インプリント方法およびインプリント装置
【課題】離型時のテンプレートおよびレジストパターンへの衝撃を可及的に低減すること。
【解決手段】第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、ことを特徴とする。
【解決手段】第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インプリント方法およびインプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造技術としてナノインプリント・リソグラフィ技術(以下、単にナノインプリンティング)が知られている。ナノインプリンティングは、半導体集積回路のパターンが形成されたテンプレートを半導体ウェハに塗布されたレジストにプレスすることによって当該テンプレートに形成されているパターンをレジストに転写する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−103464号公報
【特許文献2】特開2008−91865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの実施形態は、離型時のテンプレートおよびレジストパターンへの衝撃を可及的に低減したインプリント方法およびインプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態によれば、第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1−1】図1−1は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−2】図1−2は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−3】図1−3は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−4】図1−4は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態のインプリント装置の構成を説明する図である。
【図3】図3は、2種類のレジスト材料の塗布例を示す図である。
【図4】図4は、制御部の構成例を説明する図である。
【図5】図5は、第1ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図6】図6は、第2ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、形成されるパターン群の一例を説明する図である。
【図9】図9は、第2ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図10】図10は、第2の実施形態の制御部の構成例を説明する図である。
【図11】図11は、第2の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるインプリント方法およびインプリント装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、ナノプリンティングによる一般的な転写工程について説明する。図1−1〜図1−4は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。なお、ここでは一例として、紫外線照射によりレジスト(光硬化性樹脂材料)を硬化させる光ナノインプリントについて説明するが、本実施形態は加熱によりレジスト(熱硬化性樹脂材料)を硬化させる熱ナノインプリンティングにも適用できる。
【0009】
転写工程では、まず、図1−1に示すように、加工対象のウェハ100(被処理基板の一例)にレジスト材料101(硬化性樹脂材料の一例)が塗布される。インプリント装置には、ウェハ100に対して平行に2次元的に駆動されるレジスト材料101を吐出するノズルを有し、レジスト材料の塗布量分布を定義したドロップレシピに基づいてレジスト材料101の塗布量を局所的に変化させることができるタイプのものがある。ドロップレシピは、デザインパターン(あるいはレジストパターンやテンプレートパターンでもよい)の設計データ(パターンデータ)に基づいて作成される。ドロップレシピは、レジストパターンの密度が高い部分には塗布量を多くし、レジストパターンの密度が低い部分には塗布量を少なくするように定義される。図1−1では、このようなタイプのインプリント装置により、テンプレート102の凹部に対応する位置にレジスト材料101の液滴が滴下されている。
【0010】
続いて、レジスト材料101が塗布されたウェハ100にテンプレート102がプレスされる。すると、レジスト材料101は毛細管現象によりテンプレート102に形成されているテンプレートパターンの凹部に入り込む。レジスト材料101がテンプレートパターンに充分に入り込んだ後、図1−2に示すようにテンプレート102の上方から紫外線が照射される。テンプレート102は、石英などの紫外線(UV光)を透過する材質で構成されており、テンプレート102の上方から照射されたUV光はテンプレート102を透過してレジスト材料101に照射される。レジスト材料101はUV光照射により硬化する。
【0011】
