エアロゾル化可能な食品製品の送達
限定された粒径範囲にあるエアロゾル化された食品製品は、空気中に浮遊させられ、呼吸器官内に容易に進入することなく、口内に堆積される。エアロゾル生成装置および食品製品を組み込む装置は、食品製品のエアロゾル化およびその送達を、吸入または堆積およびそれに続く摂取に適した方法で可能にすることができる。食物送達装置は、食品をヒトおよび動物の口に送達するための新規な手段となる。実際に、本発明の装置は、実質的に呼吸器官へ曝露または進入することなく、口内に堆積させられるように、空気中に浮遊させられた、限定された大きさの範囲にあるエアロゾル化された食物粒子を生成し、移送し、かつ指向させるように設計されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、エアロゾル化された食品製品、並びに該食品製品の収容、エアロゾル化、および/または送達のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先の研究者により、エアロゾル粒子を用いて身体の様々な部分に物質を送達することができることが示されている。これらの粒子を薬物送達に用いるために特定の設計が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口から進入するのに十分に軽い粒子を吸入する場合、とりわけ目的が、例えば、口や舌などを使って味および/または栄養を提供するためである場合には、それらの粒子が口の奥または肺に達して、咳または他の有害事象を引き起こす危険性に対処しなければならない。
【0004】
従って、空中経路によって口に物質を送達する手法は、(排他的でない場合には)主として、指向された非呼吸作動型の送達(directed,non−breath−actuated delivery)に焦点を絞ってきた。その場合、空気流の力および粒子の大きさは、粒子の軌道が主として口内に限られるようなものである。
【0005】
本発明者らは、自然な呼吸または強制呼吸動作(casual or forced breathing maneuver)(正常な吸入など)が、食物、飲料および/または様々な他の粒子の口への送達をもたらすことができる手法を開発した。この手法では、空気流によるこれらの粒子の喉の奥および肺への移送は制限される。食物粒子の慣性および重力を制御することにより、また堆積力の方向を定めることによって、本発明者らは、粒子の送達を口の表面に向けて集中させて、喉の奥および肺に達しないようにすることを可能にした。
【0006】
本発明者らの手法には下記の2つの実用面が存在する。
1.粒径は、本発明者らの送達システムにとって非常に重要である。すなわち、粒子は自然な呼吸中には空中に浮遊したままであるほど十分に小さいが、喉および肺への堆積は制限しつつ、主として口内に指向されて堆積させられるためには十分に大きい必要がある。
【0007】
2.同時に、装置を通っておよびマウスピースから出るエアロゾル粒子の典型的な経路は、喉の奥から離れた様々な角度に指向される。
適当な粒径と、装置によって指向される空気経路とを組み合わせることにより、食物粒子は、喉の奥またはさらに呼吸器官内ではなく、主として口内に(および舌、口蓋などの上に)堆積されるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、食品送達装置は、エアロゾル化された食品製品をほぼ垂直な軸線に沿って放出するためのエアロゾル送達装置(エアロゾル生成装置でもあり得る)と、前記エアロゾル送達装置に取り付けられた容器とを備える。前記容器は、一次チャンバーであって、前記送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線が該一次チャンバー内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続(hydraulically connected)された一次チャンバーと、一次チャンバーに隣接して、一次チャンバーに対して開放しており、かつ/または一次チャンバーと連通している二次チャンバーと、を画定する。二次チャンバーは、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバーから二次チャンバーへ分散する傾向を有するように、一次チャンバーから水平に外側に延びており、二次チャンバーは一次チャンバーから離間された出口を有する。
【0009】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を単独でまたは組み合わせて備え得る。
一部の実施形態において、エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する。一部の実施形態において、エアロゾル送達装置は圧電素子を備える。一部の例では、流体貯蔵器内の流体の自由表面は、前記容器の一次チャンバーに露出される。
【0010】
一部の実施形態において、二次チャンバーの下面に着地する液体は流体貯蔵器に向かって流れる傾向を有するように、二次チャンバーの下面は角度をなしている。
一次チャンバーの表面は、ほぼ垂直な軸線に沿って移動する粒子の移動を制限するように、ほぼ垂直な軸線を横切って延びる表面を含むことができる。
【0011】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る。
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定することができ、該開口は、食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている(vertically offset)。一部の例では、前記容器は、上方から、二次チャンバーに対して開放しており、かつ/または二次チャンバーと連通している開口を画定する。一部の例では、前記容器は、前記容器の側面表面に配置された閉鎖可能な出口を備える。
【0012】
一部の実施形態において、閉鎖可能な側面出口は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備え得る。一部の例では、前記装置は、前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように配置された弾性部材を備える。一部の例では、キャップの重量が、前記開口を被覆するようにキャップを付勢する。
【0013】
一態様において、食品送達装置は、エアロゾル化された食品製品を放出するためのエアロゾル送達装置を備える。前記エアロゾル送達装置は、マウスピース入口とマウスピース出口との間に延びる第1流体流路を画定するマウスピースと、マウスピース出口の平面から離間された偏向部材であって、該偏向部材はマウスピース出口の軸線に沿ったエアロゾル化された食品製品の流れに対向するように配置されている、偏向部材と、エアロゾル化可能な食品製品を収容するカプセルであって、該カプセルはカプセル入口とカプセル出口との間に延びる第2流体流路を画定し、該カプセルは、マウスピースの第1位置においては前記マウスピースがカプセル出口を実質的に封止し、マウスピースの第2位置においては前記カプセル出口がマウスピース入口に流体接続されるように、前記マウスピースに取り付けられている、カプセルと、少なくとも1本の吸気路を画定するエンドキャップであって、前記吸気路は該エンドキャップを介して延びており、該エンドキャップは、エンドキャップの第1位置においては前記エンドキャップがカプセル入口を実質的に封止し、エンドキャップの第2位置においてはカプセル入口がエンドキャップの吸気路に流体接続されるように、前記カプセルに取り付けられている、エンドキャップと、を備える。
【0014】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を単独でまたは組み合わせて備え得る。
一部の実施形態において、前記カプセルはエアロゾル生成装置を備える。一部の例では、前記エアロゾル生成装置は格子を備える。
【0015】
一部の実施形態において、前記カプセルは交換可能に構成されている。
一部の実施形態において、該装置は複数回使用できる形態(multi−dose)に構成されている。
【0016】
一部の実施形態において、該装置はエンドキャップおよびマウスピースのカプセルに対する恒久的な取り付けを提供するように構成されている。
一部の実施形態において、該装置は手持ち式である。
一態様において、本開示は、呼吸器官への進入は制限されつつ、主として口内に堆積するのに十分な大きさであり、かつ空気中での浮揚を可能にするためには十分に小さな大きさのエアロゾル化された食物粒子の送達に関する。別の態様において、本開示は、食品製品と、前記食品製品のエアロゾル化を引き起こすエアロゾル生成装置と、そのエアロゾル化された食品製品を吸入または堆積および続く摂取に適した方法で送達する送達装置とを組み込んだ装置に関する。別の態様において、本開示は、エアロゾルによって食品製品を送達するための装置またはデバイスにおける空気流指向要素に関する。これらの要素は、エアロゾル雲を口内に送達する際にエアロゾル雲に関連する重力、慣性、および他の力を制御することによって、エアロゾル雲を口内の表面へと有意に逸らせて、前記雲が喉、さらには呼吸器官内へと進み続け得る程度を減少させる。
【0017】
本発明者らの装置は、ヒトおよび動物の口に食物を送達するための新規な手段となる。実際に、該装置は、実質的に呼吸器官内へ露出または進入することなく、口内に堆積されるのに十分な大きさであり、かつ空気中での浮揚を可能にするのに十分に小さな大きさであるエアロゾル化された食物粒子を生成するように設計されている。
【0018】
一部の実施形態において、本発明者らの装置は、従来の機械的な送達手段、すなわち器具の使用や、従来の機械的な食品消化手段、すなわち咀嚼または吸い込みによるのとは異なる方法で、吸入、身体運動、および/またはエアロゾルの運動またはそれらの組み合わせによって、ヒトまたは動物の口に進入する食物粒子のエアロゾル雲を生成する。例えば、単純な吸入は、対象者の口を含む消化器官内に食物粒子を堆積させるように機能し得る。
【0019】
これに代わって、またはこれと組み合わせて、対象者は、対象者の口が食物粒子に曝露されることにより、口内への食品の堆積をもたらすように、歩行したり、体を傾けたりするなどの単純な身体運動によって装置から放出される食物粒子に自身を物理的に曝露させてもよい。これに代わって、またはこれと組み合わせて、対象者は、対象者の口が食物粒子に曝露されることにより、口内における食品の堆積をもたらすように、エアロゾルを保持する空気の流れ、または使用者がエアロゾルを保持している小さな容器からの放出などの、単純なエアロゾル運動によって装置から放出される食物粒子に自身を物理的に曝露させてもよい。
【0020】
本発明者らの装置は、概して、食品製品およびエアロゾル生成装置を備える。一部の実施形態において、該装置は、食品製品、エアロゾル生成装置、および吸気路を備える。一部の実施形態において、該装置はマウスピースを備える。一部の実施形態において、該装置はマウスピースのみから成る。該装置はマウスピースにおける吸入によって作動されることにより、食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、およびそれに続く食品製品のエアロゾル化を生じ得る。前記吸入は、エアロゾル化された食品製品を対象者の口内に送達するようにさらに機能する。
【0021】
一部の実施形態において、該装置は、食品製品と、エアロゾル生成装置と、力発生装置、例えば空気ポンプとを備える。該装置は力発生装置によって作動されることにより、食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、それに続く食品製品のエアロゾル化、およびそれらの食品製品の装置からの放出を生じ得る。
【0022】
一部の実施形態において、該装置は、食品製品と、エアロゾル生成装置、例えば超音波供給源とを備える。該装置はエアロゾル生成装置よって作動される。前記エアロゾル生成装置は食品製品を霧化および/またはエアロゾル化し、食品製品を該装置から放出し得る。
【0023】
一部の実施形態において、該装置は送達装置を組み込み得る。
食品送達装置は、液体の超音波処理によって可食物質のエアロゾル雲を生成することができる。これらの雲は、粒径が十分に大きく、かつその雲が吸入される場合には、呼吸器官を避けて、摂取するために吸入され得る。
【0024】
摂取可能なエアロゾル雲は、これらの問題を回避し、吸入摂食体験に多くの利点を提供する超音波処理および/または他の手段によって生成することができる。一部の実施形態において、食品送達装置は、大きな粒子は供給源の上で上昇および下降するが、より小さな粒子は、特に雲の側方運動が液体の表面の非常に近くで生じ得る場合には、落下する大きな液滴から離脱して、拡散および対流によって側方方向に移動するように、エアロゾル雲をエアロゾル雲の供給源に関して側方方向に変位させる。
【0025】
大きな液滴および中位の液滴は、重力によって、対流により側方方向に落下し、従って、雲を収容できるように側方チャンバーが備えられている場合には、安定した定在雲(standing cloud)となる微細なエアロゾル粒子の雲が形成され得る。この雲は、雲の容器の大きさ、および液体の表面張力を含む液体の特性の操作によって、所望の経口送達の範囲にある粒子を有するように設計され得る。とりわけ、優れた定在雲エアロゾルを生成する〜73ダイン/cmより低い表面張力は界面活性剤の使用によって達成することができる。さらに、それによって前記雲をグラスまたは他の容器に注ぐことができる開口または注ぎ口を備えることができ、これは吸入によって物質を食する便利かつ有用な方法である。
【0026】
下記に記載する本開示の効果、ならびに本開示のさらなる効果は、添付の図面と併用される説明を参照することよって一層よく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の実施形態の概略図。
【図1B】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の実施形態の概略図。
【図2A】食品送達装置の斜視図。
【図2B】食品送達装置の斜視図。
【図2C】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の展開斜視図。
【図2D】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の切り取り斜視図。
【図2E】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の切り取り斜視図。
【図2F】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の断面図。
【図2G】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の一部の断面図。
【図3】食品送達装置の特定の実施形態の概略図およびその使用および操作のための流れ図。
【図4】マウスピース112の例示的な実施形態の多面図。
【図5】エンドキャップ114の例示的な実施形態の多面図。
【図6】カプセル116の例示的な実施形態の多面図。
【図7A】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の概略図。
【図7B】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の概略図。
【図8】手動エアロゾル生成装置を用いて、脱水したミント粒子のエアロゾル化および放出の写真。
【図9A】食品送達装置の斜視図。
【図9B】食品送達装置の上面図。
【図9C】食品送達装置の側面図。
【図9D】食品送達装置の底面図。
【図10A】エアロゾル生成装置の斜視図。
【図10B】エアロゾル生成装置の上面図。
【図10C】エアロゾル生成装置の側面図。
【図10D】エアロゾル生成装置の端面図。
【図11】使用の異なる段階における食品送達装置の写真。
【図12A】食品送達装置の斜視図。
【図12B】食品送達装置の上面図。
【図12C】食品送達装置の前面図。
【図12D】食品送達装置の後面図。
【図12E】食品送達装置の左側面図。
【図12F】食品送達装置の右側面図。
【図12G】食品送達装置の底面図。
【図13】使用の異なる段階における食品送達装置の写真。
【図14】使用中における食品送達装置の写真。
【図15】乾燥させ、破砕して、篩にかけたミント葉のHELOS−RODOS粒径分析からのグラフ。
【図16】食品送達装置の写真。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによって前記マウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方とかみ合うことができるキャップとを備える。一部の実施形態において、ここではカプセルの一部である格子はエアロゾル生成装置として機能する。
【図17】食品送達装置の写真。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによってマウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方と嵌り合うことができるキャップとを備える。一部の実施形態において、ここではカプセルの一部である格子はエアロゾル生成装置として機能する。
【図18】食品送達装置の特定の実施形態の仕様を示す図。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによってマウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方と嵌り合うことができるキャップとを備える。
【図19A】食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図19B】食品送達装置の実施形態の断面図。
【図19C】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19D】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19E】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19F】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図
【図19G】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19H】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図
【図19I】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19J】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19K】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19L】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20A】それぞれ閉鎖位置および開放位置にある食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図20B】それぞれ閉鎖位置および開放位置にある食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図20C】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20D】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20E】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20F】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20G】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20H】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20I】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の異なる部分の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明者らの手法は、少なくとも部分的には、新たな形態の食品およびそれらの食品を送達するための方法および装置の実現に基づく。より具体的には、送達技術および手法は、エアロゾル化された食品製品、およびそのような製品を生成して対象者に送達するように設計された食品送達方法および装置に関する。そのような装置はエアロゾルによって食品物質を口内に送達することができる。ここで、エアロゾル雲は、自然な吸気動作によって生成され、口へと送達される。前記装置のマウスピースは、浮遊した食物粒子が喉の奥から逸らされて、呼吸器系への進入を制限するように設計されている。
【0029】
図1Aおよび図1Bを参照すると、食品送達装置50は、エアロゾル生成装置を備える。エアロゾル生成装置では、吸入により、食品製品52のエアロゾル化、およびそれに続くエアロゾル化された食品製品の対象者の口への送達が誘発される。食品送達装置50は、食品製品52(例えば粉末食品)を収容した隔室54を備える。隔室54は吸気路56を有し、マウスピース58に接続されている。吸気路56、隔室54、およびマウスピース58は、吸入によって発生した空気流が食品製品52をエアロゾル化し、そのエアロゾル化された食品製品を隔室54から、マウスピース58を介して、消費者の口へと移送するように、空気の通過を可能にする。
【0030】
図2A〜図2Fを参照すると、食品送達装置100は、マウスピース112および取り外し可能なエンドキャップ114を有するハウジング110を備える。食品送達装置100は、使用者が、該装置100を用いてエアロゾル化された食品製品を生成および送達する際に片手で装置を容易に保持することができるような大きさに形成されている。空気流指向または偏向部材118は、ブリッジ120によってマウスピース112の一端に配置されている。ブリッジ120は、空気流指向部材118を、マウスピース112の出口122の平面から離間した位置に配置する。エンドキャップ114は、マウスピース112の端部であって、空気流指向部材118とは相対向する側にある端部、に取り付けられている。
【0031】
図2Dに見られるように、マウスピース112は、入口124からマウスピース112の出口122に延びる流体流路を画定する。エンドキャップ114はエンドキャップ114の一方の面からエンドキャップ114の対向面に延びる空気通路126を有する。エンドキャップ114がマウスピース112の入口端部においてマウスピース112に取り付けられるとき、マウスピース112およびエンドキャップ114は共にハウジング110を通る流路を画定する。したがって使用者がマウスピース112の出口122を自身の口に据えて吸入する場合、空気は、エンドキャップ114を通ってマウスピース112の入口124へ、そしてマウスピース112を通ってマウスピース112の出口122へと流れる。空気流指向部材118との接触により、マウスピース112から流れ出る空気は偏向させられる。
【0032】
一部の実施形態において、空気流指向要素および/または偏向部材は、マウスピースを退出し、口に進入する空気流を喉および肺に向かう直線軌道から逸らすために、様々な形態(必ずしも円板の形態ではない)のいずれをとってもよい。例えば、マウスピースの上部付近に1つ以上の開口が存在してもよく、それらの開口は、異なる高さにおいて、異なる大きさで、異なる領域で、等で、互いに対して偏倚していてもよく、口の奥への直接の直線経路の全体的な阻害を維持し、かつ空気流およびエアロゾルをより側方方向に進むように全体的に逸らせる。
【0033】
一部の実施形態において、空気流指向要素は、マウスピースの軸線にほぼ直交し、かつマウスピースにおける全体的な空気流の方向に対向する平坦面を有する薄い円板である。一部の例では、円板は1つ以上の「ブリッジ」によってマウスピースに取り付けられてもよい。前記ブリッジは、たとえば、マウスピースの端部よりわずかに上方、下方、または同じ高さに円板を保持し、空気およびエアロゾル化された食品製品が円板のまわりを通過することを可能にする。様々な実施形態において、前記円板は、マウスピースの開口よりも小さい径、前記開口と等しい径、または前記開口より大きな径を有し得る。加えて、前記円板は、任意の所望形状であってよく、例えば楕円形または円形であってもよい。空気流指向要素は、エアロゾルを口の側面(例えば口内の上下左右の面)へと方向転換させる(redirect)ことにより、咳嗽反射を誘発し得る喉へのエアロゾルの流れを制限する。代わりに、エアロゾル化された食品製品は、呼吸器官内へとより深く運ばれるのではなく、それらの食品製品を感知および認識することができる舌または口の他の部分の上に堆積する。一部の実施形態において、空気流指向要素は、異なる形状、大きさおよび/または設計のものであるが、咳嗽反射を制限し、かつ/または味覚体験を高めるように、エアロゾル化された食品製品を方向転換させるように同様に機能する。様々な円板の大きさおよび位置を試験することにより、これらの2つのパラメーターが咳の可能性に影響を与え得ることが示された。例えば、予備試験では、その直径がマウスピースの外径のそれにほぼ等しく、かつマウスピースに近接して配置された円板は、その直径がマウスピースの内径のそれにほぼ等しく(したがってより小さく)、かつマウスピースからより大きな距離に配置された(エアロゾルが通過するためにより大きな空間を残した)円板よりも、エアロゾルの方向転換および咳の制限において、一般により有効であることが判明した。
