説明

ウッドリボン

【課題】木材を使用し自然色と木目をいかし長手方向に薄く鉋掛けし、削りだされた帯状経木を2枚貼り合わせ形成し、装飾品等に使用し、空気浄化など生活環境の改善を図る。
【解決手段】木材の気乾比重含水率15%時の比重値の差が0.3以内の複数の木材を順目どうしに木工用接着剤で横はぎし模様が出るよう長手方向に鉋掛けし、削りだされた2枚の帯状経木に無線綴じ用接着剤で貼り合わせし2枚の帯状経木の板厚は0.10mmから0.38mmにすることにより、柔軟性に富み縮み少ない裏表のない木の色や木目模様をおびたウッドリボンに形成する。例えば、リボン等・網状に展開しあらゆる装飾品に使用でき、またカール状に展開し、装飾品に巻きつけたり、ウッドリボンを切ったり貼ったりし室内外の適当な場所に展開し、アクセントとして美的効果を得、さらに屋内では森林浴効果、空気浄化作用があり相乗的に生活環境の改善を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木材を利用した装飾物に属する。
【背景技術】
【0002】
従来木材を利用した装飾物としては桧を鉋掛けし長尺の帯状経木を形成しその帯状
経木を幾重に折りたたんで成る桧芳香材などがあった(特許文献1)。
従来の発明は主に桧の芳香効果の目的であったが、例えば、特許文献1では1種類
の桧を鉋掛けし、帯状経木を形成し幾重に折り畳みし結束し室内、車内に置き、湯
舟に浮かべて芳香を目的とするとあるが、単独の置物としての帯状経木であり使用
用途はかぎられ、湯舟に投入物としての使用用途は一時的な桧芳香効果はあるが、
二次的の芳香効果は低い。
発散後の廃物利用として、貼材としての利用は長手・幅方向にはウエーブ状の連続
であり利用価値が今一の感が否めない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−14314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の桧芳香剤は、芳香効果だけでうまく利用されていない。
桧の赤身を帯びた心材を鉋掛けしただけの長尺の帯状経木は、長手・幅方向に貼り
とウエーブの連続であり折りたたみし結束紐で結ぶことのできる板厚において長手
方向に割れが生じ折りたたみを施す場合幅方向に割れが生じる。
また、投入物としての使用は一時的な芳香効果だけであり、廃物利用において貼り
材とあるが、含浸された場合、長手幅方向のウエーブはさらに増し長手・幅方向に
割れが生じ貼り材にはならない。
それを解決するためにはこの発明は、木材からなる帯状経木を強度のあるウッドリ
ボンに形成し装飾品として使用、提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究した結果以下の発明を見出した。
すなわち、本発明にかかる1つの態様は、長尺の帯状経木からなるウッドリボンで
あって、削りだされた帯状経木2枚貼り合わせて形成されたことを特徴とするウッ
ドリボンである。
【0006】
さらには、上記長尺の帯状経木からなるウッドリボンは、となりあった木材の比重
(気乾比重含水率15%時の平均値)の差が0.3kg/立方メートル範囲以内の木 材3mmから60mmの幅を使用し複数の木材を横はぎし形成することを特徴とす
る。
【0007】
さらには、上記長尺の帯状経木からなるウッドリボンの板厚は0.10mmか0.