レジスト材料101の硬化後、テンプレート102が離型され、図1−3に示すように、ウェハ100上に硬化したレジスト材料101によるレジストパターンが形成される。ここで、テンプレート102は、硬化したレジスト材料101に強い力で付着している。したがって、テンプレート102の離型時に、テンプレート102とレジスト材料101と接着面を作用面として両者の間に引っ張り応力をかけていくと、テンプレート102に引っ張られたレジスト材料101が引っ張り応力に応じて弾性変形する。そして、引っ張り応力が付着力を越えた瞬間にテンプレート102がレジスト材料101から一気に剥がれる。このとき、レジスト材料101によるパターンは、テンプレート102が剥がれたときの衝撃で破損して欠陥が生じることがある。また、テンプレート102は、離型時の衝撃で破損することがある。
【0012】
そこで、本発明の第1の実施形態では、1ショットで形成されるレジストパターンについて、外周に沿った部分のうちの少なくとも一箇所に、その他の部位に用いるレジスト材料(第1の硬化性樹脂材料)よりも離型性の高いレジスト材料(第2の硬化性樹脂材料)を塗布することによって、全面が一度に離型するのではなく、部位によって離型のタイミングがずれるようにした。離型性の高いレジスト材料を塗布する部分を外周部としたのは、通常、テンプレートは、パターンが形成されている部分の外側がテンプレート保持機構により保持される構造となっているため、周辺部から離型するようにしたほうが離型時にテンプレートにかかる応力を軽減することができるからである。例えば、テンプレート102の外周に沿った部分の全部に離型性が高いレジスト材料を使用すると、図1−4に示すように、離型時にテンプレートが撓むことによって外周部から内側に向けてタイミングをずらして離型される。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施の形態のインプリント装置の構成を説明する図である。図示するように、インプリント装置1は、インプリント部2とインプリント部2の制御を行う制御部3とを備えて構成される。
【0014】
インプリント部2においては、ウェハ100を保持するウェハチャック165、ウェハチャック165を載置する可動式のウェハステージ166、テンプレート102、テンプレート保持機構169、レジスト材料塗布手段163、加圧装置164、UV光源167、などが同一チャンバー162内に配置されている。さらに、チャンバー162をステージ定盤168及び除振台170が支えている。
【0015】
ウェハ100はチャンバー162内のウェハチャック165上に載置される。テンプレート保持機構169は、テンプレート102を保持する。テンプレート保持機構169とテンプレート102との間は密閉状態の空間が設けられており、押印時に、加圧装置164は当該空間を加圧することによってテンプレート102の中央部をテンプレート102の直下に保持されているウェハ100からみて膨らんだ状態にすることができるようになっている。ウェハステージ166は、ウェハ100をレジスト材料塗布手段163の下に移動させる。レジスト材料塗布手段163は、レジスト材料をインクジェット方式でウェハ100上に塗布する。インプリント部2のインプリント機構はステップ&リピート方式、即ち、1ショット分インプリントするとウェハ100を移動させる方式であるので、レジスト材料塗布手段163は、1ショット分のレジスト材料を塗布する。
【0016】
ここで、レジスト材料塗布手段163は、2種類のレジスト材料を滴下する機構を備えている。そのうちの1種類のレジスト材料は1ショット中の欠陥数ができるだけ少なくなるように組成が調整された第1レジスト材料(第1の硬化性樹脂材料)であり、他の種類のレジスト材料は第1レジスト材料よりも離型性の高い第2レジスト材料(第2の硬化性樹脂材料)である。欠陥数に影響を与えるレジスト材料にかかる性質として、収縮率、弾性力、基材密着力、帯電性、耐溶剤性、フッ素含有率などがある。これらの性質は、どれか1つの性質を向上させると他の性質が劣化するという関係を有しているものがあり、全ての性質について最も望ましい組成とすることはできない。したがって、第1レジスト材料の組成は、例えば組成を変えてインプリント対象のテンプレートを用いてインプリントが行われ、その中で最も成績がよかった組成が選択される。第2レジスト材料の組成は、例えば第1レジスト材料よりも収縮率が大きい組成が選択される。
【0017】
レジスト材料塗布手段163は、具体的には、第1レジスト材料を滴下するためのノズルと第2レジスト材料を滴下するためのノズルとを備えて構成される。図3は、レジスト材料塗布手段163による2種類のレジスト材料の塗布例を示す図である。図3に示すように、レジスト材料塗布手段163は、第1レジスト材料を塗布するノズル163−1と第2レジスト材料を塗布するノズル163−2を備えている。ウェハ100上の1ショット分の滴下領域104には、ノズル163−1により第1レジスト材料101−1が塗布され、ノズル163−2により第2レジスト材料101−2が塗布されている。ここでは、1ショットの滴下領域104のうちの四隅に第2レジスト材料101−2が塗布され、滴下領域104内の他の領域は第1レジスト材料101−1が塗布されている。なお、レジスト材料塗布手段163は、第1レジスト材料と第2レジスト材料とでノズルを共用し、ノズルに供給するレジスト材料を切り替え可能に構成することで2種類のレジスト材料を塗布可能に構成したものであってもよい。
【0018】
レジスト材料の塗布後、テンプレート保持機構169はウェハ100のレジスト材料が塗布された部位の直上からテンプレート102をレジスト材料に押印し、UV光源167はテンプレート102を介してUV光をレジスト材料に照射する。レジスト材料の硬化後、テンプレート保持機構169はテンプレート102を真上に引き上げて、テンプレート102がレジスト材料から離型される。
