インバータシステム
【課題】 電力変換器と交流回転機とからなるインバータシステムにおいて、交流回転機部に生じる過電圧を、低コストの装置構成により抑制する。また、上記過電圧を適切に抑制することができる交流回転機、および電力変換器を提供する。
【解決手段】 電力変換器1と、3相交流回転機3と、上記電力変換器1と上記3相交流回転機3とを接続し、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを同一ケーブルとした少なくとも4芯の長さが等しい3本の非同軸ケーブルHc、Ic、Jcとを備え、上記3相給電線Rc、Wc、Bcと上記接地線Gcとの間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルHc、Ic、Jcをねん架して接続した。
【解決手段】 電力変換器1と、3相交流回転機3と、上記電力変換器1と上記3相交流回転機3とを接続し、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを同一ケーブルとした少なくとも4芯の長さが等しい3本の非同軸ケーブルHc、Ic、Jcとを備え、上記3相給電線Rc、Wc、Bcと上記接地線Gcとの間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルHc、Ic、Jcをねん架して接続した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM(パルス幅変調)方式の電力変換器と、3相ケーブルを介してこの電力変換器に接続される交流回転機とからなるインバータシステムにおいて、システム動作時に交流回転機部に発生するサージ過電圧を抑制するインバータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
PWM方式の電力変換装置では、出力段回路のスイッチング素子を高周波のキャリア信号によってオンオフすることで出力電圧を調整している。一方、この電力変換装置と交流回転機(電動機や発電機)とを接続する3相ケーブルでは、ケーブルの長さに応じた抵抗成分Rとインダクタンス成分Lとが存在し、また線間や対地間に静電容量Cが存在する。その結果、電力変換装置から3相ケーブルに急峻な変化をする電圧を出力すると、RLCによる共振によって交流回転機の端子部に過電圧が印加される。そこで、従来から交流回転機の端子部に過電圧が発生するのを抑制する目的で、過電圧抑制手段を併設するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、交流から直流に変換する順変換器と、その直流を交流に変換する逆変換機とからなる入出力非絶縁型電力変換装置において、コンデンサとリアクトルとからなる交流出力フィルタのコンデンサ中性点を直流回路部と接続することにより、回転機給電端子部の過電圧を抑制する方式の過電圧抑制手段が開示されている。
【0004】
また、電力変換器と交流回転機とからなる駆動装置において、従来、電力変換器より発生するコモンモードノイズが外部機器に悪影響を与えるのを抑制するために、電力変換器の出力端子と交流回転機の入力端子との接続に同軸ケーブルの芯線を用い、同軸ケーブルの外部導体の両端をそれぞれ電力変換器のフレーム(接地端子)と交流回転機のフレーム(接地端子)とに接続するものがあった(例えば、特許文献2参照。)。このような駆動装置では、コモンモードノイズの抑制が目的であり、回転機内部のサージ過電圧の抑制を目的とはしていないが、単芯の同軸ケーブルを3本あるいは3芯の同軸ケーブルを使用することで、結果として交流回転機の端子部に過電圧が発生するのを抑制することを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−294381号公報
【特許文献1】特開平10−135681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の過電圧抑制方式では、3相すべてに同じ交流出力フィルタを接続しており、フィルタとして割高となる。
また、特許文献2に開示される駆動装置では、単芯の同軸ケーブルを3本あるいは3芯の同軸ケーブルを使用することで、結果として過電圧の発生を抑制しているが、同軸ケーブル、特に多芯の同軸ケーブルはビニルキャブタイヤケーブルに比べて極めて高価であり、特に低容量クラスのインバータシステムにおいては、ケーブル長が長くなると、インバータおよび回転機にかかる費用よりも多芯の同軸ケーブルにかかる費用のほうが割高になる場合があるといった問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、電力変換器と交流回転機とからなるインバータシステムにおいて、インバータのスイッチングに伴い交流回転機部に生じる過電圧を、低コストの装置構成により抑制することが可能なインバータシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるインバータシステムは、電力変換器と、3相交流回転機と、上記電力変換器と上記3相交流回転機とを接続し、接地線と3相給電線とを同一ケーブルとした、少なくとも4芯の、長さが等しい3本の非同軸ケーブルとを備え、上記3相給電線と上記接地線との間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルをねん架して接続したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、インバータシステムにおける各相の給電線と接地線の間の静電容量を等しくすることにより、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1によるインバータシステム、および過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムを示す回路構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わる4芯キャブタイヤケーブルを示す断面構成図である。
【図3】過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムにおける各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係わる回転機の結線を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるインバータシステムにおける各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を、過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムにおける測定結果と比較した図である。
【図6】過電圧抑制コンデンサの容量を変化させたときの回転機の第一コイル分担電圧の最大値の測定結果を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態1による他のインバータシステムを示す回路構成図である。
【図8】本発明の実施の形態1によるさらに他のインバータシステムを示す回路構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2によるインバータシステムを示す回路構成図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係わる4芯平形ケーブルを示す断面構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4によるインバータシステムを示す回路構成図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係わるケーブルを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係わるケーブルの断面を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1(a)および図1(b)は、各々、この発明の実施の形態1によるインバータシステム、および過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムを示す回路構成図である。
