説明

エアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器

【課題】従来のダンボール箱等では緩衝材と箱が分離しており、梱包の手間及び非効率化が問題であった。また、一体化したものもあるが、梱包物の大きさが制限され、大量の梱包物の場合は場所を取ること、コスト高となること等の課題があった。
【構成】梱包容器本体(ダンボール)と、梱包容器本体に設けたエアバッグと、エアバッグの吸込口と、ノズルとで構成し、ノズルを梱包容器本体の一面に陥没して設け、梱包容器の接近した段積み・横置きを可能とし、また梱包容器の全体の寸法の小型化を図ることで、無駄なくスペースを利用し、また梱包後の積上げ等を可能とし、また低コスト化が可能等の効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動等により破損しやすい物品を移動、搬送、保管する時に使用するエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送、保管等する際には、物品の損傷を防止するためにダンボール箱等の梱包用の箱に発泡スチロール製のクッション材や多数個の空気袋を形成したクッション材等の緩衝材を詰めて物品を保護し、梱包して物品の移動、搬送、保管等が行われてきた。ただし、その場合、ダンボール箱とは別に緩衝材を用意せねばならず、手間がかかっていた。また、緩衝材をダンボール箱毎に詰めなければならず非常に効率が悪かった。その手間の解消及び梱包の効率化を図るために下記のような梱包方法又は梱包容器が出願されている。
【0003】
文献1は、特開2003−34363「梱包方法」であり、この発明は、被梱包物品を積層して梱包する方法において、梱包箱内に被梱包物品の基本形状を有する第1の空気マットを設け、第1の空気マットによって囲まれた空間に被梱包物品を収容し、被梱包物品の上から第2の空気マットを載置する梱包方法である。
【0004】
また文献2は、特開平10−129731「梱包容器および梱包容器用保護材」であり、この発明は、ダンボール箱等の梱包容器本体と、梱包容器本体に設けられるバルブ付きのエアバッグで構成し、梱包容器本体内に収納された商品との隙間をエアーの供給によってエアバッグを膨らませて商品を覆うことができる梱包容器である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−34363
【特許文献2】特開平10−129731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のダンボール箱等では梱包の手間及び非効率化が問題であることは前記で述べた通りである。
【0007】
文献1の発明は、空気マットにより被梱包物品が囲まれており、梱包物品の破損を確実に防止できるが、空気マットと梱包箱が一体化しておらず、現場において、その都度、準備する必要性があり、例えば、梱包の手間がかかり非効率であること、空気マットと梱包箱とのズレができ確実な梱包に疑問が残ること等の改良点がある。そして、文献1は、空気マットを梱包箱内全体に敷き詰める構成であり、コストがかかること、また、全体を空気マットで覆うため、箱の大きさに対して被梱包物品の大きさに制限があり、また、大量の被梱包物品を有する場合には大きく場所を取ること等の問題がある。さらに文献1は、空気注入弁が上部から出る構成であり、保管及び搬送の際に上部に積み上げができないこと、等の課題がある。
【0008】
文献2は、梱包が容易であるが、エアバッグが箱内部全体に詰まっており、箱の大きさに対して梱包物が小さくなり、梱包物の大きさが制限される。従って、大量の梱包物品を有する場合には大きく場所を取ること、また、全方向からエアバッグが膨らむことによって空気による圧力の負荷がかかり、割れ物、破損しやすい物の場合には破損する虞があること等の問題があり、また、収容物が限定され、汎用性に欠けること等の問題がある。また、文献2は、エアバッグを箱全体に有しており、コストがかかることも課題の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、エアバッグを梱包容器の一面のみに設けることによって簡易な構造とし、低コスト化を図り、梱包容器本体内部にできるだけ多くの梱包物を収容できるスペースを確保し、スペースの有効利用を図ること、また、梱包物を安定して梱包できること、ノズルを一面と同じ面に面一とするので、その面より突出するものがなく、段積み及び/又は横置きが可能であり、また、狭い空間にも置くことが可能である。また、使用の際に梱包容器本体と一体化されたエアバッグを膨らませるだけでよく、従来の緩衝材のように別途保管場所を用意することもなく、無駄なくスペースが使用でき省スペース化を図ることができること、等を意図する。殊に本発明では一方向からエアバッグが膨らむ構成であり、構造が簡易であり、ほぼ完全に内容物を固定できる。
