説明

インプリント加工装置、インプリント加工方法およびインプリント加工物

【課題】UV硬化型樹脂のインプリントにおいて紫外線照射に関する材料の制限が少ないインプリント加工装置およびインプリント加工方法を提供する。
【解決手段】インプリント加工装置4は、光照射装置9と、転写装置11とを備えている。光照射装置9は、遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなり基板本体3上に形成された樹脂層5に紫外線を照射する。転写装置11は、紫外線照射後であって樹脂層5の硬化開始前に平板状のモールド13を樹脂層5にプレスする動作を開始することで、樹脂層5に凹凸パターン5cを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント加工装置およびインプリント加工方法に関し、特に、紫外線硬化樹脂に対してインプリント加工を行うインプリント加工装置およびインプリント加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インプリント加工法は、モールドの凹凸パターンを被加工面に転写する技術である。インプリント加工法は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用の光学フィルム(ワイヤーグリッド偏光板、マイクロレンズアレイなど)や、導波路、導光板、回折格子などの光学素子の製造に用いられる。インプリント加工法では、パターンの解像度がnmオーダーに至るナノインプリント技術も現在実用化が進んでいる。本明細書では、以後、「インプリント加工」という用語を、ナノインプリント技術も含めて使用する。
インプリント加工法は、熱インプリント法と光インプリント法とに分けられる。
熱インプリント法は、熱可塑性樹脂やガラスからなる被転写成形材料をガラス移転点以上に加熱し、モールドをプレスすることにより、被転写成形材料上に凹凸パターンを転写成形する方法である。
光インプリント法は、基板上に塗布した液状の光硬化性樹脂を加圧変形させ、石英ガラス等の透明モールドまたは透明基板を通じて紫外線(UV:主波長300〜400nm)を照射して樹脂を硬化することにより、樹脂上に凹凸のパターンを転写形成する方法である。
また、モールドの形で分類すると、平板状のモールドによるインプリント法と、表面に凹凸パターンを形成した転写ローラを用いたインプリント法(以後、ローラインプリント法と呼ぶ)とがある。熱によるローラインプリント法では、加熱装置が組み込まれたローラを基板やフィルムに押し付けて凹凸パターンを転写する。その結果、連続した基板やフィルムに凹凸パターンが連続転写される。
一方、特許文献1としての特表2003−526817号公報では、光によるローラインプリント法が開示されている。この方法では、フィルムにUV硬化樹脂を塗布した後、フィルムの転写ローラによる転写動作が行われている部分にUV照射を行って樹脂を硬化させ、その後にフィルムをローラから離すことで、ロールtoロール連続プロセスによるインプリント加工を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−526817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱インプリント法を採用した場合、モールドまたは熱可塑性樹脂やガラス等の被転写成形材料をガラス移転点以上に加熱するので、熱歪みが生じるという問題がある。また、熱インプリント法では、光インプリント法に比べてモールドのプレス圧が高いので、被転写成形材料の変形歪が生じたり、プレス機構が大型になりコストがかさんだりする。
また、特許文献1に記載のロールtoロール連続フィルムの光インプリント法においては、ベースフィルムの裏側(UV硬化樹脂の塗布面とは反対側)からUV照射する必要があり、UVが透過するフィルムしか使えずに、フィルム材料の選択幅が限定されてしまう。つまり、UVは透過しないが熱膨張係数の小さいフィルムの使用が不可能になり、後工程での貼り合わせ工程において、貼り合わせ位置精度について熱膨張係数に関わる不具合が発生する。
【0005】