本発明のインバータシステムを導くにあたり、図1(b)に示すインバータシステムを用い、インバータのスイッチングに伴って発生する交流回転機における過電圧を分析した。図1(b)の構成において、電力変換装置(インバータ)1と交流回転機(モータ)3との間は3相給電ケーブル2により接続されている。上記3相給電ケーブル2は、図2に示すような断面形状であり、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを同一ケーブルとした4芯の非同軸ケーブルである。例えば、素線断面積2mm2の4芯キャブタイヤケーブル100mで構成されている。このような構成でインバータを運転した場合における、モータ各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を図3に示す。図3の測定に用いた回転機は図4に示すような△結線となっており、各相4コイルのものである。また、図3中の測定箇所は、図4に記した端子((U相:Um、U12、U34、U56、V相:Vm、V12、V34、V56、W相:Wm、W12、W34、W56))の両端間(各コイルの巻始めと巻終りの間)である。
【0012】
図3から分かるように、各コイルの分担電圧の最大値は、各相4コイルで均等にはならず、モータ端子が巻始めまたは巻終りになっているコイル(例えばUm−U12,U56−Wmなど、以下、第一コイルと呼ぶ)の分担電圧最大値が、巻始め、巻終りともにモータ端子になっていないコイル(例えばU12−U34、U34−U56など)の分担電圧に比べて、極めて大きくなっている。これは、インバータシステムでは、インバータの出力波形が立ち上がりの急峻な矩形波となるため、出力電圧に高周波成分が多く含まれ、この高周波成分に対しては回転機がコンデンサのように見えるために生じる現象である。
【0013】
さらに、図3から分かるように、図4の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧Vm−V12,Vm−W56の最大値が、U相の第一コイル分担電圧Um−U12、Um−V56、およびW相の第一コイル分担電圧Wm−W12、Wm−U56の最大値に比べて、20%以上高い値になっている。このV相の第一コイル分担電圧が他相の第一コイル分担電圧に比べて高くなる現象は、給電ケーブル2の構造によるものと考えられる。すなわち、図3の測定で給電ケーブル2として用いた4芯キャブタイヤケーブルの断面構造は図2のようになっており、Rc(U相)−Gc間、およびBc(W相)−Gc間の静電容量と比べて、Wc(V相)−Gc間の静電容量が小さいためと考えられる。例えば、図1(b)の構成における4芯ビニルキャブタイヤケーブル(素線断面積2mm2)の、Rc−Gc間、Bc−Gc間、およびWc−Gc間の単位長当たりの静電容量の測定結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1より、3相のうちの1相の対地間静電容量が他相と比べて小さくなっていることが明らかである。したがって、このような静電容量の違いが原因で、ある特定の1相の第一コイル分担電圧が他相の第一コイル分担電圧に比べて高くなると考えられる。
これより、給電線における3相の対地間静電容量の非対称性を除去し、各相の給電線と接地線と間の静電容量を等しくして、ある特定の1相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避することができれば、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、3相のある特定相のみに発生する過大なサージ過電圧を抑制することができる。その結果、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0016】
以下に、図1(a)に示す、本発明の実施の形態1によるインバータシステムについて説明する。図1において、PWM方式の電力変換装置である電圧型PWMインバータ1の3相出力端子Ui、Vi、Wiは、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを含む比較的長い4芯キャブタイヤケーブル2を介して交流回転機(電動機または発電機)3の各相端子部Um、Vm、Wmに接続される。
4芯キャブタイヤケーブル2は図2に示す断面構造をしており、4芯キャブタイヤケーブル2の各線Rc、Wc、Bc、Gcのうち、Rcを回転機3のU相端子であるUmおよびインバータ1のU相端子であるUiに、Wcを回転機3のV相端子であるVmおよびインバータ1のV相端子であるViに、Bcを回転機3のW相端子であるWmおよびインバータ1のW相端子であるWiに、Gcを回転機3の接地端子であるGmおよびインバータ1の接地端子であるGiに接続する。
また、交流回転機3のV相給電端子部Vmと、交流回転機3の接地端子部Gmとの間にはコンデンサ4が接続されている。
【0017】
表1に例として挙げた、図1(b)の構成における4芯ビニルキャブタイヤケーブル2においては、Rc−Gc間、およびBc−Gc間の1m当たりの静電容量と、Wc−Gc間の1m当たりの静電容量との差は約60pFとなっている。すなわち、インバータ1と回転機3との間のケーブル長をLとすると、Wc−Gc間の静電容量は、Rc−Gc間、およびBc−Gc間の静電容量と比較して、L×60pF小さくなっており、例えば、ケーブル長100mの場合では、Wc−Gc間の静電容量は6000pF小さくなる。
そこで、図1(a)に示すインバータシステムにおいては、給電端子Wmと接地端子Gmとの間に接続されるコンデンサ4の値を、静電容量の差に基づいて得られた上記値6000pFとしている。
【0018】
図5に、図1(a)および図1(b)の回路構成におけるモータ各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を示す。測定は、図3と同様の条件で行われ、回転機3は図4に示すような△結線となっており、各相4コイルのものである。測定箇所は、図4に記した端子((U相:Um、U12、U34、U56、V相:Vm、V12、V34、V56、W相:Wm、W12、W34、W56))の両端間(各コイルの巻始めと巻終りの間)である。
【0019】
図5から分かるように、図1(b)の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧Vm−V12、Vm−W56の最大値が、U相の第一コイル分担電圧Um−U12、Um−U56、およびW相の第一コイル分担電圧Wm−W12、Wm−W56の最大値に比べて20%以上高い値になっているが、図1(a)の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧がU相、W相の第一コイル分担電圧とほぼ同じ値に抑制されている。このように、ある特定の相の回転機給電端子と接地端子との間に所定の静電容量のコンデンサを接続することにより、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避することができ、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、3相のある特定相のみに発生する過大なサージ過電圧を抑制することができる。その結果、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0020】
図6に、素線断面積2mm2の4芯ビニルキャブタイヤケーブルの長さを100mとし、過電圧抑制コンデンサ4の容量を変化させたときの、回転機3の第一コイル分担電圧の最大値を測定した結果を示す。図6から分かるように、上記過電圧抑制コンデンサ4の容量が増加すると、過電圧抑制コンデンサ4を接続した相の第一コイル分担電圧は低下し、過電圧抑制コンデンサ4を接続しない相の第一コイル分担電圧は増加する。過電圧抑制コンデンサを接続した相と接続しない相の第一コイル分担電圧がほぼ同値となる過電圧抑制コンデンサの静電容量は、素線断面積2mm2の4芯ビニルキャブタイヤケーブルを100m接続した場合は約6000pFである。この値は、図1(a)中の給電線2でのRc−Gc間、およびBc−Gc間の静電容量からWc−Gc間の静電容量を引いた値と概ね一致する。このとき、回転機3の絶縁構成に与える負荷は最も軽減される。すなわち、給電線2での各相の対地間の静電容量がほぼ等しくなるように、回転機の給電端子部と接地端子との間に過電圧抑制コンデンサ4を接続することにより、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。その結果、3相に比較的低い同レベルのサージ過電圧が発生しても、絶縁上には十分な場合には、コンデンサを一箇所に設ければ良いだけなので、低コストの装置構成により、信頼性の高い装置が得られるようになる。
【0021】