【0019】
制御部3は、第1レジスト材料のみの使用を前提として作成されたドロップレシピから、第1および第2レジスト材料を使用するためのドロップレシピを作成する。
【0020】
図4は、制御部3の構成例を説明する図である。図示するように、制御部3は、CPU31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、外部記憶装置34、入力部35、および出力部36を備え、通常のコンピュータと同様の構成を備えている。CPU31、RAM32、ROM33、外部記憶装置34、入力部35、および出力部36はバスラインを介して夫々接続されている。
【0021】
CPU31は、インプリント部2を制御するためのコンピュータプログラムであるインプリント装置制御プログラム42を実行する。入力部35は、マウスやキーボードを備えて構成され、オペレータからのインプリント装置1にかかる操作が入力される。入力部35へ入力された操作情報は、CPU31へ送られる。
【0022】
外部記憶装置34は、例えばハードディスクドライブなどにより構成され、インプリント部2でレジスト材料塗布手段163がレジスト材料を塗布するためのドロップレシピ(第1ドロップレシピ41)を記憶している。第1ドロップレシピ41は、第1レジスト材料の使用のみの使用を前提として作成されたドロップレシピであり、一般的な方法により作成されたものである。例えば、設計データからパターンの密度の分布が求められ、求めた密度に応じて滴下位置および滴下量が算出されて第1ドロップレシピ41が作成される。
【0023】
インプリント装置制御プログラム42は、ROM33や外部記憶装置34内に格納されており、バスラインを介してRAM32へロードされる。CPU31はRAM32内にロードされたインプリント装置制御プログラム42を実行する。CPU31は、RAM32に展開されたインプリント装置制御プログラム42を実行することによって、外部記憶装置34に格納されている第1ドロップレシピ41を読み出して、2つのレジスト材料を使用する第2ドロップレシピ43を生成する。すなわち、第2ドロップレシピによれば、液滴の滴下位置毎に第1レジスト材料を用いるか、または第2レジスト材料を用いるかが定義されている。
【0024】
図5は、第1ドロップレシピ41による滴下例を説明する図である。図示するように、第1ドロップレシピ41によれば、1ショット分の滴下領域104には、第1レジスト材料101−1のみを用いてレジスト材料の塗布が行われる。第2ドロップレシピ43によると、図3に示したように第1レジスト材料101−1および第2レジスト材料101−2を用いてレジスト材料の塗布が行われる。なお、本発明の第1の実施形態では、第2ドロップレシピ43は、1ショット分の滴下領域のうちの外周部のすくなくとも一部に第2レジスト材料が滴下されるように設定されていればよい。例えば図6に示すように、第2レジスト材料101−2を滴下領域104の四隅のみならず内側に所望のように滴下するようにしてもよい。
【0025】
生成された第2ドロップレシピ43は例えばRAM32上に置かれる。CPU31は、第2ドロップレシピ43を使用してレジスト材料塗布手段163を駆動制御して2種類のレジスト材料をウェハ100上に塗布する。
【0026】
出力部36は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU31からの指示に基づいて、操作画面などオペレータに対する出力情報を表示する。
【0027】
なお、制御部3で実行されるインプリント装置制御プログラム42を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供または配布するように構成しても良い。また、インプリント装置制御プログラム42をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、ROM33や外部記憶装置34等に予め組み込んで制御部3に提供するように構成してもよい。また、インプリント装置制御プログラム42を、CD−ROMなどの記録媒体に記録して提供または配布するように構成してもよい。
【0028】
図7は、本発明の第1の実施形態のインプリント装置1を用いて実行されるインプリント方法を説明するフローチャートである。図示するように、まず、CPU31は、外部記憶装置34から第1ドロップレシピ41を読み出す(ステップS1)。そして、CPU31は、読み出した第1ドロップレシピ41における所定位置に滴下するレジスト材料を第2レジスト材料とした第2ドロップレシピ43を生成する(ステップS2)。そして、CPU31は、生成した第2ドロップレシピ43を用いて転写工程を実行し(ステップS3)、動作終了となる。
【0029】
このように、本発明の第1の実施形態によれば、1回の転写によりパターンが形成される滴下領域104のうちの外周部のうちの少なくとも一部に離型性が高い第2レジスト材料を塗布するようにしたので、滴下領域104の外周部の第2レジスト材料を塗布した部分から離型され、全面が一度に離型することを防止することができるので、離型時のテンプレートおよびレジストパターンへの衝撃を可及的に低減することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