38mmとする。
【0008】
本発明にかかる他の態様は、長尺の帯状経木からなるウッドリボンの製造方法であ
って、鉋により長尺の帯状経木を削りだし上記削りだされた帯状経木を板厚方向に
2枚貼り合わせる各ステップからなることを特徴とするウッドリボンの製造方法で
ある。
【0009】
さらには、となりあった木材の比重(気乾比重含水率15%時の平均値)の差が木
材値0.3kg/立方メートル範囲以内の複数の木材を順目どうしに配列し木材接 着面に木工用接着剤を塗布し横はぎしプレス機、高周波によるプレス機または、手
締め等で側圧するステップ。
横はぎされた木材を色・木目模様がでるよう長手方向に鉋掛けし、帯状経木を削り
だす各ステップを特徴とするウッドリボンの製造方法である。
【0010】
上記鉋掛けし、削りだされた帯状経木に水分を含浸させた後、熱圧する。
熱圧した帯状経木の片面1枚に無線綴じ用接着剤(水性エマルジョン形の酢酸ビニ
ル樹脂系水性エマルジョン形の接着剤)を塗布し、2枚の帯状経木を貼り合わせ熱
圧する各ステップを更に含む製造方法。
【0011】
上記ウッドリボンはしなやかで長時間形状がたもたれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は木材を使用しウッドリボンとして提供するものであり、鉋により削りださ
れた帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ形成されることにより強靭で破れにくく
長期的に利用できるウッドリボンである。
【0013】
幅3mmから60mmの木材をとなりあった木材の比重(気乾比重含水率15%時
の平均値)の差が0.3kg/立方メートル以内となるように横はぎすることによ り多数の組み合わせでき用途に応じてかえることができる。
【0014】
ウッドリボンの板厚は0.10mmから0.38mmが好ましく、しなやかで破れ
にくいウッドリボンが形成される。
【0015】
長尺の帯状経木からなるウッドリボンの製造方法であって鉋により長尺の帯状経木
を削りだし、帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ熱圧する各ステップにより強靭
で破れにくくなることを特徴とするウッドリボンの製造方法である。
【0016】
となりあった木材の比重(気乾比重含水率15%時の平均値)の差が0.3kg/
立方メートル以内となるように配置し、複数の木材を順目どうしに配列し木材を横 はぎし、プレス機または手締めにより側圧し鉋掛けした場合、接着面からの割れが 生じにくくなる製造方法である。
【0017】
削りだされた帯状経木に水分を含浸させた後、熱圧することによりウエーブが解消
され平状の帯状経木になる。
さらに帯状経木1枚の片面に水性エマルジョン形の酢酸ビニル樹脂系水性エマルジ
ョン形接着剤を塗布し2枚の帯状経木を貼り合わせ熱圧すると強靭でありしなやか
さも得るウッドリボンの製造方法である。
【0018】
さらにヒノキチオール成分を含む木材を使用し帯状経木を形成しウッドリボンとし
て使用した場合その成分を外部に発散させ防虫効果・殺菌効果・消臭効果・芳香効
果など使用用途は極めて広範である。
また、環境汚染が原因と呼ばれているぜんそくや、雑菌やダニが原因でおこるアト
ピー皮膚炎の治療予防に役立ち、その効果は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】単色の木材の帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ色・木目模様をおびた ウッドリボンを示す斜視図である。
【0020】
【図2】複数の木材を横はぎした斜視図である。
【0021】
【図3】複数の木材を横はぎし削りだされた帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ アクセントと色・目模様をおびたウッドリボンを示す斜視図である。