具体的には、3相のうちの他相と比べて給電ケーブル部での給電線の対接地線間の静電容量が最も低い1相の回転機給電端子部と接地端子部との間に、給電線の対接地線間の静電容量が最も高い相の静電容量から前記静電容量が最も低い相の静電容量の差分値に相当する静電容量をもつコンデンサを接続すればよい。しかし、給電線の対接地線間の静電容量が最も高い相の静電容量から前記静電容量が最も低い相の静電容量の差分値に等しい静電容量を接続するのには、精度よい静電容量の測定が必要である。簡易的には、前記差分値に相当する静電容量の80〜150%、望ましくは図6の斜線部分(差分値の90〜120%)の静電容量であるコンデンサを接続すれば、ほぼ各相の静電容量がバランスされ、特定相の分担電圧が高くなる現象を回避できる。
【0022】
なお、上述した方式でコンデンサの挿入を実施すると、ある特定相の第一コイル分担電圧だけではなく、ある特定相の回転機給電端子部の対地電圧も抑制することが可能である。
【0023】
また、図1(a)のインバータシステムでは、VmとGmの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはVmと接続されているケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、Umが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときにはUmとGmの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。同様に、Wmが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときには、WmとGmの間に上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0024】
また、図1(a)のインバータシステムでは、回転機の給電端子部Vmと接地端子部Gmとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、図7に示すような電力変換装置(インバータ)の出力端子部Viと接地端子部Giとの間に過電圧抑制コンデンサ4を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
なお、図7のインバータシステムでは、ViとGiの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはViと接続されているケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、上記実施の形態と同様に、Uiが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときにはUiとGiの間に、Wiが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときには、WiとGiの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0025】
また、図1(a)のインバータシステムでは、回転機の給電端子部Vmと接地端子部Gmとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続する場合を、図7のインバータシステムでは、電力変換装置(インバータ)の出力端子部Viと接地端子部Giとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続する場合を示したが、ケーブル給電線の方に過電圧抑制コンデンサ4を接続するようにしてもよい。
例えば、ケーブル給電線の一端部(被覆されていない素線部)において、対接地線容量が他相と比べて低い相のケーブル給電線と接地線との間に過電圧抑制コンデンサ4を接続した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
また、図8に示すように、2本のケーブルを直列に接続し、その中間接続部において、ケーブル給電線の対接地線容量が他相と比べて低い相のケーブル給電線と接地線との間に過電圧抑制コンデンサ4を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。この際に、直列の2本のケーブルのケーブル長は、両者が同じ長い場合でも、どちらか片方が長い場合でも、同様の効果が得られる。
【0026】
なお、図8のインバータシステムでは、WcとGcの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、上記実施の形態と同様に、ケーブル給電線Rcの対接地線容量が他相に比べて低いときにはRcとGcの間に、ケーブル給電線Bcの対接地線容量が他相に比べて低いときには、BcとGcの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0027】
また、上記実施の形態ではインバータ1とモータ3とを接続するケーブル2として4芯キャブタイヤケーブルを用いているが、接地線および3相給電線がそれぞれ別々の芯線よりなる非同軸ケーブルを用いる場合に効果があり、4芯キャブタイヤケーブルに限らず、ケーブルでの給電線と接地線間の静電容量がアンバランスである如何なる非同軸ケーブルに対しても、本方式は効果がある。また、4芯に限らず、例えば接地線や3相給電線と繋いだ芯線を有する4芯以上の非同軸ケーブルに対しても適用することが可能である。
【0028】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるインバータシステムを示す回路構成図である。例えば、図10に示すような断面構造を持つ4芯の平形ケーブルを、図9におけるインバータ1と回転機3との間の給電ケーブル2として使用した場合について述べる。図10のように、4芯の平形ケーブルの長径方向の端の給電線を接地線(Gc)とし、残りの3本の給電線をそれぞれHc,Ic,Jcとする場合、各給電線における対接地線の静電容量はJcが最も大きく、次いでIc,対地線の静電容量が最も小さいのはHcとなる。
図9に示すインバータシステムにおいては、インバータ1の各相の出力端子と、ケーブル2の各給電線と、回転機3の各相の給電端子とが、Ui−Hc−Um,Vi−Ic−Vm,Wi−Jc−Wmとなるように結線されている。この場合、平形ケーブル部において最も対地静電容量が小さくなるU相、および2番目に対地静電容量が小さくなるV相の回転機給電端子部と回転機接地端子との間に、コンデンサ5、6をそれぞれ接続している。このコンデンサ5、6の静電容量は、それぞれ、Jcの対接地線容量からHcの対接地線容量を引いた値、Jcの対接地線容量からIcの対接地線容量を引いた値に等しい容量、もしくは簡易的にはそれぞれ、Jcの対接地線容量からHcの対接地線容量を引いた値、Jcの対接地線容量からIcの対接地線容量を引いた値の80%〜150%の範囲の静電容量(望ましくは、差分値の90〜120%の静電容量)となるようにする。
このようなコンデンサ5、6を回転機端子部に接続することで、特定相の過大な分担電圧の発生を回避でき、システム全体のサージ過電圧を低減できる。
【0029】
また、上記実施の形態では、ケーブル部において最も対地静電容量が小さくなる給電線をU相、2番目に対地静電容量が小さくなる給電線をV相としているが、各給電線をどの相に接続したときにも、最も対地静電容量が小さくなる相、および2番目に対地静電容量が小さくなる相の回転機給電端子部と回転機接地端子との間に、それぞれ所定の静電容量を有するコンデンサを接続すれば同等の効果が得られる。
【0030】
また、上記実施の形態では、モータの給電端子部の、最も対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を接続しているが、電力変換装置(インバータ)の出力端子部の、最も対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
【0031】
また、同様に、インバータシステムのケーブル給電線の一端部、あるいはケーブル中間部において、対地静電容量が最も小さくなる相と接地線との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地線との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
【0032】
また、上記実施の形態ではインバータ1とモータ3とを接続するケーブル2として、4芯の平形ケーブルを用いているが、接地線および3相給電線がそれぞれ別々の芯線よりなる非同軸ケーブルを用いる場合に効果があり、4芯の平形ケーブルに限らず、ケーブルでの給電線と接地線間の静電容量がアンバランスである如何なる非同軸ケーブルに対しても、本方式は効果がある。また、4芯に限らず、例えば接地線や3相給電線と繋いだ芯線を有する4芯以上の非同軸ケーブルに対しても適用することが可能である。
【0033】
実施の形態3.
