説明

インモールド用ICタグラベル

【課題】インモールド成形時の溶融樹脂の高温や高圧に対してICインレットのICチップがダメージを受けないICタグラベル及びICタグラベル付き樹脂成形物品を提供する。
【解決手段】電子的情報が格納されたICチップ14と、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材12と、を含むICインレット3と、ICインレットが載置される通気性基材10と、ICインレットの載置された通気性基材上を覆う熱可塑性樹脂フィルム16と、熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品等に関する電子的な情報が格納されたICインレットを含むインモールド用ICタグラベル、及び、当該ICタグラベルが溶融樹脂とともにインモールド成形されたICタグラベル付き樹脂成形物品に関する。
【背景技術】
【0002】
ICインレットのインモールド成形とは、ICインレットを樹脂成形用の金型の中にセットした状態で溶融樹脂を射出注入して樹脂成形物品とICインレットとを一体成形するものである。インモールド成形時には、ICインレットが高温・高圧の溶融樹脂に曝されるために、ICインレットが溶融樹脂の高温や高圧に耐えることが要求される。
【0003】
樹脂被覆層の中にICインレットを埋入した状態でインモールド成形して食器類を作製すること(例えば、特許文献1を参照)、あるいは溶融樹脂に接する側のICインレットの面に保護層を設けて溶融樹脂との直接的な接触を回避するようにしたICタグ(例えば、特許文献2を参照)が提案されている。
【0004】
いずれの従来技術においても、樹脂被覆層や保護層と言いながらも、実際には過剰と言えるくらいにICインレットを堅固に保護する構成となっており、樹脂被覆層や保護層といった被覆部材が相当な肉厚を有しているので、得られるICタグラベルも相当な肉厚を有するものになっている。
【0005】
さらに、上記先行技術においては、樹脂被覆層や保護層といった被覆部材によってICインレットが密封状態で埋入されているが、いくらかの空気が被覆部材とICインレットとの間隙に残存している。さらにまた、被覆部材自身にもいくらかの空気を含有している。インモールド成形時に高温の溶融樹脂が被覆部材に接することによって、間隙に残存している空気及び/又は被覆部材自身が含有している空気が膨張して被覆部材がいわゆる火ぶくれ状態になり、最悪の場合、溶融樹脂が被覆部材を破壊してICタグラベル内部にまで侵入してしまう可能性がある。
【0006】
本願の発明者は、インモールド用ICタグラベルの構成を鋭意検討した結果、インモールド成形時の溶融樹脂の高温や高圧に抗してICインレットのICチップが耐熱性を備えるためにこれまで必須と考えられてきた分厚くて堅固な被覆部材でICインレットを覆うことを行わなくとも、ICインレットを十分に熱的に保護することができるという結論に達したのである。
【0007】
【特許文献1】特開平08−56799号公報
【特許文献2】特開2005−332116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、インモールド成形時の溶融樹脂の高温や高圧に対してICインレットのICチップがダメージを受けないICタグラベル及びICタグラベル付き樹脂成形物品を提供することである。
【課題を解決するための手段及びその作用と効果】
【0009】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係るICタグラベル及びICタグラベル付き樹脂成形物品は、以下の特徴を有する。
【0010】
すなわち、本発明に係るICタグラベルは、
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される通気性基材と、
ICインレットの載置された通気性基材上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持されていることを特徴とする。
【0011】
これまで、インモールド成形時の高温・高圧の溶融樹脂がICタグラベルと接触することによる熱的ダメージが問題視されてきた。しかしながら、本願発明者は、ICタグラベルが高温・高圧の溶融樹脂に曝されることが極めて瞬間的なことであるので、熱可塑性樹脂フィルムが介在することでICタグラベルでの熱伝導においてタイムラグが生じる(すなわち、溶融樹脂からの外熱がICタグラベルのICチップに対して瞬時には伝わらない)ために、ICインレットのICチップへの熱的ダメージが想定したものよりも小さいことを見出した。このようなタイムラグのある熱的ダメージよりも、ICインレットが密封状態で埋入されたICタグラベルでは、ICタグラベルが高温・高圧の溶融樹脂に短時間でも曝されることで、ICタグラベルの被覆部材に含まれる空気が瞬間的に膨張することで被覆部材がいわゆる火ぶくれ状態になることがICタグラベルの耐熱性に極めて重大な影響を及ぼしていることを見出した。被覆部材がいわゆる火ぶくれ状態になることは、被覆部材の肉厚が薄くなってしまうことを意味している。そして、被覆部材の薄肉化は、外からの熱が伝わりやすくなること、被覆部材が破損しやすくなることを意味している。
