説明

エクセナチドの経口投与用の方法および組成物

本発明は、バイエッタ、魚油、および、プロテアーゼインヒビターを含む組成物と、同じ組成物を投与する工程を備える、真性糖尿病を処置する方法と、バイエッタを経口または直腸投与するための方法とを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクセナチドを含む経口組成物、および、その経口組成物の投与方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
生物工学の進歩により、医薬品産業にとっての生物学的に活動的なペプチドの利用可能性はかなり上昇した。しかしながら、ペプチド薬の発達における限定因子は、経口的に与えられる場合の相対的な無効性である。非経口的に投与されたペプチド薬は往々にして患者の低コンプライアンスに関連するが、ほぼ全てのペプチド薬は非経口的に投与される。
【0003】
エクセナチドは、II型糖尿病を患う患者がメトホルミンでは最適に調節されない際に、食品医薬品局によって承認された補助的療法のためのグルカゴン様ペプチド(GLP−1)アゴニストである。これは、インクレチン模倣薬であり、グルカゴンの分泌を抑制して胃内容排出を遅らせる一方で、エクセナチドの分泌を強化する。
【0004】
エクセナチド(バイエッタとして市販)は、Amylin Pharmaceuticals、および、EliLillyandCompanyによって製造および販売されている。 エクセナチドは、南アメリカ諸州に固有のトカゲ、アメリカドクトカゲの唾液中のホルモンである、エキセンディン−4の合成バージョンである。エクセナチドに対する典型的なヒトの反応は、内因性インスリンの初回の迅速な放出、膵臓グルカゴンの放出の抑制、胃内容排出遅延、および、食欲低下―これらはすべて血糖を低下させるよう機能する―を改善させることを含む。スルホニル尿素およびメグリチニドとは異なり、エクセナチドは、グルコースのみの存在下でインスリンの合成および分泌を増加させ、 低血糖のリスクを減少させる。バイエッタは、インスリン抵抗性を処置する医師によっても用いられる。
【0005】
エクセナチドは、食事に対する膵臓の反応を増強させる(つまり、インスリン分泌を増やす)。その結果として、より多くのさらに適した量のインスリンが放出され、食事による血糖の上昇を抑える。血糖値が標準値近くまで減少すると、インスリンを産生する膵臓の反応は減少する。しかしながら、他の薬物(インスリン注射剤のような)は、血糖を低下させるのに効果的であるが、標的に「度を超えて働き掛け」、血糖が低くなりすぎてしまい、低血糖の危機的な状態をもたらすことがある。
【0006】
エクセナチドは、食事に対するグルカゴンの膵臓放出も抑制し、これによって、不必要な際に肝臓が糖を過剰産生するのを妨げることで、高血糖(高血糖値)を防ぐ。
【0007】
エクセナチドは胃内容排出を遅らせるのに役立ち、食事由来のグルコースが血流中に現れる割合を減少させる。
【0008】
エクセナチドは、食欲を減退させるための、わずかだが持続的な効果を有しており、したがって、体重増加を防ぐこともある。エクセナチドを用いる多くの人々は徐々に体重を減らし、一般的に、最大の体重減少は、エクセナチド治療の初期に最も太り過ぎている人々によって達成される。臨床試験によって、体重減少効果が、2.25年の連続使用を通して、同じ割合で継続することが示されている。体重減少の四分位に分けると、最大で25%が実質的な体重減少を経験し、最小で25%が体重減少も若干の体重増加も経験していない。
【0009】
エクセナチドは肝臓の脂肪分を減少させる。肝臓での脂肪蓄積または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、幾つかの代謝性疾患、特に、II型糖尿病患者に存在する、HDLコレステロールおよび高トリグリセリドに強く関連している。エクセナチドがマウス中の肝臓脂肪を減少させ、最近では、ヒトにおける肝臓脂肪を減少させたことが明らかになった。
【0010】
エクセナチドは、分子量が4186.6の、39のアミノ酸からなるポリペプチドである。エクスビボでのヒトの胎盤かん流研究は、胎児側で最小値を検出した(胎生:母体の割合は、0.017)
【0011】
エクセナチドは、現在では、皮下注射として投与され、一般的には、スルホニル尿素またはメトホルミンと同時に投与される。エクセナチドは、空腹時血糖値を低下させる適度な効果を有するが、食後のグルコースを著しく減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、エクセナチドを投与するための代替的な解決法の必要性に対処している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、1つの実施形態において、エクセナチドとプロテアーゼインヒビターを含む組成物を提供し、組成物は、経口医薬組成物または直腸医薬組成物である。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、被験体に、エクセナチドを経口または直腸投与するための方法を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、前記被験体の腸管粘膜バリアまたは直腸組織を介した吸収後もその活性を維持し、この方法は、前記エクセナチドを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備える。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、被験体の真性糖尿病を処置するための方法を提供し、この方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、真性糖尿病を処置する。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、被験体の食物摂取量を減少させるための方法を提供し、この方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の食物摂取量を減少させる。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、被験体の胃運動を減少させるための方法を提供し、この方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の胃運動を減少させる。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、被験体の血漿グルカゴンを減少させるための方法を提供し、この方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の血漿グルカゴンを減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、イヌの対照群と比較した、経口剤形のエキセンディン−4の血糖降下作用を示すグラフである。
【図2】図2は、直腸剤形(ハードゼラチンカプセル、100μgのエキセドリン−4)、注射剤形(2.5 μgのByetta GeneScriptおよび2.5μgのByetta Commercial)、および、イヌの対照群の、血糖降下作用を比較するグラフであり、値はΔ時間0として計算される(時間0の血糖濃度は、与えられた時間に獲得される各値から推論された)。
【図3】図3は、イヌにおける、経口剤形(100μgのエキセドリン−4)、対照群、および、注射剤形(2.5 μgのバイエッタGeneScript、および、2.5μgのバイエッタCommercial)の血糖降下作用を比較するグラフである(時間0の血糖濃度は、与えられた時間に獲得される各値から推論された)。
【図4】GLP‐1アナログの空腸への直接的な点滴注入は、グルコース負荷後のグルコース可動域を著しく(ss)抑制した(プラシーボとの比較、および、別のグループのなかでの比較の双方)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む、組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとプロテアーゼインヒビターとを含む組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドと、EDTAおよびその塩(Na−EDTAなど)などのエンハンサーとを含む、組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとNa−EDTAとを含む組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とNa−EDTAとを含む、組成物および方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドを含む経口組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとNa−EDTAとを含む経口組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とNa−EDTAとを含む経口組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとNa−EDTAとを含む直腸組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とNa−EDTAとを含む直腸組成物を提供する。1つの実施形態において、本発明は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む組成物を提供する。本明細書で提供されるように(例)、このような組成物は、エクセナチドの経口投与において有用性を有し、これによって、エクセナチドが活性化形態で腸によって血流に吸収される。
【0021】
別の実施形態において、バイエッタは、活性化成分エクセナチドの商標名である。別の実施形態において、エクセナチドはAC2993と名付けられ、合成エキセンディン−4である。別の実施形態において、エクセナチドは、39−アミノ酸ペプチドである。別の実施形態において、エクセナチドは、アミノ酸配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列ID番号1)を含む。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1のアミノ酸配列を含有する。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1と少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1と少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1と少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態において、エクセナチドは、配列ID番号1と少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。
【0022】
別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、糖尿病の治療に効果的である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、インスリンの分泌を高める。別の実施形態において、エクセナチドは、グルコース依存性のインスリンの分泌を高める。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、高グルカゴン分泌を抑制する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、胃内容排出速度を遅らせる。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、膵臓グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)受容体と結合する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、食物摂取量を減少させる。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、体重の減少をもたらす。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、インスリン抵抗性改善作用を含む。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、II型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド経口または直腸製剤は、スルホニル尿素またはメトホルミン単独で、または、これらを組み合わせて処置するII型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する。