上記実施の形態1、2において、過電圧抑制コンデンサ4、5、6は、回転機給電端子部と接地端子間、または電力変換器(インバータ)出力端子部と接地端子間、または給電線と接地線との間に外付けで接続しているが、任意のケーブル長のものに対して、簡単に静電容量を調整して過電圧を抑制できるように、可変式コンデンサを回転機給電端子台またはインバータに予め設置しておいてもよい。この場合、ケーブルとして4芯キャブタイヤケーブルを用いることが予め分かっているならば、可変式コンデンサを回転機のVmと接地端子間、またはインバータのViと接地端子間に接続するように構成することが望ましいが、4芯キャブタイヤケーブルだけでなく、4芯平形ケーブルなど、各相の対接地線間の静電容量が全て異なるケーブルの使用が想定される場合には、このようなケーブルの使用時にも過電圧抑制が可能なように、回転機の任意の2相の給電端子と接地端子との間、またはインバータの任意の2相の出力端子と接地端子に、それぞれ可変式コンデンサを設置するとよい。この場合、ケーブルを接続する際には、可変式コンデンサが設置されているモータ給電端子またはインバータ出力端子に、ケーブル給電線−接地線間電圧が最も低い相の給電線、および2番目に低い相の給電線を接続すると良い。
【0034】
また、3相全ての回転機給電端子と接地端子間、または3相全てのインバータ出力端子と接地端子間に可変式コンデンサを接続してもよい。この場合、4芯キャブタイヤケーブルのように、ある1相のみケーブル給電線−接地線間の静電容量が低いケーブルを使用するときには、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が高い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、0pF、または対接地線間の静電容量に比べて小さい静電容量値、例えば数10pF以下の小さい静電容量値に設定し、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が低い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、3相全ての給電線と接地線との間の静電容量が等しくなるような値に設定すればよい。
【0035】
また、4芯平形ケーブルのように、各相の対接地線間の静電容量が全て異なるケーブルを使用するときには、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が最も高い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、0pF、または対接地線間の静電容量に比べて小さい静電容量値、例えば数10pFのオーダー以下の小さい静電容量値に設定し、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が最も低い相、および2番目に低い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、3相全ての給電線と接地線との間の静電容量が等しくなるような値に設定すればよい。
【0036】
可変式コンデンサの静電容量の可変範囲としては、電力変換システムに接続されることが想定されるケーブル長により異なる。望ましくは、可変範囲の下限値が数10pF以下にでき、上限値が、最長でLmのケーブルの使用が想定される電力変換システムでは、L×△C(△C:ケーブル1m当たりの、3相の給電線における対接地線間静電容量の差)以上にできるものが望ましい。典型的には、△C<100pFなので、例えば最長で100mのケーブルの使用が想定される電力変換システムでは、可変範囲の上限値が10000pF以上であることが望ましい。
【0037】
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4によるインバータシステムを示す回路構成図である。図11において、PWMインバータ1の3相出力端子Ui、Vi、Wiは接地線Gcを含む長さが等しい3本のケーブル2を介して交流回転機3の各相端子部に接続される。このケーブルの構造は、例えば4芯キャブタイヤケーブルを用いたときには、図2のような断面構造となっている。このとき、図11に示すように、長さが等しい3本のケーブルの給電線を、例えばUi−Rc−Wc−Bc−Um,Vi−Wc−Bc−Rc−Vm,Wi−Bc−Rc−Wc−Wmのように、3相全ての給電線が、3本のケーブルのうち1本だけWc(ケーブル給電線のうち、対接地線の静電容量が低い線)を使用するようにねん架して接続する。このように接続することで、インバータと回転機とを接続する給電線での各相の対接地線間の静電容量が等しくなり、実施の形態1と同様に、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0038】
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5によるインバータシステムの給電線として用いるケーブルを示す斜視図である。図12に示したケーブルは、接地線の周りに給電線を3本巻きつけた構造の4芯ケーブルである。このような構造にすると、ケーブルの任意の部分の断面が図13のようになり、3相給電線と接地線との間の静電容量が、どの相も等しくなる。このような構造のケーブルをインバータシステムの給電線に用いることで、インバータと回転機を接続する給電線での各相の対接地線間の静電容量が等しくなり、実施の形態1と同様に、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0039】
1 電圧型PWMインバータ、2 ケーブル、3 交流回転機、4〜6 過電圧抑制コンデンサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM(パルス幅変調)方式の電力変換器と、3相ケーブルを介してこの電力変換器に接続される交流回転機とからなるインバータシステムにおいて、システム動作時に交流回転機部に発生するサージ過電圧を抑制するインバータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
PWM方式の電力変換装置では、出力段回路のスイッチング素子を高周波のキャリア信号によってオンオフすることで出力電圧を調整している。一方、この電力変換装置と交流回転機(電動機や発電機)とを接続する3相ケーブルでは、ケーブルの長さに応じた抵抗成分Rとインダクタンス成分Lとが存在し、また線間や対地間に静電容量Cが存在する。その結果、電力変換装置から3相ケーブルに急峻な変化をする電圧を出力すると、RLCによる共振によって交流回転機の端子部に過電圧が印加される。そこで、従来から交流回転機の端子部に過電圧が発生するのを抑制する目的で、過電圧抑制手段を併設するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、交流から直流に変換する順変換器と、その直流を交流に変換する逆変換機とからなる入出力非絶縁型電力変換装置において、コンデンサとリアクトルとからなる交流出力フィルタのコンデンサ中性点を直流回路部と接続することにより、回転機給電端子部の過電圧を抑制する方式の過電圧抑制手段が開示されている。
【0004】