ラインアンドスペースのように、異方性の強いパターンが一方向に偏向して配列されているパターン群を形成する場合、ラインの伸びる向き(すなわち偏向方向)に沿った方向に離型を行うと、偏向方向と直交する方向に離型を行う場合に比べて生じる欠陥数を少なくすることができる。例えば図8に示すウェハ上の領域106には、y軸方向に伸びるライン状のパターン105−1、105−2と、ライン状のパターンに短いラインが直交して接続されたパターン105−3とが形成されている。このようなパターン群の偏向方向はy方向となる。このようなパターン群では、y軸方向に徐々に離型されるようにすると欠陥数を少なくすることができる。そのためには、例えば図9に示すように、滴下領域104の下部にx軸に平行となるように第2レジスト材料101−2を滴下するとよい。第2の実施形態によれば、異方性が強いパターンが偏向して配列されているパターン群を含む場合において、欠陥をできるだけ少なくなる第2レジスト材料の滴下位置を決定する。
【0031】
図10は、第2の実施形態の制御部の構成例を説明する図である。図示するように、第2の実施形態の制御部3は、第1の実施形態に比して外部記憶装置34に第1ドロップレシピのほかに設計データ44が予め格納されている点が異なる。
【0032】
図11は、第2の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。図示するように、まず、CPU31は、外部記憶装置34から第1ドロップレシピ41および設計データを読み出す(ステップS11)。そして、CPU31は、読み出した設計データから、パターンのX成分およびY成分を算出する。例えば図8に示すパターン群の場合、X成分は(x1+x2+x3+x4)、Y成分は(y1+y2+y3)となる。図8のようにy軸に平行にラインが並ぶラインアンドスペースの場合はX成分よりもY成分のほうが圧倒的に大きな値となる。
【0033】
続いて、CPU31は、滴下領域104の外周部のうち、算出した成分が大きい軸方向を偏向方向とし、この偏向方向に直交する辺に接する領域を第2レジスト材料を滴下する領域に決定し、第2ドロップレシピ43を生成する(ステップS13)。例えば図8のパターン群によれば、Y軸の成分がX軸の成分よりも大きいので、y方向が偏向となる。その結果、図9に示すように第2レジスト材料101−2を滴下する領域が決定される。なお、図9では、滴下領域104の周辺部のうちの紙面下部の辺に接する領域のみ第2レジスト材料101−2を滴下するものとしているが、紙面上部の辺に接する領域に滴下するものとしてもよい。また、紙面上部と下部との両方に滴下するようにしてもよい。
【0034】
ステップS13の後、CPU31は生成した第2ドロップレシピ43に基づいて転写工程を実行し(ステップS14)、動作終了となる。
【0035】
このように、本発明の第2の実施形態によれば、1回の転写により形成されるパターン群にかかる偏向方向を求め(ステップS12)、滴下領域104の外周部のうちの偏向方向に直交する辺に接する領域を第2レジスト材料を塗布する領域に決定する(ステップS13)ようにしたので、転写対象のパターンがラインアンドスペースのように異方性が強い形状が一方向に偏向して複数配置されているようなパターン群を含んでいる場合に、形成されるレジストパターンに発生する欠陥数を低減することができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 インプリント装置、2 インプリント部、3 制御部、41 第1ドロップレシピ、42 インプリント装置制御プログラム、43 第2ドロップレシピ、44 設計データ、100 ウェハ、101 レジスト材料、101−1 第1レジスト材料、101−2 第2レジスト材料、102 テンプレート、104 滴下領域。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インプリント方法およびインプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造技術としてナノインプリント・リソグラフィ技術(以下、単にナノインプリンティング)が知られている。ナノインプリンティングは、半導体集積回路のパターンが形成されたテンプレートを半導体ウェハに塗布されたレジストにプレスすることによって当該テンプレートに形成されているパターンをレジストに転写する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−103464号公報
【特許文献2】特開2008−91865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの実施形態は、離型時のテンプレートおよびレジストパターンへの衝撃を可及的に低減したインプリント方法およびインプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態によれば、第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1−1】図1−1は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−2】図1−2は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−3】図1−3は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図1−4】図1−4は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態のインプリント装置の構成を説明する図である。
【図3】図3は、2種類のレジスト材料の塗布例を示す図である。
【図4】図4は、制御部の構成例を説明する図である。
