説明

インモールドラベル容器の製造装置

【課題】 ラベルを金型に挿入して射出成形するインモールドラベル容器の製造装置に関し、薄いラベル材料であっても金型内における正確な位置決めを可能とする。
【解決手段】 ラベル61aが複数印刷されたロール状のラベル用材料6aを打抜形成部4aへ供給すると共にラベル61aの図柄に合わせて打抜形成し、該打抜形成したラベル61aを疑似コア3aで保持した後、該疑似コア3aでラベル61aを金型のキャビティ21aに挿入貼着してから金型のコア22aをキャビティ21aに挿入して射出成形するようにしたインモールドラベル容器の製造装置1aにおいて、打抜形成したラベル61aを打抜形成部4aにおいて疑似コア3aに貼着させるラベル貼着機構5aを備え、ラベル61aの打抜形成とラベル貼着機構5aによる疑似コア3aへの貼着とを打抜形成部4aにおいて並行するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを金型に挿入して射出成形するインモールドラベル容器の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックの容器等を射出成形する段階で、フィルム或いは紙、或いは合成紙で形成したラベルを同時に巻き付けて容器を製造するインモールドラベル容器の製造装置において、一般的にはこのような製造装置をIML装置やラベルインサート装置、またはインモールドラベル装置等と呼ばれ、また、これらの装置によって作成された容器類をIML容器やラベルインサート容器、またはインモールドラベル容器と呼ばれている。(明細書では、製造装置を「インモールドラベル容器製造装置」、容器を「インモールドラベル容器」とする。)
【0003】
このような現行のインモールドラベル容器製造装置における製造について、まず、ラベル用材料から打抜形成されたラベルをラック或いはマガジンに積み重ねておき、次いでこれを一枚ずつ掴む、または吸引すると共に金型内に貼着させ、その後、金型を閉じる時にラベルの縁が押されてラベルが最終的に金型内の正確な位置に納まるようにし、最後に成形樹脂を注入するという工程を踏んでいる。
【0004】
また、このようなインモールドラベル容器を比較的薄肉で形成する場合は、その容器及びラベルの各材料における収縮量率の異差が変形を招くため、比較的薄いラベル材料を使用することが望ましいとされている。
【0005】
例えば、図23に示すものは、この種における従来の「ラベル付き容器を製造する方法と装置」であるが、事前に形成されるラベル100が平坦に積層して縦側壁14及び底部壁15でなるマガジンに保管され、該ラベル100がマガジンから吸引カップ19により抽出されて金型に挿入するように構成している。また、ラベル100は、50ミクロン以下の厚さのものを使用したものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−521456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような比較的薄いラベル材料をインモールドラベル容器に使用する場合、材料の腰がないため、金型を閉じてその縁が押し出される時に、容易にその縁が折れ曲がってしまい、金型内における正確な位置決めを行うことが出来なかった。
【0008】
また、これを解消すべく、疑似コア等にラベルを受け渡す機構によって一旦これを疑似コアに保持させてから金型内に該疑似コアを挿入して金型のコアに貼着させる方法も考えられるが、疑似コアにラベルを受け渡す機構を介設することによる微少な位置ずれが生じ、厳密にも金型内におけるラベルの貼着位置に影響を与えるとの問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を解消する為に成されたものであり、薄いラベル材料であってもラベルの金型内における正確な位置決めを可能とした、インモールドラベル容器製造装置を提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、ラベルが複数印刷されたロール状のラベル用材料を打抜形成部へ供給すると共にラベルの図柄に合わせて打抜形成し、該打抜形成したラベルを疑似コアで保持した後、該疑似コアでラベルを金型のキャビティに挿入貼着してから金型のコアをキャビティに挿入して射出成形するようにしたインモールドラベル容器の製造装置において、打抜形成したラベルを打抜形成部において疑似コアに貼着させるラベル貼着機構を備え、ラベルの打抜形成とラベル貼着機構による疑似コアへの貼着とを打抜形成部において並行するようにしたものとしている。
【0011】
また、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、前記疑似コアと組み合う疑似キャビティと、該疑似キャビティの内部において出没可能であると共にラベルを疑似コア側へ押接するための出没押接部材とを備え、打抜形成したラベルを疑似コアと出没押接部材との間に挟持すると共に、疑似コア及び出没押圧部材を疑似キャビティに挿入して、疑似コア外周部にラベルを貼着するようにしたものとしている。
【0012】