また、電力変換器と交流回転機とからなる駆動装置において、従来、電力変換器より発生するコモンモードノイズが外部機器に悪影響を与えるのを抑制するために、電力変換器の出力端子と交流回転機の入力端子との接続に同軸ケーブルの芯線を用い、同軸ケーブルの外部導体の両端をそれぞれ電力変換器のフレーム(接地端子)と交流回転機のフレーム(接地端子)とに接続するものがあった(例えば、特許文献2参照。)。このような駆動装置では、コモンモードノイズの抑制が目的であり、回転機内部のサージ過電圧の抑制を目的とはしていないが、単芯の同軸ケーブルを3本あるいは3芯の同軸ケーブルを使用することで、結果として交流回転機の端子部に過電圧が発生するのを抑制することを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−294381号公報
【特許文献1】特開平10−135681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の過電圧抑制方式では、3相すべてに同じ交流出力フィルタを接続しており、フィルタとして割高となる。
また、特許文献2に開示される駆動装置では、単芯の同軸ケーブルを3本あるいは3芯の同軸ケーブルを使用することで、結果として過電圧の発生を抑制しているが、同軸ケーブル、特に多芯の同軸ケーブルはビニルキャブタイヤケーブルに比べて極めて高価であり、特に低容量クラスのインバータシステムにおいては、ケーブル長が長くなると、インバータおよび回転機にかかる費用よりも多芯の同軸ケーブルにかかる費用のほうが割高になる場合があるといった問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、電力変換器と交流回転機とからなるインバータシステムにおいて、インバータのスイッチングに伴い交流回転機部に生じる過電圧を、低コストの装置構成により抑制することが可能なインバータシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるインバータシステムは、電力変換器と、3相交流回転機と、上記電力変換器と上記3相交流回転機とを接続し、接地線と3相給電線とを同一ケーブルとした、少なくとも4芯の、長さが等しい3本の非同軸ケーブルとを備え、上記3相給電線と上記接地線との間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルをねん架して接続したものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、インバータシステムにおける各相の給電線と接地線の間の静電容量を等しくすることにより、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1によるインバータシステム、および過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムを示す回路構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わる4芯キャブタイヤケーブルを示す断面構成図である。
【図3】過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムにおける各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係わる回転機の結線を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるインバータシステムにおける各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を、過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムにおける測定結果と比較した図である。
【図6】過電圧抑制コンデンサの容量を変化させたときの回転機の第一コイル分担電圧の最大値の測定結果を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態1による他のインバータシステムを示す回路構成図である。
【図8】本発明の実施の形態1によるさらに他のインバータシステムを示す回路構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2によるインバータシステムを示す回路構成図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係わる4芯平形ケーブルを示す断面構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4によるインバータシステムを示す回路構成図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係わるケーブルを示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係わるケーブルの断面を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1(a)および図1(b)は、各々、この発明の実施の形態1によるインバータシステム、および過電圧抑制の対策を施していないインバータシステムを示す回路構成図である。
本発明のインバータシステムを導くにあたり、図1(b)に示すインバータシステムを用い、インバータのスイッチングに伴って発生する交流回転機における過電圧を分析した。図1(b)の構成において、電力変換装置(インバータ)1と交流回転機(モータ)3との間は3相給電ケーブル2により接続されている。上記3相給電ケーブル2は、図2に示すような断面形状であり、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを同一ケーブルとした4芯の非同軸ケーブルである。例えば、素線断面積2mm2の4芯キャブタイヤケーブル100mで構成されている。このような構成でインバータを運転した場合における、モータ各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を図3に示す。図3の測定に用いた回転機は図4に示すような△結線となっており、各相4コイルのものである。また、図3中の測定箇所は、図4に記した端子((U相:Um、U12、U34、U56、V相:Vm、V12、V34、V56、W相:Wm、W12、W34、W56))の両端間(各コイルの巻始めと巻終りの間)である。
【0012】
図3から分かるように、各コイルの分担電圧の最大値は、各相4コイルで均等にはならず、モータ端子が巻始めまたは巻終りになっているコイル(例えばUm−U12,U56−Wmなど、以下、第一コイルと呼ぶ)の分担電圧最大値が、巻始め、巻終りともにモータ端子になっていないコイル(例えばU12−U34、U34−U56など)の分担電圧に比べて、極めて大きくなっている。これは、インバータシステムでは、インバータの出力波形が立ち上がりの急峻な矩形波となるため、出力電圧に高周波成分が多く含まれ、この高周波成分に対しては回転機がコンデンサのように見えるために生じる現象である。
【0013】
