エアバッグ装置
【課題】エアバッグの膨張時にハウジングがシュート部材から外れることがなく、ハウジング底面側への膨張を抑制して安定したエアバッグの膨張展開を得る。
【解決手段】車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジング20と、前記ハウジング20と連結されるシュート部材30とを備えたエアバッグ装置であって、前記ハウジングは複数のフック28と、前記シュート部材30と連結するためのサイドブラケット24を備え、前記シュート部材30は前記フック28を掛止するための複数の角穴33と、前記サイドブラケットに対応する連結部36を備え、前記サイドブラケット24及び前記連結部36は、前記ハウジング20のフック28を前記シュート部材30の角穴33に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジング20と前記シュート部材30の互いに離間する方向の移動を許容する傾斜した連結面24a、36aをそれぞれ備える。
【解決手段】車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジング20と、前記ハウジング20と連結されるシュート部材30とを備えたエアバッグ装置であって、前記ハウジングは複数のフック28と、前記シュート部材30と連結するためのサイドブラケット24を備え、前記シュート部材30は前記フック28を掛止するための複数の角穴33と、前記サイドブラケットに対応する連結部36を備え、前記サイドブラケット24及び前記連結部36は、前記ハウジング20のフック28を前記シュート部材30の角穴33に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジング20と前記シュート部材30の互いに離間する方向の移動を許容する傾斜した連結面24a、36aをそれぞれ備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネルの内部に備えるエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
助手席用のエアバッグ装置として、インストルメントパネルの内側に配置され、エアバッグの作動時にインストルメントパネルを開いて膨張展開して乗員を受け止めるエアバッグ装置が従来から知られている。このエアバッグ装置は、インストルメントパネルの裏面に例えば溶着などにより一体に接合された枠体(シュート部材)と、シュート部材に連結されエアバッグ装置を収容したハウジングを備えている。ハウジングとシュート部材との連結手段としては、ハウジングに設けたフックをシュート部材に設けた開口に挿入すると共に、別途連結のための連結手段を備えたものが一般的である。
【0003】
このようなエアバッグ装置として、例えば、特許文献1に記載されたエアバッグ装置は、図6に示すように、ハウジング116を構成する対向壁に設けた複数のフック117を、シュート部材(カバー部材)114を構成する対向壁に設けた開口123に挿入し、かつ、ハウジング116の前記対向壁と異なる対向壁にハウジング116とは別体に構成したサイドブラケット140を設け、このサイドブラケット140と、シュート部材114に設けた固定用のリブ144とを重ね合わせてビス或いはボルトなどで固定している。
【0004】
ただ、このエアバッグ装置では、サイドブラケット140はハウジング116とは別体に構成されているため、その全体重量は少なくともサイドブラケット140の重量分増加する点で改良の余地がある。加えて、ハウジング116とシュート部材114の連結は、ハウジング116のサイドブラケット140に対して、シュート部材114のリブ144を重ね合わせてビスなどで取り付けるため、組み立て時における両者の連結方向は水平方向になる。そのため、締め付け難く生産効率がよくないという問題もある。さらに、ハウジング116とシュート部材114を連結した状態では、フック117は開口123に挿入されてはいるものの単に挿入されているだけで、シュート部材114の開口123に隣接する壁面を挟み込むように重畳配置されてはいない。そのため、エアバッグの膨張時に大きな反力を受けると、フック117は開口123から抜けやすく、エアバッグがシュート部材114とハウジング116の間から膨張展開する虞がある。
【0005】
また、特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、図7に示すように、ハウジング116の対向壁に設けた複数のフック117を、シュート部材(カバー部材)114の対向壁に設けた開口123に挿入して連結する。その際、サイドブラケットの代わりにフック117の一つを固定用フック119として用いて、上縁位置を開口123と同じ高さに設けた切欠121に挿入し、シュート部材114の固定用リブ144との間に、高さ調整用のクリップ(図示せず)を挟んでビスなどで連結するようになっている。
【0006】
このエアバッグ装置も、ハウジング116のフック117がシュート部材114の開口123に挿入されたときは、ハウジング116とシュート部材114はその位置で固定され、ハウジング116がシュート部材114からそれ以上離間する方向に移動することはできない。そのため、フック117は開口123に挿入されるだけで、開口123に隣接するシュート部材114の側面を挟み込むように重畳配置されず、したがって、エアバッグが膨張した際には、固定用フック119が開口123に掛止されず、固定用フック119は簡単に捲れ上がって開口123から抜け、エアバッグはシュート部材114の側面とハウジング116の側壁の間から膨張展開する虞がある。
【0007】
また、特許文献に記載されたものではないが、図8に示すように、略矩形のハウジング20の周面の対向する二辺にそれぞれ複数のフック28を設けると共に、前記二辺に隣接する他の二辺には、外方に向かって折り曲げ、ハウジング20の底板22と平行(ここでは、底板22を水平にした状態を基準にして「水平」という)な連結面24a′を有するサイドブラケット24′を設けたものが知られている。
【0008】
このエアバッグ装置においては、シュート部材30は、従来と同様に略矩形の箱形を成し、その対向する側壁には、ハウジング20のフック28を掛止するための複数の開口、ここでは角穴33が設けられ、かつ、前記側壁に隣接する対向壁のハウジング側端部には、ハウジング20の前記サイドブラケット24′の水平な連結面24a′と接合する水平な連結面36a′を備えた連結部36′が側壁から外方に突出して設けられている。なお、図中32はインストルメントパネルに接合されるシュート部材30の天板を示す。
【0009】
このハウジング20をシュート部材30に組み付けるには、シュート部材30を下に置いた状態で上からハウジング20を組み付ける。即ち、図8Aに示すように、まず、ハウジング20を傾けてハウジング20の一側辺側のフック28を、シュート部材30の角穴33に挿入して図中で反時計方向に旋回する。その際、他側辺側のフック28はハウジング20の旋回に伴って、シュート部材30の他側辺側壁面を外側に屈曲変形させながら下降する。
しかし、例えば、図8Aに示すようにフック28の先端の爪部(フック先端の折り返した部分)28aの長さが長いと、図8Bに示すように、他側辺側のフック28がシュート部材30の側壁に形成した角穴33の図示上端を通過する前に、ハウジング20のサイドブラケット24′の水平な連結面24a′が、シュート部材30の連結部36′の水平な連結面36a′に当接するため、前記フック28をそれ以上下降させることはできない。
したがって、フック28を前記角穴33に挿入させることはできない。
【0010】
そこで、従来は、図8Cに示すように、フック28の先端の爪部28aの長さを、図8Cに示すように短くして、図8Dに示すように、ハウジング20のサイドブラケット24′の水平な連結面24a′が、シュート部材30の連結部36′の水平な連結面36a′に当接した状態で、フック28がシュート部材30の側壁に形成した角穴33の図示上端を通過できるようにしている。