【0023】
別の実施形態において、エクセナチドは、哺乳類のGLP−1と重なる53%アミノ酸配列を含むエキセンディン−4である。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、DPP−IV分解に耐性がある。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、食後の血糖を減少させる。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、インスリンとアミリンの放出を誘発する。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、体重の増加とは無関係である。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、食後の血清トリグリセリド濃度を減少させる。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤は、エクセナチドを含む注射製剤ほど多くの有害事象を引き起こさない。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤を用いる処置は、吐き気をもたらさない。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤を用いる処置は、軽度の吐き気しかもたらさない。別の実施形態において、エクセナチドを含む経口または直腸製剤を用いる処置は、胃不全麻痺を引き起こさない。
【0024】
別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、10mcg乃至1mgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、10mcg乃至25mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、25mcg乃至50mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、50mcg乃至60mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、60mcg乃至70mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、70mcg乃至80mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、80mcg乃至90mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、90mcg乃至100mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、100mcg乃至110mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、110mcg乃至125mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、125mcg乃至150mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、150mcg乃至175mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、175mcg乃至200mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、200mcg乃至220mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、220mcg乃至240mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、240mcg乃至260mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、260mcg乃至300mcgである。
【0025】
別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、300mcg乃至350mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、350mcg乃至400mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、400mcg乃至450mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、450mcg乃至500mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、550mcg乃至600mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、600mcg乃至700mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、700mcg乃至800mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、800mcg乃至900mcgである。別の実施形態において、本明細書に記載の製剤中のエクセナチドの量は、900mcg乃至1mgである。
【0026】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、一日に1度摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、一日に2度摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、一日に3度摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、一日に4度摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、一日に5度摂取される。別の実施形態において、当業者は、本明細書に記載のエクセナチド製剤の投与量を決定する。別の実施形態において、当業者は、本明細書に記載のエクセナチド製剤の一日当たりの投与量を決定する。別の実施形態において、当業者は、本明細書に記載のエクセナチド製剤の一日当たりの投与計画を決定する。
【0027】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも15分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも30分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも45分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも60分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも75分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも90分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも100分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも120分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも150分前に摂取される。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、食事の少なくとも180分前に摂取される。
【0028】
別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを含む注射用剤形に関連する副作用を減少させる。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを含む注射用剤形に関連する副作用としての吐き気を減少させる。別の実施形態において、本明細書に記載のエクセナチド製剤は、エクセナチドを含む注射用剤形に関連する副作用としての吐き気を誘発しない。
【0029】
別の実施形態において、徐放用剤形(例えば、徐放用マイクロカプセル化)の使用によって、処置の頻度を一日1度または2度に減らすことが可能である。別の実施形態において、エクセナチドの投与量は投与頻度の減少に応じて増加する。
【0030】
エクセナチドの各々の量は、本発明の別の実施形態を表す。エクセナチドレベルを測定する方法は、当該技術分野でよく知られている。別の実施形態において、Cペプチドのレベルが同様に測定されることで、観察されたエクセナチドレベルの上昇に対する、内因性および外因性エクセナチドの相対的な関与を測定する。別の実施形態において、エクセナチドレベルは、当該技術分野で知られている任意の他の方法によって測定される。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0031】
幾つかの実施形態において、オメガ3脂肪酸は、チーア、エゴマ、亜麻、クルミ、スベリヒユ、コケモモ、シーバックソーン、および、アサの種などの植物源由来である。いくつかの実施形態において、オメガ3脂肪酸は、アサイーパームの果実のなかで発見されることもある。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、合成オメガ3脂肪酸の形態で提供されている。1つの実施形態において、本発明の方法および組成物のオメガ3脂肪酸は、魚油の形態で組成物に対して提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸はキャノーラ油の形態で提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は亜麻仁油の形態で提供されている。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、当該技術分野で知られている任意の他のオメガ3脂肪酸に富んだ供給源の形態で提供される。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、合成オメガ3脂肪酸の形態で提供されている。オメガ3脂肪酸の各々の形態は本発明の別の実施形態を表す。
