ウェッブコーナー型紙容器
【課題】組み立てたままの状態で、簡単にかつ確実に内面の樹脂フィルムを剥がすことができるようにする。
【解決手段】フィルム側を内面にして組み立てられたウェッブコーナー型紙容器A1 であり、ウェッブコーナー部Wを外面に貼り合わせた側板以外の側板12の上辺に蓋板16が連設され、その蓋板16の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pで形成してなる剥離開始部分P1 が設けられている。切れ目線pのところで紙層が完全に切れておらず、樹脂フィルムの剥離に伴って紙の剥がれが起こったとしても、剥離開始部分P1 からの剥離が紙の目に逆らって行われて、紙の剥がれは直ぐになくなり、蓋板16に続く側板12のところで樹脂フィルムが剥離されると、ウェッブコーナー部Wの内面が剥がれて抵抗力が小さくなる。
【解決手段】フィルム側を内面にして組み立てられたウェッブコーナー型紙容器A1 であり、ウェッブコーナー部Wを外面に貼り合わせた側板以外の側板12の上辺に蓋板16が連設され、その蓋板16の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pで形成してなる剥離開始部分P1 が設けられている。切れ目線pのところで紙層が完全に切れておらず、樹脂フィルムの剥離に伴って紙の剥がれが起こったとしても、剥離開始部分P1 からの剥離が紙の目に逆らって行われて、紙の剥がれは直ぐになくなり、蓋板16に続く側板12のところで樹脂フィルムが剥離されると、ウェッブコーナー部Wの内面が剥がれて抵抗力が小さくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板紙からなる紙容器の技術分野に属し、詳しくは、リサイクルに対応した液漏れ防止機能のあるウェッブコーナー型紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、揚げたてのフライドチキン等、たれ、肉汁、ソース類を伴う調理食品や、冷凍食品などの紙容器として、四隅からの油、調味料、肉汁等の液漏れを防止するため、四隅を外側に折り込んで側板の外面に貼り合わせて固定したウェッブ(みずかき)コーナー型の紙容器が用いられている。
【0003】
また、調味料や油が付着した食品、煮汁のでる食品、或いは電子レンジ調理冷凍食品用として、一般に、板紙とその内面にコーティングされた樹脂又はラミネートされたポリエチレン等の樹脂フィルムとからなる積層体を材料とする紙容器が使用されており、汚れ防止用としてこのような樹脂フィルムを設けることによって、内容物が板紙に直に接触することを防止するようになっている。
【0004】
ところで、近年、環境問題が大きな問題となっており、自然環境を守ろうとする意識が高まっている。特に、廃棄物処理の問題は大きく、できるだけ材料を少なく使用する省資源化、そして資源の再利用であるリサイクル等での対応が求められている。このような背景のもとに、包装に使用される容器を廃棄する時には、できるだけ材料を紙とプラスチックに分別することが望まれている。
【0005】
この環境問題に対応して、紙容器の廃棄時に紙とプラスチックに分離してその分離した紙を再資源化するために、板紙に樹脂フィルムを剥離可能な状態で全面に貼合してなる積層体を材料に使用した紙容器が提案されている。ところが、このような形態の紙容器においても、消費者は内容物である食品を食した後、樹脂フィルムを引き剥がさずに廃棄する場合が少なくなかった。そこで、この剥離可能な樹脂フィルムを消費者が引き剥がせるように、紙の内面に樹脂フィルムを部分的に貼り合わせた積層体を用いたウェッブコーナー型紙容器も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−328622号後方
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のウェッブコーナー型紙容器では、樹脂フィルムを紙の内面に部分的に要所要所を見当を合わせて貼り合わせる加工は、極めて加工難度が高いのでコストが高くなる傾向にある。したがって、原材料の段階で紙の内面に樹脂フィルムを全面的に貼り合わせる方法が好ましいが、このようにすると、貼り合わせた樹脂フィルムが剥がしにくくなり、特に、剥離開始において、紙と樹脂フィルムとが密着しているために、爪を立てながら両者を分離させるきっかけを作るなど細かい操作が必要であった。このため、剥離開始部のところで樹脂フィルム以外の層に切込みを入れて剥離開始部分を作り、樹脂フィルム以外の部分を外してそこをきっかけにして剥がす方法があるが、薄い樹脂フィルムだけを残して他の部分のみに切込みを入れることは難しく、強く入れると樹脂フィルムが切れ、弱いと紙が切れ残るなどの不具合が生じてしまう。
【0007】
さらに、使用した後に剥離可能な樹脂フィルムを剥がす方法が定まっていないため、剥がし始めるきっかけが分かりにくい上に、剥がし方によっては途中で樹脂フィルムが切れる等して、樹脂フィルムを剥がし損なうことが少なくなかった。特にウェッブコーナー型紙容器では、四隅を外側に折り込んで側板の外面に貼り合わせて固定しているため、うまく剥がそうとしても、剥がし損なうことが多かった。このため、ウェッブコーナー型紙容器を平らに展開してから樹脂フィルムを剥がす場合もあり、このような場合は手が汚れる等の不具合が生じていた。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組み立てたままの状態で、簡単にかつ確実に内面の樹脂フィルムを剥がすことができるようしたウェッブコーナー型紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のウェッブコーナー型紙容器は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられ、底板の各辺にそれぞれ折り線を介して側板が起立し、各側板の両側辺にそれぞれ折り線を介して折込み片が連設し、隣接する折込み片同士が底板の隅から放射状に外方向に伸びる放射状折り線を介して連結されたウェッブコーナー部を形成しており、各ウェッブコーナー部が側板の外側に貼り合わせられているウェッブコーナー型紙容器であって、ウェッブコーナー部を外面に貼り合わせた側板以外の側板の上辺に蓋板が連設されており、その蓋板の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線で形成してなる剥離開始部分が設けられていることを特徴としている。
【0010】
そして、上記構成のウェッブコーナー型紙容器において、剥離開始部分が、蓋板の端縁部に設けられた摘み部であるようにすることができるし、或いは、剥離開始部分が、蓋板の端縁部付近に設けられた押込み部であるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウェッブコーナー型紙容器は、蓋板の端縁部にある剥離開始部分から樹脂フィルムの剥離を開始した際に、切れ目線のところで紙層が完全に切れておらず、樹脂フィルムの剥離に伴ってその樹脂フィルムにくっ付いた形で紙の剥がれが起こったとしても、剥離開始部分からの剥離が紙の目に逆らって行われるため、紙の剥がれは直ぐになくなって、板紙に対して樹脂フィルムが境界面で剥離され、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、蓋板に続く側板のところで樹脂フィルムが剥離されると、ウェッブコーナー部の内面が剥がれ、それによりコーナー部での抵抗力が小さくなるため、樹脂フィルムを全体に渡って切れることなく簡単にかつ確実に剥がすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の一例を示す斜視図、図2は図1のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図3は図1に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図、図4は図3の部分拡大断面図である。
