説明

エチレンのジクロロエタンへのオキシ塩素化用の触媒の前駆体

アルミニウム粒状体に支持され、金属として表現して、銅2-10重量%銅の酸化物及び/又は酸素化化合物を含む前駆体であり、前駆体が塩素として表現して塩素化化合物を0〜4重量%の量有し、前駆体粒状体の断面に銅化合物の均一な分布を有する定まったジオメトリック形態を有する中空粒状体の形態であるエチレンの1,2-ジクロロエタンへの固定床オキシ塩素化に使用しうる触媒の前駆体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンの1,2-ジクロロエタン(EDC)への固定床オキシ塩素化用の高いEDC選択性を有する触媒の前駆体、及びその製造方法に関する。
ジクロロエタンは、塩化ビニル及び更に最も広く使用されているプラスチック材料の一つであるPVC、の製造用の重要な中間体である。
【背景技術】
【0002】
種々の技術がオキシ塩化反応で使用されている。反応器は、固定床又は流動床型であり、空気又は酸素が酸化剤として使用される。
固定床及び流動床プロセスは、両方とも銅塩ベースの触媒、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び/又は希土類塩のような種々の促進剤と混合したCuCl2、を使用している。
触媒は支持されており、最も広く使用されている支持体はアルミナであり、その形状は、流動床では微小球状であり、固定床では種々の形状及びサイズの粒状体である。
【0003】
固定床技術は、工業レベルでの適用において、流動床より小さいパーセンテージを占め、それでもなお関心がもたれている。プロセスは、通常、酸化剤(空気又はO2)を細区分する3つの反応器を使用して行われ、3つの反応器において、全負荷は区分されている。更に、O2を使用する場合、未変換エチレンを回収するために、3つの反応器のアウトプット中のガスを再循環させる。
反応器は、冷却材を備えたバンドル−チューブ(bundle-tube)型であり、冷却材は、外部ジャケットを巡回し、加圧水又は透熱性(diathermic)油を使用できる。
【0004】
流動床を越えるこの技術の1つの利点は、より高い明確な生産性であり、使用した触媒1トン当たり1時間で生産されるEDCのトン数で生産性を表現するなら、実際、固定床は、流動床の0.3-0.9の生産性に対して、1-3倍の生産性を得ることができる。更に、固定床技術の触媒の消費量は、流動床技術のそれより低い(0.01-0.06kg触媒/EDCのトン数 対 0.05-0.15)。
最後に、固定床技術においては、冷却部分(急冷)を通過する触媒の流路はないが、流動床においては、サイクロンセパレータにより保持されない微粉が、冷却部分で急冷水に混入する。
【0005】
しかし、固定床は、流動床に対して、以下の課題を有する:
− ホットスポット領域がガス導入部近くに形成され、温度が恒温液体の温度より100℃以上はるかに高くなることがある。触媒の安定性に影響を与える現象、特に、高温による及び高生産性条件でのエチレンの高還元能よる活性元素(特にCu)の損失が、この領域でかなり観察される。より低い機械的強度のアルミナへのアルミナの不可逆変化も生じることがある。
− ホットスポット領域中で、高温の観点において、二酸化炭素の形成がより多くなることによる選択性の損失がある。
− 反応器中の負荷損が高い:負荷損は、一般的に1-3大気圧で、触媒床の底部で蓄積されている微粉の形成により、時間がたつにつれて増加する。触媒の寿命は、負荷損に強く結びついている。
【0006】
従って、固定床触媒は、特に使用される3つの反応器の1つ目で使用するため、工業レベルで使用可能にするために、高温及び高生産性条件においてでさえ良好な安定性を示す必要があり、またDCEの高選択性を有する必要があることが判る。最後に、好適なジオメトリック形状の採用によって、できるだけ低い負荷損を確保する必要もある。
【0007】
特許文献には、十分な性能を有する種々の触媒が記載されている。これら全ての触媒は、それらの製造に使用される種々の金属の塩化物に対応する塩素含量を有する。
ヨーロッパ特許209732には、ガンマAl2O3に、触媒の成分を形成する塩の水溶液を含浸させ、続いて、最大210℃の温度で乾燥させ、更に、乾燥粉末を成形させることにより得られた触媒が記載されている。
