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エチレン/α−オレフィン共重合体での熱可塑性物質の耐衝撃性改良
説明

エチレン/α−オレフィン共重合体での熱可塑性物質の耐衝撃性改良

【課題】 より進んだ、費用効果の高いポリマーが、引き続き必要とされている。
【解決手段】 良好な耐衝撃性能を有する組成物を熱可塑性物質(例えば、ポリプロピレ
ンまたはHDPEなどのポリオレフィン)およびエチレンマルチブロックコポリマーから
作製することができる。本組成物は、容易に成形することができ、そして多くの場合、例
えば自動車の計器盤、部品および他の家庭用品を作製する際に、特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリマーおよびポリマーブレンドの改善された耐衝撃性改良に関す
る。
【背景技術】
【0002】
ポリマー組成物には、その組成物の衝撃強度を強化しようとして、または他の特性を強
化しながらその衝撃強度を維持しようとして、多数の異なるポリマーおよび材料が添加さ
れてきた。例えば、米国特許第5,118,753号(Hikasaら)(前記特許は、
本明細書に参照によって援用される)には、油展オレフィンコポリマーゴムとオレフィン
系プラスチックの混合物から本質的に構成される、低い硬度ならびに優れた可撓性および
機械的特性を有すると言われている熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。この
オレフィン系プラスチックは、ポリプロピレンであるか、ポリプロピレンと炭素原子数2
またはそれ以上のα−オレフィンとのコポリマーである。Modern Plastics Encyclopedia
/89, mid October 1988 Issue, Volume 65, Number 11, pp. 110-117(この開示は、本発
明に参照により援用される)にも耐衝撃性改良に有用な様々な熱可塑性エラストマー(T
PE)の使用が開示されている。これらには、エラストマーアロイ(TPE)、エンジニ
アリングTPE、オレフィン系TPE(熱可塑性オレフィンまたはTPOとしても知られ
ている)、ポリウレタンTPEおよびスチレン系TPEが挙げられる。
【0003】
熱可塑性オレフィン(TPO)は、多くの場合、エラストマー材料、例えばエチレン/
プロピレンゴム(EPM)またはエチレン/プロピレンジエンモノマーターポリマー(E
PDM)と、より硬質な材料、例えばイソタクチックポリプロピレンとのブレンドから製
造される。この配合物に、用途に依存して油、充填剤および架橋剤をはじめとする他の材
料または成分が添加され得る。TPOは、多くの場合、剛性(弾性率)と低温耐衝撃性と
のバランス、良好な耐薬品性および広い使用温度によって特徴付けられる。このような特
徴のため、TPOは、自動車の計器盤ならびにワイヤーおよびケーブル操作、剛性包装、
成形品、計器板などをはじめとする多数の用途において使用される。
【0004】
Union Carbide Chemicals and Plastics In
x.は、高価なEPMまたはEPDMゴムに代わる、Flexomer(商標)Poly
orefinsという商品名の費用効果の高い新規な種類のポリオレフィンを開発したと
1990年に告知した。これらの新規なポリオレフィンは、ゴムとポリエチレンの間の隙
間を埋めると言われており、これら2つの範囲の間の弾性率を有する。しかし、ゴムおよ
びその配合物の弾性率は、TPO配合物を評価するための基準でしかない。低温耐衝撃性
挙動は、−30℃でのガードナー衝撃(Gardner Impact)によって測定されることもあり
、これも、時として、TPO組成物の性能に重要である。M.R.Rifi、H.K.F
ickerおよびM.A.Corwinによる論文「Flexomer(商標)Polyolefins: A G
ridge Between Plyethylene and Rubbers」の図4に含まれているデータによると、標準
的なEPMゴムと同じレベルの低温ガードナー衝撃性能に達するためには、より多くのF
lexomer(商標)PlyolefinをTPO配合物に添加する必要があり、従っ
て、より低コストのEPM/EPDM代用品という利点は、多少、打ち消される。例えば
、Rifiらの論文の図4のデータを用いると、ポリプロピレン中の約20(重量)%の
EPMが、−30(℃)で約22Jのガードナー衝撃をもたらす一方で、同量のFlex
omer(商標)Polyolefinは、約13Jの−30℃ ガードナー衝撃をもた
らす。
【0005】
テキサス州ヒューストンにおけるthe 1991 Specialty Polyo
lefins Conference(SPO’90)において1991年9月24日に
