説明

インターネット放送受信装置

【課題】ドメイン名の名前解決をする際の順番にユーザの趣向を反映させることができるインターネット放送受信装置を提供することを、目的とする。
【解決手段】インターネット放送に関するサービスの利用状況を確認する確認手段と、確認手段による確認結果に基づいて、サービスが有するドメイン名の名前解決をする名前解決手段と、サービスが有するドメイン名と、当該ドメイン名に対応するIPアドレスとを含むドメイン名リストを記憶する記憶手段と、名前解決手段によってドメイン名の名前解決がされた場合に、ドメイン名リストを書き換える書換手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに接続されている全てのホストには、IPアドレスが割り当てられている。しかしながら、IPアドレスは、単なる数字の羅列であるため、人間が取り扱うには不便である。そこで、各ホストには、人間が取り扱うのに便利なホスト名(ドメイン名)が割り当てられている。
【0003】
人間が入力したドメイン名に従って所望のホストと通信を行うためには、ドメイン名をIPアドレスに変換する必要がある。そこで、インターネット上には、DNS(Domain Name System)が存在する。DNSは、ドメイン名とIPアドレスの相互変換を行うためのデータベースを有している。IPアドレスやドメイン名を必要とする場合、アプリケーションは、リゾルバを介して、DNSに問い合わせを行う。
【0004】
ネットワークのトラフィックを抑制するため、あるいは、リゾルバの処理負担を軽減するため、リゾルバにキャッシュを設けることがある。キャッシュを用いることにより、リゾルバは、以前問い合わせた内容と同じ問い合わせがあった場合、DNSに問い合わせを行うことなく、名前解決をすることができる。
【0005】
リゾルバにキャッシュを実装する場合、キャッシュの容量に見合う、メモリ等の物理的なリソースが必要である。汎用のPC(Personal Computer)に比べて、物理的なリソースが少ない組み込み機器では、キャッシュの実装に必要なリソースを確保することが難しい場合が多い。
【0006】
特開2007−214671号公報(特許文献1)には、サーバ装置に名前解決要求を送信した送信時刻と、サーバ装置から名前解決応答を受信した時刻とに基づいて応答時間を算出し、新たな名前解決応答を記憶しようとする際に容量に空きがない場合、最も短い応答時間に対応する名前解決応答を削除してから新たな名前解決応答を記憶するクライアント装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のクライアント装置においては、名前解決要求の回数が多いものであっても、名前解決要求に対する応答時間が短ければ、名前解決要求がある度に、サーバ装置に名前解決要求を送信することになる。従って、名前解決要求に対する名前解決応答が記憶されている場合よりも、名前解決要求に対する応答時間が長くなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−214671号公報
【特許文献2】特開2000−101648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、キャッシュの内容をユーザの趣向に応じて変更することができるインターネット放送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のインターネット放送受信装置は、インターネット放送に関するサービスが有するドメイン名と、前記ドメイン名に対応するIPアドレスとを含むドメイン名リストを記憶する記憶手段と、前記サービスの利用状況を確認する確認手段と、前記確認手段による確認結果に基づいて、前記サービスが有するドメイン名の名前解決をする名前解決手段と、前記名前解決手段によって名前解決された前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを、前記ドメイン名リストを書き込む書込手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明のインターネット放送受信装置によれば、サービスの利用状況に応じて、ドメイン名リストを書き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態としてのインターネット放送受信装置を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示すインターネット放送受信装置が備えるキャッシュサーバを示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示すEEPROMに保存されているドメイン名リストの一例を示す図である。
