説明

インテーク制御装置

【課題】臭気センサによって検出された汚染度合いに応じてインテークドアの位置を自動制御するインテークドア制御手段を備え、所定の条件下で、前記インテークドアの自動制御を停止すると共に、インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示する表示手段による表示をオフ状態とし且つインテークドアの自動制御を開始要請するスイッチの操作の受け付けを拒否するインテーク制御装置において、インテークドアの自動制御を停止している状態が、どのような条件でなっているのかを判別できるようにする。
【解決手段】臭気センサの故障によりインテークドアの自動制御を停止させる場合と正常制御においてインテークドアの自動制御を停止させる場合とで表示手段によるオフ状態の表示形式を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気センサによって検出された外気の汚染度合いに応じてインテークドアの位置を制御して外気と内気との導入割合いを自動制御するインテークドア制御手段を備え、特に所定の条件下で、インテークドア制御手段による自動制御機能を停止させた場合における状態表示を制御するインテーク制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される空調ユニットにおいては、外気のガス濃度が高まると、汚染された外気が車室内に侵入して車室内の環境が害されることから、外気の汚染度合いを検出するセンサを設け、このセンサの出力値に基づき外気導入口から導入される外気と内気導入口から導入される内気との導入割合いを調節するインテークドアの位置を自動制御する構成が考えられている(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】実開平3−57111号公報
【特許文献1】特開2002−127733号公報
【特許文献1】特開2002−347427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した構成において、センサが故障した場合や、吹出しモードがデフロスト吹出しモードに設定された場合、コンプレッサの稼動を停止させた場合、外気温が所定温度以下である場合等においては、外気の汚染度合いの検知が不能であったり、窓ガラスの曇り防止を優先する必要があるために、インテークドアの自動制御機能を停止し、これに伴い、インテークドアの自動制御機能が作動していることを表示する表示手段による表示をオフ状態とし、また、インテークドアの自動制御機能を作動させるスイッチの操作の受け付けを拒否するようにすることが望ましい。
【0004】
ところが、このような制御を導入した場合においては、表示手段の表示がオフ状態になると、その表示のオフ状態がセンサの故障によるオフ状態であるのか、通常の制御によるオフ状態であるのかを判別することができないため、乗員は修理を依頼すべき状態であるのかを判断することができず、乗員に対して不必要に不安を与えるという不都合がある。
【0005】
本発明は、係る事状に鑑みてなされたものであり、臭気センサによって検出された汚染度合いに応じてインテークドアの位置を自動制御するインテークドア制御手段を備え、所定の条件下で、前記インテークドアの自動制御を停止すると共に、インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示する表示手段による表示をオフ状態とし且つインテークドアの自動制御を開始要請するスイッチの操作の受け付けを拒否するインテーク制御装置において、インテークドアの自動制御を停止している状態が、どのような条件でなっているのかを判別することができ、乗員に的確な判断を促すと共に、不必要に不安を与えることがないインテーク制御装置を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明に係るインテーク制御装置は、車両に搭載される空調ユニットの外気導入口から導入される外気と内気導入口から導入される内気との導入割合を調節するインテークドアと、外気の汚染度合いを検出し、汚染度合いに応じた信号を出力する臭気センサと、前記臭気センサによって検出された汚染度合いに応じて前記インテークドアの位置を自動制御するインテークドア制御手段と、前記インテークドア制御手段による前記インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示する表示手段と、前記インテークドアの自動制御を開始要請するスイッチとを具備し、所定の条件下で、前記インテークドア制御手段による前記インテークドアの自動制御を停止すると共に、前記表示手段による表示をオフ状態とし且つ前記スイッチの操作の受け付けを拒否するインテーク制御装置において、前記所定の条件下で前記スイッチが操作された場合に、前記所定の条件の種類に応じて、前記表示手段によるオフ状態の表示形式を異ならせたことを特徴としている。
【0007】
したがって、所定の条件下でインテークドアの自動制御を開始要請するスイッチが操作された場合には、インテークドアの自動制御を停止させる条件の種類によって、インテークドアの自動制御状態を表示する表示手段のオフ状態の表示形式が異なるので、スイッチを操作した際には、表示をオフ状態とした条件(原因)を判別することが可能となる。
【0008】
ここで、所定の条件下で表示手段によるオフ状態の表示形式を異ならせる場合とは、臭気センサの故障によりインテークドアの自動制御を停止させる場合と正常制御動作においてインテークドアの自動制御を停止させる場合とで異ならせるものであってもよい。
【0009】
この際、正常動作時においてインテークドアの自動制御機能を停止させる場合は、前記空調ユニットの吹出しモードがデフロスト吹出しモードに設定された場合、コンプレッサの稼動を停止させた場合、及び外気温が所定温度以下である場合等が考えられる。
【0010】