【0010】
請求項1は、ダンボール、紙製容器等の梱包容器本体と、梱包容器本体の一面に設けたエアバッグと、エアバッグに設けた吸込口と、吸込口に連通したノズルとで構成したエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器であって、
ノズルを一面と同じ面に形成するとともに、一面に陥没するように設け、梱包容器の接近した段積み及び/又は横置きを可能とし、また梱包容器の全体の寸法内にノズルが設けられる構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0011】
本発明は、エアバッグを確実に膨らますことができ、確実な梱包物の固定と、一面のみでエアバッグを膨らますことができ、梱包容器内部のスペースの有効利用可能なこと、等を意図する。
【0012】
請求項2は、一面が、梱包容器の上蓋の裏面とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0013】
請求項3は、一面が、梱包容器の側面の内方とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0014】
本発明は、簡易な構成でノズルを一面に形成し、接近した段積み及び/又は横置きが可能であり、また、狭い空間にも置くことが可能であること、等を意図する。
【0015】
請求項4は、ノズルを、一面を切欠いて形成した切欠き部の覆い面に設け、ノズルを一面と同じ面に形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0016】
本発明は、透明窓により、エアバッグ及び梱包物の状況を確認し、梱包物の確実な固定ができているかどうか視認により確認できること、即ち、より確実な梱包物の固定が可能であること、等を意図する。
【0017】
請求項5は、梱包容器の側面に、内部の状態を視認できる透明窓を設ける構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0018】
本発明は、エアバッグが着脱自在であることにより、汎用性を有し、自由な取り扱いが可能であること、等を意図する。
【0019】
請求項6は、梱包容器の一面に取付けられるエアバッグを、粘着手段を利用して着脱自在にする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0020】
本発明は、エアバッグを自在に装着するための汎用性を有し、自由な取り扱いが可能であること、等を意図する。
【0021】
請求項7は、梱包容器の一面に取付けられるエアバッグ用として切欠き部を形成するために、一面に切り溝を形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1は、ダンボール、紙製容器等の梱包容器本体と、梱包容器本体の一面に設けたエアバッグと、エアバッグに設けた吸込口と、吸込口に連通したノズルとで構成したエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器であって、ノズルを一面と同じ面に形成するとともに、一面に陥没するように設け、梱包容器の接近した段積み及び/又は横置きを可能とし、また梱包容器の全体の寸法内にノズルが設けられる構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0023】
従って、エアバッグを梱包容器の一面のみに設けることによって簡易な構造とし、低コスト化を図り、梱包容器本体内部にできるだけ多くの梱包物を収容できるスペースを確保し、スペースの有効利用を図ること、梱包物を隙間なく梱包できること、ノズルを一面と同じ面に面一とするので、接近した段積み及び/又は横置きが可能であり、また、狭い空間にも置くことが可能である。また、使用の際に梱包容器本体と一体化されたエアバッグを膨らませるだけでよく、従来の緩衝材のように別途保管場所を用意することもなく、無駄なくスペースが使用でき省スペース化を図ることができること、等の効果がある。
【0024】
請求項2は、一面が、梱包容器の上蓋の裏面とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0025】
