説明

インライン縁部カット装置

【課題】余剰部を設けることなしに包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止して、包装材料の無駄を削減することにある。
【解決手段】製袋ラインPLに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、その製袋ラインPLまたは充填包装ライン内で製袋された包装袋Pの縁部をカットするインライン縁部カット装置1において、前記製袋ラインの袋送り方向およびそれと交差する方向に切り離された包装袋Pを、その切り離された側の縁部同士が隙間D1,D2を開けた状態で搬送するコンベヤ21と、前記コンベヤ21上の隣り合う包装袋Pの前記切り離された側の縁部とそれらの縁部同士の隙間とを切除範囲に含めて前記縁部をカットする縁部カッター22と、を具えることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製袋ラインに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、その製袋ラインまたは充填包装ライン内で製袋された包装袋のコーナー(隅部)や側縁等の縁部を円弧(R)状やノッチ状等にカットするインライン縁部カット装置に関し、特には、包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を、余剰部を設けずに防止することができるインライン縁部カット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製袋ラインに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、その製袋ラインまたは充填包装ライン内で製袋された包装袋のコーナーや側縁等の縁部を円弧状やノッチ状等にカットするインライン縁部カット装置としては従来、例えば特許文献1にて開示されたインラインコーナーカット装置が知られている。
【0003】
このインラインコーナーカット装置は、充填包装ラインに組み込まれたものであり、その充填包装ラインは、長尺の1枚の包装フィルムを間欠的に送りながらその幅方向の中央で上向きに折り返してその包装フィルムの両側縁部同士を重ね合わせるとともに、その両側縁部が上端に、またその折返し部が下端に位置するように幅方向を縦にして包装フィルムを水平方向へ送り、包装フィルムの送りの休止中にその包装フィルムの下端の折返し部を水平方向へ延在する縦シールバーで長手方向に加熱シールして縦シール部を形成し、続く工程で包装フィルムの送りの休止中にその包装フィルムを上下方向へ延在する横シールバーで全幅に亘って加熱シールして横シール部を形成することで、上方が開放されるとともに他の三方がシール状態とされた多数の包装袋を包装フィルムの送り方向へ横並びに連続した状態で製袋する。
【0004】
次いで上記充填包装ラインは、その横並びに連続した包装袋を縦にしたまま二袋分ずつ切断装置の縦型吸着装置で負圧吸着して、その縦型吸着装置に形成された縦溝に包装袋の反対その側から押し込まれるカッターにより、連続した状態の包装袋から二袋の包装袋を別々に切り離し、それら二袋の包装袋を、その縦型吸着装置に隣接して水平に配置されたロータリーテーブルから伸縮する他の縦型吸着装置で負圧吸着して保持し、そのロータリーテーブルの割り出し回転に伴いそのロータリーテーブルの周囲の複数の作業ステーションで、先ずそれらの包装袋を上向きに開口させ、次いでそれらの包装袋に固形の被包装物と液状の被包装物とを順次に充填し、次いでそれらの包装袋の上端をシールし、次いでそれらの上端シール部を冷却し、その後、それらの包装袋を縦型吸着装置から解放してコンベヤで排出することにより、多数の包装袋への被包装物の充填包装を連続的に行う。
【0005】
ところでこの充填包装ラインでは、横シールバーが、隣り合う包装袋間の横シール部を本来の必要分よりも幅広に形成してそこに余剰部を設け、上記インラインコーナーカット装置は、上記横シールバーがその余剰部を持つ横シール部を形成した後、上記切断装置のカッターが連続した状態の包装袋から二袋の包装袋を切り離す前に、連続した包装袋の隣り合う二袋分ずつ、その余剰部の上端部とその余剰部の両側の包装袋の上端部の円弧状コーナーとを一緒に上側縁部打ち抜き型でカットするとともに、その余剰部の下端部とその余剰部の両側の包装袋の下端部の円弧状コーナーとを一緒に下側縁部打ち抜き型でカットする。そしてその後に上記切断装置のカッターが、二袋の包装袋を切り離す際にその余剰部も切除することで、カッターによる包装袋の切り離し位置と縁部打ち抜き型による縁部カット位置とが送り方向に多少ずれても隣の袋の円弧状コーナーから余分に切り取った部分で突起が発生することがないようにしている。
【0006】
なお、上記インラインコーナーカット装置のように、製袋ラインに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、被包装物の充填前の平坦な状態の包装袋に対して縁部のカットを行うのは、包装袋に内容物を充填した後では、包装袋の輪郭形状が充填前と変わるため縁部のカット位置がばらついてしまい、また包装袋にファスナーを設けた後では、そのファスナーが縁部のカットの邪魔になってしまうからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−36392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1記載の従来のインラインコーナーカット装置は、カット部への突起の発生を防止するために、隣り合う包装袋間の横シール部毎に余剰部を設ける必要があるので、包装フィルムの長さが包装袋分よりも余分に必要になり、しかもその余剰部は廃棄することになるため、包装フィルムの無駄が多くなるという問題があった。