また、表示手段によるオフ状態の表示形式は、表示の点灯と点滅を区別するものであっても、表示内容を異ならせるものであっても、表示手段の輝度を異ならせるものであってもよい。例えば、臭気センサの故障によってインテークドアの自動制御を停止させる場合には表示手段によるオフ状態の表示を無表示とし、正常制御動作においてインテークドアの自動制御を停止させる場合には表示手段によるオフ状態の表示を所定回数点滅させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように、本発明によれば、所定の条件下でインテークドアの自動制御機能を作動させるスイッチが操作された場合に、インテークドアの自動制御機能を停止させる条件の種類によって、インテークドアの自動制御機能の動作状態を表示する表示手段のオフ状態の表示形式が異なるので、スイッチを操作した際には、表示のオフ状態の条件を判別することが可能となり、乗員は、インテークドアの自動制御機能の停止している状態が、どのような条件でなっているのかを認識することが可能となる。このため、乗員に的確な判断を促すと共に、不必要に不安を与えることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1において、車両用空調制御装置は、空調ダクト1の最上流側(空気吸入側)に内気導入口2と外気導入口3とを有するインテーク装置4を有し、アクチュエータ(INTAKE ACT)5で駆動されるインテークドア6によって車室外空気と車室内空気との導入割り合いが調節されるようになっている。空調ダクト1には、モータ7aによって回転する送風機7が前記導入口に臨むように設けられ、送風機7の回転によって導入口から空気を吸引し、下流側へ圧送するようになっている。
【0014】
送風機7の下流側には、エバポレータ8が配され、このエバポレータ8は、エンジンルーム側に配置されてエンジン9からの動力が電磁クラッチ10を介して伝達されるコンプレッサ11と、図示しないコンデンサ、リキッドタンク、エクスパンションバルブ等と共に配管結合されて冷房サイクルを構成しており、コンプレッサ11の稼動により冷媒が供給され、通過する空気を冷却するようにしている。
【0015】
エバポレータ8の下流側には、エンジンの冷却水を熱源とするヒータコア12が配置されており、このヒータコア12の手前にアクチュエータ(MIXACT)13で駆動されるエアミックスドア14が配されている。エバポレータ8を通過した空気は、このエアミックスドア14によってヒータコア12を通過する空気とこれをバイパスする空気との割合が調節されるようになっている。
【0016】
そして、エバポレータ8及びヒータコア12によって温調された空気は、空調ダクト1の最下流側(空気吹出側)に設けられ、アクチュエータ(MODEACT)15によって駆動されるモードドア16a,16b,16cによって開閉される吹出口(デフ吹出口17a、ベント吹出口17b、フット吹出口17c)から車室へ送風されるようになっている。
【0017】
前記インテークドア6、エアミックスドア14、モードドア16a〜16cを駆動する各アクチュエータ5、13、15や、送風機7のモータ7a、コンプレッサ11の電磁クラッチ10は、コントロールユニット20からの制御信号に基づいて制御されるようになっている。
【0018】
このコントロールユニット20は、中央演算装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート等を備えると共に各種ドア(インテークドア6、エアミックスドア14、モードドア16a〜16c)を駆動するアクチュエータ5,13,15、コンプレッサ11の電磁クラッチ10、送風機7のモータ7aを駆動制御する駆動回路を有して構成され、室内温度センサ21によって検出された車室内温度(Tr )、外気温度センサ22によって検出された外気温度(Ta)、日射センサ23によって検出された日射量(Tsun )、臭気センサ24によって検出された車室外空気の汚染度合い(汚染レベル)に相当するPWM出力値、インテークドア6の位置を検出するインテークポテンショメータ(INTAKEポテンショ)25によって検出された位置信号が入力されると共に、車室内の設定温度(Tset )を設定する温度設定器やインテークドアの自動制御を開始要請するスイッチ(INT AUTO SW)31、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED)32、外気循環モードであることを表示するLED(FRE LED)33、インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示するLED(INT AUTO LED)34等を具備するA/Cコントロールパネル26からの信号が入力され、ROM又はRAMに与えられた所定のプログラムにしたがってこれら入力信号を処理し、各アクチュエータ5,13,15やモータ7a、電磁クラッチ10等を駆動制御して、インテークドア6の位置、送風機7の回転速度、コンプレッサ11のオンオフ、エアミックスドア14の開度、吹出モードの切り換えなどを制御すると共に、A/Cコントロールパネル26の表示などを制御するようにしている。
【0019】
尚、この例において、臭気センサ24は、PWM出力値が0%、10%、90%、100%のときは故障状態を示し、PWM出力値が20%、30%、40%、50%、60%、70%のときは、外気の汚染度合いを示すもので、外気の汚染度が大きくなるほどPWM出力値が大きくなる特性を有し、例えば、コントロールユニットは、臭気センサ24から入力されたPWM出力値に基づき、図2に示されるように現在の状態を検知する。
【0020】