【図4】図2に示すRAMに保存されているドメイン名リストの一例を示す図である。
【図5】図2に示すキャッシュサーバの制御部によって実行される、アプリからの要求に基づく名前解決の処理を示すフローチャートである。
【図6】図2に示すキャッシュサーバの制御部によって実行される更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係るインターネット放送受信装置は、インターネット放送に関するサービスが有するドメイン名と、前記ドメイン名に対応するIPアドレスとを含むドメイン名リストを記憶する記憶手段と、前記サービスの利用状況を確認する確認手段と、前記確認手段による確認結果に基づいて、前記サービスが有するドメイン名の名前解決をする名前解決手段と、前記名前解決手段によって名前解決された前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを、前記ドメイン名リストを書き込む書込手段とを備える(第1の構成)。
【0014】
第1の構成においては、サービスの利用状況に応じて、名前解決されるドメイン名が変わる。これにより、例えば、ユーザがよく利用しているサービスが有するドメイン名に対応するIPアドレスについては、常に、最新のものをドメイン名リストに書き込んでおくことができる。
【0015】
第2の構成は、前記第1の構成において、前記名前解決手段によって名前解決された前記ドメイン名のうち、名前解決の要求回数が多い順に上位数個を選択する選択手段を備え、前記書込手段は、前記選択手段によって選択されたドメイン名に対応するIPアドレスを、前記ドメイン名リストに書き込む構成である。このような構成においては、利用頻度の高いものだけが、ドメイン名リストに書き込まれる。その結果、例えば、記憶手段の容量が少ない場合であっても、本当に必要なIPアドレスだけは、常に、最新のものをドメイン名リストに書き込んでおくことができる。
【0016】
第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記確認手段は、前記ドメイン名についての名前解決の要求回数を確認する回数確認手段を備え、前記名前解決手段は、前記ドメイン名についての名前解決の要求回数が多い順番に、前記ドメイン名の名前解決をする構成である。このような構成においては、ドメイン名の名前解決をする際の順番に、ユーザの趣向を反映させることができる。
【0017】
第4の構成は、前記第3の構成において、他のドメイン名よりも優先して名前解決することを示す優遇情報が付与されているか否かを確認する優遇確認手段と、前記優遇情報が付与されているドメイン名についての名前解決の要求回数を最大値に変更する変更手段とを備える構成である。このような構成においては、優遇情報が付与されているドメイン名についての名前解決を、優遇情報が付与されていないドメイン名についての名前解決よりも優先させることができる。
【0018】
第5の構成は、前記第1〜第4の構成のいずれか1つにおいて、前記確認手段は、前記サービスのアカウントがあるか否かを確認するアカウント確認手段を備え、前記名前解決手段は、アカウントがあるサービスのドメイン名だけを名前解決する構成である。このような構成においては、サービスの利用状況を的確に反映させることができる。
【0019】
以下、本発明のより具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図中同一又は相当部分には、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0020】
[実施形態]
図1には、本発明の一実施形態としてのインターネット放送受信装置10が示されている。インターネット放送受信装置10は、インターネット上の放送局サーバ等から提供されるインターネットラジオ放送を受信するものである。
【0021】
インターネット放送受信装置10は、インターネットラジオ放送を受信するためのアプリケーション12(以下、インターネットラジオ受信アプリ、若しくは、単にアプリと称する)をOS(Operating System)上で動作させる。これにより、インターネットラジオ放送を受信することができる。
【0022】
また、インターネット放送受信装置10は、キャッシュサーバ14を備える。キャッシュサーバ14は、インターネットラジオ放送に関するサービスのドメイン名についての名前解決の要求がアプリ12からあった場合に、当該ドメイン名の名前解決をする。インターネットラジオ放送に関するサービスとしては、例えば、楽曲等のコンテンツを提供するサービスや、各種のコンテンツをジャンル毎に紹介するサービス等がある。