【0009】
それゆえこの発明は、余剰部を設けることなしに、包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得るインライン縁部カット装置を提供することで、上記不都合を解消させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記課題を有利に解決するものであり、この発明のインライン縁部カット装置は、製袋ラインに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、その製袋ラインまたは充填包装ライン内で製袋された包装袋の縁部をカットするインライン縁部カット装置において、前記製袋ラインの袋送り方向およびそれと交差する方向のうち少なくとも一方向に切り離された包装袋を、その切り離された側の縁部同士が隙間を開けた状態で搬送するコンベヤと、前記コンベヤ上の隣り合う包装袋の前記切り離された側の縁部とそれらの縁部同士の隙間とを切除範囲に含めて前記縁部をカットする縁部カッターと、を具えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
かかるインライン縁部カット装置にあっては、コンベヤが、前記製袋ラインの袋送り方向およびそれと交差する方向のうち少なくとも一方向に切り離された包装袋を、その切り離された側の縁部同士が隙間を開けた状態で搬送し、そして縁部カッターが、前記コンベヤ上の隣り合う包装袋の前記切り離された側の縁部に加えてそれらの縁部同士の隙間も切除範囲に含めて縁部をカットし、隣り合う包装袋の縁部に円弧状のコーナーやノッチ等を形成する。
【0012】
従って、この発明のインライン縁部カット装置によれば、従来の包装袋間の余剰部の代わりに縁部同士の隙間が縁部カッターの切除範囲に入ることから、包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とにずれがあっても、隣の袋の縁部から余分に切り取った部分で突起が発生することがないので、余剰部を設けることなしに包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、包装材料の無駄を削減することができる。
【0013】
なお、この発明のインライン縁部カット装置においては、前記コンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向と直交する方向に包装袋を切り離す切り分け装置の下流側に位置して互いに並走する複数本のベルトコンベヤを有し、それら複数本のベルトコンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向と直交する方向に包装袋を切り離す切り分け装置の下流側に、その切り分け装置から離間するにつれて互いに離間するように配置されて、前記製袋ラインの袋送り方向と直交する方向に切り離された包装袋をその切り離された側の縁部同士が次第に隙間を拡げるように搬送するものであると好ましい。
【0014】
このようにすれば、袋送り方向と直交する方向に複数列並行して多数の包装袋を製袋する際に、それら並行する包装袋同士の切り分け縁部に円弧状コーナー等のカットを行う場合に、その横並びに隣り合う包装袋間の縦シール部に余剰部を設けることなしに、包装袋の切り分け位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、包装材料の無駄を削減することができる。
【0015】
また、この発明のインライン縁部カット装置においては、前記コンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向に包装袋を切り離す切断装置の下流側に位置し、前記製袋ラインの袋送り速度よりも速い袋送り速度で作動して、前記製袋ラインの袋送り方向に切り離された包装袋をその切り離された側の縁部同士が隙間を開けるように搬送するものであると好ましい。
【0016】
このようにすれば、袋送り方向に連続的に多数の包装袋を製袋する際に、その袋送り方向に隣り合う包装袋同士の切り分け縁部に円弧状コーナー等のカットを行う場合に、その隣り合う包装袋間の横シール部に余剰部を設けることなしに、包装袋の切り分け位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、包装材料の無駄を削減することができる。
【0017】
さらに、この発明のインライン縁部カット装置においては、前記コンベヤは、多数の貫通孔を持つコンベヤベルト上に前記切り離された包装袋をその貫通孔を介する負圧により吸着保持するバキューム式ベルトコンベヤであると好ましい。
【0018】
このようにすれば、縁部カッターが包装袋の縁部を切除する際に、バキューム式ベルトコンベヤが包装袋を吸着保持して包装袋の位置ずれを防止するので、包装袋の縁部のカット位置をより正確なものとすることができる。
【0019】
そして、この発明のインライン縁部カット装置においては、前記コンベヤは、前記包装袋を間欠的に送るものであり、前記縁部カッターは、前記コンベヤが送りを休止している間に前記包装袋の縁部を切り落とす金型であると好ましい。
【0020】
このようにすれば、縁部カッターとして通常のパンチとダイとを持つ金型を用いることができるので、縁部カッターを簡易に構成できるとともに、包装袋から切除した切りかすをダイのパンチ逃がし孔を介して外部へ容易且つ確実に排除し得て、切りかすが異物として包装袋に付着するのを容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明のインライン縁部カット装置の一実施例としてのインラインコーナーカット装置を製袋ラインに繋げて配置した状態を模式的に示す斜視図である。
【図2】上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す正面図である。