請求項3は、一面が、梱包容器の側面の内方とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0026】
従って、エアバッグを確実に膨らますことができ、確実な梱包物の固定と、一面のみでエアバッグを膨らますことができ、梱包容器内スペースの有効利用が可能なこと、等の効果がある。
【0027】
請求項4は、ノズルを、一面を切欠いて形成した切欠き部の覆い面に設け、ノズルを一面と同じ面に形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0028】
従って、簡易な構成でノズルを一面に形成し、接近した段積み及び/又は横置きが可能であり、また、狭い空間にも置くことが可能であること、等の効果がある。
【0029】
請求項5は、梱包容器の側面に、内部の状態を視認できる透明窓を設ける構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0030】
従って、透明窓により、エアバッグ及び梱包物の状況を確認し、梱包物の確実な固定ができているかどうか視認により確認できること、即ち、より確実な梱包物の固定が可能であること、等の効果がある。
【0031】
請求項6は、梱包容器の一面に取付けられるエアバッグを、粘着手段を利用して着脱自在にする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0032】
従って、エアバッグが着脱自在であることにより、汎用性を有し、自由な取り扱いが可能であること、等の効果がある。
【0033】
請求項7は、梱包容器の一面に取付けられるエアバッグ用として切欠き部を形成するために、一面に切り溝を形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器である。
【0034】
従って、エアバッグを自在に装着するための汎用性を有し、自由な取り扱いが可能であること、等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0036】
1は梱包容器本体で、梱包容器本体1は蓋面3、側面4、底面5の正方体又は直方体等の六面体で構成されており、ダンボール、プラスチック製容器、紙製容器等、梱包できる容器(箱)であれば特に限定されない。蓋面3は図1のように、蓋面3が一面のものが望ましいが、通常のダンボール箱のように、側面4の四面からそれぞれ延設された蓋面3の構成でもよく、蓋面3を重ね合わせることによって閉塞される場合でもよい。
【0037】
2は切欠き部であり、切欠き部2は覆い面21と、この覆い面21に一体的に設けられたノズル22で構成される。切欠き部2は覆い面21を嵌め合わすことによって、蓋面3と面一な状態となっている。ノズル22は、梱包容器本体1及び/又はエアバッグ6に設けた吸込口23に連通されており、この吸込口23を介して空気(原則として無害ガス、水等の流体)をエアバッグ6に注入する。
【0038】
空気注入時には一例として、図5のように覆い面21を上方へ持ち上げ、覆い面21の下面に一体的に取付けられたノズル22から空気を注入する。空気の注入時以外は、覆い面21を切欠き部2に嵌め合わせ、覆い面21の下面に取付けられたノズル22は蓋面3に陥没状態で設けられている。尚、切欠き部2(覆い面21及びノズル22)についての詳細は後述する。
【0039】
図2は本願発明の実際の梱包方法を表した断面図であり、(イ)は梱包物Kを梱包する前の状態を表した断面図である。空気を注入する際には、まず、ノズル22の栓24を抜き、ノズル22に空気を注入する空気入れ等を差し込み、エアバッグ6を膨らます。このエアバッグ6は梱包容器本体1の蓋面3の内側に取付けられており、空気を注入する前は(イ)のように蓋面3の裏側一面に取付けられているため、梱包物Kを梱包容器本体1に封入する際も邪魔にならず、梱包容器本体1の内部スペースも広く確保され、梱包容器本体1の大きさに見合った梱包物Kの封入が可能である。
【0040】
図2の(ロ)は、エアバッグ6を膨らます過程を表した断面図である。このエアバッグ6は空気を注入する前は、蓋面3の裏側一面に取付けられている状態であるが、空気を注入すると、蓋面3から側面4及び底面5(つまり下方向)に向かって、膨らんでいく。このエアバッグ6は梱包容器本体1の上部である蓋面3から、重力に従って下方に向かって膨らむため早く膨らみ、素早い梱包が可能である。そして、図2のこのノズル22には図示しないが逆止弁を付設することで、空気を注入した後に、空気入れ等の空気注入機の口金を、このノズル22から脱抜することでワンタッチで、このノズル22及び/又はエアバック6を閉塞できる。