生じた円筒粒状体は、固定床を使用することを許容しうる十分な機械特性を有していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、EDCへの明確な選択性を有し、使用する固定床に許容しうる機械性能を与える、EDCへのエチレンの固定床オキシ塩素化の触媒前駆体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
現在、固定床で使用しうるエチレンのEDCへのオキシ塩素化の触媒の前駆体を得ることが可能であることを予期せず見い出しており、触媒は、銅の酸化物及び/又は酸化化合物を含み、好ましくは金属として表現して、2-10重量%の銅及び0.5-3重量%のカリウムの量で、好ましくはカリウムの酸化化合物も含み、特に高い選択性及び十分な機械性能(軸及び半径方向の破砕耐性)を有する。
また、前駆体は、カリウム以外のアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の中から選択される金属の酸化物及び/又は酸化化合物を、0.5-3重量%のアルカリ金属、0.05-2重量%のアルカリ土類金属及び0.1-3重量%の希土類金属の金属として換算した量で含む。
【0010】
これら前駆体において、塩素含量は0-4重量%である。
この発明による前駆体から得られた触媒は、驚くべきことに、触媒の金属成分の塩の水溶液の予め形成した支持体への含浸により製造され、金属で表現して等しい組成に対応する触媒に対して、高いEDC選択性を有している。
1モル%であってもより高いEDC選択性は、EDCを数千トン/年生産するプラントにおいて、燃焼されない数百トンのエチレンと等しい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明による前駆体は、銅の塩と、少なくとも1つのアルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又は希土類金属の塩との、ボーエマイト(boehmite)への含浸生成物の空気中での焼成により得られる。
前駆体は、ボーエマイト又は、微小球状ガンマアルミナやAlシリケート類とボーエマイトとの混合物への、触媒の金属成分の塩の水溶液の含浸、100-150℃で数(few)時間の含浸生成物の乾燥、最後に製造の間使用された塩の所望の変化が生じるまで、500℃(例えば、ガンマアルミナへのボーエマイトの変化用の最低温度)から開始し、850℃までの温度で系を焼成することにより製造され、その水溶液は、好ましくは、ボーエマイト又はその混合物の空隙より少ない溶液の体積で使用される。
【0012】
可溶で、焼成温度での加熱により対応する酸化物又は他の化合物に分解可能である塩化物以外の塩を使用することが可能である。使用される塩としては、焼成温度での加熱により分解しうる窒化物、ギ酸塩、酢酸塩又は他の有機酸の可溶性塩である。塩化物を使用する場合、焼成後の残留塩化物含量は、3-4重量%以下である。
【0013】
前駆体において、金属として表現して、Cuの化合物は、2-10重量%、好ましくは3.5-8重量%の量で存在している。金属の重量%として表現した好適な前駆体の組成は:Cu=3.5-8%;K=0.6-3%;Cs=0.15-3%;Mg=0-1%である。
Cu/K原子比は、1:0.01-1であり、Cu/Cs比は、1:0.01-0.5であり、Cu/Mg比は、1:0.01-1.1である。好適な原子比は、Cu/K= 1:0.01-1;Cu/Cs=1:0.1-0.2;Cu/Mg=1:0.1-0.5である。前駆体の表面積は、80-210m2/gであり、孔体積は、0.2-0.6ml/gであり、この孔体積から2-15nmの平均半径が導かれる。
【0014】
本発明の方法により製造された前駆体は、銅及び他の金属として表現して、同量の活性相を有する触媒と異なり、乾燥含浸、初期湿式含浸、又は浸漬法を使用することにより予め形成された支持体の塩溶液での含浸により製造され、活性相と他の金属の化合物が前駆体のペレットの断面に沿って均一に分布している(濃度勾配はない)。
【0015】
前駆体の製造に使用されるボーエマイトは、SASOL Pural SCC 150ボーエマイトが好ましく、焼成温度で、ガンマAl2O3へ加熱により変化する。前駆体の粒状体は、明りょうなジオメトリック形状を有している。
触媒の形状は、既に記載したように、重要である。一つの特徴的な利点のある形状は、円筒形状であり、一つ以上の孔を有する、又は通常互いに平行で等距離の軸を有する孔に対する三つ葉の円形の断面を有している。この特定の形状は、圧縮ペレタイズ技術により得られる。また、押出技術を使用できるが、この技術は、一定の形状及びサイズを有するペレットを得るため、より複雑で困難な微調整を必要とする。