即ち、図2において、コントロールユニット20は、臭気センサ24のPWM出力値が0%か、100%か、10%か、90%であるか否かを判定し(ステップ30〜36)、ステップ30において、PWM出力値が0%であると判定された場合には、臭気センサ24のハーネスの短絡による故障であるみなし(ステップ38)、ステップ32において、PWM出力値が100%であると判定された場合には、臭気センサ24のハーネスの開放による故障であるみなし(ステップ40)、ステップ34において、PWM出力値が10%であると判定された場合には、臭気センサ24自体の短絡による故障であるみなし(ステップ42)、ステップ36において、PWM出力値が90%であると判定された場合には、臭気センサ24自体の開放による故障であるみなし(ステップ44)、これらの場合は、いずれの場合も臭気センサ24による検知が不能であるので、汚染レベルを0に設定する(ステップ46)。
【0021】
また、コントロールユニット20は、臭気センサ24のPWM出力値が20%か、30%か、40%か、50%か、60%であるか否かを判定し(48〜56)、ステップ48において、PWM出力値が20%であると判定された場合には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを0とし(ステップ58)、ステップ50において、PWM出力値が30%であると判定された場合には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを1とし(ステップ60)、ステップ52において、PWM出力値が40%であると判定された場合には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを2とし(ステップ62)、ステップ54において、PWM出力値が50%であると判定された場合には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを3とし(ステップ64)、ステップ56において、PWM出力値が60%であると判定された場合には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを4とし(ステップ66)、それ以外であると判定された場合(例えば、PWM出力値が70%である場合)には、臭気センサ24により検知した汚染レベルを5とする(ステップ68)。
【0022】
図3において、前記コントロールユニット20によるインテーク装置4の制御動作例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートを説明すると、コントロールユニット20は、インテーク装置の制御ルーチンに入ると、
吹出しモードをデフロストモードに設定するデフスイッチ(DEF SW)がオンになっているか否かを判定し(ステップ80)、デフスイッチ(DEF SW)がオンになっていると判定された場合には(条件I)、窓ガラスの曇り晴らしを優先させたい要請があるため、内気循環モード(REC)にするのは好ましくないので、臭気センサ24によって検出された汚染度合いに応じて前記インテークドアの位置を自動制御するインテークドア制御を行わず、インテークドア6を外気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気循環モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテーク制御が自動制御(AUTO)であることを示すLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするマニュアルFRESHモードに設定する(ステップ82)。
【0023】
これに対して、ステップ80において、デフスイッチ(DEF SW)がオンになっていると判定されなかった場合には、ステップ84においてコンプレッサ11の状態を判定する。コンプレッサが停止状態であると判定された場合には、その停止状態(COMP OFF MODE)が低外気によるコンプレッサ保護の観点からの自動停止であるのか(F)、A/Cコントロールパネル26のコンプレッサをオンオフさせるスイッチ(A/C SW)の操作でコンプレッサが停止している場合であるのか(R)を判定し(ステップ86)、コンプレッサをオンオフさせるスイッチ(A/C SW)の操作でコンプレッサが停止している場合であると判定された場合には、さらにコンプレッサをオンオフさせるスイッチ(A/C SW)が操作されてコンプレッサが稼動状態(A/CフラグON)であるのか、停止状態(A/CフラグOFF)であるのかを判定する(ステップ88)。
【0024】
ステップ86において、コンプレッサ11の停止状態が低外気による自動停止であると判定された場合、また、ステップ88において、コンプレッサをオンオフさせるスイッチ(A/C SW)の操作によるコンプレッサの停止状態(A/CフラグOFF)であると判定された場合には(条件II)、インテークドア6を外気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテーク制御が自動制御(AUTO)であることを示すLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオートFRESHモードに設定する(ステップ108)。
【0025】
これに対して、ステップ84において、コンプレッサが稼動状態であると判定された場合、又は、ステップ88において、コンプレッサをオンオフさせるスイッチ(A/C SW)を操作してコンプレッサが稼動状態(A/CフラグON)であると判定された場合には、ステップ90において、前記車室内温度(Tr)、外気温度(Ta)、日射量(Tsun )、車室内の設定温度(Tset )などの車室の熱負荷に影響を与える因子に基づき演算された車室内の熱負荷を表す目標吹出空気温度(XM )に応じて空気導入状態を決定する。
即ち、目標吹出空気温度(XM )が低くなれば、空気導入状態を内気導入モード(REC)に設定し、目標吹出空気温度が高くなるにつれて、空気導入状態を外気導入を20%、内気導入を80%にする20%FRESHモードに、または、外気導入モード(FRESH)に設定する。
【0026】
