説明

ウィッキング織物およびそれで製造された衣類

吸湿織物は、ポリエステルまたはポリプロピレン等の本来的に疎水性の繊維から実質的に完全に成る一方の側、およびポリエステルまたはポリプロピレン等の疎水性の繊維と親水性繊維、特に綿、リヨセルおよびビスコースレーヨン等のセルロース繊維との混合物からなる他方の側を有する。衣類は、例えば衣類全体を編む方法によって、そうした吸湿織物で形成でき、繊維の混合物からなる側が衣類の外側である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウィッキング(wicking)織物に関し、そしてリヨセルおよび/または他のセルロース繊維を含有するウィッキング織物に特に関係がある。そうしたウィッキング織物で形成された衣類にも関する。
【0002】
工業用または活性織物、特にスポーツウェアーまたは他の用途での使用への、かなりの要求があり、湿気が織物の一方の側から他方の側に急速且つ快適に輸送され、つぎに広い表面積にかけて広がって、蒸発による冷却効果を最大化する必要がある。そうした織物は、通常の織物より速く乾く。
【0003】
これらの工業用織物は、それらのウィッキング能力に関して効果的である必要があるだけでなく、好ましくは使用中に快適である必要がある。理想的には、そうした織物は、衣類に製造される場合、衣類の外側より内側で乾いていると感じられる。それらは、また好ましくは使用中に不快に感じられる程重過ぎない。
【背景技術】
【0004】
公知の従来技術の一形態において、織物は、疎水性タイプのポリエステルで完全に形成された内側層と、親水性処理ポリエステルで形成された外側層とを有する2層で製造されたポリエステルでできている。これらの親水性処理は、ポリエステルへの化学的処理として適用され、そしてあいにく織物は、洗浄でそれらの親水性処理を失い、したがって快適さの観点および技術的性能の観点の両方から悪化することが見いだされた。疎水性の材料は、約25%未満の低い保水性を有するポリエステルおよびポリアクリロニトリル等の弱吸湿性、またはポリプロピレン、ポリビニルクロライドもしくはポリエチレン等の非吸湿性であってもよい。
【0005】
親水性の材料は、またセルロースまたは羊毛等の強吸湿性である傾向がある。
【0006】
米国特許出願公開第2004/0058072号明細書において、少なくとも一部が疎水性処理で処理された部分があるセルロース繊維の第1の糸、および第1の糸より大きい吸収最大容量を有するセルロース繊維の第2の糸から織物を製造し、内側表面が外側表面より低い吸収最大容量を有するように、第1の糸と第2の糸とを共に編むことまたは織ることによって織物を製造することも提案された。
【0007】
さらに、これらのタイプの工程は、所望の効果を与えるための繊維の化学的処理を含み、そしてそうした化学的処理は、永続的でなく且つ使用時に洗い流される。
【0008】
国際公開第98/24621号パンフレットは、着用者の体から液体が吸収される、明らかにオムツまたは他の衛生品向けの単一の層状複合物を開示する。複合物は、着用者から液体を急速に取得し、そして遷移ゾーンを通して、一時的な貯蔵媒体として働く第2の層へ移送する液体取得層として働く第1の層からなる。両層は、繊維および接着剤を含み、そして使用時の複合物は、外から湿気を漏らさないまたは吸収しない最も外側の外部表面を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
米国特許第5,433,987号明細書は、汗および他の体液を吸収するため、そして着用者の快適さまたは衛生のために、体から汗および他の体液を集めまたは分散させる改善された水吸収性を有するスパンレース織物を開示する。織物は、多層またはラミネート構造で吸収性層として使用されるが、使用時に着用者から見て外に向く、衣類の最も外側の層を形成しない。
【0010】
より関係が低い他の公知の従来技術文献は、米国特許出願公開第2003/0181118号明細書、米国特許第5,787,503号明細書、米国特許第5,735,145号明細書および米国特許第5,297,296号明細書である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
効果的であるために、化学的処理を必要としない繊維で、工業用ウィッキング織物を製造できることが発見された。
【0012】
本発明は衣類用吸湿織物を提供し、該織物が、本来的に疎水性の材料の繊維から実質的に完全に成る最も外側にある一方の側と、本来的に疎水性の材料の繊維と親水性繊維、特にセルロース繊維との混合物からなる最も外側にある他方の側と、を有する。
【0013】