【図3】上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す左側面図である。
【図4】上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す平面図である。
【図5】上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す右側面図である。
【図6】上記実施例のインラインコーナーカット装置が包装袋のコーナーカットを行う状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1は、この発明のインライン縁部カット装置の一実施例としてのインラインコーナーカット装置を製袋ラインに繋げて配置した状態を模式的に示す斜視図、図2および図3は、上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す正面図および左側面図、図4および図5は、上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す平面図および右側面図、そして図6は、上記実施例のインラインコーナーカット装置が包装袋のコーナーカットを行う状態を模式的に示す平面図であり、図中符号PLは製袋ライン、1は上記実施例のインラインコーナーカット装置を示す。
【0023】
この実施例のインラインコーナーカット装置1が繋げられた製袋ラインPLは、図1に示すように、例えば二軸延伸したエチレンービニルアルコール共重合体樹脂等からなるベースフィルム層と、例えば無延伸のエチレン−ビニルアセテート共重合体樹脂等からなるシーラント層とを積層した長尺の積層フィルムFを、横置きしたフィルムロールRから斜めロール2および二本の送りロール3で縦に向きを変えながら、あらかじめ設定された包装袋の寸法に対応するピッチで断続的(間欠的)に繰り出し、テンションロール4およびガイドロール5でテンション調整した後、切り分けカッター6でそのフィルム幅方向中央部に切れ目を入れて二つに切り分け、それら二枚の積層フィルムFを、二本の半折りガイド板7で上方および下方にそれぞれ半折りし、二本の送りロール8で互いの接近方向へ向かわせて、二本の重ねロール9で上下に重ね合わせ、二本ずつ二組の送りロール10でそれぞれ挟んで、上記ピッチで断続的に、図1中矢印で示すように水平に送る。
【0024】
そしてこの二組の送りロール10の間の位置で、その二枚重ねの積層フィルムFを、その断続的な送りの間の休止(停止)中に縦シール用熱板11で挟んで加熱シールして、積層フィルムFの幅方向一端部および中央部に積層フィルムFの長手方向へ延在する縦シール部Lを形成し(縦シール部Lの無い縁部は後工程で内容物を充填するための開口部となる)、次いで、この二枚重ねの積層フィルムFの縦シール部Lを、その断続的な送りの間の休止中に縦シール用冷却板12で挟んで冷却して安定した状態とする。
【0025】
次いで、この縦シール部Lを形成した二枚重ねの積層フィルムFを、その断続的な送りの間の休止中に横シール用熱板13で挟んで加熱シールして、積層フィルムFの幅方向に全幅に亘り延在する横シール部Wを、上記ピッチでフィルム長手方向へ間隔を空けて形成し、次いで、この二枚重ねの積層フィルムFの横シール部Wを、その断続的な送りの間の休止中に縦シール用冷却板14で挟んで冷却して安定した状態とし、このようにして包装袋Pがフィルム幅方向に二列に並んで連続的に多数形成された積層フィルムFを、切り分けカッター15でフィルム幅方向中央部に切れ目を入れて二列に切り分ける。
【0026】
さらにこの製袋ラインPLは、二組の送りロール10のうち下流側(図1では左側)の送りロール10から送り出した、上記二列の包装袋Pが形成された積層フィルムFを、その断続的な送りの間の休止中に、積層フィルムFの幅方向に全幅に亘り延在する断裁カッター16で断裁して、上記ピッチ分の長さを持つ個別の包装袋Pに切り分ける。
【0027】
このようにして切り分け装置としての断裁カッター16で個別に切り分けられて二袋ずつ横並びに送り出された包装袋Pに対し、この実施例のインラインコーナーカット装置1は、図1に示すように断裁カッター16の下流側に連なって、その包装袋Pの四隅に円弧状(R状)の縁部Eを形成するコーナーカットを行う。
【0028】
かかるコーナーカットを行うためにこの実施例のインラインコーナーカット装置1は、図2〜図5に示すように、当該装置1の前後部に位置する二枚の支持板20aおよびそれらを連結する複数の連結材20b(図4では省略する)を有するとともにそれらのうちの下部の連結材20bの下側にキャスター20cおよび固定脚20dを有する主フレーム20と、この主フレームの上部に当該装置1の左右方向へ水平に延在するように設けられ、製袋ラインPLの断裁カッター16の下流側に配置されて互いに並走する、コンベヤとしての二本のバキューム式ベルトコンベヤ21と、それら二本のベルトコンベヤ21の間および両脇にそれぞれ設けられた、縁部カッターとしての三台のコーナーカッター22(図3では省略する)とを具えている。
【0029】
ここで、主フレーム20は、その二枚の支持板20aを貫通して当該装置1の前後方向に水平に延在する二本のネジ軸20eと、図4では右側のネジ軸20eの、前部側(図4では下側)の支持板20aから前方(図4では下方)に突出する端部に設けられたコンベヤ間隔調整ハンドル20fと、二本のネジ軸20eの、後部側の支持板20aから後方に突出する端部同士をベベルギヤ機構20gを介して連結する、中間部が二分割された連結軸20hと、その連結軸20hの中間部に設けられて連結軸20hの両端部間の相対回転および固定を可能にするカップリング20iとを有しており、二本のネジ軸20eは各々、その軸線方向の中央部を挟んだ両側に互いに逆方向に捻れた図示しないネジ山を形成されている。また、二本のベルトコンベヤ21は各々、中間部および端部(図3では左端部)からそれぞれ下方へ延在するブラケット21aと、それらのブラケット21aにそれぞれ設けられたナット21bとを有しており、それらのナット21bは、二本のネジ軸20eのそれぞれの、互いに逆方向に捻れたネジ山に螺合している。
