを論理的にグループ化した論理インタフェース)のみ、もしくは、リンクアグリゲーショングループに所属していない物理ポートが制御対象となる。
【0075】
また、このとき、リンクアグリゲーションインタフェースに所属している物理ポートは制御外となる。
【0076】
このように、通常のネットワーク機器は、パケットを受信した際に、リンクアグリゲーションを構成している送信先物理ポートを指定する。
【0077】
本発明では、リンクアグリゲーションインタフェース、リンクアグリゲーションを構成する物理ポート、リンクアグリゲーションに所属していない物理ポートそれぞれが独立して指定が可能となるインタフェースの制御方式を実現している。
【0078】
(付記1)
前記インタフェース制御部は、前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の有効化又は無効化が行われ、状態の変更が発生した場合、前記ネットワーク機器を制御する外部のコントローラに対して、状態の変更通知を送信するインタフェース制御方式。
【0079】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10… 既存ネットワーク機器
20… VLAN(Virtual Local Area Network)インタフェース
30… リンクアグリゲーショングループ(LAG:Link Aggregation Group)インタフェース
40… 物理ポート(Physical Port)
50… オープンフローコントローラ(OpenFlow Controller)
60… オープンフロー機能部(OpenFlow Stack)
70… オープンフローインタフェース(OpenFlow Interface)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器のインタフェース制御方式であって、
論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、
前記論理グループに所属する物理ポートと、
前記論理インタフェース及び前記物理ポートのそれぞれに対して所定の機能の有効化が行われている場合、前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とするインタフェース制御部と
を具備する
インタフェース制御方式。
【請求項2】
請求項1に記載のインタフェース制御方式であって、
前記インタフェース制御部は、前記論理インタフェースに対して前記所定の機能の有効化が行われている場合でも、前記物理ポートに対して前記所定の機能の有効化が行われていることを確認するまでは、前記物理ポートを自動的には前記管理インタフェースに組み込まず管理対象外とする
インタフェース制御方式。
【請求項3】
請求項1に記載のインタフェース制御方式であって、
前記インタフェース制御部は、前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に前記管理インタフェースに組み込んで管理対象としている際に、前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の無効化が行われた場合には、前記所定の機能の無効化が行われたインタフェースを前記管理インタフェースから削除して管理対象外とする
インタフェース制御方式。
【請求項4】
ネットワーク機器のインタフェース制御方法であって、
論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、前記論理グループに所属する物理ポートとのそれぞれに対して、個別に、所定の機能の有効化の設定を受け付けることと、
前記論理インタフェース及び前記物理ポートのそれぞれに対して前記所定の機能の有効化が行われている場合、前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とすることと
を含む
インタフェース制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のインタフェース制御方法であって、
前記論理インタフェースに対して前記所定の機能の有効化が行われている場合でも、前記物理ポートに対して前記所定の機能の有効化が行われていることを確認するまでは、前記物理ポートを自動的には前記管理インタフェースに組み込まず管理対象外とすること
を更に含む
インタフェース制御方法。
【請求項6】
請求項4に記載のインタフェース制御方法であって、
前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に前記管理インタフェースに組み込んで管理対象としている際に、前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の無効化の設定を受け付けることと、
前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の無効化が行われた場合には、前記所定の機能の無効化が行われたインタフェースを前記管理インタフェースから削除して管理対象外とすること
を更に含む
インタフェース制御方法。
【請求項7】
論理グループのインタフェースである論理インタフェースと、前記論理グループに所属する物理ポートとのそれぞれに対して、個別に、所定の機能の有効化の設定を受け付けるステップと、
前記論理インタフェース及び前記物理ポートのそれぞれに対して前記所定の機能の有効化が行われている場合、前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に管理インタフェースに組み込んで管理対象とするステップと
をネットワーク機器に実行させるための
インタフェース制御用プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のインタフェース制御用プログラムであって、
前記論理インタフェースに対して前記所定の機能の有効化が行われている場合でも、前記物理ポートに対して前記所定の機能の有効化が行われていることを確認するまでは、前記物理ポートを自動的には前記管理インタフェースに組み込まず管理対象外とするステップ
を更にネットワーク機器に実行させるための
インタフェース制御用プログラム。
【請求項9】
請求項7に記載のインタフェース制御用プログラムであって、
前記論理インタフェースと前記物理ポートとを共に前記管理インタフェースに組み込んで管理対象としている際に、前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の無効化の設定を受け付けるステップと、
前記論理インタフェース及び前記物理ポートのうち少なくとも1つのインタフェースに対して前記所定の機能の無効化が行われた場合には、前記所定の機能の無効化が行われたインタフェースを前記管理インタフェースから削除して管理対象外とするステップ
を更にネットワーク機器に実行させるための
インタフェース制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−160171(P2011−160171A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19963(P2010−19963)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 総務省「セキュアクラウドネットワーキング技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】