【0011】
しかし、この従来のエアバッグ装置は、ハウジング20のサイドブラケット24′の連結面24a′とシュート部材30の連結部36′の連結面36a′は、いずれも水平に形成されているため、ハウジング20の組み付け時に、両連結面24a′、36a′を当接させた状態で、しかも、ハウジング20の両側辺に設けたフック28をシュート部材30の角穴33に挿通させた状態で、フック28をシュート部材30から離隔する方向に移動させることはできない。つまり、このエアバッグ装置のフック28の爪部28aをシュート部材30の前記角穴33に隣接する壁面に重ね合わせた状態にして保持することはできない。
そのため、この従来のエアバッグ装置においても、特許文献1、2に記載されたエアバッグ装置と同様に、作動時にフック28が角穴33から抜けて外れることがあり、その場合は、シュート部材30とハウジング20間での展開を抑えることができず、安定した膨張展開ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−264802号公報
【特許文献2】特開2010−264803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来のエアバッグ装置の前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグ装置の作動時にハウジングのフックがシュート部材の開口から外れないようにすることで、ハウジング底面側への膨張を抑制して安定したエアバッグの膨張展開が確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジングと、前記ハウジングと連結されかつインストルメントパネルに接合されるシュート部材とを備えたエアバッグ装置であって、前記ハウジングを構成する側面のうち対向する一対の側面にそれぞれ複数のフックを設けると共に、他の対向側面に前記シュート部材と連結するためのサイドブラケットを備え、前記シュート部材は前記フックを掛止するための複数の開口と、前記サイドブラケットと連結される連結手段を備え、前記サイドブラケット及び前記連結手段は、前記ハウジングのフックを前記シュート部材の開口に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジングと前記シュート部材の互いに離間する方向への移動を許容する傾斜した連結面をそれぞれ備えているエアバッグ装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ハウジングがシュート部材から外れることがなく、ハウジング底面側への膨張が抑制されるため安定したエアバッグの膨張展開が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るハウジングの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るシュート部材を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るハウジングをシュート部材に組み付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るハウジングを成形するために、金属シート材料をプレスで型抜きした状態を示す図である。
【図5AB】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5CD】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5EF】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5GH】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5IJ】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図6】従来のエアバッグ装置のハウジングとシュート部材との固定構造を示す図である。
【図7】従来の他のエアバッグ装置のハウジングとシュート部材との固定構造を示す図である。
【図8AB】従来の他のエアバッグ装置のハウジングをシュート部材に組み付ける手順を説明する側断面図である。
【図8CD】従来の他のエアバッグ装置のハウジングをシュート部材に組み付ける手順を説明する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本エアバッグ装置は、従来と同様にインフレータ(図示せず)を取り付けたエアバッグ(図示せず)と、エアバッグを収納する金属製のハウジング20と、インストルメントパネル(図示せず)の内側に一体に接合され、ハウジング20の上部を覆いかつハウジング20に連結されるシュート部材(或いはカバー部材)30とから成っている。
図1は、本発明の実施形態に係るハウジング20の斜視図であって、図1Aはその裏面側を、また、図1Bは表面を示す。
【0018】
ハウジング20は、中心にインフレータ取り付け用の丸穴22aが形成された略矩形の金属製の底板22と、底板22の四辺のうち対向する二辺の中間領域で底板22から略直角に折り返して形成された後述する脚片26よりも幅広の側片23と、側片23の底板22と反対側の端部近傍で、底板22に対して傾斜した折り返し線に沿ってそれぞれ側片23から外方に折り返して形成されたサイドブラケット24と、サイドブラケット24が形成された二辺に隣接した対向する二辺から略直角に折り曲げて形成された、複数(本実施形態では一辺当たり3個)の細長い脚片26を備えている。
【0019】
前記サイドブラケット24の前記折り返し線に沿って折り返して形成された連結面(傾斜面)24aの略中央には、連結手段(例えばボルト又はビス)を挿通する連結穴24bが設けられている。
また、側片23の底板22と反対側の端部は細長い帯状片23aが一体に形成されており、帯状片23aは、同様に脚片26の底板22の反対側の端部に一体に形成された後述する帯状片26aと端部同士が重ね合わされて、例えばスポット溶接で接合されてハウジング20の開口を構成している。
【0020】
複数の脚片26の底板22と反対側の端部は共通の細幅の帯状片26aに一体に連結されている。また、連結された帯状片26aの、前記各脚片26と反対側端部近傍を外側に向かって略直角に折り返し、さらに、その折り返した帯状片26aから、前記各脚片26に対応した位置にフック28がその端部の鉤形をした爪部28aを図1Aでは上に向けて形成されている。
フック28、帯状片26a及び脚片26には、連続した補強のための凸条部(ここでは補強ビード部という)25が形成されており、フック28の補強ビード部25の両側には平坦なフランジ面21が形成されている。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係るエアバッグ装置のシュート部材30を示し、図2Aはその裏面側、つまりインストルメントパネル(図示せず)と反対側からみた斜視図、図2Bは表面側、つまりインストルメントパネル側からみた斜視図である。
シュート部材30は、図2Aに示すようにインストルメントパネルに直接取り付けられ、エアバッグ装置の作動時に開放する開放部(ドア)を備えた略矩形の天板32と、天板32に一体に形成された4つの側壁34a〜34dを備えた箱形の枠体であって、例えば合成樹脂で一体成型されている。
前記天板32はインストルメントパネルの形状に合わせた湾曲した形状に形成されており、前記4つの側壁34a〜34dの天板32側の端部は前記天板32の形状に合わせて湾曲して形成されている。
【0022】
シュート部材30の対向する2面の側壁34b、34dには、前記ハウジング20のフック28に対応してフック28が掛止する開口、例えば角穴33が複数(本実施形態では1側壁に3個)形成されている。
