説明

インターホンシステム

【課題】インターホンシステムの初起動時及び通話端末の追加、変更時において、ルータを経由してLANに接続可能な通話端末の検出・登録を実行する際の利便性及び信頼性を向上させる。
【解決手段】通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2とともにルータ6を経由して及びLAN7に接続可能な制御装置4のCPU41は、インターホンシステムの初起動時及び通話端末の追加、変更時において、パソコン5の表示部50に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づき操作部51の操作により選択された通話端末の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称について自動で検出し、記憶部40に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校・工場等の施設(業務用施設)に設置されるインターホンシステムに係り、特に、当該施設内に設けられる通話端末をLANに接続可能なインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LANに接続された通話端末を、(制御装置において)MACアドレスにより管理・制御するにあたって、このMACアドレスや機種名、端末名称等の各種情報を事前に登録するためには、これらの情報を手動で入力する必要があった(例えば、特許文献1、2をそれぞれ参照。)。また、登録すべきMACアドレス自体が不明である場合には、例えば、DOSコマンドを使用してLANに接続された通話端末を選択した後、MACアドレスや機種名、端末名称等の各種情報を手動で入力する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−26954号公報
【特許文献2】特開2003−50754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来例によれば、MACアドレスや機種名、端末名称等の各種情報を手動で入力する必要があるため、その入力データに誤りが発生した場合、通話端末が正常に動作しなくなるおそれがあるばかりでなく、入力操作自体に手間を要し煩雑さを有する難点があった。
【0005】
本発明は、これらの難点を解消するためになされたもので、インターホンシステムの初起動時及び通話端末の追加、変更時において、ルータを経由してLANに接続可能な通話端末の検出・登録を実行する際の利便性及び信頼性を向上させたインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホンシステムは、子機、親機のうち少なくとも1で構成され、MACアドレス、機種名が予め割り当てられた通話端末と、通話端末を管理・制御するための制御装置とを学校・工場等の施設に設置し、通話端末及び制御装置それぞれがルータを経由してLANに接続可能なインターホンシステムである。制御装置は、LANに接続された通話端末の制御のためのMACアドレス、機種名、端末名称を登録するための記憶部と、インターホンシステムの初起動時及び通話端末の追加、変更時にMACアドレス、機種名、端末名称を記憶部に登録するとともにLANに接続されたパソコンの表示部で表示させるシステム設定用ブラウザ画面を作成するためのCPUとを有している。制御装置のCPUは、LANに接続された全ての当該通話端末に対してマルチキャスト通信にてデータを送信する機能を備えている。通話端末は、自端末が有するMACアドレス、機種名、端末名称をユニキャスト通信にて制御装置のCPUに返信するためのCPUを備えている。制御装置のCPUは、通話端末のCPUより返信されたMACアドレス、機種名、端末名称をシステム設定用ブラウザ画面に表示させる機能を備えている。パソコンは、表示部に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき通話端末を選択するための操作部と、操作部による選択結果を制御装置のCPUに送信するためのCPUを備えている。
【0007】
また、本発明の第2の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、制御装置のCPUに代えて通話端末にCPUを備えるものである。
【0008】
また、本発明の第3の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、パソコンに代えて親機と同様の機能を有するインターホン・アプリケーションがインストールされたPC親機を備えている。PC親機は、ルータを経由してLANに接続可能であって制御装置により管理・制御されるものである。
【0009】