【0012】
上記構成のICタグラベルによれば、ICインレットが熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持されていることで、インモールド成形時の高温・高圧の溶融樹脂がICタグラベルと接触したとき、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間隙に残存している空気が膨張しても、残存している空気が通気性基材から脱気されるので、熱可塑性樹脂フィルムがいわゆる火ぶくれ状態になることが防止される。
【0013】
また、本発明に係るICタグラベルは、
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される載置用サイトと、該載置用サイトに隣接して大略同じ形状をしているダミー用サイトと、を有する通気性基材と、
載置用サイト及びダミー用サイトの上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持された予備加工体を作製し、
通気性基材の載置用サイト及びダミー用サイトの境界に対してICチップの非載置側から切込線を入れて、当該切込線を基準にして予備加工体が折り返されたあと、接着層を介して熱可塑性樹脂フィルム同士が接着固定されることを特徴とする。
【0014】
上記構成のICタグラベルによれば、予備加工体が二つ折り(いわゆる谷折り)にされていて、ICチップが通気性基材でサンドイッチされた構造になっている。このような構成によれば、通気性基材も溶融樹脂からの熱が熱可塑性樹脂フィルムを介してICインレットのICチップに伝わることをブロックする機能を発揮する。インモールド成形時の高温・高圧の溶融樹脂が熱可塑性樹脂フィルムに直接的に接触しないので、ICインレットのICチップがダメージを受けることを防御する効果がより大きい。
【0015】
また、本発明に係るICタグラベルは、
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される載置用サイトと、該載置用サイトに隣接して該載置用サイトと大略同じ形状をしているダミー用サイトと、を有する通気性基材と、
載置用サイト及びダミー用サイトの上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持された予備加工体を作製し、
通気性基材の載置用サイト及びダミー用サイトの境界に対してICチップの載置側から切込線を入れて、当該切込線を基準にして予備加工体が折り返されたあと、接着層を介して通気性基材同士が接着固定されることを特徴とする。
【0016】
上記構成のICタグラベルによれば、予備加工体が二つ折り(いわゆる山折り)にされていて、通気性基材同士が接触して、一面がICチップの載置面であり、他面が印刷等による表示面として使用される。特に、後述するように、ICチップの非載置側から通気性基材を真空脱気することによりICインレットを通気性基材に密着固定する場合、載置用サイト側の非載置面(他面)においては、通気のためのミシン目又は通気孔が露出して審美性が損なわれる。これに対して、ダミー用サイト側の面は、通気のためのミシン目又は通気孔を必要としないので、審美性を備えた面とすることができる。
【0017】
上述した構成において、ICチップの非載置側から通気性基材を真空脱気することにより、熱軟化した熱可塑性樹脂フィルムが伸展され、ICインレットが通気性基材に密着固定されることが好適である。
【0018】
上記密着固定方法は、いわゆるスキンパック方式と呼ばれるものである。様々な形状のICインレットにフレキシブルに対応することができるとともに、熱可塑性樹脂フィルムがICインレットに密着することで、熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材とICインレットとの間隙に残存する空気を大幅に低減させることができる。たとえ若干の空気が残存していたとしても、それらは通気性基材から脱気することができ、熱可塑性樹脂フィルムがいわゆる火ぶくれ状態になることが防止される。
【0019】
上述した構成において、熱可塑性樹脂フィルムがICインレットを収容する凹部を有するように熱可塑性樹脂フィルムを予め成形し、ICインレットが凹部に収容されるようにすることもできる。
【0020】
上記固定方法は、いわゆるブリスターパック方式と呼ばれるものである。熱可塑性樹脂フィルムに凹部を形成するための金型が必要となるが、同じ形状のICインレットを多量にインモールド成形処理する場合には好都合である。なお、スキンパック方式のものと比較して、熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材とICインレットとの間には多めの隙間ができるために、より多くの空気が残存する。しかしながら、そのような空気は、通気性基材から脱気することができるので、特には問題とならない。
【0021】
通気性基材は、台紙、不織布、布織物又は樹脂シートの中から選択される。
【0022】
通気性基材自身が通気性を有していてもその通気性が十分ではない場合、あるいは、通気性基材それ自身が通気性を有していない場合には、通気性基材にミシン目又は通気孔が設けられる。