【0014】
図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられている。その外見形状は概ね通常のウェッブコーナー型紙容器と同様であり、矩形状の底板11における一方の対向する辺から一対の側板12,12が、他方の対向する辺から一対の側板13,13がそれぞれ斜め上方に起立しており、一方の対向する一対の側板12,12のうちの一つの側板12の上辺には蓋板16が連設するとともにもう一つの側板12の上辺にはフラップ片17が連設し、他方の対向する一対の側板13,13にはそれぞれフラップ片18,18が設けられており、さらに、蓋板16の先端付近には切込み線により係止凸部16aが設けられ、フラップ片17にはその係止凸部16aが係止可能なスリット17aが形成されている。そして、隣接した側板12,13同士はウェッブコーナー部Wで連結されており、そのウェッブコーナー部Wは、蓋板16側では側板12に隣接する側板13,13の外面に貼り合わせることで、また蓋板16と反対側では側板12の外面に貼り合わせることでそれぞれ固定されている。なお、フラップ片18,18は必ずしも設ける必要はないが、保形性をよくするために設けることが好ましい。
【0015】
また、このウェッブコーナー型紙容器A1 は、蓋板16が連設する側板12の上下片が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交している。なお、本発明で略直交するとは正確に直交する場合も含むものとする。そして、蓋板16の端縁部には、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 が設けられており、この摘み部Pは、樹脂フィルム以外の層にミシン刃による切れ目線pを入れることで形成されている。この「紙の目」とは紙の特質の一つである。すなわち、紙が抄紙機で抄かれる時、紙料(パルプ)中の繊維は抄紙機上を流れる方向に大体並ぶが、その流れの方向を「紙の目の方向」と称している。
【0016】
ここで、摘み部P1 を区画する切れ目線pは、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体からブランクを打ち抜く際に同時に形成する。この場合、樹脂フィルムは後で引っ張って剥がすのであるから、樹脂フィルムを傷つけないように、樹脂フィルムと紙層との境に丁度合うようにミシン刃や切れ刃を入れるのが理想的である。しかし、打抜き機でこれを正確に行うのは難しく、樹脂フィルムを傷つけないようにすると、紙層が完全に切れないことが避けられない。そして、このように紙層が完全に切れていないと、樹脂フィルムを引っ張った際に、紙層が層間剥離を起こしてフィルム側にくっついてしまう。この時、板紙の紙の目の方向と同じ方向に樹脂フィルムを剥がすようにすると、剥離した紙層が付いてきて剥離部分が大きくなる。これに対し、板紙の紙の目の方向と略直交する方向に樹脂フィルムを剥がすようにすると、紙層の剥離は直ぐになくなり、分別が良好に行われることになる。
【0017】
図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 は図3に示すブランクB1 から組み立てられる。このブランクB1 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を原反とし、その原反を打ち抜いて作製されたものであり、図示のように、矩形状の底板11における上下の対向する辺にそれぞれ折り線aを介して側板12,12が連設され、左右の対向する辺にそれぞれ折り線bを介して側板13,13が連設されている。ここで、ブランクB1 は、上下の対向する折り線aが板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交し、左右の対向する折り線bが板紙の紙の目の方向と平行な方向になるように設計されている。
【0018】
また、ブランクB1 における側板12,12の両側辺には放射状折り線cを介してそれぞれ三角形状の折込み片14が連設され、側板13の両側辺には放射状の折り線dを介してそれぞれ三角形状の折込み片15が連設され、隣接する折込み片14,15同士が放射状折り線eで連設されており、この折込み片14,15同士を連設した部分がウェッブコーナー部Wとなっている。さらに、一方の対向する一対の側板12,12の一つの側板12の上辺には折り線fを介して蓋板16が連設され、もう一つの側板12の上辺には折り線gを介してフラップ片17が連設され、他方の対向する一対の側板13,13の外側に辺には折り線hを介してそれぞれフラップ片18が連設されている。そして、蓋板16の先端付近には切込み線により係止凸部16aが設けられ、フラップ片17にはその係止凸部16aが係止可能なスリット17aが形成されている。また、図示のように、係止凸部16aは外向きに広がった斜めの折り線iにより区画されているので、指で摘む部分は蓋板16からの突出サイズ以上に充分な大きさとなり、摘みやすくかつ係止しやすくなっている。また、スリット17aは切込みに湾曲をつけ、係止凸部16aの挿入をよりスムースにしている。
【0019】
そして、このブランクB1 では、蓋板16の側縁部の中程に、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 を設けている。したがって、摘み部P1 は、樹脂フィルムの剥離を開始する方向が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交する方向となるように設けられている。この摘み部P1 は、図4の部分拡大断面図に示すように、樹脂フィルムF以外の層にミシン刃による切れ目線pを半円形状に入れて形成したものである。このような摘み部P1 を設けることにより、切れ目線pのところで樹脂フィルムF以外の層が破れ、樹脂フィルムFを剥がすことができる。なお、切れ目線pはミシン刃の他に切れ刃で入れることもできる。
【0020】
図5は図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 から樹脂フィルムFを剥がす手順を示す説明図であり、樹脂フィルムFは図の番号順に剥がされるが、具体的には次のようである。
【0021】
このウェッブコーナー型紙容器A1 は、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘み部P1 から剥がし始める。そして、蓋板16の端縁部にある摘み部P1 から樹脂フィルムを剥がし始めると、上記の如く摘み部P1 は樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるきっかけとなるように設けてあるので、たとえ紙層が層間剥離を起こしたとしても、その紙層の剥離は直ぐになくなり、樹脂フィルムは板紙との境界面から剥がれた状態で剥離されていく。このように、切れ目線pのところで紙層が完全に切れていなくても、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、蓋板16に続く側板12のところで樹脂フィルムが剥離されると、その側板12の両側に続くウェッブコーナー部Wの内面が剥がれることにより、コーナー部での抵抗力が小さくてすみ、樹脂フィルムが切れることなく剥がすことができる。すなわち、ウェッブコーナー部を外面に貼り付けた側板の上辺から樹脂フィルムを剥がし始めると、コーナー部での抵抗力が大きく、樹脂フィルムが切れてしまうことが多いが、ウェッブコーナー部を貼り付けていない側板の上縁から樹脂フィルムを剥がし始めるようにすることで、切れることなく剥がすことができる。