提示された論文(43〜45頁)において、Michael P.Jeffries(E
xxon Chemical CompanyのExxpol Ethylene Pl
ymers Venture Manager)も、耐衝撃性改良のためにポリプロピレ
ンにExxonのExact(商標)ポリマーおよびプラストマーをブレンドすることが
できると報告している。Exxon Chemical Companyは、the Prepri
nts of Polyolefins VII International Conference, page 45-66, Feb. 24-27 1991にお
いて、彼らのEXXPOL(商標)技術によって製造した狭い分子量分布(NMWD)の
樹脂が、同じメルトインデックスの従来のチーグラー樹脂より高い溶融粘度および低い溶
融強度を有することも開示している。もう1つの最近の出版物において、Exxon C
hemical Companyは、シングルサイト触媒を使用して作製したNMWDポ
リマーが、メルトフラクチャーの可能性を生じさせることも教示している(1991年9
月、テキサス州ダラスにおけるIEEE会議において提示された、Monica Hen
dewerkおよびLawrence Spenadelによる「New Specialty Linear
Polymers (SLP) For Power Cables」)。
【0006】
狭い分子量分布の線状ポリマーが、こうしたポリマーの押出適性を制限する低い剪断感
度または低いI10/I値を不利にも有することは、周知である。さらに、こうしたポ
リマーは、低い溶融弾性を保有し、これは、溶融加工、例えばフィルム形成プロセスまた
はブロー成形プロセスにおいて問題(例えば、インフレートフィルムプロセスにおける気
泡の維持またはブロー成形プロセスにおける垂れなど)を生じさせる。最後に、こうした
樹脂は、比較的遅い押出速度で表面メルトフラクチャー特性も経験し、その結果、容認で
きない加工となり、完成品における表面不整が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、Union CarbideによるFlexomer(商標)Polyo
lefinsまたはExxonによるExact(商標)ポリマーなどの新規な低弾性率
ポリマーの開発は、TPO市場に貢献したが、室温またはそれ以下で弾性率および/また
は耐衝撃性能を改良または維持するために熱可塑性物質(例えば、ポリオレフィン、例え
ばポリプロピレンまたはHDPE)と化合させるための、他の、より進んだ、費用効果の
高いポリマーが、引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この良好な低温耐衝撃性能と弾性率の組み合わせを有する配合組成物を、今般、発見し
た。この組成物は、
A)熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、エンジニアリングサー
モプラスチックおよびポリオレフィンから成る群より選択される熱可塑性物質、および
B)耐衝撃性改良量の少なくとも1つのエチレン/α−オレフィン共重合体
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
一般定義
【0010】
「ポリマー」は、同じタイプのモノマーであろうと、異なるタイプのモノマーであろう
と、モノマーを重合させることによって作製された高分子化合物を意味する。一般用語「
ポリマー」は、用語「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」ならびに「共
重合体」を包含する。
【0011】
「共重合体」は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって作製された
ポリマーを意味する。一般用語「共重合体」は、用語「コポリマー」(通常、2つの異な
るモノマーから作製されたポリマーを指すために用いられる)ならびに用語「ターポリマ
ー」(通常、3つの異なるタイプのモノマーから作製されたポリマーを指すために用いら
れる)を包含する。これは、4つまたはそれ以上のタイプのモノマーを重合させることに
よって作製されたポリマーも包含する。
【0012】
用語「エチレン/α−オレフィン共重合体」は、一般に、エチレンと3個またはそれ以
上の炭素原子を有するα−オレフィンとを含むポリマーを指す。好ましくは、エチレンが
、その全ポリマーの大部分のモル分画を構成する。すなわち、エチレンは、その全ポリマ
ーの少なくとも約50モルパーセントを構成する。より好ましくは、エチレンは、少なく
とも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、または少なくとも約80
モルパーセントを構成し、その全ポリマーの実質的な残部は、好ましくは3個またはそれ