さらに、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを疑似コアの側面へ貼着させる側面貼着部材とを備えたものとしている。
【0013】
また、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記疑似コア及び前記ラベル貼着機構を一体化したものとして、打抜形成した前記ラベルを疑似コアのラベル対向面へ貼着する対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを貼着しつつ回動する側面貼着部材とで構成したものであって、対向面貼着部材及び側面貼着部材にラベルを貼着すると共に、側面貼着部材をラベルと反対側へ回動させて疑似コアの形状を形成するようにしている。
【0014】
さらにまた、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、ラベルを疑似コアの側面へ貼着させながら移動するローラーを備えた側面貼着部材とを備えたものとしている。
【発明の効果】
【0015】
すなわち、本発明は、打抜形成したラベルを打抜形成部において疑似コアに貼着させるラベル貼着機構を備え、ラベルの打抜形成とラベル貼着機構による疑似コアへの貼着とを打抜形成部において並行するようにしたものとしているため、打抜形成されたラベルが直接且つ瞬時に疑似コアへ貼着されて、金型内におけるラベルの位置が正確に決定保持されることになるので、薄いラベル材料であっても金型内における正確な位置決めを行うことができる。また、打抜形成部と疑似コアとの間にラベルを受け渡す機構等を介設する場合に生じるラベルの微少なずれを回避できるし、その分、製造工程の短縮化及び費用節減を図れる。
【0016】
また、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、前記疑似コアと組み合う疑似キャビティと、該疑似キャビティの内部において出没可能であると共にラベルを疑似コア側へ押接するための出没押接部材とを備え、打抜形成したラベルを疑似コアと出没押接部材との間に挟持すると共に、疑似コア及び出没押圧部材を疑似キャビティに挿入して、疑似コア外周部にラベルを貼着するようにしたものとしているため、薄いラベル材料であってもよれたりすることなく、確実に疑似コアに貼着することができる。
【0017】
さらに、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを疑似コアの側面へ貼着させる側面貼着部材とを備えたものとしているため、前記疑似コアを前記疑似キャビティに挿入する場合に生じるラベルと疑似キャビティとの摩擦の問題はなく、ラベル表面を綺麗な状態に保ちながら疑似コアに貼着できる。
【0018】
また、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記疑似コア及び前記ラベル貼着機構を一体化したものとして、打抜形成した前記ラベルを疑似コアのラベル対向面へ貼着する対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを貼着しつつ回動する側面貼着部材とで構成したものであって、対向面貼着部材及び側面貼着部材にラベルを貼着すると共に、側面貼着部材をラベルと反対側へ回動させて疑似コアの形状を形成するようにしているため、疑似コアと前記ラベル貼着機構との一体化により構成の簡素化を図れるし、また、対向面貼着部材から側面貼着部材が回動する際、それより外側に位置するラベルはわずかながら張力が発生して、しわ等が延びてラベルの美感を保ちながら疑似コアに貼着できる。
【0019】
さらにまた、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、ラベルを疑似コアの側面へ貼着させながら移動するローラーを備えた側面貼着部材とを備えたものとしているため、該ローラーがラベル表面を抑えながらこれを順次貼着でき、ラベルにおけるしわの発生を極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明における、インモールドラベル容器の製造装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明における、インモールドラベル容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明における、インモールドラベル容器の容器体の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明における、インモールドラベル容器のラベルの一実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明における、金型のキャビティにラベルを挿入する一実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明における、金型のキャビティにコアを挿入する一実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明における、成形されたインモールドラベル容器を運搬機構の吸着部で取り上げる一実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明における、打抜形成部の構造の一実施形態を示す分解説明図である。