【0034】
この実施形態において、エンドキャップ114は弾性材料から形成されている。エンドキャップ114の第1端部128は、マウスピース112の対応する端部の内面とのスナップ嵌合係合を提供するような大きさに形成され、かつそのように構成された外面を有する。一部の実施形態では、マウスピース112にエンドキャップ114を取り付けるために、スナップ嵌合係合の代わりに、またはそれに加えて、他の形態の係合が用いられる。例えば、一部の実施形態において、エンドキャップ114およびマウスピース112はねじ山を有して、互いに螺合される。
【0035】
エンドキャップ114はマウスピース112と共に(つまりハウジング)、例えば粉末食品製品(図示せず)を収容するカプセル116のようなカプセル116を受容する大きさに形成された内部空洞を画定する。カプセル116は、カプセル116の内容物(例えば粉末食品製品)とマウスピースとの間に流体が流れるような連通を提供するように、またはさもなければ、それらの間が流体連通した状態となるように構成されている。この実施形態において、カプセル116は、開放端部130と、反対側のエアロゾル生成端部132とを有する。カプセル116の開放端部130はエンドキャップ114の第1端部128内に嵌合し、エンドキャップ114の第1端部128の内面とのスナップ嵌合係合を提供するような大きさに形成され、かつそのように構成されている。一部の実施形態において、前記カプセルは、ハウジングに嵌め込められてもよいし、または螺入されてもよい。一部の実施形態において、カプセルは、(特定の時間にのみ特定の実施形態において)キャップによって、例えば嵌め込みまたは螺合により、被覆され得る開放端部を備える。一部の実施形態において、カプセルの入口端部は、開放されているのではなく、通気路を画定する。
【0036】
図2Fを参照すると、一部の実施形態において、カプセル116は、キャップ114の内側に対する全周スナップ機構によってキャップ114に嵌り込み、キャップ114は断続したスナップ機構によってマウスピース112に嵌り込む。前記装置は、典型的には、マウスピース112からキャップ114および/またはカプセル116を分離するよりも、カプセル116からキャップ114を分離するほうがより困難であるように設計され得る。よって、使用者は、カプセル116をキャップ114から偶発的に取り外してしまう危険性は最小限で、マウスピース112からカプセル116および/またはキャップ114を取り外すことにより、カプセル116および/またはキャップ114を容易に交替することができる。
【0037】
一部の実施形態は、装置の使用および機能性を容易にするスナップ機構を組み込むことにより、さらに向上され得る。例えば、装置は、空気通路の開閉を可能にする上述の機構のような機構の使用を容易にするためにスナップ機構を組み込んでもよい。例えば、マウスピースおよびカプセルが1つの(またはそれ以上の)スナップ機構によって接続することができ、かつカプセルおよびキャップが2つの(またはそれ以上の)スナップ機構によって接続することができるように、マウスピースおよびカプセルを設計することができる。例えば、マウスピースは1つの比較的弱いスナップ界面によってカプセルに接続され、カプセルは2つの比較的強いスナップ界面によってキャップに接続されてもよい。一部の実施形態において、これらのスナップ機構は、(1)カプセル(または、より一般的には食品収容装置の一端)をマウスピース(または、より一般的には送達装置)に保持することができ(「スナップA」)、(2)カプセルおよびキャップを(または、より一般的には食品収容の装置の構成要素を一緒に)、粉末の損失(とりわけ出荷、取り扱いの間などに関連する)を最小限にし、また使用の前に食品製品の保存のために保護された気密環境または気密に近い環境を提供するように機能し得る初期の「閉鎖」構成に保持することができ(「スナップB」)、(3)使用者の介入後、カプセルおよびキャップ(または、一般に、食品含有の装置の構成要素)を再接続して、空気が装置を通って流れることができ、続く食品製品のエアロゾル化を可能にする新たな「開放」構成を維持することができる(「スナップC」)。
【0038】
これらのスナップの各々を作動させるのに必要とされる力は、装置の機能性および使い易さに関与する。それらは以下のような使用を可能にするように構成され得る:(1)使用者はマウスピースにカプセル/キャップ構成要素を取り付ける。スナップAが作動される。ここで、カプセルはマウスピースおよびキャップの中に隠される。(2)使用者は、今度はキャップを引いて、スナップBを外す。強いスナップAにより、カプセルはマウスピースに接続されたままとなり、キャップはマウスピースから滑り去る。前述したように、カプセルとキャップとの間のこの相対運動は空気通路が開放することを可能にする。(3)使用者は、スナップCを作動させるまでキャップを引き戻し続け、空気通路を開放したままにするようにカプセルおよびキャップを適所にロックする。使用者は、ここで、吸入を行い、食品製品をエアロゾル化させて、口内に送達させることができる。食品製品が消費されると、このスナップ(C)の高い強度により、代わりにキャップからカプセルを分離する危険性を最小限にしつつ、使用者がマウスピースからカプセル/キャップを引き抜き、それを新しいカプセル/キャップと交替することが可能となる(カプセルは、同時に、スナップAによってマウスピースに接続され、かつスナップCによってキャップに接続される;スナップCはスナップAより強力となるように設計されているので、使用者によって付与されるマウスピースおよびキャップを反対方向に引っ張る力は、一般に、マウスピースからカプセルおよびキャップを一体として取り外し、よってスナップAが外れる)。一部の実施形態において、スナップCはまた、マウスピースが除去された後においても、使用者がカプセルとキャップとを完全に分離する可能性を最小限にするという点において重要である。場合によっては、使用者が自身の製品を追加しようとしたり、または他の場合には食品製品または食品収容隔室に手を加えようとしたりすることを防止することが望ましいことがある。
【0039】
多くの場合において、装置全体の機能に影響を与えることなく、多くの場合において、いくつかの実施形態の変形例を設計してもよい。例えば、装置の円柱状の性質は、例えば審美的な効果のために変更されてもよく、装置の全長にわたってそうしてもよい。これに代わって、またはこれに加えて、エアロゾル生成装置、例えば格子のような空気流攪乱要素が、円筒状のマウスピースに組み込まれてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル生成装置は2つ以上の構成要素を備えてもよい。例えば、キャップの格子および/または空気流通路は、エアロゾル化をもたらす乱流の発生において個々の役割を果たしてもよいし、または双方とも必要であってもよい。一般に、正しいエアロゾル化空気流を生成するためには、格子、空気流通路、寸法などについて多くの構成が存在し得る。
【0040】
一部の実施形態において、装置の大きさは、適当な空気流の動特性を保ちつつ、標準的な医療用カプセルを隔室として直接用い得るように、または、前述したカプセルおよび/またはキャップをある程度まで交換し得るように、または別の方法では、粉末の充填、貯蔵および放出のプロセスを簡素化し得るように、選択され得る。
【0041】
一部の実施形態において、カプセルおよび/またはキャップは、凹状の内部空間を有しており、それらのいずれかまたは双方に粉末が充填された後、それらの2つのユニットは嵌り合うか、または螺合して、ほぼ閉鎖された内部チャンバーを形成する。カプセルまたは装置の別の構成要素は、それを介して空気および粉末が流れることにより使用者に送達するためのエアロゾルを生じるエアロゾル生成装置、例えば空気流攪乱「格子」をさらに備えるべきである。キャップおよび/またはカプセルは、吸入により空気が通過できるように、例えば閉鎖された隔室のそれぞれの端部に空気通路を備えるべきである。空気通路の、例えば大きさまたは形状などの設計は、粉末の損失を最小限にしつつ、十分な空気流を提供するべきである。
【0042】
一部の実施形態において、キャップ114および/またはカプセル116は粉末の損失を最小限にするように設計されている。例えば、図1Eに見られるように、装置が直立して保持される場合においても粉末が重力によって落下するのを制限するように、空気通路は、底部まで直線的ではなく、側面に対して角度をなしている。粉末がカプセル/キャップの内部にあり、振動または他の運動が最小限である場合、粉末は通路の底面に蓄積し得るが、側面通路を通って落下することは最小限となる。
【0043】
一部の実施形態において、空気流と最小限の粉末の損失と間で釣り合いをとる必要は、空気通路が二者択一的に開放または閉鎖されることを可能にする機構によって達成され得る。例えば、一部の実施形態において、カプセルおよびキャップ構成要素は嵌合し得るが、下記の2つの構成を可能にするために、依然として互いに対して摺動可能であり得る。閉鎖構成では、それらの2つの構成要素は互いにより接近して、カプセルの基部の要素がキャップの空気通路を閉鎖する。開放形態では、カプセルおよびキャップはわずかに離されて、空気がキャップ内の空気通路を通って流れるのを可能にする。
【0044】
一部の実施形態中では、マウスピース、カプセル、および/またはキャップは、単回使用(おそらく使い捨て)用に設計されているか、これに代わって、複数回使用用に設計されている。例えば、一部の実施形態において、カプセルおよびキャップは使い捨てであり、任意で、様々な食品粉末と共に利用可能であってもよく、一方、マウスピースは再使用可能であってもよい。特定の実施形態において、事前に充填された標準サイズのカプセル、例えばゲルカプセルまたはブリスターパックを用いることができる。そのような実施形態は、より容易な充填、交換、洗浄および廃棄を可能にする。さらに、そのような実施形態は、複数回投与カプセル(multiple dose capsules)の製造を可能にする。そのような事前充填カプセルは、使用前にハウジング内の設計要素(例えば鋭利な先端、刃、装置を圧縮すること、または装置をねじることなど)によって、破断、切断、または破壊され得る。このようにして、食品製品はチャンバー内に放出され、吸入または作動の間に発生した空気流に影響され易くなってもよいし、または、別の例として、食品製品は、ほぼ元の容器内に留まっているが、ここでは、吸入および/または作動の間に発生した空気流と流体連通しており、よってその空気流に影響され易くなってもよい、等である。作動および使用の後、空になったカプセルは隔室から取り外されて、好都合に廃棄され得る。これに代わって、カプセルは複数回使用するために設計することができる。例えば、カプセルは補充可能であってもよい。
【0045】
一部の実施形態において、少なくとも2個、例えば3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のカプセルを組み込めるようにハウジングを設計することにより、例えば、使用者が所望により様々な風味を様々な量でうまく組み合わせることを可能にする。一部の実施形態では、複数のカプセルのセットの充填が一度に作動されるのを可能にするようにハウジングを設計することにより、使用済みのカプセルを取り外して交換する頻度を低減することができる。
【0046】
一部の実施形態において、装置は、少なくとも2人、例えば3人、4人、5人、6人、7人、8人、9人、または10人の使用者によって使用するために設計されている。例えば、多数の使用者による同時の使用を可能にするために、各々が空気流指向要素を有して設計された多数の分岐を備えた装置を設計することができる。
【0047】
特定の態様において、前記装置は、ハウジング、カプセルおよびキャップを備える。代替態様において、前記装置はハウジングおよびキャップを備え、前記ハウジングとキャップの双方は、カプセル、例えば使い捨てまたは補充可能なカプセルと共に使用するために設計されている。他の態様において、前記装置は使い捨てまたは補充可能なカプセルを含む。他の態様において、前記装置は、様々なエアロゾル化された食品製品、エアロゾルされた化食品製品の供給源、および/またはエアロゾル化された食品製品の容器と共に用いられるマウスピースを含む。
【0048】
マウスピース、カプセル、キャップ、格子、マウスピースの円板などの機能(つまり食品製品の収容、エアロゾルの生成、エアロゾルの送達、空気流(およびエアロゾル)の方向など)は、一部の実施形態では、同一の全体的な機能を維持しながらも、1つ以上の潜在的に異なる物理装置と関連付けられ得ることに留意すべきである。例えば、一部の実施形態では、単一の装置ユニットがすべての機能面を組み込んでいてもよい。一部の実施形態では、マウスピースがエアロゾル生成装置、エアロゾル送達装置、および空気流(およびエアロゾル)指向装置を収容してもよく、食品製品容器は独立していてもよい。一部の実施形態において、以前に記載したように、食品製品はカプセルおよびキャップ内に収容されていてもよく、エアロゾル生成装置はカプセルの一部であってもよく、空気流指向要素を備えたマウスピースはエアロゾルをカプセル/キャップから使用者に送達するために用いられてもよい。
【0049】
図3を参照すると、使用者は、装置100を充填し(工程200)、装置100を使用者の口にもっていき(工程210)、マウスピース112を介して吸入すること(工程212)により、空気通路を介して空気をキャップおよびカプセルに進入させることによって、食品送達装置100を動作させる。空気はカプセル116内に存在する食品粉末を、例えば格子などのエアロゾル生成装置を介してエアロゾル化させ、続いてマウスピース112を介して使用者の口内に進入させる。
【0050】
図4はマウスピース112の例示的な実施形態の多面図を示している。
図5はエンドキャップ114の例示的な実施形態の多面図を示している。
図6はカプセル116の例示的な実施形態の多面図を示している。
上述した実施形態のうちのいくつかにおいて、エアロゾルは、特定の時点において、または特定の作動工程に対応する短い時間間隔にわたって、生成され、かつ/またはエアロゾルは使用者依存の工程によって生成される。例えば、いくつかの場合において、エアロゾルの生成は1回以上の使用者による吸入動作と関連付けられる。これらの実施形態の多くにおいて、食品製品は固体状態にあり、実質的に乾燥した粉末であってもよい。しかしながら、本発明者らの手法は、エアロゾルがより連続的な供給源および/または例えば1つ以上の圧電超音波振動ディスク、空気ポンプまたは圧縮空気源などの使用者の外部に位置する供給源によって生成される他の一連の実施形態にも関する。これらの供給源のうちのいくつかは実質的に固体の食品製品からのエアロゾルの生成により適当であり得るが、他のものは実質的に液体の食品製品からのエアロゾルの生成により適当であり得る。
【0051】
一部の実施形態において、食品製品は実質的に液体状態にあり、前記製品と接触している超音波供給源によるエアロゾルの生成は、後のエアロゾル雲の形成に加えて、液体の噴霧化を伴う。例えば、一部の実施形態において、圧電振動ディスクが液体食品製品内に配置され、前記ディスクの超音波震動が液体表面においてエアロゾルを発生させる。
【0052】
前述した実施形態の多くにおいては、エアロゾルはハウジング、マウスピース、カプセルおよび/またはキャップ内で生成され、ハウジングおよび/またはマウスピースを介して使用者に直接送達される。実質的に閉じ込められていないエアロゾル(例えば超音波供給源のような外部供給源によって生成されたエアロゾル雲のようなエアロゾル雲)が用いられる実施形態では、対象者において有意な味覚を引き出すためには、高度に濃縮されたエアロゾルを生成することが必要な場合がある。しかしながら、高度に濃縮されたエアロゾルでは粒子間の衝突の割合が大きく、時間が経つと、慣性衝突および拡散などにために、エアロゾルは、それが周囲空気中に拡散するにつれて次第に希薄になったり、または粒子が合体したりすることがある(例えばそれが液体エアロゾルである場合)。例えば、実質的に閉じ込められていないエアロゾル化された食品製品の摂取に関連する味、美感、および他の要因の均衡をとるために、他の濃度範囲が選択されてもよい。従って、一部の実施形態において、エアロゾル雲は、ポットまたは他の(透明、不透明、または半透明の)媒体または容器内に閉じ込められてもよい。特定の実施形態において、エアロゾルを閉じ込めるために閉鎖気泡(closed bubble)を用いて、「浮遊」エアロゾルの美観を保ち(エアロゾルが容器または気泡内に浮遊しているか、かつ/または容器または気泡自体が浮遊しているか)、同時により高いエアロゾル濃度を維持し、オープンエアーで「食べる」ことまたはオープンエアーの吸入によるよりも効率的なエアロゾルの口への送達を可能にする。エアロゾル気泡または容器自身が、場合によっては可食であり得る。いくつかの場合において、気泡または容器が開放し、エアロゾルへのアクセスを提供してもよい。
【0053】
外部供給源、例えば超音波供給源は、閉じ込め媒体または閉じ込め容器内に配置されてもよい。例えばポットなどの外部環境から完全には閉鎖されていない媒体または容器において、それらの媒体または容器の高さは、対流、拡散、慣性衝突および他の力から保護する必要性と、例えば開放された上部を介した、小さな開口を介した、特定の時間に閉鎖され得る開口を介したなどのエアロゾルへのアクセスの必要性との均衡を保つように選択される。
【0054】
図7Aおよび図7Bを参照すると、食品送達装置300は、食品製品312を収容した容器310を備える。力発生器314(例えば空気ポンプまたは圧縮空気供給源)は、容器310に取り付けられている。作動されると、力発生器は、エアロゾル化構成要素316を介して食品製品312を通過させ、続いて外部環境へ放出することによって、食品製品312のエアロゾル化を誘発する。その後、結果として生じたエアロゾル雲318は、例えば、前記雲または対象者の位置の変更によって、または吸入によって、摂取され得る。
【0055】
図8を参照すると、力発生器として手押ポンプを備えた試作品を構成した。前記試作品は、手で作動されるエアロゾル生成装置を用いて、脱水したミント粒子をエアロゾル化して放出した。
【0056】
図9A〜図9Dを参照すると、食品送達装置350は、容器を支持面(例えば床部またはテーブル)上に安定して支持するように構成された基部354を備えた容器352を備える。エアロゾル生成装置356は容器352の内部空洞358内に配置される。エアロゾル生成装置356(図10A〜図10Dにより詳細に図示)は、エアロゾル生成器362を受容する開放した上部を有する透明プラスチックケース360を備える。エアロゾル生成器は、例えば超音波発生器または圧電発電機であり得る。
【0057】
図11を参照すると、食品製品は、食品送達装置350のエアロゾル生成装置356のケース360内に配置することができる。前記生成器が作動されると、食品製品はエアロゾル化され、場合により、エアロゾル生成装置356のケース360の開放された上部を通って容器352の内部空洞358へと通過する。一部の例では、エアロゾル混合物は、エアロゾル混合物が実質的に容器352内に留まるほど十分に濃厚である。前記容器352は同容器を通って内部空洞358に延びる上部開口を有し、前記上部開口は、基部354が支持面上に載置された状態で食品送達装置350が配置されるとき、基部から垂直方向においてずれている。一部の例では、前記容器の上部開口はカバーによって閉鎖され得る。
【0058】
食品送達装置は他の外形を有して形成され得る。図12A〜図12Gを参照すると、同様の食品送達装置400の十二面体形容器410がエアロゾル生成装置412を受容している。図13を参照すると、使用時、食品送達装置400は、開放面を真っすぐ上方に向けて配置することができる。図14を参照すると、使用時、食品送達装置400は、開放面を支持面に対して角度をなすように上方に向けて配置することができる。
【0059】
送達機構はエアロゾルまたはエアロゾルの一部を使用者に運ぶために用いられ得る。一部の実施形態において、前記送達装置は、前述したようなマウスピースから成る。エアロゾルは送達装置とは独立して生成されてもよいので、送達装置は、前述したように吸入によって口内の表面にエアロゾルを指向させる空気流指向要素を備えたマウスピースのみから成ってもよい。一部の実施形態において、例えば、任意のエアロゾル閉じ込め構造または装置と干渉することなく、エアロゾルにより容易にアクセスするために、送達装置を長くすることは好都合である。一部の実施形態において、送達装置は長尺状マウスピースである。一部の実施形態において、送達装置は、例えば中空円筒体などの本質的にマウスピースの長さを延長する役目を果たす独立した装置に接続されたマウスピースである。(いくつかの場合には、この装置は、使用者が、他の使用者と同一の延長装置を用いる一方で、その人自身のマウスピースを用いることを可能にし得る。これは、高価であり得る多数の長いマウスピースの製作を要することなく、複数の人がそのエアロゾルを味わうための衛生的な手法と考えられ得る)。一部の実施形態において、送達装置は「食品ストロー」である。
【0060】
一部の実施形態では、送達装置は直接用いられ得るが、他の実施形態では、エアロゾル発生後、および送達前(またはその間)に、より少量のエアロゾル雲を閉じ込めるために、付加的な中間工程を実施することができる。この構成は、送達装置内におけるエアロゾル雲の濃縮部分により近づくことを助け、可能である検知可能および/または感知可能な味を改善したり、または作り出したりする。またこれは、摂取前に前記雲を個々の「部分」に分離することにより、単一のエアロゾル生成装置の共同使用に対する衛生上の懸念(現実的であっても錯覚であっても)にある程度応え得る。
【0061】
例えば、ポットまたは他の容器内に位置するエアロゾル生成装置(例えば液体食品製品内における超音波装置)によれば、エアロゾル雲を、グラス、シャンパンフルート、スープレードルなどのようなより小さな容器中に集めることができ、その後、そのより小さな容器と共に送達装置(例えばマウスピース)を用いることができる。例えば、前記マウスピースをグラスまたは他の容器内に配置することができ、吸入によって、前記ガラスまたは容器内の雲は使用者の口に送達される。マウスピース内の空気流指向要素は、粒子を口内の表面に指向させ、かつ粒子が呼吸器官内にさらに進み続け得る程度を制限するのを助けるであろう。
【0062】
独立した液体エアロゾル生成装置(例えば、圧電供給源および/または超音波供給源を用いる)の特定の実施形態では、典型的には、前記雲の範囲をかなり超えて達するより大きな液滴が相当数存在する。したがって、食品製品を前記雲から摂取する試みは、典型的には、例えば、これらの液滴を阻止することにより、および/または雲から一定の距離に留まることにより、および/または消費者の液滴への曝露を最小限にする送達装置を用いることにより、これらの液滴が消費者に当たらないようにする機構を使用することを奨励する。
【0063】
超音波供給源上において、問題のあるより大きな液滴より小さく、かつ雲粒より大きいポアサイズを有する格子を用いる試みは、試験において不成功であることが判明した。雲粒は、前記ポアをなんとか通り抜けることはできるが、全体として、格子を容易に通過して大きく濃厚な雲を生成するのに十分な運動エネルギーを有していなかった。
【0064】
有効な1つの解決策は、大きな液滴が外側に飛び出すのを制限するために、雲の上に覆いまたはカバーを提供することである。一部の実施形態において、このカバー概念は、使用直前に取り外されるより大きなカバーを容器全体(例えば図11参照)の上に配置することによって実現することができる。一部の実施形態において、離れた表面または容器の側面が超音波供給源の位置の上に若干延び、それによりいくらかの飛び出す液滴を阻止することができる。一部の実施形態において、前記雲へのアクセスは側面開口または空間(例えば図14参照)を介し得る。一部の実施形態において、超音波供給源は、該供給源が容器の側面、または全体装置の任意の非開放部分に対面するように角度をなして配置され得、よって液滴を、開口の外または開放側面の外ではなく、主として対応する反対側面へと放出する(例えば図13参照)。
【0065】
これらの実施形態に対して、前記容器が様々な大きさおよび向きを有するシステム、および/または該装置の他の部分に取り付けられていてもよいし、あるいは取り付けられていなくてもよいし、または接続されていてもよいし、あるいは接続されていなくてもよい様々な大きさ、形状および向きを有するカバーが存在するシステムを含む、多くの均等物が可能である。全体として、雲が容易に形成されることを可能にするために供給源からある距離に位置する、より大きな液滴が外に飛び出すのを防止する任意の形態の固体表面の存在は、本願に記載された実施形態に関する別例と見なされるべきである。
【0066】