【0032】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物のオメガ3脂肪酸は、オメガ3多価不飽和脂肪酸である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、DHA、オメガ3多価不飽和の、22−カルボン脂肪酸であり、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸としても表される。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、α−リノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸(octadecatrienoic acid))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、ステアリドン酸(6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸(octadecatetraenoic acid))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸はエイコサトリエン酸(ETA;11,14,17−エイコサトリエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸はエイコサテトラエン酸(8,11,14,17−エイコサテトラエン酸)である。1つの実施形態において、オメガ3脂肪酸はエイコサペンタエン酸(EPA;5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、エイコサヘキサエン酸(「EPA」としても表される;5,7,9,11,14,17−エイコサヘキサエン酸(eicosahexaenoic))である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、ドコサペンタエン酸(DPA;7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、テトラコサヘキサエン酸(6,9,12,15,18,21−テトラコサヘキサエン酸)である。別の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、当該技術分野において知られている任意の他のオメガ3脂肪酸である。オメガ3脂肪酸の各々は、本発明の別の実施形態を表す。
【0033】
別の実施形態において、本発明の組成物は、プロテアーゼインヒビターをさらに含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2つのプロテアーゼインヒビターの組み合わせをさらに含む。本明細書で提供されるように、プロテアーゼインヒビターは、エクセナチドを保護するとともに腸でのその吸収を促進するオメガ3脂肪酸の能力を高める。
【0034】
幾つかの実施形態において、プロテアーゼインヒビターはペプチダーゼの機能を抑制する。1つの実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、本発明のタンパク質を保護するとともに腸でのその吸収を促進するオメガ3脂肪酸の能力を高める。幾つかの実施形態において、本発明のプロテアーゼインヒビターはタンパク質である。幾つかの実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、システインプロテアーゼインヒビター、セリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)、トリプシンインヒビター、トレオニンプロテアーゼインヒビター、アスパラギン酸プロテアーゼインヒビター、メタロプロテアーゼインヒビターを含む。幾つかの実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、自殺阻害剤、遷移状態阻害剤、またはキレート剤を含む。
【0035】
1つの実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、ダイズトリプシンインヒビター(SBTI)である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターは、AEBSF−HClである。別の実施形態において、インヒビターは、(イプシロン)−アミノカプロン酸である。別の実施形態において、インヒビターは、(アルファ)1−アンチキモトリプシンである。別の実施形態において、インヒビターは、アンチパインである。別の実施形態において、インヒビターはアンチトロンビンIIIである。別の実施形態において、インヒビターは、(アルファ)1−アンチトリプシン([アルファ]1−プロテアーゼインヒビター)である。別の実施形態において、インヒビターは、APMSF−HCl(4−アミジノフェニル−メタンスルホニル−フルオライド)である。別の実施形態において、インヒビターは、スプロチニン(sprotmin)である。別の実施形態において、インヒビターは、ベンズアミジン−HClである。別の実施形態において、インヒビターは、キモスタチンである。別の実施形態において、インヒビターは、DFP(ジイソプロピルフルオロリン酸)である。別の実施形態において、インヒビターは、ロイペプチンである。別の実施形態において、インヒビターは、PEFABLOC(登録商標)SC(4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオライド塩酸塩(benzenesulfonyl fluoride hydrochloride)である。別の実施形態において、インヒビターは、PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)である。別の実施形態において、インヒビターは、TLCK(1−クロロ−3−トシルアミド−7−アミノ−2−ヘプタノンHCl)である。別の実施形態において、インヒビターは、TPCK(1−クロロ−3−トシルアミド−4−フェニル−2−ブタノン)である。別の実施形態において、インヒビターは、卵白(オボムコイド)からのトリプシンインヒビターである。別の実施形態において、インヒビターは、大豆からのトリプシンインヒビターである。別の実施形態において、インヒビターは、アプロチニンである。別の実施形態において、インヒビターは、イセチオン酸ペンタミジンである。別の実施形態において、インヒビターは、ペプスタチンである。別の実施形態において、インヒビターは、グアニジウムである。別の実施形態において、インヒビターは、アルファ2−マクログロブリンである。別の実施形態において、インヒビターは、亜鉛のキレート剤である。別の実施形態において、インヒビターは、ヨード酢酸である。別の実施形態において、インヒビターは、亜鉛である。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0036】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法および組成物に用いられるプロテアーゼインヒビターの量は、0.1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.3mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.4mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.6mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.8mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1.5mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、2.5mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、3mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、5mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、7mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、10mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、12mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、15mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、30mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、50mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、70mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、100mg/投与量単位である。
【0037】
別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.1−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.2−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.3−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.5−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.1−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.2−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.3−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、0.5−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、2−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、3−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、5−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、2−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、3−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、5−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、10−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、10−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、20−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、30−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、50−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、10−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、20−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、30−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、50−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、100−200mg/投与量単位である。
【0038】