【0030】
これにより、コンベヤ間隔調整ハンドル20fを操作して一方のネジ軸20eを回転させると、その回転がベベルギヤ機構20gと連結軸20hとカップリング20iとを介して他方のネジ軸20eにも伝達され、これら二本のネジ軸20eの互いに同方向への回転により、各ネジ軸20eに螺合した二つのナット21bが同時にかつ互いに逆方向へ移動して、二本のベルトコンベヤ21を包装袋Pの寸法に合わせて互いに接近または離間方向へ平行移動させることができる。またカップリング20iにより連結軸20hの両端部間を解放してそれら両端部を相対回転させると、一方のネジ軸20eだけが回転して、二本のベルトコンベヤ21を互いに平行な状態から、断裁カッター16から離間するにつれて互いに僅かに離間するように僅かにハの字状に開いた状態に変化させることができる。そして二本のネジ軸20eは、ナット21bおよびブラケット21aを介して二本のベルトコンベヤ21を水平に支持することができる。
【0031】
さらに、二本のベルトコンベヤ21は各々、ベルトコンベヤ21の略全長に亘って延在する二枚の側板21cと、それらの側板21cの一端部(図3では右端部)間に軸支された端部ローラ21dおよびアイドルローラ21eと、それらの側板21cの他端部(図3では左端部)間に配置された駆動ローラ21fと、それらの側板21cの他端部から下方へ延在する上記ブラケット21a間に軸支された二個のテンションローラ21gとを有するとともに、それらのローラ間に張り渡された環状のコンベヤベルト21hを有しており、このコンベヤベルト21hは、ゴム状材料からなるとともにタイミングベルトのように内周面に一定ピッチの歯を持ち、駆動ローラ21fは、このコンベヤベルト21hの歯と噛合する歯を外周面に持っていて、コンベヤベルト21hに対し滑らずにコンベヤベルト21hを移動させることができる。
【0032】
各ベルトコンベヤ21の駆動ローラ21fは、主フレーム20の二枚の支持板20aの一端部(図3では左端部)を貫通して当該装置1の前後方向に水平に延在する一本のスプライン軸21iを挿通されて、そのスプライン軸21iに軸支されるともにそのスプライン軸21iとスプライン結合しており、このスプライン軸21iの、後部側の支持板20aから後方に突出する端部は、その後部側の支持板20aに取り付けられたサーボモータ21jの、後部側の支持板20aから後方に突出する出力軸に、ベルト伝動機構21kを介して駆動結合されている。
【0033】
これにより、サーボモータ21jがベルト伝動機構21kおよびスプライン軸21iを介して二個の駆動ローラ21fを回転させると、二本のベルトコンベヤ21は、コンベヤベルト21hを互いに等速度で図4では右方から左方へ移動させて、図6中に矢印で示すように、二列の包装袋Pを並べて同図では右方から左方へ一緒に搬送することができ、その際、あらかじめカップリング20iにより連結軸20hの両端部間を相対回転させて、二本のベルトコンベヤ21を互いに断裁カッター16から離間するにつれて互いに僅かに離間するように僅かにハの字状に開いた状態にしておくことで、二列の包装袋Pを、断裁カッター16から離間するにつれて切り分けカッター15で切り離された側の隅部E同士が次第に列間隙間D1を拡げるように搬送する。
【0034】
なお、上記のように二本のベルトコンベヤ21を僅かにハの字状に開いた状態にするために、二本のベルトコンベヤ21の向きを僅かに変えと、駆動ローラ21fはスプライン軸21iにより一定の向きに拘束されたままなので、コンベヤベルト21hが横方向へ僅かに附勢されることになるが、この実施例では二枚の側板21cの上部間に端部ローラ21dと駆動ローラ21fとの間で延在するように設けられたテフロン(登録商標)等の低摩擦係数材料からなる上方に開いた溝型部材21lが、二枚の側板21cに沿って立ち上がったその両側部でコンベヤベルト21hの両側面を挟んでコンベヤベルト21hを案内し、コンベヤベルト21hの横ずれを防止している。
【0035】
また、二本のベルトコンベヤ21は、コンベヤベルト21hの断続的な送りの距離を製袋ラインPLの二組の送りロール10の断続的な送りの距離(上記ピッチ分の長さ)よりも僅かに長くするとともに、製袋ラインPLの二組の送りロール10による積層フィルムFの断続的な送りとタイミングを同期させてコンベヤベルト21hを断続的に移動させるようにサーボモータ21jの作動を制御することで、図6に示すように、包装袋Pが断裁カッター16の位置からコンベヤベルト21h上に乗り移る際に各列の包装袋Pを、断裁カッター16で切り離された縁部同士が僅かに並び隙間D2を空けるように並べてコンベヤベルト21h上に配置する。
【0036】
さらに、二本のベルトコンベヤ21は各々、コンベヤベルト21hの表面と裏面との間を貫通する図示しない貫通孔を、コンベヤベルト21hの長手方向に等ピッチで分散されて多数形成されるとともに、二枚の側板21cの間に端部ローラ21dと駆動ローラ21fとの間で延在するように角筒状のサクションボックス21mを設けられており、このサクションボックス21mの上面は、溝型部材21lの底部を支持している。そして、それらサクションボックス21mの上面と溝型部材21lの底部とには、それらを貫通する貫通孔が多数分散されて形成され、また、サクションボックス21mの側部には、開口部21nが形成されており、この開口部21nには、主フレーム20の底部に配置されたブロアー21oの吸引口に繋がる吸引ダクト21pが側板21cを貫通して接続されている。
【0037】