代替案は距離を置いて摂取することを可能にする送達装置の使用である。例えば、空気流指向要素を有するマウスピースを用いることができる。一部の実施形態において、マウスピースは、より長い距離にわたる送達のために、長尺状であり、「ストロー」として機能することができる。一部の実施形態において、長尺状マウスピースは、2つの部分、すなわちマウスピースと延長部品とからなる。例えば、マウスピースは空気流指向要素を有しており、特定の直径および長さの円筒体を組み込んでいてもよい。延長部品は、例えばマウスピースに接続(例えば、嵌合、スナップ留め、螺合など)した同様の直径を有する一定長のものであり得る。この後者のシステムにおいて、マウスピースと延長部品とは独立して交換され得る(例えば、各使用者が1つのマウスピースを有し、各人が同一の延長部品を用いてもよい)。
【0067】
エアロゾル化の作動および食品製品の送達
エアロゾル生成装置は、所望の特性(つまり粒径、滞空時間(airborne time)/浮遊持続時間(suspension duration)、放出量(emitted dose)など)のエアロゾルを生成することができる任意の装置である。エアロゾル生成装置に加えて、付加的な空気流抑制装置、エアロゾルが収容される閉じ込め空間(confined space)、吸入器内の通気路、マウスピース、空気流指向要素、またはエアロゾルの対象者の口への送達を可能にするか、容易にするか、最適化する他の装置または構造のような送達装置が存在してもよい。例えば、図2A〜図6は、多くの実施形態において、食品製品容器として機能し、かつエアロゾル生成装置(主として格子からなる)を組み込んだカプセルおよびキャップを示している。多くの実施形態において、前記カプセルおよびキャップは、互いに接続されて、空気流指向要素を備えたマウスピースに接続される。ここで、前記マウスピースは送達装置として機能する。
【0068】
重力および慣性力を制御することにより、一部の実施形態に見られる空気流指向要素は、エアロゾル雲を、更に下方にある呼吸器官ではなく、実質的に口内の表面に送達することを可能にする。この技術の態様は、食品エアロゾルの多くの可能な用途に非常に適切である。実際、そのような送達装置は、咳および口を越えた呼吸器系の表面との潜在的な相互作用を最小限にするか、または排除するとともに、多くの異なる方法で生成された広範な食品エアロゾルの消費者への送達を可能にする。
【0069】
この技術に関連した装置または構造のうちのいずれかの設計はまた、咳をしたり、吐き気を催したり、さもなければエアロゾルに対して好ましくない反応を示したりする傾向を低減することを考慮に入れたり、またはそのような傾向を低減しようと試みてもよい。
【0070】
これらの装置および関連装置(食品収容装置のような)は膨大な数の異なる方法で具体化することができる。本願に記載する装置は例となるものである。
食品製品のエアロゾル化の誘発およびそれに続く結果として生じたエアロゾル化された食品製品の送達は、呼吸、装置の作動、身体の変位、エアロゾルの変位およびそれらの組み合わせの動作を含むが、これらに限られない様々な手段によってもたらされ得る。例えば、そのような動作としては、以下のものが挙げられる。
【0071】
a)食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、およびエアロゾル化された食品製品の口への送達を生じる、例えばマウスピースにおける吸入による、呼吸の動作;および/または:
【0072】
b)超音波供給源の作動、ポンプの作動、圧縮空気源の作動、インペラの作動、容器の穿刺、通気路の開放を含むが、これらに限られない装置作動の動作であって、少なくともある程度は食品製品をエアロゾル化させるか、または食品製品をエアロゾル化させるのを助ける(それにより形成されたエアロゾルは、実質的に閉じ込められた空間内(例えばスペーサー)または実質的に開放された空間内(例えば空気中または閉じ込め構造内における「雲」として)に存在し得る)、装置作動の動作;および/または:
【0073】
c)エアロゾル(例えば、スペーサー装置に収容されているか、雲として自由に浮揚しているか、またはより大きな構造体内に収容されている)「の上に」または「に向かって」指向された呼吸の動作であって、ストロー、マウスピースまたは他の装置の使用によって容易にされることにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらし得る、呼吸の動作;および/または:
【0074】
d)歩行または体を傾けるなどの身体変位の動作(場合により、特定の方法で口、舌または他の身体部分の特定の配置または位置決めと併用)であって、対象者の口をエアロゾル雲またはエアロゾル雲の一部に曝露することにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらす、身体変位の動作;および/または:
【0075】
e)例えば空気の流れ、熱勾配もしくは圧力勾配、慣性衝突、拡散または重力によって引き起こされるエアロゾル変位の動作であって、エアロゾル雲またはその一部を、対象者の口をエアロゾル雲に曝露するように適所にもっていくことにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらす(エアロゾルの変位が粒子濃度の希釈および雲の拡散を生じる場合であっても)、エアロゾル変位の動作;および/または:
【0076】
f)装置作動、装置使用、空間抑制、空気流の閉じ込めなどの付加的な動作、もしくは口、唇、舌、顎、頭または特定の形態や形状などにある他の身体部位などの配置または位置決めの付加的な動作;または食品製品の適切なエアロゾル化および/または送達および/または賞味をもたらすのを助ける他の付加的な動作(例えば、食品ストローの使用、収容チャンバーの開/閉、空気流を逸らせるために舌を持ち上げること、など)が挙げられる。そのような動作は、咳をしたり、吐き気を催したり、または他の場合には食品製品に対して好ましくない反応を示す傾向を低減するのを助けるために用いられ得る。
【0077】
本願でなされる粉末、液体、エアロゾル、雲、粒子などへのすべての言及は、粉末、液体、エアロゾル、雲などの総量の一定画分または一部を同等に指し得る。
例えば、装置自体は単回使用(例えば、使い捨て)または複数回使用のために設計され得る。その場合、投与カプセルが交換されるか、または投与チャンバが補充される。これに代わって、またはこれに加えて、装置の一部、例えばマウスピース、食品収容装置、カプセル、および/またはキャップは使い捨てであってもよい。一部の実施形態において、前記装置は、食品製品をエアロゾル化するために、ポンプまたは圧縮空気源のような力発生機構を組み込んでいてもよい。一部の実施形態において、前記装置は噴射剤を組み込んでいてもよい。
【0078】
一部の実施形態において、前記装置が、前記製品を、単一の短期工程(例えば吸入誘発(inhalation− triggered)装置上における1回の吸入)でエアロゾル化および/または送達するように意図されているか、多数の別々の工程(例えば吸入誘発装置上における複数の吸入)でエアロゾル化および/または送達するように意図されているか、またはより長期的な連続した工程(例えば、開放空気中においてエアロゾル雲を維持すること)を通じてエアロゾル化および/または送達するように意図されているかに応じて、装置は、「単一動作」、「反復動作」、または「連続動作」によるエアロゾル化および/または送達のために設計され得る。ここで、「工程」とは、それによって装置が前記製品をエアロゾル化および/または送達する同時プロセスおよび/または逐次プロセスの任意の組み合わせを指す。前記装置が同時に1人の対象者による使用を対象としているか、または同時に多数の対象者による使用を対象としているかを含めた、多くの要因が、これらの工程の順序(もしあれば)のどれが任意の特定の実施形態に適当であるかを決定するのを助けるであろう。
【0079】
前記装置は、また視覚的効果および/またはエアロゾルおよび/または投与量に対する制御を強化するために、スペーサー、光、弁などのような付加物を備えてもよい。これらの付加物はまた、エアロゾルを吸入する経験を向上し得る。
【0080】
一部の実施形態において、装置全体の本体または装置の一部を、クッキー、クラッカー、チョコレートまたは糖製品のような可食物質/摂取可能物質から製造することができる。これは、装置がエアロゾル送達中またはその後のいずれかに楽しまれることを可能にし、それにより全体的な経験を向上させるであろう。
【0081】
一部の実施形態において、前記装置は、乾燥粉末吸入器(DPI))または定量吸入器(metered dose inhaler(MDI))のような吸入器または吸入装置;超音波供給源を保持し、その供給源によって生成されるエアロゾル雲をいくらか閉じ込める「ポット」;エアロゾルを噴出および/または循環させる「噴出器(fountain)」;手持ち式ポンプ装置;圧縮空気装置;食品ストロー装置;多人数用共同装置;卓上装置に類似し得る。前記装置またはその一部を形成するために、プラスチック(例えば比較的強いポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレンなど)、様々な金属、ガラス、厚紙、硬質紙などを含む様々な物質が用いられ得る。
【0082】
一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品は、限定された大きさのもの、すなわち呼吸器官への進入を制限するのには十分であるが、空気中の浮遊を可能にするには十分に小さい大きさのものであるべきである。一部の実施形態において、粒径は、事前に霧化されたほぼ固体の食品製品、例えば特定の実施形態のカプセル/キャップの内部に配置された食品製品、または空気ポンプまたは圧縮空気源と関連して用いられる特定の乾燥食品製品の製造要件であり得る。一部の実施形態において、粒径は、エアロゾルの生成によって単に霧化される(一般に液体の)食品製品に対する、例えばエアロゾル雲を生成するために超音波供給源と関連して用いられる食品製品に対する、エアロゾル生成装置の要件であり得る。
【0083】
一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品の所定の平均寸法は、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、325、350、375、400、425、450、475または500ミクロンである。一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品の所定の平均寸法は、500、450、400、350、325、300、275、250、245、240、235、230、225、220、215、210、205、200、195、190、185、180、175、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20または10ミクロン未満の大きさである.上記に列挙した範囲の中間の範囲、例えば約50ミクロン〜約215ミクロンもまた本開示の一部であることが意図される。例えば、上限値および/または下限値のような上述の値のうちのいずれかの組み合わせを用いる値の範囲が含まれることが意図される。
【0084】
とりわけ、しかし排他的にではなく、摂取が吸入によって行われる一部の実施形態では、最小粒径はその手法の重要な特徴である。食品エアロゾル粒子は、例えば重力または慣性衝突の力によって実質的に口内に送達および堆積されるが、実質的にさらに呼吸器官内、例えば気管または肺の中には、容易に送達および堆積されないように設計されている。したがって、そのような食物粒子は肺への進入に焦点を合わせたものよりも大きな(つまり、約10ミクロンより大きな)大きさを有するであろう。例えば、図5〜図17に(一部または全体で)示される装置のような呼吸によって作動される吸入器のような装置は、もしエアロゾル粒子がより大きな大きさでなければ(そして送達装置の空気流指向要素がなければ)、肺に向かう吸入された空気にかなり容易に随伴するであろうエアロゾルを生成する。
【0085】
とりわけ、しかし、排他的にではなく、摂取が対象者の位置の変更またはエアロゾル(例えばエアロゾル雲を有する)の位置の変更による実施形態では、最大粒径はその手法の重要な特徴である。実際には、口内への変位が生じ得るように、エアロゾル雲は少なくとも短い時間にわたって空気中に浮遊したままでなければならない。したがって、粒子は空気から急速に沈降するほど大きくてはいけない。これは、それにより粒子が空気中に保持される力および/または機構(例えば、慣性、拡散などのよう「自然の」力のみによるもの、またはインペラ、空気流、対流などのような付加的な力によるもの)に非常に依存するであろう。従って、一部の実施形態において、粒子は典型的な浮遊力および機構の下では約500ミクロン未満であるべきである。例えば、液体食品製品中の超音波供給源は、対流が最小限である限り、重力、拡散、慣性衝突および他の力を均衡させて、空気中で浮遊し続けることができる定在エアロゾル雲を生成することができる。
【0086】
装置および摂取方法の特定のパラメーターは、エアロゾルの摂取が生じるときに、対象者が「吸入する」のか、または「食べる」のかをある程度決定するであろう。これは一般に、(1)(生理学的に喉頭蓋が空気を肺に向けて気管内に指向している間に)エアロゾルが吸入された空気によって対象者の口および/または喉に進入するか、または、エアロゾルが別の方法(エアロゾルまたは対象者の位置の変更など)によって対象者の口に進入するのか、および(2)(生理学的に喉頭蓋が気管への通過を阻止している間に)対象者の期待が、そのエアロゾルが(最終的に)嚥下されるべき食品の一種であるということなのか、に対応する。いずれにせよ、食品製品は、口内に堆積した後に、他の典型的な食品製品のように、最終的に嚥下され、本質的に摂取されることにさらに留意すべきである。
【0087】
一部の例では、エアロゾルは、肺までずっと流れる吸入空気(例えば、空気と、煙草による煙/煙草からの煙と、を肺に運ぶ、喫煙者が有し得る吸入とのような)によって運ばれてもよい。一部の例では、エアロゾルは、口内で「停止する」、「吸い込まれた」空気によって運ばれてもよい(むしろ典型的なストローおよび飲料、または葉巻と共に用いられる手法に近い)。(一部の例では、双方の手法の要素が適当であり得る。)この潜在的な差異は食品エアロゾル装置にとって重要な意味合いを有し得る。例えば、粒子が肺に直接進み続ける空気によって運ばれる場合には、粒子が呼吸器官内のあまりに遠くに堆積するのを防止することは、粒子、空気流などの物理パラメーターにより依存している。粒子が口内に吸い込まれた空気によって運ばれる場合には、通常は粒子が所望よりもさらに呼吸器系内に広がることを可能にするかもしれないが、肺の前で「停止する」空気流のおかげで、粒子を実質的に口内に落下させる平均寸法または他の特性を有した粒子を運ぶことが可能であり得る。
【0088】
例えば図5、図6および図20に示される装置などの吸入によってエアロゾルが生成される装置のいくつかの実施形態では、適当な大きさの比較的乾燥した固体食品粉末が食品製品として用いられ得る。予備試験は、用いられる乾燥粉末の水溶性が、エアロゾル化された食品製品の摂取から生じる味および潜在的な咳嗽反射に関与することを示した。粉砕したチョコレートバーまたは特定のチョコレートベースの粉末のような、より迅速に水に溶ける傾向を有する粒子の粉末は、粒子が舌および口内の他の表面と接触すると、一般に喜ばしい反応を生じさせる。粉砕したチョコレートバーの場合には、例えば、その効果は、いくつかの場合には、その人の口内でチョコレート溶融物を非常に迅速に感知する効果に類似している。特定の粉砕したココアベースの粉末製品のようなそれほど水溶性でない粒子は、よりざらざらしていると感じられ、口渇感または咳嗽のようなあまり快適でない反応を誘発する可能性が高い傾向にある。しかしながら、場合によっては、双方の種類の粉末を様々な割合で組み合わせることにより、興味深い風味の複雑さが与えられる。
【0089】
図9A〜図14に示した装置におけるように、液体エアロゾルが生成されるいくつかの実施形態において、エアロゾル発生および送達装置は、有意の味覚を誘発するために十分なエアロゾルの量および/または濃度を有する必要によって束縛されている。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲の密度、および1回の吸入または他の単一の送達工程において消費されるエアロゾルの量は、使用者の味覚感度、その食品製品、および他の多くの条件に応じて、最小閾値より高くなければならない。
【0090】
例えば液体食品製品中の超音波供給源によって液体エアロゾルが生成される一部の実施形態では、液体中に懸濁されている粒子は(例えば液体がコロイド状である場合)、前記供給源がエアロゾルを効率的に生成するためには、生成されるエアロゾル粒子の大きさよりも一般に小さくなければならない。さらに液体エアロゾルを有する一部の実施形態中において、例えば液体食品製品中に超音波供給源を有する一部の実施形態において、界面活性剤は、所望の味を生成する際に重要な役割を果たすことはできない(予備試験によれば、これはワインの場合)。これは、エアロゾル化によって界面活性剤が食品製品の残部から分離され、液体中における界面活性剤の割合を大きくし、よって、食品製品の真の風味を歪める、雲中の他の食品成分(例えばワインの場合、より多くの酸性物質)の割合を大きくするためである。
【0091】
エアロゾル粉末を含む食品製品
エアロゾル化することができ(外力に支持されないかぎり、500ミクロンよりはるかに大きな粒子は空気から急速に落下する)、かつさらに吸気の際に肺に進入する粒子がほとんど存在しないか、または全く存在しないように十分に大きな粒子(約1、2、3、4、5、10または20ミクロンより大きい)を有する食品形態の設計により、本発明者らの技術は口内への堆積および送達をもたらす。理想的には、前記粒子は、例えば、粒子の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%が口内に堆積し、呼吸器官内にさらに広がらないように設計される(そのような大きさに形成される)であろう。粒子の設計はまた、咳をする、吐き気を催す、または他の場合にはエアロゾルに対して好ましくない反応を示すあらゆる傾向を低減することを考慮に入れるべきである。
【0092】
乾燥粉末粒子は多数の異なる方法によって形成することができる。最初に、食品製品は脱水され得る。これに代わって、またはこれに加えて、食品がより柔軟な食品または液体ベースの食品である場合、続く粉砕または細断を容易にするために、前記食品をまず凍結させてもよい。前記食品製品は、適当な大きさの食物粒子を形成するために、続いて粉砕され得る。食品製品の粉砕は、乳鉢および乳棒の使用によって行うことができる。これに代わって、またはこれに加えて、食品製品は、例えば、機械的または電気的グラインダー、ナイフなどを用いて細断されてもよい。結果として生じた粉砕または細断された食物粒子を、続いて篩を介してろ過して(例えば、手動で、電気的または機械的篩振盪機を用いて、空気分級システムによって、スクリーニングシステムによって、など)、適当な粒径を得ることができる。別の手法は、大きな粒子を所定の大きさに削る粉末ミルを用いることである。乾燥されるべき水と材料との混合物がノズルを介して高温ドラム上に押し出されて、材料にまといつく水滴を即座に蒸発させる噴霧乾燥も用いられ得る。他のものに加えて、これらの方法は、エアロゾル化することはできるが、口および喉を容易に通過して呼吸器官内に進み続けないために十分に大きい特定の大きさに形成された粒子の生成を可能にするであろう。
【0093】
これらの乾燥粉末粒子は、チョコレート、コーヒーまたはトリュフのような単一の食品または成分、または料理全体または食事全体を代表する組み合わせ(例えばミックスフルーツまたは肉とジャガイモ)などの食品または成分の組み合わせから形成することができる。チョコレートの場合、チョコレートバー、チョコレート粉末、ココアパウダー、並びにカカオ植物に由来する他の形態および種類の食品が用いられ得る。さらに、いくつかの場合には、香辛料および他の(天然または人工)香味料は、単独で用いられてもよいし、または他の味または感覚(例えば天然または人工のチョコレート、ラズベリー、マンゴー、ミント、バニラ、シナモン、カラメル、および/またはコーヒー風味)を作り出すために、そのような食品成分と組み合わせて用いられてもよい。加えて、該装置は、食品製品の1回投与量を収容していてもよいし、または食品製品の複数回投与量/複数回分を収容していてもよい。さらに、それらは、例えば溶解固形物を抽出することにより、または他の固体成分を用いることにより、大部分は液体製品から製造されてもよい。一部の実施形態では、通常の摂取に比べて、より少量の実際の製品を用いて、風味を体験することができる。さらに、異なる粉末の混合によって、新たな風味を作り出すことができる。
【0094】
食品エアロゾルはまた、例えば、液体食品製品と連通した超音波供給源によって、またはスプレー缶(「エアゾール缶」)または噴霧器に入った液体および気体に対する機構に類似した「噴霧」機構によって、エアロゾル化される液体であってもよい。そのような液体は、それらの液体が、何らかの方法で風味を保つか、または高めて、送達することができる食品製品の濃縮物、添加物、抽出物、または他の形態であるか、そのようなものを含有するように、様々なプロセスによって調製され得る。
【0095】
液体エアロゾルはまた、液体食品製品の容器内に配置された、振動圧電ディスクのような超音波装置によって生成されてもよい。
用いられる食品製品および装置に応じて、前記食品製品は、錠剤または丸剤の形で、ブリスターパック内に、カプセル中に、単に粉末として広口瓶状の容器、および/または皿、箱、容器、魔法瓶、瓶などの中に、貯蔵および/または収容され得る。
【0096】
一部の実施形態において、適切に設計され、かつ適切な大きさに形成された粒子を用いて、香りを送達することが可能である。前記粒子は、本願に記載した実施形態とは独立して用いられてもよいし、または本願に記載した実施形態に加えて、すなわち、エアロゾル化された食品製品の送達に加えて、美的体験を高めるために用いられてもよい。
【0097】
「食品製品」、「エアロゾル」、「粒子」および他の同様な用語はこの文書の全体にわたって用いられており、それらは典型的には食品に由来する小さな固体粒子を指すが、これらの用語は、場合により、本願に記載された他の食品由来製品のいずれを指してもよい。
【0098】
エアロゾルの他の潜在的な特性
時間および/または空間に対して変化し得る湿度または他の環境大気条件を用いて、エアロゾルおよび/または対象者において開始する感覚による検出および感覚変換における時間に依存した変化または位置に依存した変化を誘発することができる。これらの条件的誘因は、粒子が、様々な味覚的、嗅覚的、空気力学的、化学的、物理的、幾何学的、および/または他の特性を有するようにする。前記特性は、次いで、味、質感、色、大きさ、エアロゾル化性(aerosolizability)、および/または粒子の他の態様を変化させ得る。
【0099】
そのような条件的誘因の目的は、一般に、対象者のために、より興味深く、より動的な経験を生み出すことにある。前記誘因は閾値大気条件(例えば50%を越える湿度)または対象者に関連した閾値に達することに依存してもよい。前記大気条件は、エアロゾル粒子自身を変化させてもよく、かつ/または、それらの粒子が対象者の感覚機構と異なって相互作用することを可能にしてもよい。例えば、低湿度空気中において、エアロゾルは、第1の味を与える1つの化学的/物理的状態を呈してもよく、高湿度空気中においては、第2の味を与える異なる化学的/物理的状態を呈してもよい。別の例として、エアロゾル化されたエアロゾルは、初期は味および/または香りを有さないか、または特定の食品製品を思い起こさせる初期の味および/または香りを有してもよく(例えば、口を介してエアロゾルを摂取する前に、最初に嗅覚器系を介して対象者に検知され得る)、かつ、エアロゾルが口を介して摂取された後、口の周囲環境が、エアロゾルに味および/または香りを与えるエアロゾルの変化、または異なる食品製品を思い起こさせる新たな味および/または香りを誘発してもよい。時間とともに、しかし、食品製品がまだ口内にある間に、それは放出し続けて、対象者の異なる感覚を呼び起こしてもよい。これらのような機構は、前菜、それに続くメインコース、それに続くデザートのような様々なコースの食事を連続して食べるという印象を作り出すために用いることができる。
【0100】
滞空時間(Time Airborne)/浮遊時間
特定の実施形態に応じて、食品製品は、様々な持続時間にわたってエアロゾルの形態にある(浮揚している)ことができる。例えば、吸入器に基づいた装置の場合には、食品製品は、典型的には、吸入および摂取が生じる時間にわたってのみ浮揚したままとなり、その時間は、例えば、約1/2秒以内、約1秒以内、約3秒以内、約5秒以内、約8秒以内、約10秒以内、約15秒以内、または場合により、より長い期間であり得る。これに代わって、食品送達装置がエアロゾル雲の生成によって動作する場合には、食品製品は、例えば、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25もしくは60秒、または少なくとも約2、5、10、15、20、30、45、60、90、120または180分にわたって空気中に浮遊したままであってもよい。例えば対流による、エアロゾル雲の機械的撹拌は、エアロゾル雲が浮遊している時間を増大するように作用し得る。
