説明

エキソ多糖の過剰発現による、食品をテキスチャリングするための改変されたガラクトキナーゼ発現を伴う乳酸菌

本発明は、特性を改良することを伴う細菌細胞、細胞を含むスターター培養、及びスターター培養で発酵される乳製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特性を改良することを伴う細菌細胞、細胞を含むスターター培養、及びスターター培養で発酵される乳製品に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
食品産業は、食品の風味及び質感を改良するために、しかしまた、これらの食品の保存可能期間を延長するために、多くの細菌、特に乳酸菌を使用する。乳製品の場合では、乳酸菌は、乳の酸性化(発酵による)をもたらすために、しかしまたそれらが組み込まれる製品をテキスチャリングするために、集中的に用いられる。
【0003】
食品産業に用いられる乳酸菌の中でも、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペディオコッカス(Pediococcus)、及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属が言及され得る。ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)種の乳酸菌は、食品、特に発酵食品の製造に、単独で、又は他の細菌と組み合わせて広く用いられる。それらは、発酵乳の製品に、例えばヨーグルトに用いられる発酵の処方に、特に用いられる。それらの一部は、発酵食品の質感の開発において主要な役割を果たす。この特性は、多糖の産生に密接に関係している。ストレプトコッカス・サーモフィラスの菌株の中でも、テキスチャリング菌株と非テキスチャリング菌株に区別することができる。
【0004】
産業の要求に適うために、乳酸菌の、特にストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)の新規テキスチャリング菌株を提案することは、必要となる。
【0005】
WO2007095958A1は、テキスチャリング特性を有するストレプトコッカス・サーモフィラス菌株を開示する。図1では、一番のテキスチャリング菌株CHCC8833(DSM17876)は、約59Paのせんだん応力値を有することが見られ得る。
【0006】
J Dairy Sci.92:477−482(2009)は、GalK活性を増加させることにより、遺伝的操作を経た粘着性のストレプトコッカス・サーモフィラス菌株によるEPSの産生を増加させることが可能であることを示す研究を開示する。そのような菌株が、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)と組み合わせてヨーグルト製造に用いられた場合、組み換え菌株のEPS過剰発現は有意ではないことが結論付けられた。
【0007】
従って、本発明が解決することを提案する課題は、乳酸菌のテキスチャリング菌株(例えばストレプトコッカス・サーモフィラス)がラクトバチルス種の菌株と一緒に用いられる場合に、食品、特に製品をテキスチャリングするための優れた特性を有する乳酸菌の菌株を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明者らは、GalK(ガラクトキナーゼ)遺伝子中に変異を有する乳酸菌が、特にラクトバチルス細菌と共に発酵乳に用いられる場合、発酵乳において野生(母)型菌株よりも高い粘性を生じることを、驚くべきことに発見した。
【0009】
この驚くべき発見に従って、本発明は、新規のスーパーテキスチャリング(supertexturizing)乳酸菌株、例えばGalK遺伝子中に変異を有するストレプトコッカス・サーモフィラス菌株、及びこれらの菌株を製造するための方法に、及びそのような菌株を用いて作られた発酵乳製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、StressTechレオメーターで測定されたCHCC11379のせん断応力を表す。結果は、43℃で一晩培養後、CHCC11379で凝塊された乳における改良された質感(せん断応力)を示す。質感は、「発酵乳における質感の分析」の下に記述されるように、StressTechレオメーターの使用によりパスカル(Pa)で測定されたせん断応力を評価することにより定量化された。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な開示
第一の態様では、本発明は、乳酸菌(例えば、母株と比べて、発酵乳において高い粘性を生じる細菌、又は例えば、発酵乳において約70Pa超(例えば、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定された場合、71超、又は73Pa超)の粘性を生じる細菌)を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む方法、に関する。
【0012】
従って、第一の態様の実施形態は以下である:
−母株と比べて、発酵乳において高い粘性を生じる(例えば37℃で12時間培養後、例えばせん断応力として測定される)乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)菌株のGalK遺伝子中に変異を導入すること、