【0022】
【図4】ウッドリボンをリボン状に展開した状態を示す斜視図である。
【0023】
【図5】ウッドリボンを網状に展開した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明について具体的に説明する。
図1は単色の帯状経木を2枚貼り合わせ色・木目模様をおびたウッドリボン10で
あって、鉋により削りだされ長尺の帯状経木の片面に接着剤を均一に塗布し板厚方
向に2枚貼り合わせて形成されたことを特徴とする。
接着剤を均一に塗布するための工具は、刷毛・ロール・スプレーなどの塗布する他
の工具をも包含するものとする。
鉋とは、一般のカンナの他に自動カンナ機・スライサーなどを薄板上・薄突板に削
りだす他の工具をも包含する。
帯状経木に塗布する接着剤は何でも良い。
なかでも合成接着剤で粘度が14000±5000mpa・s〔23℃〕である水性
エマルジョン形の酢酸ビニル樹脂系水性エマルジョン形の接着剤を使用するとウッ
ドリボンがより柔軟性がでて好ましい。
上記合成接着剤の粘りが強すぎる場合には、塗布する帯状経木の種類により濃度を
変えても良い。
木材の性質によっては導管を有する木材を使用すると、導管の部分から接着剤がし
みだす場合がある。
そのような場合には接着剤のしみだしを防ぐ方法の1つとして上記合成接着剤が剥
離可能な材料にあらかじめ塗布し、接着剤の乾燥被膜を形成した後に帯状経木を前
記乾燥被膜に張付けする方法もある。
塗布されるものには合成接着剤が剥離可能なものなら何でも良い。
なかでもフッ素樹脂加工されたものまたは、安価でシリコン樹脂加工耐油紙が好ま
しい。
その上にあらかじめ合成接着剤のみを帯状経木の幅より広く長手方向に長く均一に
塗布し乾燥被膜を形成すると良い。
乾燥被膜の上を含浸させ帯状経木を置き熱圧させ接着剤を付着させると良い。
上記塗布された合成接着剤が剥離可能な材料より剥がし取り、合成接着剤を付着さ
せた面の乾燥被膜の上を含浸させ他の帯状経木1枚を置き、更に熱圧させるとよ い。
上記乾燥被膜を含浸させる他に、含浸させた帯状経木でも良いし帯状経木を乾燥被
膜の上に敷きその上から霧吹きで含浸してもどちらでも良い。
含浸方法としては霧吹きでも良い。
満遍なく水分を散布する他の工具をも包含する。
熱圧方法としては一般のアイロンでも良い。
一般・工業用アイロンがけの他に熱及び加圧ロールがあり熱圧する工具をも包含す
る。
熱面にはフッ素樹脂加工を施してあるものがより好ましい。
しみだしを防ぐその他の方法としては、両面テープを使用することも可能である。
両面テープなら何でも良い。
なかでもコニシ株式会社製工業用テープのWF1001不織布支持体で主成分はア
クリル樹脂系粘着材を使用した両面テープが好ましい。
使用方法としては下記のような方法がある。
平状の帯状経木1枚の片面の前面に両面テープを貼り合わせする。
テープをときほぐし指圧にて帯状経木に貼り合わせしロールなどで充分に圧着した
後、セパレーターを剥がしもう1枚の帯状経木を重ね合わせ更にロールで均一に圧
着する。
帯状経木2枚に両面テープを均一に貼り合わす工具は何でも良い。
なかでもロールなどで圧着すればより良い。
【0025】
図2は、幅3mmから60mmの複数の木材を、となりあった木材の比重(気乾比
重含水率15%時の平均値)の差が0.3kg/立方メートル以内となるよう横は ぎした20である。
横はぎし鉋により削りだされた帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ形成したウッ
ドリボン30である。
削りだす木材面は柾目・板目どちらでも良い。
なかでも柾目が好ましい。
はぎ合わせする木材は削りだす面が柾目どうし又は、板目どうし又は、柾目・板目
の混合どうしのどれでも良い。
