説明

インテリジェントなSIMの獲得

【課題】イオン検出器の保護方法を備えている質量分析法を提供する。
【解決手段】質量分析システムは、質量フィルタと、質量フィルタ制御と、イオン検出器と、イオン検出器保護モジュールを備えている制御器とを含む。イオン検出器保護モジュールは、イオン検出器の出力信号を監視し、特定の質量のイオンを受容することにより得られる出力信号の累積が閾値を越える場合、保護モジュールは制御器にイオン検出器が特定の質量のイオンをそれ以上受容することを妨げるようにさせる。閾値を超えるとき、保護モジュールは制御器に、質量フィルタ制御に信号を送出し、DC電圧を変更して、SIMの残りの時間、イオンがイオン検出器に向けられないようにさせる。正確な測定値を得るために十分に長く積分することによって高い信号レベルでの正確さが維持される。信号レベルが大きいことによって、正確な測定を達成するために、短い積分時間のみが必要とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェントなSIMの獲得に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
四重極イオンフィルタを利用する質量分析法は、四重極質量分析法とも呼ばれており、長年にわたって使用されている。通常、四重極質量フィルタは、直流(DC)電圧と、それに重ね合わせられる無線周波数(RF)電圧が供給される4本の平行なロッドを使用する。いずれかの時点で、ただ1つの質量対電荷比(すなわち、m/z、イオンが1価に帯電している場合のように、多くの場合にただ1つの質量のイオンに概ね近似されるが、2価以上に帯電しているイオンも除外しない)が四重極質量フィルタを通過することができるように、(DC)及び(RF)が設定される。連続した範囲の質量のイオンを走査するために、DC及びRFを時間に伴い変化させることができる。代替的には、設定された時間にわたってDC及びRFを一定にし、ただ1つの質量のイオンを監視することができる。このように単一のイオンを分析することは、単一イオンモニタリング、又は略してSIMと呼ばれている。通常、SIMグループと呼ばれる特定の質量のグループが、あるシーケンスにおいて一緒にSIM処理される。SIMグループ測定シーケンスは、そのシーケンスにおける第1のイオン質量に対して適するDCパラメータ及びRFパラメータを最初に設定することによって開始される。DC電圧及びRF電圧を一定にしておくことができ、選択されたイオンが、四重極質量フィルタを縦断してイオン検出器に入る。その後、結果として生成されるイオン流は、そのイオンに対して指定された時間(SIM時間と呼ばれることがある)にわたって積分され、記録される。次に、DC及びRFは、そのシーケンスにおいて次のイオン質量を選択するために必要な値へと切り替えられる。再び、それらの電圧を一定にし、選択されたイオンが四重極質量フィルタを縦断し、その後、そのイオンに対して指定された時間だけ積分される。この過程は、そのグループ内の全てのイオン質量が積分されるまで繰り返される。その後、測定シーケンスそのものが、指定された時間にわたって連続して繰り返される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
イオン検出器保護を備えている質量分析法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[概要]
種々の態様によれば、イオン検出器保護を備えている質量分析法が提供される。一態様では、質量分析システムが、四重極質量フィルタと、四重極制御と、イオン検出器と、イオン検出器保護モジュールを備えている制御器とを含む。そのモジュールは、ハードウエア構成要素及び/又はソフトウエア構成要素の任意の組み合わせを含む。イオン検出器保護モジュールは、イオン検出器の出力信号を監視し、特定の質量対電荷比のイオンを受容することから得られる出力信号の累積がある閾値を超えるとき(累積及び閾値処理は、デジタル制御技法及び/又はアナログ制御技法の組み合わせを介して達成することができる)、保護モジュールによって、制御器は、イオン検出器がそれ以上のイオンを受容するのを妨げるようにされる。たとえば、一実施態様では、閾値を超えるとき、保護モジュールは、制御器に、四重極制御に信号を送出し、DC電圧を変更して、もはやイオンがイオン検出器に向けられないようにさせる。
【0005】
別の態様では、特定のイオンに対する閾値を超えるとき、保護モジュールは(制御器及び四重極制御を介して)、SIMグループ内の次のイオンが積分される前のSIM時間の残りの持続時間にわたって、イオン検出器がそれ以上のイオンを受容することを防止する。
【0006】
さらに別の態様では、閾値に対するサンプリング及びブランキングは、任意の所与のSIM滞留時間に関する単一の累積閾値に制限されない。それをさらに改良して、SIM滞留時間内に、イオンがブランキング及び検出を交互に受けることができるサンプリングスケジュール方式とすることができる。1つの簡単な形態では、SIM滞留の開始時に、SIM累積閾値時間が条件を満たし、SIM滞留の最後の持続時間における中間ブランキング時間の後、信号累積が再開される。SIM滞留時間中に平均信号を報告することができ、そのような平均は、目標期待値のより代表的な値となる。言い換えると、より望ましいSIM目標スペクトルを得るために、SIM滞留内でのさらにインテリジェントなサンプリング及びブランキングを、より最適化することができる。