【0016】
上記三つ葉のジオメトリック構造を有するペレットは、例えば、米国特許5,905,054に記載されている。これら形状により示された利点は:
− 超低壁厚により最小の拡散耐性;
− 反応器中でより小さな負荷損失で作動しうる最小のガス透過耐性
である。
以下の実施例を説明のために記載するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0017】
実施例1
穿孔(perforated)を有する円筒形状の前駆体の製造
以下の特徴:
1000℃での重量損失=22.4%
粒子サイズ分布:
250ミクロンより大きな粒子=0.7重量%;
100及び250ミクロンの間の粒子=56.3重量%;
63及び100ミクロンの間の粒子=27.3重量%;
63ミクロンより小さい粒子=15.7重量%;
ルーズ(loose)嵩密度=0.66g/ml;
を有するSASOL Pural SCC 150ボーエマイト769.2gを、回転容器中、室温で、以下の成分:
CuCl2*2H2O=115.6g;
KCl=24.1g;
CsCl=23.5g;
MgCl2*6H2O=9.3g
を含む水溶液300mlに含浸させた。
【0018】
含浸させた粉体を、予め所望の温度としたストーブ中、100℃で16時間乾燥させる。
480グラムの乾燥粉体を、アルミニウムトリステアレート(ペレット化アジュバント)20グラムと混合し、次いで穿孔を有する円筒形状にペレタイズした。
ガンマアルミナにボーエマイトを変化させるために、マッフル中、800℃での焼成を続いて行う。
得られたペレットは、高さ4.9mm、外径4.9mm及び内径2.5mmのような穿孔を有する円筒形状である。
Al前駆体の化学-物理特性を表1に示す。
【0019】
実施例2
3つの貫通孔を備えた3つ葉形状を有する前駆体の製造
実施例A1で示したと同じ特徴を有するSASOL Pural SCC 150ボーエマイト768.2gを、回転容器中、室温で、以下の成分:
CuCl2*2H2O=115.8g;
KCl=24.5g;
CsCl=23.8g;
MgCl2*6H2O=9.4g
を含む水溶液300mlに含浸させた。
【0020】
含浸させた粉体を、予め所望の温度としたストーブ中、100℃で16時間乾燥させる。
480グラムの乾燥粉体を、アルミニウムトリステアレート(ペレット化アジュバント)20グラムと混合し、次いで3つの貫通孔を備えた3つ葉ペレットの形状にペレタイズした。
ガンマアルミナにボーエマイトを変化させるために、マッフル中、800℃での焼成を続いて行い、触媒の前駆体を得る。
得られたペレットは、高さ4.5mmで、径4.7mmである3つの等距離の葉状の貫通孔である3つ葉断面を有する。外接した円周の径が6mmである。
A2前駆体の化学-物理特性を表1に示す。
【0021】
比較例1
穿孔を有する円筒形状の触媒の製造
ベース支持体γ-Al2O3のペレット100gを、回転容器中、以下の成分:
CuCl2*2H2O=20.3g;
KCl=4.2g;
CsCl=4.1g;
MgCl2*6H2O=2.2g
37重量%HCl=3ml
を含む水溶液52mlに含浸させる。
【0022】
得られた粉体を、ストーブ中、100℃で16時間乾燥させる。
使用したアルミナペレットは、SASOL Pural SCC 150ボーエマイトとアルミニウムステアレート(3重量%)との混合物を、穿孔を有する円柱の形状でペレタライズし、続いて700℃で4時間それを焼成することにより製造する。支持体の形態上の特徴は、下記:BET比表面積188m2/g、孔体積0.50cm3/g、見かけ密度1.24 g/cm3、真密度3.28g/cm3であり;平均孔半径は53Åであった。
【0023】
比較例2
市販触媒
組成CuCl2-KCl-CsCl-MgO/ガンマ-Al2O3を有し、穿孔(単一貫通孔)を有する円筒状に形成された市販触媒であり、寸法:高さ=4.7mm;外径=4.7mm;内径=2.1mmである。
比較例3
市販触媒
組成CuCl2-KCl-MgO/ガンマ-Al2O3を有し、穿孔(単一貫通孔)を有する円筒状に形成された市販触媒であり、寸法:高さ=5.0mm;外径=5.0mm;内径=2.4mmである。
【0024】
比較例4