なかでも柾目どうしが好ましい。
なかでも鉋通りがよくウッドリボンとして美しく貼り合わせしやすい加工木材とし
ては無地物で無欠点(節・かすり・入り皮・アテ・割れ・胴打ち・ヤニツボ・カナ
スジ・虫穴・ピンホール・腐り・せっかい・変色・ブルーステイン・鳥目杢・根杢
のない)の木材がより好ましい。
横はぎに使用する接着剤は、木工接着剤であれば何でも良い。
なかでも酢酸ビニル樹脂エマルジョン形、反応硬化形ビニル樹脂エマルジョン形、
α―オレフィン系、アクリル樹脂系および共重合樹脂エマルジョン、水性高分子―
イソシアネート系、変成ゴムラテックス系、クロロプレンゴム系溶剤形、ウレタン
樹脂系、エポキシ樹脂系の1種類を使用するとより好ましい。
気乾比重含水率15%とは、木材の含水率が15%のときの比重を示す。
参考資料、北原覺一「木材物理」森北出版株式会社(1981年)より引用。
【0026】
削りだされた帯状経木の1枚の厚みは0.05mmから0.18mm範囲以内が好
ましい。
ここでいう厚みとは複数の帯状経木を用意しマイクロメーターで求めた1枚の厚さ
の平均である。
【0027】
2枚の帯状経木を貼り合わせ熱圧することにより強靭で柔軟性があるウッドリボン
を形成できるので好ましい。
帯状経木1枚に均一に塗布する量は60g/平方メートルから110g/平方メートル
が好ましい。
熱圧とは、一般・工業用のアイロンがけの他に熱及び加圧ロールがあり熱圧する他
の工具をも包含する。
帯状経木2枚を貼り合わせ熱圧する温度は160℃から210℃の範囲がより好ま
しい。
接着面の長さ30cmに対し15秒間に4〜5往復アイロンを圧力300g/平方
cmメートルから圧力1000g/平方cmメートルの範囲内で熱圧するのが好ま
しい。
アイロンがけおよびその熱圧する他の工具の熱面にはフッ素樹脂加工を施してある
ものがより好ましい。
熱圧する際のマットは長尺のまな板状の乾燥した木材を使用しまな板状の表面にフ
ッ素樹脂加工または、シリコン樹脂加工耐油紙を敷き2枚の帯状経木を熱圧し貼り
合わせすると良い。
上記熱面のフッ素樹脂加工または、シリコン樹脂加工耐油紙を使用することにより
熱圧面及びマットに接着剤の付着を防ぐ効果が高いので、より好ましい。
【0028】
複数の木材を順目どうしに横はぎするために木材の側面に上記いずれかの接着剤を
均一に塗布しプレス機、高周波プレス機または、手締めにより側圧する。
ここでいう横はぎとは、複数の木材を順目どうしにはぎ合わせ20を形成すること
である。
接着剤の塗布量は均一ならばいくらでも良いが、なかでも200g/平方メートルか
ら300g/平方メートルの塗布量が好ましい。
接着剤を均一に塗布するための工具は、刷毛・ロール・スプレーなどの塗布する他
の工具をも包含するものとする。
接着時間は、12時間おくと乾燥接着しより良い。
順目どうしに横はぎした場合、鉋通りがよく削りだされた帯状経木はウエーブが少
なくより好ましい。
プレス機とは、横はぎした木材の側面に加圧をかけ接着する機械である。
高周波プレス機とは、電子レンジと同じ仕組みで高周波(電磁波)により加熱し同
時にプレス機により圧力を加え短時間で接着する機械である。
手締めとは、横はぎした木材の板厚方向に複数のクランプを長手方向に10cmか
ら50cm間隔で均一に加圧し側圧接着する他の工具をも包含する。
複数のクランプを使用して側圧する場合あて板を使用すると均一に接着でき使い良
い。
あて板とは、接着面を広範囲に均一に圧締することのできる板のことであり、クラ
ンプの無い部分をあて板でおぎない締め付けることであり材種は木材なら何でもよ
い。なかでも木材の比重値0.6以上の50mm角でプレーナーのかかった平で直
角な長尺の木材がより良い。
ここでいう加圧とは側圧のことであり圧力3kgf/平方cmメートルから圧15
kgf/平方cmメートル平方で横はぎする目的であり木材比重により変わる平均
である。
【0029】