さらに、図3から分かるように、図4の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧Vm−V12,Vm−W56の最大値が、U相の第一コイル分担電圧Um−U12、Um−V56、およびW相の第一コイル分担電圧Wm−W12、Wm−U56の最大値に比べて、20%以上高い値になっている。このV相の第一コイル分担電圧が他相の第一コイル分担電圧に比べて高くなる現象は、給電ケーブル2の構造によるものと考えられる。すなわち、図3の測定で給電ケーブル2として用いた4芯キャブタイヤケーブルの断面構造は図2のようになっており、Rc(U相)−Gc間、およびBc(W相)−Gc間の静電容量と比べて、Wc(V相)−Gc間の静電容量が小さいためと考えられる。例えば、図1(b)の構成における4芯ビニルキャブタイヤケーブル(素線断面積2mm2)の、Rc−Gc間、Bc−Gc間、およびWc−Gc間の単位長当たりの静電容量の測定結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1より、3相のうちの1相の対地間静電容量が他相と比べて小さくなっていることが明らかである。したがって、このような静電容量の違いが原因で、ある特定の1相の第一コイル分担電圧が他相の第一コイル分担電圧に比べて高くなると考えられる。
これより、給電線における3相の対地間静電容量の非対称性を除去し、各相の給電線と接地線と間の静電容量を等しくして、ある特定の1相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避することができれば、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、3相のある特定相のみに発生する過大なサージ過電圧を抑制することができる。その結果、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0016】
以下に、図1(a)に示す、本発明の実施の形態1によるインバータシステムについて説明する。図1において、PWM方式の電力変換装置である電圧型PWMインバータ1の3相出力端子Ui、Vi、Wiは、接地線Gcと3相給電線Rc、Wc、Bcとを含む比較的長い4芯キャブタイヤケーブル2を介して交流回転機(電動機または発電機)3の各相端子部Um、Vm、Wmに接続される。
4芯キャブタイヤケーブル2は図2に示す断面構造をしており、4芯キャブタイヤケーブル2の各線Rc、Wc、Bc、Gcのうち、Rcを回転機3のU相端子であるUmおよびインバータ1のU相端子であるUiに、Wcを回転機3のV相端子であるVmおよびインバータ1のV相端子であるViに、Bcを回転機3のW相端子であるWmおよびインバータ1のW相端子であるWiに、Gcを回転機3の接地端子であるGmおよびインバータ1の接地端子であるGiに接続する。
また、交流回転機3のV相給電端子部Vmと、交流回転機3の接地端子部Gmとの間にはコンデンサ4が接続されている。
【0017】
表1に例として挙げた、図1(b)の構成における4芯ビニルキャブタイヤケーブル2においては、Rc−Gc間、およびBc−Gc間の1m当たりの静電容量と、Wc−Gc間の1m当たりの静電容量との差は約60pFとなっている。すなわち、インバータ1と回転機3との間のケーブル長をLとすると、Wc−Gc間の静電容量は、Rc−Gc間、およびBc−Gc間の静電容量と比較して、L×60pF小さくなっており、例えば、ケーブル長100mの場合では、Wc−Gc間の静電容量は6000pF小さくなる。
そこで、図1(a)に示すインバータシステムにおいては、給電端子Wmと接地端子Gmとの間に接続されるコンデンサ4の値を、静電容量の差に基づいて得られた上記値6000pFとしている。
【0018】
図5に、図1(a)および図1(b)の回路構成におけるモータ各コイルの分担電圧の最大値の測定結果を示す。測定は、図3と同様の条件で行われ、回転機3は図4に示すような△結線となっており、各相4コイルのものである。測定箇所は、図4に記した端子((U相:Um、U12、U34、U56、V相:Vm、V12、V34、V56、W相:Wm、W12、W34、W56))の両端間(各コイルの巻始めと巻終りの間)である。
【0019】
図5から分かるように、図1(b)の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧Vm−V12、Vm−W56の最大値が、U相の第一コイル分担電圧Um−U12、Um−U56、およびW相の第一コイル分担電圧Wm−W12、Wm−W56の最大値に比べて20%以上高い値になっているが、図1(a)の回路構成では、V相の第一コイル分担電圧がU相、W相の第一コイル分担電圧とほぼ同じ値に抑制されている。このように、ある特定の相の回転機給電端子と接地端子との間に所定の静電容量のコンデンサを接続することにより、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避することができ、3相の過電圧のアンバランスを解消することができ、3相のある特定相のみに発生する過大なサージ過電圧を抑制することができる。その結果、システム全体における最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0020】
図6に、素線断面積2mm2の4芯ビニルキャブタイヤケーブルの長さを100mとし、過電圧抑制コンデンサ4の容量を変化させたときの、回転機3の第一コイル分担電圧の最大値を測定した結果を示す。図6から分かるように、上記過電圧抑制コンデンサ4の容量が増加すると、過電圧抑制コンデンサ4を接続した相の第一コイル分担電圧は低下し、過電圧抑制コンデンサ4を接続しない相の第一コイル分担電圧は増加する。過電圧抑制コンデンサを接続した相と接続しない相の第一コイル分担電圧がほぼ同値となる過電圧抑制コンデンサの静電容量は、素線断面積2mm2の4芯ビニルキャブタイヤケーブルを100m接続した場合は約6000pFである。この値は、図1(a)中の給電線2でのRc−Gc間、およびBc−Gc間の静電容量からWc−Gc間の静電容量を引いた値と概ね一致する。このとき、回転機3の絶縁構成に与える負荷は最も軽減される。すなわち、給電線2での各相の対地間の静電容量がほぼ等しくなるように、回転機の給電端子部と接地端子との間に過電圧抑制コンデンサ4を接続することにより、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。その結果、3相に比較的低い同レベルのサージ過電圧が発生しても、絶縁上には十分な場合には、コンデンサを一箇所に設ければ良いだけなので、低コストの装置構成により、信頼性の高い装置が得られるようになる。
【0021】
具体的には、3相のうちの他相と比べて給電ケーブル部での給電線の対接地線間の静電容量が最も低い1相の回転機給電端子部と接地端子部との間に、給電線の対接地線間の静電容量が最も高い相の静電容量から前記静電容量が最も低い相の静電容量の差分値に相当する静電容量をもつコンデンサを接続すればよい。しかし、給電線の対接地線間の静電容量が最も高い相の静電容量から前記静電容量が最も低い相の静電容量の差分値に等しい静電容量を接続するのには、精度よい静電容量の測定が必要である。簡易的には、前記差分値に相当する静電容量の80〜150%、望ましくは図6の斜線部分(差分値の90〜120%)の静電容量であるコンデンサを接続すれば、ほぼ各相の静電容量がバランスされ、特定相の分担電圧が高くなる現象を回避できる。
【0022】
なお、上述した方式でコンデンサの挿入を実施すると、ある特定相の第一コイル分担電圧だけではなく、ある特定相の回転機給電端子部の対地電圧も抑制することが可能である。
【0023】
また、図1(a)のインバータシステムでは、VmとGmの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはVmと接続されているケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、Umが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときにはUmとGmの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。同様に、Wmが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときには、WmとGmの間に上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0024】