本発明の課題は、光インプリントにおいて紫外線照射に対する材料の制限が少ないインプリント加工装置およびインプリント加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係るインプリント加工装置は、照射装置と、プレス装置とを備えている。照射装置は、遅延硬化性を有する未硬化の紫外線硬化樹脂からなり基板上に形成された樹脂層に紫外線を照射する。プレス装置は、紫外線照射後であって樹脂層の硬化開始前に平板状のモールドを樹脂層にプレスする動作を開始する。
この装置では、未硬化の樹脂層に紫外線が照射されるタイミングが樹脂層にモールドがプレスされる前なので、紫外線透過型のモールドまたは基板を用いる必要がない。したがって、熱インプリント方式の加工装置のモールドを用いることができる。その結果、モールドのコストが低減される。
なお、「遅延硬化性」とは、紫外線を照射してから直ちに樹脂層の硬化が始まるのではなく、所定時間経過後に硬化が開始され比較的短時間で硬化が完了する性質をいう。
【0008】
本発明の他の見地に係るインプリント加工装置は、照射装置と、転写ローラとを備えている。照射装置は、遅延硬化性を有する未硬化の紫外線硬化樹脂からなりフィルム上に形成された樹脂層に紫外線を照射する。転写ローラは、紫外線照射後であって樹脂層の硬化開始前に樹脂をプレスする動作を開始することで、樹脂層に凹凸パターンを形成する。
この装置では、未硬化の樹脂層に紫外線が照射されるタイミングが樹脂層への転写ローラのプレス前なので、フィルムは、従来の光インプリント装置で用いられる紫外線透過型のフィルム以外を使用できる。したがって、フィルム材料の選択の幅が広がり、具体的には、紫外線を透過しないが熱膨張率の小さなフィルムが使えるようになる。その結果、インプリント形成後にフィルムを他の材料に貼り合わせるときの貼り合わせ位置精度が向上し、微細パターンの製品の製造が可能となる。
【0009】
本発明のさらに他の見地に係るインプリント加工方法は、以下の工程を備えている。
◎遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなり基板上に形成された樹脂層に紫外線を照射する工程
◎照射工程後であって樹脂層の硬化開始前に、平板状のモールドを樹脂層に押し付けることで凹凸パターンを形成する工程
この方法では、未硬化の樹脂層に紫外線を照射するタイミングが樹脂層に凹凸パターンを形成する工程の前なので、紫外線透過型のモールドを使う必要がない。したがって、熱インプリント方式の加工装置のモールドを用いることができる。その結果、モールドのコストが低減される。
【0010】
本発明のさらに他の見地に係るインプリント加工方法は、以下の工程を備えている。
◎遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなりフィルム上に形成された樹脂層に紫外線を照射する工程
◎照射工程後であって樹脂層の硬化開始前に、転写ローラを樹脂層に押し付けることで凹凸パターンを形成する工程。
この方法では、未硬化の樹脂層に紫外線を照射するタイミングが樹脂層に凹凸パターンを形成する工程の前なので、フィルムとして、紫外線透過型のフィルム以外を使用できる。したがって、フィルム材料の選択の幅が広がり、具体的には、紫外線を透過しないが熱膨張率の小さなフィルムが使えるようになる。その結果、インプリント形成後にフィルムを他の材料と貼り合わせるときの貼り合わせ位置精度が向上し、微細パターンの製品の製造が可能となる。
【0011】
本発明のさらに他の見地に係るインプリント加工物は、基体と、遅延硬化性の硬化済みの紫外線硬化樹脂からなり基体上に形成された樹脂層とを備えている。樹脂層は、紫外線の照射後であって樹脂層の硬化開始前に型を押し付けることで凹凸パターンが形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインプリント加工装置およびインプリント加工方法では、樹脂層への加工が開始される前に樹脂層に紫外線が照射されているので、紫外線透過型のモールドまたは紫外線透過型のフィルムを使う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態における樹脂塗布工程を示す模式図。
【図2】本発明の第1実施形態における光照射工程を示す模式図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるモールド転写工程を示す模式図。
【図4】本発明の第1実施形態における離型工程を示す模式図。
【図5】本発明の第1実施形態におけるリンス工程および加熱工程を示す模式図。