【0007】
代替的な態様では、閾値を超えると、保護モジュールは残りのSIM時間を「過剰サイクル時間」パラメータ又はタイマに加算し、実質上、直ちにSIMグループ内の次のイオンが積分される。制御器はイオン測定毎にタイムスタンプを与える。SIMグループの全てのイオンが積分されると、保護モジュールは(制御器及び四重極制御を介して)、四重極質量フィルタによって(たとえば、制御器及び四重極制御を介して)、次のSIMサイクルを開始する前に、「過剰サイクル時間」に等しい持続時間にわたって、イオンがイオン検出器に向かわないようにする。
【0008】
別の代替的な態様では、閾値を超えると、保護モジュールによって、そのSIMグループ内の次のイオンが、実質上、直ちに積分される。一実施態様では、SIMグループサイクルが開始される度に、1つのタイムスタンプが生成される。そのSIMグループの全てのイオンが積分されると、次のSIMサイクルが、実質上、直ちに開始される。
【0009】
これらの実施形態は、コンピュータ処理として、コンピュータシステムとして(移動携帯コンピュータデバイスを含む)、又はコンピュータプログラム製品のような製造品として実施される。そのコンピュータプログラム製品を、コンピュータシステムによって読取り可能であり、コンピュータ処理を実行するための命令からなるコンピュータプログラムを符号化するコンピュータ記憶媒体とすることができる。またコンピュータプログラム製品を、コンピュータシステムによって読取り可能であり、コンピュータ処理を実行するための命令からなるコンピュータプログラムを符号化する、搬送波上で伝搬される信号とすることもできる。
【0010】
添付の図面を参照しながら複数の実施形態を記述するが、それらの実施形態は限定するものでも、網羅するものでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[詳細な説明]
添付の図面を参照しながら種々の実施形態を詳細に説明するが、いくつかの図面を通して、類似の参照番号は類似の部品及びアセンブリを表している。種々の実施形態を参照することは、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。さらに、本明細書において述べられているいかなる例示も、限定することを意図するものではなく、それらは数多くの実施形態のうちのいくつかを述べているにすぎない。代替的な実施形態を、本明細書に記述されている例示的な実施形態以外の数多くの異なる形態において実施することができ、添付の特許請求の範囲は、本明細書において述べられている実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、開示される実施形態を、本開示が詳細かつ完全となるように提供する。
【0012】
方法、システム及びデバイスとして複数の実施形態を実施することができる。したがって、それらの実施形態は、ハードウエアによる実施態様、完全にソフトウエアによる実施態様、又はソフトウエア及びハードウエアの態様を組み合わせた実施態様の形態をとり得る。それゆえ、以下に記述する詳細な説明は、限定する意味に解釈されるべきではない。
【0013】
種々の実施形態の論理演算は、(1)コンピュータシステム上で実行されるコンピュータによって実施される一連のステップとして、及び/又は(2)コンピュータシステム内で相互接続されている機械モジュールとして実施される。その実施態様は、その実施形態を実施するコンピュータシステムの性能要求に基づく選択事項である。したがって、本明細書において記述する実施形態を構成する論理演算は、代替的に、動作、ステップ又はモジュールと呼ばれる。
【0014】
図1は、1つの例示的な実施形態による四重極質量分析計100を図解するブロック図である。分析されるべき材料の試料が、試料入口102を介して、イオン源106に移送される。一実施形態では、試料入口は、空気及び単純ガスをサンプリングする際に利用する膜又は制限装置である。別の実施形態では、試料入口を、たとえば、ガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ又は固相サンプラのような、さらに複雑な装置とすることができる。イオン源106は、試料入口102内にある材料からイオンを生成する。種々の実施形態において、イオン源106を、電子イオン化源、化学イオン化源、エレクトロスプレー圧源、大気圧源、又は試料入口102内の試料を1価又は多価の電荷を帯びたイオンに変換する任意の他の適するイオン源のうちの1つ又は複数とすることができる。イオン源106は、イオンを、接続部148を介して、四重極質量フィルタ110に移送する。
【0015】