別の実施形態において、本明細書の方法および組成物に用いられるプロテアーゼインヒビターの量は、1000k.i.u.(カリクレイン不活性化単位)/丸剤である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、10k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、12k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、15k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、20k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、30k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、40k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、50k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、70k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、100k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、150k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、200k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、300k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、500k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、700k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、1500k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、3000k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、4000k.i.u./投与量単位である。別の実施形態において、プロテアーゼインヒビターの量は、5000k.i.u./投与量単位である。
【0039】
プロテアーゼインヒビターの各々の量は、本発明の別の実施形態を表す。
【0040】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物のプロテアーゼインヒビターが標的とするプロテアーゼは、セリンプロテアーゼである。別の実施形態において、そのプロテアーゼは、トリプシンである。別の実施形態において、そのプロテアーゼは、キモトリプシンである。別の実施形態において、そのプロテアーゼは、カルボキシペプチダーゼである。別の実施形態において、そのプロテアーゼは、アミノペプチダーゼである。別の実施形態において、そのプロテアーゼは、十二指腸または小腸で機能する任意の他のプロテアーゼである。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0041】
別の実施形態において、本発明の組成物は、腸管粘膜バリアを通過するエクセナチドの吸収を高める物質をさらに含む。このような物質は、本明細書ではエンハンサーと呼ばれる。本明細書で提供されるように、エンハンサーは、オメガ3脂肪酸とともに用いられると、腸に吸収されるエクセナチドの能力を高める。
【0042】
1つの実施形態において、エンハンサーは、ジデカノイルホスファチジルコリン(DDPC)である。1つの実施形態において、エンハンサーは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはエグタズ酸(EGTA)などのキレート剤である。好適な実施形態において、EDTAはナトリウムEDTAである。いくつかの実施形態において、エンハンサーはNO供与体である。いくつかの実施形態において、エンハンサーは胆汁酸、胆汁酸のグリシン共役形態、またはアルカリ金属塩である。1つの実施形態において、吸収の強化は、α−ガラクトシダーゼとβ−マンナナーゼの組み合わせを利用することによって達成される。いくつかの実施形態において、エンハンサーはカプリン酸ナトリウムなどの脂肪酸である。1つの実施形態において、エンハンサーはグリココール酸ナトリウムである。1つの実施形態において、エンハンサーはサリチル酸ナトリウムである。1つの実施形態において、エンハンサーはn−ドデシル−β−D−マルトピラノシドである。いくつかの実施形態において、界面活性剤は吸収エンハンサーとして機能する。1つの実施形態において、エンハンサーは、N,N,N−トリメチルキトサン塩化物(TMC)などのキトサン(chitisan)である。
【0043】
1つの実施形態において、本発明のNO供与体は、3−(2−ヒドロキシ−1−(1−メチルエチル)−2−ニトロソヒドラジノ(nitrosohydrazino))−1−プロパンアミン、N−エチル−2−(1−エチル−ヒドロキシ−2−ニトロソヒドラジノ)−エタンアミン、またはS−ニトロソ−N−アセチルペニシラミンを含む。
【0044】
別の実施形態において、胆汁酸はコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はケノデオキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はタウロコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はタウロケノデオキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はグリココール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はグリコケノコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は3β−モノヒドロキシコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸はリトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は5β−コラン酸である。別の実施形態において、胆汁酸は、3,12−ジオール−7−オン−5β−コラン酸である。別の実施形態において、胆汁酸は、3α−ヒドロキシ−12−ケトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は、3β−ヒドロキシ−12−ケトコール酸である。別の実施形態において、胆汁酸は、12α−3β−ジヒドロコール酸(dihydrocholic acid)である。別の実施形態において、胆汁酸はウルソデスオキシコール酸である。
【0045】
1つの実施形態において、エンハンサーは非イオン性界面活性剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは非イオン性ポリオキシエチレンエーテル表面活性薬剤(例えば、6乃至19のHLB値を有するものであり、この場合、ポリオキシエチレン単位の平均数は4乃至30である)である。1つの実施形態において、エンハンサーは陰イオン性表面活性薬剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは陽イオン性表面活性薬剤である。1つの実施形態において、エンハンサーは両性電解表面活性薬剤である。1つの例において、アシルカルニチンなどの双性イオン(zwitteruionic)界面活性剤は、吸収エンハンサーとして機能する。
【0046】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物で用いられるエンハンサーの量は、0.1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.3mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.4mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.6mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.8mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1.5mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、2.5mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、3mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、5mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、7mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、10mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、12mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、15mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、30mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、50mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、70mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、100mg/投与量単位である。
【0047】
別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.1−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.2−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.3−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.5−1mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.1−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.2−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.3−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、0.5−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1−2mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、2−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、3−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、5−10mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、1−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、2−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、3−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、5−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、10−20mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、10−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、20−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、30−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、50−100mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、10−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、20−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、30−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、50−200mg/投与量単位である。別の実施形態において、エンハンサーの量は、100−200mg/投与量単位である。