【図5】図5は、第1ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図6】図6は、第2ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、形成されるパターン群の一例を説明する図である。
【図9】図9は、第2ドロップレシピによる滴下例を説明する図である。
【図10】図10は、第2の実施形態の制御部の構成例を説明する図である。
【図11】図11は、第2の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるインプリント方法およびインプリント装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、ナノプリンティングによる一般的な転写工程について説明する。図1−1〜図1−4は、ナノインプリンティングによる転写工程を説明する図である。なお、ここでは一例として、紫外線照射によりレジスト(光硬化性樹脂材料)を硬化させる光ナノインプリントについて説明するが、本実施形態は加熱によりレジスト(熱硬化性樹脂材料)を硬化させる熱ナノインプリンティングにも適用できる。
【0009】
転写工程では、まず、図1−1に示すように、加工対象のウェハ100(被処理基板の一例)にレジスト材料101(硬化性樹脂材料の一例)が塗布される。インプリント装置には、ウェハ100に対して平行に2次元的に駆動されるレジスト材料101を吐出するノズルを有し、レジスト材料の塗布量分布を定義したドロップレシピに基づいてレジスト材料101の塗布量を局所的に変化させることができるタイプのものがある。ドロップレシピは、デザインパターン(あるいはレジストパターンやテンプレートパターンでもよい)の設計データ(パターンデータ)に基づいて作成される。ドロップレシピは、レジストパターンの密度が高い部分には塗布量を多くし、レジストパターンの密度が低い部分には塗布量を少なくするように定義される。図1−1では、このようなタイプのインプリント装置により、テンプレート102の凹部に対応する位置にレジスト材料101の液滴が滴下されている。
【0010】
続いて、レジスト材料101が塗布されたウェハ100にテンプレート102がプレスされる。すると、レジスト材料101は毛細管現象によりテンプレート102に形成されているテンプレートパターンの凹部に入り込む。レジスト材料101がテンプレートパターンに充分に入り込んだ後、図1−2に示すようにテンプレート102の上方から紫外線が照射される。テンプレート102は、石英などの紫外線(UV光)を透過する材質で構成されており、テンプレート102の上方から照射されたUV光はテンプレート102を透過してレジスト材料101に照射される。レジスト材料101はUV光照射により硬化する。
【0011】
レジスト材料101の硬化後、テンプレート102が離型され、図1−3に示すように、ウェハ100上に硬化したレジスト材料101によるレジストパターンが形成される。ここで、テンプレート102は、硬化したレジスト材料101に強い力で付着している。したがって、テンプレート102の離型時に、テンプレート102とレジスト材料101と接着面を作用面として両者の間に引っ張り応力をかけていくと、テンプレート102に引っ張られたレジスト材料101が引っ張り応力に応じて弾性変形する。そして、引っ張り応力が付着力を越えた瞬間にテンプレート102がレジスト材料101から一気に剥がれる。このとき、レジスト材料101によるパターンは、テンプレート102が剥がれたときの衝撃で破損して欠陥が生じることがある。また、テンプレート102は、離型時の衝撃で破損することがある。
【0012】
そこで、本発明の第1の実施形態では、1ショットで形成されるレジストパターンについて、外周に沿った部分のうちの少なくとも一箇所に、その他の部位に用いるレジスト材料(第1の硬化性樹脂材料)よりも離型性の高いレジスト材料(第2の硬化性樹脂材料)を塗布することによって、全面が一度に離型するのではなく、部位によって離型のタイミングがずれるようにした。離型性の高いレジスト材料を塗布する部分を外周部としたのは、通常、テンプレートは、パターンが形成されている部分の外側がテンプレート保持機構により保持される構造となっているため、周辺部から離型するようにしたほうが離型時にテンプレートにかかる応力を軽減することができるからである。例えば、テンプレート102の外周に沿った部分の全部に離型性が高いレジスト材料を使用すると、図1−4に示すように、離型時にテンプレートが撓むことによって外周部から内側に向けてタイミングをずらして離型される。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施の形態のインプリント装置の構成を説明する図である。図示するように、インプリント装置1は、インプリント部2とインプリント部2の制御を行う制御部3とを備えて構成される。
【0014】
インプリント部2においては、ウェハ100を保持するウェハチャック165、ウェハチャック165を載置する可動式のウェハステージ166、テンプレート102、テンプレート保持機構169、レジスト材料塗布手段163、加圧装置164、UV光源167、などが同一チャンバー162内に配置されている。さらに、チャンバー162をステージ定盤168及び除振台170が支えている。
【0015】