その後、以下のステップにおいて、前記ステップ90で設定された空気導入モードがいずれであるかを判定する(ステップ92,94)。先ず、ステップ90で設定された空気導入モードが内気導入モード(REC)であると判定された場合には、臭気センサ24によるインテーク制御の有無を示すフラグ(AQS_AUTOフラグ)がOFFであるか否かを判定し(ステップ96)、このフラグがOFFであると判定された場合には、臭気センサによるインテーク制御を実施していないと判定された場合であるので、インテークドア6を内気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をON、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をOFF、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオートRECモードに設定する(ステップ98)。
【0027】
これに対して、ステップ96でAQS_AUTOフラグがONであると判定された場合(臭気センサによるインテーク制御を実施していると判定された場合)には、外気温の状態を判別するために、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFを、外気温度が−2℃以下であればCF=4に設定し、−2℃以下となる前の状態又は−2℃以下となった後に0℃以上となった場合であれば、CF=3に設定する(ステップ100)。
【0028】
そして、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFが3であるか否かを判定し(ステップ102)、CF=3でない(CF=4である)と判定された場合には(条件III)、外気温が低いことから、インテークドア6の自動制御機能を停止させ、インテークドア6を内気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をON、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をOFF、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオートRECモードに設定する(ステップ98)。
【0029】
これに対して、ステップ102において、CF=3であると判定された場合には、臭気センサ24によるインテーク制御を継続しても不都合はないため、インテークドアの自動制御機能を継続させ、その上でインテークドア6を内気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をON、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をOFF、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をONにするオートRECモードに設定する(ステップ104)。
【0030】
次に、ステップ94において、目標吹出空気温度(XM )に基づき決定された空気導入状態が20%FRESHでないと判定された場合、即ち、空気導入状態がFRESHであると判定された場合には、臭気センサ24によるインテーク制御の有無を示すフラグ(AQS_AUTOフラグ)がOFFであるか否かを判定し(ステップ106)、このフラグがOFFであると判定された場合には、臭気センサ24によって検出された汚染度合いに応じてインテークドアを自動制御するインテークドア制御を停止し、インテークドア6を外気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオートFRESHモードに設定する(ステップ108)。
【0031】
これに対して、ステップ106で、AQS_AUTOフラグがONであり、臭気センサによるインテーク制御を実施していると判定された場合には、外気温の状態を判別するために、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFを、外気温度が−2℃以下であればCF=4に設定し、−2℃以下となる前の状態又は−2℃以下となった後に0℃以上となった場合であれば、CF=3に設定する(ステップ110)。
【0032】
そして、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFが3であるか否かを判定し(ステップ112)、CF=3でない(CF=4である)と判定された場合には(条件III)、外気温が低いことから、インテークドアの自動制御機能を停止させ、インテークドアを外気のみを導入する位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFとするオートFRESHモードに設定する(ステップ108)。
【0033】
これに対して、ステップ112において、外気温度の状態を示すパラメータCFが3であると判定された場合には、臭気センサ24により検知された車室外空気の汚染度合い(汚染レベル)が所定値(A)以上であるか否かを判定し(ステップ114)、汚染レベルが所定値(A)以上であると判定された場合には、前記ステップ104へ進み、外気の車室導入を避けるためにインテークドアを内気のみが導入される位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をON、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をOFF、インテークドアの自動制御状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をONにするオートRECモードに設定する。
【0034】