これにより、ブロアー21oが作動してサクションボックス21m内の空気を吸引ダクト21pを介して吸引すると、サクションボックス21m内は負圧になり、二本のベルトコンベヤ21は各々、サクションボックス21mの上面と溝型部材21lの底部との貫通孔およびコンベヤベルト21hの貫通孔を介して及ぼすその負圧により包装袋Pをコンベヤベルト21h上に吸着保持しつつ、コンベヤベルト21hを断続的に移動させて、その断続的な送りの間の休止時に包装袋Pを三台のコーナーカッター22に対し所定位置に停止させることができる。
【0038】
この実施例のインラインコーナーカット装置1における三台のコーナーカッター22は各々、図5に示すように、パンチ22aおよびそのパンチ22aの輪郭形状に実質的に一致する輪郭形状の切り落とし孔22bを形成されたダイ22cを持ち、ベルトコンベヤ21が送りを休止している間に包装袋Pの縁部を切り落とす金型と、そのパンチ22aを昇降移動させて上記切り落としを行わせるエアシリンダ22dとを有しており、そのパンチ22aの輪郭形状およびダイ22cの切り落とし孔22bの輪郭形状は、図6にその切り落とし孔22bについて示すように、互いに90度回転した二本の双曲線の如く、縦横の中心線の交差点Cを囲む四つの円弧状部分と、それらの円弧状部分の両端部にそれぞれ連なるとともに縦横の中心線の交差点Cから離れるにつれて中心線に漸近する、縦横の中心線に対し傾斜した直線状部分とを有している。
【0039】
これにより、図6に示すように、中央のコーナーカッター22は、その両側の二台のベルトコンベヤ21上でそれぞれそのコーナーカッター22より先(同図では左側)に位置する包装袋Pの後ろ側の隅と、二台のベルトコンベヤ21上でそれぞれそのコーナーカッター22より手前(同図では右側)に位置する包装袋Pの前側の隅との四箇所の隅を同時に切り落とし加工して、それらの隅に円弧状の縁部Eを形成する。そして両脇のコーナーカッター22は各々、中央のコーナーカッター22との間に位置する一台のベルトコンベヤ21上でそのコーナーカッター22より先(同図では左側)に位置する包装袋Pの後ろ側の隅と、その一台のベルトコンベヤ21上でそのコーナーカッター22より手前(同図では右側)に位置する包装袋Pの前側の隅との二箇所の隅を同時に切り落とし加工して、それらの隅に略円弧状の縁部Eを形成する。
【0040】
なお、パンチ22aの中心部には図示しないエア配管に接続された貫通孔が設けられ、またダイ22cの切り落とし孔22bの下に続くパンチ逃がし孔の下方には、他のブロアーが設けられた図示しないバキュームボックスにダクトを介して接続された切りかす排出管22eが設けられ、そしてその切りかす排出管22e内にはエア配管からのエアジェットによる空気の引き込みで負圧を発生させる負圧発生器が設けられており、これにより、上述した切り落とし加工の際、パンチ22aがダイ22cの切り落とし孔22bに入る時にエア配管から圧縮空気を短時間だけ供給して、パンチ22aの中心部からのエアジェットにより切りかすを吹き落とすとともに切りかす排出管22e内の負圧発生器が発生させる負圧により切りかすを切り落とし孔22b内に引き込んでバキュームボックスに送ることで、ダイ22cの切り落とし孔22b内での切りかすの詰まりを防止する。ここで、圧縮空気を短時間だけ供給するのは、切り落とし加工の前後にそれらのエアジェットや負圧によってベルトコンベヤ21上の包装袋Pの搬送が妨げられることがないようにするためである。
【0041】
上述した切り落とし加工の際に、二台のベルトコンベヤ21は、中央のコーナーカッター22のダイ22cの切り落とし孔22bの輪郭形状に対し、そこにかかる四枚の包装袋Pを、それらの間の列間隙間D1および並び隙間D2がダイ22cの切り落とし孔22bの輪郭形状の隣り合う円弧状部分の端部間あるいはそれらに連なる傾斜した直線間の部分に位置してコーナーカッター22の切除範囲に含まれるように停止させるとともに、両脇のコーナーカッター22のダイ22cの切り落とし孔22bの輪郭形状に対し、そこにかかる二枚の包装袋Pを、それらの間の並び隙間D2および包装袋Pの側縁がダイ22cの切り落とし孔22bの輪郭形状の隣り合う円弧状部分の端部間あるいはそれらに連なる傾斜した直線間の部分に位置してコーナーカッター22の切除範囲に含まれるように停止させるので、それらの包装袋Pの停止位置がベルトコンベヤ21の送り方向や幅方向に多少ずれても、隣の包装袋Pの円弧状の縁部Eから余分に切り取った部分で包装袋Pに突起が発生することがない。
【0042】
ところで、包装袋Pの寸法には種々のものがあるため、各寸法の包装袋Pについて、三台のコーナーカッター22を二台のベルトコンベヤ21上の包装袋Pに対し上述のように位置させるために、それらのコーナーカッター22の位置をそれぞれ二台のベルトコンベヤ21の長手方向および幅方向に調節できることが望ましい。
【0043】
このためこの実施例のインラインコーナーカット装置1では、図2に示すように、主フレーム20の二枚の支持板20aの上部にコ字状の切り欠き部20jが形成されていて、その切り欠き部20jの底部にカッター位置調節機構23が設けられている。このカッター位置調節機構23は、二枚の支持板20aの切り欠き部20jの底部間に亘って延在するとともに両端部にブラケット23aを立設された厚板状のベース部材23bと、そのベース部材23bを装置1の左右方向へ移動させるようにそれらの切り欠き部20jの底部にそれぞれ設けられたラック・ピニオン機構23cおよび直線ガイド機構23dと、それらのラック・ピニオン機構23cを連動させるようにピニオン同士を連結するとともに手前側の端部にハンドル23eを設けられた連結軸23fとを有している。
【0044】
