説明

インフルエンザの診断および治療のための方法および組成物

本発明は、インフルエンザAの高リスク株を含む試料中のインフルエンザウイルスの存在および量を判定するための方法および組成物を提供する。対象がインフルエンザウイルスに感染しているかどうか、ならびにインフルエンザウイルスの型および株を判定するための方法も提供する。該方法は、対象由来の試料をPDZポリペプチド(PDZ)および/またはPDZリガンド(PL)と接触させる工程、ならびにPDZとPLとの間に結合相互作用が生じるかどうかを判定する工程を伴う。抗ウイルス物質を識別するためのアッセイ、ならびにインフルエンザ感染細胞におけるPLへのPDZの結合を変化させるための組成物を用いるための方法も提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者がインフルエンザウイルスA型に感染しているかどうかを識別するための方法であって、
インフルエンザウイルスA型のNS1タンパク質が患者試料中に存在するかどうかを判定する工程であって、存在が患者がインフルエンザウイルスA型に感染していることを示す工程を含む方法。
【請求項2】
判定する工程が、
患者試料をインフルエンザウイルスA型タンパク質NS1に特異的に結合する作用物質と接触させる工程;および
該作用物質と該NS1タンパク質との間の特異的結合を検出する工程であって、特異的結合がインフルエンザウイルスA型の存在を示す工程を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
判定する工程が、
NS1タンパク質のPDZリガンドモチーフ(PL)をコードするmRNAの存在を判定する工程;および
該mRNAの存在からNS1タンパク質の存在を推測する工程を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
NS1タンパク質PLがS/T-X-V/I/Lモチーフを持ち、Sがセリンであり、Tがスレオニンであり、Vがバリンであり、Iがイソロイシンであり、Lがロイシンであり、Xが任意のアミノ酸である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
作用物質が少なくとも1つのPDZポリペプチドである、請求項2記載の方法。
【請求項6】
作用物質が少なくとも1つの抗体である、請求項2記載の方法。
【請求項7】
抗体がNS1タンパク質の保存領域に特異的である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
接触させる工程が、患者試料をインフルエンザウイルスA型タンパク質NS1の異なるエピトープに特異的に結合する第1の作用物質および第2の作用物質と接触させる工程であって、第1の作用物質が支持体上に固定化された工程を含み;かつ
検出する工程が、ウイルスの存在を示すために第1および第2の作用物質がNS1タンパク質に特異的に結合するサンドイッチを検出する、
請求項2記載の方法。
【請求項9】
第1および第2の作用物質が第1および第2の抗体である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第1の作用物質が1つまたは複数のPDZポリペプチドであり、第2の作用物質が1つまたは複数の抗体である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
第1の作用物質が1つまたは複数のPDZポリペプチドと1つまたは複数の抗体との混合物である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
抗体がインフルエンザウイルスA型NS1のすべての亜型に特異的な抗体である、請求項6記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのPDZポリペプチドが外膜、PSD95(PDZ#2)、PSD95(PDZ#1、2、3)、DLG1(PDZ#1)、DLG1(PDZ#1、2)、DLG1(PDZ#2)、DLG2(PDZ#1)、DLG2(PDZ#2)、Magi3(PDZ#1)、PTN3(PDZ#1)、MAST2(PDZ#1)、NeDLG(PDZ#1、2)、Shank1 d1、Shank2 d1、Shank3 d1、シントロフィン1α、シントロフィンγ1、Magi1(PDZ#1)、Magi1(PDZ#4)、Tip1;PTPL1(PDZ#1)、Mint3(PDZ#1)、Lym Mystique(PDZ#1)、DLG2(PDZ#3)、MUPP1(PDZ#8)、NeDLG(PDZ#1)、DLG5(PDZ#1)、PSD95(PDZ#1)、NumBP(PDZ#3)、LIMK1(PDZ#1)、KIAA0313、DLG1(PDZ#2)、シンテニン(PDZ#2)、Pickl、MAST2、PTN3(PDZ#1)、NOS1(PDZ#1、2、3)、MINT1(PDZ#2)、ZO-1(PDZ#2)、NSP、およびRIM212からなる群より選択される、請求項5記載の方法。