【0101】
用途
本発明者らの装置は、食品がどのように体験されるかを変えることができ、食品の美的体験の向上を可能にする。例えば、装置は、例えば食品の雲で満たされた部屋、没入型チャンバー、および食品ストローに自身を曝露することによって、対象者が食品を体験することを可能にすることができる。実際は、ビジネス、レストランおよびナイトクラブがそのような「食の体験」を提供することができる。
【0102】
一部の実施形態において、本発明者らの技術は、個人用の手持ち式および/または携帯型装置によって自身をエアロゾル化された食品に曝露することにより、対象者が食品を体験することを可能にすることができる。一部の実施形態において、本発明者らの技術は、キャンディーを食べること、または煙草の喫煙に類似した社会的コンテキストに用いられ、かつ/またはそれに関連付けられ得る。例えば、一部の実施形態は、一日を通して様々な時点で持ち運ばれて使用されてもよいし、または多数の使用者によって同時に用いられてもよい。
【0103】
様々な他の実施形態において、例えば、単一のエアロゾル生成装置が、液体エアロゾル雲を閉じ込めるポット状の容器のような多数の送達装置に関連付けられており、前記エアロゾル雲は、呼吸による作動によって、空気流指向要素を備えた独立したマウスピース装置をそれぞれ使用する複数の対象者に送達される実施形態において、前記技術は、複数の対象者が、食品エアロゾルを認識している間、共通の体験を有することを可能にし得る。
【0104】
さらに、該装置は、咀嚼することができないか、食品の送達が好都合でない対象者に対して栄養を提供するように機能し得る。例えば、食品送達装置は、咀嚼または摂食が不自由である高齢者または幼い子供に有用であり得る。さらに、特定の方法で(例えば栄養管による、または静脈内で)栄養を与えられることを必要とする病的状態を有する患者が、再び食物を体験し味わう方法として、本発明の特定の実施形態を用いてもよい。
【0105】
該装置はまた、快適な味ではないことがある薬剤の摂取を容易にするように機能し得る。例えば経口による薬剤の送達と共に用いられる場合には、該装置は薬剤の風味を隠す付加的な風味を提供することができる。
【0106】
これに代わって、提案された食品送達装置は、体重管理または依存症の緩和の用途に用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、対象者が比較的小量またはごく少量の食品製品または特定の健康によくない物質または習慣性物質を消費することを可能にすることができる。該装置による食物粒子への曝露は、通常は問題となっている食物または物質の大量の摂取に関連した感覚または満足感を与え、それにより、大量の前記物質を実際に摂取することによって生じる(可能性として悪い)結果を有することなく、空腹または習慣性の衝動を潜在的に満たし得る。一部の例では、これは、食品製品の全体的な量(例えば質量)に対して、口の表面に曝露される、例えば味受容器に曝露される、食品製品のより高い表面積のためであり得る。実際に、食品送達装置は、食事療法、体重管理および健康的な食事プログラム(例えば甘い物、脂肪の多い食品、チョコレートおよびカフェインに対する欲求を満たすことによる)および依存症治療(例えばアルコール、喫煙、ドラッグに対する衝動を満たすことによるが、非常に少量のそれほど有害でない量で)の基礎を形成し得る。
【0107】
さらに、前記食品送達装置は、例えば、特別な食事制限を受ける患者に関して、生活の質を改善するために用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、通常は特定の製品を消費することができないアレルギー(例えばグルテンアレルギー)または他の症状(例えば乳糖不耐症)に罹患している患者が、アレルギーまたは物理的反応を誘発することなく、通常は問題となる食物または物質の大量の摂取に関連する感覚または満足感をおそらく与えつつ、比較的小量またはごく少量のこれらの製品を消費することを可能にする。
【0108】
加えて、食品送達装置は、多数の品目を単純かつ効率的な方法で試食するための手段として機能し得る。例えば、レストランの後援者は、選択を行う前に、メニュー上の様々な料理を試食することができる。加えて、シェフは、調理をしながら、またはレシピを作成しながら、食品の組み合わせをテストするために、食品送達装置を用いてもよい。同様に、装置は、料理のレッスンにおける支援として、対象者に対する国際的な「食事」体験として、子供に食品について教える方法として、機能し得る。
【0109】
食品送達装置の他の有用な用途としては、飢餓救済(例えば食糧難の緊急状態における)および動物給餌用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
実施例
以下の例は例示的なものと考えられ、特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0110】
単回作動の乾燥粉末吸入器からの食品エアロゾル化のための理想的な粒径の測定を支援するために、少なくとも約140ミクロンの概算初期平均粒径を有するミント粉末試料を用いた。乳鉢および乳棒を用いて乾燥ミント粉末を粉砕した。平均粒径は、HELOS−RODOS粒子径測定システム(HELOS−RODOS particle sizing system)を用いて測定して、〜11ミクロンまで低減された。異なる大きさの粒子を別々のサイズ3のカプセル内に配置し、手持ち式吸入器において試験した。
【0111】
結果
試験は、140ミクロン、111ミクロン、72ミクロン、40ミクロン、18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径を有するミント粒子の試料を用いて行なった。カプセル(各々約30〜120mgのミントを収容)をエアロゾル化器内に配置して穿刺し、吸入器を作動させて空気中に粒子を放出した。前記粒子の大部分は放出後に5秒内に落下することが見られたが、この割合は試料の粒径が小さくなるにつれて減少した。前記割合は、140ミクロン、111ミクロンおよび72ミクロンの概算平均粒径での試験において比較的高く、40ミクロン、18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径についての試験においては比較的低かった。18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径での試験は、より少数の視覚的に明瞭な粒子を有した、ほとんど霧状の均一な水煙(plumes)を生じた。
【0112】
図15は、同一の試料による4回の試行に対する密度分布および累積分布を示す。これらのデータは、この特定試料について、粒子のおよそ87%が約10ミクロンより大きく、粒子のおよそ79%が約20ミクロンより大きいことを示している。これらの発見は、乾燥食品製品(ミント葉)を、実質的に、吸入により典型的には口内に堆積する大きさ(例えば少なくとも18〜70ミクロンの間)のエアロゾル化粒子にすることができることを示している。
【0113】
その平均がほぼこの範囲内にある粒子の試料において、粒子の小量またはごく少量の部分は喉および肺に進入し得るが、粒子のかなりの部分は、単回の吸入器の作動後少なくとも5秒間にわたって浮遊し続ける。
【0114】
連続的または断続的に稼働するファンのようなより大きなエアロゾル化力またはより連続したエアロゾル化の力によって、明らかにより大きな粒径を、少なくとも同程度の長さにわたって、エアロゾル化させることができる。
【実施例2】
【0115】
図16〜図18に示すようなエアロゾル化食品送達装置を、エアロゾル化チョコレートを送達するために設計した。チョコレートを微細粒子に細断し、続いて大きさによってふるい分けた。多くの容易に入手可能なチョコレートは、粉砕した場合、粒子に過度に触れないように注意する限り、記載した送達装置においてエアロゾル化するのに十分に乾燥したままであることが判明した。前記粒子に過度に触れると、それらの粒子は急速に溶けて融合してしまう。市販のチョコレートまたはココアパウダーが乾燥していることにより、そのような粉末は異なるエアロゾル味覚体験を生じるのに有用となり、その粉末がはるかに安定する(例えば、はるかに溶解する傾向が少なくなる)ことが可能となる。篩を用いて、特定の粒径範囲を選択することができ、(おそらく他の粒径範囲の中で特に)おおよそ125〜180ミクロンの範囲の直径を有する多数の粒子を含む試料は、強い味覚およびエアロゾル化性に適当であることが判明した。また、特定の粒子は、より深い呼吸器系に達する前に空気から落下するはずである大きさ(>10ミクロン)であっても、約100ミクロン以上のオーダーに達する大きさの場合でさえ、咳嗽反射を引き起こす場合があるが、これは気流配向マウスピース要素で顕著に低減されることも判明した。粒子の水溶性が咳嗽反射を誘発する可能性に関与する場合があることも判明した。そのような水溶性は、その体験の味、食感、および他の味覚の様相に影響しやすい。例えば、いくつかの場合には、高度に水溶性の粒子の香味料は、その香味料がより迅速に認識され、かつ/またより大きな影響力を有するので、好ましい。180ミクロンより実質的に大きい粒子は、エアロゾル化することが次第に困難となり、単に舌の上に落とされたチョコレートの小片のような味がし始める。
【0116】
充填手順を簡略化するために、標準的なサイズ3およびサイズ4のカプセルが、単回の吸入の「投与量」に適当なチョコレート粉末の量を収容すると判断した。よって標準的な手動カプセル充填機を用いて、送達装置の粉末隔室に移送するために、多数のそのような投与量を準備することができる。
【実施例3】
【0117】
図19Aおよび図19Bに示すようなエアロゾル化食品送達装置500を、エアロゾル化飲料を送達するために設計した。食品送達装置500の詳細を図19C〜図19Lに示す。
【0118】
上述したように、可食性物質のエアロゾル雲は液体の超音波処理によって形成することができる。これらの雲は、粒径が十分に大きく、雲が吸入される場合には、呼吸器官を避けて、摂取のために吸入され得る。
【0119】
しかしながら、例えば液体内でそのような雲を生成する圧電体の使用はいくつかの不都合を伴い得る。第1に、生成された雲は、非常に広い粒度分布のエアロゾル粒子を集合させる傾向にある。非常に大きな粒子は、より小さな粒子を連行する傾向があり、前記雲の特性は可食性物質の吸入および摂取に適さない可能性がある。特に、これらの吸入される雲は、比較的少量のエアロゾル化質量を有する傾向があり、例えば60〜300ミクロンなどの口への送達に最も適した粒径は支配的な割合にない。また、この配置は、噴水の性質のしぶきをあげることによって雲を生成する。
【0120】
本発明者らは、摂取可能なエアロゾル雲は、これらの問題を回避し、吸入摂食体験に多くの効果を提示する超音波処理および他の手段によって生成することができることを発見した。図19Aおよび19Bにおいて示されるような食品送達装置500は、大きな粒子は供給源の上で上昇および下降するが、より小さな粒子は、特に雲の側方運動が液体の表面508のすぐ近くで生じ得る場合には、拡散および慣習によって側方方向に移動して、落下する大きな液滴から離脱するように、エアロゾル雲をエアロゾル雲の供給源に対して側方方向に変位させる。
【0121】
例示的な食品送達装置は、ほぼ垂直な軸線518(例えば、図19B参照)に概ね沿ってエアロゾル化した食品製品を放出するエアロゾル送達装置を備える。大きな液滴および中位の液滴は、重力により、側方方向に対流によって落下し、従って、雲を収容できる側方チャンバーが存在する場合には、安定した放置雲となるように形成され得る微細なエアロゾル粒子が存在する。この雲は、雲の容器の大きさ、および液体の表面張力を含む液体の特性の操作によって、所望の口への送達の範囲にある粒子を有するように設計され得る。特に、優れた放置雲エアロゾルを生成する〜72ダイン/cmより低い表面張力は界面活性剤の使用によって達成することができる。
【0122】
例示的な食品送達装置500において、エアロゾル送達装置に取り付けられた容器は一次チャンバー520および二次チャンバー522を画定する。一次チャンバー520は、送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線518が一次チャンバー520内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線518に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続(hydraulically connected)されている。二次チャンバー522は一次チャンバー520に隣接しており、かつ一次チャンバー520に対して開放されている。二次チャンバー522は、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバー520から二次チャンバー522へ分散する傾向を有するように、一次チャンバー520から水平に外側に延びている。
【0123】
前記エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する。前記流体貯蔵器内の流体の自由表面508は、前記容器の一次チャンバー520に露出されている。二次チャンバー522の下面は、二次チャンバー522の下面に着地する液体が流体貯蔵器524に向かって流れる傾向を有するように、角度をなしている。一次チャンバーの表面は、ほぼ垂直な軸線518に沿って移動する粒子の移動を制限するように、ほぼ垂直な軸線518を横切って延びる表面を含む。
【0124】
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定する。例えば、該開口526は、食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている。したがって、この容器は、上方から二次チャンバー522へ開放した開口526を画定する。
【0125】
さらに、それによって雲がグラスまたは他の容器に流れ込む開口または注ぎ口510が形成され得、これは吸入によって物質を食する便利かつ有用な方法である。この開口は、容器の側面の表面に配置された閉鎖可能な出口510であり得る。閉鎖可能な側面出口510は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備え得る。一部の例では、前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように弾性部材が配置される。一部の例では、キャップの重量が開口を被覆するようにキャップを付勢する。
【0126】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る。例えば、食品送達装置500は、図19Aおよび図19Bに示すように、スタンドを備える/スタンドに取り付けられることが可能である。食品送達装置500はまた、テーブルのような平坦面上に直接配置することもできる。
【実施例4】
【0127】
図20Aおよび図20Bに示すような別のエアロゾル化食品送達装置600もまた、エアロゾル化した食物粒子を送達するために設計した。食品送達装置600の詳細は図20C〜図20Gに示す。
【0128】
食品送達装置600は、マウスピース610、キャップ612、および食物粒子を収容することができるカプセル614を備える。食品送達装置600は、マウスピース610、キャップ612およびカプセル614が、異なる相対的な全長、円板の大きさ、およびマウスピース610がカプセル614の上部を最初は封止することを可能にするカプセル614とマウスピース610との間の接触を有する点で他の実施形態(例えば、図2A〜図2G参照)と異なる。マウスピース610はより短く、かつカプセル614はより長い。円板の直径は増大されて、マウスピースの外径に等しいか、またはほとんど等しい。また、カプセル614は、最初はマウスピース610の内側にあり、マウスピース610の長さの大部分または全部に延びている。
【0129】
マウスピース610は概して円筒形である。マウスピース円板616の下方に位置する更なる円柱部618(図20Hおよび図20I参照)は、カプセル614の上部に嵌合して、使用者がマウスピース610を介して呼吸するとエアロゾル化した食物粒子が放出される格子(図示せず)を封止する。円板616の直径は、マウスピース610の外径と同一またはほとんど同一である。1つの例示的な実施形態において、マウスピース610の外径は0.64インチ(1.63cm)であった。
【0130】
カプセル614もまた、概して円筒形である。マウスピース610に嵌合されるカプセル614の端部は、カプセル614の残部から軸線方向外側に延びる環状リング620を備える(図20G〜20I参照)。カプセル614がマウスピース610内に完全に挿入されるとき、環状リング620は、マウスピース円板616の下の付加的な円柱部618の周りに嵌って係合するような大きさに形成されている。よって、カプセル614の頂上にある格子(図示せず)の孔は、装置600の作動の前には被覆され得る。
【0131】
カプセル614は、カプセル614の底部に位置し、キャップ612が「空気流開放」位置(図20A、図20Dおよび図20H参照)または「空気流閉鎖」位置(図20B、図20Fおよび図20I参照)のいずれかに位置することを可能にするスナップ622,623(図20G〜図20I参照)を備える。カプセル614はまた、カプセルの上部付近に位置するスナップ624,625を備える。前記スナップ624,625は、スナップ624が、マウスピース610がより低い「空気流閉鎖」位置(図20G〜20I参照)およびより高い「空気流開放」位置(図20A、20Dおよび20H参照)に位置することを可能にする点で、他の2つに類似している。
【0132】
閉鎖位置スナップ622,625は、装置600を作動させるために外す必要があるため、恒久的である必要がある(外すことが困難である)開放位置スナップ623,624より弱くなるように設計した。一部の実施形態において、スナップの対の閉鎖強度は同一であってもよいし、または開放位置スナップが閉鎖位置スナップより弱くてもよい。
【0133】
充填の前に、マウスピース610およびカプセル614は嵌め合わせられる。マウスピース円板616の下に位置する円柱状の機構(cylindrical feature)618と、カプセル614の上に位置する環状リング620とが整合してカプセル614の上部を封止し、カプセル614の内部に充填されている食物粒子を維持する。その後、結合されたカプセル−マウスピースユニットは充填される。カプセル614は次にキャップ612の追加によって反対端において閉鎖される。その閉鎖により、食物粒子は環境から保護され、空気流は制限される(例えば「閉鎖」位置にある前記の3つの部品によって、カプセル614への/カプセル614からの空気流は両側でほとんど阻止される)。前記装置は、この形態で消費者に提供され得る(例えば図20D参照)。
【0134】
作動のためには、キャップ610は下方に引っ張られて(底部からの空気流を許容する)、次いでスナップによって保持される(例えば図20E参照)。マウスピース610は同様に上方に引っ張られ、次いでスナップによって保持されて、カプセル614の上部とマウスピース円板616との間に空間を導入して、空気流が上部を通過するのを可能にする(例えば図20F参照)。これは「開放」位置であり、これで装置600を使用することができる。
【0135】
装置全体は、使用後に、廃棄するか、または再利用することができる。例示的な装置600において、マウスピース610、カプセル614およびキャップ612は、組立後には恒久的に取り付けられるように構成される。
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、エアロゾル化された食品製品、並びに該食品製品の収容、エアロゾル化、および/または送達のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先の研究者により、エアロゾル粒子を用いて身体の様々な部分に物質を送達することができることが示されている。これらの粒子を薬物送達に用いるために特定の設計が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口から進入するのに十分に軽い粒子を吸入する場合、とりわけ目的が、例えば、口や舌などを使って味および/または栄養を提供するためである場合には、それらの粒子が口の奥または肺に達して、咳または他の有害事象を引き起こす危険性に対処しなければならない。
【0004】
従って、空中経路によって口に物質を送達する手法は、(排他的でない場合には)主として、指向された非呼吸作動型の送達(directed,non−breath−actuated delivery)に焦点を絞ってきた。その場合、空気流の力および粒子の大きさは、粒子の軌道が主として口内に限られるようなものである。
【0005】
本発明者らは、自然な呼吸または強制呼吸動作(casual or forced breathing maneuver)(正常な吸入など)が、食物、飲料および/または様々な他の粒子の口への送達をもたらすことができる手法を開発した。この手法では、空気流によるこれらの粒子の喉の奥および肺への移送は制限される。食物粒子の慣性および重力を制御することにより、また堆積力の方向を定めることによって、本発明者らは、粒子の送達を口の表面に向けて集中させて、喉の奥および肺に達しないようにすることを可能にした。
【0006】
本発明者らの手法には下記の2つの実用面が存在する。
1.粒径は、本発明者らの送達システムにとって非常に重要である。すなわち、粒子は自然な呼吸中には空中に浮遊したままであるほど十分に小さいが、喉および肺への堆積は制限しつつ、主として口内に指向されて堆積させられるためには十分に大きい必要がある。
【0007】
2.同時に、装置を通っておよびマウスピースから出るエアロゾル粒子の典型的な経路は、喉の奥から離れた様々な角度に指向される。
適当な粒径と、装置によって指向される空気経路とを組み合わせることにより、食物粒子は、喉の奥またはさらに呼吸器官内ではなく、主として口内に(および舌、口蓋などの上に)堆積されるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、食品送達装置は、エアロゾル化された食品製品をほぼ垂直な軸線に沿って放出するためのエアロゾル送達装置(エアロゾル生成装置でもあり得る)と、前記エアロゾル送達装置に取り付けられた容器とを備える。前記容器は、一次チャンバーであって、前記送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線が該一次チャンバー内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続(hydraulically connected)された一次チャンバーと、一次チャンバーに隣接して、一次チャンバーに対して開放しており、かつ/または一次チャンバーと連通している二次チャンバーと、を画定する。二次チャンバーは、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバーから二次チャンバーへ分散する傾向を有するように、一次チャンバーから水平に外側に延びており、二次チャンバーは一次チャンバーから離間された出口を有する。
【0009】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を単独でまたは組み合わせて備え得る。
一部の実施形態において、エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する。一部の実施形態において、エアロゾル送達装置は圧電素子を備える。一部の例では、流体貯蔵器内の流体の自由表面は、前記容器の一次チャンバーに露出される。
【0010】
一部の実施形態において、二次チャンバーの下面に着地する液体は流体貯蔵器に向かって流れる傾向を有するように、二次チャンバーの下面は角度をなしている。
一次チャンバーの表面は、ほぼ垂直な軸線に沿って移動する粒子の移動を制限するように、ほぼ垂直な軸線を横切って延びる表面を含むことができる。
【0011】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る。
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定することができ、該開口は、食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている(vertically offset)。一部の例では、前記容器は、上方から、二次チャンバーに対して開放しており、かつ/または二次チャンバーと連通している開口を画定する。一部の例では、前記容器は、前記容器の側面表面に配置された閉鎖可能な出口を備える。
【0012】
一部の実施形態において、閉鎖可能な側面出口は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備え得る。一部の例では、前記装置は、前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように配置された弾性部材を備える。一部の例では、キャップの重量が、前記開口を被覆するようにキャップを付勢する。
【0013】
