説明

インターホンシステム

【課題】たとえ電源投入時にIP制御機に接続できなかったとしても、ローカルシステム内におけるインターホン機器同士については通話可能に接続することができるインターホンシステムを提供する。
【解決手段】ローカル制御装置13は、電源投入する度にインターネット2を介してIP制御機3に接続し、自身が所属するローカルシステム10内のインターホン機器(インターホン親機11、及びインターホン子機12a、12b)のIPアドレスをダウンロードして、そのIPアドレスを記憶部28に記憶している。そして、電源投入した際にIP制御機3に接続できなかった場合において、1のインターホン機器が同じローカルシステム10に所属する他のインターホン機器を呼び出すと、前回の電源投入において記憶部28に記憶したIPアドレスをもとに、1のインターホン機器と他のインターホン機器とを通話可能に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン子機及びインターホン親機を少なくとも1ずつ含む複数のインターホン機器と、インターホン機器間でインターネットプロトコルにより音声信号等を送受信するに際し、各インターホン機器のIPアドレスを記憶したローカル制御装置とからなるローカルシステムを、インターネットを介して外部の他のローカルシステムと接続してなるインターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン子機とインターホン親機とを、インターネットプロトコルにより音声信号等を送受信可能に接続してなるインターホンシステムが考案されている(たとえば特許文献1)。そして、このようなインターホンシステムには、各機器を識別するためのIPアドレスを記憶しており、たとえばインターホン子機において所望のインターホン親機を呼び出す操作がなされた際、そのIPアドレスをもとに所望のインターホン機器同士を通話可能に接続するIP制御機が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−32375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インターネットの普及や組織のグローバル化等により、特許文献1に記載されているようなインターホンシステムをローカルシステムとし、該ローカルシステムを、インターネットを介して他のローカルシステムと接続するような大規模なインターホンシステムの構築が求められている。そして、そのような大規模なインターホンシステムでは、構成の合理化等の観点から、1つのIP制御機を複数のローカルシステムで共用(すなわち、各ローカルシステム毎にはIP制御機を備えない)するといった構成の採用が想定される。
【0005】
上記大規模なインターホンシステムでは、IPアドレスがIP制御機にしか記憶されていないため、IP制御機を備えていないローカルシステムでは、たとえばローカルシステムの動作設定の更新やインターホン機器の追加等によりローカルシステムを再起動する、すなわち電源投入する度にインターネットを介してIP制御機に接続し、そのローカルシステムに所属するインターホン機器のIPアドレスをダウンロードする必要がある。しかしながら、インターネットに接続するための機器(たとえばルータ等)の不調や回線の混雑等によって、電源投入時にインターネットに接続できない(インターネットを介してIP制御機に接続できない)ような状況も考えられる。そして、電源投入時にIP制御機に接続できないと、同じローカルシステムに所属するインターホン機器同士ですら通話できなくなるといった事態が起こり得る。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、たとえ電源投入時にIP制御機に接続できなかったとしても、ローカルシステム内におけるインターホン機器同士については通話可能に接続することができるインターホンシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、インターホン子機とインターホン親機とを少なくとも1ずつ含む複数のインターホン機器、及びインターネットプロトコルにより時分割多重通信によってインターホン機器間の通話を制御するローカル制御装置を有し、夫々インターネットを介して接続される複数のローカルシステムと、インターネットに接続され、インターホン機器のIPアドレスを記憶するIP制御機とからなり、1のインターホン機器が他のインターホン機器を呼び出した際、呼び出し操作した1のインターホン機器が所属するローカルシステムのローカル制御装置は、IP制御機に記憶されているIPアドレスをもとに、1のインターホン機器と他のインターホン機器とを通話可能に接続するインターホンシステムであって、ローカル制御装置は、電源投入する度にインターネットを介してIP制御機に接続し、自身が所属するローカルシステム内のインターホン機器のIPアドレスをダウンロードして、そのIPアドレスを記憶部に記憶しており、電源投入した際にIP制御機に接続できなかった場合において、1のインターホン機器が同じローカルシステムに所属する他のインターホン機器を呼び出すと、前回の電源投入において記憶部に記憶したIPアドレスをもとに、1のインターホン機器と他のインターホン機器とを通話可能に接続することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ローカル制御装置は、電源投入する度にインターネットを介してIP制御機に接続し、自身が所属するローカルシステム内のインターホン機器のIPアドレスをダウンロードして、そのIPアドレスを記憶部に記憶している。