【0048】
エンハンサーの各々のタイプおよび量は、本発明の別の実施形態を表す。
【0049】
別の実施形態において、本発明の組成物は、被験体の胃で組成物の消化を抑制するコーティングをさらに含む。
【0050】
1つの実施形態において、コーティングは被験体の胃で組成物の消化を抑制する。1つの実施形態において、本発明のコーティングされた剤形は、pHがアルカリ性の範囲になると薬物を放出する。1つの実施形態において、コーティングは単層であり、他の実施形態において、コーティングは多層で適用される。1つの実施形態において、コーティングは、腸粘膜に選択的に結合するとともに薬物を付着部位に放出可能な生接着性ポリマーである。1つの実施形態において、腸溶コーティングは、腸溶性フィルムコーティングである。いくつかの実施形態において、コーティングは、生分解性多糖類、キトサン、水性アクアテリック(aquateric)、アクアコートECD、アゾポリマー、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、酢酸フタル酸ポリビニル、ハイドロゲル、プルシンカップ、または、それらの組み合わせを含む。1つの実施形態において、pH感受性コーティングが、当業者に知られている所望の放出部位および/または特性に従って使用される。
【0051】
1つの実施形態において、コーティングは腸溶コーティングである。腸溶コーティングの方法は当該技術分野でよく知られており、例えば、文献「Siepmann F, Siepmann J et al, Blends of aqueous polymer dispersions used for pellet coating: importance of the partivle size. J Control Release 2005; 105(3): 226-39」、および、「Huyghebaert N, Vermeire A, Remon JP. In vitro evaluation of coating polymers for enteric coating and human ileal targeting. Int J Pharm 2005; 298(1): 26-37」に記載されている。各々の方法は、本発明の別の実施形態を表す。
【0052】
別の実施形態において、Eudragit(商標)、すなわち、アクリルポリマーは、腸溶コーティングとして使用される。医薬品のコーティング用のアクリルポリマーの使用は、当該技術分野においてよく知られている。Eudragitアクリルポリマーは安全であると証明されており、身体で吸収も代謝もされず、むしろ除去される。
【0053】
別の実施形態において、コーティングはゼラチンコーティングである。別の実施形態において、マイクロカプセル化は胃での分解に対してエクセナチドを保護するために用いられる。ゼラチンコーティングを適用するための方法およびマイクロカプセル化の方法は、当該技術分野でよく知られている。各々の方法は、本発明の別の実施形態を表す。
【0054】
別の実施形態において、コーティングは、フィルムコーティングである。別の実施形態において、コーティングは、エチルセルロースである。別の実施形態において、コーティングは、エチルセルロースの水性分散、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)E 15である。別の実施形態において、コーティングは、 胃耐性コーティング、例えば、官能基としてカルボン酸基を含有するポリマーである。別の実施形態において、コーティングは、モノシリックマトリックスである。別の実施形態において、コーティングは、セルロース・エーテル(例えば、ヒプロメロース(HPMC)である)。夫々のタイプのコーティングは、本発明の別の実施形態を表す。
【0055】
別の実施形態において、多粒子剤形は胃での組成物の消化を抑制するために用いられる。
【0056】
胃での組成物の消化を抑制するコーティング、剤形などの各々のタイプは、本発明の別の実施形態を表す。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための方法を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの部分が、被験体の腸管粘膜バリアまたは直腸粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持し、この方法は、エクセナチドおよびプロテアーゼインヒビターを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって被験体にエクセナチドを経口または直腸投与する。別の実施形態において、本発明は、被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための方法を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの部分が、被験体の腸管粘膜バリアまたは直腸粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持し、この方法は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備える。
【0058】
別の実施形態において、本発明は、被験体の糖尿病を処置するための方法を提供し、この方法は、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む医薬組成物を被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって真性糖尿病を処置する。
【0059】
別の実施形態において、真性糖尿病は、I型糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、II型糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、インスリン依存性糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病である。別の実施形態において、真性糖尿病は、当該技術分野で知られている任意の他のタイプの糖尿病である。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0060】
1つの実施形態において、エクセナチド組成物による一日に6度の処置が行われる。1つの実施形態において、エクセナチド組成物による一日に5度の処置が行われる。別の実施形態において、エクセナチド組成物による一日に4度の処置が行われる。別の実施形態において、エクセナチド組成物による一日に3度の処置が行われる。別の実施形態において、一日に2度の処置が行われる。別の実施形態において、一日に4度の処置が行われる。別の実施形態において、一日に1度の処置が行われる。別の実施形態において、一日に4度以上の処置が行われる。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0061】
別の実施形態において、II型糖尿病の患者へのエクセナチドの経口または直腸投与に続いて、エクセナチドの血漿濃度が急激に上昇し、1.5−3時間で中間ピーク血漿濃度に達する。別の実施形態において、経口または直腸投与に続いて、エクセナチド濃度は、投与後約10時間測定可能である。
【0062】
別の実施形態において、2日間のエクセナチドの経口または直腸投与後、平均的なHbAlCの減少が観察される。別の実施形態において、3日間のエクセナチドの経口または直腸投与後、平均的なHbAlCの減少が観察される。4日間のエクセナチドの経口または直腸投与後、平均的なHbAlCの減少が観察される。5日間のエクセナチドの経口または直腸投与後、平均的なHbAlCの減少が観察される。
【0063】
別の実施形態において、食前に投与された、20−300mcgのエクセナチドの投与量は、食後の血糖値の変動の減少をもたらす。さらに、一過的な低血糖の発生率は、患者が食後にエクセナチドの投与を受けた際に高かった。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前180分以内に投与されなければならない。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前150分以内に投与されなければならない。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前120分以内に投与されなければならない。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前90分以内に投与されなければならない。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前60分以内に投与されなければならない。別の実施形態において、エクセナチド20−300mcgは、食前30分以内に投与されなければならない。
【0064】
別の実施形態において、エクセナチドは、I型糖尿病の処置に適用される。別の実施形態において、エクセナチドは、最大耐量では適切な血糖コントロールを行えなかった患者のメトホルミンおよび/またはスルホニル尿素と組み合わせて、II型糖尿病の処置に適用される。別の実施形態において、エクセナチドは、メトホルミンと組み合わせて、II型糖尿病(DM)の処置に適用される。別の実施形態において、エクセナチドは、スルホニル尿素と組み合わせて、II型糖尿病(DM)の処置に適用される。別の実施形態において、本発明のエクセナチドは、スルホニル尿素と組み合わせて、単一剤形で処方される。別の実施形態において、本発明のエクセナチドは、メトホルミンと組み合わせて、単一剤形で処方される。
【0065】
別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、その薬理学的特性を考慮すれば、有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、グルカゴンレベルを減少させる活性を有する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、グルカゴン分泌を抑制する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、動物やヒトのグルカゴンレベルを低下させる能力によって証明されているように、グルカゴン分泌を抑制する。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤を用いることによって、グルカゴンレベルを減少させるとともにグルカゴン分泌を抑制することにより緩和可能な疾病または疾患を処置する。
【0066】
上記の化合物は、様々な無機酸及び有機酸、ならびに、無機塩酸および有機塩酸を有する塩を形成可能である。このような塩は、有機酸および無機酸、例えば、HCl、HBr、HSO、HsPO、トリフルオロ酢酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、および、カンファースルホン酸などで調製された塩を含む。塩基で調製される塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、および、アルカリ土類塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)を含む。酢酸塩、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩が好ましい。そのような塩は従来的な手段で形成可能であり、従来的な手段とは、生成物の遊離酸または遊離塩基形態を、塩が不溶性の溶媒または培地中で、または、その後、真空内で、または凍結乾燥法によって、または既存の塩を適切なイオン交換樹脂上の別のイオンと交換することによって除去される水などの溶媒中で、適切な塩基または酸の1以上の同等物と混合させることなどである。
【0067】
肥満および過栄養