本発明はまた衣料用吸湿織物を提供し、該織物が、本来的に疎水性の材料の繊維から実質的に完全に成る最も外側にある一方の側と、合成または熱可塑性材料等の本来的に疎水性の材料の繊維とセルロース繊維等の親水性繊維との混合物からなる最も外側にある他方の側とを有し、織物の一方の側が織物の他方の側よりさらに疎水性である。
【0014】
本来的に疎水性の材料は、25%未満の水吸収または保持をするポリエステル、ポリアミドまたはポリプロピレン等のものである。
【0015】
好ましくは、本来的に疎水性の熱可塑性材料は、ポリエステルである。一方の側の本来的に疎水性の材料の繊維、例えば熱可塑性材料は、他方の側のまたは異なる材料の本来的に疎水性の材料の繊維、例えば熱可塑性材料と同一の材料で形成されていてもよい。
【0016】
好ましくは、親水性繊維、特にセルロース繊維と、本来的に疎水性の材料の繊維、例えば熱可塑性材料との混合物は、50%未満または50%以下の親水性材料、特にセルロース材料を含む。好ましくは、セルロース材料は、リヨセルであるが、他のセルロース材料、または例えばより少ない量の1種または2種以上の他のタイプのセルロース材料とリヨセル繊維との混合物を使用することもできる。典型的に且つ好ましくは、リヨセルおよび/または他のセルロース材料の含有量は、10〜50%、好ましくは20〜40%の範囲、そしてさらに好ましくは約30%である。短繊維および/または連続繊維を層中で使用できる。
【0017】
織物は、編みもしくは織りによって、または針接合等の不職布接合技術によって製造されてもよい。それらは、バインダー(接着剤)を必要とせず、そして一般的に使用せず、それによって硬くなったり、または柔軟でなくならない利点を有する。織物の製造の好ましい方法は、二重平編地編み工程が2層を同時に製造するために使用される編み工程により、層が密接に接触するように、連結縫糸によって繋がれる。
【0018】
織物を製造するさらなる方法は、エアーレイド(air−laid)ポリエステルまたは他の疎水性の繊維の層がエアーレイドリヨセルおよび/または他のセルロース繊維の層の上に置かれ、そしてポリエステル側から入る針で、該2層が共にニードルパンチ(needle−punched)され、そしてニードルバーブ(needle barb)が、ポリエステル繊維をリヨセルおよび/または他のセルロース繊維の下層に向かわせ、一方の側に実質的に全てのポリエステル、そして他方の側にポリエステルとリヨセルおよび/または他のセルロース材料との混合物を製造する針接合による。
【0019】
本発明は、上記で説明した織物で形成された衣類をさらに提供し、衣類を着用した場合、着用者の方に向く衣類の側(内側)は、実質的に全くの(100%)疎水性の層を含み、そして反対(外)側は、繊維、例えば疎水性の繊維とセルロース繊維との混合物を含む。繊維の混合物で形成された、着用者から見て外へ向く側を有することによって、衣類に接触する湿気は、衣類の表面で急速に広く広がる、疎水性の表面が着用者の皮膚に接触し、そして着用者に衣類を気持ち悪く感じさせないように、汗を分散させない。衣類は、吸湿織物の2つの側のいずれかに支持層を有さない。衣類全体の編み工程によって製造されてもよく、それによって衣類は編まれて単一の作業で二重平編地製品として形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
工業用織物、特にスポーツウェアー等の用途に好適なウィッキング織物では多くの工程を行わなければならず、そしてまた美と性能との間の良好なバランスを有していなければならない。例えば、100%ポリエステル織物で形成されたスポーツウェアーは、湿気を着用者の皮膚に隣接した織物の内側から外側に、急速に逃がすことができる。しかし、100%ポリエステル織物は着心地が悪く、そして実質的に織物中で水を保持しない。特に、織物は水を内側から外側に運ぶだけで、そして運ばれた湿気は横に広がらない。従って、背骨の中心領域および腕の下側等の湿気の多く出る領域においては、織物中および織物上で水が急速に増え、織物への着心地を悪くし、そして織物はゆっくりとしか乾燥しないことを意味する。
【0021】
100%疎水性、すなわち未処理ポリエステルの内側層と、親水性になるように処理された処理ポリエステルで形成された織物の外側層との2層ポリエステルスポーツウェアーを形成することが提案されてきた。しかし、そうした処理は通常仕上げとして適用され、そしてこれらの仕上げは、繰り返し洗うと洗い流される。さらに、これらの織物は、合成繊維織物の感触または"風合い"を依然有し、そして100%ポリエステル織物の通常の特性を有する、すなわち毛羽立ちしそして静電気電気をためる傾向がある。
【0022】
他方では100%セルロース織物は、異なる種類の問題を有する。これらのセルロースの水または湿気の吸収性は非常に高く、その結果水が広がらず、そして織物が湿って、重く、気持ち悪く感じられる。セルロース繊維は、またポリエステル繊維より高価な傾向があり、したがって、織物のコストおよびそれ故に衣類のコストが高くなる傾向がある。