また、ステップ114において、汚染レベルが所定値(A)未満であると判定された場合には、臭気センサ24による出力が故障によるレベル0であるか否かを判定し(ステップ116)、故障によるレベル0でないと判定された場合には、正常制御に基づくものであるので、インテークドアの自動制御を継続させ、その上でインテークドア6を外気のみが導入される位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をONにするオートFRESHモードに設定する(ステップ118)。
【0035】
これに対して、ステップ116において、臭気センサ24による出力が故障によるレベル0であると判定された場合には(条件IV)、インテークドアの自動制御が不能であるので、インテークドア6を外気のみが導入される位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をONにした上で、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオートFRESHモードに設定する(ステップ120)。
【0036】
次に、ステップ94において、目標吹出空気温度(XM )に基づき決定された空気導入状態が20%FRESHであると判定された場合には、臭気センサ24によるインテーク制御の有無を示すフラグがOFFであるか否かを判定し(ステップ122)、このフラグがOFFであると判定された場合には、臭気センサによって検出された汚染度合いに応じてインテークドアを自動制御するインテークドア制御を停止し、インテークドアを外気導入が20%、内気導入が80%となる位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオート20%FRESHモードに設定する(ステップ124)。
【0037】
これに対して、ステップ122において、AQS_AUTOフラグがONであり、臭気センサによるインテーク制御を実施していると判定された場合には、外気温の状態を判別するために、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFを、外気温度が−2℃以下であればCF=4に設定し、−2℃以下となる前の状態又は−2℃以下となった後に0℃以上となった場合であれば、CF=3に設定する(ステップ126)。
【0038】
そして、外気温(Tam)の状態を示すパラメータCFが3であるか否かを判定し(ステップ128)、CF=3でない(CF=4である)と判定された場合には(条件III)、外気温が低いことから、インテークドアの自動制御機能を停止させ、インテークドア6を外気導入が20%、内気導入が80%となる位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオート20%FRESHモードに設定する(ステップ124)。
【0039】
これに対して、ステップ128において、CF=3であると判定された場合には、臭気センサ24により検知された車室外空気の汚染度合い(汚染レベル)が所定値(A)以上であるか否かを判定し(ステップ130)、空気汚染度レベルが所定値(A)以上であると判定された場合には、前記ステップ104へ進み、外気の車室導入を避けるためにインテークドアを内気のみが導入される位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をON、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をOFF、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をONにするオートRECモードに設定する(ステップ104)。
【0040】
また、ステップ130において、汚染レベルが所定値(A)未満であると判定された場合には、臭気センサ24による出力が故障によるレベル0であるか否かを判定し(ステップ132)、故障によるレベル0でないと判定された場合には、正常制御に基づくものであるので、インテークドアの自動制御を継続させ、その上でインテークドア6を外気導入が20%、内気導入が80%となる位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をONにするオート20%FRESHモードに設定する(ステップ134)。
【0041】
これに対して、ステップ132において、臭気センサ24による出力が故障によるレベル0であると判定された場合には(条件IV)、インテーク制御が不能であるので、インテークドア6を外気導入が20%、内気導入が80%となる位置に設定し、内気循環モードであることを表示するLED(REC LED 32)をOFF、外気導入モードであることを表示するLED(FRE LED 33)をON、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするオート20%FRESHモードに設定する(ステップ136)。
【0042】
このように、臭気センサ24によって検出された汚染度合いに応じてインテークドア6の位置を自動制御するインテークドア制御は、吹出モードがDEFである場合、コンプレッサがOFF状態である場合、外気がー2℃以下である場合において停止し、インテークドアの自動動作状態を表示するLED(INT AUTO LED 34)をOFFにするようにしているが、臭気センサ24による出力がレベル0となる故障時(臭気センサのハーネスや臭気センサ自体に故障が生じた場合)においても、インテークドア6の自動制御は行なわれず、INT AUTO LED 34をOFFにするので、インテークドア自動制御の停止した状態が臭気センサ24に関する故障に起因するものであるのか(条件IV)、上述した正常制御において所定条件(条件I、条件II、条件III)となった場合であるのかを判別することができない。
【0043】
そこで、インテークドア6の自動制御を開始要請するスイッチ(INT_AUTO SW)が操作された場合には、図4に示されるような処理が行なわれる。