【図9】本発明における、疑似キャビティを設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図10】本発明における、疑似キャビティを設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図11】本発明における、疑似キャビティを設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図12】本発明における、疑似キャビティを設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図13】本発明における、疑似キャビティを設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図14】本発明における、対向面貼着部材及び側面貼着部材からなるラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図15】本発明における、対向面貼着部材及び側面貼着部材からなるラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図16】本発明における、対向面貼着部材及び側面貼着部材からなるラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図17】本発明における、疑似コア及びラベル貼着機構を一体化させた一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図18】本発明における、疑似コア及びラベル貼着機構を一体化させた一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図19】本発明における、疑似コア及びラベル貼着機構を一体化させた一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図20】本発明における、ローラーを側面貼着部材に設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図21】本発明における、ローラーを側面貼着部材に設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図22】本発明における、ローラーを側面貼着部材に設けたラベル貼着機構の一実施形態を示す部分断面説明図である。
【図23】従来技術を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明のインモールドラベル容器製造装置を、図面に示す一実施形態に基づきこれを詳細に説明する。
【0022】
すなわち、図1に示すように、本発明のインモールドラベル容器の製造装置は、ラベル61aが複数印刷されたロール状のラベル用材料6aを打抜形成部4aへ供給すると共にラベル61aの図柄に合わせて打抜形成し、該打抜形成したラベル61aを疑似コア3aで保持した後、該疑似コア3aでラベル61aを金型のキャビティ21aに挿入貼着してから金型のコア22aをキャビティ21aに挿入して射出成形し、インモールドラベル容器7a(図2に示す)を製造するインモールドラベル容器製造装置1aである。尚、図1の実施形態は、図2及び図3に示すインモールドラベル容器7aの収容物(図示せず)を入れるための容器体71aの製造を示している。
【0023】
前記インモールドラベル容器7aは、図2では前記容器体71aと、該容器体71aの蓋である蓋体72aとからなる略六面体の形状のものを示しているが、これに限らず、例えば多面体のものや湾曲面を形成するものなどであってもよい。
【0024】
前記インモールドラベル容器7aの形状に応じて、前記ラベル61aの形状は決定されるが、インモールドラベル容器7aの形状が前記のような略六面体であり、且つ前記容器体71aの外側全面にラベリングする場合、図4に示すようにラベル61aは略十字型として前記打抜形成部4aにて打抜形成される。
【0025】
前記ラベル61aの材料となる前記ロール状のラベル用材料6aについて、特に限定しないが、例えばフィルム或いは紙、或いは合成紙などを適用できる。
【0026】
前記打抜形成部4aについて、図8に示すように、基台41aの中央上部において進退歯用駆動部44aにより上下に進退する進退歯部42aを設けると共に、該進退歯部42aの上部に固定歯部43aを設けている。
【0027】
前記進退歯用駆動部44aについて、図示しないが、例えば駆動モータの動力で進退軸を進退させるよう構成するシリンダーまたはアクチュエーター等を適用できる。
【0028】