【0022】
図6は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の別の例を示す斜視図、図7は図6のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図8は図6に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【0023】
図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられている。その外見形状は概ね通常のウェッブコーナー型紙容器と同様であり、矩形状の底板11における一方の対向する辺から一対の側板12,12が、他方の対向する辺から一対の側板13,13がそれぞれ斜め上方に起立しており、一方の対向する一対の側板12,12には係止用の大きな三角状の蓋板21,21がそれぞれ連設し、他方の対向する一対の側板13,13には小さな三角状の蓋板22,22がそれぞれ連設しており、一方の対向する一対の蓋板21,21の先端付近には互いに差し込むことで係止可能な切込み線21aが形成されている。そして、隣接した側板12,13同士はウェッブコーナー部Wで連結されており、そのウェッブコーナー部Wは、大きな蓋板21,21が連設する側板12の外面に貼り合わせることでそれぞれ固定されている。
【0024】
また、このウェッブコーナー型紙容器A2 は、小さな蓋板22が連設する側板13の上下片が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と平行になっている。そして、両方の小さな蓋板22,22の先端は板紙の紙の目の方向と平行になるように同じように切り欠かれており、その小さな蓋板22,22の先端にある端縁部には、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 がそれぞれ設けられており、これらの摘み部Pは、樹脂フィルム以外の層にミシン刃による切れ目線pを入れることで形成されている。
【0025】
図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 は図8に示すブランクB2 から組み立てられる。このブランクB2 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を原反とし、その原反を打ち抜いて作製されたものであり、図示のように、矩形状の底板11における上下の対向する辺にそれぞれ折り線aを介して側板12,12が連設され、左右の対向する辺にそれぞれ折り線bを介して側板13,13が連設されている。ここで、ブランクB2 は、上下の対向する折り線aが板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交し、左右の対向する折り線bが板紙の紙の目の方向と平行な方向になるように設計されている。
【0026】
また、ブランクB1 における側板12,12の両側辺には放射状折り線cを介してそれぞれ三角形状の折込み片14が連設され、側板13の両側辺には放射状の折り線dを介してそれぞれ三角形状の折込み片15が連設され、隣接する折込み片14,15同士が放射状折り線eで連設されており、この折込み片14,15同士を連設した部分がウェッブコーナー部Wとなっている。さらに、一方の対向する一対の側板12,12の上辺には折り線fを介して係止用の大きな三角状の蓋板21,21がそれぞれ連設され、他方の対向する一対の側板13,13の上辺には折り線gを介してには小さな三角状の蓋板22,22がそれぞれ連設されている。そして、一方の対向する一対の蓋板21,21の先端付近には互いに差し込むことで係止可能な切込み線21aが形成されている。
【0027】
そして、このブランクB2 では、両方の小さな蓋板22,22の先端は側板13と平行になるように同じように切り欠かれており、その小さな蓋板22,22の先端にある端縁部に、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 をそれぞれ設けている。したがって、各摘み部P1 は、樹脂フィルムの剥離を開始する方向が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交する方向となるように設けられている。これらの摘み部P1 は、樹脂フィルムF以外の層にミシン刃による切れ目線pを半円形状に入れて形成したものである(図4参照)。このような摘み部P1 を設けることにより、切れ目線pのところで樹脂フィルムF以外の層が破れ、樹脂フィルムFを剥がすことができる。なお、切れ目線pはミシン刃の他に切れ刃で入れることもできる。
【0028】
図9は図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 から樹脂フィルムFを剥がす手順を示す説明図であり、樹脂フィルムFは図の番号順に剥がされるが、具体的には次のようである。
【0029】
このウェッブコーナー紙容器A2 は、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘み部P1 から剥がし始めることができる。そして、小さな蓋板22の端縁部にあるいずれかの摘み部P1 から樹脂フィルムを剥がし始めると、上記の如く摘み部P1 は樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるきっかけとなるように設けてあるので、たとえ紙層が層間剥離を起こしたとしても、その紙層の剥離は直ぐになくなり、樹脂フィルムは板紙との境界面から剥がれた状態で剥離されていく。このように、切れ目線のところで紙層が完全に切れていなくても、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、小さな蓋板22に続く側板13のところで樹脂フィルムが剥離されると、その側板13の両側に続くウェッブコーナー部Wの内面が剥がれることにより、コーナー部での抵抗力が小さくてすみ、樹脂フィルムが切れることなく剥がすことができる。また、蓋板22,22の各摘み部P1 ,P1 を両方一度に引き上げて行くと、内容物の残渣が多少あっても、これがフィルム中央に保持されるので、包みながら手を汚さずに廃棄することができる。
【0030】
図10は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器のさらに別の例を示す斜視図、図11は図10のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図12は図10に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【0031】