を含む方法。
−発酵乳において約70Pa超の粘性を生じる(例えば37℃で12時間培養後、例えばせん断応力として測定される)乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む方法。
【0013】
現在好ましい実施形態では、粘性は、37℃で12時間培養後、せん断応力として、及び/又は下記に記述されるアッセイで測定されるように測定される。従って、本発明の第一の態様の現在好ましい実施形態は、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定された場合、発酵乳において約70Pa超の粘性を生じる乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む方法である。
【0014】
本発明の方法は、以下:
c1)質感を生じる変異株、例えば母株よりもより質感を生じる、又は乳基質の粘性を増加させる菌株をスクリーニングすること、及び
c2)母株と比較して、改良されたガラクトース分解/発酵活性のような、Gal+表現型を有する変異株をスクリーニングすること、
からなる群から選択される1又は複数のさらなるステップ(単数又は複数)を含んでもよい。
【0015】
変異は、遺伝子のプロモーター領域、例えば、遺伝子の−10領域(プリブノーボックス)に導入されてもよい。
【0016】
本発明の方法の興味深い実施形態では、変異は、野生型の−10領域(TACGAT)におけるC及びGの一つ又は双方の、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドとの置き換えをもたらす。
【0017】
変異は、野生型の−10領域(TACGAT)におけるCの、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドとの置き換えをもたらしてもよい。
【0018】
一つの実施形態では、変異は、野生型の−10領域(TACGAT)のCの、Tとの置き換えをもたらし、及び/又は変異は、ヌクレオチド配列TATGAT、TATTAT又はTACTATを有する−10領域をもたらす。
【0019】
変異は、遺伝子操作技術の使用により、及び/又は突然変異生成の使用により、例えば、随意的に、GalK遺伝子における変異を実証するためのGalK遺伝子の分析に続く、放射線又は化学物質での処理により、導入されてもよい。
【0020】
細菌(母株)は、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペディオコッカス(Pediococcus)、及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)からなる群に属する属から選択されてもよい。興味深い細菌は、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)に属する。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、本発明の方法により得られる乳酸菌に関する。
【0022】
また、本発明は、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定された場合、発酵乳において約70Pa超の粘性を生じる乳酸菌に;GalK遺伝子の−10領域に変異を有する(野生型の−10領域(TACGAT)と比較して)乳酸菌であって、変異がヌクレオチド配列TATGAT、TATTAT又はTACTATを有する−10領域をもたらす乳酸菌に;及びGalK遺伝子の−10領域に変異を有し、その変異が野生型の−10領域(TACGAT)中のCの、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドで置き換えられた乳酸菌に、関する。興味深い実施形態では、変異は、野生型の−10領域(TACGAT)中のCの、Tとの置き換えもたらす。
【0023】
興味深い実施形態では、本発明の乳酸菌は、配列番号5、又は−35領域、及び−10領域を含む、それらのプロモーター領域を含む。乳酸菌は、好ましくは、ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する。
【0024】
さらなる実施形態では、本発明は、以下:CHCC11379(DSM22884)、CHCC11342、CHCC11976、及びこれらの任意の変異体(mutant)及び変異体(variant)からなる群から選択されるストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する細菌株に関連する。加えて、本発明は、本明細書で言及される全く新規な菌株及びそれらの変異体(mutant)及び変異体(variant)に関する。
【0025】
さらなる態様では、本発明は、本発明の乳酸菌、例えば、CHCC11379菌株に属する細菌、を含む組成物に関する。そのような組成物は、少なくとも10exp10CFU(細胞形成単位)の前記細菌を含むことが好ましい。
【0026】
組成物は、混合物として、又はパーツからなるキットとして、以下、
−ラクトバチルス種に属する菌株、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス、又はラクトバチルス・ファーメンタム(L.fermentum)株;及び