【0041】
図2の(ハ)は、エアバッグ6が膨らんだ状態を表す断面図である。このエアバッグ6は梱包物K及び梱包容器本体1の側面4及び/又は底面5に接し、エアバッグ6に空気が満たされ、膨らむことによって梱包物Kが固定される。その固定により、外部からの衝撃から保護され、梱包物Kの破損、破壊を防止し、安全な搬送、保管が可能となる。尚、エアバッグ6による圧力は蓋面3からのエアバッグ6の圧力のみであり、その圧力も空気の注入量を調節することによって調節可能であり、例えば、梱包物Kが割れやすい物又は破損しやすい物の場合、空気の注入を少量ずつ行うことによって破損、破壊を防止し、確実な固定が可能となる。
【0042】
また、空気を注入しエアバッグ6により梱包物Kが固定された後は、空気の注入を止め、ノズル22に栓24をして、蓋面3を粘着テープ等で固定する。その後、図5のように覆い面21を上方に開放して空気を注入した場合は、空気の注入に使用されたノズル22の取付けられた覆い面21を下方に降ろして梱包は完了する。尚、エアバッグ6の素材は、一方向からエアバッグ6を膨らませ、安定よく固定させるために、膨らんだ後、撓みが少ない機能の物品を利用することが望ましい。
【0043】
図3は、切欠き部2を梱包容器本体1の側面4に設けた状態を表した斜視図である。切欠き部2を蓋面3に取付けた場合と同様に、切欠き部2を閉じた状態では、覆い面21によって切欠き部2が覆われ、側面4と面一の状態となる。尚、側面4に切欠き部2を設置する際は、梱包容器本体1の側面4の上部(蓋面3側)に取付ける。側面4上部に取り付けることにより、前記のように、重力の力を利用して、速く膨らませることが可能であり、また、空気の注入をしやすい。
【0044】
以上で説明した手順を、梱包容器本体1の側面4又は説明書に記述し、記述した手順で確実に実行することで、エアバッグ6の損傷と、この破損を防止して怪我の発生の回避と、再利用を可能とする。さらに開放の手順も同様とする。また図8のように逆止弁を備えた構造では、例えば、ストロー、管体を挿入し、この逆止弁を開放することで、エアバッグ6内の空気を排気する。
【0045】
図4は、梱包容器本体1に透明窓7を取り付けた一例を表す斜視図である。この透明窓7は梱包容器本体1の側面4に取り付け、梱包容器本体1の内部を確認することができる。梱包物Kの形、大きさによっては、エアバッグ6が梱包物Kに引っかかる場合、確実な固定ができているかどうか不明な場合も多く、エアバッグ6と梱包物Kの状態を視認により確認することによって、確実な固定、梱包ができる。尚、透明窓7には目盛りを付け、エアバッグの位置をより明確に確認することも可能である。
【0046】
図5は、切欠き部2の覆い面21及びノズル22の一例を表した拡大断面図である。覆い面21は切欠き部2に開閉自在又は着脱自在に設けられており、この覆い面21の下面にノズル22が一体的に取付けられている。このノズル22は吸込口23と連通され、栓24でノズル22の空気漏れを防止する。空気の注入方法としては、まず、栓24を取り外し(栓24は取外しやすいように手持ち部241を設けてあるのが望ましい)、次に、覆い面21の下面にありノズル22の空気注入口外側にある引っ掛け25を、指又は棒等で引っ掛けて、覆い面21及びノズル22を上方へ持ち上げ切欠き部2を開放する。そして、ノズル22を通じて空気をエアバッグ6に注入した後は、覆い面21を下げて、蓋面3を面一な状態にする。覆い面21で切欠き部2を覆い、蓋面3と面一な状態にすることで、突出するものも無く、梱包容器本体1を保管する際に、他の梱包容器本体1の側面4に接近した横置きが可能となる。また、梱包容器本体1の段積みも可能となり、狭い空間にも置くことができ、省スペース化を図ることができる。尚、20は金具である。
【0047】
図6は、切欠き部2の覆い面21及びノズル22の他の一例を表した拡大断面図である。この覆い面21の下面にノズル22が取付けられている。このノズル22は吸込口23と連通され、栓24でノズル22の空気漏れを防止する。このノズル22は覆い面21の下部に取付けられ、覆い面21より内側に設けられている。空気の注入方法としては、まず、栓24を取り外しノズル22に空気入れ等を差し込み、ノズル22を通じて空気をエアバッグ6に注入し、注入完了後、空気入れを外した後に、栓24(逆止弁の場合は不能であり、手間と、保管等の容易化が図れる)をする。この場合、覆い面21及びノズル22を上方へ開放することなく、空気の注入ができるので、蓋面3又は側面4が面一のままであり、梱包容器本体1に他の梱包容器が載置されている場合でも、空気を注入することができる。また、図5と同様、蓋面3と切欠き部2は覆い面21によって面一な状態であり、突出するものも無く、梱包容器本体1を保管する際に、他の梱包容器本体1の側面4に接近した横置きが可能となる。また、梱包容器本体1の段積みも可能となり、狭い空間にも置くことができ、省スペース化を図ることができる。