この実施形態における四重極質量フィルタ110によって、選択された質量対電荷比(m/z)のイオンが、質量フィルタの出力ポートまで通り抜けることができるようになる。イオンフィルタとして利用される場合、そして適切なRF電圧及びDC電圧134が適用される場合、四重極質量フィルタ110は、イオン源106によって生成される複数のイオンから、特定のm/zのイオンを選択する。その後、選択されたイオンは、接続部152を介して、検出器108まで移動する。四重極質量フィルタ110は、m/z範囲を走査して、そのm/z範囲内の特定のイオンを突き止めるために利用され、又は特定のイオンに対して単一のイオンを監視、すなわち「SIMと呼ばれる処理」において単一のm/zのイオンを選択するために利用される。四重極質量フィルタ110は、一実施形態では、単一の四重極質量フィルタを含む。別の実施形態では、四重極質量フィルタ110は、三連四重極質量フィルタ及び四重極飛行時間(略して、q-TOF)測定器において利用されるような衝突セルを有する複数の四重極質量フィルタを含む。代替的な実施形態では、類似のイオン検出器保護が設けられている任意の質量選択検出器を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、質量分析計100は、イオン源106と四重極質量フィルタ110の間にレンズユニット(図示せず)を含む。レンズユニットはイオン流を四重極質量フィルタ110上に集束する。一実施形態では、レンズユニットは、制御器116によって制御される制御電圧を使用して「焦点を合わせられる」。
【0017】
検出器108は、四重極質量フィルタ110からイオンを収集し、それらのイオンを電子(又は他の適する電気信号)に変換して、イオンの信号強度を測定する。種々の実施形態において、検出器108は、連続変換ダイノード、離散変換ダイノード又は光電子増倍管変換器のうちの1つ又は複数を含む。検出器108からの出力信号は、接続部128を介して、検出器電子制御部114にもたらされる。
【0018】
真空源104は、高真空及び低真空の両方をもたらし、接続部122を介してイオン源106を、接続部124を介して四重極質量フィルタ110を、そして接続部126を介して検出器108を真空にし、特定の素子に対して要求される適切な真空を生成する。一実施形態では、真空源104の真空ポンプ(図示せず)は、低真空を得るための回転羽根式ポンプ又はドライポンプと、高真空を提供するためのターボ分子ポンプ又は拡散ポンプを含む。
【0019】
この実施形態におけるイオン源制御112は、イオン源106を制御するための高電圧電子素子及び低電圧電子素子を含む。その制御は、イオンガイドのためのDC固定電圧及びRF電圧、並びに質量の関数として傾斜するDC電圧の両方を含む。また、実施形態によっては、イオン源制御112は、ヒータ制御、流量制御、フィラメント制御を含む。
【0020】
この実施形態における四重極制御160(その一部は、後にさらに詳細に説明する)は、四重極質量フィルタ110に必要とされる電圧を提供する高電圧電子RF電圧発生器及び低電圧電子DC電圧発生器を含む。また、実施形態によっては、四重極制御160は、四重極質量フィルタ110の内外への移送を支援するために、前置イオンガイド及び後置イオンガイドを含む。
【0021】
この実施形態では、検出器制御114は、検出器108のために必要とされる電圧を生成する。一実施形態では、検出器制御114は、検出器108からの信号の信号強度を測定するために、電子増幅器を備え、イオン信号を変換又は増幅する。実施形態によっては、増幅器を、種々のダイナミックレンジを有するアナログ素子とすることができ、他の実施形態では、増幅器を、イオンを「カウント」するパルスカウンタとすることができる。
【0022】
この実施形態では、制御器116が、四重極質量分析計100内の全ての構成要素を制御する。いくつかの実施形態では、制御器116は単純な制御回路である。他の実施形態では、制御器116を、オンボードオペレーティングシステムを有する完全内蔵型のコンピュータプロセッサとすることができる。
【0023】
接続部128上の検出器108の出力は、イオン強度の測定値であり、内蔵型制御器116によって、対象とする試料を最終的な測定値に対して関連させるために利用される。接続部146上の内蔵型制御器116の出力は、試料入口からの試料を分析して、その試料を最終測定値と関連させるために、四重極質量分析計100の下流に配置されている構成要素によって直接的又は間接的に利用されるデータを含む。通常、それらの結果は質量スペクトルであるか、又は試料イオンに関連するある形式の質量情報である。
【0024】
SIM動作では、多くの場合に、長いイオン滞留時間を利用して極めて小さな信号レベルが検出される。顧客が分析較正曲線を確立する場合、較正範囲全体にわたって、標準試料(及び試料)を導入しなければならない。多くの場合に、これらの濃度は、厳密に検出される必要がある極めて小さな信号レベルよりもはるかに大きい(最大で100,000倍まで強い)。信号が高く集中することにより結果生成される高い信号出力は、イオン検出器に大きな負荷をかける可能性がある。高い出力電流レベルは、イオン検出器の感度を低下させる可能性がある。したがって、信号が高く集中すると、電流が大きくなり、感度の低下が大きくなる。感度の低下は2つの悪影響を及ぼすことがある。第1に、イオン検出器の寿命が短くなる可能性があり、第2に、較正の確実性が低下する可能性がある。高いイオン流を受けるときに、信号の劣化に関連して、イオン検出器の性能が劣化する。
【0025】
この実施形態によれば、制御器116は検出器保護モジュール162を備えている。検出器保護モジュール162を利用して、高いイオン流を受けるときに生じる可能性があるイオン検出器の性能の劣化に対処することができる。精度を維持しながら、感度を最大にできるとともに、利用者が高い信号の濃度においてイオン検出器の劣化を最小限に抑えることができるようにする検出器保護モジュール162の実施形態を後に説明する。