−本発明の乳酸菌の株、例えばストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する株、
を含んでもよい。
【0027】
ラクトバチルス種に属する菌株は、多糖(例えば、ヘテロ多糖、ホモ多糖)及び/又はフルクトシルトランスフェラーゼ酵素を産生するラクトバチルス種に属する菌株であることが現在好ましい。
【0028】
組成物は、少なくとも10exp10CFU(細胞形成単位)のラクトバチルス種に属する菌株;及び少なくとも10exp10CFUのストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株を含んでもよい。
【0029】
組成物は、好ましくはスターター培養として使用可能であり、凍結、凍結乾燥、又は液体形態である。
【0030】
他の態様では、本発明は、本発明の乳酸菌、菌株、又は組成物で乳基質(例えば牛乳)を発酵させることを含む、発酵乳製品(milk product)/乳製品(dairy product)を生産するための方法に関する。
【0031】
本方法は、さらにラクトバチルス種に属する菌株、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス、又はラクトバチルス・ファーメンタム、例えばLB18、CHCC10019(DSM19252)、DSM22584、又はCHCC3984(DSM19251)からなる群から選択される菌株、及びこれらの菌株の任意の変異体(mutant)及び変異体(variant)で乳基質を発酵させることを含んでもよい。
【0032】
乳基質は、ラクトバチルス種に属する菌株での発酵の前、最中、後に、前記の菌株又は細菌、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株で発酵させてもよい。
【0033】
本方法は、発酵の前、最中、及び/又は後に、乳基質に、例えば、以下:タンパク質を架橋することができる酵素、トランスグルタミナーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、キモシン、及びレンネットからなる群から選択される酵素を添加することを含んでもよい。
【0034】
他の態様では、本発明は、本発明の方法により得ることのできる乳製品、例えば発酵乳製品(例えばヨーグルト又はバターミルク)、又はチーズ(例えばフレッシュチーズ又はパスタ・フィターラ)に関する。発酵乳製品は、例えば、撹拌型製品、又はセット型製品でもよい。
【0035】
乳製品は、以下:果実濃縮物、シロップ、プロバイオティック細菌培養、着色剤、増粘剤、香料、及び保存剤からなる群から選択される成分を任意で含んでもよく;及び/又はそれは任意で撹拌型製品、セット型製品、又は飲料製品の形態である。
【0036】
また本発明は、本発明の乳酸菌(例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株、例えばDSM22884)、及びラクトバチルス・ブルガリクス、及びラクトバチルス・ファーメンタム(例えば、CHCC10019(DSM19252)、CHCC3984(DSM19251)、及びCHCC2008(DSM22584))から選択される乳酸菌種で、乳基質(例えば牛乳)を発酵させることにより作られる乳製品に関する。
【0037】
本発明の興味深い乳製品では、例えば、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定された場合、100Pa超(例えば、102超、又は104Pa超)の粘性を有する。現在好ましい実施形態では、100Pa超の粘性は、細菌細胞の増殖単独により得られるが、しかし高い粘性値は、化合物、例えばゼラチン、カラギーナンなどの添加により得ることができる。
【0038】
定義
本明細書で用いられるように、用語「乳酸菌」とは、グラム陽性、微好気性又は嫌気性細菌を指し、それは、主に産生される酸として乳酸、酢酸、プロピオン酸を含む酸の産生と共に糖を発酵させる。工業的に最も有用な乳酸菌は、「ラクトバチルス」目内で発見されており、それは、ラクトコッカス種、ストレプトコッカス種、ラクトバチルス種、ロイコノストック種、シュードロイコノストック(Pseudoleuconostoc)種、ペディオコッカス種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、エンテロコッカス(Enterococcus)種、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)種を含む。加えて、偏性嫌気性細菌、ビフィズス菌、すなわちビヒトバクテリウム(Bifidobacterium)種の群に属する、乳酸を産生する細菌は、一般的に乳酸菌の群に含まれる。これらは、単独で、又は他の乳酸菌と組み合わせて、しばしば食品培養物として用いられる。ラクトバチラス種、及びストレプトコッカス・サーモフィラスの細菌を含む乳酸菌は、通常、バルクスターター増殖のための凍結又は凍結乾燥された培養物として、又は乳製品、例えば発酵乳製品の製造のための発酵ベッセル又はバットへの直接植菌を意図した、いわゆる「直接バット投入(Direct Vat Set)」(DVS)培養物として、乳業に供給される。そのような培養は、一般的に「スターター培養」又は「スターター」として呼ばれる。