一態様において、食品送達装置は、エアロゾル化された食品製品を放出するためのエアロゾル送達装置を備える。前記エアロゾル送達装置は、マウスピース入口とマウスピース出口との間に延びる第1流体流路を画定するマウスピースと、マウスピース出口の平面から離間された偏向部材であって、該偏向部材はマウスピース出口の軸線に沿ったエアロゾル化された食品製品の流れに対向するように配置されている、偏向部材と、エアロゾル化可能な食品製品を収容するカプセルであって、該カプセルはカプセル入口とカプセル出口との間に延びる第2流体流路を画定し、該カプセルは、マウスピースの第1位置においては前記マウスピースがカプセル出口を実質的に封止し、マウスピースの第2位置においては前記カプセル出口がマウスピース入口に流体接続されるように、前記マウスピースに取り付けられている、カプセルと、少なくとも1本の吸気路を画定するエンドキャップであって、前記吸気路は該エンドキャップを介して延びており、該エンドキャップは、エンドキャップの第1位置においては前記エンドキャップがカプセル入口を実質的に封止し、エンドキャップの第2位置においてはカプセル入口がエンドキャップの吸気路に流体接続されるように、前記カプセルに取り付けられている、エンドキャップと、を備える。
【0014】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を単独でまたは組み合わせて備え得る。
一部の実施形態において、前記カプセルはエアロゾル生成装置を備える。一部の例では、前記エアロゾル生成装置は格子を備える。
【0015】
一部の実施形態において、前記カプセルは交換可能に構成されている。
一部の実施形態において、該装置は複数回使用できる形態(multi−dose)に構成されている。
【0016】
一部の実施形態において、該装置はエンドキャップおよびマウスピースのカプセルに対する恒久的な取り付けを提供するように構成されている。
一部の実施形態において、該装置は手持ち式である。
一態様において、本開示は、呼吸器官への進入は制限されつつ、主として口内に堆積するのに十分な大きさであり、かつ空気中での浮揚を可能にするためには十分に小さな大きさのエアロゾル化された食物粒子の送達に関する。別の態様において、本開示は、食品製品と、前記食品製品のエアロゾル化を引き起こすエアロゾル生成装置と、そのエアロゾル化された食品製品を吸入または堆積および続く摂取に適した方法で送達する送達装置とを組み込んだ装置に関する。別の態様において、本開示は、エアロゾルによって食品製品を送達するための装置またはデバイスにおける空気流指向要素に関する。これらの要素は、エアロゾル雲を口内に送達する際にエアロゾル雲に関連する重力、慣性、および他の力を制御することによって、エアロゾル雲を口内の表面へと有意に逸らせて、前記雲が喉、さらには呼吸器官内へと進み続け得る程度を減少させる。
【0017】
本発明者らの装置は、ヒトおよび動物の口に食物を送達するための新規な手段となる。実際に、該装置は、実質的に呼吸器官内へ露出または進入することなく、口内に堆積されるのに十分な大きさであり、かつ空気中での浮揚を可能にするのに十分に小さな大きさであるエアロゾル化された食物粒子を生成するように設計されている。
【0018】
一部の実施形態において、本発明者らの装置は、従来の機械的な送達手段、すなわち器具の使用や、従来の機械的な食品消化手段、すなわち咀嚼または吸い込みによるのとは異なる方法で、吸入、身体運動、および/またはエアロゾルの運動またはそれらの組み合わせによって、ヒトまたは動物の口に進入する食物粒子のエアロゾル雲を生成する。例えば、単純な吸入は、対象者の口を含む消化器官内に食物粒子を堆積させるように機能し得る。
【0019】
これに代わって、またはこれと組み合わせて、対象者は、対象者の口が食物粒子に曝露されることにより、口内への食品の堆積をもたらすように、歩行したり、体を傾けたりするなどの単純な身体運動によって装置から放出される食物粒子に自身を物理的に曝露させてもよい。これに代わって、またはこれと組み合わせて、対象者は、対象者の口が食物粒子に曝露されることにより、口内における食品の堆積をもたらすように、エアロゾルを保持する空気の流れ、または使用者がエアロゾルを保持している小さな容器からの放出などの、単純なエアロゾル運動によって装置から放出される食物粒子に自身を物理的に曝露させてもよい。
【0020】
本発明者らの装置は、概して、食品製品およびエアロゾル生成装置を備える。一部の実施形態において、該装置は、食品製品、エアロゾル生成装置、および吸気路を備える。一部の実施形態において、該装置はマウスピースを備える。一部の実施形態において、該装置はマウスピースのみから成る。該装置はマウスピースにおける吸入によって作動されることにより、食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、およびそれに続く食品製品のエアロゾル化を生じ得る。前記吸入は、エアロゾル化された食品製品を対象者の口内に送達するようにさらに機能する。
【0021】
一部の実施形態において、該装置は、食品製品と、エアロゾル生成装置と、力発生装置、例えば空気ポンプとを備える。該装置は力発生装置によって作動されることにより、食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、それに続く食品製品のエアロゾル化、およびそれらの食品製品の装置からの放出を生じ得る。
【0022】
一部の実施形態において、該装置は、食品製品と、エアロゾル生成装置、例えば超音波供給源とを備える。該装置はエアロゾル生成装置よって作動される。前記エアロゾル生成装置は食品製品を霧化および/またはエアロゾル化し、食品製品を該装置から放出し得る。
【0023】
一部の実施形態において、該装置は送達装置を組み込み得る。
食品送達装置は、液体の超音波処理によって可食物質のエアロゾル雲を生成することができる。これらの雲は、粒径が十分に大きく、かつその雲が吸入される場合には、呼吸器官を避けて、摂取するために吸入され得る。
【0024】
摂取可能なエアロゾル雲は、これらの問題を回避し、吸入摂食体験に多くの利点を提供する超音波処理および/または他の手段によって生成することができる。一部の実施形態において、食品送達装置は、大きな粒子は供給源の上で上昇および下降するが、より小さな粒子は、特に雲の側方運動が液体の表面の非常に近くで生じ得る場合には、落下する大きな液滴から離脱して、拡散および対流によって側方方向に移動するように、エアロゾル雲をエアロゾル雲の供給源に関して側方方向に変位させる。
【0025】
大きな液滴および中位の液滴は、重力によって、対流により側方方向に落下し、従って、雲を収容できるように側方チャンバーが備えられている場合には、安定した定在雲(standing cloud)となる微細なエアロゾル粒子の雲が形成され得る。この雲は、雲の容器の大きさ、および液体の表面張力を含む液体の特性の操作によって、所望の経口送達の範囲にある粒子を有するように設計され得る。とりわけ、優れた定在雲エアロゾルを生成する〜73ダイン/cmより低い表面張力は界面活性剤の使用によって達成することができる。さらに、それによって前記雲をグラスまたは他の容器に注ぐことができる開口または注ぎ口を備えることができ、これは吸入によって物質を食する便利かつ有用な方法である。
【0026】
下記に記載する本開示の効果、ならびに本開示のさらなる効果は、添付の図面と併用される説明を参照することよって一層よく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の実施形態の概略図。
【図1B】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の実施形態の概略図。
【図2A】食品送達装置の斜視図。
【図2B】食品送達装置の斜視図。
【図2C】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の展開斜視図。
【図2D】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の切り取り斜視図。
【図2E】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の切り取り斜視図。
【図2F】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の断面図。
【図2G】図2Aおよび図2Bの食品送達装置の一部の断面図。
【図3】食品送達装置の特定の実施形態の概略図およびその使用および操作のための流れ図。
【図4】マウスピース112の例示的な実施形態の多面図。
【図5】エンドキャップ114の例示的な実施形態の多面図。
【図6】カプセル116の例示的な実施形態の多面図。
【図7A】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の概略図。
【図7B】使用前および使用中のそれぞれにおける食品送達装置の概略図。
【図8】手動エアロゾル生成装置を用いて、脱水したミント粒子のエアロゾル化および放出の写真。
【図9A】食品送達装置の斜視図。
【図9B】食品送達装置の上面図。
【図9C】食品送達装置の側面図。
【図9D】食品送達装置の底面図。
【図10A】エアロゾル生成装置の斜視図。
【図10B】エアロゾル生成装置の上面図。
【図10C】エアロゾル生成装置の側面図。
【図10D】エアロゾル生成装置の端面図。
【図11】使用の異なる段階における食品送達装置の写真。
【図12A】食品送達装置の斜視図。
【図12B】食品送達装置の上面図。
【図12C】食品送達装置の前面図。
【図12D】食品送達装置の後面図。
【図12E】食品送達装置の左側面図。
【図12F】食品送達装置の右側面図。
【図12G】食品送達装置の底面図。
【図13】使用の異なる段階における食品送達装置の写真。
【図14】使用中における食品送達装置の写真。
【図15】乾燥させ、破砕して、篩にかけたミント葉のHELOS−RODOS粒径分析からのグラフ。
【図16】食品送達装置の写真。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによって前記マウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方とかみ合うことができるキャップとを備える。一部の実施形態において、ここではカプセルの一部である格子はエアロゾル生成装置として機能する。
【図17】食品送達装置の写真。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによってマウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方と嵌り合うことができるキャップとを備える。一部の実施形態において、ここではカプセルの一部である格子はエアロゾル生成装置として機能する。
【図18】食品送達装置の特定の実施形態の仕様を示す図。食品送達装置は、ハウジングと、そのハウジング内に形成されたマウスピースと、ブリッジによってマウスピースに取り付けられた空気流指向要素と、空気通路および格子を有するカプセルと、空気通路を有し、かつカプセルおよびハウジングの双方と嵌り合うことができるキャップとを備える。
【図19A】食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図19B】食品送達装置の実施形態の断面図。
【図19C】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19D】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19E】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19F】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図
【図19G】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19H】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図
【図19I】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19J】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19K】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図19L】図19Aおよび図19Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20A】それぞれ閉鎖位置および開放位置にある食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図20B】それぞれ閉鎖位置および開放位置にある食品送達装置の実施形態の斜視図。
【図20C】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20D】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20E】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20F】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20G】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20H】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の様々な部分の詳細図。
【図20I】図20Aおよび図20Bに示した食品送達装置の実施形態の異なる部分の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明者らの手法は、少なくとも部分的には、新たな形態の食品およびそれらの食品を送達するための方法および装置の実現に基づく。より具体的には、送達技術および手法は、エアロゾル化された食品製品、およびそのような製品を生成して対象者に送達するように設計された食品送達方法および装置に関する。そのような装置はエアロゾルによって食品物質を口内に送達することができる。ここで、エアロゾル雲は、自然な吸気動作によって生成され、口へと送達される。前記装置のマウスピースは、浮遊した食物粒子が喉の奥から逸らされて、呼吸器系への進入を制限するように設計されている。
【0029】
図1Aおよび図1Bを参照すると、食品送達装置50は、エアロゾル生成装置を備える。エアロゾル生成装置では、吸入により、食品製品52のエアロゾル化、およびそれに続くエアロゾル化された食品製品の対象者の口への送達が誘発される。食品送達装置50は、食品製品52(例えば粉末食品)を収容した隔室54を備える。隔室54は吸気路56を有し、マウスピース58に接続されている。吸気路56、隔室54、およびマウスピース58は、吸入によって発生した空気流が食品製品52をエアロゾル化し、そのエアロゾル化された食品製品を隔室54から、マウスピース58を介して、消費者の口へと移送するように、空気の通過を可能にする。
【0030】
図2A〜図2Fを参照すると、食品送達装置100は、マウスピース112および取り外し可能なエンドキャップ114を有するハウジング110を備える。食品送達装置100は、使用者が、該装置100を用いてエアロゾル化された食品製品を生成および送達する際に片手で装置を容易に保持することができるような大きさに形成されている。空気流指向または偏向部材118は、ブリッジ120によってマウスピース112の一端に配置されている。ブリッジ120は、空気流指向部材118を、マウスピース112の出口122の平面から離間した位置に配置する。エンドキャップ114は、マウスピース112の端部であって、空気流指向部材118とは相対向する側にある端部、に取り付けられている。
【0031】
図2Dに見られるように、マウスピース112は、入口124からマウスピース112の出口122に延びる流体流路を画定する。エンドキャップ114はエンドキャップ114の一方の面からエンドキャップ114の対向面に延びる空気通路126を有する。エンドキャップ114がマウスピース112の入口端部においてマウスピース112に取り付けられるとき、マウスピース112およびエンドキャップ114は共にハウジング110を通る流路を画定する。したがって使用者がマウスピース112の出口122を自身の口に据えて吸入する場合、空気は、エンドキャップ114を通ってマウスピース112の入口124へ、そしてマウスピース112を通ってマウスピース112の出口122へと流れる。空気流指向部材118との接触により、マウスピース112から流れ出る空気は偏向させられる。
【0032】
一部の実施形態において、空気流指向要素および/または偏向部材は、マウスピースを退出し、口に進入する空気流を喉および肺に向かう直線軌道から逸らすために、様々な形態(必ずしも円板の形態ではない)のいずれをとってもよい。例えば、マウスピースの上部付近に1つ以上の開口が存在してもよく、それらの開口は、異なる高さにおいて、異なる大きさで、異なる領域で、等で、互いに対して偏倚していてもよく、口の奥への直接の直線経路の全体的な阻害を維持し、かつ空気流およびエアロゾルをより側方方向に進むように全体的に逸らせる。
【0033】
一部の実施形態において、空気流指向要素は、マウスピースの軸線にほぼ直交し、かつマウスピースにおける全体的な空気流の方向に対向する平坦面を有する薄い円板である。一部の例では、円板は1つ以上の「ブリッジ」によってマウスピースに取り付けられてもよい。前記ブリッジは、たとえば、マウスピースの端部よりわずかに上方、下方、または同じ高さに円板を保持し、空気およびエアロゾル化された食品製品が円板のまわりを通過することを可能にする。様々な実施形態において、前記円板は、マウスピースの開口よりも小さい径、前記開口と等しい径、または前記開口より大きな径を有し得る。加えて、前記円板は、任意の所望形状であってよく、例えば楕円形または円形であってもよい。空気流指向要素は、エアロゾルを口の側面(例えば口内の上下左右の面)へと方向転換させる(redirect)ことにより、咳嗽反射を誘発し得る喉へのエアロゾルの流れを制限する。代わりに、エアロゾル化された食品製品は、呼吸器官内へとより深く運ばれるのではなく、それらの食品製品を感知および認識することができる舌または口の他の部分の上に堆積する。一部の実施形態において、空気流指向要素は、異なる形状、大きさおよび/または設計のものであるが、咳嗽反射を制限し、かつ/または味覚体験を高めるように、エアロゾル化された食品製品を方向転換させるように同様に機能する。様々な円板の大きさおよび位置を試験することにより、これらの2つのパラメーターが咳の可能性に影響を与え得ることが示された。例えば、予備試験では、その直径がマウスピースの外径のそれにほぼ等しく、かつマウスピースに近接して配置された円板は、その直径がマウスピースの内径のそれにほぼ等しく(したがってより小さく)、かつマウスピースからより大きな距離に配置された(エアロゾルが通過するためにより大きな空間を残した)円板よりも、エアロゾルの方向転換および咳の制限において、一般により有効であることが判明した。
【0034】
この実施形態において、エンドキャップ114は弾性材料から形成されている。エンドキャップ114の第1端部128は、マウスピース112の対応する端部の内面とのスナップ嵌合係合を提供するような大きさに形成され、かつそのように構成された外面を有する。一部の実施形態では、マウスピース112にエンドキャップ114を取り付けるために、スナップ嵌合係合の代わりに、またはそれに加えて、他の形態の係合が用いられる。例えば、一部の実施形態において、エンドキャップ114およびマウスピース112はねじ山を有して、互いに螺合される。
【0035】
エンドキャップ114はマウスピース112と共に(つまりハウジング)、例えば粉末食品製品(図示せず)を収容するカプセル116のようなカプセル116を受容する大きさに形成された内部空洞を画定する。カプセル116は、カプセル116の内容物(例えば粉末食品製品)とマウスピースとの間に流体が流れるような連通を提供するように、またはさもなければ、それらの間が流体連通した状態となるように構成されている。この実施形態において、カプセル116は、開放端部130と、反対側のエアロゾル生成端部132とを有する。カプセル116の開放端部130はエンドキャップ114の第1端部128内に嵌合し、エンドキャップ114の第1端部128の内面とのスナップ嵌合係合を提供するような大きさに形成され、かつそのように構成されている。一部の実施形態において、前記カプセルは、ハウジングに嵌め込められてもよいし、または螺入されてもよい。一部の実施形態において、カプセルは、(特定の時間にのみ特定の実施形態において)キャップによって、例えば嵌め込みまたは螺合により、被覆され得る開放端部を備える。一部の実施形態において、カプセルの入口端部は、開放されているのではなく、通気路を画定する。
【0036】
図2Fを参照すると、一部の実施形態において、カプセル116は、キャップ114の内側に対する全周スナップ機構によってキャップ114に嵌り込み、キャップ114は断続したスナップ機構によってマウスピース112に嵌り込む。前記装置は、典型的には、マウスピース112からキャップ114および/またはカプセル116を分離するよりも、カプセル116からキャップ114を分離するほうがより困難であるように設計され得る。よって、使用者は、カプセル116をキャップ114から偶発的に取り外してしまう危険性は最小限で、マウスピース112からカプセル116および/またはキャップ114を取り外すことにより、カプセル116および/またはキャップ114を容易に交替することができる。
【0037】
一部の実施形態は、装置の使用および機能性を容易にするスナップ機構を組み込むことにより、さらに向上され得る。例えば、装置は、空気通路の開閉を可能にする上述の機構のような機構の使用を容易にするためにスナップ機構を組み込んでもよい。例えば、マウスピースおよびカプセルが1つの(またはそれ以上の)スナップ機構によって接続することができ、かつカプセルおよびキャップが2つの(またはそれ以上の)スナップ機構によって接続することができるように、マウスピースおよびカプセルを設計することができる。例えば、マウスピースは1つの比較的弱いスナップ界面によってカプセルに接続され、カプセルは2つの比較的強いスナップ界面によってキャップに接続されてもよい。一部の実施形態において、これらのスナップ機構は、(1)カプセル(または、より一般的には食品収容装置の一端)をマウスピース(または、より一般的には送達装置)に保持することができ(「スナップA」)、(2)カプセルおよびキャップを(または、より一般的には食品収容の装置の構成要素を一緒に)、粉末の損失(とりわけ出荷、取り扱いの間などに関連する)を最小限にし、また使用の前に食品製品の保存のために保護された気密環境または気密に近い環境を提供するように機能し得る初期の「閉鎖」構成に保持することができ(「スナップB」)、(3)使用者の介入後、カプセルおよびキャップ(または、一般に、食品含有の装置の構成要素)を再接続して、空気が装置を通って流れることができ、続く食品製品のエアロゾル化を可能にする新たな「開放」構成を維持することができる(「スナップC」)。
【0038】
これらのスナップの各々を作動させるのに必要とされる力は、装置の機能性および使い易さに関与する。それらは以下のような使用を可能にするように構成され得る:(1)使用者はマウスピースにカプセル/キャップ構成要素を取り付ける。スナップAが作動される。ここで、カプセルはマウスピースおよびキャップの中に隠される。(2)使用者は、今度はキャップを引いて、スナップBを外す。強いスナップAにより、カプセルはマウスピースに接続されたままとなり、キャップはマウスピースから滑り去る。前述したように、カプセルとキャップとの間のこの相対運動は空気通路が開放することを可能にする。(3)使用者は、スナップCを作動させるまでキャップを引き戻し続け、空気通路を開放したままにするようにカプセルおよびキャップを適所にロックする。使用者は、ここで、吸入を行い、食品製品をエアロゾル化させて、口内に送達させることができる。食品製品が消費されると、このスナップ(C)の高い強度により、代わりにキャップからカプセルを分離する危険性を最小限にしつつ、使用者がマウスピースからカプセル/キャップを引き抜き、それを新しいカプセル/キャップと交替することが可能となる(カプセルは、同時に、スナップAによってマウスピースに接続され、かつスナップCによってキャップに接続される;スナップCはスナップAより強力となるように設計されているので、使用者によって付与されるマウスピースおよびキャップを反対方向に引っ張る力は、一般に、マウスピースからカプセルおよびキャップを一体として取り外し、よってスナップAが外れる)。一部の実施形態において、スナップCはまた、マウスピースが除去された後においても、使用者がカプセルとキャップとを完全に分離する可能性を最小限にするという点において重要である。場合によっては、使用者が自身の製品を追加しようとしたり、または他の場合には食品製品または食品収容隔室に手を加えようとしたりすることを防止することが望ましいことがある。
【0039】