そして、電源投入した際にIP制御機に接続できなかった場合において、1のインターホン機器が同じローカルシステムに所属する他のインターホン機器を呼び出すと、前回の電源投入において記憶部に記憶したIPアドレスをもとに、1のインターホン機器と他のインターホン機器とを通話可能に接続するため、インターネットへの接続状況に拘わらず、ローカルシステム内のインターホン機器同士の通話に関しては保証することができ、使い勝手が非常に良い。また、IP制御機をローカルシステム毎に設置する必要がないため、インターホンシステム1全体としての構成の合理化を図ることができる。さらに、各インターホン機器のIPアドレスの設定はIP制御機に対してのみ行えばよいため、2つ以上の機器で登録しなければならないシステムと比較すると、IPアドレスの齟齬が生じないというメリットもある。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ローカル制御装置は、電源投入した際にIP制御機に接続できなかった場合、IP制御機に接続できるまで接続要求信号を繰り返し送信することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、ローカル制御装置は、電源投入した際にIP制御機に接続できなかった場合、IP制御機に接続できるまで接続要求信号を繰り返し送信するため、接続の成功に伴い自動的にIPアドレスや動作設定がダウンロードされることになり、使い勝手が非常によい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ローカル制御装置が、電源投入する度にインターネットを介してIP制御機に接続し、自身が所属するローカルシステム内のインターホン機器のIPアドレスをダウンロードして、そのIPアドレスを記憶部に記憶しているため、インターネットへの接続状況に拘わらず、ローカルシステム内のインターホン機器同士の通話に関しては保証することができ、使い勝手が非常に良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】インターホンシステム全体の構成を示した説明図である。
【図2】インターホン機器の一部やローカル制御装置のブロック構成を詳細に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態となるインターホンシステムについて、図面にもとづき詳細に説明する。
【0012】
まず、インターホンシステム1全体について説明する。図1は、インターホンシステム1全体の構成を示した説明図である。
インターホンシステム1は、複数のインターホン機器(インターホン親機11、及びインターホン子機12a、12b)が所属するローカルシステム10と、複数のインターホン機器(インターホン親機51、及びインターホン子機52)が所属するローカルシステム10とは別のローカルシステム50と、インターホンシステム1全体のインターホン機器のIPアドレスを記憶するIP制御機3とを、インターネット2を介して接続してなる。また、全てのインターホン機器では、各ローカルシステム10、50に所属するローカル制御装置13、53による制御のもと、デジタル音声信号や他の制御信号をインターネットプロトコルにより時分割多重通信で送受信するように構成されており、インターホン機器同士を接続するためのIPアドレスを記憶するIP制御機3は、ローカルシステム50に接続されている。
【0013】
次に、各ローカルシステムにおけるインターホン機器やローカル制御装置等について説明する。
ローカルシステム10には、インターホン親機11と、インターホン子機12a、12bが所属しているとともに、それらのインターホン機器同士の接続を制御する(主に通話路を管理する)ローカル制御装置13、及び自身に所属するインターホン機器同士を接続したり、インターホン機器をインターネット2に接続したりするためのHUB14を備えている。一方、ローカルシステム50にも、ローカルシステム10と同様のインターホン親機51やインターホン子機52、ローカル制御装置53、HUB54が備えられている。また、ローカルシステム50では、上述したようにインターホンシステム1全体のインターホン機器のIPアドレスを記憶したIP制御機3がHUB54に接続されている。IP制御機3は、異なるローカルシステムに所属するインターホン機器同士のインターネット2を介しての接続を制御する(通話路を管理する)ものであり、該IP制御機3には各ローカルシステム10、50のローカル制御装置13、53が接続可能となっている。また、IP制御機3には、各ローカルシステム10、50での動作設定(たとえば最大通話路数等)も記憶されている。
【0014】