削りだされた帯状経木に水分を含浸させたのち、熱圧しても良い。
含水とは削りだされた帯状経木に水分を含ませることを目的とする。
水分を含浸させ熱圧すると帯状経木のウエーブが解消されより良い。
含浸方法として霧吹きでも良い。
万遍なく水分を散布する他の工具をも包含する。
含浸の程度は帯状経木の様子を見て調節すると良い。
熱圧された帯状経木1枚に粘度が14000±5000mpa・s〔23℃〕であ
る水性エマルジョン形の酢酸ビニル樹脂系水性エマルジョン形の接着剤を塗布し2
枚の帯状経木を貼り合わせ熱圧すると、よりしなやかなウッドリボンを得ることが
可能である。
【0030】
例えば、ウッドリボン10を図4に示すようなリボン状40に展開してプリザーブ ドフラワーアレンジ・フラワーアレンジメント・花束などにワイヤ(4)で固定す
る。
また図5に示すような網状50に展開し、敷物や包装紙の代わりに使用し、あらゆ
る装飾品に使用することにより美的効果を得る。
自然木の香りと共にあいまって空気正常化を得る。
またヒノキチオール成分を含む木材である青森ヒバ(1)・台湾ヒノキ(2)・檜
(3)を使用しウッドリボンに形成し、装飾品に使用した場合、切ったり貼ったり
する事ができるためあらゆる個所へ容易に使用することができる。
例えば、冷蔵庫・食器棚・米櫃・タンス・靴箱・服のポケット・革製品・車内など
短いウッドリボンを使用することによりヒノキチオール成分を外部に発散させ防虫
効果・殺菌効果・消臭効果・芳香効果など幅広く効果を得る。
【実施例1】
【0031】
台湾ヒノキを板厚0.12mmに削りだされた帯状経木に霧吹きで含浸させた。
長尺のまな板状の板をマットにシリコン樹脂加工耐油紙を敷き熱面にはテフロン加
工を施したアイロンで帯状経木1枚を180℃で熱圧した帯状経木を2枚用意し
た。
帯状経木1枚の片面に接着剤、コニシ株式会社製のボンドB1粘度14000±5
000mpa・s〔23℃〕を刷毛により均一に塗布し他の帯状経木1枚を貼りわ
せアイロンにより温度200℃・圧力300g/平方cmメートルで熱圧したとこ
ろ木目模様をおびた強靭性・柔軟性を有するウッドリボン10が完成した。
【実施例2】
【0032】
上記ウッドリボンを色・木目模様だすために複数の木材を横はぎしをアクセントの
あるウッドリボンを試みた。
木材として比重値0.42の青森ヒバ(1)・比重値0.48の台湾ヒノ(2)・
比重値0・41の檜(3)を使用した。
上記3種類の木材を幅15mm厚さ40mmの長尺のプレーナーがかかった木材で
直角のでたものを準備し順目どうしにクランプで横はぎした。
横はぎする圧力は、圧力9kgf/平方cmメートルで手締めによるクランプで側
圧した。
横はぎする場合、接着剤が均一になるようあて板を使用し複数の横はぎされる木材
を挟み込み長手方向30cmおきにクランプで側圧・圧締した。
横はぎし鉋掛けし帯状経木にし2枚貼り合わせした場合、色・木目模様をおびたウ
ッドリボン30に形成できる。
ここで塗布する接着剤は、株式会社コニシ製のCU3粘度12500±5500m
pa・s〔23℃〕水性エマルジョン形の水性高分子―イソシアネート系水性ウレ
タ100%に対しCU3硬化剤(水性ビニールウレタン)15%混入し撹拌させた
接着剤を塗布した。
均一に塗布する工具には刷毛を使用した。
さらに接着乾燥後、側圧された側面をプレーナー機で平にし厚みを均一にする。
鉋掛けし削りだされた帯状経木に霧吹きで含浸させ熱圧し帯状経木の片面にコニシ
ボンドB1を刷毛より均一に塗布し他の帯状経木1枚貼り合わせアイロンにより温
度200℃・圧力300g/平方cmメートルで熱圧し貼り合わせ形成したところ
平状の強靭性・柔軟性を有し色・木目模様をおびたウッドリボン30が完成した。
【実施例3】
【0033】
木材比重値の差が0.3以内の木材を横はぎした。
木材比重値0.42の青森ヒバと木材比重値0.48台湾ヒノキと木材比重値0.