【0048】
なお、空気の注入方法であるが、市販の空気入れ、口での直接注入、機械による空気の注入等あるが、特に限定されない。
【0049】
図7は、切欠き部2のさらに他の一例を表した拡大断面図である。ノズル22の代わりにチューブ221を取付け、チューブ221は吸込口23と連通される。このチューブ221は覆い面21の下部に取付けられ、空気漏れを防止するために先端を縛っておく。空気を注入する場合は、このチューブ221の先端を取り出し、チューブ221に空気入れ等を差し込み、チューブ221より空気をエアバッグ6に注入し、注入完了後、空気入れを外しチューブ221の先端を縛る。尚、空気注入後は、チューブ221を覆い面21の下部に側面4と面一になるように収納することができる。この場合、覆い面21を上方へ開放することなく、空気の注入ができるので、図6の場合と同様の特徴及び効果がある。
【0050】
図8は、切欠き部2の覆い面21及びノズル22のさらに別の一例を表した拡大断面図である。ノズル22に市販のストロー又はストロー型ノズル222を挿し込み、ストロー型ノズル222から空気を注入する。市販のストローを使用することによってその都度ノズル22を用意する必要が無く、簡便であり、低コストで使用することが可能である。尚、ストロー型であるため、可撓性が高く、図5のように覆い面21を上部へ開放して空気を注入することも可能である。ノズル22の奥には逆止弁26が備え付けられており、エアバッグ6の空気の逆流を防ぐことが可能である。尚、図5、図6、図7の場合においても図示していないが、逆止弁26を有する構成も可能である。図9は、図8の正面図である。
【0051】
図10は、栓24の別の実施例を表した斜視図である。手持ち部241の代わりに紐242を付けることも可能である。紐242を取付けることにより、栓24の簡易な取付けができる。
【0052】
梱包物Kを梱包容器本体1から取り出す際は、上記と逆の手順となり、図5の場合で云えば、初めに栓24を取外し、引っ掛け25を指又は棒等で引っ掛けて、覆い面21を上方へ開放する。そして、ノズル22を通じて空気をエアバッグ6から排出した後は、覆い面21を閉じて、梱包時に使用した粘着テープ等を剥がして梱包容器本体1を開き、梱包物Kを取り出す。最後にエアバッグ6の空気が残っている場合は、完全に空気をエアバッグ6から排出する。本願発明は、一面にのみエアバッグ6を設ける構成であり、また、着脱可能であるので、排出後は、通常のダンボール箱のように折り畳んでしまうことができ、省スペース化、再利用が可能である。
【0053】
尚、エアバッグ6及びノズル22を取り外すことも可能である。ノズル22はエアバッグ6と連通されているので、エアバッグ6とノズル22を取り外し、他の梱包容器に切り溝を設けて切欠き部2を形成し、その切欠き部2にノズル22を取り付け、粘着テープ等の粘着手段によって、エアバッグ6を梱包容器本体1の蓋面3の裏側又は側面4の内方に取付けることも可能である。取付けた際には、前記と同様に切欠き部2は、取付けた面(蓋面3又は側面4)と面一に構成され、取付けた面から突出しないように構成される。即ち、通常使用されているダンボール、紙製容器等に本願発明のエアバッグ6、ノズル22を取付けることが可能であり、汎用性を有し、自由な取り扱いが可能となる。
【0054】
尚、従来の梱包容器に、簡易に本発明のエアバッグ6及びノズル22の取り付けができるように、切欠き部2を形成するためのミシン目を付設すること、又はそのためのカット用の鋏、ナイフを付設すること、或は切欠き部2の大きさを測定するための紙製、樹脂製等のスケール手段等を設けることも可能である。またこれらのグッズを別途、セット商品として販売すること、レンタルとすること等も可能である。また、エアバッグ6、ノズル22だけでなく、切欠き部2を設けた蓋面3又は側面4にエアバッグ6、ノズル22を取付けた状態とし、パーツ部品としての使用も考えられる。またこのエアバッグ6は両面テープを利用して覆い面21、他の一面及び/又は側面への取り付けも可能であり、セット商品では、さらなる活用性、汎用性等の向上が期待できる。そして、エアバッグ6に空気を注入することで、簡易な椅子、クッション部材、また排便施設、緊急用の防波堤等としての他の利用もあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の全体を表す斜視図である。