【0023】
嵌合構造やステープル止めや熔着で熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定することも可能であるが、審美性や固定の行い易さの観点から、固定部材は、熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材の周縁部に設けられたヒートシール材であることが好適である。
【0024】
好ましくは、ラベルとしての表示特性を付与するために、通気性基材のICチップの非載置側の面に表示部が設けられる。
【0025】
本発明によれば、上述したICタグラベルが樹脂成形物品内に一体的に成形されているICタグラベル付き樹脂成形物品が提供される。
【0026】
ICタグラベルと樹脂成形物品との間での十分な密着性を高めるために、ICタグラベルの熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材と樹脂成形物品とが、実質的に同じ材質である。
【0027】
ICタグラベルと樹脂成形物品との間での十分な密着性を確保するために、ICタグラベルの通気性基材と樹脂成形物品とが、異質な材質である場合には、通気性基材の側に、樹脂成形物品と実質的に同じ材質からなる保護シートが配設される。
【0028】
保護シートと樹脂成形物品との間でのより大きな接合面積を確保するために、保護シートは、ICタグラベルよりも大きめに寸法構成されている。
【0029】
ICタグラベルがラベルとしての表示特性を発揮するために、ICタグラベルが通気性基材のICチップの非載置側に表示部を有するとともに樹脂成形物品及び/又は保護シートが透光性を有する材料から構成され、ICタグラベルの表示部が外面の方を向くように、ICタグラベルが配設されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明の第一実施形態に係るICタグラベル1を、図1を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明に係るICタグラベル1は、ICチップ14を含むICインレット3が通気性基材10上に載置されているとともに、スキンパック方式によりICインレット3が熱可塑性樹脂フィルム16で被覆・固定された構成をしている。
【0032】
ICチップ14には、折りたたみ式コンテナやクレート(crate)と呼ばれる輸送用容器(いわゆる、通い箱)、調達物流のかんばんシステムで使用される通い箱等の樹脂成形容器に収納される収納対象物品に関する電子的な情報、あるいはタグとして物品(例えば制服等)に取り付けられたり、筐体や物品内部に埋入されたりして物品に関する電子的な情報が格納されている。それらの電子的な情報は、例えば、製造者特定情報、使用者特定情報、生産管理情報、品番情報、製品特性情報等、材質情報あるいは配送先情報等である。このようなICチップ14は、半導体集積回路であるICチップ又はさらに集積度のアップしたLSIチップである。
【0033】
アンテナ回路基材12は、柔軟性や可撓性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂材料、あるいは紙等から構成されている。
【0034】
シリコンチップからなるICチップ14が載置された、アンテナ回路基材12のおもて面の上には、不図示のアンテナパターンが形成されている。アンテナパターンの中心側電極端子のそれぞれに対して、ICチップ14の接続端子が電気的に接続されている。使用する電波の波長に応じて様々な形状を有するアンテナパターンを用いることができる。アンテナパターンは、従来から使用されている銅箔に近い導電性を持った導電性フィラーを含む低抵抗ペーストを用いて、印刷又は転写によって形成される。
【0035】
通気性基材10は、台紙、不織布、布織物又は樹脂シートの中から選択される材料から構成される。そして、通気性基材10は、熱可塑性樹脂フィルム16の熱収縮によって、反りが発生しない程度の厚みと腰を備えている。通気性基材10として使用される台紙は、紙の中に含まれる水分が急激に蒸散して火ぶくれが起こらないように十分に乾燥した紙であるか、合成紙が好ましい。このような合成紙としては、ポリプロピレン樹脂に添加物を加えて、二軸延伸フィルム法によって形成されるユポ(株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標)を例示することができる。使用する合成紙(ユポ)は、200g/m程度のものが好適である。なお、合成紙(ユポ)それ自身は、通気性を有していないので、ミシン刃にあるいは、先端が尖った針状体による貫通した通気孔が設けられている。後述するように、インキ層18(表示部)が形成される場合、インキ層18(表示部)を避ける場所に、通気孔が設けられる。
【0036】
不織布は、繊維を熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事で布にしたものであり、それ自身がある程度の通気性を有している。繊維を撚って糸にしたものを織っている布織物も、それ自身がある程度の通気性を有している。しかしながら、不織布や布織物の通気性が不十分である場合には、上記と同様に、ミシン刃あるいは先端が尖った針状体による貫通した通気孔がそれらに設けられる。