別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、肥満を防ぐのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、過剰な脂肪組織を防ぐのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、食物摂取量の増加に関連する健康上のリスクを防ぐのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、II型糖尿病、心リスクの増大、高血圧、アテローム性動脈硬化、変形性関節症、および、全身麻酔を含む手術の合併症の発生率の増加などの、肥満に関連する疾患を防ぐのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、II型糖尿病、心リスクの増大、高血圧、アテローム性動脈硬化、変形性関節症、および、全身麻酔を含む手術の合併症の発生率の増加などの、肥満に関連する疾患を処置するのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、II型糖尿病、心リスクの増大、高血圧、アテローム性動脈硬化、変形性関節症、および、全身麻酔を含む手術の合併症の発生率の増加などの、肥満に関連する疾患を進行させるリスクを減らすために有用である。
【0068】
別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、体重を調節するのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、体重を維持するのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、食物摂取量を減らすのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、肥満症の被験体の食物摂取量を減らすのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、血漿グルコースレベルを減少させるのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、血漿脂質レベルを減少させるのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、過栄養を防ぐのに有用である。別の実施形態において、本発明のエクセナチド製剤は、過栄養を処置するのに有用である。
【0069】
別の実施形態において、食物摂取量を減少させる効果的な手段は大きな課題であり、処置の優れた方法は非常に役に立つものであることが予想される。このような方法、および、有用なエクセナチドを含む化合物および組成物が、発明されるとともに本明細書で記載並びに主張されてきた。本発明の任意の方法は、様々な実施形態において、本発明の任意の組成物を利用することができる。
【0070】
別の実施形態において、本発明は、エクセナチドタンパク質およびプロテアーゼインヒビターを含むエクセナチドを経口または直腸投与するための組成物を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドタンパク質およびエンハンサーを含むエクセナチドを経口または直腸投与するための組成物を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。別の実施形態において、本発明は、エクセナチドタンパク質およびオメガ3脂肪酸を含むエクセナチドを経口または直腸投与するための組成物を提供し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその酵素活性を維持する。
【0071】
1つの実施形態において、本発明は、被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための薬物を製造中に、エクセナチドとプロテアーゼインヒビターを使用し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持する。1つの実施形態において、本発明は、被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための薬物を製造中に、エクセナチドとエンハンサーを使用し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持する。1つの実施形態において、本発明は、被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための薬物を製造中に、エクセナチドとオメガ3脂肪酸を使用し、これによって、エクセナチドのかなりの割合が、被験体の腸管粘膜バリアを介した吸収後もその活性を維持する。
【0072】
1つの実施形態において、本発明は、被験体の真性糖尿病を処置するための薬物を製造中に、エクセナチドとプロテアーゼインヒビターを使用する。1つの実施形態において、本発明は、被験体の真性糖尿病を処置するための薬物を製造中に、エクセナチドとエンハンサーを使用する。1つの実施形態において、本発明は、被験体の真性糖尿病を処置するための薬物を製造中に、エクセナチドとオメガ3脂肪酸を使用する。
【0073】
別の実施形態において、本組成物の様々な構成物質は、腸管腔から血流へと異なる速度で吸収される。胆汁酸の吸収は、ある実施形態では、エクセナチドの吸収よりも著しく速い。
【0074】
このため、別の実施形態において、一定の間隔での一組の丸剤の消化を含む投薬計画、例えば、高濃縮のエンハンサーを含有する第2丸剤は、第1の丸剤後の規定の間隔をおいて(例えば、30分)摂取される。別の実施形態において、特定の構成物質は、エクセナチドの系への吸収を促進するためにマイクロカプセル化される。
【0075】
1つの実施形態において、本発明の処置プロトコルは治療的なものである。別の実施形態において、このプロトコルは、予防的なものである。各々の可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0076】
別の実施形態において、本発明は、先の注射用剤形のエクセナチドに相当するエクセナチドを経口または直腸投与する。別の実施形態において、本発明は、先の注射用剤形のエクセナチドと比較されるエクセナチドを経口または直腸投与する。別の実施形態において、経口または直腸投与用のエクセナチドは、先の注射用剤形のエクセナチドよりも安価である。別の実施形態において、経口または直腸投与用のエクセナチドの方が、注射用剤形のエクセナチドよりもコンプライアンスが優れている。別の実施形態において、経口または直腸投与用のエクセナチドは、注射用剤形のエクセナチドよりも副作用が少ない。
【0077】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法および組成物で使用される固体の担体/希釈剤としては、ガム、デンプン(例えば、コーンスターチ、事前にゼラチン化したデンプン(pregeletanized starch))、糖、(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、ブドウ糖)、セルロース系材料(例えば、結晶セルロース)、アクリル酸(例えば、ポリアクリル酸メチル)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、または、これらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0078】
別の実施形態において、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、デンプングリコール酸ナトリウム)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、Tris−HCL、酢酸、リン酸塩)、表面への吸収を防ぐアルブミンまたはゼラチンなどの添加物、界面活性剤(例えば、ツイーン20、ツイーン80、プルロニックF68、胆汁酸塩)、プロテアーゼインヒビター、界面活性物質(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、二亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度増加剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、保存料(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(flow-aids)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティング剤およびフィルム形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸、ポリメタクリル酸)、および/または、アジュバントをさらに備える。上記賦形剤の各々は、本発明の別の実施形態を表す。
【0079】
幾つかの実施形態において、本発明の剤形は、即時放出特性、持続放出特性、または、遅延放出特性を達成するために処方される。幾つかの実施形態において、組成物の放出特性は、例えば、結合剤、崩壊剤、充填剤、または、コーティング材料として機能する特定の賦形剤を用いることによって決定される。1つの実施形態において、組成物は、当業者に知られている特定の放出特性を達成するために処方されるであろう。
【0080】
幾つかの実施形態において、本発明の経口または直腸製剤はさらにエクセナチドの徐放を達成するために処方される。別の実施形態において、本発明の経口または直腸製剤はさらにエクセナチドの即時放出を達成するために処方される。別の実施形態において、本発明の経口または直腸製剤はさらにエクセナチドの持続放出を達成するために処方される。別の実施形態において、本発明の経口または直腸製剤はさらにエクセナチドの徐放および即時放出の組み合わせを達成するために処方される。別の実施形態において、エクセナチドの放出は、本発明の技術分野の当業者に知られている様々な処方方法で取り扱うことが可能である。
【0081】
1つの実施形態において、組成物は経口剤形として処方される。1つの実施形態において、組成物は、錠剤、咀嚼錠剤、坐剤、または、カプセルを含む固形の経口剤形である。1つの実施形態において、カプセルはソフトゼラチンカプセルである。
【0082】
他の実施形態において、本発明の方法および組成物で使用される、制御放出または徐放コーティングは、脂溶性のデポー(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)中の製剤を含む。
【0083】
組成物は同様に、別の実施形態では、ポリマー化合物(ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲルなど)の粒子製剤内へのまたは粒子製剤上への活性物質の取り込み、または、リポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層または多重膜ベシクル、赤血球ゴースト、または、スフェロプラスト上への活性物質の取り込みも含む。このような組成物は、インビボ放出の物理的状態、溶解度、安定性、速度、および、インビボクリアランスの速度に影響を与える。他の実施形態において、活性成分の粒子組成物は、ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされる。
【0084】
別の実施形態において、エクセナチドとオメガ3脂肪酸とを含む組成物は、ベシクル、例えば、リポソームで送達される(文献「Langer, Science 249: 1527-1533 (1990)」、「Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez- Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp.353-365 (1989)」、「Lopez-Berestein, ibid., pp.317-327」を参照。通常は、前記の個所を参照のこと)。
【0085】
例えば、混合、整粒、または、錠剤形成工程により活性成分を含有する医薬組成物の調製は、当該技術分野ではよく理解されている。活性治療成分は、往々にして、薬学的に許容可能であるとともに、活性成分と適合する賦形剤と混合される。経口投与に関して、本発明の組成物の活性成分は、通常はこの目的のため、ビヒクル、安定剤、または、不活性希釈剤などの添加物と混合されるとともに、通常の方法によって、錠剤、コーティングされた錠剤、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、水溶液、アルコール溶液、または、油性溶液などの適切な投与剤形に換えられる。