【0039】
用語「乳」とは、任意の哺乳動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、又はラクダを搾乳することにより得られる乳状分泌物として理解される。好ましい実施形態では、乳は牛乳である。乳なる用語はまた、植物原料から作られるタンパク質/脂肪溶液、例えば、豆乳をまた含む。
【0040】
用語「乳基質」とは、本発明の方法に従って発酵に供されることができる任意の未加工及び/又は加工された乳原料でもよい。従って、有用な乳基質は、任意の乳又はタンパク質を含む乳様製品の溶液/懸濁液、例えば、全又は低脂肪乳、スキムミルク、バターミルク、再構成乳粉末、コンデンスミルク、粉ミルク、ホエー、ホエー透過物、乳糖、乳糖の結晶化由来の母液、ホエータンパク質濃縮物、又はクリームを含むがこれに限定されない。言うまでもなく、乳基質は、例えば、実質的に純粋な哺乳動物乳、又は還元乳粉末である任意の哺乳動物由来でもよい。
【0041】
発酵の前に、乳基質は、当該技術分野で知られている方法に従って、均質化及び殺菌されてもよい。
【0042】
「均質化すること」とは、本明細書で用いられるように、可溶性懸濁液又はエマルジョンを得るために激しく混合することを意味する。均質化が発酵の前に行われる場合、それは、乳脂肪が乳から分離しないように、小さいサイズに分散するように行われる。これは、乳を高圧で小孔に強制的に通すことにより達成され得る。
【0043】
「殺菌すること」とは、本明細書で用いられるように、生きている有機体、例えば微生物の存在を減少させる、又は取り除くための、乳基質の処理を意味する。好ましくは、殺菌は、特定の時間、特定の温度を維持することにより達成される。特定の温度は、通常加熱により達成されてもよい。温度及び持続時間は、特定の細菌、例えば有害な細菌を殺す又は不活性にするために選択されてもよい。急速に冷却するステップが続いてもよい。
【0044】
本発明の方法における「発酵」とは、微生物の作用を介して、アルコール又は酸への糖類の変換を意味する。好ましくは、本発明の方法における発酵は、乳糖の乳酸への変換を含む。
【0045】
発酵乳製品の製造に用いられる発酵プロセスはよく知られており、当業者は、好適なプロセス条件、例えば温度、酸素、微生物(単数又は複数)の量及び/又は特性、及び処理時間をどのように選択するかを知っている。言うまでもないが、発酵条件は、本発明の達成を支持するために、すなわち、固体又は液体形態における乳製品(発酵乳製品)を得るために選択される。
【0046】
用語「撹拌型製品」とは、発酵ステージ下で形成される凝塊の分解及び液状化をもたらす、機械的処理を発酵後に持続する、発酵乳製品を特に意味する。機械的処理は、典型的には、ゲルを撹拌すること、ポンピングすること、濾過すること、又は均質化することにより、又は他の成分と共にそれを混合することにより得られるがこれに限らない。撹拌型製品は、典型的には9〜15%の無脂肪含量の乳固体を有するがこれに限らない。
【0047】
用語「セット型製品」とは、スターター培養、例えばスターター培養で植菌され、植菌ステップの次にパッケージ化され、その後パッケージ中で発酵する乳に基づく製品を含む。
【0048】
本文脈において、用語「変異体(mutant)」とは、例えば、遺伝子操作、放射線及び/又は化学処理により、本発明の菌株由来の菌株として理解されるべきである。変異体は、機能的に同等な変異体、例えば、母株のように、実質的に同等又は改良された特性(例えば、質感、せん断応力、粘性、ゲル剛性、マウスコーティング(mouth coating)、風味、後酸性化(post acidification)、酸性化速度、及び/又はファージ頑健性(phage robustness)に関して)を有する変異体であることが好ましい。そのような変異体は、本発明の一部である。
【0049】
特に、用語「変異体(mutant)」とは、化学的突然変異原、例えばエタンメタンスルホン酸(EMS)、又はN‐メチル‐N’‐ニトロ‐N‐ニトログアニジン(NTG)、UV光での処理を含む任意の従来から用いられている変異誘発処理に、本発明の菌株を、供することにより得られる菌株、又は自発的に生じる変異体(mutant)を意味する。変異体(mutant)は、いくつかの変異誘発処理(1回の処理は、スクリーニング/選択ステップが後に続く、1回の変異誘導ステップであると理解されるべきである)に供されるが、しかし20回以下、又は10回以下、又は5回以下の処理(又はスクリーニング/選択ステップ)が行われることが目下好ましい。目下好ましい変異体では、細菌のゲノムにおいて、5%未満、又は1%未満、又は0.1%未満のヌクレオチドが、母株と比較して、別のヌクレオチドに変化している、又は欠損している。本文脈において、用語「変異体(variant)」とは、例えば、実質的に同等又は改良された特性(例えば、質感、せん断応力、粘性、ゲル剛性、マウスコーティング(mouth coating)、風味、後酸性化(post acidification)、酸性化速度、及び/又はファージ頑健性(phage robustness)に関して)を有する本発明の菌株と機能的に同等である菌株として理解されるべきである。適切なスクリーニング技術を用いて同定され得るそのような変異体(variant)は、本発明の一部である。