図10及び図11に示すウェッブコーナー型紙容器A3 は、図6及び図7に示したウェッブコーナー型紙容器A2 と略同じものであり、底板11における一方の対向する辺から斜め上方に起立した一対の側板12,12に連設する蓋板21,21の形状だけが異なっている。また、図12に示すブランクB3 は、図8に示したものと略同じものであり、蓋板21,21の形状だけが異なっている。すなわち、一方の対向する一対の蓋板21,21は、それぞれ大きな三角形状である点では変わりはないが、これらのうちの一つの蓋板21の先端付近には切込み線により係止凸部21bが設けられるともにもう一つの蓋板21にはその係止凸部21bが係止可能なスリット21cが形成されている。したがって、係止凸部21bをスリット21cの外側から差し込むことでことで図10の如く蓋がされるものである。
【0032】
そして、図10及び図11に示すウェッブコーナー型紙容器A3 も、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘みブランクP1 から剥がし始めることができ、その剥がし方は図6及び図7のウェッブコーナー型紙容器A2 で説明したのと同様である。
【0033】
上記した3つのウェッブコーナー型容器では、剥離開始部分として、蓋板の端縁部から内側に向かう摘み部を形成したが、図13に示すように、蓋板16の端縁部から突出した摘み部P1 を設けるようにしてもよい。この場合、摘み部P1 の境界線は、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pとなる。この切れ目線pも図示のようなミシン目の他に切れ刃により形成することもできる。また、この突出した摘み部P1 の形状は、図では半円形状であるが、指で摘むことができさえれば任意である。そして、このような突出した摘み部P1 を設けた場合でも、樹脂フィルムの剥がし方は前記した場合と同様である。
【0034】
また、図14に示すように、剥離開始部分として、蓋板16の端縁部付近に押込み部P2 を設けるようにしてもよい。この押込み部P2 は、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pにより設けられており、その切れ目線pは原反からブランクを打ち抜く時と同時に形成することができる。この切れ目線pは図のようなミシン目の他に切れ刃で形成することもできる。また、この押込み部P2 の形状は、図では長円形状であるが、指で押し込むことができさえすれば任意である。そして、このような押込み部P2 を設けた場合、消費者はウェッブコーナー型紙容器を使用した後に、この押込み部P2 を指で押して樹脂フィルムを剥がすきっかけを作り、この剥がした部分を取っ掛かりとして樹脂フィルムを剥がすことができる。
【0035】
本発明によるウェッブコーナー型紙容器の材料としては、基材である板紙の内面に樹脂フィルムが貼合された積層体を使用する。その板紙の範囲は広く、コートボール、マニラボール、ミルクカートン原紙、カップ原紙、段ボール等を使用することができる。坪量は紙容器のサイズによって変わるが、150〜450g/m2 の範囲が好ましい。
【0036】
また、汚れ防止用の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等を使用することができ、また、生分解性プラスチックフィルム(ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリラクトカプトン、ポリブチレンサクシレート、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース等)も使用することができる。フィルムの選定に当たっては、公知の厚生省告示20号告示に適合したフィルムを使用することが好ましい。
【0037】
この樹脂フィルムの貼り合わせは、剥離可能な接着剤を使用して剥離可能に全面接着する方法、或いは、ポリエチレン樹脂等を使用して押出しラミネートして貼合する方法等がある。また、板紙と樹脂フィルムの接着部分は密集していれば部分的で合ってもよく、このような接着方法として、熱シール、或いは、公知のエマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型の接着剤、粘着剤を使用して部分的に接着するホットメルトがある。
【0038】
また、一般の紙容器を形成するブランクと同様に、本発明のウェッブコーナー型紙容器用の表面には印刷が行われるが、オフセット、グラビア、フレキソ印刷等、これまでに知られているいかなる方法でも用いることができる。さらに、オーバーコート、艶出し、エンボス等の後加工も自由に行うことができる。ただし、ウェッブコーナー部を貼り合わせる部分はオーバーコート層等を除くことが好ましい。
【0039】
なお、上記の実施形態の説明では、容器形状のままで樹脂フィルムを剥離したが、容器を展開してから樹脂フィルムを剥離するようにしても差し支えない。この場合でも、板紙の紙の目の方向と略直交する方向に樹脂フィルムを剥がすことになるので、紙層の剥離は直ぐになくなり、分別が良好に行われることになる。
【0040】
本発明による紙容器用ブランクは、上記の実施の形態で説明したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、上記の例で挙げたウェッブコーナー型紙容器は、側板の形状が上辺が広い台形としたトレー形状であるが、全側板を長方形とした直方体形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図3】図1に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図4】図3の部分拡大断面図である。
【図5】図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器から樹脂フィルムを剥がす手順を示す説明図である。
【図6】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の別の例を示す斜視図である。
【図7】図6のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図8】図6に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図9】図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器から樹脂フィルムを剥がす手順を示す説明図である。
【図10】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器のさらに別の例を示す斜視図である。
【図11】図10のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図12】図10に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図13】剥離開始手段としての摘み部の他の例の説明図である。
【図14】剥離開始手段としての押込み部の説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A1 〜A3 ウェッブコーナー型紙容器
B1 〜B3 ブランク
F 樹脂フィルム
P1 摘み部
P2 押込み部
W ウェッブコーナー部
a〜i 折り線
p 切れ目線
11 底板
12,13 側板
14,15 折込み片
16 蓋板
17 差込み片
18 延長片
21,22 蓋板
21a 切込み線
21b 係止凸部