以上の炭素原子を有するα−オレフィンである、少なくとも1つの他のコモノマーを含む
。多数のエチレン/オクテンコポリマーについて、好ましい組成は、その全ポリマーの約
80モルパーセントより多いエチレン含量、およびその全ポリマーの約10から約15、
好ましくは約15から約20モルパーセントのオクテン含量を含む。ある実施形態では、
エチレン/α−オレフィン共重合体は、低収率でまたは少量でまたは化学プロセスの副生
成物として生成されるものを含まない。エチレン/α−オレフィン共重合体を1つまたは
それ以上のポリマーとブレンドすることができるが、生成されるエチレン/α−オレフィ
ン共重合体は、実質的に純粋であり、多くの場合、重合プロセスの反応生成物の主成分を
構成する。
【0013】
エチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンおよび1つまたはそれ以上の共重合可
能なα−オレフィンコモノマーを重合型で含み、これは、化学的または物理的な特性が異
なる2つまたはそれ以上の重合したモノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによ
って特徴付けられる。すなわち、エチレン/α−オレフィン共重合体は、ブロック共重合
体、好ましくはマルチブロック共重合体またはコポリマーである。用語「共重合体」およ
び「コポリマー」は、本明細書では同義で用いられる。ある実施形態において、マルチブ
ロックコポリマーは、次の式:
(AB)
によって表すことができ、式中、nは、少なくとも1、好ましくは1より大きい整数、例
えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90
、100またはそれ以上であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し、な
らびに「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、
実質的に分枝したまたは実質的に星形の様式とは対照的に、実質的に線状の様式で連結し
ている。他の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってラ
ンダムに分布している。言い換えると、これらのブロックコポリマーは、通常、次のよう
な構造を有さない。
AAA―AA−BBB―BB
【0014】
さらに他の実施形態におけるブロックコポリマーは、異なるコモノマー(単数または複数
)を含む第三のブロックタイプを、通常、有さない。さらに他の実施形態では、ブロック
AおよびブロックBの各々が、そのブロックの中に実質的にランダムに分布しているモノ
マーまたはコモノマーを有する。言い換えると、いずれのブロックAおよびブロックBも
、異なる組成の2つまたはそれ以上のサブセグメント(またはサブブロック)、例えば、
そのブロックの残りのものとは実質的に異なる組成を有するチップセグメント、を含まな
い。
【0015】
一般に、マルチブロックポリマーは、様々な量の「ハード」および「ソフト」セグメン
トを含む。「ハード」セグメントは、エチレンが、そのポリマーの重量を基準にして約9
5重量パーセントより多い量、好ましくは約98重量パーセントより多い量で存在する、
重合単位のブロックを指す。言い換えると、ハードセグメント中のコモノマー含量(エチ
レン以外のモノマーの含量)は、そのポリマーの重量を基準にして約5重量パーセント未
満、好ましくは約2重量パーセント未満である。ある実施形態において、ハードセグメン
トは、全てまたは実質的に全てエチレンから成る。一方、「ソフト」セグメントは、その
コモノマー含量(エチレン以外のモノマーの含量)が、そのポリマーの重量を基準にして
約5重量パーセントより大きい、好ましくは約8重量パーセントより大きい、約10重量
パーセントより大きい、または約15重量パーセントより大きい、重合単位のブロックを
指す。ある実施形態において、ソフトセグメント中のコモノマー含量は、約20重量パー
セントより大きくてもよく、約25重量パーセントより大きくてもよく、約30重量パー
セントより大きくてもよく、約35重量パーセントより大きくてもよく、約40重量パー
セントより大きくてもよく、約45重量パーセントより大きくてもよく、約50重量パー
セントより大きくてもよく、または約60重量パーセントより大きくてもよい。
【0016】
ソフトセグメントは、多くの場合、そのブロック共重合体の総重量の約1重量パーセン
トから約99重量パーセント、好ましくは、そのブロック共重合体の総重量の約5重量パ
ーセントから約95重量パーセント、約10重量パーセントから約90重量パーセント、
約15重量パーセントから約85重量パーセント、約20重量パーセントから約80重量