シュート部材30は、その角穴33が形成された側壁34b、34dに隣接する他の2面の側壁34a、34cの上縁部略中間位置には、それぞれ前記サイドブラケット24の傾斜した連結面24aに対応して一体に形成された傾斜した連結面36aを備えた連結部36と、連結部36に隣接して側壁34a、34cの図2Aにおける上縁には切欠35が形成されており、かつ傾斜した連結面36aの略中央に形成された連結手段(例えばボルト又はビス)を挿通する連結穴36bが形成されている。
【0023】
シュート部材30のインストルメントパネルに接合される天板32には、図2Bに示すようにその中央部にそれぞれ略エ字状の細長い溝(スリット)32aが設けられている。この略エ字状の溝32aは、エアバッグ装置が作動したときに、エアバッグの膨張圧力で、前記溝32aで3方が囲まれた部分がヒンジとなって開放し、かつインストルメントパネルの例えばレーザ加工などによって形成されたティアラインが破断して開放し、それによってエアバッグは車内に展開膨張して助手席の搭乗者を受け止めて保護する機能を果たす。
なお、図示のものでは前記溝32aの平面形状は略エ字状で天板32は両開きであるが、略コ字状にして片開きの構成にすることもできる。
【0024】
図3は、以上で説明したハウジング20をシュート部材30に組み付けた状態を示す斜視図である。
ハウジング20をシュート部材30に組み付けた状態では、ハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aと、シュート部材30の連結部36の傾斜した連結面36aが当接し、それぞれの連結穴24b、36bは位置整合されている(この状態で連結穴24b、36bに例えばビスを挿入して連結することで、ハウジング20とサイドブラケット24とは一体に連結される)。この状態では、ハウジング20のフック28はシュート部材30の角穴33に挿通されており、かつフック28の先端部(爪部28a)は、シュート部材30の前記角穴33の図示上縁に隣接した側壁34b、34dを挟み込むようにそれに重畳配置されている。
【0025】
したがって、エアバッグ装置が作動してエアバッグが膨張すると、その膨張力により、ハウジング20をシュート部材30から引き離そうとする力が作用するが、フック28は角穴33の図示上縁部に当接してエアバッグをしっかりと保持する。その際、フック28の前記補強ビード部25は、断面凹形状のビード(叩きのビード)部であると、フック28を構成する鋼板が伸びてクラックが入る懸念があるが、本実施形態の補強ビード部25は断面凸形状であり、その凸形状がフックの座屈方向であるため鋼板が伸びてクラックが入る虞はなく、その強度を向上することができる。
【0026】
図4は、本実施形態に係るハウジング20を例えば鋼板などの金属シート材料(ブランク)で成形する際に、金属シート材料をプレスで型抜きした状態を示す。
ここで、サイドブラケット24は、底板22の対向する2片から略T字状に突出した部分の細長い帯状片23aとなる部分と側片23となる部分の図示中央部側の付け根の部分に、それぞれ底板22に向かって斜めの四辺形の片として形成されている。ここでは、側片23となる部分を底板22に対して略直角に折り曲げ、かつサイドブラケット24となる矩形片を底板22に対して傾斜した折り線に沿って外側に略直角に折り返すことによりサイドブラケット24が形成される。
【0027】
ハウジング20の残りの二辺には前記脚片26が等間隔で一体に形成されており、図4において底板22と一体の前記脚片26となる部分と、細幅の帯状片26aとなる部分及びフック28となる部分に絞り加工を施して一連の凸条の前記補強ビード部25(図1)を形成する。
以上のように加工された前記脚片26を、底板22から略直角に折り曲げ、さらに、前記細幅の帯状片26aを外側に向かって略直角に折り曲げ加工した後、そこから突出した部分を前記脚片26に略平行になるように略直角に折り曲げてフック28を形成する。その後、例えば前記帯状片23aを帯状片26aの端部に沿って略直角に曲げて重ね、重ねたところを例えばスポット溶接で一体に連結する。
以上の工程によりハウジング20が作製される。
【0028】
図5A〜5Jは、以上のようにして形成されたハウジング20をシュート部材30に組み付ける手順を示すため、一部を断面で示した側面図である。
図5Aは、組み付け前のハウジング20とシュート部材30を示す。即ち、図5Aはシュート部材30を、天板32を下にしてその反対側を水平に配置した状態で、その上方にハウジング20(実際にはエアバッグ装置を収納している)を水平に配置した状態を示している。
【0029】
図5Bは、図5Aの状態から、次に、ハウジング20を箱形のシュート部材30の開放した上部から斜めに挿入し、その一側面側のフック28の位置をシュート部材30の角穴33に合わせた状態を示している。続いて、ハウジング20を図5Cの矢印A1に示す方向、つまり図中、斜め右上方に直線移動させ、フック28の鉤形に曲がった先端部(爪部)28aを角穴33内に入れる。続いて、図5Dの矢印A2で示すように、ハウジング20を角穴33の回りで反時計方向に回転させ、同時にフック28の前記先端部を角穴33から外に出す。
【0030】
続いて、ハウジング20を図5Eの矢印A3に示すように、フック28の内側を角穴33の図示上縁に当接させるか或いはその近傍まで斜め上方(右上方)に直線移動させて、その位置でハウジング20を、図5Fに示すように再び矢印A4方向、つまり反時計方向に回転させ、角穴33に挿入されたフック28と反対側のフック28の外側をシュート部材30の対向する側壁34dに当接させ、側壁34dを外側に押して撓ませて下降させ、図5Gに示すように、鉤形に曲がったフック28の爪部28aの水平部分28bがシュート部材30の角穴33の図中上端部を越えた位置まで下降させる。続いて、図5Hに示すように、フック28の爪部28aの上端がシュート部材30の角穴33の図示上端縁を越えるまでハウジング20全体をシュート部材30の側壁を外方に撓ませながら矢印A5方向(鉛直方向)に下降させる。なお、シュート部材30の下降中、ハウジング20のサイドブラケット24はシュート部材30の切欠35に進入するため、シュート部材30によってその下降が妨げられることはない。
【0031】
フック28の爪部28aの上端がシュート部材30の角穴33の図示上端縁を越えると、撓んでいた側壁34dは元に戻り、同時にフック28、したがってハウジング20はシュート部材30からの抗力から開放される。これにより、フック28の先端部(爪部)28aはシュート部材30の側壁34dの角穴33から外部に僅かに突出する(図5H)。図5Iは、このようにしてフック28の先端部28aがシュート部材30の側壁の角穴33から外部に突出し、かつ、ハウジング20のサイドブラケット24の連結面24aとシュート部材30の連結部36の傾斜面36aが当接し、かつ、サイドブラケット24の下端が前記切欠35内に達した状態を示している。
【0032】
続いて、ハウジング20を図5Jに示す矢印A6方向、つまり連結面24aと36aの傾斜に沿って上昇させる。つまり、ハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aとシュート部材30の連結部36の連結面36aが当接した状態を保ちながら、両連結面の連結穴24b、36b(図3)が一致する位置まで摺動させる(図5J)。
これにより、ハウジング20の両側面に設けたフック28も斜め上方(図中左上方)に移動し、フック28の爪部28aはいずれもシュート部材30の側壁34b、34dを挟み込むように、側壁34b、34dと重畳した位置になる(つまり、掛止代又は引っ掛かり代が得られる)。
【0033】
次に、ハウジング20とシュート部材30の連結穴24b、26bにボルトを挿通しナットで締結する或いはビス止めすることで両者を連結する。これにより、エアバッグ装置の作動時に、フック28はエアバッグの圧力を受けてシュート部材30の前記角穴33に掛止され外れることはない。