21c スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、板紙からなる紙容器の技術分野に属し、詳しくは、リサイクルに対応した液漏れ防止機能のあるウェッブコーナー型紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、揚げたてのフライドチキン等、たれ、肉汁、ソース類を伴う調理食品や、冷凍食品などの紙容器として、四隅からの油、調味料、肉汁等の液漏れを防止するため、四隅を外側に折り込んで側板の外面に貼り合わせて固定したウェッブ(みずかき)コーナー型の紙容器が用いられている。
【0003】
また、調味料や油が付着した食品、煮汁のでる食品、或いは電子レンジ調理冷凍食品用として、一般に、板紙とその内面にコーティングされた樹脂又はラミネートされたポリエチレン等の樹脂フィルムとからなる積層体を材料とする紙容器が使用されており、汚れ防止用としてこのような樹脂フィルムを設けることによって、内容物が板紙に直に接触することを防止するようになっている。
【0004】
ところで、近年、環境問題が大きな問題となっており、自然環境を守ろうとする意識が高まっている。特に、廃棄物処理の問題は大きく、できるだけ材料を少なく使用する省資源化、そして資源の再利用であるリサイクル等での対応が求められている。このような背景のもとに、包装に使用される容器を廃棄する時には、できるだけ材料を紙とプラスチックに分別することが望まれている。
【0005】
この環境問題に対応して、紙容器の廃棄時に紙とプラスチックに分離してその分離した紙を再資源化するために、板紙に樹脂フィルムを剥離可能な状態で全面に貼合してなる積層体を材料に使用した紙容器が提案されている。ところが、このような形態の紙容器においても、消費者は内容物である食品を食した後、樹脂フィルムを引き剥がさずに廃棄する場合が少なくなかった。そこで、この剥離可能な樹脂フィルムを消費者が引き剥がせるように、紙の内面に樹脂フィルムを部分的に貼り合わせた積層体を用いたウェッブコーナー型紙容器も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−328622号後方
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のウェッブコーナー型紙容器では、樹脂フィルムを紙の内面に部分的に要所要所を見当を合わせて貼り合わせる加工は、極めて加工難度が高いのでコストが高くなる傾向にある。したがって、原材料の段階で紙の内面に樹脂フィルムを全面的に貼り合わせる方法が好ましいが、このようにすると、貼り合わせた樹脂フィルムが剥がしにくくなり、特に、剥離開始において、紙と樹脂フィルムとが密着しているために、爪を立てながら両者を分離させるきっかけを作るなど細かい操作が必要であった。このため、剥離開始部のところで樹脂フィルム以外の層に切込みを入れて剥離開始部分を作り、樹脂フィルム以外の部分を外してそこをきっかけにして剥がす方法があるが、薄い樹脂フィルムだけを残して他の部分のみに切込みを入れることは難しく、強く入れると樹脂フィルムが切れ、弱いと紙が切れ残るなどの不具合が生じてしまう。
【0007】
さらに、使用した後に剥離可能な樹脂フィルムを剥がす方法が定まっていないため、剥がし始めるきっかけが分かりにくい上に、剥がし方によっては途中で樹脂フィルムが切れる等して、樹脂フィルムを剥がし損なうことが少なくなかった。特にウェッブコーナー型紙容器では、四隅を外側に折り込んで側板の外面に貼り合わせて固定しているため、うまく剥がそうとしても、剥がし損なうことが多かった。このため、ウェッブコーナー型紙容器を平らに展開してから樹脂フィルムを剥がす場合もあり、このような場合は手が汚れる等の不具合が生じていた。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組み立てたままの状態で、簡単にかつ確実に内面の樹脂フィルムを剥がすことができるようしたウェッブコーナー型紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のウェッブコーナー型紙容器は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられ、底板の各辺にそれぞれ折り線を介して側板が起立し、各側板の両側辺にそれぞれ折り線を介して折込み片が連設し、隣接する折込み片同士が底板の隅から放射状に外方向に伸びる放射状折り線を介して連結されたウェッブコーナー部を形成しており、各ウェッブコーナー部が側板の外側に貼り合わせられているウェッブコーナー型紙容器であって、ウェッブコーナー部を外面に貼り合わせた側板以外の側板の上辺に蓋板が連設されており、その蓋板の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線で形成してなる剥離開始部分が設けられていることを特徴としている。
【0010】
そして、上記構成のウェッブコーナー型紙容器において、剥離開始部分が、蓋板の端縁部に設けられた摘み部であるようにすることができるし、或いは、剥離開始部分が、蓋板の端縁部付近に設けられた押込み部であるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウェッブコーナー型紙容器は、蓋板の端縁部にある剥離開始部分から樹脂フィルムの剥離を開始した際に、切れ目線のところで紙層が完全に切れておらず、樹脂フィルムの剥離に伴ってその樹脂フィルムにくっ付いた形で紙の剥がれが起こったとしても、剥離開始部分からの剥離が紙の目に逆らって行われるため、紙の剥がれは直ぐになくなって、板紙に対して樹脂フィルムが境界面で剥離され、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、蓋板に続く側板のところで樹脂フィルムが剥離されると、ウェッブコーナー部の内面が剥がれ、それによりコーナー部での抵抗力が小さくなるため、樹脂フィルムを全体に渡って切れることなく簡単にかつ確実に剥がすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の一例を示す斜視図、図2は図1のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図3は図1に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図、図4は図3の部分拡大断面図である。
【0014】
図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられている。その外見形状は概ね通常のウェッブコーナー型紙容器と同様であり、矩形状の底板11における一方の対向する辺から一対の側板12,12が、他方の対向する辺から一対の側板13,13がそれぞれ斜め上方に起立しており、一方の対向する一対の側板12,12のうちの一つの側板12の上辺には蓋板16が連設するとともにもう一つの側板12の上辺にはフラップ片17が連設し、他方の対向する一対の側板13,13にはそれぞれフラップ片18,18が設けられており、さらに、蓋板16の先端付近には切込み線により係止凸部16aが設けられ、フラップ片17にはその係止凸部16aが係止可能なスリット17aが形成されている。そして、隣接した側板12,13同士はウェッブコーナー部Wで連結されており、そのウェッブコーナー部Wは、蓋板16側では側板12に隣接する側板13,13の外面に貼り合わせることで、また蓋板16と反対側では側板12の外面に貼り合わせることでそれぞれ固定されている。なお、フラップ片18,18は必ずしも設ける必要はないが、保形性をよくするために設けることが好ましい。
【0015】