このような前記打抜形成部4aにおいて、前記ラベル用材料6aを前記進退歯部42aと前記固定歯部43aとの間に供給するようにし、進退歯部42aを上方へ進出させてラベル用材料6aを固定歯部43aに押しつけながら、前記ラベル61aを打ち抜くようにしている。尚、図示しないがこのラベル用材料6aの供給について、該ラベル用材料6aに印刷された前記ラベル61aの図柄に応じて打ち抜かれるようにするため、その供給量を位置センサー等を備えた電子制御手段で制御する。
【0029】
次に、本発明のインモールドラベル容器製造装置1aにおける、前記インモールドラベル容器7aの製造工程について説明する。
【0030】
まず、図1に示すように、前記ロール状のラベル用材料6aを前記打抜形成部4aへ供給する。
【0031】
次いで、前記打抜形成部4aで打ち抜かれて形成した前記ラベル61a・61aは、前記疑似コア3a・3aへ貼着される。
【0032】
その後、図1に示す運搬機構8aにより前記各ラベル61aを貼着した前記各疑似コア3aは射出成形部2aに運搬され、次いで、図5に示すように金型の前記各キャビティ21aに各疑似コア3aを挿入して、各ラベル61aが各キャビティ21aに貼着されるようにしてから各疑似コア3aを各キャビティ21aから退出させる。
【0033】
次に、図6に示すように、前記各ラベル61aが貼着された前記各キャビティ21aと前記各コア22aが合体し、射出成形を実施して前記容器体71a・71aを形成する。
【0034】
射出成形後、前記各キャビティ21aと前記各コア22aは離間し、図7に示すように各コア22a側に着する前記各容器体71aを、前記各疑似コア3aと反対側に設けた吸着部81a・81aで吸着して各コア22aから取り外し、次いで、運搬機構8aは射出成形部2aから退出する。尚、各吸着部81aは、エア吸気装置(図示せず)による吸引力で吸着を可能としている。
【0035】
最後に、図1に示す吸着運搬アーム9aで、前記運搬機構8aにより運搬されてきた前記各容器体71aを吸着運搬して所定の場所に積重安置し、一連の製造工程を完了する。
【0036】
次に、前記打抜形成部4aにおいて、打抜形成した前記ラベル61aを前記疑似コア3aに貼着させるためのラベル貼着機構5a乃至5dについて以下に説明する。このラベル貼着機構5a乃至5dにおける主な特徴は、ラベル61aの打抜形成と該ラベル貼着機構による疑似コアへの貼着とを打抜形成部4aにおいて並行するようにして、打抜形成されたラベルが直接且つ瞬時に疑似コアへ貼着されて、金型内におけるラベルの位置が正確に決定保持される点にある。
【0037】
まず、前記ラベル貼着機構5aについて説明するが、該ラベル貼着機構5aは、図9乃至図13に示すように、前記疑似コア3aと組み合う疑似キャビティ51aと、該疑似キャビティ51aの内部において出没可能であると共にラベル61aを疑似コア3a側へ押接するための出没押接部材52aとを備え、打抜形成したラベル61aを疑似コア3aと出没押接部材52aとの間に挟持すると共に、疑似コア3a及び出没押圧部材52aを疑似キャビティ51aに挿入して、疑似コア3aの外周部にラベル61aを貼着するように構成している。
【0038】
また、前記疑似コア3aにおける前記ラベル61aの対向面及び側周面、及び前記疑似キャビティ51aにおけるラベル61aの対向面、並びに前記出没押接部材52aにおけるラベル61aの対向面には、前記エア吸気装置(図示せず)によってラベル61aを吸着するため吸着部(図示せず)をそれぞれ適所に設けている。
【0039】
図9に示すように、まず前記ラベル用材料6aは、前記進退歯部42aと前記固定歯部43aとの間に供給されているが、図10及び図11に示すように、進退歯部42aが固定歯部43aに押しつけられて、ラベル61aを打ち抜くと共に、前記疑似キャビティ51a及び前記出没押接部材52aは、前記疑似コア3a側へ移動して、ラベル61aを前記各吸着部により吸着しつつ、疑似コア3aに当接させる。
【0040】
次いで、前記疑似コア3aに設けた前記吸着部により前記ラベル61aを疑似コア3aにおけるラベル61aの対向面に吸着させながら、図12及び図13に示すように、疑似コア3aは、前記出没押圧部材52aを押しつつ、前記疑似キャビティ51aへ挿入させることで、疑似コア3aの外周部にラベル61aが貼着される。
【0041】
尚、前記出没押圧部材52aは、押しバネ53aにより、前記ラベル61a側へ付勢されているので、前記疑似コア3aが前記疑似キャビティ51aから退出する際、追従して図9に示す位置に戻ることになる。
【0042】
次に、前記疑似キャビティ51aを使用しない他の形態のラベル貼着機構5bを、図14乃至図16に示すことにする。すなわち、該ラベル貼着機構5bとして、打抜形成した前記ラベル61aを前記疑似コア3aのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材54aと、該対向面貼着部材54aに回動可能に連結して該ラベル61aを疑似コア3aの側面へ貼着させる側面貼着部材55aとを備えたものとしている。
【0043】
前記対向面貼着部材54aと前記側面貼着部材55aとの間には、回動部56aを介設しているが、これらの部材は前記疑似コア3aの形状に準じて構成される。図中の疑似コア3aの場合、対向面貼着部材54aを略矩形状とし、その4つの各辺に各回動部56aを介して4つの各側面貼着部材55aを設けている。