ウェハ100はチャンバー162内のウェハチャック165上に載置される。テンプレート保持機構169は、テンプレート102を保持する。テンプレート保持機構169とテンプレート102との間は密閉状態の空間が設けられており、押印時に、加圧装置164は当該空間を加圧することによってテンプレート102の中央部をテンプレート102の直下に保持されているウェハ100からみて膨らんだ状態にすることができるようになっている。ウェハステージ166は、ウェハ100をレジスト材料塗布手段163の下に移動させる。レジスト材料塗布手段163は、レジスト材料をインクジェット方式でウェハ100上に塗布する。インプリント部2のインプリント機構はステップ&リピート方式、即ち、1ショット分インプリントするとウェハ100を移動させる方式であるので、レジスト材料塗布手段163は、1ショット分のレジスト材料を塗布する。
【0016】
ここで、レジスト材料塗布手段163は、2種類のレジスト材料を滴下する機構を備えている。そのうちの1種類のレジスト材料は1ショット中の欠陥数ができるだけ少なくなるように組成が調整された第1レジスト材料(第1の硬化性樹脂材料)であり、他の種類のレジスト材料は第1レジスト材料よりも離型性の高い第2レジスト材料(第2の硬化性樹脂材料)である。欠陥数に影響を与えるレジスト材料にかかる性質として、収縮率、弾性力、基材密着力、帯電性、耐溶剤性、フッ素含有率などがある。これらの性質は、どれか1つの性質を向上させると他の性質が劣化するという関係を有しているものがあり、全ての性質について最も望ましい組成とすることはできない。したがって、第1レジスト材料の組成は、例えば組成を変えてインプリント対象のテンプレートを用いてインプリントが行われ、その中で最も成績がよかった組成が選択される。第2レジスト材料の組成は、例えば第1レジスト材料よりも収縮率が大きい組成が選択される。
【0017】
レジスト材料塗布手段163は、具体的には、第1レジスト材料を滴下するためのノズルと第2レジスト材料を滴下するためのノズルとを備えて構成される。図3は、レジスト材料塗布手段163による2種類のレジスト材料の塗布例を示す図である。図3に示すように、レジスト材料塗布手段163は、第1レジスト材料を塗布するノズル163−1と第2レジスト材料を塗布するノズル163−2を備えている。ウェハ100上の1ショット分の滴下領域104には、ノズル163−1により第1レジスト材料101−1が塗布され、ノズル163−2により第2レジスト材料101−2が塗布されている。ここでは、1ショットの滴下領域104のうちの四隅に第2レジスト材料101−2が塗布され、滴下領域104内の他の領域は第1レジスト材料101−1が塗布されている。なお、レジスト材料塗布手段163は、第1レジスト材料と第2レジスト材料とでノズルを共用し、ノズルに供給するレジスト材料を切り替え可能に構成することで2種類のレジスト材料を塗布可能に構成したものであってもよい。
【0018】
レジスト材料の塗布後、テンプレート保持機構169はウェハ100のレジスト材料が塗布された部位の直上からテンプレート102をレジスト材料に押印し、UV光源167はテンプレート102を介してUV光をレジスト材料に照射する。レジスト材料の硬化後、テンプレート保持機構169はテンプレート102を真上に引き上げて、テンプレート102がレジスト材料から離型される。
【0019】
制御部3は、第1レジスト材料のみの使用を前提として作成されたドロップレシピから、第1および第2レジスト材料を使用するためのドロップレシピを作成する。
【0020】
図4は、制御部3の構成例を説明する図である。図示するように、制御部3は、CPU31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、外部記憶装置34、入力部35、および出力部36を備え、通常のコンピュータと同様の構成を備えている。CPU31、RAM32、ROM33、外部記憶装置34、入力部35、および出力部36はバスラインを介して夫々接続されている。
【0021】
CPU31は、インプリント部2を制御するためのコンピュータプログラムであるインプリント装置制御プログラム42を実行する。入力部35は、マウスやキーボードを備えて構成され、オペレータからのインプリント装置1にかかる操作が入力される。入力部35へ入力された操作情報は、CPU31へ送られる。
【0022】
外部記憶装置34は、例えばハードディスクドライブなどにより構成され、インプリント部2でレジスト材料塗布手段163がレジスト材料を塗布するためのドロップレシピ(第1ドロップレシピ41)を記憶している。第1ドロップレシピ41は、第1レジスト材料の使用のみの使用を前提として作成されたドロップレシピであり、一般的な方法により作成されたものである。例えば、設計データからパターンの密度の分布が求められ、求めた密度に応じて滴下位置および滴下量が算出されて第1ドロップレシピ41が作成される。
【0023】
インプリント装置制御プログラム42は、ROM33や外部記憶装置34内に格納されており、バスラインを介してRAM32へロードされる。CPU31はRAM32内にロードされたインプリント装置制御プログラム42を実行する。CPU31は、RAM32に展開されたインプリント装置制御プログラム42を実行することによって、外部記憶装置34に格納されている第1ドロップレシピ41を読み出して、2つのレジスト材料を使用する第2ドロップレシピ43を生成する。すなわち、第2ドロップレシピによれば、液滴の滴下位置毎に第1レジスト材料を用いるか、または第2レジスト材料を用いるかが定義されている。
【0024】