【0023】
キャッシュサーバ14は、図2に示すように、制御部16と、ROM(Read-Only Memory)18と、揮発性メモリとしてのRAM(Random-Access Memory)20と、記憶手段としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)22とを有する。
【0024】
制御部16は、後述する名前解決の処理を実行する。制御部16としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を採用することができる。
【0025】
ROM18は、制御部16が実行する、名前解決の処理についてのプログラム(キャッシュコントロールアプリ24)を記憶する。
【0026】
RAM20は、制御部16が名前解決の処理を実行する際にROM18から読み出したプログラム(キャッシュコントロールアプリ24)と、制御部16が名前解決の処理を実行する際に必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0027】
EEPROM22は、ドメイン名リストを保存する。EEPROM22に保存されているドメイン名リストの一例を図3に示す。図3に示すドメイン名リストにおいては、優先度と、サービスの名称と、アカウントの有無と、ドメイン名と、IPアドレスと、優遇情報の有無とが書き込まれている。
【0028】
なお、図3に示すドメイン名リストは、記憶できるサービスの数が最大で3つの場合であって、且つ、サービス毎に記憶できるドメイン名の数が最大で4つの場合の一例を示すものであり、記憶できるサービスの数の最大値及びサービス毎に記憶できるドメイン名の数の最大値は、EEPROM22の記憶容量等によって適宜設定されるものである。
【0029】
優先度は、ドメイン名の名前解決をする際に、いずれのサービスに属するドメイン名から名前解決するかを示す。即ち、優先度は、サービスの名前解決の順位を示す。図3に示すドメイン名リストにおいては、ドメイン名の名前解決が最も優先されるのは、サービスAである。サービスAの次に優先されるのは、サービスBである。サービスBの次に優先されるのは、サービスCである。優先度は、サービスの利用回数が多くなるに従って、高くなる。
【0030】
サービスの名称は、名前解決すべきドメイン名を有するサービスの名称を示す。サービスは、例えば、インターネット放送を受信するためのアプリ12を追加することで、増やすことができる。
【0031】
アカウントは、サービスのアカウントを示す。サービスのアカウントは、例えば、当該サービスの会員登録等によって取得することができる。
【0032】
ドメイン名は、各サービスが有する1又は2以上のドメイン名である。図3に示す例では、サービスAは、3つのドメイン名を有しているが、これら3つのドメイン名の関係としては、例えば、ある1つのドメイン名が、インターネットラジオ放送の番組をジャンル毎に紹介するサイトのトップページであり、残りのドメイン名が、当該サイトが紹介する番組等である場合や、ある1つのドメイン名が、インターネットラジオ放送を提供する放送局を紹介するサイトであり、残りのドメイン名が、当該サイトが紹介する放送局等である場合がある。各サービスが有するドメイン名は、ユーザがサービスを利用することで、追加されることがある。例えば、ユーザが聴いている曲のアルバムアート等を取得する場合には、当該アルバムアートを提供するサイトのドメイン名が追加される。
【0033】
IPアドレスは、各ドメイン名に対応するものである。IPアドレスは、対応するドメイン名についての名前解決をして取得したものである。
【0034】
優遇情報は、他のドメイン名よりも優遇されることを示す。例えば、ドメイン名の名前解決をする際において、優遇情報が付与されているドメイン名の名前解決は、優遇情報が付与されていないドメイン名の名前解決よりも優先される。優遇情報は、例えば、サービスのトップページ等に付与される。優遇情報は、インターネット放送受信装置10が出荷される際に付与される。ユーザがサービスを追加した場合には、例えば、当該サービスを提供するうえで重要なサイト(例えば、トップページ)等に対して、当該サービスを追加した際に、優遇情報が付与される。ユーザがサービスを利用することで追加されたドメイン名については、優遇情報が付与されない。優遇情報は、ユーザが設定できるようにしても良い。
【0035】
また、RAM20にも、ドメイン名リストが保存されている。RAM20に記憶されているドメイン名リストは、アプリ12から名前解決の要求があった場合に参照するものである。