パーセント、約25重量パーセントから約75重量パーセント、約30重量パーセントか
ら約70重量パーセント、約35重量パーセントから約65重量パーセント、約40重量
パーセントから約60重量パーセント、または約45重量パーセントから約55重量パー
セント、ブロック共重合体の中に存在し得る。逆に言えば、ハードセグメントは、同様の
10の範囲で存在し得る。ソフトセグメントの重量パーセンテージおよびハードセグメン
トの重量パーセンテージは、DSCまたはNMRから得られるデータを基に計算すること
ができる。こうした方法および計算は、Colin L.P.Shan、Lonnie
Hazlittらの名で2006年3月15日に出願され、Dow Global Te
chnolgies Inc.に譲渡された、「Ethylene / α- Olefin Block Interpol
ymers」と題する、米国特許出願第______号(わかった時点で挿入)、代理人整理
番号385063−999558に開示されている。この特許の開示は、その全体が参照
によって本明細書に援用されている。
【0017】
「結晶性」という用語が用いられる場合、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技
法によって判定したときに一次転移または結晶融点(Tm)を有するポリマーを意味する
。この用語は、用語「半晶質」と同義で用いられることがある。用語「非晶質」は、示差
走査熱量測定(DSC)または同等の技法によって測定される結晶融点がないポリマーを
指す。
【0018】
用語「マルチブロックコポリマー」または「セグメント化コポリマー」は、好ましくは
線状に接続されている、2つまたはそれ以上の化学的に別個の領域またセグメント(「ブ
ロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダント式またはグラフト式ででは
なく重合されるエチレン性官能基に関して端と端とで接続されている、化学的に区別され
る単位を含むポリマー、を指す。好ましい実施形態において、それらのブロックは、組み
込まれているコモノマーの量およびタイプ、密度、結晶性の量、そうしたポリマー組成が
原因となる結晶サイズ、立体規則性のタイプもしくは程度(イソタクチックまたはシンジ
オタクチック)、位置規則性(regio-regularity)もしくは位置変則性(regio-irregula
rity)、分枝化の量(長鎖分枝化もしくは高分枝化を含む)、均一性、または他の任意の
化学的または物理的な特性の点で異なる。マルチブロックコポリマーは、これらのコポリ
マーの一意の作製プロセスのため、両方の多分散指数(PDIもしくはMw/Mn)、ブ
ロック長分布、および/またはブロック数分布の一意的な分布によって特徴付けられる。
さらに具体的には、連続プロセスで製造されたとき、これらのポリマーは、望ましくは、
1.7から2.9、好ましくは1.8から2.5、より好ましくは1.8から2.2、お
よび最も好ましくは1.8から2.1のPDIを有する。バッチまたはセミバッチプロセ
スにおいて製造されたとき、これらのポリマーは、1.0から2.9、好ましくは1.3
から2.5、より好ましくは1.4から2.0、および最も好ましくは1.4から1.8
のPDIを有する。
【0019】
「耐衝撃性改良量のエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体」は、所与のポ
リマー組成物に添加されるエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体の量であっ
て、その組成物の室温またはそれ以下でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、その添加され
るエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体のない前記所与の組成物の同温度で
のノッチ付アイゾッド衝撃強度と比較して、維持されるか増大されるような量である。
【0020】
以下の説明において、本明細書に開示されている全ての数は、それに伴って「約」また
は「おおよそ」という語が用いられているかどうかにかかわらず、近似値である。それら
は、1パーセント、2パーセント、5パーセント、または時として10から20パーセン
ト変動することがある。下限Rおよび上限Rを有する数値範囲が開示されているとき
は、必ず、その範囲に入る任意の数が、具体的に開示される。詳細には、その範囲の以下
の数が、具体的に開示される:R=R+k*(R−R)[式中、kは、1パーセン
ト刻みで1パーセントから100パーセントまでの範囲にわたる変数であり、すなわち、
kは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、..