41の檜を横はぎし長手方向に鉋掛けし削りだされた帯状経木を2枚貼り合わせ、
ウッドリボンとしての好ましい厚みを調べた。
厚み0.25mmのウッドリボンは、柔軟性・強靭性共に欠けウッドリボンとして
好ましくない。
厚み0.09mmのウッドリボンは、柔軟性はあるが、強靭性に欠けウッドリボン
として好ましくない。
厚み0.15mmのウッドリボンは、柔軟性・強靭性がありウッドリボンとして好
ましいものであった。
【比較例1】
【0034】
木材の比重値0.88のバイオレットウッド材と木材の比重値0.55のブラック
チェリー材を横はぎし長手方向に鉋掛けし削りだされた帯状経木の厚み0.05m
mから0.18mmは、横はぎした境部分から長手方向に割れを生じ帯状経木には
ならなかった。
【0035】
以上、この発明について一般的な実施例、使用例を記述したが、防虫効果・殺菌効
果・消臭効果・芳香効果が最もヒノキチオール成分を含有する天然木は、青森ヒバ
であり、その薬効は特にぜんそく、アトピー性皮膚炎の予防効果や、カビ、ダニの
発生を防ぎ、さらには、室内の空気浄化にも役立つなど優れた効果を長期に渡り発
揮できる。
【符号の説明】
【0036】
1 比重値0.42の青森ヒバ
2 比重値0.48の台湾ヒノキ
3 比重値0.41の檜
4 ワイヤ
10 単色のウッドリボン
20 複数の横はぎした木材
30 ウッドリボン
40 リボン状
50 網状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の帯状経木からなるウッドリボンであって、鉋により削りだされた長尺の帯状
経木を板厚方向に2枚貼り合わせて形成されたことを特徴とするウッドリボン。
【請求項2】
幅3mmから60mmの複数の木材を、となりあった木材の比重(気乾比重含水率
15%時の平均値)の差が0.3kg/立方メートル以内となるように横はぎし、鉋
により削りだされた帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ形成されたことを特徴と
するウッドリボン。
【請求項3】
上記ウッドリボンの板厚が0.10mmから0.38mmであることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のウッドリボン。
【請求項4】
長尺の帯状経木からなるウッドリボンの製造方法であって鉋により長尺の帯状経木
を削りだし上記削りだされた帯状経木を板厚方向に2枚貼り合わせ熱圧する各ステ
ップからなることを特徴とするウッドリボンの製造方法。
【請求項5】
となりあった木材の比重(気乾含水率15%時の平均値)の差が0.3kg/立方
メートル以内となるように配置した複数の木材を順目どうしに配列するステップ
と、前記配列した木材どうしの接着面に木工接着剤を塗布するステップと、前記木
工接着剤を塗布した木材を横はぎしプレス機または手締めにより加圧するステップ
と、
前記横はぎされた木材の横はぎ面を長手方向に鉋掛けし帯状経木を削りだすステッ
プをさらに含むことを特徴とする請求項4記載のウッドリボンの製造方法。
【請求項6】
前記鉋掛けし、削りだされた帯状経木に水分を含浸させた後、帯状経木を熱圧し1
枚の片面に粘度が14000±5000mpa・s〔23℃〕である水性エマルジョ
ン形の酢酸ビニル樹脂系水性エマルジョン形の接着剤を塗布するステップと、2枚
の帯状経木を貼り合わせ熱圧する各ステップを更に含むことを特徴とする請求項4
または請求項5に記載のウッドリボンの製造方法。
【請求項7】
請求項1から請求項3に記載のウッドリボンを使用した装飾品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−224903(P2011−224903A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97871(P2010−97871)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(310010162)
【Fターム(参考)】