【0086】
別の実施形態において、本発明の製剤はさらに塩基も含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物で用いられる塩基は、直腸内投与用の座剤の塩基として知られているものである。幾つかの実施形態において、塩基は油脂を含み、油脂は、カカオバター、パーム脂肪、パーム核油、ココナッツ油、分画ココナッツ油、ラード、および、WTTEPSOL.RTM.などの主要なcompanothernt、ラノリンおよび還元ラノリンなどのワックス;ワセリン、スクアレン、スクアレンおよび流動パラフィンなどの炭化水素;カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、および、オレイン酸などの長鎖脂肪酸乃至中鎖脂肪酸;ラウリルアルコール、セタノール、および、ステアリルアルコールなどの高アルコール;ステアリン酸ブチルおよびマロン酸ジラウリルなどの脂肪酸エステル;トリオレインおよびトリステアリンなどのグリセリンの中鎖カルボン酸乃至長鎖カルボン酸エステル;アセト酢酸グリセリンなどのグリセリンで置換されたカルボン酸エステル;および、ポリエチレングリコール、およびマクロゴール並びにセトマクロゴールなどのその誘導体として、トリグリセリドを含む。これらは単独でも2以上の組み合わせのいずれで用いても構わない。
【0087】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物はさらに、表面活性剤、保存料、および、着色剤を含み、これらは座剤で任意に用いられる。
【0088】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物の単位剤形は、直腸に投与されると直腸内で流動性を有する固形脂肪(例えば、カカオバターおよびWITEPSOL)を塩基として有する固形の座剤と、同じように直腸で流動性を有する親水性の固形物質(マクロゴールなど)を塩基として有する固形の座剤と、および、中性脂肪酸トリグリセリドおよび野菜油などの通常の液体物質(室温下の液体)を塩基として有するとともにゼラチン膜でコーティングされたゼラチンカプセルの座剤とを含む。
【0089】
添加物、賦形剤、製剤、及び、投与方法は、本発明の別の実施形態を表す。
【0090】
1つの実施形態において、「処置する(treating)」という用語は、疾患を治癒することを指す。別の実施形態において、「処置する(treating)」は、疾患を予防することを指す。別の実施形態において、「処置する(treating)」は、疾患の発症率を減らすことを指す。別の実施形態において、「処置する(treating)」は、疾患の症状を緩和することを指す。別の実施形態において、「処置する(treating)」は、寛解を誘発することを指す。別の実施形態において、「処置する(treating)」は、疾患の進行を遅らせることを指す。
【0091】
実験の詳細の章
動物:
重量約9kgのオスのビーグル犬が、以下に記載のすべての実験で用いられた。
【0092】
例1 プロテアーゼからのエクセナチドの保護、および、イヌの十二指腸を介した投与の成功
材料および実験方法
製剤:
(1)150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、50μgのエクセナチド、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有する製剤を用意した。
【0093】
150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、100μgのエクセナチド、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有する製剤を用意した。
【0094】
(3)150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有する製剤を用意した。
【0095】
結果
エクセナチドがプロテアーゼから保護されるとともに十二指腸で吸収されることが可能かどうかを試験するために、製剤1(処置)または3(対照)を、約9kgのビーグル犬の十二指腸に直接投与するか、または、約16kgのブタに内視鏡によって投与した。
【0096】
すべてのイヌおよびブタに、50%グルコース溶液40mlを投与した。投与後5分ごとに血糖を測定した。表1に記述されているように、血糖値はエクセナチドに対応して著しく減少した。
【0097】
血糖値を実質的に減少させる製剤1の能力をイヌにおける図1にも示す。同様の結果はブタでも得られた。さらに、図3は、エキセンディン−4の経口剤形が、血糖値を減少させるという点で、エキセンディン‐4(例2参照)の注射用剤形に取って代わることが可能であるということを示している。
【0098】
【表1】

【0099】
したがって、プロテアーゼインヒビターおよびNa‐EDTAインヒビターを含む経口組成物は、小腸のプロテアーゼからエクセナチドを保護するとともに、経口投与されたエクセナチドを直接吸収することができる。
【0100】
例2 直腸および経口剤形と比較した注射用剤形
材料および実験方法
製剤:
以下の製剤を用意した。
(1)2.5μgの市販のバイエッタを含む注射用製剤
(2)2.5μgのGeneScript(Piscataway,NJ)のバイエッタを含む注射用製剤
(3)150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、50μgのエクセナチド(GeneScript(Piscataway,NJ))、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有する経口製剤
(4)150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有する経口製剤
(5)150ミリグラム(mg)のNa‐EDTA(Sigma‐Aldrich,St.Louis,MO)、125mgのダイズトリプシンインヒビター(SBTI;Sigma)、50μgのエクセナチド(GeneScript(Piscataway,NJ))、および、0.8ミリリットル(ml)の魚油を含有するハードゼラチンカプセル(直腸)
【0101】
結果
エクセナチドを含む経口または直腸剤形の効果を試験するために、経口または直腸製剤を市販の注射用製剤と比較した。
【0102】
すべてのイヌに50%グルコース溶液40mlを投与した。投与後5分ごとに血糖を測定した。
【0103】
得られた結果は、エキセンディン‐4を含む、経口(図1および3)および直腸(図2)の剤形が、グルコース負荷後の2時間、血糖値を制御するということに関して、エキセンディン‐4を含む注射用剤形に予想外に取って代わることができるということを示している。
【0104】
このような結果は、プロテアーゼインヒビターとNa‐EDTAを含む組成物が小腸でプロテアーゼからエクセナチドを保護するとともに、経口投与されたエクセナチドを直接吸収することができるということを示しており、例1の結果をさらに確認するものである。
【0105】
経口または直腸剤形のためのエキセンディン‐4はGeneScriptから入手した。得られた結果(図2および4)は、GeneScriptから購入したエキセンディン‐4が市販のエキセンディン‐4(Eli Lilly, USA)として効果的であることを示している。結論として、投与の経口および/または直腸経路は、当業者に知られている多くの理由で、投与の注射用経路よりも好適である。本明細書で与えられている予想外の結果は、投与の経口または直腸経路を介して効果的にエキセンディン‐4を投与する能力を実証するものである。
【0106】
例3 エクセナチド‐4の腸内投与;生体膜を横断するエクセナチド‐4の吸収を促進する製剤を用いた、イヌにおける概念実証の薬力学研究
材料および実験方法
研究は平均重量約10kgの4匹のビーグル犬で行われた。すべてのイヌは空腸内にカニューレを挿入され、薬物は空腸を介して投与された。一晩絶食後、これらのイヌに、様々な量の経口GLP‐1アナログまたはこのアナログの皮下注射を与えた。経口グルコース負荷後のグルコース可動域への作用を測定するために、GLP‐1アナログの吸収を評価した。対照実験は、GLP‐1アナログの投与を含まない経口投与からなる。経口投与と経口グルコース負荷との間の間隔は、30分であった。主要有効性エンドポイントは、150分以上の間隔における事前の経口ブドウ糖負荷試験(pre‐OGTT)のグルコースレベル以上のグルコース可動域であった(曲線(AUC)0−150分下の増加領域)。
【0107】
結果
GLP‐1アナログの空腸への直接的な点滴注入は、グルコース負荷後のグルコース可動域を著しく(ss)抑制した(プラシーボとの比較、および、別のグループのなかでの比較の双方)。
【0108】
結果を表2と図4に示す。
【0109】
【表2】

【0110】
タンパク質およびペプチド薬の経口送達は、その物理化学的特性および生物学的特性が独特なものであるため、依然として大きな課題である。本明細書で実証されるように、与えられる占有技術は、エクセナチドなどのポリペプチドおよびタンパク質を含む高分子を、生体膜を通って効果的におよび安全に輸送することができる。さらに、予想外なことに、元々の化合物は、体循環に到達するという生物活性を維持している。
【0111】
特に、イヌの現在の研究では、その結果は、経口GLP−1アナログ、すなわち、エクセナチドは、食前に投与されると、非経口エクセナチドの50%の鈍化能力と比較して、食事誘発性の血糖可動域を約40%鈍らせることができる。pd効果は半定量的な方法で一般的に用いられ、DPP IV 抑制を評価する研究でGLP−1レベルを確立する。この研究では、GLP−1アナログのエクセナチドが経口剤形で作り出されることが可能であり、食事の直前に患者が摂取可能であることが予想外に実証されてきた。薬物中のこのような2つの量は、患者にかなり受け入れやすくするとともに、服薬に対する患者の高いコンプライアンスとアドヒアランスを育成する。
【0112】
イヌにおけるこの研究の結果は、GLP−1アナログのエクセナチドが、送達エンハンサーと組み合わされてカプセルで処方されると、吸収されて、経口OGTT後のグルコース可動域の著しい鈍化をもたらすことを示している。経口エクセナチドの消化に対する薬力学的反応は強固であるとともに再現可能であり、カプセル摂取と食事との間の短い間隔は、実用的で患者に優しい経口剤形を作ることが可能であることを示している。現在のところ、経口薬として利用可能な唯一のインクレチン模倣剤はDPP IVインヒビターである。GLP−1アナログの経口剤形は、抗高血糖の薬物のこの重要なクラスからの利用可能な薬物の選択幅を広げるものであるだろう。
【0113】
例4 エクセナチドおよびプロテアーゼインヒビターを含有する丸剤の経口投与
核錠の調製:
エクセナチドおよびプロテアーゼインヒビターを含む核錠を、当該技術分野で周知の方法を用いて調製する。
【0114】
コーティング:
コーティングは、当該技術分野で知られている任意の遅延放出コーティングであってもよい。例えば、コーティングは、以下の成分からなるポリマーであってもよい。
−4mgのEudragit L−100(アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのポリマー)
−4mgのタルクNF
−0.4mgのポリエチレングリコール6000NF
【0115】
1つの実施形態において、塩化メチレン+イソプロピル・アルコールの混合物中にポリマーを溶解させることによって、腸溶コーティングポリマーを調製する。絶えず攪拌しながら、適度に温めたジャー内部でこの溶液を噴霧することによって、錠剤をコーティングする。溶媒蒸気は継続して吸引される。
【0116】
被験体の血漿における組み換えエクセナチドのレベルおよび活性の測定
Cペプチドのレベルは、観察されるエクセナチドレベルの上昇への、内因性および外因性エクセナチドの相対的な寄与を決定するために、同様に測定される。
【0117】
結果