図5は、第1ドロップレシピ41による滴下例を説明する図である。図示するように、第1ドロップレシピ41によれば、1ショット分の滴下領域104には、第1レジスト材料101−1のみを用いてレジスト材料の塗布が行われる。第2ドロップレシピ43によると、図3に示したように第1レジスト材料101−1および第2レジスト材料101−2を用いてレジスト材料の塗布が行われる。なお、本発明の第1の実施形態では、第2ドロップレシピ43は、1ショット分の滴下領域のうちの外周部のすくなくとも一部に第2レジスト材料が滴下されるように設定されていればよい。例えば図6に示すように、第2レジスト材料101−2を滴下領域104の四隅のみならず内側に所望のように滴下するようにしてもよい。
【0025】
生成された第2ドロップレシピ43は例えばRAM32上に置かれる。CPU31は、第2ドロップレシピ43を使用してレジスト材料塗布手段163を駆動制御して2種類のレジスト材料をウェハ100上に塗布する。
【0026】
出力部36は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU31からの指示に基づいて、操作画面などオペレータに対する出力情報を表示する。
【0027】
なお、制御部3で実行されるインプリント装置制御プログラム42を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供または配布するように構成しても良い。また、インプリント装置制御プログラム42をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、ROM33や外部記憶装置34等に予め組み込んで制御部3に提供するように構成してもよい。また、インプリント装置制御プログラム42を、CD−ROMなどの記録媒体に記録して提供または配布するように構成してもよい。
【0028】
図7は、本発明の第1の実施形態のインプリント装置1を用いて実行されるインプリント方法を説明するフローチャートである。図示するように、まず、CPU31は、外部記憶装置34から第1ドロップレシピ41を読み出す(ステップS1)。そして、CPU31は、読み出した第1ドロップレシピ41における所定位置に滴下するレジスト材料を第2レジスト材料とした第2ドロップレシピ43を生成する(ステップS2)。そして、CPU31は、生成した第2ドロップレシピ43を用いて転写工程を実行し(ステップS3)、動作終了となる。
【0029】
このように、本発明の第1の実施形態によれば、1回の転写によりパターンが形成される滴下領域104のうちの外周部のうちの少なくとも一部に離型性が高い第2レジスト材料を塗布するようにしたので、滴下領域104の外周部の第2レジスト材料を塗布した部分から離型され、全面が一度に離型することを防止することができるので、離型時のテンプレートおよびレジストパターンへの衝撃を可及的に低減することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
ラインアンドスペースのように、異方性の強いパターンが一方向に偏向して配列されているパターン群を形成する場合、ラインの伸びる向き(すなわち偏向方向)に沿った方向に離型を行うと、偏向方向と直交する方向に離型を行う場合に比べて生じる欠陥数を少なくすることができる。例えば図8に示すウェハ上の領域106には、y軸方向に伸びるライン状のパターン105−1、105−2と、ライン状のパターンに短いラインが直交して接続されたパターン105−3とが形成されている。このようなパターン群の偏向方向はy方向となる。このようなパターン群では、y軸方向に徐々に離型されるようにすると欠陥数を少なくすることができる。そのためには、例えば図9に示すように、滴下領域104の下部にx軸に平行となるように第2レジスト材料101−2を滴下するとよい。第2の実施形態によれば、異方性が強いパターンが偏向して配列されているパターン群を含む場合において、欠陥をできるだけ少なくなる第2レジスト材料の滴下位置を決定する。
【0031】
図10は、第2の実施形態の制御部の構成例を説明する図である。図示するように、第2の実施形態の制御部3は、第1の実施形態に比して外部記憶装置34に第1ドロップレシピのほかに設計データ44が予め格納されている点が異なる。
【0032】
図11は、第2の実施形態のインプリント方法を説明するフローチャートである。図示するように、まず、CPU31は、外部記憶装置34から第1ドロップレシピ41および設計データを読み出す(ステップS11)。そして、CPU31は、読み出した設計データから、パターンのX成分およびY成分を算出する。例えば図8に示すパターン群の場合、X成分は(x1+x2+x3+x4)、Y成分は(y1+y2+y3)となる。図8のようにy軸に平行にラインが並ぶラインアンドスペースの場合はX成分よりもY成分のほうが圧倒的に大きな値となる。
【0033】
続いて、CPU31は、滴下領域104の外周部のうち、算出した成分が大きい軸方向を偏向方向とし、この偏向方向に直交する辺に接する領域を第2レジスト材料を滴下する領域に決定し、第2ドロップレシピ43を生成する(ステップS13)。例えば図8のパターン群によれば、Y軸の成分がX軸の成分よりも大きいので、y方向が偏向となる。その結果、図9に示すように第2レジスト材料101−2を滴下する領域が決定される。なお、図9では、滴下領域104の周辺部のうちの紙面下部の辺に接する領域のみ第2レジスト材料101−2を滴下するものとしているが、紙面上部の辺に接する領域に滴下するものとしてもよい。また、紙面上部と下部との両方に滴下するようにしてもよい。
【0034】
ステップS13の後、CPU31は生成した第2ドロップレシピ43に基づいて転写工程を実行し(ステップS14)、動作終了となる。
【0035】