【0044】
また、前記側面貼着部材55aの回動は、図14に示すようにアクチュエーター等の側面貼着部材用駆動部57aを駆動源としている。
【0045】
さらに、前記疑似コア3aにおける前記ラベル61aの対向面及び側周面、及び前記対向面貼着部材54aと前記側面貼着部材55aとには、それぞれ前記エア吸気装置(図示せず)によってラベル61aを吸着するため吸着部(図示せず)をそれぞれ適所に設けている。
【0046】
図14に示すように、まず前記ラベル用材料6aは、前記進退歯部42aと前記固定歯部43aとの間に供給されているが、図15に示すように、進退歯部42aが固定歯部43aに押しつけられて、ラベル61aを打ち抜くと共に、前記疑似コア3aと対向面貼着部材54aとで打ち抜かれたラベル61aを挟持しつつ前記各吸着部による吸着固定がなされる。
【0047】
同時に、図16に示すように、前記側面貼着部材用駆動部57aによる駆動で、前記各側面貼着部材55aは、前記疑似コア3aの各側面に向かって回動し、ラベル61aが疑似コア3aの側周面に貼着されることになる。
【0048】
尚、前記ラベル61aの打ち抜き時に、まず前記対向面貼着部材54aに該ラベル61aを吸着させた後、該対向面貼着部材54aを前記疑似コア3aに向かって移動させ、該疑似コア3aにラベル61aを当接吸着させてもよい。
【0049】
次に、図17乃至図19において、疑似コアと一体化したラベル貼着機構5cについて説明する。すなわち、疑似コア3b及びラベル貼着機構5cを一体化したものとして、打抜形成した前記ラベル61aを疑似コア3bのラベル対向面へ貼着する対向面貼着部材54bと、該対向面貼着部材54bに回動可能に連結して該ラベル61aを貼着しつつ回動する側面貼着部材55bとで構成し、対向面貼着部材54b及び側面貼着部材55bにラベル61aを貼着すると共に、側面貼着部材55bをラベル61aと反対側へ回動させて疑似コア3bの形状を形成するようにしたものとしている。
【0050】
前記対向面貼着部材54bと前記側面貼着部材55bとの間には、回動部56bを介設しているが、これらの部材は前記疑似コア3bの形状に準じて構成される。図中の疑似コア3bの場合、対向面貼着部材54bを略矩形状とし、その4つの各辺に各回動部56bを介して4つの各側面貼着部材55bを設けている。
【0051】
また、前記側面貼着部材55bの回動は、図17に示すようにアクチュエーター等の側面貼着部材用駆動部57bを駆動源としている。
【0052】
さらに、前記疑似コア3bにおける前記ラベル61aの対向面及び側周面となる前記対向面貼着部材54bと前記側面貼着部材55bとには、それぞれ前記エア吸気装置(図示せず)によってラベル61aを吸着するため吸着部(図示せず)をそれぞれ適所に設けている。
【0053】
図17に示すように、まず前記ラベル用材料6aは、前記進退歯部42aと前記固定歯部43aとの間に供給されているが、図18に示すように、進退歯部42aが固定歯部43aに押しつけられて、ラベル61aを打ち抜くと共に、前記疑似コア3bの前記対向面貼着部材54b及び前記側面貼着部材55bは、前記各吸着部によりラベル61aを吸着固定する。
【0054】
同時に、図19に示すように、前記側面貼着部材用駆動部57bによる駆動で、前記各側面貼着部材55bは、前記ラベル61aと反対側へ回動して前記疑似コア3bの形状を形成し、こうしてラベル61aは疑似コア3bの周部に貼着された状態となる。
【0055】
尚、前記疑似コア3bへの前記ラベル61aの吸着について、図示しないが、打ち抜かれたラベル61aを疑似コア3bへ移動させてこれに吸着させるラベル移動手段を設けてもよい。
【0056】
次に、図20乃至図22に示すような他の形態のラベル貼着機構5dを示すことにする。すなわち、該ラベル貼着機構5dにおいて、打抜形成した前記ラベル61aを前記疑似コア3aのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材54cと、ラベル61aを疑似コア3aの側面へ貼着させながら移動するローラー551cを備えた側面貼着部材55cとを備えたものとしている。
【0057】
また、前記疑似コア3aにおける前記ラベル61aの対向面及び側周面、及び前記対向面貼着部材54cには、それぞれ前記エア吸気装置(図示せず)によってラベル61aを吸着するため吸着部(図示せず)をそれぞれ適所に設けている。
【0058】
前記対向面貼着部材54cは、基台541cを介して前記進退歯部42aに固設され、その進退に追従するようにしている。
【0059】
また、前記ローラー551cは、枠台552cに固設され、該枠台552cが前記基台541cから前記疑似コア3aへ移動できるように、アクチュエーター等の枠台用駆動部553cを設けている。尚、該ローラー551cは、前記ラベル61aに対して常時圧接状態を保持するように、バネ(図示せず)等により前記ラベル61aへ付勢されている。
【0060】
さらに、前記ローラー551cの設置形態については、前記疑似コア3aの形状に準じるが、図中の場合は疑似コア3aに対応して、前記対向面貼着部材54cを略矩形状とし、またその4つの各辺付近に各ローラー551cを配設している。