【図6】本発明の第1実施形態における酸素プラズマエッチング工程を示す模式図。
【図7】本発明の第2実施形態における光インプリント工程を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態に係る光インプリント加工装置および光インプリント加工方法を説明する。
(1)インプリント加工装置
インプリント加工装置4は、この実施形態では、主に、樹脂塗布装置31(図1)と、光照射装置9(図2)と、転写装置11(図3〜図4)とを備えている。
樹脂塗布装置31は、基板本体3上に遅延硬化性の紫外線硬化樹脂を塗布することで樹脂層5を形成する装置である。樹脂塗布装置31は、塗布ノズル33、ポンプ35、原料タンク37を有している。原料タンク37は、遅延硬化性を有する紫外線硬化性樹脂を貯留している。本実施形態では、紫外線硬化性樹脂は遅延硬化性を有するものであれば、特に限定されない。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、光カチオン重合性組成物の反応制御することにより所定の遅延硬化性をもたせたものでもよい。
光照射装置9は、樹脂層5に紫外線を照射する装置である。光照射装置9は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプまたはエキシマレーザなどのレーザ光源を有している。
転写装置11は、複数の凹凸部15が形成された平板状のモールド13を有している。転写装置11は、樹脂層5の硬化開始前に平板状のモールド13を樹脂層5にプレスし、硬化後にモールド13を離型することで、樹脂層5に凹凸パターン5cを形成する。
【0015】
(2)インプリント加工方法
図1に、基板本体3を示す。基板本体3は、紫外線透過型の材料で形成されていなくてもよい。基板本体3は、保持ステージ2によって保持されている。保持ステージ2は、真空吸着などによって基板本体3を保持する保持面2aを有している。
【0016】
図1の状態から、樹脂塗布装置31は、紫外線硬化樹脂を基板本体3の上面に塗布する。具体的には、塗布ノズル33の吐出口を基板本体3の上面近傍に保持した状態で、塗布ノズル33の吐出口から紫外線硬化樹脂を吐出させながら、塗布ノズル33と基板本体3を相対移動させる。これにより、基板本体3の上面に樹脂層5(図2)が所定の厚みだけ形成される。
【0017】
図2を用いて、光照射工程を説明する。基板1は、基板本体3と、前述の塗布工程によって形成された樹脂層5と、塗布工程後に形成されたマスク7とを有している。樹脂層5は、基板本体3の上面の全体に未硬化の状態で塗布されている。樹脂層5は、紫外線が照射されてから所定時間経過後に硬化を開始する性質を有している。マスク7は、樹脂層5の周囲部分を覆うように配置されている。
【0018】
以上に説明した状態において、光照射装置9が、基板1の樹脂層5に対して紫外線を照射する。
【0019】
図3を用いて、モールド転写工程を説明する。図3では、図2の状態からマスク7が除去されている。樹脂層5の硬化が開始され前に、転写装置11は、モールド13の凹凸部15を樹脂層5の上面に押し付ける。このようにモールド13が樹脂層5に押し付けられるときに樹脂層5は硬化が始まっていないので、プレス圧を大きくする必要がない。なお、樹脂層5の硬化開始までの時間は、材料の変更によって調整可能である。
なお、光照射工程はモールド転写工程の前に行われているので、モールド13は紫外線透過型のものでなくてよい。
【0020】
樹脂層5の硬化がある程度進むと、図4に示すように、転写装置11はモールド13の凹凸部15を樹脂層5の上面から引き離す。樹脂層5がモールド13から離れるときに、樹脂層5の硬化は完了していないので、樹脂層5は精度が良い状態でモールド13から離れることができる。つまり、樹脂層5の離型性がよい。
図4において、樹脂層5のうち中心部分5aは凹凸パターン5cが形成された状態で硬化しており、周囲部分5bは未硬化である。
【0021】
図5を用いて、リンス工程を説明する。リンス工程を行うと、樹脂層5のうち周囲部分5bが除去され、中心部分5aのみが残される。
【0022】
図5の状態から、基板1を加熱して、樹脂層5の硬化を完了させる。なお、加熱工程は行わなくてもよい。
【0023】
酸素プラズマエッチングを行うと、図6に示すように、基板本体3の表面に付着した樹脂が除去される。
【0024】
(3)特徴