【0023】
図面の図1に具体的に説明されるように、本発明は、スポーツウェアー等の工業的用途に特に適する吸湿織物を提供する。織物は、好ましくは一方の側の1がポリエステル等の本来的に疎水性の熱可塑性材料の繊維でほとんど完全に形成されており、そして、他方の側の2がリヨセル繊維と、本来的に疎水性の熱可塑性材料の繊維との混合物で形成されている2層構造を含む。綿、モーダル(modal)またはビスコースレーヨン繊維等の他のセルロース繊維は、またはリヨセル繊維の代わりにもしくはリヨセル繊維に加えて使用できるが、リヨセルは、感触および強度、特にウェット強度の組み合わせで好ましい。
【0024】
そうした織物は、着心地がよく、そして高い吸湿特徴を有する衣類を生み出す。
【0025】
層2がポリエステルで形成された本来的に疎水性の熱可塑性材料繊維と、10〜50wt%のリヨセルとの混合物を含む場合、繰り返し洗っても低下しない永続的なウィッキング特性を有する織物が製造されることが特に見いだされた。
【実施例】
【0026】
行われる本発明の理解を可能にするために、下記に示したのは、織物の吸収性についての参考資料であり、上記層2のためのポリエステル混合物中に10〜50wt%のリヨセルを含有する織物を使用することによって得られる特別な利益を示す。
【0027】
織物の吸収性を試験する一つの公知の方法は、いわゆるGravimetric Absorbency Testing System (GATS)である。そうしたシステムの詳細は、雑誌“International Nonwoven Journal”、Vol 11、No.4、Winter 2002の中に、Konopka and Pourdeyhimi and Kimによる記事中、題名“In−Plane Liquid Distribution of Nonwoven Fabrics: Part I − Experimental Observations”で、23〜25頁に特に記載される。本質的に、Gravimetric Absorbency Testing Systemは、図面の図2に図式的に示された装置を利用し、U字管4によって出口点5に接続された水の容器3を含む。ディスク6の材料が、毛管作用によりU字管4を介して容器から水を吸い上げるように、試験される織物のディスク6を、出口5の上に適用する。しかし、水を吸う織物だけが液体をそれらの中に"吸いこむ"。
【0028】
図面の図3に示すのは、織物1グラム当たり吸収される水のグラムに関して、水平の軸上の秒での時間に対する、垂直軸上での吸収のグラフである。本質的に、織物は、グラフの線の第2の部分8によって具体的に説明される安定状態に達するまで、グラフの線の第1の部分7によって具体的に説明される吸収性フェーズの間に水を吸収する。勾配7が急であればあるほど、織物の吸収速度が大きく、したがって織物はより良くそしてより速く水を吸収する。安定状態線8の高さの値は、水を吸収する織物の全最大容量を示す。毎秒毎グラム当たり織物に吸収される水のグラム(g/gs)に関して、ウィッキング速度を決定するために一連のテストを行った。未処理のポリエステル繊維の100%ポリエステル織物から、リヨセル量の増加を利用して100%リヨセル織物まで、変化する種々のポリエステル/リヨセル織物を使用して、テストを行った。これらのテストの結果を表1に示す。
表1
【表1】

【0029】
これらのテストでは、異なる織物の吸収率を、リヨセルの比率に対してプロットした。これは、吸収率(AR)を垂直軸上で測り、そしてポリエステル/リヨセル織物混合物中でリヨセルのパーセンテージを、水平の軸上で測った、図面の図4中で具体的に説明されたグラフを与える。
【0030】
最初は約50%の最大値に到達するまで、より多くのリヨセルが織物に取り込まれるに従って、吸収率が増加するように見える。50%を超えると吸収率は、さらに増加しない。
【0031】
本発明に先入観を持たなければ、この挙動の理由は、少ない比率の繊維がセルロース(例えばリヨセル)である場合、セルロース繊維からなる水が通る連続的な経路がありにくいためと考えられる。しかし、充分なセルロース繊維が存在する場合、水はセルロース繊維の連続的な経路に続く織物を通って移動できる。一旦それぞれのセルロースの繊維が多くの近隣のセルロース繊維と接触すると、セルロース繊維の比率のさらなる増加は、ウィッキングにおけるなんらかの増加をもたらさないであろう。
【0032】
この予期しない発見が、織物の層2が、リヨセル(および/または他のセルロースの)とポリエステル(および/または他の合成)との混合物を含む本発明となった。100%リヨセルとしてより、むしろポリエステルとリヨセルとの混合物として層2を有することによって、層2が100%リヨセルである場合にあるであろう一箇所に蓄積されるよりむしろ、ポリエステル層から逃げる水は層2を通って横道に広がることを促進されることが特に見いだされた。