【0061】
図20に示すように、まず前記ラベル用材料6aは、前記進退歯部42aと前記固定歯部43aとの間に供給されているが、図21に示すように、進退歯部42aが固定歯部43aに押しつけられて、ラベル61aを打ち抜くと共に、前記疑似コア3aと対向面貼着部材54cとで打ち抜かれたラベル61aを挟持しつつ前記各吸着部による吸着固定がなされる。
【0062】
同時に、図21及び図22に示すように、前記枠台用駆動部553cによる駆動で、前記枠台552cが前記基台541cから前記疑似コア3aへ移動し、前記各ローラー551cは、疑似コア3aへの一定の付勢力を保持しつつラベル61aを順次貼着していくことになる。
【0063】
尚、前記対向面貼着部材54cを前記疑似コア3a方向において移動可能に構成してもよく、前記ラベル61aの打ち抜き時に、まず前記対向面貼着部材54cがラベル61aを吸着した後、該対向面貼着部材54cを前記疑似コア3aに向かって移動させ、該疑似コア3aにラベル61aを当接吸着させてもよい。
【0064】
本発明は、上記のように前記ラベル貼着機構5a乃至5dを適用したインモールドラベル容器の製造装置としたので、前記ラベル61aを樹脂フィルムとした場合、その厚さが40ミクロン以下であっても本発明において採用することが可能となり、こうして薄いラベル材料であっても金型内における正確な位置決めを行うことができるのである。
【符号の説明】
【0065】
1a インモールドラベル容器製造装置
2a 射出成形部
21a キャビティ
22a コア
3a、3b 疑似コア
4a 打抜形成部
41a 基台
42a 進退歯部
43a 固定歯部
44a 進退歯用駆動部
5a〜5d ラベル貼着機構
51a 疑似キャビティ
52a 出没押接部材
53a 押しバネ
54a〜54c 対向面貼着部材
541c 基台
55a〜55c 側面貼着部材
551c ローラー
552c 枠台
553c 枠台用駆動部
56a、56b 回動部
57a、57b 側面貼着部材用駆動部
6a ラベル用材料
61a ラベル
7a インモールドラベル容器
71a 容器体
72a 蓋体
8a 運搬機構
81a 吸着部
9a 吸着運搬アーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが複数印刷されたロール状のラベル用材料を打抜形成部へ供給すると共にラベルの図柄に合わせて打抜形成し、該打抜形成したラベルを疑似コアで保持した後、該疑似コアでラベルを金型のキャビティに挿入貼着してから金型のコアをキャビティに挿入して射出成形するようにしたインモールドラベル容器の製造装置において、打抜形成したラベルを打抜形成部において疑似コアに貼着させるラベル貼着機構を備え、ラベルの打抜形成とラベル貼着機構による疑似コアへの貼着とを打抜形成部において並行するようにしたことを特徴とするインモールドラベル容器の製造装置。
【請求項2】
前記ラベル貼着機構において、前記疑似コアと組み合う疑似キャビティと、該疑似キャビティの内部において出没可能であると共にラベルを疑似コア側へ押接するための出没押接部材とを備え、打抜形成したラベルを疑似コアと出没押接部材との間に挟持すると共に、疑似コア及び出没押圧部材を疑似キャビティに挿入して、疑似コア外周部にラベルを貼着するようにしたことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器の製造装置。
【請求項3】
前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを疑似コアの側面へ貼着させる側面貼着部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器の製造装置。
【請求項4】
前記疑似コア及び前記ラベル貼着機構を一体化したものとして、打抜形成した前記ラベルを疑似コアのラベル対向面へ貼着する対向面貼着部材と、該対向面貼着部材に回動可能に連結して該ラベルを貼着しつつ回動する側面貼着部材とで構成したものであって、対向面貼着部材及び側面貼着部材にラベルを貼着すると共に、側面貼着部材をラベルと反対側へ回動させて疑似コアの形状を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器の製造装置。
【請求項5】
前記ラベル貼着機構において、打抜形成した前記ラベルを前記疑似コアのラベル対向面へ貼着させる対向面貼着部材と、ラベルを疑似コアの側面へ貼着させながら移動するローラーを備えた側面貼着部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−253810(P2010−253810A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106768(P2009−106768)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(300045891)サンプラスチックス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】