即ち、インテークドア6の自動制御を開始要請するスイッチ(INT_AUTO SW 31)が操作された場合に、インテーク制御が自動制御(AUTO)であることを示すLED(INT_AUTO LED)が消灯(OFF)しているか否かを判定し(ステップ140)、点灯していればインテークドア6の自動制御がなされている状態であるので、そのまま状態を維持する。
【0044】
これに対して、インテーク制御が自動制御(AUTO)であることを示すLED(INT_AUTO LED 34)が消灯(OFF)していると判定された場合には、この消灯状態の条件(OFF条件)が前記図3の制御のどの条件(条件I:吹出しモードをDEFモードに設定した場合、条件II:コンプレッサを停止状態にした場合、条件III:外気温が−2℃以下である場合、条件IV:臭気センサの故障の場合(ハーネス短絡、ハーネス開放、センサ自体の短絡、センサ自体の開放))に起因するものであるのかを判定する(ステップ142)。
【0045】
そして、OFF条件が条件IVの臭気センサ24の故障であると判定された場合には、INT AUTO LED 34の消灯状態を維持し(ステップ144)、OFF条件が正常制御での所定条件(条件I、条件II、条件III)に起因するものであると判定された場合には、INT AUTO LED 34を例えば3回点滅させてその後に消灯させるようにする(ステップ146)。
【0046】
したがって、乗員は、点灯していないINT AUTO LED 34を見て、インテークドアの自動制御を開始要請するスイッチ(INT_AUTO SW 31)が操作された場合に、表示LED(INT_AUTO LED)が3回点滅すれば、正常制御においてインテークドア6の自動制御がたまたま停止している状態であることを認識することができ、また、全く点灯しなければ、臭気センサ24の故障であることを認識することができるので、全く点灯しなかった場合には、修理を依頼すべき状態であることを認識することができ、不必要に不安を与えることがなくなる。
【0047】
尚、以上の構成例においては、スイッチ(INT_AUTO SW 31)の操作時に、臭気センサ24の故障によってインテークドア6の自動制御が停止した場合はLED(INT_AUTO LED)を無表示(消灯)とし、正常制御動作においてインテークドアの自動制御が停止した場合はLED(INT_AUTO LED)を3回点滅させるようにしたが、インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示する表示手段のオフ状態における表示形式を異ならせるものであれば、これに限定されるものではなく、例えば、表示手段に表示される表示内容を異ならせるものであっても、表示手段の輝度を異ならせるもの等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明にかかるインテーク制御装置を搭載した車両用空調ユニットの全体構成例を示す図である。
【図2】図2は、コントロールユニットによる臭気センサからの信号処理例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、コントロールユニットによるインテーク制御の制御動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、インテークドアの自動制御を開始要請するスイッチ(INT AUTO SW)が押された場合の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
2 内気導入口
3 外気導入口
6 インテークドア
24 臭気センサ
31 INT AUTO SW
34 INT AUTO LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される空調ユニットの外気導入口から導入される外気と内気導入口から導入される内気との導入割合を調節するインテークドアと、外気の汚染度合いを検出し、汚染度合いに応じた信号を出力する臭気センサと、前記臭気センサによって検出された汚染度合いに応じて前記インテークドアの位置を自動制御するインテークドア制御手段と、前記インテークドア制御手段による前記インテークドアの自動制御のオンオフ状態を表示する表示手段と、前記インテークドアの自動制御を開始要請するスイッチとを具備し、所定の条件下で、前記インテークドア制御手段による前記インテークドアの自動制御を停止すると共に、前記表示手段による表示をオフ状態とし且つ前記スイッチの操作の受け付けを拒否するインテーク制御装置において、
前記所定の条件下で前記スイッチが操作された場合に、前記所定の条件の種類に応じて、前記表示手段によるオフ状態の表示形式を異ならせたことを特徴とするインテーク制御装置。
【請求項2】
前記臭気センサの故障により前記インテークドアの自動制御を停止させる場合と正常制御動作において前記インテークドアの自動制御を停止させる場合とで、前記表示手段によるオフ状態の表示形式を異ならせることを特徴とする請求項1記載のインテーク制御装置。
【請求項3】
前記正常制御動作において前記インテークドアの自動制御を停止させる場合とは、前記空調ユニットの吹出しモードがデフロスト吹出しモードに設定された場合、コンプレッサの稼動を停止させた場合、及び外気温が所定温度以下である場合を含むことを特徴とする請求項2記載のインテーク制御装置。
【請求項4】
前記表示手段によるオフ状態の表示形式は、前記臭気センサの故障によって前記インテークドアの自動制御を停止させる場合に前記表示手段によるオフ状態の表示を無表示とし、正常制御動作において前記インテークドアの自動制御を停止させる場合に前記表示手段によるオフ状態の表示を所定回数点滅させるものであることを特徴とする請求項2記載のインテーク制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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