【図2】(イ)本発明のエアバッグを膨らます前の状態を表す側面断面図である。(ロ)本発明のエアバッグを膨らます過程を表す側面断面図である。(ハ)本発明のエアバッグを膨らました後の状態を表す側面断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を表す斜視図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例を表す斜視図である。
【図5】本発明の切欠き部の一例を表した拡大断面図である。
【図6】本発明の切欠き部の他の一例を表した拡大断面図である。
【図7】本発明の切欠き部のさらに他の一例を表した拡大断面図である。
【図8】本発明の切欠き部のさらに別の一例を表した拡大断面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】栓の他の実施例を表した斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 梱包容器本体
2 切欠き部
20 金具
21 覆い面
22 ノズル
221 チューブ
222 ストロー型ノズル
23 吸込口
24 栓
241 手持ち部
242 紐
25 引っ掛け
26 逆止弁
27 カバー
3 蓋面
4 側面
5 底面
6 エアバッグ
7 透明窓
K 梱包物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール、紙製容器等の梱包容器本体と、この梱包容器本体の一面に設けたエアバッグと、このエアバッグに設けた吸込口と、この吸込口に連通したノズルとで構成したエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器であって、
前記ノズルを一面と同じ面に形成するとともに、この一面に陥没するように設け、前記梱包容器の接近した段積み及び/又は横置きを可能とし、またこの梱包容器の全体の寸法内に前記ノズルが設けられる構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、その一面が、前記梱包容器の上蓋の裏面とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項3】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、その一面が、前記梱包容器の側面の内方とする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項4】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、そのノズルを、前記一面を切欠いて形成した切欠き部の覆い面に設け、このノズルをこの一面と同じ面に形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項5】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、その梱包容器の側面に、その内部の状態を視認できる透明窓を設ける構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項6】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、その梱包容器の一面に取付けられるエアバッグを、粘着手段を利用して着脱自在にする構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。
【請求項7】
請求項1に記載のエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器において、その梱包容器の一面に取付けられるエアバッグ用として切欠き部を形成するために、この一面に切り溝を形成する構成としたエアバッグ付のダンボール、紙製容器等の梱包容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−276806(P2007−276806A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103309(P2006−103309)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(503446431)株式会社 エピア (23)
【Fターム(参考)】