【0037】
通気性基材10として樹脂シートが使用される場合、延伸処理された強靱な透明耐熱性シートが使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド樹脂、硬質な塩化ビニール等が使用可能である。樹脂シートそれ自身は、通気性を有していないので、上記と同様に、ミシン刃あるいは先端が尖った針状体による貫通した通気孔がそれらに設けられる。
【0038】
ところで、通気性基材10に要求される通気性とは、インモールド成形時の高温・高圧の溶融樹脂がICタグラベル1と接触する際に、ICタグラベル1に内包されていて溶融樹脂からの熱で膨張した空気は通気性基材10を通じて外部に脱出することができるものの、溶融樹脂は通気性基材10を通じて内部に入ってこないことを意味する。特に、スキンパック方式の場合には、通気性基材10の通気孔は、スキンパック時の真空吸引のためと、インモールド成形時の熱膨張した空気の脱気のためとにある。
【0039】
通気性基材10の通気孔は、インモールド成形に使用される溶融樹脂の粘性によって異なるが、具体的な一例として、100乃至500μmの貫通した通気孔がランダムにあるいは規則的に形成したものが例示される。より好ましくは、250乃至500μmの貫通した通気孔がランダムにあるいは規則的に形成したものが例示される。また、ミシン刃で、貫通した丸い孔や細長い孔や破線状の切り込みが形成される。ミシンピッチとして、切れ部分0.5mmとつなぎ部分0.5mm〜切れ部分1.0mmとつなぎ部分1.0mmが例示される。より好ましくは、切れ部分0.5mmとつなぎ部分0.5mm〜切れ部分0.6mmとつなぎ部分0.6mmが例示される。貫通した通気孔の断面は、ストレート形状とすることができる。内包された空気の脱気を容易にする一方で溶融樹脂の侵入を阻止するために、貫通した通気孔の断面が、ICチップ14の非載置側からICチップ14の載置側に向けて末広がりであるテーパー形状であることが好適である。このようなテーパー形状は、ICチップ14の載置側から穿孔することによって容易に形成される。
【0040】
熱可塑性樹脂フィルム16は、いわゆるスキンパックに適した各種熱可塑性樹脂フィルム、例えば、軟質塩化ビニールフィルム、アイオノマーフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン・アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・エチルアクリレートフィルム等が使用される。より具体的には、三井化学株式会社の商品名「ミラソン」という低密度ポリエチレンが使用される。その厚みは、例えば、100μmである。
【0041】
熱可塑性樹脂フィルム16及び/又は通気性基材10の周縁部には、固定部材としてのヒートシール材が塗工されている。ヒートシール材は、熱可塑性樹脂フィルム16の材質に応じて適宜選択されるが、例えば、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンあるいは溶剤タイプの接着剤である。
【0042】
通気性基材10上に形成された位置決めマーク(不図示)あるいは位置決め用ピン穴に合わせてICインレット3を載置し、予め加熱することで軟化させた熱可塑性樹脂フィルム16でICインレット3を覆うとともに、真空吸引装置を用いて通気性基材10の裏面(ICインレット3の載置側と反対側の面)から排気して、例えば600mmHgで真空脱気する。その結果、熱軟化した熱可塑性樹脂フィルム16がICインレット3の外形形状に密着した状態で、ICインレット3がパックされる。このとき、熱軟化した熱可塑性樹脂フィルム16の余熱で固定部材としてのヒートシール材が熱融着することで、熱可塑性樹脂フィルム16が通気性基材10に固着される。
【0043】
ラベルとしての表示特性をICタグラベル1に付与しようとする場合、スキンパック方式で熱可塑性樹脂フィルム16を通気性基材10に固定したあとに、このような通気性基材10の裏面(ICインレット3と反対側の面)に対して、印刷インキによって所望パターンのインキ層18(表示部)が形成される。インキ層18(表示部)には、ロゴマークや所有者表示やバーコード等が表示される。さらに、インキ層18(表示部)の上には、インキ層18(表示部)を保護するために、OP(オーバープリント)ニス引き(酸化重合型)による表面保護層22が形成される。
【0044】
次に、本発明の第二実施形態に係るICタグラベル1及びICタグラベル付き樹脂成形物品7を、図2及び3を参照しながら詳細に説明する。上述した第一実施形態のICタグラベル1との相違点を中心に説明する。
【0045】
通気性基材10の側に設けられた切込線25を基準にしてICタグラベル1の予備加工体5を二つに折り返して(すなわち谷折りに折り曲げて)、通気性基材10でICインレット3を挟み込むように、熱可塑性樹脂フィルム16同士を接合するようにしたことを特徴としている。
【0046】
所望とするICタグラベル1の外形寸法の大略二倍の大きさを有する予備加工体5を準備する。ここで、予備加工体5とは、第一実施形態と同じ方法で作成されたものであり、ICインレット3と通気性基材10と熱可塑性樹脂フィルム16とを備えて、スキンパック方式で、ICインレット3が熱可塑性樹脂フィルム16と通気性基材10との間で密着挟持されたものである。