Na−EDTA、SBTI、および、エクセナチド、および、魚油の混合物は、核錠または核カプセルで処方され、腸溶コーティングまたはゼラチンコーティングでコーティングされ、ヒト被験体に投与される。被験体の血糖値を先の例に記載の如く周期的に測定する。加えて、被験体の組み換えエクセナチドの血漿レベル、および、その活性を試験する。コーティングされた丸剤は、機能的なエクセナチドを被験体に送達することが示され、エクセナチドは被験体の血糖値を著しく低下させており、活性なエクセナチドが経口投与を介して血流に送達可能であることを示している。様々なタイプの商業的に利用可能な遅延放出コーティングは、どのコーティングがエクセナチドのもっとも優れた送達を提供するのかを決定するために試験され、このコーティングは次の例で使用される。
【0118】
例5 オメガ3脂肪酸源の最適化
様々なオメガ3脂肪酸またはオメガ3脂肪酸源(例えば、明細書中に記載のもの)は、本発明の方法および組成物における経口投与後にエクセナチドを保存する能力を比較される。エクセナチド錠剤またはカプセルは、エクセナチドを魚油の代わりに代替的な源と混合するという点を除けば、上記例に記載の如く処方される。オメガ3脂肪酸の最も効果的な源が次の例で用いられる。
【0119】
例6 プロテアーゼインヒビターの最適化
様々なプロテアーゼインヒビター(非毒性または許容可能な毒性プロフィールを有するかのいずれか。例えば、明細書に記載の上記のもの)は、本発明の方法および組成物における経口投与後にエクセナチドを保存する能力を比較される。エクセナチド錠剤またはカプセルは、代替的なプロテアーゼインヒビターをDBTIの代わりに用いるという点を除けば、上記例に記載の如く処方される。最適な量を決定するためにプロテアーゼインヒビターの量も変化する。最も効果的なプロテアーゼインヒビター/量が次の例で用いられる。
【0120】
例7 エンハンサーの最適化
様々なエンハンサー(明細書に記載の上記のもの)は、本発明の方法および組成物における経口投与後にエクセナチドの吸収を促進する能力を比較される。エクセナチド錠剤またはカプセルは、代替的なエンハンサーをEDTAの代わりに用いるという点を除けば、上記例に記載の如く処方される。最適な量を決定するためにエンハンサーの量も変化する。最も効果的なエンハンサー/量が次の例で用いられる。
【0121】
例8 エクセナチドのタイプおよび量の最適化
様々なタイプおよび量のエクセナチド(明細書に記載の上記のもの)は、本発明の方法および組成物における経口投与後に血糖を制御する能力を比較される。エクセナチド錠剤またはカプセルは、エクセナチドのタイプおよび量が変化するという点を除けば、上記例に記載の如く処方される。最も効果的なタイプ/量のエクセナチドが臨床試験で用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクセナチドとプロテアーゼインヒビターとを含む組成物であって、
前記組成物は経口医薬組成物または直腸医薬組成物であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
オメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記オメガ3脂肪酸が魚油由来であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
腸管粘膜バリアを通過する前記エクセナチドタンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項10】
被験体の胃で前記エクセナチドの消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項12】
被験体にエクセナチドを経口または直腸投与するための方法であって、
これによって、前記エクセナチドのかなりの割合が、前記被験体の腸管粘膜バリアまたは直腸組織を介した吸収後もその活性を維持し、
前記方法は、
前記エクセナチドを含む医薬組成物を前記被験体に経口または直腸投与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記医薬組成物はオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記オメガ3脂肪酸が魚油に由来することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記医薬組成物はプロテアーゼインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記医薬組成物は、腸管粘膜バリアを通過する前記タンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組成物は、被験体の胃で前記エクセナチドの消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項23】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
被験体の真性糖尿病を処置する方法であって、
前記方法は、
エクセナチドを含む医薬組成物を前記被験体に経口または直腸投与する工程を備え、
これによって真性糖尿病を処置することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記医薬組成物はオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記オメガ3脂肪酸が魚油に由来することを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記医薬組成物はプロテアーゼインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記医薬組成物は、腸管粘膜バリアを通過する前記エクセナチドタンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項32】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項34】
前記医薬組成物は、被験体の胃で前記組成物の消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項35】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
被験体の食物摂取量を減少させるための方法であって、
前記方法は、
エクセナチドを含む医薬組成物を前記被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の食物摂取量を減少させることを特徴とする方法。
【請求項37】
前記医薬組成物はオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記オメガ3脂肪酸が魚油に由来することを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記医薬組成物はプロテアーゼインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物は、腸管粘膜バリアを通過する前記エクセナチドタンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項44】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項46】
前記医薬組成物は、被験体の胃で前記組成物の消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項47】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
被験体の胃運動を減少させるための方法であって、
前記方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を前記被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の胃運動を減少させることを特徴とする方法。
【請求項49】
前記医薬組成物はオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記オメガ3脂肪酸が魚油に由来することを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記医薬組成物はプロテアーゼインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項52】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項54】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項55】
前記医薬組成物は、腸管粘膜バリアを通過する前記エクセナチドタンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項56】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項58】
前記医薬組成物は、被験体の胃で前記組成物の消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項59】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項58記載の方法。
【請求項60】
被験体の血漿グルカゴンを減少させるための方法であって、
前記方法は、エクセナチドを含む医薬組成物を前記被験体に経口または直腸投与する工程を備え、これによって、被験体の血漿グルカゴンを減少させることを特徴とする方法。
【請求項61】
前記医薬組成物はオメガ3脂肪酸をさらに含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記オメガ3脂肪酸が魚油に由来することを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記医薬組成物はプロテアーゼインヒビターをさらに含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項64】
前記インヒビターがダイズトリプシンインヒビター(SBTI)であることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼであることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項66】
前記プロテアーゼがトリプシンであることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項67】
前記医薬組成物は、腸管粘膜バリアを通過する前記エクセナチドタンパク質の吸収を高める物質をさらに含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項68】
前記物質がEDTAまたはその塩であることを特徴とする請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記物質が胆汁酸またはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記医薬組成物は、被験体の胃で前記組成物の消化を抑制するコーティングをさらに含むことを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項71】
前記コーティングが腸溶コーティング又はゼラチンコーティングであることを特徴とする請求項70記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519915(P2011−519915A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508050(P2011−508050)
【出願日】平成21年5月3日(2009.5.3)
【国際出願番号】PCT/IL2009/000461
【国際公開番号】WO2009/136392
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510255716)オラムド エルティーディー. (3)
【Fターム(参考)】