エアバッグ
【課題】基布同士を専ら接着剤による接合で必要な強度を得ることも可能な接着法を提供し又その接着法によるエアバッグを提供すること。
【解決手段】対向する基布1、2がその縁部において接着剤4により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
【解決手段】対向する基布1、2がその縁部において接着剤4により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグに関し、詳しくはその基布接合部の接着剤による接合を改良したエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグは、一般的に2枚の基布を重ねてその周縁を接合することにより製造されるが、前記の接合は接合強度とシール性を要求されることから縫製と接着との組合せで行われている。例えば、特開平10−129380号公報には、外周部を縫製し、該縫製部をさらにエアバッグの内側からシール材にて被覆するというものが提案されている。これはシール材によりエアバッグ内部のガスの漏れ出しを防止するものであり、基布同士の接合強度は主に縫製で得ている。
しかし、縫い糸による縫製はバッグを強く(こわく)し、コンパクトな折り畳みの妨げになる。又、縫製作業は人手に頼ることとなり、コスト要因でもある。このため縫製においてより細い糸で、かつ縫い目ピッチ(運針数)を減らしても十分な強度を得ることができる接合技術、あるいは縫製によらずに接合する技術が求められている。
【特許文献1】特開平10−129380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、基布同士を単に接着剤により接合しても、エアバッグに要求される十分な強度を得ることは困難である。
本願発明は、基布同士を専ら接着剤による接合で必要な強度を得ることも可能な接着法を提供し又その接着法によるエアバッグを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記目的を達成するために、エアバッグ基布同士の接着法を鋭意検討した結果、接着剤を基布面のみに存在させるのではなく、接着剤を一方の基布表面の塗布面から該基布内部に浸透させて該基布の内表面に、あるいはさらに対向する他方の基布を通ってその外表面に至るまで展開させることにより、接着剤のアンカー部を形成することが有効であることを見出し、さらに検討を続け本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
[1] 対向する基布がその縁部において接着剤により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
[2] アンカー部は基布に穿設された通孔を通して展開することを特徴とする[1]記載のエアバッグ。
[3] アンカー部は基布の繊維糸の間の目を通して展開することを特徴とする[1]に記載のエアバッグ。
[4] アンカー部は一方の外面から基布を通って他方の基布の外面に展開することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のエアバッグ。
[5] さらに縫製手段により接合部を強化した[1]〜[4]のいずれかに記載のエアバッグ。
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明による基布同士の接着は、従来の面接着よるものに比較して基布同士を緻密に結合して、接合強度を向上することができ、専ら接着剤による接合でも必要な強度を実現することができる。
また、必要に応じて、縫製も併用すれば、さらに強固な接合とすることができる。その場合の縫製作業も接着剤による接合を補完する程度でよく、縫製糸をより細く、運針数をより少なくすることが可能となり、コンパクト化に寄与するとともに縫製工程の省力化、合理化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のエアバッグは、重ね合わせた基布同士の外周部の接合を本発明の接着剤のアンカーを形成することにより行うことが重要であるが、その他は特に制限はない。
使用する接着剤についても、特に制限はなく、一般にエアバッグの製造にシール目的で使用されるようなタイプを含め、各種の接着剤を使用することができる。
しかし、基布に対してより浸透しやすいタイプの接着剤が好ましい。特に重ねた基布に接着剤を含浸させて接着剤を基布内部に浸透させ、さらに他方の基布の外表面にまでアンカー部を展開させるような場合には、粘性の低いタイプが好ましい。本発明においては、特に粘性の低い性状を有するシリコーン系、ウレタン系等を好ましく用いることができる。