【0033】
層1から水をウィッキングすることによって層2中のリヨセルは、層1での蒸発を高め、そして織物でできた衣類が使用時に心地悪く感じられることを防ぐ助けをする。本発明による好ましい層2中の横道を約7.5cm/秒の速度で動くことができることを観察によって見出した。1分未満で水はほとんど1mの半分、言い換えれば人が着ているそうした織物でできたシャツの全体にわたって動けることを意味する。これは、本発明による織物で形成された衣類中で、背骨の回りおよび腕の下等の多汗の範囲で生成された水が、層2の横道で逃がされてそうした織物でできたスポーツウェアーの心地よさを高めることができることを意味する。さらに、大量の湿気を含有する表面積がこの側面のウィッキングで増加し、それによって全体としての衣類の蒸発速度を高める。ポリエステル繊維はリヨセルより重量が小さいので、全体としての織物を低重量の織物として保つことができ、さらに着用者の心地よさを高める。
【0034】
当然のことながら、2層構造を作る多くの方法がある。特に層1と2とは、共に織られることができ、または米国特許第5,209,084号明細書中に記載されるように、Edouard Dubied and Cie SA、 Switzerland、 in 1967によって出版された“Dubied Knitting Manual”の本に記載された等の編み機を利用して、二重平編地編み工程によって編むことができる。
【0035】
これによって、層1および2を同時に作ることができ、そして層1用ポリエステルの単独の糸と、層2用ポリエステル/リヨセル混合糸で同時に相互に接続することができることを意味する。シャツおよびブラウス等の衣類を作る場合、織物および編物は、柔軟で且つ着用が容易である。
【0036】
織物を製造する別の方法は、化学的バインダーまたは接着剤を使用することなく、2つの不織布を共に針で接合することである。図面の図5および6中で具体的に説明したように、エアーレイドポリエステルステープル繊維またはエアーレイドポリエステル連続繊維の第1のウェブ10を、第2の層12の上に横たえる。層12は、リヨセルとポリエステルとの混合物で形成された繊維のエアーレイドバット(bat)またはマットである。次に、2層をバーブ15等の下向きに向けられたバーブを有する14等の針によって共に縫う。図6にさらに明らかに示されるように、これは、上層10から繊維を下層12中に押す。バーブ15は下向きに向けられているので、針は、層10を下向きに、そしてより少ない程度で層12を上向きに引く傾向があるだけである。したがって、ポリエステルの上層10、および層10から押された追加のポリエステル繊維と結合したリヨセルとポリエステル繊維との混合物を含む下層12を含む接合構造を形成する。層10を層12に押す図6に示された指16は、いくらかのポリエステル層12を通って、層12の底上に運ぶことができる。
【0037】
この工程の改変では、層12は、針で接合されていない状態のリヨセル繊維から完全になることができる。図6に示されるように、これは、層12中のポリエステルおよびリヨセル繊維の糸に始まって製造される混合物より、わずかにより親密で無く接合されるリヨセルとポリエステルとの混合物となる。バインダーを使用しないことによって織物を可能な限り柔軟にできる。
【0038】
明らかに、層12が最初にポリエステルとリヨセルとの混合物であるところでは、層12中の最初のリヨセル含有量は、針接合後の層中のリヨセル含有量より多いであろうし、そして層12の望ましい究極のリヨセル含有量によって、適当な余裕があることが好ましい。これらの針で接合された織物は、バインダーを有さないにもかかわらず、織物または編物ほど柔軟ではない。
【0039】
本発明のさらなる利点は、2層を形成するために使用される編み工程が、公知の衣類全体の編み工程による単一の作業で、衣類一式を編むために使用できることであり、その結果、衣類ポリエステルまたは他の疎水性の内側層、およびポリエステルとセルロース繊維典型的にはリヨセル繊維との混合物を含んでなる外側層から一気に製造できる。
【0040】
本発明の具体例は、リヨセルおよびポリエステルを参照して記載されているが、他の吸湿性の繊維およびビスコース、モーダルおよび綿、または羊毛までもを含む他のセルロース繊維等の織物が使用できる。
【0041】
疎水性の材料は、非吸湿性のまたは弱吸湿性のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の態様は、以下の添付図面を参照して記載されるであろう。
【図1】図1は、本発明による織物の図式断面図であり、
【図2】図2は、改良されたgravimetric absorbency testing system (GATS)の図式説明であり、