【0050】
本文脈において、「質感」は、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定される。質感の分析のために用いられるアッセイ:
インキュベーションの翌日、発酵乳は13℃に移され、サンプルが均質になるまで、穴の開いたディスクが取り付けられた棒により、穏やかに撹拌された。サンプルのレオロジー学的性質は、C25同軸ケーブル測定系を備えたレオメーター(StressTech,Reologica Instruments,Sweden)上で評価された。粘性試験は、21ステップで0.27から300 1/sまで変化するせん断率で行われた。せん断率は、上昇させ、その後減少させ、せん断応力の上昇及び下降曲線、並びに見かけの粘性は記録された。遅延及び積分時間はそれぞれ5秒及び10秒であった。
【0051】
本発明を記載する文脈において(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」、及び「an」、及び「the」及び同様の指示語の使用は、本明細書で他に指示されない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の双方を網羅すると解釈される。用語「含むこと(comprising)」、「有すること(having)」、「含むこと(including)」、及び「含むこと(containing)」は、他に記載のない限り、制約のない用語(すなわち、「含むがこれに限定されないこと(including,but not limited to)」を意味する)として解釈される。本明細書での値の範囲の記述は、本明細書で他に指示のない限り、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個別に示す簡単な方法として役割を果たすことが意図されるにすぎず、あたかもそれが本明細書で個別に詳述されたように、それぞれの別個の値は、明細書中に組み込まれる。本明細書で記述される全ての方法は、本明細書で他に指示のない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行われ得る。本明細書で提供されるありとあらゆる実施例、又は例示的な言語(例えば、「例えば」)の使用は、発明をより理解することを意図するにすぎず、他に請求のない限り、本発明の範囲について制限を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に必須である任意の請求されない要素を指すものとして解釈されるべきである。
【実施例】
【0052】
実施例1 ストレプトコッカス株のガラクトース陽性変異体の調製
ガラクトース発酵菌株の単離
変異体は、ストレプトコッカス・サーモフィラス菌株CHCC6008(=ST6008、DSM18111)のガラクトース発酵変異体として単離された。CHCC6008細胞は、変異体単離ステップの前に、任意の変異原性化合物によっても、又はUV光によっても変異誘発されなかった。従って単離された菌株は、CHCC6008の自然発生的なガラクトース陽性変異体に似ている。
【0053】
変異体単離の前に、CHCC6008は、2%ガラクトースを含むM17アガープレート(M17‐galプレート)上に縞状に播かれた。CHCC6008は唯一の炭水化物源としてガラクトース上で増殖しなかった。
【0054】
CHCC6008の一晩の培養は、その後M17‐galプレート上にプレートされ、いくつかのコロニーは、37℃で2日の培養後、単離されることができた。いくつかの変異体は、M17‐galプレート上で精製され、唯一の炭水化物として2%ガラクトースを含むM17培地で再試験された。
【0055】
CHCC6008が、M17‐gal培地においてpHを有意に下げなかった一方で、精製された変異体の一つであるCHCC11379は、37℃で10時間後に5.3のpHに達し、従って、CHCC6008由来のガラクトースを発酵する変異体と考えられた。
【0056】
CHCC11342及びCHCC11976は、同様の方法で単離された。
【0057】
遺伝子操作による変異体の単離
ガラクトース陽性変異体はまた、部位特異的変異導入により作られ得る。galK‐10プロモーターボックス内の変異導入されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドは、PCRにより特異的DNAフラグメントを増幅するために用いられた。所望の変異を有するPCRフラグメントは、ベクタープラスミドにクローン化され、ストレプトコッカス・サーモフィラス標的菌株に形質転換され、変異は染色体に統合され、組み換えにより野生型galKプロモーター領域を交換する。菌株の単離は上記のように行われる。
【0058】
発酵乳における質感の分析
インキュベーションの翌日、発酵乳は13℃に移され、サンプルが均質になるまで、穴の開いたディスクが取り付けられた棒により、穏やかに撹拌された。サンプルのレオロジー学的性質は、C25同軸ケーブル測定系を備えたレオメーター(StressTech,Reologica Instruments,Sweden)により評価された。粘性試験は、21ステップで0.27から300 1/sまで変化するせん断率で行われた。せん断率は、上昇させ、その後減少させ、せん断応力の上昇及び下降曲線、並びに見かけの粘性は記録された。遅延及び積分時間はそれぞれ5秒及び10秒であった。さらなる分析のために、300 1/sでのせん断応力が選択された。レオメーターの結果は、CHCC11379が、CHCC6008と比較して、10%まで上昇したせん断応力を有することが示された(母株CHCC6008についての67.5Pa(パスカル)と比較して、CHCC11379についてのせん断応力値74.0Pa、図1を参照のこと)。