また、図1(a)のインバータシステムでは、回転機の給電端子部Vmと接地端子部Gmとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、図7に示すような電力変換装置(インバータ)の出力端子部Viと接地端子部Giとの間に過電圧抑制コンデンサ4を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
なお、図7のインバータシステムでは、ViとGiの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはViと接続されているケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、上記実施の形態と同様に、Uiが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときにはUiとGiの間に、Wiが接続されているケーブル給電線の対接地線容量が他相に比べて低いときには、WiとGiの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0025】
また、図1(a)のインバータシステムでは、回転機の給電端子部Vmと接地端子部Gmとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続する場合を、図7のインバータシステムでは、電力変換装置(インバータ)の出力端子部Viと接地端子部Giとの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続する場合を示したが、ケーブル給電線の方に過電圧抑制コンデンサ4を接続するようにしてもよい。
例えば、ケーブル給電線の一端部(被覆されていない素線部)において、対接地線容量が他相と比べて低い相のケーブル給電線と接地線との間に過電圧抑制コンデンサ4を接続した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
また、図8に示すように、2本のケーブルを直列に接続し、その中間接続部において、ケーブル給電線の対接地線容量が他相と比べて低い相のケーブル給電線と接地線との間に過電圧抑制コンデンサ4を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。この際に、直列の2本のケーブルのケーブル長は、両者が同じ長い場合でも、どちらか片方が長い場合でも、同様の効果が得られる。
【0026】
なお、図8のインバータシステムでは、WcとGcの間に過電圧抑制コンデンサ4を接続しているが、これはケーブル給電線Wcの対接地線容量が他相の比べて低いためであり、上記実施の形態と同様に、ケーブル給電線Rcの対接地線容量が他相に比べて低いときにはRcとGcの間に、ケーブル給電線Bcの対接地線容量が他相に比べて低いときには、BcとGcの間に、上記と同様にして決定される静電容量をもつ過電圧抑制コンデンサ4を接続すればよい。
【0027】
また、上記実施の形態ではインバータ1とモータ3とを接続するケーブル2として4芯キャブタイヤケーブルを用いているが、接地線および3相給電線がそれぞれ別々の芯線よりなる非同軸ケーブルを用いる場合に効果があり、4芯キャブタイヤケーブルに限らず、ケーブルでの給電線と接地線間の静電容量がアンバランスである如何なる非同軸ケーブルに対しても、本方式は効果がある。また、4芯に限らず、例えば接地線や3相給電線と繋いだ芯線を有する4芯以上の非同軸ケーブルに対しても適用することが可能である。
【0028】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるインバータシステムを示す回路構成図である。例えば、図10に示すような断面構造を持つ4芯の平形ケーブルを、図9におけるインバータ1と回転機3との間の給電ケーブル2として使用した場合について述べる。図10のように、4芯の平形ケーブルの長径方向の端の給電線を接地線(Gc)とし、残りの3本の給電線をそれぞれHc,Ic,Jcとする場合、各給電線における対接地線の静電容量はJcが最も大きく、次いでIc,対地線の静電容量が最も小さいのはHcとなる。
図9に示すインバータシステムにおいては、インバータ1の各相の出力端子と、ケーブル2の各給電線と、回転機3の各相の給電端子とが、Ui−Hc−Um,Vi−Ic−Vm,Wi−Jc−Wmとなるように結線されている。この場合、平形ケーブル部において最も対地静電容量が小さくなるU相、および2番目に対地静電容量が小さくなるV相の回転機給電端子部と回転機接地端子との間に、コンデンサ5、6をそれぞれ接続している。このコンデンサ5、6の静電容量は、それぞれ、Jcの対接地線容量からHcの対接地線容量を引いた値、Jcの対接地線容量からIcの対接地線容量を引いた値に等しい容量、もしくは簡易的にはそれぞれ、Jcの対接地線容量からHcの対接地線容量を引いた値、Jcの対接地線容量からIcの対接地線容量を引いた値の80%〜150%の範囲の静電容量(望ましくは、差分値の90〜120%の静電容量)となるようにする。
このようなコンデンサ5、6を回転機端子部に接続することで、特定相の過大な分担電圧の発生を回避でき、システム全体のサージ過電圧を低減できる。
【0029】
また、上記実施の形態では、ケーブル部において最も対地静電容量が小さくなる給電線をU相、2番目に対地静電容量が小さくなる給電線をV相としているが、各給電線をどの相に接続したときにも、最も対地静電容量が小さくなる相、および2番目に対地静電容量が小さくなる相の回転機給電端子部と回転機接地端子との間に、それぞれ所定の静電容量を有するコンデンサを接続すれば同等の効果が得られる。
【0030】
また、上記実施の形態では、モータの給電端子部の、最も対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を接続しているが、電力変換装置(インバータ)の出力端子部の、最も対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地端子部との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
【0031】
また、同様に、インバータシステムのケーブル給電線の一端部、あるいはケーブル中間部において、対地静電容量が最も小さくなる相と接地線との間、および2番目に対地静電容量が小さくなる相と接地線との間に、それぞれ過電圧抑制コンデンサ5、6を挿入した場合でも、同様のサージ過電圧の抑制効果が得られる。
【0032】
また、上記実施の形態ではインバータ1とモータ3とを接続するケーブル2として、4芯の平形ケーブルを用いているが、接地線および3相給電線がそれぞれ別々の芯線よりなる非同軸ケーブルを用いる場合に効果があり、4芯の平形ケーブルに限らず、ケーブルでの給電線と接地線間の静電容量がアンバランスである如何なる非同軸ケーブルに対しても、本方式は効果がある。また、4芯に限らず、例えば接地線や3相給電線と繋いだ芯線を有する4芯以上の非同軸ケーブルに対しても適用することが可能である。
【0033】
実施の形態3.