【0026】
一実施形態では、高い信号レベルにおいて検出器108に流れ込むイオン流を電気的に最小限に抑えるが、低信号レベル時には、検出器108に十分な信号が流れ込むようにするアルゴリズムを含む。厳密な測定値を得るだけの十分に長い時間にわたって積分することによって、高い信号レベルにおいて精度が維持される。信号レベルが大きいので、測定精度を達成するのに、短い積分時間(すなわち、そのイオンに関するSIM時間の一部)しか必要としない。残りのSIM時間の間には、イオン流(検出器108への)を除去することができるか、さもなければ、検出器108に達するのを防ぐことができる。こうして、検出器108は、高い信号流の全体のわずかな部分だけしか検出を行わない。低い信号レベルでは、検出器保護モジュール162によって、イオン流が、SIM時間全体にわたって検出器108に達する。
【0027】
検出器108へのイオン流の除去(本明細書では「ブランキング」とも呼ばれる)を、いくつかの異なるやり方で順に配列することができる。一実施形態では、検出器保護モジュール162が、制御器116に(四重極制御160を介して)、次のSIMイオンに移行する前のSIM時間の持続時間にわたって、イオンの検出器108への移動を防止させる。この手法は、本明細書において「即時ブランキング」と呼ばれる。
【0028】
代替的な実施形態では、即時ブランキングは、任意の所与のSIM滞留時間に対する単一の累積閾値に限定されない。それをさらに改良して、SIM滞留時間内に、イオンが交互にブランキング及び検出を受けることができるサンプリングスケジュール方式にすることができる。1つの簡単な形態では、SIM滞留の開始時に、SIM累積閾値時間が条件を満たし、中間ブランキング時間後のそのSIM滞留の最後の持続時間において、信号累積を再開することができる。SIM滞留時間中に平均信号を報告することができ、そのような平均は、目標期待値のより代表的な値になるであろう。言い換えると、SIM滞留内でのさらにインテリジェントなサンプリング及びブランキングは、より望ましいSIM目標スペクトルに関してさらに最適化することができる。
【0029】
代替的な実施形態では、即時ブランキングではなく、検出器保護モジュール162は、制御器116を(四重極制御160を介して)、SIMグループ内の対象とする次のイオンに単に増加させる。SIMグループ内の全てのイオンを積分することによって(ある短い時間にわたって、そのうちのいくつか、又は全てが積分されている場合もあれば、全く積分されていない場合もある)、その後、検出器保護モジュール162は、SIMグループのサイクル時間の残りの持続時間にわたって、全てのイオンを遮断する。この手法は、本明細書において「エンドサイクルブランキング」と呼ばれる。このエンドブランキング手法は、即時ブランキングと概ね同じ影響をもたらす。イオン濃度が高くなると、わずかにサンプリングスキューが生じる恐れがあるが、全サンプリング速度は一定のままである。もはやタイミングが確定的ではないので、実施形態によっては、読み値がタイムスタンプを付される。検出器保護は維持される。
【0030】
さらに別の実施形態では、検出器保護モジュール162は、制御器116に(四重極制御160を介して)、次の積分サイクルを実質上直ちに開始させる。この手法は、本明細書において「連続サイクル」と呼ばれる。この連続サイクル手法では、システムサンプリング速度は、信号レベルに応じて変化する。その結果を、イオン流がサンプリングされた時刻に関連付けるために、実施形態によっては、読み値がタイムスタンプを付される。
【0031】
種々の実施形態において、検出器保護モジュール162は、レンズ電圧を変更すること、及び四重極電圧を変更すること(たとえば、四重極質量フィルタ110の四重極質量位置を既知の占有されていない質量位置にシフトするため)のうちの一方又は両方によって、ブランキングを達成する。一実施形態では、検出器保護モジュール162は、四重極制御160に(制御器116を介して)、イオンが検出器108に流れ込むのを実効的に防止するよう、四重極質量フィルタ110へのDC電圧を変調させる。四重極DC制御電圧は、付加的な回路又はハードウエアを必要とすることなく、迅速かつ正確に応答する。しかしながら、他の実施形態では、ブランキングを実施するために、他の適切なブランキング方法が、検出器保護モジュール162により支持されている。
【0032】
上記の実施形態では四重極質量フィルタが使用されているが、代替的な実施形態では、異なる数の極又は電極を有する質量フィルタ(たとえば、六重極質量フィルタ及び八重極質量フィルタ)を使用することができる。さらに、通常、走査シーケンス内の段階的な増加量が単位質量のわずかな部分である場合、その段階的な増加量が特定の質量範囲にわたって均一であることを除いて、走査シーケンスはSIMシーケンスに類似する。一般的に、走査は、SIM処理の一部としてモデル化することができる。したがって、上記の記述は、走査及びSIM処理に適用することを意図している。
【0033】
図2は、一実施形態による、イオン検出器保護を備えている質量分析計の1つの例示的な動作の流れ200を示す。動作の流れ200は、任意の適切なコンピュータ環境において実行される。たとえば、動作の流れ200は、制御器116(図1)によって実施されるコンピュータ環境によって実行される。