【請求項14】
患者試料が血液、組織、鼻分泌物、肺浸出物、総排出腔試料、糞試料、咽頭スワブ、および唾液からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
患者がヒト、トリ、ブタ、ウマ、および哺乳動物からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
PDZポリペプチドが、PSD95 d2配列番号:1のPL結合領域(80〜100アミノ酸の領域)を含むタンパク質である、請求項5記載の方法。
【請求項17】
PDZポリペプチドがPSD95 d1、PSD95 d2、PSD95 d3、INADL8d1、Magi1 d1、DLG1d2、DLG1d3、NeDLG1d1、またはNeDLG1d2からなる群より選択されるタンパク質である、請求項5記載の方法。
【請求項18】
インフルエンザA型感染の診断および分類のための方法であって、亜型特異的なインフルエンザA型ウイルスタンパク質NS1 PDZリガンドモチーフ(PL)領域の存在を識別する工程を含む方法。
【請求項19】
PL領域がS/T-X-V/I/Lのモチーフを持ち、Sがセリンであり、Tがスレオニンであり、Vがバリンであり、Iがイソロイシンであり、Lがロイシンであり、Xが任意のアミノ酸である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
試験試料におけるPL領域を含むインフルエンザウイルスA型タンパク質の存在および量を検出するための方法であって、次の工程を含む方法:
試験試料のアリコートを結合に適した条件下において少なくとも1つのPDZペプチドと少なくとも1つのPDZリガンド(PL)検出試薬とを混合する工程;ならびに
PDZペプチドとPL検出試薬との間の結合を測定する工程であって、結合の減少が試験試料中のインフルエンザウイルスA型タンパク質の存在を示す工程。
【請求項21】
インフルエンザウイルスA型タンパク質がNP、HA、M1、およびNS1からなる群より選択される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
PL検出試薬がNP、HA、M1、およびNS1からなる群より選択されるインフルエンザウイルスA型タンパク質のC末端由来のPLモチーフを含む、請求項20記載の方法。
【請求項23】
PLモチーフがS/T-X-V/I/Lであり、Sがセリンであり、Tがスレオニンであり、Vがバリンであり、Iがイソロイシンであり、Lがロイシンであり、Xが任意のアミノ酸である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
患者がインフルエンザウイルスA型に感染しているかどうかを識別するための方法であって、
患者に由来する鼻分泌物、痰試料、または咽頭スワブにインフルエンザウイルスA型のNS1タンパク質が存在するかどうかを判定する工程であって、存在が患者がインフルエンザウイルスA型に感染していることを示す工程を含む方法。
【請求項25】
試験試料におけるPL領域を含むインフルエンザウイルスA型タンパク質の存在および量を検出するための方法であって、次の工程を含む方法:
試験試料のアリコートを少なくとも1つのPDZペプチドと混合する工程;および
PDZペプチドとPLインフルエンザウイルスA型タンパク質との間の結合を測定する工程であって、結合が試験試料中のインフルエンザウイルスA型タンパク質の存在を示す工程。
【請求項26】
患者がインフルエンザAの病原性株に感染しているかどうかを判定する方法であって、次の工程を含む方法:
患者がインフルエンザAに感染しているかどうかを判定する工程;
患者が感染している場合は、さらに
患者試料におけるPLモチーフを持つ非構造タンパク質の存在を判定する工程であって、存在が患者がインフルエンザウイルスA型の病原性株に感染していることを示す工程。
【請求項27】
患者試料におけるインフルエンザA型ウイルスの特定の亜型の存在を識別するための方法であって、次の工程を含む方法:
患者試料を少なくとも1つのPDZポリペプチドまたはインフルエンザウイルスAの亜型に特異的なNS1タンパク質のPLモチーフに対して特異的に結合する少なくとも1つの捕捉抗体と接触させる工程;および
PDZポリペプチドまたは捕捉抗体が試料中のPLモチーフに対して特異的に結合するかどうかを検出する工程であって、特異的結合が亜型の存在を示す工程。
【請求項28】