【0036】
RAM20に記憶されているドメイン名リストの一例を図4に示す。図4に示すドメイン名リストにおいては、図3に示すドメイン名リストに比して、更新フラグと、変更フラグと、解決フラグと、ドメイン名の名前解決の要求回数と、サービスの利用回数とが追加されている。更新フラグは、サービスの名前解決をする必要があるか否かを示す。変更フラグは、ドメイン名の名前解決の要求回数を変更する必要があるか否かを示す。解決フラグは、ドメイン名の名前解決をする必要があるか否かを示す。ドメイン名の名前解決の要求回数は、ドメイン名の名前解決の要求が所定期間内に何回あったかを示す。所定期間としては、例えば、インターネット放送受信装置10への電源の供給が開始されてから遮断されるまでの期間(1回の電源供給期間)等がある。ドメイン名の名前解決の要求回数は、アプリ12から名前解決の要求がある度にインクリメントされる。サービスの利用回数は、所定期間内にサービスが何回利用されたかを示す。サービスの利用回数は、サービスが有する1又は2以上のドメイン名についての名前解決の要求がある度にインクリメントされる。
【0037】
なお、図4に示すドメイン名リストは、記憶できるサービスの数が最大で3つの場合であって、且つ、サービス毎に記憶できるドメイン名の数が4以上(例えば、最大で10)の場合の一例を示すものであり、記憶できるサービスの数の最大値及びサービス毎に記憶できるドメイン名の数の最大値は、RAM20の記憶容量等によって適宜設定されるものである。
【0038】
続いて、図5に示すフローチャートを参照して、インターネットラジオ受信アプリ12から名前解決の要求があった場合にキャッシュサーバ14の制御部16が実行する名前解決の処理(名前解決処理)について説明する。
【0039】
先ず、制御部16は、ステップ(以下、Sとする)11において、アプリ12から名前解決の要求を受信したか否かを判定する。受信していない場合(S11:NO)、制御部16は、アプリ12からの名前解決の要求を受信するまで待つ。一方、受信している場合(S11:YES)、制御部16は、S12において、名前解決の要求があったドメイン名が、RAM20に記憶されているドメイン名リスト内に存在するか否かを判定する。
【0040】
名前解決の要求があったドメイン名がRAM20に記憶されているドメイン名リストに存在する場合(S12:YES)、制御部16は、S13において、以前に名前解決したIPアドレスを取得する。具体的には、制御部16は、名前解決の要求があったドメイン名に対応するIPアドレスとして、RAM20に記憶されているドメイン名リストに書き込まれているIPアドレスを取得する。
【0041】
続いて、制御部16は、S14において、名前解決の要求回数が最大値(本実施形態では、99)であるか否かを判定する。要求回数が最大値である場合(S14:YES)、制御部16は、後述するS16以降の処理を実行する。
【0042】
要求回数が最大値でない場合(S14:NO)、制御部16は、S15において、名前解決の要求があったドメイン名の要求回数をインクリメントする。次に、制御部16は、S16において、名前解決の要求があったドメイン名を有するサービスの利用回数をインクリメントする。
【0043】
次に、制御部16は、S17において、取得したIPアドレスをアプリに通知する。その後、制御部16は、アプリ12からの要求に基づく名前解決の処理を終了する。
【0044】
また、名前解決の要求があったドメイン名がRAM20に記憶されているドメイン名リストに存在しない場合(S12:NO)、制御部16は、S18において、名前解決の要求があったドメイン名の名前解決をする。具体的には、インターネット上のDNSサーバに問い合わせて、名前解決の要求があったドメイン名に対応するIPアドレスを取得する。
【0045】
次に、制御部16は、S19において、S18で名前解決したドメイン名及び当該ドメイン名に対応するIPアドレスを、RAM20に記憶されているドメイン名リストの当該ドメイン名が属するサービスの欄に書き込む。その後、制御部16は、S14以降の処理を実行する。
【0046】
続いて、図6に示すフローチャートを参酌して、キャッシュサーバ14の制御部16が実行する更新処理について説明する。更新処理は、インターネット放送受信装置10への電源供給が開始された直後と、所定期間が経過した場合に実行される。所定期間としては、例えば、1日等がある。所定期間の計算方法としては、例えば、電源を投入した時から計算する方法、ネットワークの設定をした時から計算する方法等がある。
【0047】
先ず、制御部16は、S31において、EEPROM22に保存されているドメイン名リストをRAM20に読み出す。次に、制御部16は、S32において、インターネット放送受信装置10に電源が投入された直後であるか否かが判定される。
