説明

ウイルス捕捉フィルターの使用可能時間の改善

【課題】前出願(特願2009ー175327)のウイルス捕捉フィルターでは、吸着剤としてベンゾイン樹脂を用いた。樹脂は界面張力によって木玉中心部に集まり、木玉表面に樹脂が無くなった。樹脂が表面を覆っている間が使用可能で、およそ5時間程度と十分ではなかった。
【解決手段】桧の球体に粘りの弱い樹脂を染み込ませ吸収層とし、表面を粘りが強く木に染み込まない樹脂でコーティングし吸着層を形成する。2層化により解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インフルエンザ等、空気感染を防ぐマスク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
前出願(特願2009ー175327)では桧の球体に粘りの強いベンゾイン樹脂を染み込ませ吸気中の浮遊物を吸着させた。樹脂は呼気の水分を吸い液化し、その界面張力によって木玉中心部に集まり、木玉表面に樹脂が無くなった。樹脂が表面を覆っている間が使用可能時間で、およそ5時間程度であった。1日使う場合は2個必要となり、費用の面で困難があった。
【課題を解決するための手段】
【0003】
桧の球体に粘りの弱い親水性木質樹脂ミラル等の抽出液を染み込ませ乾燥した後、木に染み込まない性質を持つ粘りの強い親水性木質樹脂フランキンセンス等の抽出液でコーティングし2層化する。
【発明の効果】
【0004】
吸収層に粘りの弱い樹脂を使うことで中心部に集まる性質が弱まる。更に、吸収層は吸着層から張力を受けるため木玉全体に安定して分布できる。また、吸着層は内部に染み込まないため表面が塵に覆われるまで使用可能となる。どちらの層も親水性樹脂で、吸着された水分子は内部に吸収されるが、この過程で臭いなど分子の小さな成分も内部に吸収される。以上のように2つの層が相乗的に作用し使用可能時間を4ないし5倍に延ばすことができた。空気の汚れがひどい場合でも10時間の使用が可能となり、ゆとりを持って1日使えるようになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
桧の球体に、粘りの弱い親水性木質樹脂を染み込ませた吸収層と、木に染み込まない性質を持つ粘りの強い親水性木質樹脂でコーティングした吸着層を形成する。樹脂を2層化することによって使用可能時間を改善する。

【公開番号】特開2011−87888(P2011−87888A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260423(P2009−260423)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(508212163)
【Fターム(参考)】