接触させる工程が、患者試料をインフルエンザウイルスAの複数の亜型に特異的な複数のNS1タンパク質における複数のPLモチーフと特異的に結合する複数のPDZポリペプチドと接触させる工程を含み;かつ、
検出する工程が、どのPDZポリペプチドがそのPLモチーフに特異的に結合するかを調べる工程を含み、それによって1つまたは複数のPDZポリペプチドにおける結合が亜型の存在を示す、
請求項27記載の方法。
【請求項29】
捕捉抗体がNS1のカルボキシ末端を認識する、請求項27記載の方法。
【請求項30】
捕捉抗体またはPDZポリペプチドがESEV(配列番号:2)、ESEI(配列番号:3)、ESKV(配列番号:4)、TSEV(配列番号:5)、GSEV(配列番号:6)、RSEV(配列番号:7)、RSKV(配列番号:8)、GSEI(配列番号:9)、GSKV(配列番号:10)、NICI(配列番号:11)、TICI(配列番号:12)、RICI(配列番号:13)、DMAL(配列番号:14)、DMTL(配列番号:15)、DIAL(配列番号:16)、DLDY(配列番号:17)、SICL(配列番号:18)、SEV、SEI、SKV、およびSKIからなる群より選択される1つまたは複数のPDZリガンドモチーフ(PL)を認識する、請求項27記載の方法。
【請求項31】
PDZポリペプチドが外膜、PSD95(PDZ#2)、PSD95(PDZ#1、2、3)、DLG1(PDZ#1)、DLG1(PDZ#1、2)、DLG1(PDZ#2)、DLG2(PDZ#1)、DLG2(PDZ#2)、Magi3(PDZ#1)、PTN3(PDZ#1)、MAST2(PDZ#1)、NeDLG(PDZ#1、2)、Shank1 d1、Shank2 d1、Shank3 d1、シントロフィン1α、シントロフィンγ1、Magi1(PDZ#1)、Magi1(PDZ#4)、Tip1;PTPL1(PDZ#1)、Mint3(PDZ#1)、Lym Mystique(PDZ#1)、DLG2(PDZ#3)、MUPP1(PDZ#8)、NeDLG(PDZ#1)、DLG5(PDZ#1)、PSD95(PDZ#1)、NumBP(PDZ#3)、LIMK1(PDZ#1)、KIAA0313、DLG1(PDZ#2)、シンテニン(PDZ#2)、Pickl、MAST2、PTN3(PDZ#1)、NOS1(PDZ#1、2、3)、MINT1(PDZ#2)、ZO-1(PDZ#2)、NSP、およびRIM2からなる群より選択される、請求項27記載の方法。
【請求項32】
患者試料が鼻分泌物、痰試料、咽頭スワブ、総排出腔試料、糞試料、肺浸出物、および唾液からなる群より選択される、請求項27記載の方法。
【請求項33】
亜型がトリインフルエンザAであり、PLがPLモチーフESEV/I/A(配列番号:19)である、請求項27記載の方法。
【請求項34】
亜型がH3N2であり、PLがPLモチーフRSKVである、請求項27記載の方法。
【請求項35】
PLがPLモチーフESKV(配列番号:4)である、請求項27記載の方法。
【請求項36】
亜型がH1N1であり、PLがPLモチーフRSEVである、請求項24記載の方法。
【請求項37】
試料を検出抗体に接触させる工程をさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項38】
検出抗体がシグナル発生化合物を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
検出抗体がPDZに対するPLの結合またはNS1に対する捕捉抗体の結合を阻害しない、請求項37記載の方法。
【請求項40】
PDZポリペプチドまたは抗体が固体支持体上に固定化される、請求項27記載の方法。
【請求項41】
固体支持体がキャピラリーフローアッセイ装置であり、接触させる工程がスティックを患者試料中に浸漬する工程を含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
キャピラリーフローアッセイが免疫アッセイである、請求項41記載の方法。
【請求項43】
固体支持体がラテラルフローアッセイである、請求項40記載の方法。
【請求項44】
患者試料中のインフルエンザAウイルスの識別および亜型分類のためのキットであって、インフルエンザAウイルスNS1に特異的に結合する作用物質であって固体支持体上に固定化される作用物質を含むキット。
【請求項45】
作用物質が抗体、PDZポリペプチド、オリゴヌクレオチドアプタマー、またはそれらの混合物である、請求項44記載のキット。
【請求項46】
患者試料中のインフルエンザAウイルスを識別および亜型分類するためのキットであって、以下を含むキット:
インフルエンザAウイルスによってコードされるタンパク質に特異的に結合する作用物質;および