またこのカッター位置調節機構23は、ベース部材23b上に図示しない直線ガイド機構を介してそのベース部材23bの長手方向すなわち二台のベルトコンベヤ21の幅方向へ移動可能に下端部を支持された横長のロ字状の可動フレーム23gと、その可動フレーム23gの側面にそれぞれ直線ガイド機構23hを介してベース部材23bの長手方向へ移動可能に下端部を支持された略コ字状の二個の支持ポスト23iと、ベース部材23bの両端部に設けられたブラケット23aを貫通して可動フレーム23gの一方の側方(図2では左側)で当該装置1の前後方向に水平に延在するとともに手前側の端部にハンドル23jを設けられた一本の操作軸23kとを有している。
【0045】
さらにこのカッター位置調節機構23は、ベース部材23bの両端部に設けられたブラケット23aをそれぞれ貫通して可動フレーム23gの他方の側方(図2では右側)で同一軸線上を当該装置1の前後方向に水平に延在し、二個の支持ポスト23iの下部に設けられた雌ネジにそれぞれ螺合する二本のネジ軸23lと、可動フレーム23gの端面に対向する位置でベース部材23bの手前側のブラケット23aを貫通して当該装置1の前後方向に水平に延在し、可動フレーム23gの下部に設けられた雌ネジに螺合する一本のネジ軸23mと(図4ではこれらの軸は省略する)を有しており、手前側のネジ軸23lおよびネジ軸23mの端部にはハンドル23nおよびハンドル23oがそれぞれ設けられ、奧側のネジ軸23lの端部は歯車組23pを介して操作軸23kの奥側の端部に駆動結合している。
【0046】
そして、図2および図5に示すように、三台のコーナーカッター22のうち両脇のものについては、エアシリンダ22dは支持ポスト23iの上端部に搭載され、パンチ22aは支持ポスト23iの側面に直線ガイド機構23qを介して昇降可能に支持されるとともにエアシリンダ22dのピストンロッドに結合され、ダイ22は支持ポスト23iの下部から側方に突出した迫台に固定されてパンチ22aと上下に整列しており、また三台のコーナーカッター22のうち中央のものについては、エアシリンダ22dは可動フレーム23gの上部(横長ロ字状の貫通孔の上側の部分)の側面に固設された支持部材23rの上端部に搭載され、パンチ22aはその支持部材23rの側面に直線ガイド機構23qを介して昇降可能に支持されるとともにエアシリンダ22dのピストンロッドに結合され、ダイ22は可動フレーム23gの下部(横長ロ字状の貫通孔の下側の部分)の側面に固設された支持部材23sに固定されてパンチ22aと上下に整列している。なお、二台のベルトコンベヤ21は、可動フレーム23gの横長ロ字状の貫通孔内を遊貫している。
【0047】
これにより、ハンドル23eを操作して連結軸23fを回動させると、前後のラック・ピニオン機構23cが連動して、直線ガイド機構23dの案内下でベース部材23bを二台のベルトコンベヤ21の長手方向に沿って移動させ、またハンドル23jを操作して操作軸23kを回転させると、その回転が歯車組23pを介して奧側のネジ軸23lに伝達されて奧側のネジ軸23lがそれと螺合した支持ポスト23iひいては奥側のコーナーカッター22をベルトコンベヤ21の幅方向へ移動させ、一方、ハンドル23nを操作して手前側のネジ軸23lを回転させると、その手前側のネジ軸23lがそれと螺合した支持ポスト23iひいては手前側のコーナーカッター22をベルトコンベヤ21の幅方向へ移動させ、そしてハンドル23oを回転させると、その手前側のネジ軸23lがそれと螺合した可動フレーム23gひいては中央のコーナーカッター22をベルトコンベヤ21の幅方向へ移動させる。
【0048】
この実施例のインラインコーナーカット装置1はさらに、主フレーム20の左側端部上に包装袋蹴り出し機構24を設けられており、この包装袋蹴り出し機構24は、二台のベルトコンベヤ21のそれぞれの駆動ローラ21fの両脇に配置されてベアリングを介し自由回転可能にスプライン軸21i上に支持された四個のフリーローラ24aと、それらのフリーローラ24aの上方に位置する四個の蹴り出しローラ24bとを有している。
【0049】
またこの包装袋蹴り出し機構24は、主フレーム20の左側端部上に固設されて当該装置1の前後方向へ水平に延在する門型の固定フレーム24cと、その固定フレーム24cを上下に貫通する二本のガイドロッド24dで互いに連結されて各々当該装置1の前後方向へ水平に延在する上部昇降板24eおよび下部昇降板24fと、固定フレーム24cに立設されてガイドロッド24dの昇降移動をそれぞれ案内する二本のガイドスリーブ24gと、それらのガイドスリーブ24gに嵌挿されて上部昇降板24eと固定フレーム24cとの間に介挿され、上部昇降板24eを常時上向きに附勢する支持スプリング24hと、固定フレーム24c上に立設されて上部昇降板24eおよび下部昇降板24fを昇降移動させるエアシリンダ24iと、下部昇降板24fの両端部のブラケットに支持されて当該装置1の前後方向へ水平に延在するスプライン軸24jとを有しており、上記四個の蹴り出しローラ24bは、そのスプライン軸24jの中間部にそれぞれスプライン結合されている。
【0050】
さらにこの包装袋蹴り出し機構24は、上部昇降板24e上にサーボモータ24kを有しており、このサーボモータ24kの出力軸は、スプライン軸24jの後端部にベルト伝動機構24lを介して駆動結合されている。
【0051】
これにより、サーボモータ24kがベルト伝動機構24lを介してスプライン軸24jひいては四個の蹴り出しローラ24bをその外周面の速度が二台のベルトコンベヤ21による包装袋Pの搬送速度より速いように回転駆動するとともに、エアシリンダ24iが上部昇降板24eおよび下部昇降板24fを支持スプリング24hに抗して下降移動させて四個の蹴り出しローラ24bを二台のベルトコンベヤ21の搬出側端部に位置する四個のフリーローラ24a上の包装袋Pに押し付けると、四個の蹴り出しローラ24bと四個のフリーローラ24aとで挟まれた包装袋Pが、二台のベルトコンベヤ21の搬送速度よりも高速でそれらのベルトコンベヤ21上から当該装置1の側方へ蹴り出されて、当該装置1に隣接するテーブル25あるいは他のコンベヤ(搬送装置)上に移載される。なお、固定フレーム24cは静電気除去棒24mを張り出し支持しており、この静電気除去棒24mは包装袋Pの帯電を除去し、包装袋Pが静電気で互いに張り付いてテーブル25上で重なり合うのを防止する。