多くの場合において、装置全体の機能に影響を与えることなく、多くの場合において、いくつかの実施形態の変形例を設計してもよい。例えば、装置の円柱状の性質は、例えば審美的な効果のために変更されてもよく、装置の全長にわたってそうしてもよい。これに代わって、またはこれに加えて、エアロゾル生成装置、例えば格子のような空気流攪乱要素が、円筒状のマウスピースに組み込まれてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル生成装置は2つ以上の構成要素を備えてもよい。例えば、キャップの格子および/または空気流通路は、エアロゾル化をもたらす乱流の発生において個々の役割を果たしてもよいし、または双方とも必要であってもよい。一般に、正しいエアロゾル化空気流を生成するためには、格子、空気流通路、寸法などについて多くの構成が存在し得る。
【0040】
一部の実施形態において、装置の大きさは、適当な空気流の動特性を保ちつつ、標準的な医療用カプセルを隔室として直接用い得るように、または、前述したカプセルおよび/またはキャップをある程度まで交換し得るように、または別の方法では、粉末の充填、貯蔵および放出のプロセスを簡素化し得るように、選択され得る。
【0041】
一部の実施形態において、カプセルおよび/またはキャップは、凹状の内部空間を有しており、それらのいずれかまたは双方に粉末が充填された後、それらの2つのユニットは嵌り合うか、または螺合して、ほぼ閉鎖された内部チャンバーを形成する。カプセルまたは装置の別の構成要素は、それを介して空気および粉末が流れることにより使用者に送達するためのエアロゾルを生じるエアロゾル生成装置、例えば空気流攪乱「格子」をさらに備えるべきである。キャップおよび/またはカプセルは、吸入により空気が通過できるように、例えば閉鎖された隔室のそれぞれの端部に空気通路を備えるべきである。空気通路の、例えば大きさまたは形状などの設計は、粉末の損失を最小限にしつつ、十分な空気流を提供するべきである。
【0042】
一部の実施形態において、キャップ114および/またはカプセル116は粉末の損失を最小限にするように設計されている。例えば、図1Eに見られるように、装置が直立して保持される場合においても粉末が重力によって落下するのを制限するように、空気通路は、底部まで直線的ではなく、側面に対して角度をなしている。粉末がカプセル/キャップの内部にあり、振動または他の運動が最小限である場合、粉末は通路の底面に蓄積し得るが、側面通路を通って落下することは最小限となる。
【0043】
一部の実施形態において、空気流と最小限の粉末の損失と間で釣り合いをとる必要は、空気通路が二者択一的に開放または閉鎖されることを可能にする機構によって達成され得る。例えば、一部の実施形態において、カプセルおよびキャップ構成要素は嵌合し得るが、下記の2つの構成を可能にするために、依然として互いに対して摺動可能であり得る。閉鎖構成では、それらの2つの構成要素は互いにより接近して、カプセルの基部の要素がキャップの空気通路を閉鎖する。開放形態では、カプセルおよびキャップはわずかに離されて、空気がキャップ内の空気通路を通って流れるのを可能にする。
【0044】
一部の実施形態中では、マウスピース、カプセル、および/またはキャップは、単回使用(おそらく使い捨て)用に設計されているか、これに代わって、複数回使用用に設計されている。例えば、一部の実施形態において、カプセルおよびキャップは使い捨てであり、任意で、様々な食品粉末と共に利用可能であってもよく、一方、マウスピースは再使用可能であってもよい。特定の実施形態において、事前に充填された標準サイズのカプセル、例えばゲルカプセルまたはブリスターパックを用いることができる。そのような実施形態は、より容易な充填、交換、洗浄および廃棄を可能にする。さらに、そのような実施形態は、複数回投与カプセル(multiple dose capsules)の製造を可能にする。そのような事前充填カプセルは、使用前にハウジング内の設計要素(例えば鋭利な先端、刃、装置を圧縮すること、または装置をねじることなど)によって、破断、切断、または破壊され得る。このようにして、食品製品はチャンバー内に放出され、吸入または作動の間に発生した空気流に影響され易くなってもよいし、または、別の例として、食品製品は、ほぼ元の容器内に留まっているが、ここでは、吸入および/または作動の間に発生した空気流と流体連通しており、よってその空気流に影響され易くなってもよい、等である。作動および使用の後、空になったカプセルは隔室から取り外されて、好都合に廃棄され得る。これに代わって、カプセルは複数回使用するために設計することができる。例えば、カプセルは補充可能であってもよい。
【0045】
一部の実施形態において、少なくとも2個、例えば3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のカプセルを組み込めるようにハウジングを設計することにより、例えば、使用者が所望により様々な風味を様々な量でうまく組み合わせることを可能にする。一部の実施形態では、複数のカプセルのセットの充填が一度に作動されるのを可能にするようにハウジングを設計することにより、使用済みのカプセルを取り外して交換する頻度を低減することができる。
【0046】
一部の実施形態において、装置は、少なくとも2人、例えば3人、4人、5人、6人、7人、8人、9人、または10人の使用者によって使用するために設計されている。例えば、多数の使用者による同時の使用を可能にするために、各々が空気流指向要素を有して設計された多数の分岐を備えた装置を設計することができる。
【0047】
特定の態様において、前記装置は、ハウジング、カプセルおよびキャップを備える。代替態様において、前記装置はハウジングおよびキャップを備え、前記ハウジングとキャップの双方は、カプセル、例えば使い捨てまたは補充可能なカプセルと共に使用するために設計されている。他の態様において、前記装置は使い捨てまたは補充可能なカプセルを含む。他の態様において、前記装置は、様々なエアロゾル化された食品製品、エアロゾルされた化食品製品の供給源、および/またはエアロゾル化された食品製品の容器と共に用いられるマウスピースを含む。
【0048】
マウスピース、カプセル、キャップ、格子、マウスピースの円板などの機能(つまり食品製品の収容、エアロゾルの生成、エアロゾルの送達、空気流(およびエアロゾル)の方向など)は、一部の実施形態では、同一の全体的な機能を維持しながらも、1つ以上の潜在的に異なる物理装置と関連付けられ得ることに留意すべきである。例えば、一部の実施形態では、単一の装置ユニットがすべての機能面を組み込んでいてもよい。一部の実施形態では、マウスピースがエアロゾル生成装置、エアロゾル送達装置、および空気流(およびエアロゾル)指向装置を収容してもよく、食品製品容器は独立していてもよい。一部の実施形態において、以前に記載したように、食品製品はカプセルおよびキャップ内に収容されていてもよく、エアロゾル生成装置はカプセルの一部であってもよく、空気流指向要素を備えたマウスピースはエアロゾルをカプセル/キャップから使用者に送達するために用いられてもよい。
【0049】
図3を参照すると、使用者は、装置100を充填し(工程200)、装置100を使用者の口にもっていき(工程210)、マウスピース112を介して吸入すること(工程212)により、空気通路を介して空気をキャップおよびカプセルに進入させることによって、食品送達装置100を動作させる。空気はカプセル116内に存在する食品粉末を、例えば格子などのエアロゾル生成装置を介してエアロゾル化させ、続いてマウスピース112を介して使用者の口内に進入させる。
【0050】
図4はマウスピース112の例示的な実施形態の多面図を示している。
図5はエンドキャップ114の例示的な実施形態の多面図を示している。
図6はカプセル116の例示的な実施形態の多面図を示している。
上述した実施形態のうちのいくつかにおいて、エアロゾルは、特定の時点において、または特定の作動工程に対応する短い時間間隔にわたって、生成され、かつ/またはエアロゾルは使用者依存の工程によって生成される。例えば、いくつかの場合において、エアロゾルの生成は1回以上の使用者による吸入動作と関連付けられる。これらの実施形態の多くにおいて、食品製品は固体状態にあり、実質的に乾燥した粉末であってもよい。しかしながら、本発明者らの手法は、エアロゾルがより連続的な供給源および/または例えば1つ以上の圧電超音波振動ディスク、空気ポンプまたは圧縮空気源などの使用者の外部に位置する供給源によって生成される他の一連の実施形態にも関する。これらの供給源のうちのいくつかは実質的に固体の食品製品からのエアロゾルの生成により適当であり得るが、他のものは実質的に液体の食品製品からのエアロゾルの生成により適当であり得る。
【0051】
一部の実施形態において、食品製品は実質的に液体状態にあり、前記製品と接触している超音波供給源によるエアロゾルの生成は、後のエアロゾル雲の形成に加えて、液体の噴霧化を伴う。例えば、一部の実施形態において、圧電振動ディスクが液体食品製品内に配置され、前記ディスクの超音波震動が液体表面においてエアロゾルを発生させる。
【0052】
前述した実施形態の多くにおいては、エアロゾルはハウジング、マウスピース、カプセルおよび/またはキャップ内で生成され、ハウジングおよび/またはマウスピースを介して使用者に直接送達される。実質的に閉じ込められていないエアロゾル(例えば超音波供給源のような外部供給源によって生成されたエアロゾル雲のようなエアロゾル雲)が用いられる実施形態では、対象者において有意な味覚を引き出すためには、高度に濃縮されたエアロゾルを生成することが必要な場合がある。しかしながら、高度に濃縮されたエアロゾルでは粒子間の衝突の割合が大きく、時間が経つと、慣性衝突および拡散などにために、エアロゾルは、それが周囲空気中に拡散するにつれて次第に希薄になったり、または粒子が合体したりすることがある(例えばそれが液体エアロゾルである場合)。例えば、実質的に閉じ込められていないエアロゾル化された食品製品の摂取に関連する味、美感、および他の要因の均衡をとるために、他の濃度範囲が選択されてもよい。従って、一部の実施形態において、エアロゾル雲は、ポットまたは他の(透明、不透明、または半透明の)媒体または容器内に閉じ込められてもよい。特定の実施形態において、エアロゾルを閉じ込めるために閉鎖気泡(closed bubble)を用いて、「浮遊」エアロゾルの美観を保ち(エアロゾルが容器または気泡内に浮遊しているか、かつ/または容器または気泡自体が浮遊しているか)、同時により高いエアロゾル濃度を維持し、オープンエアーで「食べる」ことまたはオープンエアーの吸入によるよりも効率的なエアロゾルの口への送達を可能にする。エアロゾル気泡または容器自身が、場合によっては可食であり得る。いくつかの場合において、気泡または容器が開放し、エアロゾルへのアクセスを提供してもよい。
【0053】
外部供給源、例えば超音波供給源は、閉じ込め媒体または閉じ込め容器内に配置されてもよい。例えばポットなどの外部環境から完全には閉鎖されていない媒体または容器において、それらの媒体または容器の高さは、対流、拡散、慣性衝突および他の力から保護する必要性と、例えば開放された上部を介した、小さな開口を介した、特定の時間に閉鎖され得る開口を介したなどのエアロゾルへのアクセスの必要性との均衡を保つように選択される。
【0054】
図7Aおよび図7Bを参照すると、食品送達装置300は、食品製品312を収容した容器310を備える。力発生器314(例えば空気ポンプまたは圧縮空気供給源)は、容器310に取り付けられている。作動されると、力発生器は、エアロゾル化構成要素316を介して食品製品312を通過させ、続いて外部環境へ放出することによって、食品製品312のエアロゾル化を誘発する。その後、結果として生じたエアロゾル雲318は、例えば、前記雲または対象者の位置の変更によって、または吸入によって、摂取され得る。
【0055】
図8を参照すると、力発生器として手押ポンプを備えた試作品を構成した。前記試作品は、手で作動されるエアロゾル生成装置を用いて、脱水したミント粒子をエアロゾル化して放出した。
【0056】
図9A〜図9Dを参照すると、食品送達装置350は、容器を支持面(例えば床部またはテーブル)上に安定して支持するように構成された基部354を備えた容器352を備える。エアロゾル生成装置356は容器352の内部空洞358内に配置される。エアロゾル生成装置356(図10A〜図10Dにより詳細に図示)は、エアロゾル生成器362を受容する開放した上部を有する透明プラスチックケース360を備える。エアロゾル生成器は、例えば超音波発生器または圧電発電機であり得る。
【0057】
図11を参照すると、食品製品は、食品送達装置350のエアロゾル生成装置356のケース360内に配置することができる。前記生成器が作動されると、食品製品はエアロゾル化され、場合により、エアロゾル生成装置356のケース360の開放された上部を通って容器352の内部空洞358へと通過する。一部の例では、エアロゾル混合物は、エアロゾル混合物が実質的に容器352内に留まるほど十分に濃厚である。前記容器352は同容器を通って内部空洞358に延びる上部開口を有し、前記上部開口は、基部354が支持面上に載置された状態で食品送達装置350が配置されるとき、基部から垂直方向においてずれている。一部の例では、前記容器の上部開口はカバーによって閉鎖され得る。
【0058】
食品送達装置は他の外形を有して形成され得る。図12A〜図12Gを参照すると、同様の食品送達装置400の十二面体形容器410がエアロゾル生成装置412を受容している。図13を参照すると、使用時、食品送達装置400は、開放面を真っすぐ上方に向けて配置することができる。図14を参照すると、使用時、食品送達装置400は、開放面を支持面に対して角度をなすように上方に向けて配置することができる。
【0059】
送達機構はエアロゾルまたはエアロゾルの一部を使用者に運ぶために用いられ得る。一部の実施形態において、前記送達装置は、前述したようなマウスピースから成る。エアロゾルは送達装置とは独立して生成されてもよいので、送達装置は、前述したように吸入によって口内の表面にエアロゾルを指向させる空気流指向要素を備えたマウスピースのみから成ってもよい。一部の実施形態において、例えば、任意のエアロゾル閉じ込め構造または装置と干渉することなく、エアロゾルにより容易にアクセスするために、送達装置を長くすることは好都合である。一部の実施形態において、送達装置は長尺状マウスピースである。一部の実施形態において、送達装置は、例えば中空円筒体などの本質的にマウスピースの長さを延長する役目を果たす独立した装置に接続されたマウスピースである。(いくつかの場合には、この装置は、使用者が、他の使用者と同一の延長装置を用いる一方で、その人自身のマウスピースを用いることを可能にし得る。これは、高価であり得る多数の長いマウスピースの製作を要することなく、複数の人がそのエアロゾルを味わうための衛生的な手法と考えられ得る)。一部の実施形態において、送達装置は「食品ストロー」である。
【0060】
一部の実施形態では、送達装置は直接用いられ得るが、他の実施形態では、エアロゾル発生後、および送達前(またはその間)に、より少量のエアロゾル雲を閉じ込めるために、付加的な中間工程を実施することができる。この構成は、送達装置内におけるエアロゾル雲の濃縮部分により近づくことを助け、可能である検知可能および/または感知可能な味を改善したり、または作り出したりする。またこれは、摂取前に前記雲を個々の「部分」に分離することにより、単一のエアロゾル生成装置の共同使用に対する衛生上の懸念(現実的であっても錯覚であっても)にある程度応え得る。
【0061】
例えば、ポットまたは他の容器内に位置するエアロゾル生成装置(例えば液体食品製品内における超音波装置)によれば、エアロゾル雲を、グラス、シャンパンフルート、スープレードルなどのようなより小さな容器中に集めることができ、その後、そのより小さな容器と共に送達装置(例えばマウスピース)を用いることができる。例えば、前記マウスピースをグラスまたは他の容器内に配置することができ、吸入によって、前記ガラスまたは容器内の雲は使用者の口に送達される。マウスピース内の空気流指向要素は、粒子を口内の表面に指向させ、かつ粒子が呼吸器官内にさらに進み続け得る程度を制限するのを助けるであろう。
【0062】
独立した液体エアロゾル生成装置(例えば、圧電供給源および/または超音波供給源を用いる)の特定の実施形態では、典型的には、前記雲の範囲をかなり超えて達するより大きな液滴が相当数存在する。したがって、食品製品を前記雲から摂取する試みは、典型的には、例えば、これらの液滴を阻止することにより、および/または雲から一定の距離に留まることにより、および/または消費者の液滴への曝露を最小限にする送達装置を用いることにより、これらの液滴が消費者に当たらないようにする機構を使用することを奨励する。
【0063】
超音波供給源上において、問題のあるより大きな液滴より小さく、かつ雲粒より大きいポアサイズを有する格子を用いる試みは、試験において不成功であることが判明した。雲粒は、前記ポアをなんとか通り抜けることはできるが、全体として、格子を容易に通過して大きく濃厚な雲を生成するのに十分な運動エネルギーを有していなかった。
【0064】
有効な1つの解決策は、大きな液滴が外側に飛び出すのを制限するために、雲の上に覆いまたはカバーを提供することである。一部の実施形態において、このカバー概念は、使用直前に取り外されるより大きなカバーを容器全体(例えば図11参照)の上に配置することによって実現することができる。一部の実施形態において、離れた表面または容器の側面が超音波供給源の位置の上に若干延び、それによりいくらかの飛び出す液滴を阻止することができる。一部の実施形態において、前記雲へのアクセスは側面開口または空間(例えば図14参照)を介し得る。一部の実施形態において、超音波供給源は、該供給源が容器の側面、または全体装置の任意の非開放部分に対面するように角度をなして配置され得、よって液滴を、開口の外または開放側面の外ではなく、主として対応する反対側面へと放出する(例えば図13参照)。
【0065】
これらの実施形態に対して、前記容器が様々な大きさおよび向きを有するシステム、および/または該装置の他の部分に取り付けられていてもよいし、あるいは取り付けられていなくてもよいし、または接続されていてもよいし、あるいは接続されていなくてもよい様々な大きさ、形状および向きを有するカバーが存在するシステムを含む、多くの均等物が可能である。全体として、雲が容易に形成されることを可能にするために供給源からある距離に位置する、より大きな液滴が外に飛び出すのを防止する任意の形態の固体表面の存在は、本願に記載された実施形態に関する別例と見なされるべきである。
【0066】
代替案は距離を置いて摂取することを可能にする送達装置の使用である。例えば、空気流指向要素を有するマウスピースを用いることができる。一部の実施形態において、マウスピースは、より長い距離にわたる送達のために、長尺状であり、「ストロー」として機能することができる。一部の実施形態において、長尺状マウスピースは、2つの部分、すなわちマウスピースと延長部品とからなる。例えば、マウスピースは空気流指向要素を有しており、特定の直径および長さの円筒体を組み込んでいてもよい。延長部品は、例えばマウスピースに接続(例えば、嵌合、スナップ留め、螺合など)した同様の直径を有する一定長のものであり得る。この後者のシステムにおいて、マウスピースと延長部品とは独立して交換され得る(例えば、各使用者が1つのマウスピースを有し、各人が同一の延長部品を用いてもよい)。
【0067】
エアロゾル化の作動および食品製品の送達
エアロゾル生成装置は、所望の特性(つまり粒径、滞空時間(airborne time)/浮遊持続時間(suspension duration)、放出量(emitted dose)など)のエアロゾルを生成することができる任意の装置である。エアロゾル生成装置に加えて、付加的な空気流抑制装置、エアロゾルが収容される閉じ込め空間(confined space)、吸入器内の通気路、マウスピース、空気流指向要素、またはエアロゾルの対象者の口への送達を可能にするか、容易にするか、最適化する他の装置または構造のような送達装置が存在してもよい。例えば、図2A〜図6は、多くの実施形態において、食品製品容器として機能し、かつエアロゾル生成装置(主として格子からなる)を組み込んだカプセルおよびキャップを示している。多くの実施形態において、前記カプセルおよびキャップは、互いに接続されて、空気流指向要素を備えたマウスピースに接続される。ここで、前記マウスピースは送達装置として機能する。
【0068】
重力および慣性力を制御することにより、一部の実施形態に見られる空気流指向要素は、エアロゾル雲を、更に下方にある呼吸器官ではなく、実質的に口内の表面に送達することを可能にする。この技術の態様は、食品エアロゾルの多くの可能な用途に非常に適切である。実際、そのような送達装置は、咳および口を越えた呼吸器系の表面との潜在的な相互作用を最小限にするか、または排除するとともに、多くの異なる方法で生成された広範な食品エアロゾルの消費者への送達を可能にする。
【0069】
この技術に関連した装置または構造のうちのいずれかの設計はまた、咳をしたり、吐き気を催したり、さもなければエアロゾルに対して好ましくない反応を示したりする傾向を低減することを考慮に入れたり、またはそのような傾向を低減しようと試みてもよい。
【0070】
これらの装置および関連装置(食品収容装置のような)は膨大な数の異なる方法で具体化することができる。本願に記載する装置は例となるものである。
食品製品のエアロゾル化の誘発およびそれに続く結果として生じたエアロゾル化された食品製品の送達は、呼吸、装置の作動、身体の変位、エアロゾルの変位およびそれらの組み合わせの動作を含むが、これらに限られない様々な手段によってもたらされ得る。例えば、そのような動作としては、以下のものが挙げられる。
【0071】
a)食品製品のエアロゾル生成装置への曝露、およびエアロゾル化された食品製品の口への送達を生じる、例えばマウスピースにおける吸入による、呼吸の動作;および/または:
【0072】
b)超音波供給源の作動、ポンプの作動、圧縮空気源の作動、インペラの作動、容器の穿刺、通気路の開放を含むが、これらに限られない装置作動の動作であって、少なくともある程度は食品製品をエアロゾル化させるか、または食品製品をエアロゾル化させるのを助ける(それにより形成されたエアロゾルは、実質的に閉じ込められた空間内(例えばスペーサー)または実質的に開放された空間内(例えば空気中または閉じ込め構造内における「雲」として)に存在し得る)、装置作動の動作;および/または:
【0073】
c)エアロゾル(例えば、スペーサー装置に収容されているか、雲として自由に浮揚しているか、またはより大きな構造体内に収容されている)「の上に」または「に向かって」指向された呼吸の動作であって、ストロー、マウスピースまたは他の装置の使用によって容易にされることにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらし得る、呼吸の動作;および/または:
【0074】
d)歩行または体を傾けるなどの身体変位の動作(場合により、特定の方法で口、舌または他の身体部分の特定の配置または位置決めと併用)であって、対象者の口をエアロゾル雲またはエアロゾル雲の一部に曝露することにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらす、身体変位の動作;および/または:
【0075】
e)例えば空気の流れ、熱勾配もしくは圧力勾配、慣性衝突、拡散または重力によって引き起こされるエアロゾル変位の動作であって、エアロゾル雲またはその一部を、対象者の口をエアロゾル雲に曝露するように適所にもっていくことにより、実質的に口内における食品の堆積をもたらす(エアロゾルの変位が粒子濃度の希釈および雲の拡散を生じる場合であっても)、エアロゾル変位の動作;および/または:
【0076】
f)装置作動、装置使用、空間抑制、空気流の閉じ込めなどの付加的な動作、もしくは口、唇、舌、顎、頭または特定の形態や形状などにある他の身体部位などの配置または位置決めの付加的な動作;または食品製品の適切なエアロゾル化および/または送達および/または賞味をもたらすのを助ける他の付加的な動作(例えば、食品ストローの使用、収容チャンバーの開/閉、空気流を逸らせるために舌を持ち上げること、など)が挙げられる。そのような動作は、咳をしたり、吐き気を催したり、または他の場合には食品製品に対して好ましくない反応を示す傾向を低減するのを助けるために用いられ得る。
【0077】
本願でなされる粉末、液体、エアロゾル、雲、粒子などへのすべての言及は、粉末、液体、エアロゾル、雲などの総量の一定画分または一部を同等に指し得る。
例えば、装置自体は単回使用(例えば、使い捨て)または複数回使用のために設計され得る。その場合、投与カプセルが交換されるか、または投与チャンバが補充される。これに代わって、またはこれに加えて、装置の一部、例えばマウスピース、食品収容装置、カプセル、および/またはキャップは使い捨てであってもよい。一部の実施形態において、前記装置は、食品製品をエアロゾル化するために、ポンプまたは圧縮空気源のような力発生機構を組み込んでいてもよい。一部の実施形態において、前記装置は噴射剤を組み込んでいてもよい。
【0078】