【0034】
動作202では、1つのSIMグループの選択されたイオンに対して、SIM時間、読み値カウント(すなわち、読み値の数)及び累積(すなわち、読み値の累積又は積分)が初期化される。一実施形態では、制御器116(図1)のような制御器が、読み値カウント及び累積を、これらのパラメータの値を零(0)に設定することによって初期化するように構成されている。
【0035】
動作204では、イオン検出器からの読み値が受容される。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように受け取られる。たとえば、一実施態様では、読み値は、検出器108(図1)のようなイオン検出器から生成される試料であり、制御器116によって受け取られる。
【0036】
動作206では、動作204からの読み値が、動作202において初期化された累積に加えられる。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように、累積に加えられる。さらに、読み値カウントが増加される。一実施形態では、制御器116が、読み値を累積に加算し、かつ読み値カウントを増加する「測定」プログラムで構成されている。
【0037】
動作208では、その累積が閾値を超えているか否かが判定される。一実施形態では、その閾値は、イオン検出器の劣化を制限又は低減すると同時に、依然としてイオン強度を厳密に測定できるようにする値に設定されている。たとえば、閾値は、質量分析計において利用されるイオン検出器のモデルに対して実験的に画定することができる。一実施形態では、制御器が、累積が閾値を超えているか否かを判定するように構成されている。たとえば、一実施態様では、制御器によって実行される測定プログラム(動作206において説明)が、累積が閾値を超えているか否かを判定する検出器保護モジュール162(図1)のような保護モジュール又は構成要素を有する。累積が閾値を超えていないと判定される場合には、動作の流れ200は動作210に進む。
【0038】
動作210では、SIM時間が経過したか否かが判定される。一実施形態では、制御器が、従来の質量分析計の場合と同じように、SIM時間が経過しているか否かを判定するように構成されている。SIM時間が経過していないと判定される場合には、動作の流れ200は動作204に戻り、イオン検出器から別の読み値を受容する。
【0039】
動作208に戻ると、累積が閾値を超えていると判定される場合には、動作の流れ200は動作212に進む。
【0040】
動作212では、SIM時間が経過するまで、イオン検出器が保護される(すなわち、選択されたイオンをそれ以上受容することが妨げられる)。一実施形態では、上記の保護モジュールが、制御器に、イオン検出器へのイオン流を遮断させる。1つの例示的な実施態様では、制御器は、四重極制御(たとえば、図1の四重極制御160)に1つ又は複数の制御信号を与え、選択されたイオンが実効的にそれ以上イオン検出器に向けられないようにするDC制御信号を生成する。
【0041】
動作210に戻ると、SIM時間が経過していると判定される場合には、動作の流れ200は動作214に進む。さらに、動作の流れは、動作212を実行した後に、動作214に進むこともある。
【0042】
動作214では、結果として生成された累積及び読み値カウントに基づいて、イオン強度が計算される。一実施形態では、制御器が、累積を読み値カウントで割ることによって、イオン強度を計算する。
【0043】
動作216では、動作214からのイオン強度が報告される。一実施形態では、試料入口からの試料を分析し、当該試料と最終的な測定値と関連させるために、制御器が、質量分析計の下流に配置されている他の構成要素によって利用されるメモリにイオン強度を格納する。通常、それらの結果は、質量スペクトル、又は試料イオンに関連するある形式の質量情報である。
【0044】
その後、動作の流れ200は、SIMグループ内の次のイオンに関する動作202に戻る。
【0045】
図3は、別の実施形態による、イオン検出器保護を利用する質量分析計の動作の流れ300を図解する。動作の流れ300は、任意の適切なコンピュータ環境において実施される。たとえば、動作の流れ300は、制御器116(図1)によって実施されるコンピュータ環境によって実行される。
【0046】
動作301では、1つのSIMグループに対する過剰サイクル時間が初期化される。一実施形態では、制御器116(図1)のような制御器が、グループエンドサイクル時間を零(0)の値に初期化するように構成されている。
【0047】
動作302では、1つのSIMグループの選択されたイオンに対する読み値カウント(すなわち、読み値の数)及び累積(すなわち、読み値の累積又は積分)が初期化される。一実施形態では、上記の制御器が、SIM時間、読み値カウント、累積のパラメータの値を零(0)に設定することによって、これらを初期化するように構成されている。
【0048】
動作304では、イオン検出器からの読み値が受容される。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように受け取られる。たとえば、一実施態様では、読み値は、検出器108(図1)のようなイオン検出器から生成される試料の出力信号であり、制御器116によって受け取られる。