NS1タンパク質に特異的に結合する作用物質。
【請求項47】
NS1タンパク質に特異的に結合する作用物質がタンパク質のPL領域に結合する、請求項46記載のキット。
【請求項48】
作用物質が抗体、PDZポリペプチド、オリゴヌクレオチドアプタマー、またはそれらの混合物である、請求項46記載のキット。
【請求項49】
インフルエンザAウイルスによってコードされるタンパク質がNS1である、請求項46記載のキット。
【請求項50】
患者試料中におけるインフルエンザAウイルスを識別または亜型分類するためのキットであって、以下を含むキット:
PLモチーフ以外においてNS1に特異的に結合する作用物質;および
PLモチーフにおいてNS1に特異的に結合する作用物質。
【請求項51】
複数のインフルエンザAウイルスの複数のNS1タンパク質における複数のPLモチーフに特異的な複数のPDZポリペプチドを含むキット。
【請求項52】
インフルエンザウイルスPDZリガンド(PL)に特異的に結合することができるPDZポリペプチドを識別するための方法であって以下の工程を含む方法:
結合に適した条件下でインフルエンザウイルスの非構造タンパク質のPLをPDZドメインを有する候補ポリペプチドと接触させる工程;および
候補ポリペプチドに対するPLの特異的結合を検出する工程であって、PLがPDZ結合部位に結合していることを確認する工程。
【請求項53】
インフルエンザウイルスA型のNS1タンパク質のカルボキシ末端モチーフに特異的に結合する単離された抗体。
【請求項54】
カルボキシ末端モチーフが、ESEV(配列番号:2)、ESEI(配列番号:3)、ESKV(配列番号:4)、TSEV(配列番号:5)、GSEV(配列番号:6)、RSEV(配列番号:7)、RSKV(配列番号:8)、GSEI(配列番号:9)、GSKV(配列番号:10)、NICI(配列番号:11)、TICI(配列番号:12)、RICI(配列番号:13)、DMAL(配列番号:14)、DMTL(配列番号:15)、DIAL(配列番号:16)、DLDY(配列番号:17)、SICL(配列番号:18)、SEV、SEI、SKV、およびSKIからなる群より選択されるPLモチーフを含む、請求項53記載の単離された抗体。
【請求項55】
モノクローナル抗体または抗体フラグメントである、請求項53記載の抗体。
【請求項56】
PLモチーフがESEV/I/A(配列番号:19)である、請求項53記載の抗体。
【請求項57】
インフルエンザウイルスA型に感染している、またはそれに感染するリスクを有する患者の治療または予防のための方法であって、患者にウイルスのNS1タンパク質と細胞のPDZタンパク質との相互作用を阻害する作用物質の有効な投与計画を実施して、それによって感染の治療または予防を達成する工程を含む方法。
【請求項58】
作用物質がインフルエンザウイルスA型のNS1タンパク質のPLモチーフに特異的に結合する抗体である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
作用物質がアンチセンスオリゴヌクレオチド、小分子、siRNA、または亜鉛フィンガータンパク質からなる群より選択されて、該作用物質がインフルエンザA NS1タンパク質またはPDZタンパク質のいずれかの発現を阻害する、請求項57記載の方法。
【請求項60】
NS1のPLモチーフがESEV(配列番号:2)、ESEI(配列番号:3)、ESKV(配列番号:4)、TSEV(配列番号:5)、GSEV(配列番号:6)、RSEV(配列番号:7)、RSKV(配列番号:8)、GSEI(配列番号:9)、GSKV(配列番号:10)、NICI(配列番号:11)、TICI(配列番号:12)、RICI(配列番号:13)、DMAL(配列番号:14)、DMTL(配列番号:15)、DIAL(配列番号:16)、DLDY(配列番号:17)、SICL(配列番号:18)、SEV、SEI、SKV、およびSKIからなる群より選択される、請求項58記載の方法。
【請求項61】
作用物質がPDZポリペプチドである、請求項58記載の方法。
【請求項62】
PDZポリペプチドが、PL、配列番号:1と相互作用する結合領域を少なくとも含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