以上述べたように、本実施形態によれば、ハウジング20とシュート部材30の組み付けの最初の段階で、シュート部材30に対してハウジング20を斜めに挿入して、一方の側のフック28の爪部28aをシュート部材30の角穴33に挿入し、その状態で回転させて、他方のフック28でシュート部材30の側壁の内側に押し込み当該側壁に形成された角穴33に他方の側のフック28を挿入する。
【0034】
従来は、この段階でハウジング20とシュート部材30を連結していたため、フック28は前記角穴33に挿入されるものの、フック28の爪部28aは角穴33の縁に隣接する側壁を挟み込むようにして重畳することがない。そのため、エアバッグが膨張展開する際に角穴33から抜け易いと云う問題があった。
これに対し、本実施形態によれば、上述のように、前記サイドブラケット24の傾斜した連結面24aと前記連結部36の傾斜した連結面36aの作用により、ハウジング20のフック28をシュート部材30の角穴33に挿入した後に、ハウジング20をシュート部材30から離隔する方向に移動させることができる、その位置で固定(連結)することができるため、ハウジング20の両側面に設けたフック28の爪部28aは、いずれもシュート部材30の側壁34b、34dを挟み込むように角穴33の縁に隣接した側壁34b、34dと重畳した状態になり、ハウジング20とシュート部材30の強固な連結が得られる。
そのため、エアバッグがインストルメントパネルのティアラインを破断して車室内側に展開・膨張する際に、従来のように、インストルメントパネル内部のシュート部材30とハウジング20との連結が外れて、シュート部材30とハウジング20の隙間からエアバッグが膨張展開する虞はなく、エアバッグの安定した動作を得ることができる。
【0035】
以上の実施形態に係るエアバッグ装置の機能及び効果をまとめると以下のとおりである。
(i)フック28をシュート部材30の角穴33に掛止させることにより、ハウジング20の固定ポイントが増えるため、その強度が増し、展開挙動を安定させ振動幅を抑制することができる。また、展開後のハウジング20の開口(ハウジング20の帯状片23aと帯状片26aとを接合して構成した開口)が拡がって、いわゆるフィッシュマウスにならないようにその広がりを抑えることができる。
(ii)ハウジング20のサイドブラケット24をインストルメントパネルに直接連結するよりも、シュート部材30に連結する方が、サイドブラケット24の大きさ(長さ)を小さくすることができ、サイドブラケット24の鋼板使用量を少なくすることができ軽量化することができる。
【0036】
(iii)エアバッグの展開膨張の際に、エアバッグ(クッション)が膨張することにより、ハウジング20及びシュート部材30も変形するが、フック28がシュート部材30の角穴33に掛止して外れないため、エアバッグ下方部での展開を抑えることができ、挙動が安定する。また、ハウジング20のサイドブラケット24の連結面24aが傾斜していることから、シュート部材30の連結部36の連結面36aとの連結時に、組み付けラインではシュート部材30を鉛直方向に向けた場合でも、作業者の視点からハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aをシュート部材30の連結部36の傾斜した連結面36aに連結し易く、生産効率を向上させることができる。
【0037】
(iv)ハウジング20のサイドブラケット24とシュート部材30の連結部36のそれぞれの連結面24a及び36aを、それぞれ水平方向から傾斜させたことで、既に述べたようにフック28とシュート部材30側壁(立壁)34b、34dの角穴33に掛止代(引っ掛かり代)を設けることができる。
【0038】
(v)サイドブラケット24をハウジング20と一体化構造にしたことにより、別体のサイドブラケットを作製して、ハウジング20の底板22に接着(接合)する工程を不要にすることができる。つまり、サイドブラケット24をシート材料からハウジング20のその他の構造部分と同時に打ち抜き加工で形成するため、ハウジング20のその他の構造と重なる部分がなくなり軽量化することができる、しかも、打ち抜かれたハウジング本体のスクラップ部となる部分を利用するため、材料コストもサイドブラケット24を別部材で構成するよりも抑えることができる。
【0039】
(vi)周囲温度が例えば氷点下などの低温環境下における低温展開では、インフレータの圧力が低下することから、エアバッグカバー、ここではインストルメントパネルの開裂展開性能が低下して、エアバッグの膨張・展開が遅れる。エアバッグの膨張・展開が遅れると、それによって爪部28aが鉛直方向上方に過剰に力が付加される。その場合、フック28に形成した補強ビード部25が断面凹形状のビード(叩きのビード)であると、フックを構成する鋼板が伸びてクラックが入る懸念がある。
しかし、本実施形態のビードは断面凸形状であるため、凸形状がフックの座屈方向であるのでその虞はなく、低温展開での強度をアップすることができる。
他方、周囲温度が例えば60〜100°などの高温環境下における高温展開時には、インフレータの圧力が上がるため、ハウジングの連結部などの強度や剛性が必要になるが、本実施形態の構造では、材料代のアップなしでの高温展開での強度アップを図ることができる。
【符号の説明】
【0040】
20・・・ハウジング、21・・・フランジ面、22・・・底板、24・・・サイドブラケット、24a・・・連結面、25・・・補強ビード部、26・・・脚片、26a・・・帯状片、28・・・フック、28a・・・爪部、30・・・シュート部材、32・・・天板、33・・・角穴、34a〜34d・・・側壁、35・・・切欠、36・・・連結部、36a・・・連結面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネルの内部に備えるエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
助手席用のエアバッグ装置として、インストルメントパネルの内側に配置され、エアバッグの作動時にインストルメントパネルを開いて膨張展開して乗員を受け止めるエアバッグ装置が従来から知られている。このエアバッグ装置は、インストルメントパネルの裏面に例えば溶着などにより一体に接合された枠体(シュート部材)と、シュート部材に連結されエアバッグ装置を収容したハウジングを備えている。ハウジングとシュート部材との連結手段としては、ハウジングに設けたフックをシュート部材に設けた開口に挿入すると共に、別途連結のための連結手段を備えたものが一般的である。
【0003】
このようなエアバッグ装置として、例えば、特許文献1に記載されたエアバッグ装置は、図6に示すように、ハウジング116を構成する対向壁に設けた複数のフック117を、シュート部材(カバー部材)114を構成する対向壁に設けた開口123に挿入し、かつ、ハウジング116の前記対向壁と異なる対向壁にハウジング116とは別体に構成したサイドブラケット140を設け、このサイドブラケット140と、シュート部材114に設けた固定用のリブ144とを重ね合わせてビス或いはボルトなどで固定している。
【0004】
ただ、このエアバッグ装置では、サイドブラケット140はハウジング116とは別体に構成されているため、その全体重量は少なくともサイドブラケット140の重量分増加する点で改良の余地がある。加えて、ハウジング116とシュート部材114の連結は、ハウジング116のサイドブラケット140に対して、シュート部材114のリブ144を重ね合わせてビスなどで取り付けるため、組み立て時における両者の連結方向は水平方向になる。そのため、締め付け難く生産効率がよくないという問題もある。さらに、ハウジング116とシュート部材114を連結した状態では、フック117は開口123に挿入されてはいるものの単に挿入されているだけで、シュート部材114の開口123に隣接する壁面を挟み込むように重畳配置されてはいない。そのため、エアバッグの膨張時に大きな反力を受けると、フック117は開口123から抜けやすく、エアバッグがシュート部材114とハウジング116の間から膨張展開する虞がある。