このように、本発明の第2の実施形態によれば、1回の転写により形成されるパターン群にかかる偏向方向を求め(ステップS12)、滴下領域104の外周部のうちの偏向方向に直交する辺に接する領域を第2レジスト材料を塗布する領域に決定する(ステップS13)ようにしたので、転写対象のパターンがラインアンドスペースのように異方性が強い形状が一方向に偏向して複数配置されているようなパターン群を含んでいる場合に、形成されるレジストパターンに発生する欠陥数を低減することができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 インプリント装置、2 インプリント部、3 制御部、41 第1ドロップレシピ、42 インプリント装置制御プログラム、43 第2ドロップレシピ、44 設計データ、100 ウェハ、101 レジスト材料、101−1 第1レジスト材料、101−2 第2レジスト材料、102 テンプレート、104 滴下領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、
1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、
ことを特徴とするインプリント方法。
【請求項2】
1回の転写により形成されるパターン群の偏向方向を求めるステップと、
前記外周部のうちの前記求めた偏向方向に直交する辺に接する領域を前記第2の硬化性樹脂材料を塗布する領域に決定するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項3】
前記偏向方向を求めるステップにおいて、
前記1回の転写により形成されるパターン群が含むパターンのX成分の合計とY成分の合計とを求め、合計の値が多い方向を偏向方向とする、
ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント方法。
【請求項4】
第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント装置であって、
1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布する、
ことを特徴とするインプリント装置。
【請求項5】
1回の転写により形成されるパターン群の偏向方向を求め、前記外周部のうちの前記求めた偏向方向に直交する辺に接する領域を前記第2の硬化性樹脂材料を塗布する領域に決定する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記1回の転写により形成されるパターン群が含むパターンのX成分の合計とY成分の合計とを求め、合計の値が多い方向を偏向方向とする、
ことを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。
【請求項1】
第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント方法であって、
1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布するステップを備える、
ことを特徴とするインプリント方法。
【請求項2】
1回の転写により形成されるパターン群の偏向方向を求めるステップと、
前記外周部のうちの前記求めた偏向方向に直交する辺に接する領域を前記第2の硬化性樹脂材料を塗布する領域に決定するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
【請求項3】
前記偏向方向を求めるステップにおいて、
前記1回の転写により形成されるパターン群が含むパターンのX成分の合計とY成分の合計とを求め、合計の値が多い方向を偏向方向とする、
ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント方法。
【請求項4】
第1の硬化性樹脂材料を被処理基板に塗布して、前記第1の硬化性樹脂材料が塗布された被処理基板にテンプレートに作成された半導体集積回路のパターンを転写するインプリント装置であって、
1回の転写によりパターンが形成される領域のうちの外周部のうちの少なくとも一部に前記第1の硬化性樹脂材料よりも離型性が高い第2の硬化性樹脂材料を塗布する、
ことを特徴とするインプリント装置。
【請求項5】
1回の転写により形成されるパターン群の偏向方向を求め、前記外周部のうちの前記求めた偏向方向に直交する辺に接する領域を前記第2の硬化性樹脂材料を塗布する領域に決定する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のインプリント装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記1回の転写により形成されるパターン群が含むパターンのX成分の合計とY成分の合計とを求め、合計の値が多い方向を偏向方向とする、
ことを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。
【図1−1】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−114158(P2012−114158A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260294(P2010−260294)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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