また、このウェッブコーナー型紙容器A1 は、蓋板16が連設する側板12の上下片が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交している。なお、本発明で略直交するとは正確に直交する場合も含むものとする。そして、蓋板16の端縁部には、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 が設けられており、この摘み部Pは、樹脂フィルム以外の層にミシン刃による切れ目線pを入れることで形成されている。この「紙の目」とは紙の特質の一つである。すなわち、紙が抄紙機で抄かれる時、紙料(パルプ)中の繊維は抄紙機上を流れる方向に大体並ぶが、その流れの方向を「紙の目の方向」と称している。
【0016】
ここで、摘み部P1 を区画する切れ目線pは、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体からブランクを打ち抜く際に同時に形成する。この場合、樹脂フィルムは後で引っ張って剥がすのであるから、樹脂フィルムを傷つけないように、樹脂フィルムと紙層との境に丁度合うようにミシン刃や切れ刃を入れるのが理想的である。しかし、打抜き機でこれを正確に行うのは難しく、樹脂フィルムを傷つけないようにすると、紙層が完全に切れないことが避けられない。そして、このように紙層が完全に切れていないと、樹脂フィルムを引っ張った際に、紙層が層間剥離を起こしてフィルム側にくっついてしまう。この時、板紙の紙の目の方向と同じ方向に樹脂フィルムを剥がすようにすると、剥離した紙層が付いてきて剥離部分が大きくなる。これに対し、板紙の紙の目の方向と略直交する方向に樹脂フィルムを剥がすようにすると、紙層の剥離は直ぐになくなり、分別が良好に行われることになる。
【0017】
図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 は図3に示すブランクB1 から組み立てられる。このブランクB1 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を原反とし、その原反を打ち抜いて作製されたものであり、図示のように、矩形状の底板11における上下の対向する辺にそれぞれ折り線aを介して側板12,12が連設され、左右の対向する辺にそれぞれ折り線bを介して側板13,13が連設されている。ここで、ブランクB1 は、上下の対向する折り線aが板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交し、左右の対向する折り線bが板紙の紙の目の方向と平行な方向になるように設計されている。
【0018】
また、ブランクB1 における側板12,12の両側辺には放射状折り線cを介してそれぞれ三角形状の折込み片14が連設され、側板13の両側辺には放射状の折り線dを介してそれぞれ三角形状の折込み片15が連設され、隣接する折込み片14,15同士が放射状折り線eで連設されており、この折込み片14,15同士を連設した部分がウェッブコーナー部Wとなっている。さらに、一方の対向する一対の側板12,12の一つの側板12の上辺には折り線fを介して蓋板16が連設され、もう一つの側板12の上辺には折り線gを介してフラップ片17が連設され、他方の対向する一対の側板13,13の外側に辺には折り線hを介してそれぞれフラップ片18が連設されている。そして、蓋板16の先端付近には切込み線により係止凸部16aが設けられ、フラップ片17にはその係止凸部16aが係止可能なスリット17aが形成されている。また、図示のように、係止凸部16aは外向きに広がった斜めの折り線iにより区画されているので、指で摘む部分は蓋板16からの突出サイズ以上に充分な大きさとなり、摘みやすくかつ係止しやすくなっている。また、スリット17aは切込みに湾曲をつけ、係止凸部16aの挿入をよりスムースにしている。
【0019】
そして、このブランクB1 では、蓋板16の側縁部の中程に、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 を設けている。したがって、摘み部P1 は、樹脂フィルムの剥離を開始する方向が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交する方向となるように設けられている。この摘み部P1 は、図4の部分拡大断面図に示すように、樹脂フィルムF以外の層にミシン刃による切れ目線pを半円形状に入れて形成したものである。このような摘み部P1 を設けることにより、切れ目線pのところで樹脂フィルムF以外の層が破れ、樹脂フィルムFを剥がすことができる。なお、切れ目線pはミシン刃の他に切れ刃で入れることもできる。
【0020】
図5は図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器A1 から樹脂フィルムFを剥がす手順を示す説明図であり、樹脂フィルムFは図の番号順に剥がされるが、具体的には次のようである。
【0021】
このウェッブコーナー型紙容器A1 は、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘み部P1 から剥がし始める。そして、蓋板16の端縁部にある摘み部P1 から樹脂フィルムを剥がし始めると、上記の如く摘み部P1 は樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるきっかけとなるように設けてあるので、たとえ紙層が層間剥離を起こしたとしても、その紙層の剥離は直ぐになくなり、樹脂フィルムは板紙との境界面から剥がれた状態で剥離されていく。このように、切れ目線pのところで紙層が完全に切れていなくても、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、蓋板16に続く側板12のところで樹脂フィルムが剥離されると、その側板12の両側に続くウェッブコーナー部Wの内面が剥がれることにより、コーナー部での抵抗力が小さくてすみ、樹脂フィルムが切れることなく剥がすことができる。すなわち、ウェッブコーナー部を外面に貼り付けた側板の上辺から樹脂フィルムを剥がし始めると、コーナー部での抵抗力が大きく、樹脂フィルムが切れてしまうことが多いが、ウェッブコーナー部を貼り付けていない側板の上縁から樹脂フィルムを剥がし始めるようにすることで、切れることなく剥がすことができる。
【0022】
図6は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の別の例を示す斜視図、図7は図6のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図8は図6に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【0023】
図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられている。その外見形状は概ね通常のウェッブコーナー型紙容器と同様であり、矩形状の底板11における一方の対向する辺から一対の側板12,12が、他方の対向する辺から一対の側板13,13がそれぞれ斜め上方に起立しており、一方の対向する一対の側板12,12には係止用の大きな三角状の蓋板21,21がそれぞれ連設し、他方の対向する一対の側板13,13には小さな三角状の蓋板22,22がそれぞれ連設しており、一方の対向する一対の蓋板21,21の先端付近には互いに差し込むことで係止可能な切込み線21aが形成されている。そして、隣接した側板12,13同士はウェッブコーナー部Wで連結されており、そのウェッブコーナー部Wは、大きな蓋板21,21が連設する側板12の外面に貼り合わせることでそれぞれ固定されている。