【0005】
また、特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、図7に示すように、ハウジング116の対向壁に設けた複数のフック117を、シュート部材(カバー部材)114の対向壁に設けた開口123に挿入して連結する。その際、サイドブラケットの代わりにフック117の一つを固定用フック119として用いて、上縁位置を開口123と同じ高さに設けた切欠121に挿入し、シュート部材114の固定用リブ144との間に、高さ調整用のクリップ(図示せず)を挟んでビスなどで連結するようになっている。
【0006】
このエアバッグ装置も、ハウジング116のフック117がシュート部材114の開口123に挿入されたときは、ハウジング116とシュート部材114はその位置で固定され、ハウジング116がシュート部材114からそれ以上離間する方向に移動することはできない。そのため、フック117は開口123に挿入されるだけで、開口123に隣接するシュート部材114の側面を挟み込むように重畳配置されず、したがって、エアバッグが膨張した際には、固定用フック119が開口123に掛止されず、固定用フック119は簡単に捲れ上がって開口123から抜け、エアバッグはシュート部材114の側面とハウジング116の側壁の間から膨張展開する虞がある。
【0007】
また、特許文献に記載されたものではないが、図8に示すように、略矩形のハウジング20の周面の対向する二辺にそれぞれ複数のフック28を設けると共に、前記二辺に隣接する他の二辺には、外方に向かって折り曲げ、ハウジング20の底板22と平行(ここでは、底板22を水平にした状態を基準にして「水平」という)な連結面24a′を有するサイドブラケット24′を設けたものが知られている。
【0008】
このエアバッグ装置においては、シュート部材30は、従来と同様に略矩形の箱形を成し、その対向する側壁には、ハウジング20のフック28を掛止するための複数の開口、ここでは角穴33が設けられ、かつ、前記側壁に隣接する対向壁のハウジング側端部には、ハウジング20の前記サイドブラケット24′の水平な連結面24a′と接合する水平な連結面36a′を備えた連結部36′が側壁から外方に突出して設けられている。なお、図中32はインストルメントパネルに接合されるシュート部材30の天板を示す。
【0009】
このハウジング20をシュート部材30に組み付けるには、シュート部材30を下に置いた状態で上からハウジング20を組み付ける。即ち、図8Aに示すように、まず、ハウジング20を傾けてハウジング20の一側辺側のフック28を、シュート部材30の角穴33に挿入して図中で反時計方向に旋回する。その際、他側辺側のフック28はハウジング20の旋回に伴って、シュート部材30の他側辺側壁面を外側に屈曲変形させながら下降する。
しかし、例えば、図8Aに示すようにフック28の先端の爪部(フック先端の折り返した部分)28aの長さが長いと、図8Bに示すように、他側辺側のフック28がシュート部材30の側壁に形成した角穴33の図示上端を通過する前に、ハウジング20のサイドブラケット24′の水平な連結面24a′が、シュート部材30の連結部36′の水平な連結面36a′に当接するため、前記フック28をそれ以上下降させることはできない。
したがって、フック28を前記角穴33に挿入させることはできない。
【0010】
そこで、従来は、図8Cに示すように、フック28の先端の爪部28aの長さを、図8Cに示すように短くして、図8Dに示すように、ハウジング20のサイドブラケット24′の水平な連結面24a′が、シュート部材30の連結部36′の水平な連結面36a′に当接した状態で、フック28がシュート部材30の側壁に形成した角穴33の図示上端を通過できるようにしている。
【0011】
しかし、この従来のエアバッグ装置は、ハウジング20のサイドブラケット24′の連結面24a′とシュート部材30の連結部36′の連結面36a′は、いずれも水平に形成されているため、ハウジング20の組み付け時に、両連結面24a′、36a′を当接させた状態で、しかも、ハウジング20の両側辺に設けたフック28をシュート部材30の角穴33に挿通させた状態で、フック28をシュート部材30から離隔する方向に移動させることはできない。つまり、このエアバッグ装置のフック28の爪部28aをシュート部材30の前記角穴33に隣接する壁面に重ね合わせた状態にして保持することはできない。
そのため、この従来のエアバッグ装置においても、特許文献1、2に記載されたエアバッグ装置と同様に、作動時にフック28が角穴33から抜けて外れることがあり、その場合は、シュート部材30とハウジング20間での展開を抑えることができず、安定した膨張展開ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−264802号公報
【特許文献2】特開2010−264803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来のエアバッグ装置の前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグ装置の作動時にハウジングのフックがシュート部材の開口から外れないようにすることで、ハウジング底面側への膨張を抑制して安定したエアバッグの膨張展開が確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジングと、前記ハウジングと連結されかつインストルメントパネルに接合されるシュート部材とを備えたエアバッグ装置であって、前記ハウジングを構成する側面のうち対向する一対の側面にそれぞれ複数のフックを設けると共に、他の対向側面に前記シュート部材と連結するためのサイドブラケットを備え、前記シュート部材は前記フックを掛止するための複数の開口と、前記サイドブラケットと連結される連結手段を備え、前記サイドブラケット及び前記連結手段は、前記ハウジングのフックを前記シュート部材の開口に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジングと前記シュート部材の互いに離間する方向への移動を許容する傾斜した連結面をそれぞれ備えているエアバッグ装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ハウジングがシュート部材から外れることがなく、ハウジング底面側への膨張が抑制されるため安定したエアバッグの膨張展開が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るハウジングの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るシュート部材を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るハウジングをシュート部材に組み付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るハウジングを成形するために、金属シート材料をプレスで型抜きした状態を示す図である。
【図5AB】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5CD】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5EF】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5GH】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図5IJ】ハウジングとシュート部材を組み付ける手順を示すため一部を断面で示した側面図である。
【図6】従来のエアバッグ装置のハウジングとシュート部材との固定構造を示す図である。
【図7】従来の他のエアバッグ装置のハウジングとシュート部材との固定構造を示す図である。
【図8AB】従来の他のエアバッグ装置のハウジングをシュート部材に組み付ける手順を説明する側断面図である。