【0059】
乳における質感の分析
別の実験では、CHCC11379は、ストレプトコッカス・サーモフィラス由来の菌株が、種ラクトバチルスデルブリュッキ(Lactobacillus delbrueckii)の亜種であるブルガリクス由来の菌株と一緒に、43℃のスキムミルク中で共培養される、ヨーグルト培養の一部として用いられた。ヨーグルトの製造においての唯一の違いが、野生型CHCC6008の変わりのCHCC11379の使用であった場合、せん断応力はまた、10%まで増加した。(CHCC6008を含むヨーグルト培養についての94.7Paと比較して、CHCC11379を含むヨーグルト培養について105.0Pa)。
【0060】
CHCC11379由来のgalKプロモーター領域の配列決定
gal陽性変異体CHCC11379についての変異の種類を明らかにするために、galK遺伝子(ストレプトコッカス・サーモフィラス由来のガラクトキナーゼについてコードする)の先頭は、配列決定された。CHCC11379について、galKプロモーターの領域における変異は、同定された(下記を参照のこと)。それぞれの変異は、母株6008と比較して強力なプロモーター活性を導く可能性が高く、観察されるガラクトース陽性表現型を説明する。これは、−10プロモーターボックスの共通配列が「TATAAT」であり、CHCC6008の‐10ボックス(領域)のヌクレオチド3における変異(「TACGAT」)が、CHCC11379中の共通配列と高い相同性を有する‐10ボックス(「TATCAT」)を導くという事実に基づく。
【0061】
【表1】

【0062】
CHCC11379由来のgalK遺伝子のプロモーター領域。CHCC11379galKプロモーター内の点変異は、灰色の記号で示される。ストレプトコッカス・サーモフィラスST111由来の公知のgalK配列(Genbank受託番号 AY704368)は、比較として示される。−35:−35‐プロモーター領域;−10:−10‐プロモーター領域;RBS:リボソーム結合部位。
【0063】
この発明の好ましい実施形態は、本明細書で記述され、発明を実施するための、発明者らが知っているベストモードを含む。これらの好ましい実施形態のバリエーションは、先の記述を読んだ場合、当業者に明らかになり得る。発明者らは、当業者らが必要に応じてそのようなバリエーションを用いることを予測し、本発明者らは、発明が本明細書で特に記述されるようでなく実施されることを意図する。従って、この発明は、適用法により認められるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に詳述される主題の全ての変更物及び同等物を含む。さらに、その全ての可能なバリエーションにおける上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書で他に指示のない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明により網羅される。
【0064】
寄託及び専門的解決方法
菌株ストレプトコッカス・サーモフィラスCHCC11379は、2009年8月26日に、受託番号DSM22884の下にDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH,Inhoffenstr.7B,D−38124 Braunschweig,Germany)に寄託された。
ストレプトコッカス・サーモフィラス(ST)菌株ST6008(CHCC6008とも称される)のサンプルは、受託日2006年3月29日に、受託番号DSM18111でDSMZに寄託された。CHCC11342(DSM22932)及びCHCC11976(DSM22934)は、2009年9月8日にDSMZに寄託された。
【0065】
DSMZにおけるさらなる寄託:
CHCC10019(DSM19252)、CHCC3984(DSM19251):寄託日2007年4月3日、
CHCC2008(DSM22584):寄託日2009年5月19日。
【0066】
寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブタペスト条約の条件下で行われた。
【0067】
出願人は、寄託された微生物のサンプルは、出願人により承認された専門家にのみ入手されるべきであると要求する。
【0068】
参考文献
Appl.Environ,Microbiol.71,7,p.3659−67(2005)
International Journal of Food Microbiology 113(2007)195−200
APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY,Feb.2002,p.784−790
J Dairy Sci 92:477−482(2009)