上述のインプリント加工装置およびインプリント加工方法では、樹脂層5に紫外線が照射されるタイミングが樹脂層5にモールド13がプレスされる前なので、紫外線透過型のモールドを使う必要がない。したがって、熱インプリント方式の加工装置のモールドを用いることができる。その結果、モールドのコストが低減される。
【0025】
2.第2実施形態
図7を用いて、本発明の第2実施形態としてのローラインプリント加工法について説明する。図7は、本発明の第2実施形態における光インプリント工程を示す模式図である。この光インプリント工程は、例えば、電子ペーパー用のマイクロカップ用アレイを製作するのに利用される。
【0026】
(1)インプリント加工装置
ローラインプリント加工装置41は、連続したフィルム21上の樹脂層23にインプリントするための装置である。ローラインプリント加工装置41は、この実施形態では、主に、樹脂塗布装置43と、光照射装置45と、転写装置47と、加熱装置49とを有している。ローラインプリント加工装置41は、さらに、第1ローラ51および第2ローラ59を有している。
【0027】
樹脂塗布装置43は、フィルム21の上面に遅延硬化性の樹脂層23を塗布する。
第1ローラ51は、樹脂層23が塗布されたフィルム21を反転させるための部材である。第1ローラ51によって、フィルム21および樹脂層23は、樹脂層23が上側を向いた水平方向搬送から樹脂層23が下側を向いた水平方向搬送に変更させられる。
光照射装置45は、第1ローラ51より搬送方向下流側に配置され、樹脂層23に対して下側から紫外線を照射する。
【0028】
転写装置47は、樹脂層23に対して凹凸パターン25を形成するための装置であり、転写ローラ53と、加圧ローラ55と、剥離ローラ57とを有している。転写ローラ53は、凹凸の転写パターン54を表面に有するローラである。加圧ローラ55は、転写ローラ53の搬送方向上流側で斜め上方に配置され、フィルム21を転写ローラ53に対して押し付ける機能を有している。フィルム21および樹脂層23は、加圧ローラ55と剥離ローラ57の間を通って、樹脂層23が転写ローラ53の上側部分に押し付けられた状態で移動する。剥離ローラ57は、転写ローラ53の搬送方向下流側で斜め上方に配置され、フィルム21を転写ローラ53から引き離す機能を有している。フィルム21および樹脂層23は、剥離ローラ57と転写ローラ53との間を通って、転写ローラ53から離れて水平方向に搬送される。
【0029】
加熱装置49は、転写装置47より搬送方向下流側に配置されており、凹凸パターン25が形成された樹脂層23を加熱するための装置である。加熱装置49は、フィルム21側と樹脂層23側とにそれぞれ配置されている。
第2ローラ59は、加熱装置49より搬送方向下流側に配置され、フィルム21および樹脂層23の搬送方向を水平方向か鉛直方向上側に変更するためのローラである。
【0030】
(2)インプリント加工方法
以上に説明したローラインプリント加工装置41によって、ローラインプリント加工法が実行される。
ローラインプリント加工法は、この実施形態では、主に、樹脂塗布工程、光照射工程、転写工程、および乾燥工程を含んでいる。
樹脂塗布工程は、樹脂塗布装置43がフィルム21の上面に樹脂層23を滴下して、樹脂層23を形成する工程である。
光照射工程は、光照射装置45が樹脂層23に対して紫外線を照射する工程である。
【0031】
転写工程は、転写装置47が転写ローラ53の転写パターン54を樹脂層23に押し付け付ける工程である。
この実施形態では、樹脂層23の硬化の開始タイミングは、転写ローラ53が樹脂層23に押し付けられた後である。このタイミングの設定は、樹脂層23が光照射装置45から転写装置47に到達するまでの時間が樹脂層23の硬化開始時間より短くなるように調整することで、行われる。このように転写ローラ53が樹脂層23に押し付けられるときに樹脂層23は硬化が始まっていないので、プレス圧を大きくする必要がない。
また、樹脂層23が転写ローラ53から離れるときに、樹脂層23の硬化は完了していない。したがって、樹脂層23は精度が良い状態で転写ローラ53から離れることができる。
以上に述べた各工程が、樹脂層23の各部分に連続して実行され、その結果連続した凹凸パターン25が樹脂層23に形成される。
以上に述べたように光照射工程が転写工程より前に行われるので、フィルム21および転写ローラ53を紫外線透過型の材料で構成する必要がない。したがって、各部材の選択自由度が向上する。その結果、安価な材料を選択できたり、望ましい性能を有する材料を選択できたりする。