ヨーロッパ特許出願EP0209732による触媒の製造
以下の特徴:
表面積214m2/g
全孔体積=0.49cm3/g
粒子サイズ分布:
125ミクロンより大きい直径を有する粒子=0.7重量%;
90及び125ミクロンの間の直径を有する粒子=3.7重量%;
63及び90ミクロンの間の直径を有する粒子=25.5重量%;
40及び63の間の直径を有する粒子=35.0重量%
40ミクロンより小さい粒子=35.8重量%;
ルーズ嵩密度=0.71g/ml;
を有する流動床用にガンマアルミナをパウダー化したSASOL Puralox SCCA 30/210を600gを、回転容器中、室温で、以下の成分:
CuCl2*2H2O=118.7g;
KCl=25.2g;
CsCl=25.3g;
MgCl2*6H2O=6.2g
を含む水溶液300mlに含浸させた。
【0025】
含浸させた粉体を、ストーブ中、80℃で1時間、次いで120℃で3時間、更に210℃で3時間乾燥させた。
500グラムの乾燥粉体を、アルミニウムトリステアレート(ペレット化アジュバント)20グラムと混合し、次いで穿孔を有する円筒形状にペレタイズした。
得られたペレットは、高さ5.0mm、外径5.2mm及び内径2.5mmのような穿孔を有する円筒形状である。
比較例4の前駆体の化学-物理特性を表1に示す。
【0026】
触媒は、不十分な機械強度特性;許容値>40kg/pltに対して軸方向座屈耐性(Axial Crush Resistance)=22.3+/-10kg/plt;許容値>1.2kg/pltに対して半径方向座屈耐性(Radial Crush Resistance)=0.7+/-0.2kg/pltを有する。
触媒は不十分な機械的性質を有しているため、今回パイロットプラントで試験していない。
【0027】
比較例5
3つの貫通孔を備えた3つ葉形状を有する前駆体の製造
ガンマAl2O3をベースとする支持体のペレット200gを、回転容器中、室温で、以下の成分:
CuCl2*2H2O=38.6g;
KCl=8.2g;
CsCl=7.9g;
MgCl2*6H2O=3.1g
37重量%HCl=6ml
を含む水溶液100mlに含浸させる。
【0028】
得られた粉末を、予め所望の温度としたストーブ中、100℃で16時間乾燥させる。
使用した支持ペレットは、SASOL Pural SCC 150ボーエマイトとアルミニウムステアレート(3重量%)との混合物を、3つの貫通孔を有する3つ葉形状でペレタライズし、続いて700℃で4時間それを焼成することにより製造する。使用した支持体の形態上の特性は、下記:BET比表面積194m2/g、孔体積0.48cm3/g;見かけ密度1.28 g/cm3;真密度3.27g/cm3であり;平均孔半径は4.9mmであった。
比較前駆体及びそれから得られた触媒の化学、物理及び形態特性を表1に示す。
【0029】
パイロットプラントでの触媒試験及び触媒期間試験
− 反応器中への触媒の投入
100mlガラスシリンダー中で、円筒状グラファイト64ml及び予め秤量(約14g)した触媒23mlを計測する。プラスチックバッグ中で、混合物が均一となるまで、混合を行う。次いで、混合物を、不規則性グラファイトの約30cmのベース上に高さ16cmで反応器に導入する。ステアタイト(steatite)リング約66mlを触媒床の頂部に添加する。反応器の高さは129cmであり、5.23cm2の有用断面積を有する。反応器は、油が巡回し、温度検出用の束状の熱電対中に収容された覆いを内部かつ同軸部に有する温度制御ジャケットを備えている。
− 試験条件
反応器が250℃に達した際、試薬ガスを次の順:H2,HCl,C2H4及び最後にO2を供給する。試験条件は:
− 線速度=5.7m/s(空の反応器で、プロセス条件で算出された速度);
− 圧力=1.3ata;
− 接触時間=2.8秒;
− 試薬の全流量=66.5HI/h;
− CL/Cモル比=0.69;
− O2/C2H4=0.35
とする。
【0030】
250℃の一定冷却材温度で、触媒床内に配置した6つの熱電対の温度を6時間ごとに検出しつつ、試験を連続的に行なうことで、活性の傾向をモニターした。熱電対TC1とTC6を試薬の供給口から1cmで触媒床の端部の場所に置き、他の熱電対を互いに4及び3cmの距離で位置させる。
約75時間後、1時間の期間でDCEサンプリングを行った。結果を表2に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