上記実施の形態1、2において、過電圧抑制コンデンサ4、5、6は、回転機給電端子部と接地端子間、または電力変換器(インバータ)出力端子部と接地端子間、または給電線と接地線との間に外付けで接続しているが、任意のケーブル長のものに対して、簡単に静電容量を調整して過電圧を抑制できるように、可変式コンデンサを回転機給電端子台またはインバータに予め設置しておいてもよい。この場合、ケーブルとして4芯キャブタイヤケーブルを用いることが予め分かっているならば、可変式コンデンサを回転機のVmと接地端子間、またはインバータのViと接地端子間に接続するように構成することが望ましいが、4芯キャブタイヤケーブルだけでなく、4芯平形ケーブルなど、各相の対接地線間の静電容量が全て異なるケーブルの使用が想定される場合には、このようなケーブルの使用時にも過電圧抑制が可能なように、回転機の任意の2相の給電端子と接地端子との間、またはインバータの任意の2相の出力端子と接地端子に、それぞれ可変式コンデンサを設置するとよい。この場合、ケーブルを接続する際には、可変式コンデンサが設置されているモータ給電端子またはインバータ出力端子に、ケーブル給電線−接地線間電圧が最も低い相の給電線、および2番目に低い相の給電線を接続すると良い。
【0034】
また、3相全ての回転機給電端子と接地端子間、または3相全てのインバータ出力端子と接地端子間に可変式コンデンサを接続してもよい。この場合、4芯キャブタイヤケーブルのように、ある1相のみケーブル給電線−接地線間の静電容量が低いケーブルを使用するときには、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が高い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、0pF、または対接地線間の静電容量に比べて小さい静電容量値、例えば数10pF以下の小さい静電容量値に設定し、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が低い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、3相全ての給電線と接地線との間の静電容量が等しくなるような値に設定すればよい。
【0035】
また、4芯平形ケーブルのように、各相の対接地線間の静電容量が全て異なるケーブルを使用するときには、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が最も高い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、0pF、または対接地線間の静電容量に比べて小さい静電容量値、例えば数10pFのオーダー以下の小さい静電容量値に設定し、ケーブル給電線−接地線間の静電容量が最も低い相、および2番目に低い相に接続されている可変式コンデンサの静電容量値は、3相全ての給電線と接地線との間の静電容量が等しくなるような値に設定すればよい。
【0036】
可変式コンデンサの静電容量の可変範囲としては、電力変換システムに接続されることが想定されるケーブル長により異なる。望ましくは、可変範囲の下限値が数10pF以下にでき、上限値が、最長でLmのケーブルの使用が想定される電力変換システムでは、L×△C(△C:ケーブル1m当たりの、3相の給電線における対接地線間静電容量の差)以上にできるものが望ましい。典型的には、△C<100pFなので、例えば最長で100mのケーブルの使用が想定される電力変換システムでは、可変範囲の上限値が10000pF以上であることが望ましい。
【0037】
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4によるインバータシステムを示す回路構成図である。図11において、PWMインバータ1の3相出力端子Ui、Vi、Wiは接地線Gcを含む長さが等しい3本のケーブル2を介して交流回転機3の各相端子部に接続される。このケーブルの構造は、例えば4芯キャブタイヤケーブルを用いたときには、図2のような断面構造となっている。このとき、図11に示すように、長さが等しい3本のケーブルの給電線を、例えばUi−Rc−Wc−Bc−Um,Vi−Wc−Bc−Rc−Vm,Wi−Bc−Rc−Wc−Wmのように、3相全ての給電線が、3本のケーブルのうち1本だけWc(ケーブル給電線のうち、対接地線の静電容量が低い線)を使用するようにねん架して接続する。このように接続することで、インバータと回転機とを接続する給電線での各相の対接地線間の静電容量が等しくなり、実施の形態1と同様に、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。
【0038】
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5によるインバータシステムの給電線として用いるケーブルを示す斜視図である。図12に示したケーブルは、接地線の周りに給電線を3本巻きつけた構造の4芯ケーブルである。このような構造にすると、ケーブルの任意の部分の断面が図13のようになり、3相給電線と接地線との間の静電容量が、どの相も等しくなる。このような構造のケーブルをインバータシステムの給電線に用いることで、インバータと回転機を接続する給電線での各相の対接地線間の静電容量が等しくなり、実施の形態1と同様に、ある特定の相の第一コイル分担電圧が高くなる現象を回避でき、システム全体での最大過電圧を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0039】
1 電圧型PWMインバータ、2 ケーブル、3 交流回転機、4〜6 過電圧抑制コンデンサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換器と、3相交流回転機と、上記電力変換器と上記3相交流回転機とを接続し、接地線と3相給電線とを同一ケーブルとした、少なくとも4芯の、長さが等しい3本の非同軸ケーブルとを備え、上記3相給電線と上記接地線との間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルをねん架して接続したことを特徴とするインバータシステム。
【請求項1】
電力変換器と、3相交流回転機と、上記電力変換器と上記3相交流回転機とを接続し、接地線と3相給電線とを同一ケーブルとした、少なくとも4芯の、長さが等しい3本の非同軸ケーブルとを備え、上記3相給電線と上記接地線との間の静電容量が3相でほぼ等しくなるように、長さが等しい上記3本の非同軸ケーブルをねん架して接続したことを特徴とするインバータシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−183836(P2010−183836A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87786(P2010−87786)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【分割の表示】特願2005−221037(P2005−221037)の分割
【原出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【分割の表示】特願2005−221037(P2005−221037)の分割
【原出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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