【図3】図3は、時間に対する吸収性のグラフであり、
【図4】図4は、混合リヨセル/ポリエステル材料中のパーセンテージリヨセルに対する吸収率のグラフであり、
【図5】図5は、穿刺システムの図式図であり、そして
【図6】図6は、図5の楕円VI内の部分の拡大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類用吸湿織物、該織物が、本来的に疎水性の繊維から実質的に完全に成る最も外側にある一方の側と、疎水性の繊維と親水性繊維との混合物からなる最も外側にある他方の側と、を有する。
【請求項2】
該織物の一方の側が、該織物の他方の側よりさらに疎水性である、請求項1に記載の吸湿織物。
【請求項3】
該織物の一方の側が編みまたは織りから選択される工程によって形成され、そして該織物の他方の側が編みまたは織りから選択される工程によって形成される、請求項1または2に記載の吸湿織物。
【請求項4】
両側が、同一工程で形成される、請求項3に記載の吸湿織物。
【請求項5】
該一方の側が、他方の側と異なる工程で形成される、請求項3に記載の吸湿織物。
【請求項6】
該一方の側と該他方の側とが、作られると同時に共に接続される、請求項3または4に記載の吸湿織物。
【請求項7】
該一方の側と該他方の側とが別々に形成され、次に該織物を形成するために接続される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項8】
本来的に疎水性の合成材料または熱可塑性材料の繊維から実質的に完全に成る最も外側にある一方の側と、本来的に疎水性の合成材料または熱可塑性材料と親水性繊維の繊維との混合物からなる最も外側にある他方の側とを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項9】
該親水性繊維が、セルロース繊維である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項10】
該セルロース繊維が、綿、リヨセルまたはビスコースレーヨンから選択される、請求項9に記載の吸湿織物。
【請求項11】
該本来的に疎水性の材料が、ポリエステルまたはポリプロピレンから選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項12】
一方の側の該本来的に疎水性の材料の該繊維が、他方の側の該本来的に疎水性の材料の繊維と異なる材料で形成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項13】
一方の側の該本来的に疎水性の材料の該繊維が、他方の側の該本来的に疎水性の材料の該繊維と同一の材料で形成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項14】
該繊維の混合物で形成される該層が、50%以下のセルロース繊維と50%超の本来的に疎水性の熱可塑性材料の繊維とを含む、請求項9もしくは10または請求項9もしくは10の従属項としての請求項11〜13のいずれか一項に記載の吸湿織物。
【請求項15】
繊維の該混合物で形成される該層が、10〜50%、好ましくは20〜40%およびさらに好ましくは約30%のセルロース繊維を含む、請求項14に記載の吸湿織物。
【請求項16】
該セルロース繊維が、リヨセル繊維である、請求項14または15に記載の吸湿織物。
【請求項17】
繊維の該混合物からなる側が、該衣類の外側である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の吸湿織物で形成された衣類。
【請求項18】
編まれた衣類であり、そして該衣類全体を編む方法によって編まれた請求項17に記載の衣類。
【請求項19】
シャツまたはブラウスの形態である請求項18に記載の衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−509064(P2009−509064A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531787(P2008−531787)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003534
【国際公開番号】WO2007/034204
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(591004294)レンツィング・アクチエンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】LENZING AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】