【0008】
以下に図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明のエアバッグの説明図である。このエアバッグは、重ね合わせた基布の外周縁部を連続して囲む接着剤、及びその内側部に間隔をおいて設けた通孔を通して基布同士を接着剤により囲むようにした接合部を有している。図1中、1は重ね合わせた2枚の基布の一方、3は基布に設けた通孔、4は接着剤を示す。図2は図1A−A線断面説明図であり、接着剤が一方の基布外表面から他方の基布外表面に至るアンカーを相互に形成していることを示している。
【0009】
図3は、本発明の別の実施例を説明する図である。この例では、周縁部とその内側の通孔を通して接着する部位を分離せずに一体的に接着した態様を示すものである。図3中B−B線断面説明図が図4である。図4も接着剤が一方の基布外表面から他方の外表面に至るアンカーを相互に形成していることを示している。
図5は、本発明のさらに別の実施例を説明する図である。この例では、前記図2,3に示した態様とは異なり、基布に通孔を穿設することなく、重ね合わせた基布の外周縁部を連続して接着剤を含浸させた接合部を形成したものである。図6は図5C−C線断面説明図である。接着剤は基布の糸目を通して展開して他方の基布面を貫いてさらにその外面を覆うように展開している。なお、基布へのこうした含浸は、前記図2、4の通孔を介する展開においても同時に行うこともできる。
図7に示すものは、本発明の他の実施例である。この例では一方の基布外表面から穿設した通孔を通してその基布及び他方の基布の内表面に至るアンカーを有するタイプを示している。
【0010】
次に前記図2、4、6、7に示した各ケースについてその製造方法を説明する。
図8(a)、(b)、(c)に示すものは、図2のタイプの製造方法を説明する図である。
(a)、(b)は重ね合わせた基布に通孔を穿設する工程を説明する図であり、基布1、2をパンチで穿設する例を示す。(c)は通孔を穿設した基布を別の型に配置して、その型内に接着剤を注入する工程を示している。この工程は、LIMS(液状樹脂射出成形システム)として知られている方法を利用することができる。
図9(a)、(b)は、図4のタイプの製造方法の説明図である。縁部に通孔を穿設した基布1、2を型5、6内に配置し(図9、(a))、次いで型内に5aから接着剤を注入する工程を示している(b)。
【0011】
図10(a)、(b)は、図6のタイプの製造方法の説明図である。この場合には基布の縁部に通孔を穿設することなく、そのまま型に配置して接着剤を注入させ、基布の繊維の目を通過させて接着剤のアンカーを形成する。
また、図7に示したタイプの製造については、図11、(a)〜(e)に示す工程により製造することができる。すなわち、基布1、2をそれぞれ上型、下型に減圧にて吸着して、それぞれの型から必要部位に配設されている進退自在の接着剤注入用針により基布に通孔を穿設すると共に接着剤を玉状にして排出し、次いで引き抜くことにより接合面に接着剤の主要部を残し、かつ針の退路を接着剤で濡らしてアンカーを形成する。こうしてそれぞれの基布の一方の表面(外表面)から他方の表面(内表面)に接着剤を注入することでき(上型と下型を示す図11、(d)参照)、上下の型を重ねて(e)のようにすることができる。この場合上型と下型の注入用針の配設位置を互いにずらしているが、位置合わせした場合には、接着剤は、下方の基布においても通孔を通して基布内面と外面の双方に同時に存在することとなる。
【0012】
図12は、前記図11、(a)に示す型の一方の斜視図を示す。図13は、前記型の接着剤注入用針が進退する孔を説明する部分詳細説明図である。孔のない部位に対応する他方の型の部位において同様な前記針が進退する孔が配置されている。
【0013】
本発明のエアバッグは、前記に示した接着剤の含浸用の型内を減圧として、その接着剤の含浸工程を促進することもできる。その場合においては、基布を構成している糸の間の目に接着剤を含浸する他、糸の構成フィラメント内に含浸することができ一層アンカー効果を発現することができる。もちろん、型内に減圧をかけなくても浸透性のよい接着剤を用いることにより接着剤を前記糸目に含浸することができる。
本発明において、接着剤のアンカーは、一方の基布の外表面から他方の基布に向かう通孔を通した、あるいは糸目を通した接着剤の広がり(展開)をいうが、通孔を通してリベット(鋲止め)状に接着剤により接合させるとより強力な接合とすることができるので好ましい。
【0014】