【0049】
動作306では、動作304からの読み値が、動作302において初期化された累積に加えられる。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように、累積に加えられる。さらに、読み値カウントが増加される。一実施形態では、制御器116が、読み値を累積に加算し、かつ読み値カウントを増加する「測定」プログラムで構成されている。
【0050】
動作308では、その累積が閾値を超えているか否かが判定される。一実施形態では、その閾値は、イオン検出器の劣化を制限又は低減すると同時に、依然としてイオン強度を厳密に測定できるようにする値に設定されている。たとえば、閾値を、質量分析計において利用されるイオン検出器のモデルに対して実験的に画定することができる。一実施形態では、制御器が、累積が閾値を超えているか否かを判定するように構成されている。たとえば、一実施態様では、制御器によって実行される測定プログラム(動作306において説明)が、累積が閾値を超えているか否かを判定する検出器保護モジュール162(図1)のような保護モジュール又は構成要素を有する。累積が閾値を超えていないと判定される場合には、動作の流れ300は動作310に進む。
【0051】
動作310では、SIM時間が経過したか否かが判定される。一実施形態では、制御器が、従来の質量分析計の場合と同じように、SIM時間が経過しているか否かを判定するように構成されている。SIM時間が経過していないと判定される場合には、動作の流れ300は動作304に戻り、イオン検出器から別の読み値を受容する。
【0052】
動作308に戻ると、累積が閾値を超えていると判定される場合には、動作の流れ300は動作312に進む。
【0053】
動作312では、残りのSIM時間が、動作301において初期化された過剰サイクル時間に加算される。
【0054】
動作310に戻ると、SIM時間が経過していると判定される場合には、動作の流れ300は動作314に進む。さらに、動作の流れは、動作312を実行した後に、動作314に進むこともできる。
【0055】
動作314では、結果として生成された累積及び読み値カウントに基づいて、イオン強度が計算される。一実施形態では、制御器が、累積を読み値カウントで割ることによって、イオン強度を計算する。
【0056】
動作316では、動作314からのイオン強度が報告される。一実施形態では、試料入口からの試料を分析し、当該試料と最終的な測定値と関連させるために、制御器が、質量分析計の下流に配置されている他の構成要素によって利用されるメモリにイオン強度を格納する。通常、それらの結果は、質量スペクトル、又は試料イオンに関連するある形式の質量情報である。イオン強度が記録された時刻を記録するために、タイムスタンプも生成され、格納される。
【0057】
動作318では、そのサイクルにおいて、そのSIMグループの全てのイオンが選択されたか否かが判定される。一実施形態では、制御器が、そのサイクルにおいて、そのSIMグループの全てのイオンが選択されたか否かを判定するように構成されている。選択されるべき1つ又は複数のイオンが依然として存在すると判定される場合には、動作の流れ300は動作320に進む。
【0058】
動作320では、SIMグループの次のイオンが選択される。一実施形態では、制御器が、従来の質量分析計の場合と同じように、SIMグループの次のイオンを選択するように構成されている。たとえば、制御器は、四重極制御に、四重極に適切なDC電圧及びRF電圧を供給し、SIMグループ内の次のイオンを選択させる。その後、動作の流れ300は、上記の動作302に戻る。
【0059】
動作318に戻ると、SIMグループの全てのイオンが選択されていると判定される場合には、動作の流れは動作322に進む。
【0060】
動作322では、イオン検出器が、過剰サイクル時間に等しい持続時間にわたって保護される(すなわち、選択されたイオンをそれ以上受容することを妨げる)。一実施形態では、上記の保護モジュールが、制御器に、過剰サイクル時間に等しい持続時間にわたって、イオン検出器へのイオン流を遮断させる。1つの例示的な実施態様では、制御器は、四重極制御(たとえば、図1の四重極制御160)に1つ又は複数の制御信号を提供し、四重極質量を既知の占有されていない質量位置にシフトするDC制御信号を生成し、それにより、選択されたイオンが実効的にそれ以上イオン検出器に向けられないようにする。
【0061】
その後、動作の流れ300は、次のSIMサイクルのために、動作301に戻る。
【0062】
図4は、さらに別の実施形態による、イオン検出器保護を備えている質量分析計の動作の流れ400を示す。動作の流れ400は、任意の適切なコンピュータ環境において実施することができる。たとえば、動作の流れ400は、制御器116(図1)によって実施されるコンピュータ環境によって実行することができる。
【0063】
動作401では、SIMサイクルが開始される。
【0064】
動作402では、SIMグループの選択されたイオンに対するSIM時間、読み値カウント(すなわち、読み値の数)、累積(すなわち、読み値の累積又は積分)が初期化される。一実施形態では、上記の制御器が、SIM時間、読み値カウント、累積のパラメータの値を零(0)に設定することによって、これらを初期化するように構成されている。