一部の実施形態において、前記装置が、前記製品を、単一の短期工程(例えば吸入誘発(inhalation− triggered)装置上における1回の吸入)でエアロゾル化および/または送達するように意図されているか、多数の別々の工程(例えば吸入誘発装置上における複数の吸入)でエアロゾル化および/または送達するように意図されているか、またはより長期的な連続した工程(例えば、開放空気中においてエアロゾル雲を維持すること)を通じてエアロゾル化および/または送達するように意図されているかに応じて、装置は、「単一動作」、「反復動作」、または「連続動作」によるエアロゾル化および/または送達のために設計され得る。ここで、「工程」とは、それによって装置が前記製品をエアロゾル化および/または送達する同時プロセスおよび/または逐次プロセスの任意の組み合わせを指す。前記装置が同時に1人の対象者による使用を対象としているか、または同時に多数の対象者による使用を対象としているかを含めた、多くの要因が、これらの工程の順序(もしあれば)のどれが任意の特定の実施形態に適当であるかを決定するのを助けるであろう。
【0079】
前記装置は、また視覚的効果および/またはエアロゾルおよび/または投与量に対する制御を強化するために、スペーサー、光、弁などのような付加物を備えてもよい。これらの付加物はまた、エアロゾルを吸入する経験を向上し得る。
【0080】
一部の実施形態において、装置全体の本体または装置の一部を、クッキー、クラッカー、チョコレートまたは糖製品のような可食物質/摂取可能物質から製造することができる。これは、装置がエアロゾル送達中またはその後のいずれかに楽しまれることを可能にし、それにより全体的な経験を向上させるであろう。
【0081】
一部の実施形態において、前記装置は、乾燥粉末吸入器(DPI))または定量吸入器(metered dose inhaler(MDI))のような吸入器または吸入装置;超音波供給源を保持し、その供給源によって生成されるエアロゾル雲をいくらか閉じ込める「ポット」;エアロゾルを噴出および/または循環させる「噴出器(fountain)」;手持ち式ポンプ装置;圧縮空気装置;食品ストロー装置;多人数用共同装置;卓上装置に類似し得る。前記装置またはその一部を形成するために、プラスチック(例えば比較的強いポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレンなど)、様々な金属、ガラス、厚紙、硬質紙などを含む様々な物質が用いられ得る。
【0082】
一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品は、限定された大きさのもの、すなわち呼吸器官への進入を制限するのには十分であるが、空気中の浮遊を可能にするには十分に小さい大きさのものであるべきである。一部の実施形態において、粒径は、事前に霧化されたほぼ固体の食品製品、例えば特定の実施形態のカプセル/キャップの内部に配置された食品製品、または空気ポンプまたは圧縮空気源と関連して用いられる特定の乾燥食品製品の製造要件であり得る。一部の実施形態において、粒径は、エアロゾルの生成によって単に霧化される(一般に液体の)食品製品に対する、例えばエアロゾル雲を生成するために超音波供給源と関連して用いられる食品製品に対する、エアロゾル生成装置の要件であり得る。
【0083】
一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品の所定の平均寸法は、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、325、350、375、400、425、450、475または500ミクロンである。一部の実施形態において、エアロゾル化された食品製品の所定の平均寸法は、500、450、400、350、325、300、275、250、245、240、235、230、225、220、215、210、205、200、195、190、185、180、175、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20または10ミクロン未満の大きさである.上記に列挙した範囲の中間の範囲、例えば約50ミクロン〜約215ミクロンもまた本開示の一部であることが意図される。例えば、上限値および/または下限値のような上述の値のうちのいずれかの組み合わせを用いる値の範囲が含まれることが意図される。
【0084】
とりわけ、しかし排他的にではなく、摂取が吸入によって行われる一部の実施形態では、最小粒径はその手法の重要な特徴である。食品エアロゾル粒子は、例えば重力または慣性衝突の力によって実質的に口内に送達および堆積されるが、実質的にさらに呼吸器官内、例えば気管または肺の中には、容易に送達および堆積されないように設計されている。したがって、そのような食物粒子は肺への進入に焦点を合わせたものよりも大きな(つまり、約10ミクロンより大きな)大きさを有するであろう。例えば、図5〜図17に(一部または全体で)示される装置のような呼吸によって作動される吸入器のような装置は、もしエアロゾル粒子がより大きな大きさでなければ(そして送達装置の空気流指向要素がなければ)、肺に向かう吸入された空気にかなり容易に随伴するであろうエアロゾルを生成する。
【0085】
とりわけ、しかし、排他的にではなく、摂取が対象者の位置の変更またはエアロゾル(例えばエアロゾル雲を有する)の位置の変更による実施形態では、最大粒径はその手法の重要な特徴である。実際には、口内への変位が生じ得るように、エアロゾル雲は少なくとも短い時間にわたって空気中に浮遊したままでなければならない。したがって、粒子は空気から急速に沈降するほど大きくてはいけない。これは、それにより粒子が空気中に保持される力および/または機構(例えば、慣性、拡散などのよう「自然の」力のみによるもの、またはインペラ、空気流、対流などのような付加的な力によるもの)に非常に依存するであろう。従って、一部の実施形態において、粒子は典型的な浮遊力および機構の下では約500ミクロン未満であるべきである。例えば、液体食品製品中の超音波供給源は、対流が最小限である限り、重力、拡散、慣性衝突および他の力を均衡させて、空気中で浮遊し続けることができる定在エアロゾル雲を生成することができる。
【0086】
装置および摂取方法の特定のパラメーターは、エアロゾルの摂取が生じるときに、対象者が「吸入する」のか、または「食べる」のかをある程度決定するであろう。これは一般に、(1)(生理学的に喉頭蓋が空気を肺に向けて気管内に指向している間に)エアロゾルが吸入された空気によって対象者の口および/または喉に進入するか、または、エアロゾルが別の方法(エアロゾルまたは対象者の位置の変更など)によって対象者の口に進入するのか、および(2)(生理学的に喉頭蓋が気管への通過を阻止している間に)対象者の期待が、そのエアロゾルが(最終的に)嚥下されるべき食品の一種であるということなのか、に対応する。いずれにせよ、食品製品は、口内に堆積した後に、他の典型的な食品製品のように、最終的に嚥下され、本質的に摂取されることにさらに留意すべきである。
【0087】
一部の例では、エアロゾルは、肺までずっと流れる吸入空気(例えば、空気と、煙草による煙/煙草からの煙と、を肺に運ぶ、喫煙者が有し得る吸入とのような)によって運ばれてもよい。一部の例では、エアロゾルは、口内で「停止する」、「吸い込まれた」空気によって運ばれてもよい(むしろ典型的なストローおよび飲料、または葉巻と共に用いられる手法に近い)。(一部の例では、双方の手法の要素が適当であり得る。)この潜在的な差異は食品エアロゾル装置にとって重要な意味合いを有し得る。例えば、粒子が肺に直接進み続ける空気によって運ばれる場合には、粒子が呼吸器官内のあまりに遠くに堆積するのを防止することは、粒子、空気流などの物理パラメーターにより依存している。粒子が口内に吸い込まれた空気によって運ばれる場合には、通常は粒子が所望よりもさらに呼吸器系内に広がることを可能にするかもしれないが、肺の前で「停止する」空気流のおかげで、粒子を実質的に口内に落下させる平均寸法または他の特性を有した粒子を運ぶことが可能であり得る。
【0088】
例えば図5、図6および図20に示される装置などの吸入によってエアロゾルが生成される装置のいくつかの実施形態では、適当な大きさの比較的乾燥した固体食品粉末が食品製品として用いられ得る。予備試験は、用いられる乾燥粉末の水溶性が、エアロゾル化された食品製品の摂取から生じる味および潜在的な咳嗽反射に関与することを示した。粉砕したチョコレートバーまたは特定のチョコレートベースの粉末のような、より迅速に水に溶ける傾向を有する粒子の粉末は、粒子が舌および口内の他の表面と接触すると、一般に喜ばしい反応を生じさせる。粉砕したチョコレートバーの場合には、例えば、その効果は、いくつかの場合には、その人の口内でチョコレート溶融物を非常に迅速に感知する効果に類似している。特定の粉砕したココアベースの粉末製品のようなそれほど水溶性でない粒子は、よりざらざらしていると感じられ、口渇感または咳嗽のようなあまり快適でない反応を誘発する可能性が高い傾向にある。しかしながら、場合によっては、双方の種類の粉末を様々な割合で組み合わせることにより、興味深い風味の複雑さが与えられる。
【0089】
図9A〜図14に示した装置におけるように、液体エアロゾルが生成されるいくつかの実施形態において、エアロゾル発生および送達装置は、有意の味覚を誘発するために十分なエアロゾルの量および/または濃度を有する必要によって束縛されている。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル雲の密度、および1回の吸入または他の単一の送達工程において消費されるエアロゾルの量は、使用者の味覚感度、その食品製品、および他の多くの条件に応じて、最小閾値より高くなければならない。
【0090】
例えば液体食品製品中の超音波供給源によって液体エアロゾルが生成される一部の実施形態では、液体中に懸濁されている粒子は(例えば液体がコロイド状である場合)、前記供給源がエアロゾルを効率的に生成するためには、生成されるエアロゾル粒子の大きさよりも一般に小さくなければならない。さらに液体エアロゾルを有する一部の実施形態中において、例えば液体食品製品中に超音波供給源を有する一部の実施形態において、界面活性剤は、所望の味を生成する際に重要な役割を果たすことはできない(予備試験によれば、これはワインの場合)。これは、エアロゾル化によって界面活性剤が食品製品の残部から分離され、液体中における界面活性剤の割合を大きくし、よって、食品製品の真の風味を歪める、雲中の他の食品成分(例えばワインの場合、より多くの酸性物質)の割合を大きくするためである。
【0091】
エアロゾル粉末を含む食品製品
エアロゾル化することができ(外力に支持されないかぎり、500ミクロンよりはるかに大きな粒子は空気から急速に落下する)、かつさらに吸気の際に肺に進入する粒子がほとんど存在しないか、または全く存在しないように十分に大きな粒子(約1、2、3、4、5、10または20ミクロンより大きい)を有する食品形態の設計により、本発明者らの技術は口内への堆積および送達をもたらす。理想的には、前記粒子は、例えば、粒子の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%が口内に堆積し、呼吸器官内にさらに広がらないように設計される(そのような大きさに形成される)であろう。粒子の設計はまた、咳をする、吐き気を催す、または他の場合にはエアロゾルに対して好ましくない反応を示すあらゆる傾向を低減することを考慮に入れるべきである。
【0092】
乾燥粉末粒子は多数の異なる方法によって形成することができる。最初に、食品製品は脱水され得る。これに代わって、またはこれに加えて、食品がより柔軟な食品または液体ベースの食品である場合、続く粉砕または細断を容易にするために、前記食品をまず凍結させてもよい。前記食品製品は、適当な大きさの食物粒子を形成するために、続いて粉砕され得る。食品製品の粉砕は、乳鉢および乳棒の使用によって行うことができる。これに代わって、またはこれに加えて、食品製品は、例えば、機械的または電気的グラインダー、ナイフなどを用いて細断されてもよい。結果として生じた粉砕または細断された食物粒子を、続いて篩を介してろ過して(例えば、手動で、電気的または機械的篩振盪機を用いて、空気分級システムによって、スクリーニングシステムによって、など)、適当な粒径を得ることができる。別の手法は、大きな粒子を所定の大きさに削る粉末ミルを用いることである。乾燥されるべき水と材料との混合物がノズルを介して高温ドラム上に押し出されて、材料にまといつく水滴を即座に蒸発させる噴霧乾燥も用いられ得る。他のものに加えて、これらの方法は、エアロゾル化することはできるが、口および喉を容易に通過して呼吸器官内に進み続けないために十分に大きい特定の大きさに形成された粒子の生成を可能にするであろう。
【0093】
これらの乾燥粉末粒子は、チョコレート、コーヒーまたはトリュフのような単一の食品または成分、または料理全体または食事全体を代表する組み合わせ(例えばミックスフルーツまたは肉とジャガイモ)などの食品または成分の組み合わせから形成することができる。チョコレートの場合、チョコレートバー、チョコレート粉末、ココアパウダー、並びにカカオ植物に由来する他の形態および種類の食品が用いられ得る。さらに、いくつかの場合には、香辛料および他の(天然または人工)香味料は、単独で用いられてもよいし、または他の味または感覚(例えば天然または人工のチョコレート、ラズベリー、マンゴー、ミント、バニラ、シナモン、カラメル、および/またはコーヒー風味)を作り出すために、そのような食品成分と組み合わせて用いられてもよい。加えて、該装置は、食品製品の1回投与量を収容していてもよいし、または食品製品の複数回投与量/複数回分を収容していてもよい。さらに、それらは、例えば溶解固形物を抽出することにより、または他の固体成分を用いることにより、大部分は液体製品から製造されてもよい。一部の実施形態では、通常の摂取に比べて、より少量の実際の製品を用いて、風味を体験することができる。さらに、異なる粉末の混合によって、新たな風味を作り出すことができる。
【0094】
食品エアロゾルはまた、例えば、液体食品製品と連通した超音波供給源によって、またはスプレー缶(「エアゾール缶」)または噴霧器に入った液体および気体に対する機構に類似した「噴霧」機構によって、エアロゾル化される液体であってもよい。そのような液体は、それらの液体が、何らかの方法で風味を保つか、または高めて、送達することができる食品製品の濃縮物、添加物、抽出物、または他の形態であるか、そのようなものを含有するように、様々なプロセスによって調製され得る。
【0095】
液体エアロゾルはまた、液体食品製品の容器内に配置された、振動圧電ディスクのような超音波装置によって生成されてもよい。
用いられる食品製品および装置に応じて、前記食品製品は、錠剤または丸剤の形で、ブリスターパック内に、カプセル中に、単に粉末として広口瓶状の容器、および/または皿、箱、容器、魔法瓶、瓶などの中に、貯蔵および/または収容され得る。
【0096】
一部の実施形態において、適切に設計され、かつ適切な大きさに形成された粒子を用いて、香りを送達することが可能である。前記粒子は、本願に記載した実施形態とは独立して用いられてもよいし、または本願に記載した実施形態に加えて、すなわち、エアロゾル化された食品製品の送達に加えて、美的体験を高めるために用いられてもよい。
【0097】
「食品製品」、「エアロゾル」、「粒子」および他の同様な用語はこの文書の全体にわたって用いられており、それらは典型的には食品に由来する小さな固体粒子を指すが、これらの用語は、場合により、本願に記載された他の食品由来製品のいずれを指してもよい。
【0098】
エアロゾルの他の潜在的な特性
時間および/または空間に対して変化し得る湿度または他の環境大気条件を用いて、エアロゾルおよび/または対象者において開始する感覚による検出および感覚変換における時間に依存した変化または位置に依存した変化を誘発することができる。これらの条件的誘因は、粒子が、様々な味覚的、嗅覚的、空気力学的、化学的、物理的、幾何学的、および/または他の特性を有するようにする。前記特性は、次いで、味、質感、色、大きさ、エアロゾル化性(aerosolizability)、および/または粒子の他の態様を変化させ得る。
【0099】
そのような条件的誘因の目的は、一般に、対象者のために、より興味深く、より動的な経験を生み出すことにある。前記誘因は閾値大気条件(例えば50%を越える湿度)または対象者に関連した閾値に達することに依存してもよい。前記大気条件は、エアロゾル粒子自身を変化させてもよく、かつ/または、それらの粒子が対象者の感覚機構と異なって相互作用することを可能にしてもよい。例えば、低湿度空気中において、エアロゾルは、第1の味を与える1つの化学的/物理的状態を呈してもよく、高湿度空気中においては、第2の味を与える異なる化学的/物理的状態を呈してもよい。別の例として、エアロゾル化されたエアロゾルは、初期は味および/または香りを有さないか、または特定の食品製品を思い起こさせる初期の味および/または香りを有してもよく(例えば、口を介してエアロゾルを摂取する前に、最初に嗅覚器系を介して対象者に検知され得る)、かつ、エアロゾルが口を介して摂取された後、口の周囲環境が、エアロゾルに味および/または香りを与えるエアロゾルの変化、または異なる食品製品を思い起こさせる新たな味および/または香りを誘発してもよい。時間とともに、しかし、食品製品がまだ口内にある間に、それは放出し続けて、対象者の異なる感覚を呼び起こしてもよい。これらのような機構は、前菜、それに続くメインコース、それに続くデザートのような様々なコースの食事を連続して食べるという印象を作り出すために用いることができる。
【0100】
滞空時間(Time Airborne)/浮遊時間
特定の実施形態に応じて、食品製品は、様々な持続時間にわたってエアロゾルの形態にある(浮揚している)ことができる。例えば、吸入器に基づいた装置の場合には、食品製品は、典型的には、吸入および摂取が生じる時間にわたってのみ浮揚したままとなり、その時間は、例えば、約1/2秒以内、約1秒以内、約3秒以内、約5秒以内、約8秒以内、約10秒以内、約15秒以内、または場合により、より長い期間であり得る。これに代わって、食品送達装置がエアロゾル雲の生成によって動作する場合には、食品製品は、例えば、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25もしくは60秒、または少なくとも約2、5、10、15、20、30、45、60、90、120または180分にわたって空気中に浮遊したままであってもよい。例えば対流による、エアロゾル雲の機械的撹拌は、エアロゾル雲が浮遊している時間を増大するように作用し得る。
【0101】
用途
本発明者らの装置は、食品がどのように体験されるかを変えることができ、食品の美的体験の向上を可能にする。例えば、装置は、例えば食品の雲で満たされた部屋、没入型チャンバー、および食品ストローに自身を曝露することによって、対象者が食品を体験することを可能にすることができる。実際は、ビジネス、レストランおよびナイトクラブがそのような「食の体験」を提供することができる。
【0102】
一部の実施形態において、本発明者らの技術は、個人用の手持ち式および/または携帯型装置によって自身をエアロゾル化された食品に曝露することにより、対象者が食品を体験することを可能にすることができる。一部の実施形態において、本発明者らの技術は、キャンディーを食べること、または煙草の喫煙に類似した社会的コンテキストに用いられ、かつ/またはそれに関連付けられ得る。例えば、一部の実施形態は、一日を通して様々な時点で持ち運ばれて使用されてもよいし、または多数の使用者によって同時に用いられてもよい。
【0103】
様々な他の実施形態において、例えば、単一のエアロゾル生成装置が、液体エアロゾル雲を閉じ込めるポット状の容器のような多数の送達装置に関連付けられており、前記エアロゾル雲は、呼吸による作動によって、空気流指向要素を備えた独立したマウスピース装置をそれぞれ使用する複数の対象者に送達される実施形態において、前記技術は、複数の対象者が、食品エアロゾルを認識している間、共通の体験を有することを可能にし得る。
【0104】
さらに、該装置は、咀嚼することができないか、食品の送達が好都合でない対象者に対して栄養を提供するように機能し得る。例えば、食品送達装置は、咀嚼または摂食が不自由である高齢者または幼い子供に有用であり得る。さらに、特定の方法で(例えば栄養管による、または静脈内で)栄養を与えられることを必要とする病的状態を有する患者が、再び食物を体験し味わう方法として、本発明の特定の実施形態を用いてもよい。
【0105】
該装置はまた、快適な味ではないことがある薬剤の摂取を容易にするように機能し得る。例えば経口による薬剤の送達と共に用いられる場合には、該装置は薬剤の風味を隠す付加的な風味を提供することができる。
【0106】
これに代わって、提案された食品送達装置は、体重管理または依存症の緩和の用途に用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、対象者が比較的小量またはごく少量の食品製品または特定の健康によくない物質または習慣性物質を消費することを可能にすることができる。該装置による食物粒子への曝露は、通常は問題となっている食物または物質の大量の摂取に関連した感覚または満足感を与え、それにより、大量の前記物質を実際に摂取することによって生じる(可能性として悪い)結果を有することなく、空腹または習慣性の衝動を潜在的に満たし得る。一部の例では、これは、食品製品の全体的な量(例えば質量)に対して、口の表面に曝露される、例えば味受容器に曝露される、食品製品のより高い表面積のためであり得る。実際に、食品送達装置は、食事療法、体重管理および健康的な食事プログラム(例えば甘い物、脂肪の多い食品、チョコレートおよびカフェインに対する欲求を満たすことによる)および依存症治療(例えばアルコール、喫煙、ドラッグに対する衝動を満たすことによるが、非常に少量のそれほど有害でない量で)の基礎を形成し得る。
【0107】
さらに、前記食品送達装置は、例えば、特別な食事制限を受ける患者に関して、生活の質を改善するために用いられてもよい。例えば、食品送達装置は、通常は特定の製品を消費することができないアレルギー(例えばグルテンアレルギー)または他の症状(例えば乳糖不耐症)に罹患している患者が、アレルギーまたは物理的反応を誘発することなく、通常は問題となる食物または物質の大量の摂取に関連する感覚または満足感をおそらく与えつつ、比較的小量またはごく少量のこれらの製品を消費することを可能にする。
【0108】
加えて、食品送達装置は、多数の品目を単純かつ効率的な方法で試食するための手段として機能し得る。例えば、レストランの後援者は、選択を行う前に、メニュー上の様々な料理を試食することができる。加えて、シェフは、調理をしながら、またはレシピを作成しながら、食品の組み合わせをテストするために、食品送達装置を用いてもよい。同様に、装置は、料理のレッスンにおける支援として、対象者に対する国際的な「食事」体験として、子供に食品について教える方法として、機能し得る。
【0109】
食品送達装置の他の有用な用途としては、飢餓救済(例えば食糧難の緊急状態における)および動物給餌用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
実施例
以下の例は例示的なものと考えられ、特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0110】
単回作動の乾燥粉末吸入器からの食品エアロゾル化のための理想的な粒径の測定を支援するために、少なくとも約140ミクロンの概算初期平均粒径を有するミント粉末試料を用いた。乳鉢および乳棒を用いて乾燥ミント粉末を粉砕した。平均粒径は、HELOS−RODOS粒子径測定システム(HELOS−RODOS particle sizing system)を用いて測定して、〜11ミクロンまで低減された。異なる大きさの粒子を別々のサイズ3のカプセル内に配置し、手持ち式吸入器において試験した。
【0111】
結果
試験は、140ミクロン、111ミクロン、72ミクロン、40ミクロン、18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径を有するミント粒子の試料を用いて行なった。カプセル(各々約30〜120mgのミントを収容)をエアロゾル化器内に配置して穿刺し、吸入器を作動させて空気中に粒子を放出した。前記粒子の大部分は放出後に5秒内に落下することが見られたが、この割合は試料の粒径が小さくなるにつれて減少した。前記割合は、140ミクロン、111ミクロンおよび72ミクロンの概算平均粒径での試験において比較的高く、40ミクロン、18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径についての試験においては比較的低かった。18ミクロンおよび11ミクロンの概算平均粒径での試験は、より少数の視覚的に明瞭な粒子を有した、ほとんど霧状の均一な水煙(plumes)を生じた。
【0112】
図15は、同一の試料による4回の試行に対する密度分布および累積分布を示す。これらのデータは、この特定試料について、粒子のおよそ87%が約10ミクロンより大きく、粒子のおよそ79%が約20ミクロンより大きいことを示している。これらの発見は、乾燥食品製品(ミント葉)を、実質的に、吸入により典型的には口内に堆積する大きさ(例えば少なくとも18〜70ミクロンの間)のエアロゾル化粒子にすることができることを示している。
【0113】