【図8CD】従来の他のエアバッグ装置のハウジングをシュート部材に組み付ける手順を説明する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本エアバッグ装置は、従来と同様にインフレータ(図示せず)を取り付けたエアバッグ(図示せず)と、エアバッグを収納する金属製のハウジング20と、インストルメントパネル(図示せず)の内側に一体に接合され、ハウジング20の上部を覆いかつハウジング20に連結されるシュート部材(或いはカバー部材)30とから成っている。
図1は、本発明の実施形態に係るハウジング20の斜視図であって、図1Aはその裏面側を、また、図1Bは表面を示す。
【0018】
ハウジング20は、中心にインフレータ取り付け用の丸穴22aが形成された略矩形の金属製の底板22と、底板22の四辺のうち対向する二辺の中間領域で底板22から略直角に折り返して形成された後述する脚片26よりも幅広の側片23と、側片23の底板22と反対側の端部近傍で、底板22に対して傾斜した折り返し線に沿ってそれぞれ側片23から外方に折り返して形成されたサイドブラケット24と、サイドブラケット24が形成された二辺に隣接した対向する二辺から略直角に折り曲げて形成された、複数(本実施形態では一辺当たり3個)の細長い脚片26を備えている。
【0019】
前記サイドブラケット24の前記折り返し線に沿って折り返して形成された連結面(傾斜面)24aの略中央には、連結手段(例えばボルト又はビス)を挿通する連結穴24bが設けられている。
また、側片23の底板22と反対側の端部は細長い帯状片23aが一体に形成されており、帯状片23aは、同様に脚片26の底板22の反対側の端部に一体に形成された後述する帯状片26aと端部同士が重ね合わされて、例えばスポット溶接で接合されてハウジング20の開口を構成している。
【0020】
複数の脚片26の底板22と反対側の端部は共通の細幅の帯状片26aに一体に連結されている。また、連結された帯状片26aの、前記各脚片26と反対側端部近傍を外側に向かって略直角に折り返し、さらに、その折り返した帯状片26aから、前記各脚片26に対応した位置にフック28がその端部の鉤形をした爪部28aを図1Aでは上に向けて形成されている。
フック28、帯状片26a及び脚片26には、連続した補強のための凸条部(ここでは補強ビード部という)25が形成されており、フック28の補強ビード部25の両側には平坦なフランジ面21が形成されている。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係るエアバッグ装置のシュート部材30を示し、図2Aはその裏面側、つまりインストルメントパネル(図示せず)と反対側からみた斜視図、図2Bは表面側、つまりインストルメントパネル側からみた斜視図である。
シュート部材30は、図2Aに示すようにインストルメントパネルに直接取り付けられ、エアバッグ装置の作動時に開放する開放部(ドア)を備えた略矩形の天板32と、天板32に一体に形成された4つの側壁34a〜34dを備えた箱形の枠体であって、例えば合成樹脂で一体成型されている。
前記天板32はインストルメントパネルの形状に合わせた湾曲した形状に形成されており、前記4つの側壁34a〜34dの天板32側の端部は前記天板32の形状に合わせて湾曲して形成されている。
【0022】
シュート部材30の対向する2面の側壁34b、34dには、前記ハウジング20のフック28に対応してフック28が掛止する開口、例えば角穴33が複数(本実施形態では1側壁に3個)形成されている。
シュート部材30は、その角穴33が形成された側壁34b、34dに隣接する他の2面の側壁34a、34cの上縁部略中間位置には、それぞれ前記サイドブラケット24の傾斜した連結面24aに対応して一体に形成された傾斜した連結面36aを備えた連結部36と、連結部36に隣接して側壁34a、34cの図2Aにおける上縁には切欠35が形成されており、かつ傾斜した連結面36aの略中央に形成された連結手段(例えばボルト又はビス)を挿通する連結穴36bが形成されている。
【0023】
シュート部材30のインストルメントパネルに接合される天板32には、図2Bに示すようにその中央部にそれぞれ略エ字状の細長い溝(スリット)32aが設けられている。この略エ字状の溝32aは、エアバッグ装置が作動したときに、エアバッグの膨張圧力で、前記溝32aで3方が囲まれた部分がヒンジとなって開放し、かつインストルメントパネルの例えばレーザ加工などによって形成されたティアラインが破断して開放し、それによってエアバッグは車内に展開膨張して助手席の搭乗者を受け止めて保護する機能を果たす。
なお、図示のものでは前記溝32aの平面形状は略エ字状で天板32は両開きであるが、略コ字状にして片開きの構成にすることもできる。
【0024】
図3は、以上で説明したハウジング20をシュート部材30に組み付けた状態を示す斜視図である。
ハウジング20をシュート部材30に組み付けた状態では、ハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aと、シュート部材30の連結部36の傾斜した連結面36aが当接し、それぞれの連結穴24b、36bは位置整合されている(この状態で連結穴24b、36bに例えばビスを挿入して連結することで、ハウジング20とサイドブラケット24とは一体に連結される)。この状態では、ハウジング20のフック28はシュート部材30の角穴33に挿通されており、かつフック28の先端部(爪部28a)は、シュート部材30の前記角穴33の図示上縁に隣接した側壁34b、34dを挟み込むようにそれに重畳配置されている。
【0025】
したがって、エアバッグ装置が作動してエアバッグが膨張すると、その膨張力により、ハウジング20をシュート部材30から引き離そうとする力が作用するが、フック28は角穴33の図示上縁部に当接してエアバッグをしっかりと保持する。その際、フック28の前記補強ビード部25は、断面凹形状のビード(叩きのビード)部であると、フック28を構成する鋼板が伸びてクラックが入る懸念があるが、本実施形態の補強ビード部25は断面凸形状であり、その凸形状がフックの座屈方向であるため鋼板が伸びてクラックが入る虞はなく、その強度を向上することができる。
【0026】
図4は、本実施形態に係るハウジング20を例えば鋼板などの金属シート材料(ブランク)で成形する際に、金属シート材料をプレスで型抜きした状態を示す。
ここで、サイドブラケット24は、底板22の対向する2片から略T字状に突出した部分の細長い帯状片23aとなる部分と側片23となる部分の図示中央部側の付け根の部分に、それぞれ底板22に向かって斜めの四辺形の片として形成されている。ここでは、側片23となる部分を底板22に対して略直角に折り曲げ、かつサイドブラケット24となる矩形片を底板22に対して傾斜した折り線に沿って外側に略直角に折り返すことによりサイドブラケット24が形成される。
【0027】
ハウジング20の残りの二辺には前記脚片26が等間隔で一体に形成されており、図4において底板22と一体の前記脚片26となる部分と、細幅の帯状片26aとなる部分及びフック28となる部分に絞り加工を施して一連の凸条の前記補強ビード部25(図1)を形成する。
以上のように加工された前記脚片26を、底板22から略直角に折り曲げ、さらに、前記細幅の帯状片26aを外側に向かって略直角に折り曲げ加工した後、そこから突出した部分を前記脚片26に略平行になるように略直角に折り曲げてフック28を形成する。その後、例えば前記帯状片23aを帯状片26aの端部に沿って略直角に曲げて重ね、重ねたところを例えばスポット溶接で一体に連結する。
以上の工程によりハウジング20が作製される。
【0028】
図5A〜5Jは、以上のようにして形成されたハウジング20をシュート部材30に組み付ける手順を示すため、一部を断面で示した側面図である。