また、本発明の第4の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、ルータは、グローバルIPアドレスを有し、通話端末に接続するための特定ポートを開放する機能を備えている。パソコンは、インターネットを経由してルータに接続され、表示部に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき通話端末を選択するための操作部と、操作部による選択結果を制御装置のCPUに送信するためのCPUを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインターホンシステムによれば、通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)とともにルータを経由してLANに接続可能な制御装置のCPUは、当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末の追加、変更時において、パソコンの表示部に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づき操作部の操作により選択された通話端末の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称について自動で検出し、記憶部に登録することができるため、システム設定・変更を容易に行うことができ手動による入力操作が不要となり、これに起因して発生するおそれがある誤入力を防止できる。
【0011】
また、制御装置のCPUに備えられる機能を、通話端末のうち少なくとも子機又は親機のCPUに備えることもできるため、制御装置が備えられていない当該インターホンシステムに適用することができる。
【0012】
また、パソコンに備えられる機能を、ルータを経由してLANに接続可能であって制御装置により管理・制御され、親機と同様の機能を有するインターホン・アプリケーションがインストールされたPC親機に備えることもでき、当該パソコンを不要にすることができる。
【0013】
さらに、制御装置のCPU又当該制御装置のCPUに代えて通話端末のうち少なくとも子機又は親機のCPUが適用される場合であって、ルータがグローバルIPアドレスを有し、LANを経由して通話端末に接続するための特定ポートが開放されているときには、インターネットに接続させた例えば、同一システム(施設)内から離れた遠隔地に設置されるパソコンを使用することで、パソコンの表示部に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づき操作部の操作により選択された通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称について自動で検出し、記憶部に登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム図。
【図2】本発明の実施例によるインターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例によるインターホンシステムの具体的な動作を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム図であり、このインターホンシステムは、学校・工場等の施設(業務用施設)に設置されている。
【0017】
図1に示すインターホンシステムには、MACアドレス、機種名が予め割り当てられており通話機能を有する少なくとも1の当該通話端末であって、学校・工場等の施設において例えば、学校における複数の教室内や工場における作業場に設置される子機1、前述の学校における職員室又は管理室や工場における事務所(管理事務所)に設置される親機2と、親機2と同様の機能を有するインターホン・アプリケーションがインストールされたPC(パーソナルコンピュータ)親機3と、通話端末1、2及びPC親機3をそれぞれ管理・制御するための制御装置4と、後述するシステム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき通話端末1、2を選択するためのパソコン5と、インターネット8に接続されるとともに所定のLANケーブルLをそれぞれ経由して通話端末1、2、PC親機3、制御装置4及びパソコン5の相互間におけるデータ通信を行うためのLAN7に接続されたルータ6とが備えられている。また、ルータ6は、グローバルIPアドレスを有しており、LAN7を経由して通話端末1、2に接続するための特定ポートを開放する機能を備えている。
【0018】
なお、同一の施設内のような1システム内において、通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2及びPC親機3は最大32台設けることができ、その組み合わせは、子機1、親機2及びPC親機3の当該端末毎に任意とされる。また、制御装置4についても最大8台設けることができる。ここでは、子機1、親機2、PC親機3及び制御装置4は、それぞれが1台ずつ設けられているものとする。
【0019】