WO2008/040734A1,WO2007/025097A2,US7241610B2,WO2007/144770A2,
WO2004/085607A,WO2008/148561A
【0069】
この特許書類で引用された全ての参考文献は、それらの全体が参照によりここで本明細書に援用される。
【0070】
【表2】

【0071】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)該菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む、方法。
【請求項2】
母株と比較して発酵乳において高い粘性(例えば、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定される)を生じる乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)該菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
発酵乳において約70Pa超の粘性(例えば、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定される)を生じる乳酸菌を製造するための方法であって、以下:
a)乳酸菌株(母株)を提供すること;及び
b)該菌株のGalK遺伝子に変異を導入すること、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
以下:
c1)質感を生じる変異株、例えば母株と比較してより質感を生じる、又は乳基質の粘性を増加させる菌株をスクリーニングすること;及び
c2)Gal+表現型、例えば母株と比較して改良されたガラクトース分解/発酵活性を有する変異株をスクリーニングすること、
からなる群から選択される、一又は複数のさらなるステップ(単数又は複数)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
変異が、遺伝子のプロモーター領域中に導入される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
変異が遺伝子の−10領域(プリブノーボックス)中に導入される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
変異が、野生型の−10領域(TACGAT、配列番号1)におけるC及びGの一つ又は双方と、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドとの置き換えをもたらす、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
変異が、野生型の−10領域(TACGAT、配列番号1)のCと、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドとの置き換えをもたらす、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
変異が、野生型の−10領域(TACGAT、配列番号1)のCと、Tとの置き換えをもたらす、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
変異が、ヌクレオチド配列TATGAT(配列番号2)、TATTAT(配列番号3)、又はTACTAT(配列番号4)を有する−10領域をもたらす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
変異が遺伝子操作技術の使用により導入される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
変異が、突然変異生成により、例えば放射線又は化学物質で処理により導入され、GalK遺伝子中の変異を検証するために、続いて任意でGalK遺伝子の分析を行う、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
細菌が、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)種に属する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法により得られる乳酸菌。
【請求項15】
例えば、37℃で12時間培養後、せん断応力として測定された場合、発酵乳において約70Pa超(例えば73Pa超)の粘性を生じる乳酸菌。
【請求項16】
GalK遺伝子の−10領域中に(野生型の−10領域(TACGAT、配列番号1)と比較して)変異を有する乳酸菌であって、変異が、ヌクレオチド配列TATGAT(配列番号2)、TATTAT(配列番号3)、又はTACTAT(配列番号4)を有する−10領域をもたらす乳酸菌。
【請求項17】
変異が、野生型の−10領域(TACGAT、配列番号1)中のCと、A及びTからなる群から独立して選択されるヌクレオチドとの置き換えをもたらす、GalK遺伝子の−10領域中に変異を有する乳酸菌。
【請求項18】
前記変異がCのTとの置換をもたらす、請求項14〜17のいずれか一項に記載の乳酸菌。
【請求項19】
配列番号5、又は−35領域及び−10領域を含むそのプロモーター領域を含む、乳酸菌。
【請求項20】
ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の乳酸菌。