【0047】
図2に示すように、予備加工体5は、左側に載置用サイト40を有するとともに、右側にダミー用サイト42を有する。左側の載置用サイト40にあるものは、第一実施形態で説明したものと実質的に同じである。予備加工体5を大略二等分するように切込線25を設けて、右側のダミー用サイト42が左側の載置用サイト40と同じ外形寸法であるように構成することもできるが、インレット成形時にICタグラベル1と樹脂成形物品30との間でのより大きな接合面積を確保するために、右側のダミー用サイト42は、左側の載置用サイト40よりも大きめに寸法構成されている。
【0048】
予備加工体5において通気性基材10の側から形成された切込線25は、通気性基材10の厚み方向に対して一部分あるいは全部に設けられる。また、熱可塑性樹脂フィルム16の表面にヒートシール材を予め塗工しておき、切込線25を基準にして予備加工体5を折り畳んだあとに、適温に加熱されたヒートシールバーを折り畳まれた予備加工体5に押し当てて、熱可塑性樹脂フィルム16同士を接着結合させることで、図3に示した二つ折りのICタグラベル1が作成される。ICインレット3のICチップ14が、折り畳まれた通気性基材10の間に挟持されているので、ICチップ14が通気性基材10でサンドイッチされた構造になっている。
【0049】
このような谷折りされたICタグラベル1をインモールド成形用金型の所定位置にセットしたあと、射出口から溶融樹脂が金型内部に射出注入される。射出成形に使用される樹脂は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)やABS等の汎用樹脂、ポリカーボネート(PC)やポリアミド(PA)等の汎用エンプラ、液晶ポリマー(LCD)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性に優れたスーパーエンプラである。溶融樹脂が硬化したICタグラベル付き樹脂成形物品7は、インモールド成形用金型から取り出される。ICタグラベル付き樹脂成形物品7は、図3に示すように、樹脂成形体30の内部に、谷折りされたICタグラベル1を含んだ構成をしている。
【0050】
谷折りされたICタグラベル1を含んだ樹脂成形物品7は、通気性基材10も溶融樹脂からの熱が熱可塑性樹脂フィルム16を介してICチップ14に伝わることをブロックする機能を発揮する。インモールド成形時の高温・高圧の溶融樹脂が熱可塑性樹脂フィルム16に直接的に接触しないので、ICインレット3がダメージを受けることをより効果的に回避することができる。
【0051】
また、予備加工体5の通気性基材10において、通気性基材10の裏面(ICインレット3と反対側の面)に対して、印刷インキによって所望パターンのインキ層18(表示部)が形成される。左側の載置用サイト40及び右側のダミー用サイト42の両方に、インキ層18(表示部)を設けることにより、予備加工体5を折り畳んだときに、ICタグラベル1の両側の面にインキ層18(表示部)を出現させることができる。したがって、インモールド成形される樹脂成形物品7を銘板のようなプレート状やタグ状の薄板とするとき、ICタグラベル付き樹脂成形物品7はより多くの表示部を提供することができる。
【0052】
次に、本発明の第三実施形態に係るICタグラベル1及びICタグラベル付き樹脂成形物品7を、図4及び5を参照しながら詳細に説明する。上述した第二実施形態のICタグラベル1及びICタグラベル付き樹脂成形物品7との相違点を中心に説明する。
【0053】
第三実施形態は、熱可塑性樹脂フィルム16の側に設けられた切込線25を基準にしてICタグラベル1の予備加工体5を二つに折り返して(すなわち山折りに折り曲げて)、接着層24同士を接合するようにしたことを特徴としている。
【0054】
所望とするICタグラベル1の外形寸法の大略二倍の大きさを有する予備加工体5を準備する。図4に示すように、予備加工体5は、左側に載置用サイト40を有するとともに、右側にダミー用サイト42を有する。通気性基材10の裏面(ICインレット3と反対側の面)に接着層24が設けられており、さらにその上にセパレート紙26が設けられている。セパレート紙26は接着層24に対して着脱可能である。セパレート紙26及び接着層24を設けることで、通気性基材10の裏面(ICインレット3と反対側の面)は通気性を失っている。そこで、左側の載置用サイト40の側のセパレート紙26及び接着層24には、ミシン刃にあるいは、先端が尖った針状体による貫通した通気孔が設けられている。したがって、接着層24及びセパレート紙26の構成を除いては、左側の載置用サイト40にあるものは、第一実施形態で説明したものと実質的に同じである。
【0055】
上記第二実施形態の場合と同様に、予備加工体5を大略二等分するように、熱可塑性樹脂フィルム16の側から切込線25を入れて、右側のダミー用サイト42が左側の載置用サイト40と同じ外形寸法であるように構成することもできるが、インレット成形時にICタグラベル1と樹脂成形物品30との間でのより大きな接合面積を確保するために、右側のダミー用サイト42は、左側の載置用サイト40よりも大きめに寸法構成されている。