【0048】
電源投入直後でない場合(S32:NO)、制御部16は、後述するS34以降の処理を実行する。電源投入直後である場合(S32:YES)、制御部16は、S33において、全てのサービスの利用回数を0に設定する。
【0049】
次に、制御部16は、S34において、全てのサービスの更新フラグをONにする。続いて、制御部16は、S35において、更新フラグがONになっているサービスがあるか否かを判定する。
【0050】
更新フラグがONになっているサービスがある場合(S35:YES)、制御部16は、S36において、更新フラグがONになっているサービスのうち、最も優先度が高いサービスを選択する。次に、制御部16は、S37において、S36で選択したサービスのアカウントがあるか否かを確認する。
【0051】
アカウントがない場合(S37:NO)、制御部16は、S38において、S36で選択したサービスの更新フラグをOFFにした後、S35以降の処理を実行する。アカウントがある場合(S37:YES)、制御部16は、S39において、S36で選択したサービスが有する全てのドメイン名の変更フラグをONにする。
【0052】
次に、制御部16は、S40において、S36で選択したサービス内に、変更フラグがONのドメイン名があるか否かを確認する。変更フラグがONのドメイン名がある場合(S40:YES)、制御部16は、S41において、変更フラグがONのドメイン名のうち、リストに書き込まれている順番が最上位であるドメイン名を選択する。
【0053】
続いて、制御部16は、S42において、電源投入直後であるか否かを判定する。電源投入直後である場合(S42:YES)、制御部16は、S43において、S41で選択したドメイン名が優遇情報を有しているか否かを判定する。
【0054】
優遇情報を有していない場合(S43:NO)、制御部16は、S44において、S41で選択したドメイン名の名前解決の要求回数を0に設定する。次に、制御部16は、S45において、S41で選択したドメイン名の変更フラグをOFFにした後、S40以降の処理を実行する。
【0055】
電源投入直後でない場合(S42:NO)、制御部16は、S45以降の処理を実行する。
【0056】
優遇情報を有している場合(S43:YES)、制御部16は、S46において、S41で選択したドメイン名の名前解決の要求回数を最大値(本実施形態では、99)に設定した後、S45以降の処理を実行する。
【0057】
変更フラグがONのドメイン名がない場合(S40:NO)、制御部16は、S47において、S36で選択したサービスが有する全てのドメイン名の解決フラグをONにする。続いて、制御部16は、S48において、S36で選択したサービス内に、解決フラグがONのドメイン名があるか否かを確認する。
【0058】
解決フラグがONのドメイン名がある場合(S48:YES)、制御部16は、S49において、変更フラグがONになっているドメイン名のうち、名前解決の要求回数が最多のドメイン名を選択する。次に、制御部16は、S50において、S49で選択したドメイン名の名前解決をする。
【0059】
続いて、制御部16は、S51において、S50で取得したIPアドレスをRAM20に保存されているドメイン名リストに書き込む。次に、制御部16は、S52において、解決フラグをOFFにした後、S48以降の処理を実行する。
【0060】
解決フラグがONのドメイン名がない場合(S48:NO)、制御部16は、S53において、S36で選択したサービスが有する全てのドメイン名から、要求回数の多い順に順位を決定し、上位4つのドメイン名を選択する。次に、制御部16は、S54において、S53で選択したドメイン名と、当該ドメイン名に対応するIPアドレスとを、EEPROM22に保存されているドメイン名リストの当該ドメイン名が属するサービスの欄に書き込んだ後、S38以降の処理を実行する。
【0061】
更新フラグがONになっているサービスがない場合(S35:NO)、制御部16は、S55において、サービスの利用回数が多い順番にサービスの優先度を決定する。次に、制御部16は、S56において、S55で決定したサービスの優先度をEEPROM22のドメイン名リストに書き込んだ後、更新処理を終了する。
【0062】
このようなインターネット放送受信装置10においては、あるドメイン名についての名前解決の要求がアプリからあった場合(S11:YES)、名前解決の要求があったドメイン名が、RAM20に記憶されているドメイン名リストに存在するドメイン名であれば(S12:YES)、以前に取得したIPアドレスがアプリ12に通知される(S13,S17)。一方、名前解決の要求があったドメイン名が、RAM20に記憶されているドメイン名リストに存在しないドメイン名である場合(S12:NO)、名前解決の要求があったドメイン名の名前解決がされて(S18)、今回の名前解決で取得したIPアドレスがアプリ12に通知される(S17)。