PDZポリペプチドが外膜、PSD95(PDZ#2)、PSD95(PDZ#1、2、3)、DLG1(PDZ#1)、DLG1(PDZ#1、2)、DLG1(PDZ#2)、DLG2(PDZ#1)、DLG2(PDZ#2)、Magi3(PDZ#1)、PTN3(PDZ#1)、MAST2(PDZ#1)、NeDLG(PDZ#1、2)、Shank1 d1、Shank2 d1、Shank3 d1、シントロフィン1α、シントロフィンγ1、Magi1(PDZ#1)、Magi1(PDZ#4)、Tip1;PTPL1(PDZ#1)、Mint3(PDZ#1)、Lym Mystique(PDZ#1)、DLG2(PDZ#3)、MUPP1(PDZ#8)、NeDLG(PDZ#1)、DLG5(PDZ#1)、PSD95(PDZ#1)、NumBP(PDZ#3)、LIMK1(PDZ#1)、KIAA0313、DLG1(PDZ#2)、シンテニン(PDZ#2)、Pick1、MAST2、PTN3(PDZ#1)、NOS1(PDZ#1、2、3)、MINT1(PDZ#2)、ZO-1(PDZ#2)、NSP、およびRIM2からなる群より選択される、請求項61記載の方法。
【請求項64】
抗ウイルス物質をスクリーニングするための方法であって、次の工程を含む方法:
試験化合物の存在下および非存在下においてPDZポリペプチドとインフルエンザウイルスPDZリガンド(PL)とを接触させる工程;ならびに
試験化合物の存在下におけるPDZ/PL結合の量を非存在下と比べて比較する工程であって、該抗ウイルス物質によりPDZ/PL結合が低減される工程。
【請求項65】
インターフェロン産生に干渉するかどうかを識別するためにインビボまたは細胞内において作用物質を検査する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項66】
非天然型PDZリガンド(PL)ペプチド診断試薬であって、インフルエンザAタンパク質のC末端アミノ酸配列内から選択されるアミノ酸の直線アレイ(linear array)を含み、該PLが哺乳動物のPDZポリペプチドに結合することができる試薬。
【請求項67】
PLがS/T-X-V/I/Lのモチーフを持ち、Sがセリンであり、Tがスレオニンであり、Vがバリンであり、Iがイソロイシンであり、Lがロイシンであり、Xが任意のアミノ酸である、請求項66記載の非天然型PDZリガンド(PL)ペプチド試薬。
【請求項68】
インフルエンザA NS1タンパク質のアミノ酸の直線アレイがESEV(配列番号:2)、ESEI(配列番号:3)、ESKV(配列番号:4)、TSEV(配列番号:5)、GSEV(配列番号:6)、RSEV(配列番号:7)、RSKV(配列番号:8)、GSEI(配列番号:9)、GSKV(配列番号:10)、NICI(配列番号:11)、TICI(配列番号:12)、RICI(配列番号:13)、DMAL(配列番号:14)、DMTL(配列番号:15)、DIAL(配列番号:16)、DLDY(配列番号:17)、SICL(配列番号:18)、SEV、SEI、SKV、およびSKIからなる群より選択される、請求項66記載の非天然型PLペプチド診断試薬。
【請求項69】
陽性対照、陰性対照、アッセイ標準物質、アッセイキャリブレーター、競合アッセイリガンド、標識ペプチド検出物質、および固相捕捉物質からなる群より選択される診断試薬をさらに含む、請求項66記載の非天然型PLペプチド診断試薬。
【請求項70】
合成ペプチド、組換え型ポリペプチド、実質的に純粋な天然型PLポリペプチド、天然型PLポリペプチドの実質的に純粋なフラグメント、ペプチド模倣PL、オリゴヌクレオチドアプタマーPL、およびポリペプチドアプタマーPLをさらに含む、請求項66記載の非天然型PLペプチド診断試薬。
【請求項71】
PLペプチドがインフルエンザA NS1タンパク質に由来する、請求項70記載の非天然型PLペプチド。
【請求項72】
PDZドメインタンパク質診断試薬が陽性対照、陰性対照、アッセイ標準物質、アッセイキャリブレーター、競合リガンド、標識タンパク質検出結合パートナー、および捕捉物質からなる診断試薬の群より選択される、インフルエンザA NS1タンパク質に結合することができる非天然型PDZポリペプチドを含む生物学的試料中のインフルエンザA PLを検出するための非天然型PDZポリペプチド診断試薬。
【請求項73】
外膜、PSD95(PDZ#2)、PSD95(PDZ#1、2、3)、DLG1(PDZ#1)、DLG1(PDZ#1、2)、DLG1(PDZ#2)、DLG2(PDZ#1)、DLG2(PDZ#2)、Magi3(PDZ#1)、PTN3(PDZ#1)、MAST2(PDZ#1)、NeDLG(PDZ#1、2)、Shank1 d1、Shank2 d1、Shank3 d1、シントロフィン1α、シントロフィンγ1、Magi1(PDZ#1)、Magi1(PDZ#4)、Tip1;PTPL1(PDZ#1)、Mint3(PDZ#1)、Lym Mystique(PDZ#1)、DLG2(PDZ#3)、MUPP1(PDZ#8)、NeDLG(PDZ#1)、DLG5(PDZ#1)、PSD95(PDZ#1)、NumBP(PDZ#3)、LIMK1(PDZ#1)、KIAA0313、DLG1(PDZ#2)、シンテニン(PDZ#2)、Pickl、MAST2、PTN3(PDZ#1)、NOS1(PDZ#1、2、3)、MINT1(PDZ#2)、ZO-1(PDZ#2)、NSP、およびRIM2からなる群より選択される、請求項72記載の非天然型PDZポリペプチド診断試薬。