【0024】
また、このウェッブコーナー型紙容器A2 は、小さな蓋板22が連設する側板13の上下片が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と平行になっている。そして、両方の小さな蓋板22,22の先端は板紙の紙の目の方向と平行になるように同じように切り欠かれており、その小さな蓋板22,22の先端にある端縁部には、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 がそれぞれ設けられており、これらの摘み部Pは、樹脂フィルム以外の層にミシン刃による切れ目線pを入れることで形成されている。
【0025】
図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 は図8に示すブランクB2 から組み立てられる。このブランクB2 は、樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を原反とし、その原反を打ち抜いて作製されたものであり、図示のように、矩形状の底板11における上下の対向する辺にそれぞれ折り線aを介して側板12,12が連設され、左右の対向する辺にそれぞれ折り線bを介して側板13,13が連設されている。ここで、ブランクB2 は、上下の対向する折り線aが板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交し、左右の対向する折り線bが板紙の紙の目の方向と平行な方向になるように設計されている。
【0026】
また、ブランクB1 における側板12,12の両側辺には放射状折り線cを介してそれぞれ三角形状の折込み片14が連設され、側板13の両側辺には放射状の折り線dを介してそれぞれ三角形状の折込み片15が連設され、隣接する折込み片14,15同士が放射状折り線eで連設されており、この折込み片14,15同士を連設した部分がウェッブコーナー部Wとなっている。さらに、一方の対向する一対の側板12,12の上辺には折り線fを介して係止用の大きな三角状の蓋板21,21がそれぞれ連設され、他方の対向する一対の側板13,13の上辺には折り線gを介してには小さな三角状の蓋板22,22がそれぞれ連設されている。そして、一方の対向する一対の蓋板21,21の先端付近には互いに差し込むことで係止可能な切込み線21aが形成されている。
【0027】
そして、このブランクB2 では、両方の小さな蓋板22,22の先端は側板13と平行になるように同じように切り欠かれており、その小さな蓋板22,22の先端にある端縁部に、貼合された樹脂フィルムを剥がし始めるための剥離開始部分としての摘み部P1 をそれぞれ設けている。したがって、各摘み部P1 は、樹脂フィルムの剥離を開始する方向が板紙の紙の目の方向(矢印方向)と略直交する方向となるように設けられている。これらの摘み部P1 は、樹脂フィルムF以外の層にミシン刃による切れ目線pを半円形状に入れて形成したものである(図4参照)。このような摘み部P1 を設けることにより、切れ目線pのところで樹脂フィルムF以外の層が破れ、樹脂フィルムFを剥がすことができる。なお、切れ目線pはミシン刃の他に切れ刃で入れることもできる。
【0028】
図9は図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器A2 から樹脂フィルムFを剥がす手順を示す説明図であり、樹脂フィルムFは図の番号順に剥がされるが、具体的には次のようである。
【0029】
このウェッブコーナー紙容器A2 は、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘み部P1 から剥がし始めることができる。そして、小さな蓋板22の端縁部にあるいずれかの摘み部P1 から樹脂フィルムを剥がし始めると、上記の如く摘み部P1 は樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるきっかけとなるように設けてあるので、たとえ紙層が層間剥離を起こしたとしても、その紙層の剥離は直ぐになくなり、樹脂フィルムは板紙との境界面から剥がれた状態で剥離されていく。このように、切れ目線のところで紙層が完全に切れていなくても、剥離開始後に直ぐに樹脂フィルムのみを引っ張る形となり、小さな蓋板22に続く側板13のところで樹脂フィルムが剥離されると、その側板13の両側に続くウェッブコーナー部Wの内面が剥がれることにより、コーナー部での抵抗力が小さくてすみ、樹脂フィルムが切れることなく剥がすことができる。また、蓋板22,22の各摘み部P1 ,P1 を両方一度に引き上げて行くと、内容物の残渣が多少あっても、これがフィルム中央に保持されるので、包みながら手を汚さずに廃棄することができる。
【0030】
図10は本発明に係るウェッブコーナー型紙容器のさらに別の例を示す斜視図、図11は図10のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図、図12は図10に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【0031】
図10及び図11に示すウェッブコーナー型紙容器A3 は、図6及び図7に示したウェッブコーナー型紙容器A2 と略同じものであり、底板11における一方の対向する辺から斜め上方に起立した一対の側板12,12に連設する蓋板21,21の形状だけが異なっている。また、図12に示すブランクB3 は、図8に示したものと略同じものであり、蓋板21,21の形状だけが異なっている。すなわち、一方の対向する一対の蓋板21,21は、それぞれ大きな三角形状である点では変わりはないが、これらのうちの一つの蓋板21の先端付近には切込み線により係止凸部21bが設けられるともにもう一つの蓋板21にはその係止凸部21bが係止可能なスリット21cが形成されている。したがって、係止凸部21bをスリット21cの外側から差し込むことでことで図10の如く蓋がされるものである。
【0032】
そして、図10及び図11に示すウェッブコーナー型紙容器A3 も、使用後に容器形状のままで樹脂フィルムを摘みブランクP1 から剥がし始めることができ、その剥がし方は図6及び図7のウェッブコーナー型紙容器A2 で説明したのと同様である。
【0033】
上記した3つのウェッブコーナー型容器では、剥離開始部分として、蓋板の端縁部から内側に向かう摘み部を形成したが、図13に示すように、蓋板16の端縁部から突出した摘み部P1 を設けるようにしてもよい。この場合、摘み部P1 の境界線は、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pとなる。この切れ目線pも図示のようなミシン目の他に切れ刃により形成することもできる。また、この突出した摘み部P1 の形状は、図では半円形状であるが、指で摘むことができさえれば任意である。そして、このような突出した摘み部P1 を設けた場合でも、樹脂フィルムの剥がし方は前記した場合と同様である。
【0034】
また、図14に示すように、剥離開始部分として、蓋板16の端縁部付近に押込み部P2 を設けるようにしてもよい。この押込み部P2 は、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線pにより設けられており、その切れ目線pは原反からブランクを打ち抜く時と同時に形成することができる。この切れ目線pは図のようなミシン目の他に切れ刃で形成することもできる。また、この押込み部P2 の形状は、図では長円形状であるが、指で押し込むことができさえすれば任意である。そして、このような押込み部P2 を設けた場合、消費者はウェッブコーナー型紙容器を使用した後に、この押込み部P2 を指で押して樹脂フィルムを剥がすきっかけを作り、この剥がした部分を取っ掛かりとして樹脂フィルムを剥がすことができる。