【0063】
また、インターネット放送受信装置10においては、EEPROM22に保存されているドメイン名リストが定期的に更新される。本実施形態では、インターネット放送受信装置10に電源を投入した直後と、所定期間が経過した後とにおいて、EEPROM22に保存されているドメイン名リストが更新される。
【0064】
更新処理において、ドメイン名の名前解決は、優先度が高い順番に実施される(S36)。そこにおいて、優先度は、サービスの利用回数が多い程、高くなっている。
【0065】
従って、ドメイン名の名前解決の順番に、ユーザによるサービスの利用状況を反映させることができる。これにより、ユーザがお気に入りのサービスを利用する際に、最新のIPアドレスを既に取得している状態が実現される。その結果、ユーザがお気に入りのサービスを利用する際の待ち時間を短くすることができる。
【0066】
そこにおいて、更新処理では、サービス毎にドメイン名の名前解決をしている(S36)。これにより、ユーザが利用するサービスを変更した場合に、最新のIPアドレスを既に取得している状態が実現される。その結果、ユーザが利用するサービスを変更した場合の待ち時間を短くすることができる。
【0067】
また、更新処理においては、アカウントのあるサービスが有するドメイン名だけが新たに名前解決される(S37:YES)。即ち、ユーザが利用する可能性が高いサービスが、他のサービスよりも優先的に名前解決される。その結果、ドメイン名の名前解決の順番にユーザの趣向を反映させ易くなる。
【0068】
また、更新処理においては、優遇情報が付与されたドメイン名の名前解決の要求回数が最大値に設定され(S46)、名前解決の要求回数が多い順番に名前解決される(S49,S50)。即ち、優遇情報が付与されたドメイン名は、優遇情報が付与されていないドメイン名よりも優先的に名前解決される。これにより、例えば、サービスを提供するうえで必ずアクセスするようなサイトのドメイン名については、他のサイトのドメイン名よりも先に名前解決される。その結果、ユーザが利用するサービスを変更した場合に、最新のIPアドレスを既に取得している状態を実現することができる。従って、ユーザが利用するサービスを変更した場合の待ち時間を短くすることが可能となる。
【0069】
また、更新処理においては、名前解決されたドメイン名に対応するIPアドレスがEEPROM22に保存されているドメイン名リストに書き込まれる(S54)。これにより、ユーザが利用する可能性の高いものについては、常に、最新のIPアドレスをEEPROM22に保存されているドメイン名リストに書き込んでおくことができる。
【0070】
そこにおいて、更新処理では、名前解決の要求回数の多いドメイン名が4つ選択され(S53)、これらのドメイン名と、これらのドメイン名に対応するIPアドレスとが、EEPROM22に保存されているドメイン名リストに書き込まれる(S54)。これにより、本当に必要なIPアドレスだけを、EEPROM22に保存されているドメイン名リストに書き込んでおくことができる。
【0071】
また、更新処理が終了する直前に、サービスの優先度をEEPROM22に保存されているドメイン名リストに書き込む(S55、S56)。これにより、最新の利用状況(ユーザによるサービスの利用状況)を、次回の更新処理に反映させることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について、詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施形態によって、何等、限定されない。
【0073】
例えば、前記実施形態では、インターネットラジオ放送を受信するためのインターネット放送受信装置10について、本発明を適用したものの一具体例を示したが、本発明は、インターネットテレビ放送を受信するためのインターネット放送受信装置に対しても、勿論、適用可能である。
【0074】
また、前記実施形態において、インターネット放送受信装置10は、インターネットラジオ放送を受信する機能だけを有するものに限定されない。例えば、外部接続された再生装置としてのBD(Blu-ray Disc)プレイヤー等から入力される音声信号及び/又は画像信号を増幅して出力するAV(Audio Visual)アンプであっても良い。
【0075】