【0056】
予備加工体5において通気性基材10の側から形成された切込線25は、熱可塑性樹脂フィルム16の全部と、通気性基材10の厚み方向に対して一部分とに設けられる。右側のダミー用サイト42にあって左側の載置用サイト40のものから切り離された熱可塑性樹脂フィルム16は、除去される。セパレート紙26を引き剥がしたあと、切込線25を基準にして予備加工体5を折り畳んで、接着層24同士を接合させることで、図5に示した二つ折りのICタグラベル1が作成される。
【0057】
このような谷折りされたICタグラベル1をインモールド成形用金型の所定位置に装着したあと、射出口から溶融樹脂が金型内部に射出注入される。溶融樹脂が硬化したICタグラベル付き樹脂成形物品7は、インモールド成形用金型から取り出される。ICタグラベル付き樹脂成形物品7は、図5に示すように、樹脂成形体30の内部に、山折りされたICタグラベル1を含んだ構成をしている。
【0058】
また、予備加工体5の通気性基材10において、通気性基材10のおもて面(ICインレット3と同じ側の面)に対して、印刷インキによって所望パターンのインキ層18(表示部)が形成される。右側のダミー用サイト42の両方に、インキ層18(表示部)を設けることにより、予備加工体5を折り畳んだときに、ICタグラベル1の裏面側(ICインレット3と反対側の面)にインキ層18(表示部)を出現させることができる。
【0059】
次に、本発明の第四実施形態に係るICタグラベル付き樹脂成形物品7を、図6を参照しながら詳細に説明する。
【0060】
図6に示した第四実施形態に係るICタグラベル付き樹脂成形物品7において、ICタグラベル1は第一実施形態のものと同じであり、透明保護シート32を用いている点がこれまで説明してきた実施形態と相違している。また、透明保護シート32は、ICタグラベル1を覆うように、ICタグラベル1よりも大きな外形寸法で構成されている。通気性基材10が、樹脂成形体30と異なった材質であるときに特に有効である。
【0061】
前述したように、通気性基材10は、台紙、不織布、布織物又は樹脂シートの中から選択される様々な材料から構成される。通気性基材10が樹脂成形体30と異なった材質から構成される場合、インモールド成形を行ったときに、通気性基材10と樹脂成形体30との間のシール性に問題が生じやすい。そこで、図6に示すように、通気性基材10の側に、樹脂成形体30と実質的に同じ材質からなる透明保護シート32を配設することが好適である。
【0062】
透明保護シート32を、樹脂成形体30と実質的に同じ材質とすることで、良好なシール性が得られることに加えて、インモールド成形後の反りの問題も解消することができる。例えば、樹脂成形体30がポリプロピレンである場合、大阪樹脂加工株式会社製の無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)のE−06で0.5mm厚のものを使用することができる。透明保護シート32は、樹脂成形体30と相対するヒートシール面において同じ材質の樹脂から構成されていることが必要であるが、必ずしも単層である必要はない。延伸することで強靱性を増したフィルムをドライラミネートした積層フィルムを使用することができる。
【0063】
樹脂成形体30がポリプロピレンである場合、積層フィルムとして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、延伸ナイロン(ONy)/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)、ユポ/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)等が使用可能である。また、樹脂成形体30がポリエチレンである場合、積層フィルムとして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)/低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、ポリエステルフィルム(PET)/低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)等が使用可能である。
【0064】
樹脂成形体30がポリプロピレンであり、積層フィルムの透明保護シート32として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)/無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を使用する場合、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)が表面に露出するとともに無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)が内側に位置するように配置される。透明保護シート32は、ICタグラベル1を覆うように、大きな外形寸法で構成されていることから、樹脂成形体30内にインモールド成形されたICタグラベル1の周縁部には、ポリプロピレンからなる樹脂成形体30の部分が存する。