本発明の基布相互に接着剤のアンカーを配設する接着方式によれば、一般的な接着面のみを接着する場合に比べて、互いの基布の内表面及び/又は外表面に至るまで接着剤により一体化できるので、接合強度を向上することができ、従来の縫製手段は、なくすこともできるが、必要に応じて補完的に使用することもできる。その際にはより細い糸で、運針数も少なくすることが可能であり、エアバッグのコンパクト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のエアバッグの一例を示す説明図。
【図2】図1A−A線断面説明図。
【図3】本発明の別の実施例を説明する図。
【図4】図3中、B−B線断面説明図。
【図5】本発明のさらに別の実施例を説明する図。
【図6】図5中、C−C線断面説明図。
【図7】本発明の他の実施例を説明する図。
【図8】図8(a)、(b)、(c)に示すものは、図2のタイプの製造方法の説明図。
【図9】図9(a)、(b)は、図4のタイプの製造方法の説明図。
【図10】図10(a)、(b)は、図6のタイプの製造方法の説明図。
【図11】図7に示したタイプの製造方法を説明する図。
【図12】図11、(a)に示す型の一方の型の斜視図。
【図13】前記型の接着剤注入用針が進退する孔を説明する部分詳細説明図。
【符号の説明】
【0016】
1,2:基布
3 :通孔
4 :接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグに関し、詳しくはその基布接合部の接着剤による接合を改良したエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグは、一般的に2枚の基布を重ねてその周縁を接合することにより製造されるが、前記の接合は接合強度とシール性を要求されることから縫製と接着との組合せで行われている。例えば、特開平10−129380号公報には、外周部を縫製し、該縫製部をさらにエアバッグの内側からシール材にて被覆するというものが提案されている。これはシール材によりエアバッグ内部のガスの漏れ出しを防止するものであり、基布同士の接合強度は主に縫製で得ている。
しかし、縫い糸による縫製はバッグを強く(こわく)し、コンパクトな折り畳みの妨げになる。又、縫製作業は人手に頼ることとなり、コスト要因でもある。このため縫製においてより細い糸で、かつ縫い目ピッチ(運針数)を減らしても十分な強度を得ることができる接合技術、あるいは縫製によらずに接合する技術が求められている。
【特許文献1】特開平10−129380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、基布同士を単に接着剤により接合しても、エアバッグに要求される十分な強度を得ることは困難である。
本願発明は、基布同士を専ら接着剤による接合で必要な強度を得ることも可能な接着法を提供し又その接着法によるエアバッグを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記目的を達成するために、エアバッグ基布同士の接着法を鋭意検討した結果、接着剤を基布面のみに存在させるのではなく、接着剤を一方の基布表面の塗布面から該基布内部に浸透させて該基布の内表面に、あるいはさらに対向する他方の基布を通ってその外表面に至るまで展開させることにより、接着剤のアンカー部を形成することが有効であることを見出し、さらに検討を続け本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
[1] 対向する基布がその縁部において接着剤により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
[2] アンカー部は基布に穿設された通孔を通して展開することを特徴とする[1]記載のエアバッグ。
[3] アンカー部は基布の繊維糸の間の目を通して展開することを特徴とする[1]に記載のエアバッグ。
[4] アンカー部は一方の外面から基布を通って他方の基布の外面に展開することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のエアバッグ。
[5] さらに縫製手段により接合部を強化した[1]〜[4]のいずれかに記載のエアバッグ。
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明による基布同士の接着は、従来の面接着よるものに比較して基布同士を緻密に結合して、接合強度を向上することができ、専ら接着剤による接合でも必要な強度を実現することができる。
また、必要に応じて、縫製も併用すれば、さらに強固な接合とすることができる。その場合の縫製作業も接着剤による接合を補完する程度でよく、縫製糸をより細く、運針数をより少なくすることが可能となり、コンパクト化に寄与するとともに縫製工程の省力化、合理化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のエアバッグは、重ね合わせた基布同士の外周部の接合を本発明の接着剤のアンカーを形成することにより行うことが重要であるが、その他は特に制限はない。