また、前記実施形態において、ROM18を設けないで、キャッシュコントロールアプリ24をEEPROM22に記憶しても良い。この場合、キャッシュコントロールアプリ24を書き換えることができる。その結果、キャッシュコントロールアプリ24のアップデートを実現することが可能となる。
【0076】
また、前記実施形態において、EEPROM22の記憶容量に余裕がある場合には、名前解決の要求回数等もEEPROM22に記憶しても良い。これにより、インターネット放送受信装置10に電源が供給されていない期間を挟んだ長期間に亘って名前解決の要求回数をカウントしておくことができる。
【0077】
また、前記実施形態において、定期的な更新処理を、所定期間が経過した場合だけでなく、例えば、ユーザがサービス(アプリ)を追加したり、ユーザがサービスのアカウント登録をしたり、ユーザがサービスのアカウントを削除した場合に実行しても良い。これにより、ユーザによるサービスの利用状況をより的確に名前解決順位に反映させることができる。
【0078】
前記実施形態の更新処理において、例えば、無料で提供されるサービスであって、且つ、アカウント登録が必要ないサービスを、アカウントがあるものとして取り扱うようにしても良い。これにより、例えば、ユーザが、たまには無料のサービスを利用しようと思って、無料のサービスを利用する場合に、最新のIPアドレスを既に取得している状態を実現することができる。その結果、ユーザの気まぐれで利用するサービスが変更された場合であっても、待ち時間を短くすることが可能となる。
【0079】
前記実施形態のS53において、要求回数の最も多いドメイン名だけを選択しても良い。
【0080】
前記実施形態の更新処理において、例えば、1つのサービスが有する全てのドメイン名の名前解決が終了した後に、全てのサービスの優先度を決定し、EEPROM22に保存されているドメイン名リストに、全てのサービスの優先度を書き込むようにしても良い。
【符号の説明】
【0081】
10 インターネット放送受信装置
16 制御部
22 EEPROM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット放送を受信するインターネット放送受信装置であって、
前記インターネット放送に関するサービスが有するドメイン名と、前記ドメイン名に対応するIPアドレスとを含むドメイン名リストを記憶する記憶手段と、
前記サービスの利用状況を確認する確認手段と、
前記確認手段による確認結果に基づいて、前記サービスが有するドメイン名の名前解決をする名前解決手段と、
前記名前解決手段によって名前解決された前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを、前記ドメイン名リストを書き込む書込手段とを備える、インターネット放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインターネット放送受信装置であってさらに、
前記名前解決手段によって名前解決された前記ドメイン名のうち、名前解決の要求回数が多い順に上位数個を選択する選択手段を備え、
前記書込手段は、前記選択手段によって選択されたドメイン名に対応するIPアドレスを、前記ドメイン名リストに書き込む、インターネット放送受信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインターネット放送受信装置であって、
前記確認手段は、
前記ドメイン名についての名前解決の要求回数を確認する回数確認手段を備え、
前記名前解決手段は、前記ドメイン名についての名前解決の要求回数が多い順番に、前記ドメイン名の名前解決をする、インターネット放送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のインターネット放送受信装置であってさらに、
他のドメイン名よりも優先して名前解決することを示す優遇情報が付与されているか否かを確認する優遇確認手段と、
前記優遇情報が付与されているドメイン名についての名前解決の要求回数を最大値に変更する変更手段とを備える、インターネット放送受信装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のインターネット放送受信装置であって、
前記確認手段は、
前記サービスのアカウントがあるか否かを確認するアカウント確認手段を備え、
前記名前解決手段は、アカウントがあるサービスのドメイン名だけを名前解決する、インターネット放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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