【0052】
かくしてこの実施例のインラインコーナーカット装置1によれば、従来の包装袋間の余剰部の代わりに縁部同士の隙間がコーナーカッター22の切除範囲に入ることから、包装袋Pの切り離し位置と隅部カット位置とにずれがあっても、隣の包装袋Pの隅部から余分に切り取った部分で突起が発生することがないので、余剰部を設けることなしに包装袋Pの切り離し位置と隅部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、積層フィルムFの無駄を削減することができる。
【0053】
また、この実施例のインラインコーナーカット装置1によれば、コンベヤは、製袋ラインPLの、袋送り方向と直交する方向に包装袋を切り離す切り分けカッター15の下流側に位置して互いに並走する二本のベルトコンベヤ21を有し、それらのベルトコンベヤ21は、製袋ラインPLの、袋送り方向と直交する方向に包装袋Pを切り離す切り分けカッター15の下流側に、その切り分けカッター15から離間するにつれて互いに離間するように僅かにハ字状に配置されて、製袋ラインPLの袋送り方向と直交する方向に切り離された包装袋Pをその切り離された側の隅部同士が次第に列間隙間D1を拡げるように搬送するものであることから、袋送り方向と直交する方向に二列に並行して多数の包装袋Pを製袋する際に、それら並行する包装袋P同士の切り分け隅部に円弧状コーナーのカットを行う場合に、その横並びに隣り合う包装袋間の縦シール部Lに余剰部を設けることなしに、包装袋Pの切り分け位置と隅部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、積層フィルムFの無駄を削減することができる。
【0054】
さらに、この実施例のインラインコーナーカット装置1によれば、コンベヤは、製袋ラインPLの、袋送り方向に包装袋Pを切り離す断裁カッター16の下流側に位置し、製袋ラインPLの袋送り速度よりも速い袋送り速度で作動して、製袋ラインPLの袋送り方向に切り離された包装袋Pをその切り離された側の隅部同士が並び隙間D2を開けるように搬送するものであることから、袋送り方向に連続的に多数の包装袋Pを製袋する際に、その袋送り方向に隣り合う包装袋P同士の切り分け隅部に円弧状コーナーのカットを行う場合に、その隣り合う包装袋P間の横シール部Wに余剰部を設けることなしに、包装袋Pの切り分け位置と隅部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、積層フィルムFの無駄を削減することができる。
【0055】
さらに、この実施例のインラインコーナーカット装置1によれば、コンベヤは、多数の貫通孔を持つコンベヤベルト21h上に切り離された包装袋Pをその貫通孔を介する負圧により吸着保持するバキューム式ベルトコンベヤ21であることから、コーナーカッター22が包装袋Pの隅部を切除する際に、バキューム式ベルトコンベヤ21が包装袋Pを吸着保持して包装袋Pの位置ずれを防止するので、包装袋Pの隅部のカット位置をより正確なものとすることができる。
【0056】
そして、この実施例のインラインコーナーカット装置1においては、コンベヤは、包装袋Pを間欠的に送るものであり、コーナーカッター22は、そのコンベヤが送りを休止している間に包装袋Pの隅部を切り落とす金型であることから、コーナーカッター22として通常のパンチ22aとダイ22cとを持つ金型を用いることができるので、コーナーカッター22を簡易に構成できるとともに、包装袋Pから切除した切りかすをダイ22cの切り落とし孔22bに連なるパンチ逃がし孔を介して外部へ容易且つ確実に排除し得て、切りかすが異物として包装袋Pに付着するのを容易に防止することができる。
【0057】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、積層フィルムFの材質および積層構造は、被包装物の種類や量等に応じて既知のものから適宜選択でき、包装袋Pの列数も所要に応じて適宜選択できる。また、この発明のインライン縁部カット装置は、コーナーカットの代わりに、あるいはコーナーカットに加えて包装袋の隅部間に延在する縁部にノッチ等をカットしても良い。
【0058】
さらにこの発明のインライン縁部カット装置は、並走する複数本のコンベヤがハ字状にでなく、互いに平行に配置されているとともに、製袋ラインの袋送り方向と交差する方向に切り離された包装袋を、その切り離された側の縁部同士が隙間を開けた状態となるように斜め方向へ送ってそれらのコンベヤ上に移載する例えば斜め向き送りローラ等の搬送手段を具えていても良く、またこの発明のインライン縁部カット装置は、コンベヤが、製袋ラインの袋送り方向およびそれと交差する方向のうち何れか一方向のみに切り離された包装袋を、その切り離された側の縁部同士が隙間を開けた状態で搬送し、縁部カッターが、そのコンベヤ上の隣り合う包装袋の切り離された側の縁部とそれらの縁部同士の隙間とを切除範囲に含めて前記縁部をカットするものであっても良い。
【0059】
そしてこの発明のインライン縁部カット装置は、縁部カッターとして金型の代りに、互いに当接する一対のローラの一方の外周面上に突条を形成されるとともに他方の外周面上にその突条と嵌まり合う凹部または孔部を形成されて、それらのローラの回転により、連続的に送られる包装袋の縁部に切断加工を行うローラ型カッターを具えていても良く、またこの発明のインライン縁部カット装置は、製袋ラインに繋げて配置される代りに、充填包装ライン内に配置されて縁部カットを行い、その後に包装袋への内容物の充填を行われるものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0060】