使用する接着剤についても、特に制限はなく、一般にエアバッグの製造にシール目的で使用されるようなタイプを含め、各種の接着剤を使用することができる。
しかし、基布に対してより浸透しやすいタイプの接着剤が好ましい。特に重ねた基布に接着剤を含浸させて接着剤を基布内部に浸透させ、さらに他方の基布の外表面にまでアンカー部を展開させるような場合には、粘性の低いタイプが好ましい。本発明においては、特に粘性の低い性状を有するシリコーン系、ウレタン系等を好ましく用いることができる。
【0008】
以下に図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明のエアバッグの説明図である。このエアバッグは、重ね合わせた基布の外周縁部を連続して囲む接着剤、及びその内側部に間隔をおいて設けた通孔を通して基布同士を接着剤により囲むようにした接合部を有している。図1中、1は重ね合わせた2枚の基布の一方、3は基布に設けた通孔、4は接着剤を示す。図2は図1A−A線断面説明図であり、接着剤が一方の基布外表面から他方の基布外表面に至るアンカーを相互に形成していることを示している。
【0009】
図3は、本発明の別の実施例を説明する図である。この例では、周縁部とその内側の通孔を通して接着する部位を分離せずに一体的に接着した態様を示すものである。図3中B−B線断面説明図が図4である。図4も接着剤が一方の基布外表面から他方の外表面に至るアンカーを相互に形成していることを示している。
図5は、本発明のさらに別の実施例を説明する図である。この例では、前記図2,3に示した態様とは異なり、基布に通孔を穿設することなく、重ね合わせた基布の外周縁部を連続して接着剤を含浸させた接合部を形成したものである。図6は図5C−C線断面説明図である。接着剤は基布の糸目を通して展開して他方の基布面を貫いてさらにその外面を覆うように展開している。なお、基布へのこうした含浸は、前記図2、4の通孔を介する展開においても同時に行うこともできる。
図7に示すものは、本発明の他の実施例である。この例では一方の基布外表面から穿設した通孔を通してその基布及び他方の基布の内表面に至るアンカーを有するタイプを示している。
【0010】
次に前記図2、4、6、7に示した各ケースについてその製造方法を説明する。
図8(a)、(b)、(c)に示すものは、図2のタイプの製造方法を説明する図である。
(a)、(b)は重ね合わせた基布に通孔を穿設する工程を説明する図であり、基布1、2をパンチで穿設する例を示す。(c)は通孔を穿設した基布を別の型に配置して、その型内に接着剤を注入する工程を示している。この工程は、LIMS(液状樹脂射出成形システム)として知られている方法を利用することができる。
図9(a)、(b)は、図4のタイプの製造方法の説明図である。縁部に通孔を穿設した基布1、2を型5、6内に配置し(図9、(a))、次いで型内に5aから接着剤を注入する工程を示している(b)。
【0011】
図10(a)、(b)は、図6のタイプの製造方法の説明図である。この場合には基布の縁部に通孔を穿設することなく、そのまま型に配置して接着剤を注入させ、基布の繊維の目を通過させて接着剤のアンカーを形成する。
また、図7に示したタイプの製造については、図11、(a)〜(e)に示す工程により製造することができる。すなわち、基布1、2をそれぞれ上型、下型に減圧にて吸着して、それぞれの型から必要部位に配設されている進退自在の接着剤注入用針により基布に通孔を穿設すると共に接着剤を玉状にして排出し、次いで引き抜くことにより接合面に接着剤の主要部を残し、かつ針の退路を接着剤で濡らしてアンカーを形成する。こうしてそれぞれの基布の一方の表面(外表面)から他方の表面(内表面)に接着剤を注入することでき(上型と下型を示す図11、(d)参照)、上下の型を重ねて(e)のようにすることができる。この場合上型と下型の注入用針の配設位置を互いにずらしているが、位置合わせした場合には、接着剤は、下方の基布においても通孔を通して基布内面と外面の双方に同時に存在することとなる。
【0012】
図12は、前記図11、(a)に示す型の一方の斜視図を示す。図13は、前記型の接着剤注入用針が進退する孔を説明する部分詳細説明図である。孔のない部位に対応する他方の型の部位において同様な前記針が進退する孔が配置されている。
【0013】