その平均がほぼこの範囲内にある粒子の試料において、粒子の小量またはごく少量の部分は喉および肺に進入し得るが、粒子のかなりの部分は、単回の吸入器の作動後少なくとも5秒間にわたって浮遊し続ける。
【0114】
連続的または断続的に稼働するファンのようなより大きなエアロゾル化力またはより連続したエアロゾル化の力によって、明らかにより大きな粒径を、少なくとも同程度の長さにわたって、エアロゾル化させることができる。
【実施例2】
【0115】
図16〜図18に示すようなエアロゾル化食品送達装置を、エアロゾル化チョコレートを送達するために設計した。チョコレートを微細粒子に細断し、続いて大きさによってふるい分けた。多くの容易に入手可能なチョコレートは、粉砕した場合、粒子に過度に触れないように注意する限り、記載した送達装置においてエアロゾル化するのに十分に乾燥したままであることが判明した。前記粒子に過度に触れると、それらの粒子は急速に溶けて融合してしまう。市販のチョコレートまたはココアパウダーが乾燥していることにより、そのような粉末は異なるエアロゾル味覚体験を生じるのに有用となり、その粉末がはるかに安定する(例えば、はるかに溶解する傾向が少なくなる)ことが可能となる。篩を用いて、特定の粒径範囲を選択することができ、(おそらく他の粒径範囲の中で特に)おおよそ125〜180ミクロンの範囲の直径を有する多数の粒子を含む試料は、強い味覚およびエアロゾル化性に適当であることが判明した。また、特定の粒子は、より深い呼吸器系に達する前に空気から落下するはずである大きさ(>10ミクロン)であっても、約100ミクロン以上のオーダーに達する大きさの場合でさえ、咳嗽反射を引き起こす場合があるが、これは気流配向マウスピース要素で顕著に低減されることも判明した。粒子の水溶性が咳嗽反射を誘発する可能性に関与する場合があることも判明した。そのような水溶性は、その体験の味、食感、および他の味覚の様相に影響しやすい。例えば、いくつかの場合には、高度に水溶性の粒子の香味料は、その香味料がより迅速に認識され、かつ/またより大きな影響力を有するので、好ましい。180ミクロンより実質的に大きい粒子は、エアロゾル化することが次第に困難となり、単に舌の上に落とされたチョコレートの小片のような味がし始める。
【0116】
充填手順を簡略化するために、標準的なサイズ3およびサイズ4のカプセルが、単回の吸入の「投与量」に適当なチョコレート粉末の量を収容すると判断した。よって標準的な手動カプセル充填機を用いて、送達装置の粉末隔室に移送するために、多数のそのような投与量を準備することができる。
【実施例3】
【0117】
図19Aおよび図19Bに示すようなエアロゾル化食品送達装置500を、エアロゾル化飲料を送達するために設計した。食品送達装置500の詳細を図19C〜図19Lに示す。
【0118】
上述したように、可食性物質のエアロゾル雲は液体の超音波処理によって形成することができる。これらの雲は、粒径が十分に大きく、雲が吸入される場合には、呼吸器官を避けて、摂取のために吸入され得る。
【0119】
しかしながら、例えば液体内でそのような雲を生成する圧電体の使用はいくつかの不都合を伴い得る。第1に、生成された雲は、非常に広い粒度分布のエアロゾル粒子を集合させる傾向にある。非常に大きな粒子は、より小さな粒子を連行する傾向があり、前記雲の特性は可食性物質の吸入および摂取に適さない可能性がある。特に、これらの吸入される雲は、比較的少量のエアロゾル化質量を有する傾向があり、例えば60〜300ミクロンなどの口への送達に最も適した粒径は支配的な割合にない。また、この配置は、噴水の性質のしぶきをあげることによって雲を生成する。
【0120】
本発明者らは、摂取可能なエアロゾル雲は、これらの問題を回避し、吸入摂食体験に多くの効果を提示する超音波処理および他の手段によって生成することができることを発見した。図19Aおよび19Bにおいて示されるような食品送達装置500は、大きな粒子は供給源の上で上昇および下降するが、より小さな粒子は、特に雲の側方運動が液体の表面508のすぐ近くで生じ得る場合には、拡散および慣習によって側方方向に移動して、落下する大きな液滴から離脱するように、エアロゾル雲をエアロゾル雲の供給源に対して側方方向に変位させる。
【0121】
例示的な食品送達装置は、ほぼ垂直な軸線518(例えば、図19B参照)に概ね沿ってエアロゾル化した食品製品を放出するエアロゾル送達装置を備える。大きな液滴および中位の液滴は、重力により、側方方向に対流によって落下し、従って、雲を収容できる側方チャンバーが存在する場合には、安定した放置雲となるように形成され得る微細なエアロゾル粒子が存在する。この雲は、雲の容器の大きさ、および液体の表面張力を含む液体の特性の操作によって、所望の口への送達の範囲にある粒子を有するように設計され得る。特に、優れた放置雲エアロゾルを生成する〜72ダイン/cmより低い表面張力は界面活性剤の使用によって達成することができる。
【0122】
例示的な食品送達装置500において、エアロゾル送達装置に取り付けられた容器は一次チャンバー520および二次チャンバー522を画定する。一次チャンバー520は、送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線518が一次チャンバー520内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線518に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続(hydraulically connected)されている。二次チャンバー522は一次チャンバー520に隣接しており、かつ一次チャンバー520に対して開放されている。二次チャンバー522は、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバー520から二次チャンバー522へ分散する傾向を有するように、一次チャンバー520から水平に外側に延びている。
【0123】
前記エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する。前記流体貯蔵器内の流体の自由表面508は、前記容器の一次チャンバー520に露出されている。二次チャンバー522の下面は、二次チャンバー522の下面に着地する液体が流体貯蔵器524に向かって流れる傾向を有するように、角度をなしている。一次チャンバーの表面は、ほぼ垂直な軸線518に沿って移動する粒子の移動を制限するように、ほぼ垂直な軸線518を横切って延びる表面を含む。
【0124】
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定する。例えば、該開口526は、食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている。したがって、この容器は、上方から二次チャンバー522へ開放した開口526を画定する。
【0125】
さらに、それによって雲がグラスまたは他の容器に流れ込む開口または注ぎ口510が形成され得、これは吸入によって物質を食する便利かつ有用な方法である。この開口は、容器の側面の表面に配置された閉鎖可能な出口510であり得る。閉鎖可能な側面出口510は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備え得る。一部の例では、前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように弾性部材が配置される。一部の例では、キャップの重量が開口を被覆するようにキャップを付勢する。
【0126】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る。例えば、食品送達装置500は、図19Aおよび図19Bに示すように、スタンドを備える/スタンドに取り付けられることが可能である。食品送達装置500はまた、テーブルのような平坦面上に直接配置することもできる。
【実施例4】
【0127】
図20Aおよび図20Bに示すような別のエアロゾル化食品送達装置600もまた、エアロゾル化した食物粒子を送達するために設計した。食品送達装置600の詳細は図20C〜図20Gに示す。
【0128】
食品送達装置600は、マウスピース610、キャップ612、および食物粒子を収容することができるカプセル614を備える。食品送達装置600は、マウスピース610、キャップ612およびカプセル614が、異なる相対的な全長、円板の大きさ、およびマウスピース610がカプセル614の上部を最初は封止することを可能にするカプセル614とマウスピース610との間の接触を有する点で他の実施形態(例えば、図2A〜図2G参照)と異なる。マウスピース610はより短く、かつカプセル614はより長い。円板の直径は増大されて、マウスピースの外径に等しいか、またはほとんど等しい。また、カプセル614は、最初はマウスピース610の内側にあり、マウスピース610の長さの大部分または全部に延びている。
【0129】
マウスピース610は概して円筒形である。マウスピース円板616の下方に位置する更なる円柱部618(図20Hおよび図20I参照)は、カプセル614の上部に嵌合して、使用者がマウスピース610を介して呼吸するとエアロゾル化した食物粒子が放出される格子(図示せず)を封止する。円板616の直径は、マウスピース610の外径と同一またはほとんど同一である。1つの例示的な実施形態において、マウスピース610の外径は0.64インチ(1.63cm)であった。
【0130】
カプセル614もまた、概して円筒形である。マウスピース610に嵌合されるカプセル614の端部は、カプセル614の残部から軸線方向外側に延びる環状リング620を備える(図20G〜20I参照)。カプセル614がマウスピース610内に完全に挿入されるとき、環状リング620は、マウスピース円板616の下の付加的な円柱部618の周りに嵌って係合するような大きさに形成されている。よって、カプセル614の頂上にある格子(図示せず)の孔は、装置600の作動の前には被覆され得る。
【0131】
カプセル614は、カプセル614の底部に位置し、キャップ612が「空気流開放」位置(図20A、図20Dおよび図20H参照)または「空気流閉鎖」位置(図20B、図20Fおよび図20I参照)のいずれかに位置することを可能にするスナップ622,623(図20G〜図20I参照)を備える。カプセル614はまた、カプセルの上部付近に位置するスナップ624,625を備える。前記スナップ624,625は、スナップ624が、マウスピース610がより低い「空気流閉鎖」位置(図20G〜20I参照)およびより高い「空気流開放」位置(図20A、20Dおよび20H参照)に位置することを可能にする点で、他の2つに類似している。
【0132】
閉鎖位置スナップ622,625は、装置600を作動させるために外す必要があるため、恒久的である必要がある(外すことが困難である)開放位置スナップ623,624より弱くなるように設計した。一部の実施形態において、スナップの対の閉鎖強度は同一であってもよいし、または開放位置スナップが閉鎖位置スナップより弱くてもよい。
【0133】
充填の前に、マウスピース610およびカプセル614は嵌め合わせられる。マウスピース円板616の下に位置する円柱状の機構(cylindrical feature)618と、カプセル614の上に位置する環状リング620とが整合してカプセル614の上部を封止し、カプセル614の内部に充填されている食物粒子を維持する。その後、結合されたカプセル−マウスピースユニットは充填される。カプセル614は次にキャップ612の追加によって反対端において閉鎖される。その閉鎖により、食物粒子は環境から保護され、空気流は制限される(例えば「閉鎖」位置にある前記の3つの部品によって、カプセル614への/カプセル614からの空気流は両側でほとんど阻止される)。前記装置は、この形態で消費者に提供され得る(例えば図20D参照)。
【0134】
作動のためには、キャップ610は下方に引っ張られて(底部からの空気流を許容する)、次いでスナップによって保持される(例えば図20E参照)。マウスピース610は同様に上方に引っ張られ、次いでスナップによって保持されて、カプセル614の上部とマウスピース円板616との間に空間を導入して、空気流が上部を通過するのを可能にする(例えば図20F参照)。これは「開放」位置であり、これで装置600を使用することができる。
【0135】
装置全体は、使用後に、廃棄するか、または再利用することができる。例示的な装置600において、マウスピース610、カプセル614およびキャップ612は、組立後には恒久的に取り付けられるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化された食品製品をほぼ垂直な軸線に概ね沿って放出するためのエアロゾル送達装置と、
前記エアロゾル送達装置に取り付けられた容器と、を備える食品送達装置であって、前記容器は、
一次チャンバーであって、前記送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線が該一次チャンバー内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続された一次チャンバーと、
前記一次チャンバーに隣接して連通している二次チャンバーと、を画定し、前記二次チャンバーは、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバーから二次チャンバーへ分散する傾向を有するように、一次チャンバーに対して一次チャンバーから水平に外側に延びて配置されており、二次チャンバーは一次チャンバーから離間された出口を有する、食品送達装置。
【請求項2】
前記エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する、請求項1に記載の食品送達装置。
【請求項3】
前記流体貯蔵器内の流体の自由表面は、前記容器の一次チャンバーに露出されている、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項4】
前記二次チャンバーの下面に着地する液体が流体貯蔵器に向かって流れる傾向を有するように、前記二次チャンバーの下面は角度をなしている、請求項2または3に記載の食品送達装置。
【請求項5】
前記一次チャンバーを画定する表面は、前記ほぼ垂直な軸線に沿って移動する粒子の移動を制限するように、前記ほぼ垂直な軸線を横切って延びる表面を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項6】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項7】
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定し、前記開口は、該食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項8】
前記容器は、上方から二次チャンバー内に開放する開口を画定する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項9】
前記容器は、前記容器の側面表面に配置された閉鎖可能な出口を備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項10】
前記閉鎖可能な側面出口は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備える、請求項8に記載の食品送達装置。
【請求項11】
前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように配置された弾性部材を備える、請求項9に記載の食品送達装置。
【請求項12】
前記キャップの重量が、前記開口を被覆するように前記キャップを付勢する、請求項9に記載の食品送達装置。
【請求項13】
エアロゾル化された食品製品を放出するためのエアロゾル送達装置を備える食品送達装置であって、前記エアロゾル送達装置は、
マウスピース入口とマウスピース出口との間に延びる第1流体流路を画定するマウスピースと、
前記マウスピース出口の平面から離間された偏向部材であって、該偏向部材は前記マウスピース出口の軸線に沿ったエアロゾル化された食品製品の流れに対向するように配置されている、偏向部材と、
エアロゾル化可能な食品製品を収容するカプセルであって、該カプセルはカプセル入口とカプセル出口との間に延びる第2流体流路を画定し、該カプセルは、前記マウスピースの第1位置においては前記マウスピースが前記カプセル出口を実質的に封止し、前記マウスピースの第2位置においては前記カプセル出口が前記マウスピース入口に流体接続されるように、前記マウスピースに取り付けられている、カプセルと、
少なくとも1本の吸気路を画定するエンドキャップであって、前記吸気路は該エンドキャップを介して延びており、前記エンドキャップは、前記エンドキャップの第1位置においては前記エンドキャップが前記カプセル入口を実質的に封止し、前記エンドキャップの第2位置においては前記カプセル入口が前記エンドキャップの吸気路に流体接続されるように、前記カプセルに取り付けられている、エンドキャップと、を備える、食品送達装置。
【請求項14】
前記カプセルはエアロゾル生成装置を備える、請求項12に記載の食品送達装置。
【請求項15】
前記エアロゾル生成装置は格子を備える、請求項13に記載の食品送達装置。
【請求項16】
前記カプセルは交換可能に構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項17】
該装置はエンドキャップおよびマウスピースのカプセルに対する恒久的な取り付けを提供するように構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項18】
該装置は手持ち式である、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項19】
請求項12に記載の食品送達装置において用いるためのエアロゾル化可能な食品製品を収容する交換可能なカプセル。
【請求項1】
エアロゾル化された食品製品をほぼ垂直な軸線に概ね沿って放出するためのエアロゾル送達装置と、
前記エアロゾル送達装置に取り付けられた容器と、を備える食品送達装置であって、前記容器は、
一次チャンバーであって、前記送達装置がそれに沿って食物粒子を放出する垂直軸線が該一次チャンバー内に延び、かつ少なくとも第1の大きさの粒子が前記ほぼ垂直な軸線に沿って上昇および下降する傾向を有するように、エアロゾル送達装置に液圧接続された一次チャンバーと、
前記一次チャンバーに隣接して連通している二次チャンバーと、を画定し、前記二次チャンバーは、第1の大きさより小さな粒子は一次チャンバーから二次チャンバーへ分散する傾向を有するように、一次チャンバーに対して一次チャンバーから水平に外側に延びて配置されており、二次チャンバーは一次チャンバーから離間された出口を有する、食品送達装置。
【請求項2】
前記エアロゾル送達装置は、超音波発生器を備えた流体貯蔵器を有する、請求項1に記載の食品送達装置。
【請求項3】
前記流体貯蔵器内の流体の自由表面は、前記容器の一次チャンバーに露出されている、請求項2に記載の食品送達装置。
【請求項4】
前記二次チャンバーの下面に着地する液体が流体貯蔵器に向かって流れる傾向を有するように、前記二次チャンバーの下面は角度をなしている、請求項2または3に記載の食品送達装置。
【請求項5】
前記一次チャンバーを画定する表面は、前記ほぼ垂直な軸線に沿って移動する粒子の移動を制限するように、前記ほぼ垂直な軸線を横切って延びる表面を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項6】
該装置は、前記容器を支持面上に安定して支持するように構成された基部を備えた卓上ユニットまたは独立ユニットであり得る、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項7】
前記容器は前記容器を通って内部空洞に延びる開口を画定し、前記開口は、該食品送達装置が操作のために配置されるとき、前記エアロゾル送達装置から垂直方向においてずれている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項8】
前記容器は、上方から二次チャンバー内に開放する開口を画定する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項9】
前記容器は、前記容器の側面表面に配置された閉鎖可能な出口を備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項10】
前記閉鎖可能な側面出口は、開口と、前記開口を閉鎖するように付勢されたキャップとを備える、請求項8に記載の食品送達装置。
【請求項11】
前記開口を被覆するために前記キャップを付勢するように配置された弾性部材を備える、請求項9に記載の食品送達装置。
【請求項12】
前記キャップの重量が、前記開口を被覆するように前記キャップを付勢する、請求項9に記載の食品送達装置。
【請求項13】
エアロゾル化された食品製品を放出するためのエアロゾル送達装置を備える食品送達装置であって、前記エアロゾル送達装置は、
マウスピース入口とマウスピース出口との間に延びる第1流体流路を画定するマウスピースと、
前記マウスピース出口の平面から離間された偏向部材であって、該偏向部材は前記マウスピース出口の軸線に沿ったエアロゾル化された食品製品の流れに対向するように配置されている、偏向部材と、
エアロゾル化可能な食品製品を収容するカプセルであって、該カプセルはカプセル入口とカプセル出口との間に延びる第2流体流路を画定し、該カプセルは、前記マウスピースの第1位置においては前記マウスピースが前記カプセル出口を実質的に封止し、前記マウスピースの第2位置においては前記カプセル出口が前記マウスピース入口に流体接続されるように、前記マウスピースに取り付けられている、カプセルと、
少なくとも1本の吸気路を画定するエンドキャップであって、前記吸気路は該エンドキャップを介して延びており、前記エンドキャップは、前記エンドキャップの第1位置においては前記エンドキャップが前記カプセル入口を実質的に封止し、前記エンドキャップの第2位置においては前記カプセル入口が前記エンドキャップの吸気路に流体接続されるように、前記カプセルに取り付けられている、エンドキャップと、を備える、食品送達装置。
【請求項14】
前記カプセルはエアロゾル生成装置を備える、請求項12に記載の食品送達装置。
【請求項15】
前記エアロゾル生成装置は格子を備える、請求項13に記載の食品送達装置。
【請求項16】
前記カプセルは交換可能に構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項17】
該装置はエンドキャップおよびマウスピースのカプセルに対する恒久的な取り付けを提供するように構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項18】
該装置は手持ち式である、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の食品送達装置。
【請求項19】
請求項12に記載の食品送達装置において用いるためのエアロゾル化可能な食品製品を収容する交換可能なカプセル。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図19H】
【図19I】
【図19J】
【図19K】
【図19L】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図20F】
【図20G】
【図20H】
【図20I】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図19H】
【図19I】
【図19J】
【図19K】
【図19L】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図20F】
【図20G】
【図20H】
【図20I】
【公表番号】特表2012−510415(P2012−510415A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539697(P2011−539697)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066590
【国際公開番号】WO2010/065744
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511269565)ブリーザブル フーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Breathable Foods,Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066590
【国際公開番号】WO2010/065744
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511269565)ブリーザブル フーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Breathable Foods,Inc.
【Fターム(参考)】
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