言い換えれば、樹脂成形体30に段部が形成されている。したがって、透明保護シート32は、その側面部と底部周縁部とによって、ポリプロピレンからなる樹脂成形体30の段部に対してヒートシールすることができ、十分なシール性を確保することができる。これに対して、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)が内側に位置するとともに、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)が表面に露出するように配置される場合には、側面部だけのヒートシールとなってしまうので、十分なシール性を確保することができない。なお、単層の無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を用いた場合には、その側面部と底部周縁部とによって、ポリプロピレンからなる樹脂成形体30に対してヒートシールすることができるので、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)が表面に露出するとともに無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)が内側に位置するように配置される場合と、機能的には同じである。
【0065】
ICタグラベル1と透明保護シート32との間の貼り合わせは、250度の加熱にも耐える基材無しの両面接着テープ(例えば、日東電工株式会社製のNo.5919M)が使用可能である。なお、基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)等を使用した接着テープでは、熱伸縮によって縮緬しわのようになって審美性のある成形を行うことができない。また、耐熱性のない安価な接着テープでは、熱によって膨沸現象が起こり、樹脂成形品30の表面に凹凸が生じる。不適切な接着テープの使用は、商品価値を下げてしまうので好ましくない。
【0066】
上記いずれの実施形態も、いわゆるスキンパック方式によって、ICインレット3が熱可塑性樹脂フィルム16と通気性部材10との間に挟持されているが、いわゆるブリスターパック方式でICインレット3を挟持することもできる。
【0067】
ブリスターパック方式とは、熱可塑性樹脂フィルム16(塩化ビニールやアクリルニトリル等)を保持対象の物品を受け入れる凹部を有するようにシート成型し、当該凹部に物品を挿入して台紙等でシールする包装方法である。熱可塑性樹脂シート10を成形するための金型を必要とするので、その分の費用が製造コストに反映されるが、同じ形状のICタグラベル1を大量生産する場合には、全体としての製造コストを低減させる可能性を備えている。ブリスターパック方式では、スキンパック方式では必須である真空吸引装置が不要となる。ブリスターパック方式では、通気性部材10の通気孔は、インモールド成形時の熱膨張した空気を脱気させるために設けられている。したがって、ブリスターパック方式では、予め成形された熱可塑性樹脂フィルム16の凹部にICインレット3を挿入したあと、通気性部材10で蓋をすることで、ICインレット3を熱可塑性樹脂フィルム16と通気性部材10との間で挟持することができる。熱可塑性樹脂フィルム16と通気性部材10との間に、固定部材としてヒートシール材を塗工することで、両者を接着固定することができる。
【0068】
なお、上記スキンパック方式あるいはブリスターパック方式によって熱可塑性樹脂フィルム16を通気性部材に固定する場合、審美性や固定の行い易さの観点から、塗工されたヒートシール材を使用しているが、嵌合構造やステープル止めや熔着で熱可塑性樹脂フィルム16を通気性基材10に固定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第一実施形態に係るICタグラベルの断面図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係るICタグラベルを構成するICタグラベルの予備加工体の断面図である。
【図3】図2に示したICタグラベルの予備加工体を二つに折り曲げて(谷折りに折り曲げて)作製したICタグラベルの断面図である。
【図4】本発明の第三実施形態に係るICタグラベルを構成するICタグラベルの予備加工体の断面図である。
【図5】図4に示したICタグラベルの予備加工体を二つに折り曲げて(山折りに折り曲げて)作製したICタグラベルの断面図である。
【図6】本発明の第四実施形態に係るICタグラベル付き樹脂成形物品の断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1:ICタグラベル
3:ICインレット
5:予備加工体
7:ICタグラベル付き樹脂成形物品
10:通気性基材
12:アンテナ回路基材
14:ICチップ
16:熱可塑性樹脂フィルム
18:インキ層(表示部)
22:表面保護層
24:接着層
25:切込線
26:セパレート紙
30:樹脂成形体
32:透明保護シート
40:載置用サイト
42:ダミー用サイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される通気性基材と、