図5Aは、組み付け前のハウジング20とシュート部材30を示す。即ち、図5Aはシュート部材30を、天板32を下にしてその反対側を水平に配置した状態で、その上方にハウジング20(実際にはエアバッグ装置を収納している)を水平に配置した状態を示している。
【0029】
図5Bは、図5Aの状態から、次に、ハウジング20を箱形のシュート部材30の開放した上部から斜めに挿入し、その一側面側のフック28の位置をシュート部材30の角穴33に合わせた状態を示している。続いて、ハウジング20を図5Cの矢印A1に示す方向、つまり図中、斜め右上方に直線移動させ、フック28の鉤形に曲がった先端部(爪部)28aを角穴33内に入れる。続いて、図5Dの矢印A2で示すように、ハウジング20を角穴33の回りで反時計方向に回転させ、同時にフック28の前記先端部を角穴33から外に出す。
【0030】
続いて、ハウジング20を図5Eの矢印A3に示すように、フック28の内側を角穴33の図示上縁に当接させるか或いはその近傍まで斜め上方(右上方)に直線移動させて、その位置でハウジング20を、図5Fに示すように再び矢印A4方向、つまり反時計方向に回転させ、角穴33に挿入されたフック28と反対側のフック28の外側をシュート部材30の対向する側壁34dに当接させ、側壁34dを外側に押して撓ませて下降させ、図5Gに示すように、鉤形に曲がったフック28の爪部28aの水平部分28bがシュート部材30の角穴33の図中上端部を越えた位置まで下降させる。続いて、図5Hに示すように、フック28の爪部28aの上端がシュート部材30の角穴33の図示上端縁を越えるまでハウジング20全体をシュート部材30の側壁を外方に撓ませながら矢印A5方向(鉛直方向)に下降させる。なお、シュート部材30の下降中、ハウジング20のサイドブラケット24はシュート部材30の切欠35に進入するため、シュート部材30によってその下降が妨げられることはない。
【0031】
フック28の爪部28aの上端がシュート部材30の角穴33の図示上端縁を越えると、撓んでいた側壁34dは元に戻り、同時にフック28、したがってハウジング20はシュート部材30からの抗力から開放される。これにより、フック28の先端部(爪部)28aはシュート部材30の側壁34dの角穴33から外部に僅かに突出する(図5H)。図5Iは、このようにしてフック28の先端部28aがシュート部材30の側壁の角穴33から外部に突出し、かつ、ハウジング20のサイドブラケット24の連結面24aとシュート部材30の連結部36の傾斜面36aが当接し、かつ、サイドブラケット24の下端が前記切欠35内に達した状態を示している。
【0032】
続いて、ハウジング20を図5Jに示す矢印A6方向、つまり連結面24aと36aの傾斜に沿って上昇させる。つまり、ハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aとシュート部材30の連結部36の連結面36aが当接した状態を保ちながら、両連結面の連結穴24b、36b(図3)が一致する位置まで摺動させる(図5J)。
これにより、ハウジング20の両側面に設けたフック28も斜め上方(図中左上方)に移動し、フック28の爪部28aはいずれもシュート部材30の側壁34b、34dを挟み込むように、側壁34b、34dと重畳した位置になる(つまり、掛止代又は引っ掛かり代が得られる)。
【0033】
次に、ハウジング20とシュート部材30の連結穴24b、26bにボルトを挿通しナットで締結する或いはビス止めすることで両者を連結する。これにより、エアバッグ装置の作動時に、フック28はエアバッグの圧力を受けてシュート部材30の前記角穴33に掛止され外れることはない。
以上述べたように、本実施形態によれば、ハウジング20とシュート部材30の組み付けの最初の段階で、シュート部材30に対してハウジング20を斜めに挿入して、一方の側のフック28の爪部28aをシュート部材30の角穴33に挿入し、その状態で回転させて、他方のフック28でシュート部材30の側壁の内側に押し込み当該側壁に形成された角穴33に他方の側のフック28を挿入する。
【0034】
従来は、この段階でハウジング20とシュート部材30を連結していたため、フック28は前記角穴33に挿入されるものの、フック28の爪部28aは角穴33の縁に隣接する側壁を挟み込むようにして重畳することがない。そのため、エアバッグが膨張展開する際に角穴33から抜け易いと云う問題があった。
これに対し、本実施形態によれば、上述のように、前記サイドブラケット24の傾斜した連結面24aと前記連結部36の傾斜した連結面36aの作用により、ハウジング20のフック28をシュート部材30の角穴33に挿入した後に、ハウジング20をシュート部材30から離隔する方向に移動させることができる、その位置で固定(連結)することができるため、ハウジング20の両側面に設けたフック28の爪部28aは、いずれもシュート部材30の側壁34b、34dを挟み込むように角穴33の縁に隣接した側壁34b、34dと重畳した状態になり、ハウジング20とシュート部材30の強固な連結が得られる。
そのため、エアバッグがインストルメントパネルのティアラインを破断して車室内側に展開・膨張する際に、従来のように、インストルメントパネル内部のシュート部材30とハウジング20との連結が外れて、シュート部材30とハウジング20の隙間からエアバッグが膨張展開する虞はなく、エアバッグの安定した動作を得ることができる。
【0035】
以上の実施形態に係るエアバッグ装置の機能及び効果をまとめると以下のとおりである。
(i)フック28をシュート部材30の角穴33に掛止させることにより、ハウジング20の固定ポイントが増えるため、その強度が増し、展開挙動を安定させ振動幅を抑制することができる。また、展開後のハウジング20の開口(ハウジング20の帯状片23aと帯状片26aとを接合して構成した開口)が拡がって、いわゆるフィッシュマウスにならないようにその広がりを抑えることができる。
(ii)ハウジング20のサイドブラケット24をインストルメントパネルに直接連結するよりも、シュート部材30に連結する方が、サイドブラケット24の大きさ(長さ)を小さくすることができ、サイドブラケット24の鋼板使用量を少なくすることができ軽量化することができる。
【0036】
(iii)エアバッグの展開膨張の際に、エアバッグ(クッション)が膨張することにより、ハウジング20及びシュート部材30も変形するが、フック28がシュート部材30の角穴33に掛止して外れないため、エアバッグ下方部での展開を抑えることができ、挙動が安定する。また、ハウジング20のサイドブラケット24の連結面24aが傾斜していることから、シュート部材30の連結部36の連結面36aとの連結時に、組み付けラインではシュート部材30を鉛直方向に向けた場合でも、作業者の視点からハウジング20のサイドブラケット24の傾斜した連結面24aをシュート部材30の連結部36の傾斜した連結面36aに連結し易く、生産効率を向上させることができる。
【0037】
(iv)ハウジング20のサイドブラケット24とシュート部材30の連結部36のそれぞれの連結面24a及び36aを、それぞれ水平方向から傾斜させたことで、既に述べたようにフック28とシュート部材30側壁(立壁)34b、34dの角穴33に掛止代(引っ掛かり代)を設けることができる。
【0038】
(v)サイドブラケット24をハウジング20と一体化構造にしたことにより、別体のサイドブラケットを作製して、ハウジング20の底板22に接着(接合)する工程を不要にすることができる。つまり、サイドブラケット24をシート材料からハウジング20のその他の構造部分と同時に打ち抜き加工で形成するため、ハウジング20のその他の構造と重なる部分がなくなり軽量化することができる、しかも、打ち抜かれたハウジング本体のスクラップ部となる部分を利用するため、材料コストもサイドブラケット24を別部材で構成するよりも抑えることができる。
【0039】