【0065】
動作404では、イオン検出器からの読み値が受容される。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように受け取られる。たとえば、一実施態様では、読み値は、検出器108(図1)のようなイオン検出器から生成される試料の出力信号であり、制御器116によって受け取られる。
【0066】
動作406では、動作404からの読み値が、動作402において初期化された累積に加えられる。一実施形態では、読み値は、従来の質量分析計の場合と同じように、累積に加えられる。さらに、読み値カウントが増加される。一実施形態では、制御器116が、読み値を累積に加算し、かつ読み値カウントを増加する「測定」プログラムで構成されている。
【0067】
動作408では、その累積が閾値を超えているか否かが判定される。一実施形態では、その閾値は、イオン検出器の劣化を制限又は低減すると同時に、依然としてイオン強度を厳密に測定できるようにする値に設定されている。たとえば、閾値を、質量分析計において利用されるイオン検出器のモデルに対して実験的に求めることができる。一実施形態では、制御器が、累積が閾値を超えているか否かを判定するように構成されている。たとえば、一実施態様では、制御器によって実行される測定プログラム(動作406において説明)が、累積が閾値を超えているか否かを判定する検出器保護モジュール162(図1)のような保護モジュール又は構成要素を有する。累積が閾値を超えていないと判定される場合には、動作の流れ400は動作410に進む。
【0068】
動作410では、SIM時間が経過したか否かが判定される。一実施形態では、制御器が、従来の質量分析計の場合と同じように、SIM時間が経過しているか否かを判定するように構成されている。SIM時間が経過していないと判定される場合には、動作の流れ400は動作404に戻り、イオン検出器から別の読み値を受容する。しかしながら、SIM時間が経過していると判定される場合には、動作の流れ400は動作414に進む。さらに、その動作の流れは、累積が閾値を超えていると判定された場合に、動作408から動作414に進むこともできる。
【0069】
動作414では、結果として生成された累積及び読み値カウントに基づいて、イオン強度が計算される。一実施形態では、制御器が、累積を読み値カウントで割ることによって、イオン強度を計算する。
【0070】
動作416では、動作414からのイオン強度が報告される。一実施形態では、試料入口からの試料を分析し、当該試料と最終的な測定値と関連させるために、制御器が、質量分析計の下流に配置されている他の構成要素によって利用されるメモリにイオン強度を格納する。通常、それらの結果は、質量スペクトル、又は試料イオンに関連するある形式の質量情報である。イオン強度が記録された時刻を記録するために、タイムスタンプも生成され、格納される。
【0071】
動作418では、そのサイクルにおいて、そのSIMグループの全てのイオンが選択されたか否かが判定される。一実施形態では、制御器が、そのサイクルにおいて、そのSIMグループの全てのイオンが選択されているか否かを判定するように構成されている。選択されるべき1つ又は複数のイオンが依然として存在すると判定される場合には、動作の流れ400は動作420に進む。
【0072】
動作420では、SIMグループの次のイオンが選択される。一実施形態では、制御器が、従来の質量分析計の場合と同じように、SIMグループの次のイオンを選択するように構成されている。たとえば、制御器は、四重極制御に、四重極に適切なDC電圧及びRF電圧を供給し、SIMグループ内の次のイオンを選択させる。その後、動作の流れ400は、上記の動作402に戻る。
【0073】
動作418に戻ると、SIMグループの全てのイオンが選択されていると判定される場合に、その動作の流れは動作422に進む。
【0074】
動作422では、次のSIMグループサイクルが開始される。たとえば、その動作の流れ400は、次のSIMグループサイクルのために、動作401に戻る。
【0075】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「ある実施形態」、「1つの例示的な実施形態」を参照してきたが、それらは、特定の記述される特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態の中に含まれていることを意味している。したがって、そのような表現を利用する場合でも、2つ以上の実施形態を指していることがある。さらに、記述される特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わせることができる。
【0076】
しかしながら、特定の細部のうちの1つ又は複数を利用することなく、又は他の方法、資源、材料等を利用して、それらの実施形態を実施できることは当業者に理解されよう。他の事例では、単にそれらの実施形態の態様を分かりにくくするのを避けるために、よく知られている構造、資源又は動作は、詳細に図示又は記述していない。
【0077】