本発明のエアバッグは、前記に示した接着剤の含浸用の型内を減圧として、その接着剤の含浸工程を促進することもできる。その場合においては、基布を構成している糸の間の目に接着剤を含浸する他、糸の構成フィラメント内に含浸することができ一層アンカー効果を発現することができる。もちろん、型内に減圧をかけなくても浸透性のよい接着剤を用いることにより接着剤を前記糸目に含浸することができる。
本発明において、接着剤のアンカーは、一方の基布の外表面から他方の基布に向かう通孔を通した、あるいは糸目を通した接着剤の広がり(展開)をいうが、通孔を通してリベット(鋲止め)状に接着剤により接合させるとより強力な接合とすることができるので好ましい。
【0014】
本発明の基布相互に接着剤のアンカーを配設する接着方式によれば、一般的な接着面のみを接着する場合に比べて、互いの基布の内表面及び/又は外表面に至るまで接着剤により一体化できるので、接合強度を向上することができ、従来の縫製手段は、なくすこともできるが、必要に応じて補完的に使用することもできる。その際にはより細い糸で、運針数も少なくすることが可能であり、エアバッグのコンパクト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のエアバッグの一例を示す説明図。
【図2】図1A−A線断面説明図。
【図3】本発明の別の実施例を説明する図。
【図4】図3中、B−B線断面説明図。
【図5】本発明のさらに別の実施例を説明する図。
【図6】図5中、C−C線断面説明図。
【図7】本発明の他の実施例を説明する図。
【図8】図8(a)、(b)、(c)に示すものは、図2のタイプの製造方法の説明図。
【図9】図9(a)、(b)は、図4のタイプの製造方法の説明図。
【図10】図10(a)、(b)は、図6のタイプの製造方法の説明図。
【図11】図7に示したタイプの製造方法を説明する図。
【図12】図11、(a)に示す型の一方の型の斜視図。
【図13】前記型の接着剤注入用針が進退する孔を説明する部分詳細説明図。
【符号の説明】
【0016】
1,2:基布
3 :通孔
4 :接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する基布がその縁部において接着剤により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
アンカー部は基布に穿設された通孔を通して展開することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
【請求項3】
アンカー部は基布の繊維糸の間の目を通して展開することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
【請求項4】
アンカー部は一方の外面から基布を通って他方の基布の外面に展開することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ。
【請求項5】
さらに縫製手段により接合部を強化した請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ。
【請求項1】
対向する基布がその縁部において接着剤により互いに気密状に接合されている接合部を含むエアバッグであって、該接合部の少なくとも一部において前記対向する基布の一方または双方の外表面から対向する基布に向かう接着剤のアンカー部を有し、該アンカー部は該対向する基布の内表面及び/又は外表面に展開することを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
アンカー部は基布に穿設された通孔を通して展開することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
【請求項3】
アンカー部は基布の繊維糸の間の目を通して展開することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
【請求項4】
アンカー部は一方の外面から基布を通って他方の基布の外面に展開することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ。
【請求項5】
さらに縫製手段により接合部を強化した請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−274595(P2009−274595A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127823(P2008−127823)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
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