図1に示す子機1は、親機2又はPC親機3との間で行われる呼出し、呼出応答等の操作機能を構成する操作部10と、親機2又はPC親機3との間で行われる通話の通話機能を構成しマイク及びスピーカを有する通話部11と、通話部11のスピーカとともに報知機能を構成し親機2又はPC親機3からの呼び出しを表示するための表示部12とを有している。また、親機2は、子機1又はPC親機3との間で行われる呼出し、呼出応答等の操作機能を構成する操作部20と、子機1又はPC親機3との間で行われる通話の通話機能を構成しマイク及びスピーカを有する通話部21と、通話部21のスピーカとともに報知機能を構成し子機1又はPC親機3からの呼び出しを表示するための表示部22とを有している。また、PC親機3は、例えば、PDA等の各種の情報端末が該当し、子機1又は親機2との間で行われる呼出し、呼出応答等の操作機能を構成する操作部30と、子機1又は親機2との間で行われる通話の通話機能を構成しマイク及びスピーカを有する通話部31と、通話部31のスピーカとともに報知機能を構成し子機1又は親機2からの呼び出しを表示するための表示部32とを有している。さらに、パソコン5は、当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の追加、変更時においてシステム設定用ブラウザ画面を表示するための表示部50と、表示部50に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき通話端末1、2を選択するための(選択・)操作部51とを有している。なお、パソコン5には、通話端末(子機、親機、PC親機)1、2、3の通話部11、21、31と同様な通話(報知)機能を備えることもできる。
【0020】
次に、前述のインターホンシステムに係る具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。なお、ルータ6に係る具体的な構成の図示及びその説明は省略するものとする。
【0021】
図2に示すインターホンシステムにおいて、子機1には、前述の操作部10、通話部11及び表示部12と、当該子機の構成各部を制御するとともに自端末が有するMACアドレス、機種名、端末名称をユニキャスト通信にて制御装置4の後述するCPU41に送信(返信)する機能を有するCPU(以下、子機CPUという。)13と、子機CPU13及び(LANケーブルLに接続された)LAN7間のデータ伝送路を形成するためのイーサネット(登録商標)等のインターフェース(以下、子機I/Fという。)14とが備えられている。
【0022】
また、親機2には、前述の操作部20、通話部21及び表示部22と、当該親機の構成各部を制御するとともに自端末が有するMACアドレス、機種名、端末名称をユニキャスト通信にて制御装置4のCPU41に送信(返信)する機能を有するCPU(以下、親機CPUという。)23と、親機CPU23及び(LANケーブルLに接続された)LAN7間のデータ伝送路を形成するためのイーサネット(登録商標)等のインターフェース(以下、親機I/Fという。)24とが備えられている。
【0023】
また、PC親機3には、前述の操作部30、通話部31及び表示部32と、当該PC親機の構成各部を制御するとともに自端末が有するMACアドレス、機種名、端末名称をユニキャスト通信にて制御装置4のCPU41に送信(返信)する機能を有するCPU(以下、PC親機CPUという。)33と、PC親機CPU33及び(LANケーブルLに接続された)LAN7間のデータ伝送路を形成するためのイーサネット(登録商標)等のインターフェース(以下、PC親機I/Fという。)34とが備えられている。
【0024】
また、制御装置4には、記憶部40、CPU(以下、制御CPUという。)41及びイーサネット(登録商標)等のインターフェース(以下、制御I/Fという。)42が備えられている。
【0025】
この制御装置4において、記憶部40は、制御CPU41により(登録/書き込み、読み出し)制御され、LAN7に接続された通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2及びPC親機3の制御のためのMACアドレス、機種名、端末名称を登録するためのものである。また、制御CPU41は、制御装置4の構成各部を制御するとともに当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の追加、変更時にMACアドレス、機種名、端末名称を記憶部40に登録するとともにLAN7に接続されたパソコン5の表示部50で表示させるシステム設定用ブラウザ画面を作成する機能と、LAN7に接続された全ての通話端末1、2に対してマルチキャスト通信にてデータを送信する機能と、通話端末1、2のCPU(子機CPU、親機CPU)13、23より送信(返信)されるMACアドレス、機種名、端末名称をシステム設定用ブラウザ画面に表示させる機能とを有している。さらに、制御I/F42は、制御CPU41及び(LANケーブルLに接続された)LAN7間のデータ伝送路を形成するためのものである。
【0026】
さらに、パソコン5には、前述の表示部50、操作部51と、当該パソコンの構成各部を制御するとともに操作部51による選択結果を制御装置4の制御CPU41に送信する機能を有するCPU(以下、パソコンCPUという。)52と、パソコンCPU52及び(LANケーブルLに接続された)LAN7間のデータ伝送路を形成するためのイーサネット(登録商標)等のインターフェース(以下、パソコンI/Fという。)53とが備えられている。
【0027】