さらに、インターホン機器及びローカル制御装置のブロック構成について、図2をもとに詳述する。図2は、ローカルシステム10に所属するインターホン機器の一部やローカル制御装置のブロック構成を詳細に示した説明図である。尚、ローカルシステム50に所属するインターホン機器やローカル制御装置は、ローカルシステム10のものと同じ構成であり、その詳細な説明は省略する。
【0015】
インターホン親機11は、通話のためのマイク15及びスピーカ16と、映像を表示するためのディスプレイ17と、他のインターホン機器(すなわち、同じローカルシステム10に所属するインターホン子機12a、12b、及び他のローカルシステム50に所属するインターホン親機51やインターホン子機52)の呼び出し時や他のインターホン機器(すなわち、他のローカルシステム50に所属するインターホン親機51)からの呼び出しに対する応答時、更には各種設定時に操作される操作部18を備えているとともに、自身の動作を制御する制御部としてのCPU19、及び自身の動作プログラムやローカル制御装置13のIPアドレスを記憶する記憶部20を内蔵している。
【0016】
また、インターホン子機12aは、通話のためのマイク21及びスピーカ22と、インターホン親機11のディスプレイ17に表示される映像を撮像するためのカメラ23と、インターホン親機11の呼び出し時やインターホン親機11、51からの呼び出しに対する応答時に操作される操作部24を備えているとともに、自身の動作を制御する制御部としてのCPU25、及び自身の動作プログラムやローカル制御装置13のIPアドレスを記憶する記憶部26を内蔵している。尚、インターホン子機12bは、インターホン子機12aと同じ構成を有している。
さらに、ローカル制御装置13は、制御部としてのCPU27を内蔵しているとともに、ローカルシステム10の動作設定、IP制御機3のIPアドレス、及び自身が所属するローカルシステム10の各インターホン機器(すなわち、インターホン親機11及びインターホン子機12a、12b)のIPアドレスを記憶する記憶部28を内蔵している。尚、IP制御機3のIPアドレスについては予め起動当初から設定されている一方、各インターホン機器のIPアドレスについては後述の如くして取得し記憶する。
【0017】
以上のような構成を有するインターホンシステム1においては、ローカルシステム10を起動する、すなわちローカル制御装置13の電源を投入する度に、ローカル制御装置13は、記憶部28に予め設定されているIP制御機3のIPアドレスをもとに、HUB14及びインターネット2を介してIP制御機3へ接続要求信号を送信し、IP制御機3に接続を試みる。そして、IP制御機3からの接続完了信号を受信しIP制御機3との接続に成功すると、IP制御機3に記憶されているローカルシステム10に所属するインターホン機器のIPアドレス及び動作設定をダウンロードし、IPアドレスを記憶部28に記憶するとともに、ダウンロードした動作設定をもとに各種設定を行う。
【0018】
一方、インターネット2に接続できず、IP制御機3と接続できないと判断した(すなわち、接続要求信号を送信してから一定時間(たとえば5分間)以内にIP制御機3から接続完了信号を受信できない)場合には、接続が成功するまで接続要求信号を繰り返し送信する。そして、IP制御機3との接続に成功すると、上述同様にIP制御機3からIPアドレス等をダウンロードし、IPアドレスについては記憶部28に記憶する。
【0019】
そして、電源投入後、ローカルシステム10に所属するインターホン機器同士で通話しようとした際には、以下のような制御が行われる。尚、ここではインターホン親機11からインターホン子機12aを呼び出そうとした際について詳述するが、たとえばインターホン子機12aからインターホン親機11を呼び出す場合にも、ローカル制御装置13のIP制御機3への接続等に関して同様の制御が行われる。
まず、インターホン親機11においてインターホン子機12aを呼び出す操作がされると、インターホン親機11のCPU19は、HUB14を介してローカル制御装置13にインターホン子機12aのIPアドレスを問い合わせる。ローカル制御装置13では、該問い合わせに伴い、呼び出し対象となるインターホン子機12aが同じローカルシステム10に所属するインターホン機器であるか否かを判断する。そして、この場合には所属しているため記憶部28を参照し、記憶しているIPアドレスをインターホン親機11のCPU11へと送信する。このとき、電源投入してからIP制御機3に接続した後に呼び出し操作がされた場合には、該電源投入に際してIP制御機3からダウンロードして記憶部28に記憶したIPアドレスをインターホン親機11へ送信する。一方、電源投入してからIP制御機3に接続できていない間に呼び出し操作がされた場合には、前回の電源投入に際して記憶部28に記憶しているIPアドレスを送信する。すると、インターホン親機11では、受信したIPアドレスをもとにインターホン子機12aを特定し、インターホン子機12aを呼び出す。そして、インターホン子機12aにおいて応答操作がされると、インターホン親機11とインターホン子機12aとの間で通話が可能となる。
【0020】