上記の種々の実施形態は、例示するためだけに提供されており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書において図示及び記述される例示的な実施形態及び応用形態に鑑み、添付の特許請求の範囲において述べられている、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して行うことができる種々の変更及び改変が、当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】一実施形態による、イオン検出器保護モジュールを備えている1つの例示的な質量分析システムを表すブロック図である。
【図2】一実施形態による、イオン検出器保護を備えている質量分析計の動作の流れを表す流れ図である。
【図3】別の実施形態による、イオン検出器保護を備えている質量分析計の動作の流れを表す流れ図である。
【図4】さらに別の実施形態による、イオン検出器保護を備えている質量分析計の動作の流れを表す流れ図である。
【符号の説明】
【0079】
102 試料入口
104 真空源
106 イオン源
108 検出器
110 四重極質量フィルタ
112 イオン源制御
114 検出器制御
116 制御器
160 四重極制御
162 検出器保護モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計(100)のイオン検出器(108)の劣化を低減する方法であって、
選択された質量及び電荷のイオンを検出する際に前記イオン検出器(108)から読み値を受容し、
前記読み値を累積に加え(206、306、406)、
読み値カウントを増加させ(206、306、406)、
予め選択された時間の終了時に、前記累積及び前記読み値カウントに基づいて強度値を求め(214、314、414)、
前記累積が閾値を超えているとの判定に応じて、前記イオン検出器(108)を選択的に保護する(208、308、408)ことを含む方法。
【請求項2】
前記イオン検出器(108)を保護することが、イオンが当該イオン検出器によって検出されるのを防ぐように、前記質量分析計(100)の質量フィルタ(110)に提供される電圧を制御することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオン検出器(108)を保護することが、前記質量分析計(100)のレンズユニットを制御して、前記イオン検出器(108)によって検出されないように、前記選択された質量及び電荷のイオンを誘導することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イオン検出器(108)を保護することが、単一イオンモニタリング(SIM)時間が経過するまで、前記イオン検出器(108)を保護することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記イオン検出器(108)を保護することが、残り時間を過剰サイクル時間に加えること、及び検出されるべき単一イオンモニタリング(SIM)グループの次のイオンを選択することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
質量分析計において使用するためのシステムであって、
イオン検出器(108)と、
前記イオン検出器(108)に選択された質量及び電荷のイオンを選択的に誘導するための質量フィルタ(110)と、
前記選択された質量及び電荷のイオンを検出する際に、前記イオン検出器(108)からの読み値を選択的に累積し、その累積が閾値を超えているとの判定に応じて、前記イオン検出器(108)を選択的に保護するための制御器(116)とを備えているシステム。
【請求項7】
前記質量フィルタ(110)を制御することが、当該質量フィルタ(110)に提供される電圧を変更することを含む請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記質量フィルタ(110)に動作するように結合されているレンズユニットをさらに備え、前記イオン検出器(108)を保護することが、該レンズユニットを制御して、当該イオン検出器(108)によって検出されないように、前記選択された質量及び電荷のイオンを誘導することを含む請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記イオン検出器(108)を保護することが、単一イオンモニタリング(SIM)時間が経過するまで、前記イオン検出器(108)を保護することを含む請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記イオン検出器(108)を保護することが、残り時間を過剰サイクル時間に加えること、及び検出されるべき単一イオンモニタリング(SIM)グループの次のイオンを選択することを含む請求項6に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−127632(P2007−127632A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−285651(P2006−285651)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】5301 Stevens Creek Boulevard Santa Clara California U.S.A.
【Fターム(参考)】