このように構成された本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作を、図1、図2及び図3のフローチャート図をそれぞれ参照して説明する。
【0028】
図1、図2に示すインターホンシステムの初起動時及び通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の追加、変更時、ここでは、同図に示す構成の初起動時において、制御装置4の制御CPU41は、LANケーブルLを経由してLAN7に接続された全ての通話端末1、2及びPC親機3に対してマルチキャスト通信を行うにあたり、宛先を特定しないアドレスであるマルチキャスト・アドレスを含むマルチキャスト制御データを生成する(ステップST1、ST2)。このマルチキャスト制御データは、制御CPU41から制御I/F42、LANケーブルLを経由してルータ6に接続されるLAN7を介し、通話端末1、2及びPC親機3にそれぞれ伝送される。
【0029】
通話端末1、2及びPC親機3は、LAN7を経由して制御装置4の制御CPU41から送信されてきたマルチキャスト制御データを、それぞれのI/F(子機I/F、親機I/F、PC親機I/F)14、24、34にて受信する。また、それぞれのCPU(子機CPU、親機CPU、PC親機CPU)13、23、33のうち、子機1、親機2の子機CPU13、親機CPU23は、子機I/F14、親機I/F24にて受信したマルチキャスト制御データを検出すると、制御装置4が有するIPアドレスを含み自端末が有するMACアドレス、機種名、機器名称からなる端末情報データを生成し(ステップST3)、それぞれのI/F(子機I/F、親機I/F)14、24からLANケーブルLを経由してルータ6に接続されるLAN7を介し、(前述のIPアドレスが一致する)制御装置4にユニキャスト通信で送信(返信)する(ステップST4)。一方、PC親機3のPC親機CPU33については、PC親機I/F34にて受信したマルチキャスト制御データを検出した場合であっても、子機1、親機2の子機CPU13、親機CPU23のような制御装置4への端末情報データの生成・送信(返信)を行うことはない。
【0030】
なお、前述のMACアドレスのビット構成として、ここでは、(先頭である)1バイト目の「00」から2バイト目の「26」を介して3バイト目、すなわち24ビット目の「67」までのビット構成により「製造元」が特定され、4バイト目の「0A」、「0B」、「0C」はそれぞれ、「制御装置」、「子機」、「親機」を特定するための「機種名」であり、さらに、5、6バイト目のビット構成は、同一システム(施設)内に設置される通話端末(子機、親機)1、2及び制御装置4それぞれに割り当てられる「端末番号」であり、各バイトは、「16進法」で表される。また、子機1を除く他の通話端末である親機2及び制御装置4のMACアドレスとしては、例えば、「機種名」が「0C」で表される親機2のMACアドレス「00:26:67:0C:00:30」、「機種名」が「0A」で表される制御装置4のMACアドレス「00:26:67:0A:00:10」、がそれぞれ割り当てられている。
【0031】
制御装置4は、LAN7を経由して(全ての)通話端末1、2のCPU(子機CPU、親機CPU)13、23から送信(返信)されてきた端末情報データを制御I/F42にて受信する。また、制御CPU41は、制御I/F42にて受信した端末情報データに基づき、共通するビット情報である1バイト目の「00」から2バイト目の「26」を介して3バイト目の「67」までのビット構成により例えば、同一施設内の当該通話端末であることを特定するとともに、特定バイトである4バイト目の構成の相違(「0B」、「0C」)により「子機」、「親機」をそれぞれ特定し、同一施設内の当該通話端末に係るMACアドレス、機種名、機器名称をシステム設定用ブラウザ画面に反映させて更新し、当該画面を作成する(ステップST5)。また、制御CPU41は、前述の更新・作成したシステム設定用ブラウザ画面に係る画面データ及びパソコン5が有するIPアドレスを含む出画制御データを生成する。この出画制御データは、制御CPU41から制御I/F42、LANケーブルLを経由してルータ6に接続されるLAN7を介し、(前述のIPアドレスが一致する)パソコン5にユニキャスト通信で送信される(ステップST6)。
【0032】
パソコン5は、LAN7を経由して制御装置4の制御CPU41から送信されてきた出画制御データを、パソコンI/F53にて受信する。また、パソコンCPU52は、パソコンI/F53にて受信した出画制御データを検出すると、この出画制御データに係る画面データに基づくシステム設定用ブラウザ画面を表示部51に表示させる(ステップST7)。
【0033】
この後、パソコン5のユーザーである例えば、当該インターホンシステムの施工・管理者は、パソコンCPU52の制御により表示部51に表示されているシステム設定用ブラウザ画面に基づき、登録すべき少なくとも1の当該通話端末、ここでは、全ての通話端末(子機、親機)1、2について、操作部50を使用して選択する(ステップST8)。この操作を検出したパソコンCPU52は、選択結果及び制御装置4が有するIPアドレスを含む選択結果データを生成する。この選択結果データは、パソコンCPU52からパソコンI/F53、LANケーブルLを経由してルータ6に接続されるLAN7を介し、(前述のIPアドレスが一致する)制御装置4にユニキャスト通信で送信される(ステップST9)。