この出願で優先権を主張するイタリア特許出願第MI2008A002333の開示を参照としてここに含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム粒状体に支持され、金属として表現して、銅2-10重量%及びカリウム0.5-3重量%の量で銅及びカリウムの酸化物及び/又は酸素化化合物を含む前駆体であり、前駆体が塩素として表現して塩素化化合物を0〜4重量%の量有し、前駆体粒状体の断面に銅及びカリウム化合物の均一な分布を有する定まったジオメトリック形態を有する中空粒状体の形態であるエチレンの1,2-ジクロロエタンへの固定床オキシ塩素化に使用しうる触媒の前駆体。
【請求項2】
更に、カリウム以外のアルカリ金属から選択される金属の酸化物及び/又は酸素化化合物をアルカリ金属としての量で0.5-3重量%、金属としての量でアルカリ土類金属を0.05-2重量%、及び金属としての量で希土類金属を0.1-3重量%含む請求項1の前駆体。
【請求項3】
オキシ塩素化プロセスに使用した後に3-10重量%の塩素含量を有する請求項1及び2の前駆体。
【請求項4】
金属として表現して支持化合物の量が、銅3-8重量%、カリウム0.6-3重量%、マグネシウム0.1-1重量%、及びセリウム0.15-3重量%である請求項1〜3のいずれか1つの前駆体。
【請求項5】
表面積(BET)が80〜210m2/g、孔体積が0.2-0.6ml/g、及び孔の平均半径が2〜15nmである請求項1〜4のいずれか1つの前駆体。
【請求項6】
ガンマアルミナ粒状体に支持された請求項1〜5のいずれか1つの前駆体。
【請求項7】
中空粒状体が、少なくとも1つの貫通孔を備えた円筒形状を有する請求項1〜6のいずれか1つの前駆体。
【請求項8】
粒状体が、粒状体の軸に平行な葉状3貫通孔に対応する円状断面を有する請求項7の前駆体。
【請求項9】
粒状体が、軸方向座屈耐性40〜80kg/plt及び半径方向座屈耐性1.2〜3kg/pltを有する請求項7の前駆体。
【請求項10】
ボーエマイト粉体又はガンマアルミナ及び/又はアルミニウムシリケートの微小成分との混合物への請求項1〜9に規定された前駆体の成分を形成する金属塩の溶液の含浸工程、含浸されたボーエマイトを乾燥させる工程、続いてガンマアルミナ中でのボーエマイトの変換をなすために、500℃〜850℃で行う焼成工程を含む請求項1〜9のいずれか1つの前駆体を製造する方法。
【請求項11】
使用した可溶性塩は、塩が有機カルボン酸又は他の揮発性化合物に由来する場合、対応する酸化物及び/又は酸素化化合物と、二酸化炭素中で、焼成温度での加熱により分解しうる請求項10の方法。
【請求項12】
含浸が、請求項9に示された金属塩化物の使用によりなされ、かつ焼成が、3重量%以下の塩素含量が得られるまで延長される請求項11による方法。
【請求項13】
シリーズで3つの反応器を使用することにより実施され、第1反応器に請求項1〜9のいずれか1つによる前駆体を導入するエチレンの1,2-ジクロロエタンへのオキシ塩素化プロセス。
【請求項14】
プロセスが、酸化剤としての酸素と、モル比HCl/C2H4、O2/C2H4及びHCl/O2をそれぞれ0.15〜0.50、0.04〜0.10及び3.2〜5.8で使用し、200℃〜300℃の温度で行われる請求項11によるプロセス。
【請求項15】
請求項13及び14によるオキシ塩素化プロセスで前駆体の使用後、請求項1〜9の前駆体から得られた3-10重量%の塩素含量を有する触媒。

【公表番号】特表2012−513884(P2012−513884A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542792(P2011−542792)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067567
【国際公開番号】WO2010/076249
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(505471510)サッド−チェミー カタリスツ イタリア エス.アール.エル. (8)
【氏名又は名称原語表記】SUD−CHEMIE CATALYSTS ITALIA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via G. Fauser 36/B,28100 NOVARA,ITALY
【Fターム(参考)】