【0035】
本発明によるウェッブコーナー型紙容器の材料としては、基材である板紙の内面に樹脂フィルムが貼合された積層体を使用する。その板紙の範囲は広く、コートボール、マニラボール、ミルクカートン原紙、カップ原紙、段ボール等を使用することができる。坪量は紙容器のサイズによって変わるが、150〜450g/m2 の範囲が好ましい。
【0036】
また、汚れ防止用の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等を使用することができ、また、生分解性プラスチックフィルム(ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリラクトカプトン、ポリブチレンサクシレート、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース等)も使用することができる。フィルムの選定に当たっては、公知の厚生省告示20号告示に適合したフィルムを使用することが好ましい。
【0037】
この樹脂フィルムの貼り合わせは、剥離可能な接着剤を使用して剥離可能に全面接着する方法、或いは、ポリエチレン樹脂等を使用して押出しラミネートして貼合する方法等がある。また、板紙と樹脂フィルムの接着部分は密集していれば部分的で合ってもよく、このような接着方法として、熱シール、或いは、公知のエマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型の接着剤、粘着剤を使用して部分的に接着するホットメルトがある。
【0038】
また、一般の紙容器を形成するブランクと同様に、本発明のウェッブコーナー型紙容器用の表面には印刷が行われるが、オフセット、グラビア、フレキソ印刷等、これまでに知られているいかなる方法でも用いることができる。さらに、オーバーコート、艶出し、エンボス等の後加工も自由に行うことができる。ただし、ウェッブコーナー部を貼り合わせる部分はオーバーコート層等を除くことが好ましい。
【0039】
なお、上記の実施形態の説明では、容器形状のままで樹脂フィルムを剥離したが、容器を展開してから樹脂フィルムを剥離するようにしても差し支えない。この場合でも、板紙の紙の目の方向と略直交する方向に樹脂フィルムを剥がすことになるので、紙層の剥離は直ぐになくなり、分別が良好に行われることになる。
【0040】
本発明による紙容器用ブランクは、上記の実施の形態で説明したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、上記の例で挙げたウェッブコーナー型紙容器は、側板の形状が上辺が広い台形としたトレー形状であるが、全側板を長方形とした直方体形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図3】図1に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図4】図3の部分拡大断面図である。
【図5】図1及び図2に示すウェッブコーナー型紙容器から樹脂フィルムを剥がす手順を示す説明図である。
【図6】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器の別の例を示す斜視図である。
【図7】図6のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図8】図6に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図9】図6及び図7に示すウェッブコーナー型紙容器から樹脂フィルムを剥がす手順を示す説明図である。
【図10】本発明に係るウェッブコーナー型紙容器のさらに別の例を示す斜視図である。
【図11】図10のウェッブコーナー型紙容器を開けた状態で示す斜視図である。
【図12】図10に示すウェッブコーナー型紙容器のブランクを示す展開図である。
【図13】剥離開始手段としての摘み部の他の例の説明図である。
【図14】剥離開始手段としての押込み部の説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A1 〜A3 ウェッブコーナー型紙容器
B1 〜B3 ブランク
F 樹脂フィルム
P1 摘み部
P2 押込み部
W ウェッブコーナー部
a〜i 折り線
p 切れ目線
11 底板
12,13 側板
14,15 折込み片
16 蓋板
17 差込み片
18 延長片
21,22 蓋板
21a 切込み線
21b 係止凸部
21c スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられ、底板の各辺にそれぞれ折り線を介して側板が起立し、各側板の両側辺にそれぞれ折り線を介して折込み片が連設し、隣接する折込み片同士が底板の隅から放射状に外方向に伸びる放射状折り線を介して連結されたウェッブコーナー部を形成しており、各ウェッブコーナー部が側板の外側に貼り合わせられているウェッブコーナー型紙容器であって、ウェッブコーナー部を外面に貼り合わせた側板以外の側板の上辺に蓋板が連設されており、その蓋板の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線で形成してなる剥離開始部分が設けられていることを特徴とするウェッブコーナー型紙容器。
【請求項2】
剥離開始部分が、蓋板の端縁部に設けられた摘み部であることを特徴とする請求項1に記載のウェッブコーナー型紙容器。
【請求項3】
剥離開始部分が、蓋板の端縁部付近に設けられた押込み部であることを特徴とする請求項1に記載のウェッブコーナー型紙容器。
【請求項1】
樹脂フィルムを板紙の全面に剥離可能な状態で貼合した積層体を材料とし、フィルム側を内面にして組み立てられ、底板の各辺にそれぞれ折り線を介して側板が起立し、各側板の両側辺にそれぞれ折り線を介して折込み片が連設し、隣接する折込み片同士が底板の隅から放射状に外方向に伸びる放射状折り線を介して連結されたウェッブコーナー部を形成しており、各ウェッブコーナー部が側板の外側に貼り合わせられているウェッブコーナー型紙容器であって、ウェッブコーナー部を外面に貼り合わせた側板以外の側板の上辺に蓋板が連設されており、その蓋板の端縁部に、樹脂フィルムを板紙の紙の目の方向と略直交する方向に剥がし始めるためのきっかけとして、樹脂フィルム以外の層に入れた切れ目線で形成してなる剥離開始部分が設けられていることを特徴とするウェッブコーナー型紙容器。
【請求項2】
剥離開始部分が、蓋板の端縁部に設けられた摘み部であることを特徴とする請求項1に記載のウェッブコーナー型紙容器。
【請求項3】
剥離開始部分が、蓋板の端縁部付近に設けられた押込み部であることを特徴とする請求項1に記載のウェッブコーナー型紙容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−145396(P2007−145396A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345248(P2005−345248)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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