【請求項21】
CHCC11379(DSM22884)、CHCC11342(DSM22932)、CHCC11976(DSM22934)、及びこれらの任意の変異体(mutant)及び変異体(variant)からなる群から選択される、ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する細菌株。
【請求項22】
例えば、菌株CHCC11379に属する細菌を含む組成物である、請求項14〜21のいずれか一項に記載の乳酸菌を含む組成物。
【請求項23】
混合物として、又はパーツからなるキットとして、以下:
‐ラクトバチルス種に属する菌株;及び
‐請求項14〜22のいずれか一項に記載の乳酸菌の菌株、
を含む、組成物。
【請求項24】
ラクトバチルス種に属する菌株が、多糖(例えば、ヘテロ多糖、ホモ多糖)及び/又はフルクトシルトランスフェラーゼ酵素を産生するラクトバチルス種である、請求項22又は23に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも10exp10CFU(細胞形成単位)のラクトバチルス種に属する菌株;及び少なくとも10exp10CFUのストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株を含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
スターター培養として使用可能であり、凍結、凍結乾燥、又は液体形態である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
請求項14〜21のいずれか一項に記載の乳酸菌、請求項14〜21のいずれか一項に記載の菌株、又は請求項22〜26のいずれか一項に記載の組成物で、乳基質を発酵させることを含む、発酵乳製品(milk product)/乳製品(dairy product)を製造するための方法。
【請求項28】
ラクトバチルス(Lactobacillus)種に属する菌株、例えばラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)、又はラクトバチルス・ファーメンタム(L.fermentum)の菌株、例えば、LB18、CHCC10019(DSM19252)、CHCC2008(DSM22584)、又はCHCC3984(DSM19251)、及びこれらの菌株の任意の変異体(mutant)及び変異体(variant)からなる群から選択される菌株で、乳基質を発酵させることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
乳基質が、ラクトバチルス種に属する菌株で発酵させる前、最中、後に、請求項14〜21のいずれか一項に記載の菌株又は細菌、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株で発酵される、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
発酵の前、最中、及び/又は後に、乳基質に酵素、例えば、以下:タンパク質を架橋することのできる酵素、トランスグルタミナーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、キモシン、及びレンネットからなる群から選択される酵素を添加することを含む、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法により得られる、例えば発酵乳製品(例えばヨーグルト又はバターミルク)、又はチーズ(例えばフレッシュチーズ又はパスタ・フィターラ)などの乳製品。
【請求項32】
果実濃縮物、シロップ、プロバイオティック細菌培養物、着色剤、増粘剤、香料、及び保存剤からなる群から選択される成分を任意で含み;及び/又は任意で撹拌型製品、セット型製品、又は飲料製品の形態である、請求項31に記載の乳製品。
【請求項33】
乳基質(例えば牛乳)を、本発明の乳酸菌(例えばストレプトコッカス・サーモフィラス種に属する菌株、例えばDSM22884)、及びラクトバチルス・ブルガリクス及び/又はラクトバチラス・ファーメンタムから選択される乳酸菌で発酵させることにより作られる、請求項31又は32に記載の乳製品。
【請求項34】
せん断応力として測定された場合、100Pa超の粘性を有する、請求項31〜33のいずれか一項に記載の乳製品。

【図1】
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【公表番号】特表2013−503604(P2013−503604A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526081(P2012−526081)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062808
【国際公開番号】WO2011/026863
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(503260310)セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ (23)
【Fターム(参考)】