【0034】
制御装置4は、LAN7を経由してパソコン5のパソコンCPU52から送信されてきた選択結果データを制御I/F42にて受信する。また、制御CPU41は、制御I/F42にて受信した選択結果データに基づき、登録すべき全ての当該通話端末である子機1、親機2に係るそれぞれのMACアドレス、機種名、機器名称を検出し、記憶部40に登録する(ステップST10、ST11)。
【0035】
前述までの説明から明らかなように、通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2とともにルータ6を経由してLAN7(及びインターネット8)に接続可能な制御装置4の制御CPU41は、当該インターホンシステムの初起動時において、パソコン5の表示部50に表示されたシステム設定用ブラウザ画面に基づき操作部51の操作により選択された通話端末1、2の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称について自動で検出し、記憶部40に登録することができるため、初起動時におけるシステム設定を容易に行うことができ手動による入力操作が不要となり、これに起因して発生するおそれがある誤入力を防止できる。なお、同様な効果については、当該インターホンシステムの初起動時のみならず、通話端末1、2の追加、変更時においても同様とされ、システム設定用ブラウザ画面に基づき選択された(追加、変更の)当該通話端末の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称について自動で検出・登録できる。
【0036】
また、前述までの実施例による構成によれば、当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の追加、変更時にMACアドレス、機種名、端末名称を記憶部40に登録するとともにLAN7に接続されたパソコン5の表示部50で表示させるシステム設定用ブラウザ画面を作成する機能と、LAN7に接続された全ての通話端末1、2に対してマルチキャスト通信にてデータを送信する機能と、通話端末1、2のCPU(子機CPU、親機CPU)13、23より送信(返信)されるMACアドレス、機種名、端末名称をシステム設定用ブラウザ画面に表示させる機能とを、制御装置4の制御CPU41に備える態様について説明したが、この構成・態様に限定されるものではない。例えば、同一システム(施設)内に制御装置4が設けられていない場合には、制御CPU41に備えられている前述の機能を、通話端末1、2のうち少なくとも子機1又は親機2のCPU(子機CPU、親機CPU)13、23に備えることもでき、これらCPU13、23の制御により同様な効果が得られる。
【0037】
また、前述までの実施例による構成によれば、LANケーブルLを経由してLAN7に接続可能な端末として、通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2及び制御装置4のみならずパソコン5を設け、このパソコン5に、システム設定用ブラウザ画面を表示するための表示部50と、システム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき当該通話端末を選択するための操作部51と、操作部51による選択結果を制御装置4の制御CPU41に送信するためのパソコンCPU52とを備える態様を適用したが、この構成・態様に限定されるものではない。例えば、パソコン5に備えられている前述の表示・操作・制御機能を、親機2と同様の機能を有するインターホン・アプリケーションがインストールされ、ルータ6を経由してLAN7に接続可能であって制御装置4により管理・制御されPC親機3の表示部32、操作部30及びPC親機CPU33にそれぞれ備えることもできるため、パソコン5が不要とされ当該システム構成の簡素化に繋がるばかりでなく、当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の追加、変更時によれば、システム設定用ブラウザ画面に基づき選択された通話端末(1、2の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称についての検出・登録を、PC親機3を使用して自動で行うことが可能となる。
【0038】
さらに、前述までの説明から明らかなように、制御装置4の制御CPU41又当該制御装置のCPUに代えて通話端末1、2のうち少なくとも子機1又は親機2のCPU(子機CPU、親機CPU)13、23が適用される場合であって、ルータ6がグローバルIPアドレスを有し、LAN7を経由して通話端末1、2、3に接続するための特定ポートが開放されているとき、前述のパソコン5をインターネット8を経由してルータ6に接続することにより(図1、図2を参照。)、当該インターホンシステムの初起動時及び通話端末1、2、3の追加、変更時によれば、システム設定用ブラウザ画面に基づき選択された通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)1、2の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称についての検出・登録を、例えば、同一システム(施設内)から離れた遠隔地に設置されるパソコン5を使用して自動で行うことが可能となる。