【請求項74】
非天然型PLまたは非天然型PDZを含み、PLまたはPDZのいずれかがシグナル発生化合物に共有結合的に結合するペプチドまたはポリペプチドを含む、試験試料中のインフルエンザAタンパク質を検出するためのシグナル発生抱合体物質。
【請求項75】
患者が病原性インフルエンザAに感染しているかどうかを識別するための方法であって、
インフルエンザウイルスA型のNS2タンパク質が患者試料中に存在するかどうかを判定する工程であって、該タンパク質が70位にセリンを含み、存在が患者がインフルエンザAの病原性株に感染していることを示す工程を含む方法。
【請求項76】
判定する工程が、患者試料を70位がセリンによって占有されるNS2タンパク質に特異的に結合する作用物質と接触させる工程を含む、請求項75記載の方法。
【請求項77】
作用物質が抗体である、請求項76記載の方法。
【請求項78】
判定する工程が、NS2タンパク質をコードする核酸のコドン70における1つまたは複数のヌクレオチドの同定を調べる工程を含む、請求項75記載の方法。
【請求項79】
判定する工程が、核酸を1つまたは複数のヌクレオチドを含むまたは1つまたは複数のヌクレオチドに隣接する核酸の配列に対してハイブリダイズするプローブまたはプライマーと接触させる工程を含む、請求項78記載の方法。
【請求項80】
患者が病原性トリインフルエンザウイルスA型に感染しているかどうかを識別するための方法であって、以下の工程を含む方法:
患者試料をPSD-95 PDZタンパク質と接触させる工程;および
PSD-95 PDZタンパク質と試料との特異的結合を検出する工程であって、特異的結合がインフルエンザウイルスA型の存在を示し、存在が患者が病原性トリインフルエンザウイルスA型に感染していることを示す工程。
【請求項81】
病原性インフルエンザウイルスA型がH5N1である、請求項80記載の方法。
【請求項82】
PSD-95 PDZタンパク質がPSD-95のドメイン2である、請求項80記載の方法。
【請求項83】
インフルエンザのNS1タンパク質のPLがESKV(配列番号:4)、ESEI(配列番号:3)、またはESEV(配列番号:2)のモチーフを持つ、請求項80記載の方法。
【請求項84】
接触させる工程が、患者試料を、PSD-95 PDZタンパク質に特異的に結合する抗体、およびPSD-95 PDZタンパク質よりもインフルエンザウイルスA型タンパク質NS1の異なるエピトープに特異的に結合する抗体と接触させる工程を含み、PSD-95が支持体上に固定化され;かつ、
検出する工程が、抗体に特異的に結合するNS1タンパク質を検出する、
請求項80記載の方法。
【請求項85】
患者試料を対照である第2のPDZタンパク質のINADL d8と接触させる工程、および特異的結合を測定する工程をさらに含み、第2のPDZタンパク質に比して第1のPDZ-95タンパク質の特異的結合が大きいことが患者が病原性トリインフルエンザウイルスA型に感染していることを示す、請求項80記載の方法。
【請求項86】
患者から回収された試料におけるインフルエンザAを検出するためのNS-1タンパク質の使用。
【請求項87】
試料が鼻分泌物である、請求項1記載の使用。
【請求項88】
インフルエンザAを識別するための、インフルエンザAの病原性株のPLモチーフに結合する抗体の使用。
【請求項89】
インフルエンザAの病原性株を検出するためのPDZポリペプチドの使用。
【請求項90】
インフルエンザAの病原性株を処理するために有用な活性について化合物をスクリーニングするための、インフルエンザAの病原性株由来のNS-1タンパク質およびNS-1タンパク質に結合するPDZタンパク質の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【公表番号】特表2009−500611(P2009−500611A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519721(P2008−519721)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/026155
【国際公開番号】WO2007/018843
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(505088020)アルボー ビータ コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】