かくしてこの発明のインライン縁部カット装置によれば、従来の包装袋間の余剰部の代わりに縁部同士の隙間が縁部カッターの切除範囲に入ることから、包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とにずれがあっても、隣の袋の縁部から余分に切り取った部分で突起が発生することがないので、余剰部を設けることなしに包装袋の切り離し位置と縁部カット位置とのずれに起因する突起の発生を防止し得て、包装材料の無駄を削減することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 インラインコーナーカット装置
2 斜めロール
3 送りロール
4 テンションロール
5 ガイドロール
6 切り分けカッター
7 半折りガイド板
8 送りロール
9 重ねロール
10 送りロール
11 縦シール用熱板
12 縦シール用冷却板
13 横シール用熱板
14 横シール用冷却板
15 切り分けカッター
16 断裁カッター
20 主フレーム
20a 支持板
20b 連結材
20c キャスター
20d 固定脚
20e ネジ軸
20f コンベヤ間隔調整ハンドル
20g ベベルギヤ機構
20h 連結軸
20i カップリング
20j 切り欠き部
21 ベルトコンベヤ
21a ブラケット
21b ナット
21c 側板
21d 端部ローラ
21e アイドルローラ
21f 駆動ローラ
21g テンションローラ
21h コンベヤベルト
21i スプライン軸
21j サーボモータ
21k ベルト伝動機構
21l 溝型部材
21m サクションボックス
21n 開口部
21o ブロアー
21p 吸引ダクト
22 コーナーカッター
22a パンチ
22b 切り落とし孔
22c ダイ
22d エアシリンダ
22e 切りかす排出管
23 カッター位置調節機構
23a ブラケット
23b ベース部材
23c ラック・ピニオン機構
23d 直線ガイド機構
23e ハンドル
23f 連結軸
23g 可動フレーム
23h 直線ガイド機構
23i 支持ポスト
23j ハンドル
23k 操作軸
23l ネジ軸
23m ネジ軸
23n ハンドル
23o ハンドル
23p 歯車組
23q 直線ガイド機構
23r 支持部材
23s 支持部材
24 包装袋蹴り出し機構
24a フリーローラ
24b 蹴り出しローラ
24c 固定フレーム
24d ガイドロッド
24e 上部昇降板
24f 下部昇降板
24g ガイドスリーブ
24h 支持スプリング
24i エアシリンダ
24j スプライン軸
24k サーボモータ
24l ベルト伝動機構
24m 静電気除去棒
25 テーブル
C 交差点
D1 列間隙間
D2 並び隙間
E 縁部
F 積層フィルム
L 縦シール部
P 包装袋
PL 製袋ライン
R フィルムロール
W 横シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋ラインに繋げて配置されあるいは充填包装ライン内に配置されて、その製袋ラインまたは充填包装ライン内で製袋された包装袋の縁部をカットするインライン縁部カット装置において、
前記製袋ラインの袋送り方向およびそれと交差する方向のうち少なくとも一方向に切り離された包装袋を、その切り離された側の縁部同士が隙間を開けた状態で搬送するコンベヤと、
前記コンベヤ上の隣り合う包装袋の前記切り離された側の縁部とそれらの縁部同士の隙間とを切除範囲に含めて前記縁部をカットする縁部カッターと、
を具えることを特徴とするインライン縁部カット装置。
【請求項2】
前記コンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向と直交する方向に包装袋を切り離す切り分け装置の下流側に位置して互いに並走する複数本のベルトコンベヤを有し、
それら複数本のベルトコンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向と直交する方向に包装袋を切り離す切り分け装置の下流側に、その切り分け装置から離間するにつれて互いに離間するように配置されて、前記製袋ラインの袋送り方向と直交する方向に切り離された包装袋をその切り離された側の縁部同士が次第に隙間を拡げるように搬送することを特徴とする、請求項1記載のインライン縁部カット装置。
【請求項3】
前記コンベヤは、前記製袋ラインの、袋送り方向に包装袋を切り離す切断装置の下流側に位置し、前記製袋ラインの袋送り速度よりも速い袋送り速度で作動して、前記製袋ラインの袋送り方向に切り離された包装袋をその切り離された側の縁部同士が隙間を開けるように搬送することを特徴とする、請求項1または2記載のインライン縁部カット装置。
【請求項4】
前記コンベヤは、多数の貫通孔を持つコンベヤベルト上に前記切り離された包装袋をその貫通孔を介する負圧により吸着保持するバキューム式ベルトコンベヤであることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載のインライン縁部カット装置。
【請求項5】
前記コンベヤは、前記包装袋を間欠的に送るものであり、
前記縁部カッターは、前記コンベヤが送りを休止している間に前記包装袋の縁部を切り落とす金型であることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項記載のインライン縁部カット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−61724(P2012−61724A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207740(P2010−207740)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000206233)大成ラミック株式会社 (56)
【Fターム(参考)】