【0039】
なお、前述までの説明によれば、通話端末(子機、親機のうち少なくとも1)の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称を制御装置4の記憶部40に登録するにあたっては、自動による登録が可能であったが、PC親機3の情報であるMACアドレス、機種名、端末名称については、パソコン5のユーザーである例えば、当該インターホンシステムの施工・管理者が操作部51を用いて手動操作で入力することにより、記憶部40に登録されることになる。
【0040】
最後に、本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システム、例えば、多種・多様な規模の施設、具体的には、その規模に対応させて例えば、通話端末(子機、親機)1、2の台数が可変される施設に適用・採用できるということはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0041】
1……子機(通話端末)
13……子機CPU(CPU)
2……親機(通話端末)
23……親機CPU(CPU)
3……PC親機
33……PC親機CPU(CPU)
4……制御装置
40……記憶部
41……制御CPU(CPU)
5……パソコン
50……表示部
51……操作部
52……パソコンCPU(CPU)
6……ルータ
7……LAN
8……インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子機(1)、親機(2)のうち少なくとも1で構成され、MACアドレス、機種名が予め割り当てられた通話端末(1、2)と、前記通話端末を管理・制御するための制御装置(4)とを学校・工場等の施設に設置し、前記通話端末及び前記制御装置それぞれがルータ(6)を経由してLAN(7)に接続可能なインターホンシステムにおいて、
前記制御装置は、前記LANに接続された前記通話端末の制御のためのMACアドレス、機種名、端末名称を登録するための記憶部(40)と、前記インターホンシステムの初起動時及び前記通話端末の追加、変更時に前記MACアドレス、前記機種名、前記端末名称を前記記憶部に登録するとともに前記LAN内に接続されたパソコン(5)の表示部(50)で表示させるシステム設定用ブラウザ画面を作成するためのCPU(41)とを有し、
前記制御装置の前記CPUは、前記LANに接続された全ての当該通話端末に対してマルチキャスト通信にてデータを送信する機能を備え、
前記通話端末は、自端末が有するMACアドレス、機種名、端末名称をユニキャスト通信にて前記制御装置の前記CPUに返信するためのCPU(13、23)を備え、
前記制御装置の前記CPUは、前記通話端末の前記CPUより返信された前記MACアドレス、前記機種名、前記端末名称を前記システム設定用ブラウザ画面に表示させる機能を備え、
前記パソコンは、前記表示部に表示された前記システム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき前記通話端末を選択するための操作部(51)と、前記操作部による選択結果を前記制御装置の前記CPUに送信するためのCPU(52)を備えることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記制御装置の前記CPUに代えて前記通話端末にCPUを備えることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記パソコンに代えて前記親機と同様の機能を有するインターホン・アプリケーションがインストールされたPC親機(3)を備え、
前記PC親機は、前記ルータを経由して前記LANに接続可能であって前記制御装置により管理・制御されることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記ルータは、グローバルIPアドレスを有し、前記通話端末に接続するための特定ポートを開放する機能を備え、
前記パソコンは、インターネット(8)を経由して前記ルータに接続され、前記表示部に表示された前記システム設定用ブラウザ画面に基づいて登録すべき前記通話端末を選択するための操作部(51)と、前記操作部による選択結果を前記制御装置の前記CPUに送信するためのCPU(52)を備えることを特徴とするインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−46244(P2013−46244A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182869(P2011−182869)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】