ICインレットの載置された通気性基材上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持されていることを特徴とするICタグラベル。
【請求項2】
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される載置用サイトと、該載置用サイトに隣接して大略同じ形状をしているダミー用サイトと、を有する通気性基材と、
載置用サイト及びダミー用サイトの上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持された予備加工体を作製し、
通気性基材の載置用サイト及びダミー用サイトの境界に対してICチップの非載置側から切込線を入れて、当該切込線を基準にして予備加工体が折り返されたあと、接着層を介して熱可塑性樹脂フィルム同士が接着固定されることを特徴とする、ICタグラベル。
【請求項3】
電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されているアンテナ回路基材と、を含むICインレットと、
ICインレットが載置される載置用サイトと、該載置用サイトに隣接して該載置用サイトと大略同じ形状をしているダミー用サイトと、を有する通気性基材と、
載置用サイト及びダミー用サイトの上を覆う熱可塑性樹脂フィルムと、
熱可塑性樹脂フィルムを通気性基材に固定する固定部材と、を備え、
前記ICインレットが、熱可塑性樹脂フィルムと通気性基材との間で挟持された予備加工体を作製し、
通気性基材の載置用サイト及びダミー用サイトの境界に対してICチップの載置側から切込線を入れて、当該切込線を基準にして予備加工体が折り返されたあと、接着層を介して通気性基材同士が接着固定されることを特徴とする、ICタグラベル。
【請求項4】
ICチップの非載置側から通気性基材を真空脱気することにより、熱軟化した熱可塑性樹脂フィルムが伸展され、ICインレットが通気性基材に密着固定されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のICタグラベル。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂フィルムがICインレットを収容する凹部を有するように熱可塑性樹脂フィルムを予め成形し、ICインレットが凹部に収容されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のICタグラベル。
【請求項6】
前記通気性基材は、台紙、不織布、布織物又は樹脂シートの中から選択されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のICタグラベル。
【請求項7】
前記通気性基材それ自身が通気性を有していない場合には、通気性基材にミシン目又は通気孔が設けられることを特徴とする、請求項6記載のICタグラベル。
【請求項8】
前記固定部材は、熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材の周縁部に設けられたヒートシール材であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のICタグラベル。
【請求項9】
前記通気性基材のICチップの非載置側の面に表示部が設けられることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載のICタグラベル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のICタグラベルが、樹脂成形物品内に一体的に成形されていることを特徴とする、ICタグラベル付き樹脂成形物品。
【請求項11】
前記ICタグラベルの熱可塑性樹脂フィルム及び/又は通気性基材と樹脂成形物品とが、実質的に同じ材質であることを特徴とする、請求項10記載のICタグラベル付き樹脂成形物品。
【請求項12】
前記ICタグラベルの通気性基材と樹脂成形物品とが、異質な材質である場合には、通気性基材の側に、樹脂成形物品と実質的に同じ材質からなる保護シートが配設されることを特徴とする、請求項10記載のICタグラベル付き樹脂成形物品。
【請求項13】
前記保護シートは、ICタグラベルよりも大きめに寸法構成されていることを特徴とする、請求項12記載のICタグラベル付き樹脂成形物品。
【請求項14】
前記ICタグラベルが通気性基材のICチップの非載置側に表示部を有するとともに樹脂成形物品及び/又は保護シートが透光性を有する材料から構成され、ICタグラベルの表示部が外面の方を向くように、ICタグラベルが配設されていることを特徴とする、請求項10乃至13のいずれかに記載のICタグラベル付き樹脂成形物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−276451(P2008−276451A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118317(P2007−118317)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(503120999)株式会社テクノリンクス (8)
【Fターム(参考)】