(vi)周囲温度が例えば氷点下などの低温環境下における低温展開では、インフレータの圧力が低下することから、エアバッグカバー、ここではインストルメントパネルの開裂展開性能が低下して、エアバッグの膨張・展開が遅れる。エアバッグの膨張・展開が遅れると、それによって爪部28aが鉛直方向上方に過剰に力が付加される。その場合、フック28に形成した補強ビード部25が断面凹形状のビード(叩きのビード)であると、フックを構成する鋼板が伸びてクラックが入る懸念がある。
しかし、本実施形態のビードは断面凸形状であるため、凸形状がフックの座屈方向であるのでその虞はなく、低温展開での強度をアップすることができる。
他方、周囲温度が例えば60〜100°などの高温環境下における高温展開時には、インフレータの圧力が上がるため、ハウジングの連結部などの強度や剛性が必要になるが、本実施形態の構造では、材料代のアップなしでの高温展開での強度アップを図ることができる。
【符号の説明】
【0040】
20・・・ハウジング、21・・・フランジ面、22・・・底板、24・・・サイドブラケット、24a・・・連結面、25・・・補強ビード部、26・・・脚片、26a・・・帯状片、28・・・フック、28a・・・爪部、30・・・シュート部材、32・・・天板、33・・・角穴、34a〜34d・・・側壁、35・・・切欠、36・・・連結部、36a・・・連結面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジングと、前記ハウジングと連結されかつインストルメントパネルに接合されるシュート部材とを備えたエアバッグ装置であって、
前記ハウジングを構成する側面のうち対向する一対の側面にそれぞれ複数のフックを設けると共に、他の対向側面に前記シュート部材と連結するためのサイドブラケットを備え、
前記シュート部材は前記フックを掛止するための複数の開口と、前記サイドブラケットと連結される連結手段を備え、
前記サイドブラケット及び前記連結手段は、前記ハウジングのフックを前記シュート部材の開口に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジングと前記シュート部材の互いに離間する方向への移動を許容する傾斜した連結面をそれぞれ備えているエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは前記ハウジングと一体に形成されているエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは、前記ハウジングと同じ金属板を打ち抜き加工して一体に形成されたものであるエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記フックには外側が凸となる補強ビード部が前記フックの長手方向に沿って形成されているエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記ハウジングは、略矩形の底板と、前記底板の対向する二辺において前記底板と略直角に折曲形成された複数の脚片と、前記脚片の前記底板と反対側端部に形成され前記複数の脚片を互いに連結する帯状片と、を有し、前記フックは前記帯状片の前記脚片と反対側で前記脚片に対応した位置に形成されたエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは、前記底板の前記二辺に隣接した対向する二辺の一部において前記底板と一体に略直角に折曲形成された側片に設けられているエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記フックには前記補強ビード部の両側部に前記補強ビード部に沿ってフランジが一体に形成されているエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項5に記載されたエアバッグ装置において、
前記脚片、前記帯状片及び前記フックには前記補強ビード部が連続して形成されているエアバッグ装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記ハウジング及び前記シュート部材の前記傾斜した連結面には、連結手段で連結するための連結穴が形成されているエアバッグ装置。
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの内部に配備され、エアバッグを収容したハウジングと、前記ハウジングと連結されかつインストルメントパネルに接合されるシュート部材とを備えたエアバッグ装置であって、
前記ハウジングを構成する側面のうち対向する一対の側面にそれぞれ複数のフックを設けると共に、他の対向側面に前記シュート部材と連結するためのサイドブラケットを備え、
前記シュート部材は前記フックを掛止するための複数の開口と、前記サイドブラケットと連結される連結手段を備え、
前記サイドブラケット及び前記連結手段は、前記ハウジングのフックを前記シュート部材の開口に挿入した状態で、互いに摺動して前記ハウジングと前記シュート部材の互いに離間する方向への移動を許容する傾斜した連結面をそれぞれ備えているエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは前記ハウジングと一体に形成されているエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは、前記ハウジングと同じ金属板を打ち抜き加工して一体に形成されたものであるエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記フックには外側が凸となる補強ビード部が前記フックの長手方向に沿って形成されているエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記ハウジングは、略矩形の底板と、前記底板の対向する二辺において前記底板と略直角に折曲形成された複数の脚片と、前記脚片の前記底板と反対側端部に形成され前記複数の脚片を互いに連結する帯状片と、を有し、前記フックは前記帯状片の前記脚片と反対側で前記脚片に対応した位置に形成されたエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたエアバッグ装置において、
前記サイドブラケットは、前記底板の前記二辺に隣接した対向する二辺の一部において前記底板と一体に略直角に折曲形成された側片に設けられているエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記フックには前記補強ビード部の両側部に前記補強ビード部に沿ってフランジが一体に形成されているエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項5に記載されたエアバッグ装置において、
前記脚片、前記帯状片及び前記フックには前記補強ビード部が連続して形成されているエアバッグ装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
前記ハウジング及び前記シュート部材の前記傾斜した連結面には、連結手段で連結するための連結穴が形成されているエアバッグ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5AB】
【図5CD】
【図5EF】
【図5GH】
【図5IJ】
【図6】
【図7】
【図8AB】
【図8CD】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5AB】
【図5CD】
【図5EF】
【図5GH】
【図5IJ】
【図6】
【図7】
【図8AB】
【図8CD】
【公開番号】特開2013−18387(P2013−18387A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153770(P2011−153770)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】
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