また、ローカルシステム10に所属するインターホン機器とローカルシステム50に所属するインターホン機器との間で通話しようとした際には、以下のような制御が行われる。尚、ここではインターホン親機11からインターホン親機51を呼び出そうとした際について詳述するが、たとえばインターホン親機11からインターホン子機52を呼び出す場合にも同様の制御が行われる。
まず、インターホン親機11においてインターホン親機51を呼び出す操作がされると、インターホン親機11のCPU19は、HUB14を介してローカル制御装置13にインターホン親機51のIPアドレスを問い合わせる。ローカル制御装置13では、該問い合わせに伴い、呼び出し対象となるインターホン親機51が同じローカルシステム10に所属するインターホン機器であるか否かを判断する。そして、この場合には所属していないため、HUB14及びインターネット2を介してIP制御機3に接続を試み、インターホン親機51のIPアドレスを問い合わせる。そして、接続に成功すると、IP制御機3に記憶されているインターホン親機51のIPアドレスをダウンロードし、当該IPアドレスをインターホン親機11のCPU19へと送信する。すると、インターホン親機11では、受信したIPアドレスをもとにインターホン親機51を特定し、インターネット2を介してインターホン親機51を呼び出す。そして、インターホン親機51において応答操作がされると、インターホン親機11とインターホン親機51との間で通話が可能となる。尚、異なるローカルシステムに所属するインターホン機器のIPアドレスについては、インターネット2に接続できない限り、それらのインターホン機器と接続することができないため、ローカル制御装置13ではダウンロードしたIPアドレスを記憶部28に記憶しない。
【0021】
一方、ローカル制御装置13がIP制御機3にインターホン親機51のIPアドレスを問い合わせた際に、インターネット2へ接続できない等によりIP制御機3と接続できない場合(たとえば、接続要求信号に対して接続完了信号を受信できない場合)、ローカル制御装置13は、インターネット2に接続できないと判断し、インターホン親機11へ呼出キャンセル信号を送信する。
【0022】
さらに、ローカルシステム50に所属するインターホン機器で呼び出し操作が行われた際には、以下のような制御が行われる。
ローカルシステム50では、インターネット2に接続できるか否かに拘わらず、ローカル制御装置53がIP制御機3と接続できる状況にあるものの、電源投入する度にローカル制御装置53はIP制御機3に接続し、ローカルシステム10同様、自身が所属するローカルシステム50のインターホン機器(インターホン親機51及びインターホン子機52)のIPアドレスをダウンロードし、記憶部に記憶する。そして、たとえばインターホン子機52からインターホン親機51を呼び出した際には、ローカル制御装置53において呼び出し対象となるインターホン親機51が同じローカルシステム50に所属するインターホン機器であるか否かを判断した後、記憶部に記憶しているIPアドレスをインターホン子機52へと送信する。一方、ローカルシステム10に所属するインターホン機器との間で通話しようとする際、インターネット2への接続ができない状況であっても所望のIPアドレスを取得できるものの、インターネット2への接続ができないと判断する(たとえばローカル制御装置53からローカル制御装置13へ接続要求信号を送信したにも拘わらず接続完了信号を受信できない)ことをもって、呼び出し操作されたインターホン機器へ呼出キャンセル信号を送信する。
【0023】
以上のような構成を有するインターホンシステム1によれば、特にIP制御機3が接続されていないローカルシステム10において、ローカルシステム10に所属するインターホン機器の通話を制御するローカル制御装置13の電源を投入する度に、ローカル制御装置13はインターネット2を介してIP制御機3に接続し、自身が所属するローカルシステム10のインターホン親機11及びインターホン子機12a、12bのIPアドレスをダウンロードして記憶部28に記憶する。そして、同じローカルシステム10に所属するインターホン機器同士での通話の場合、ローカル制御装置13は、記憶部28に記憶しているIPアドレスをもとに両者を通話可能に接続する。したがって、ローカル制御装置13に電源が投入されてからIP制御機3に接続していない場合であっても、ローカルシステム10に所属するインターホン機器同士については、前回の電源投入時において記憶部28に記憶したIPアドレスをもとに、両インターホン機器を通話可能に接続することができ(たとえばインターホン親機11からインターホン子機12aを呼び出す等した際に、インターホン親機11とインターホン子機12aとを通話可能に接続することができ)る。そのため、インターネット2への接続状況に拘わらず、同じローカルシステム10内でのインターホン機器同士の通話に関しては保証することができ、使い勝手が非常に良い。
さらに、IP制御機3をローカルシステム毎に設置する必要がないため、インターホンシステム1全体としての構成の合理化を図ることができる上、各インターホン機器のIPアドレスの設定はIP制御機3に対してのみ行えばよいため、2つ以上の機器で登録しなければならないシステムと比較すると、IPアドレスの齟齬が生じないというメリットもある。
【0024】