【0032】
加熱工程は、加熱装置49が樹脂層23を加熱することで行われる。これにより、樹脂層23の硬化が完了する。
【0033】
(3)特徴
以上に述べた光インプリント加工装置および光インプリント加工方法では、樹脂層23に紫外線が照射されるタイミングが樹脂層23に転写ローラ53がプレスされる前である。したがって、フィルム21は、紫外線透過型のフィルム以外を使用できる。以上より、フィルム材料の選択の幅が広がり、具体的には、熱膨張率の小さなフィルムが使えるようになる。その結果、インプリント形成後にフィルムを他の材料に貼り合わせるときの貼り合わせ位置精度が向上し、微細パターンの製品の製造が可能となる。
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態では、インプリント加工装置の構成として複数の装置を説明し、インプリント加工法として複数の工程を説明したが、本発明の実施形態として全ての装置又は全ての工程を必要しないことは言うまではない。つまり、一部の装置または工程を省略してもよい。
前記第2実施形態では転写工程の後にローラの後に加熱工程を行っているが、加熱工程の有無及びタイミングは適宜変更可能である。加熱工程を省略してもよいし、転写工程と同時に加熱を行ってもよい。後者の場合は、例えば、加圧ローラに熱源を設けてもよい。
前記実施形態では平板状のモールドと転写ローラを型の例として説明したが、他の形状の型を用いて樹脂層に凹凸パターンを形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、紫外線硬化樹脂を用いるインプリント加工装置およびインプリント加工方法に広く適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 基板
3 基板本体
4 インプリント加工装置
5 樹脂層
9 光照射装置
11 転写装置
13 モールド
21 フィルム
23 樹脂層
31 樹脂塗布装置
41 ローラインプリント加工装置
43 樹脂塗布装置
45 光照射装置
47 転写装置
49 乾燥装置
53 転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなり基板上に形成された樹脂層に紫外線を照射する照射装置と、
紫外線照射後であって前記樹脂層の硬化開始前に平板状のモールドを前記樹脂層にプレスする動作を開始することで、前記樹脂層に凹凸パターンを形成するプレス装置と、
を備えたインプリント加工装置。
【請求項2】
遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなりフィルム上に形成された樹脂層に紫外線を照射する照射装置と、
紫外線照射後であって前記樹脂層の硬化開始前に前記樹脂層をプレスする動作を開始することで、前記樹脂層に凹凸パターンを形成する転写ローラと、
を備えたインプリント加工装置。
【請求項3】
遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなり基板上に形成された樹脂層に紫外線を照射する工程と、
前記照射工程後であって前記樹脂層の硬化開始前に、平板状のモールドを押し付けることで前記樹脂層に凹凸パターンを形成する工程と、
を備えたインプリント加工方法。
【請求項4】
遅延硬化性の未硬化の紫外線硬化樹脂からなりフィルム上に形成された樹脂層に紫外線を照射する工程と、
前記照射工程後であって前記樹脂層の硬化開始前に、転写ローラを押し付けることで前記樹脂層に凹凸パターンを形成する工程と、
を備えたインプリント加工方法。
【請求項5】
基体と、遅延硬化性の硬化済みの紫外線硬化樹脂からなり前記基体上に形成された樹脂層とを備え、
前記樹脂層は、紫外線照射後であって前記樹脂層の硬化開始前に型を押し付けることで凹凸パターンが形成されているインプリント加工物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−238721(P2011−238721A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107904(P2010−107904)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】