また、電源投入時において、インターネット2に接続できず、IP制御機3と接続できない場合には、接続が成功するまで接続要求信号を繰り返し送信する。したがって、インターネット2への接続が成功すると、自動的にIPアドレスや動作設定がダウンロードされることになり、使い勝手が非常によい。
加えて、ローカル制御装置13がIP制御機3にインターホン親機51のIPアドレスを問い合わせた際に、インターネット2へ接続できない等によりIP制御機3と接続できない状況が発生すると、ローカル制御装置13は、インターネット2に接続できないと判断し、インターホン親機11へ呼出キャンセル信号を送信する。したがって、通話待ちの滞留が発生しづらく、回線効率が向上する。
【0025】
なお、本発明に係るインターホンシステムは、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、各インターホン機器の構成は勿論、通話に係る制御等に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0026】
たとえば、インターホン子機12aにおいて呼び出し操作した際に、同じローカルシステム10に所属するインターホン親機11のみならず、ローカルシステムが異なるインターホン親機51をも自動的に呼び出すように設定してもよい。そして、該設定時においてインターネット2への接続ができないと判断すると、ローカル制御装置13に記憶されているIPアドレスをもとにインターホン親機11のみを呼び出し、インターホン親機51については、呼び出しをキャンセルするような構成としてもよい。
また、1つのローカルシステム(たとえばローカルシステム10)に複数のインターホン親機を所属させることも可能である。
さらに、上記実施形態では、インターホンシステム1は2つのローカルシステムから構成されているが、3つ以上のローカルシステムからなるように構成しても勿論よい。
【0027】
またさらに、上記実施形態では、電源投入した際にIP制御機3からダウンロードしたIPアドレスを全て記憶するように構成しているが、ダウンロードする度に全てを記憶するのではなく、追加若しくは更新されたIPアドレスのみを記憶するように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態ではIP制御機3が所属するローカルシステム50においても、ローカル制御装置53にIPアドレスを記憶させるとしているが、IP制御機が接続されているローカルシステムにおいてはローカル制御装置にIPアドレスを記憶させないように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1・・インターホンシステム、2・・インターネット、3・・IP制御機、10、50・・ローカルシステム、11、51・・インターホン親機(インターホン機器)、12a、12b、52・・インターホン子機(インターホン機器)、13、53・・ローカル制御装置、14、54・・HUB、27・・CPU、28・・記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターホン子機とインターホン親機とを少なくとも1ずつ含む複数のインターホン機器、及びインターネットプロトコルにより時分割多重通信によって前記インターホン機器間の通話を制御するローカル制御装置を有し、夫々インターネットを介して接続される複数のローカルシステムと、前記インターネットに接続され、前記インターホン機器のIPアドレスを記憶するIP制御機とからなり、
1のインターホン機器が他のインターホン機器を呼び出した際、呼び出し操作した前記1のインターホン機器が所属する前記ローカルシステムの前記ローカル制御装置は、前記IP制御機に記憶されているIPアドレスをもとに、前記1のインターホン機器と前記他のインターホン機器とを通話可能に接続するインターホンシステムであって、
前記ローカル制御装置は、電源投入する度に前記インターネットを介して前記IP制御機に接続し、自身が所属する前記ローカルシステム内の前記インターホン機器のIPアドレスをダウンロードして、そのIPアドレスを記憶部に記憶しており、
電源投入した際に前記IP制御機に接続できなかった場合において、前記1のインターホン機器が同じ前記ローカルシステムに所属する前記他のインターホン機器を呼び出すと、前回の電源投入において前記記憶部に記憶したIPアドレスをもとに、前記1のインターホン機器と前記他のインターホン機器とを通話可能に接続することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記ローカル制御装置は、電源投入した際に前記IP制御機に接続できなかった場合、前記IP制御機に接続できるまで接続要求信号を繰り返し送信することを特徴とする請求項1に記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−46158(P2013−46158A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181674(P2011−181674)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】