...、50パーセント、51パーセント、52パーセント、.....、95パーセン
ト、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、または100
パーセントである]。さらに、上で定義したように2つの数Rによって定義される任意の
数値範囲も、具体的に開示される。
【0021】
エチレン/α−オレフィン共重合体
本発明の実施形態において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(「本発明の
共重合体(inventive interpolymer)」、「本発明のポリマー(inventive polymer)」
とも呼ばれる)は、化学的または物理的な特性において異なる2つまたはそれ以上の重合
モノマー単位の複数のブロックまたはセグメント(ブロック共重合体)、好ましくはマル
チブロックコポリマーによって特徴付けられる、エチレンおよび1またはそれ以上の共重
合可能なα−オレフィンコモノマーを重合型で含む。このエチレン/α−オレフィン共重
合体は、下に記載されるような1つまたはそれ以上の態様によって特徴付けられる。
【0022】
一態様では、本発明の実施形態で用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体は、約
1.7〜約3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および密度d(g/
cm)を有し、この変数の数値は、
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)、そして好まし
くは、
Tm≧−6288.1+13141(d)−6720.3(d)、そして好ましく
は、
Tm≧858.91−1825.3(d)+1112.8(d)
の関係に相当する。
【0023】
このような融点/密度の関係は、図1に図示される。融点が密度とともに低下するエチ
レン/α−オレフィンの従来のランダムコポリマーとは異なり、特に密度が約0.87g
/cc〜約0.95g/ccである場合、本発明の共重合体(ひし形で示す)は、密度と
は実質的に独立した融点を示す。例えば、このようなポリマーの融点は、密度が約0.8
75g/cc〜約0.945g/ccにわたる場合、約110℃〜約130℃の範囲であ
る。ある実施形態では、このようなポリマーの融点は、密度が約0.875g/cc〜約
0.945g/ccにわたる場合、約115℃〜約125℃の範囲である。
【0024】
別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、重合型で、エチレンおよび
1またはそれ以上のα−オレフィンを含み、そして最高の示差走査熱量測定(「DSC」
)ピーク温度から最高の結晶分析分別(Crystallization Analys
is Fractionation)(「CRYSTAF」)ピークの温度を引いた温度
として規定されるΔT(℃)および融解熱ΔH(J/g)によって特徴付けられ、そして
ΔTおよびΔHの数値が、ΔHが130J/gより大きい場合、以下の関係、
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、そして好ましくは、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+64.38、そしてより好ましくは、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+65.95
を満たす。さらに、ΔTは、ΔHが130J/gより大きい場合、48℃以上である。C
RYSTAFピークは、累積ポリマーのうちの少なくとも5%を用いて決定される(すな
わち、このピークは、累積ポリマーの少なくとも5%に相当するはずである)、そしてこ
のポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するとき
、CRYSTAF温度が30℃であり、そしてΔHは、融解熱(J/g)の数値である。
より好ましくは、最高のCRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも10パーセ
ントを含む。図2は、本発明のポリマーのプロットされたデータ、および比較例を示す。
積分されたピーク面積およびピーク温度は、機器製造業者によって供給されるコンピュー
タ図形作成プログラムによって算出される。ランダムエチレンオクテン比較ポリマーにつ
いて示される対角線は、方程式ΔT=−0.1299(ΔH)+62.81に相当する。
【0025】
さらに別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、昇温溶離分別法(T
emperature Rising Elution Fractionation)
(「TREF」)を用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分
であって、この同じ温度の間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分の
コモノマーモル含量よりも少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10
パーセント高い、コモノマーモル含量を有するという点で特徴付けられる画分を有し、こ
こで、この比較対象となるランダムエチレン共重合体が同じコモノマー(単数または複数
)を有し、かつメルトインデックス、密度、およびコモノマーモル含量(ポリマー全体に
基づく)をこのブロック共重合体のものの10パーセント内で有する。好ましくは、この
比較対象となる共重合体のMw/Mnはまた、そのブロック共重合体のMw/Mnの10
パーセント内であるか、そして/またはこの比較対象となる共重合体は、このブロック共
重合体のMw/Mnの10パーセント内である総コモノマー含量を有する。
【0026】
さらに別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレン/α−オレ
フィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された、300パーセントのひずみかつ1サイ
クルでのパーセントである、弾性回復率Reによって特徴付けられ、かつ密度d(グラム
/立方センチメートル)を有し、このReおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィン
共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係、
Re>1481−1629(d);そして好ましくは、
Re≧1491−1629(d);そしてより好ましくは、
Re≧1501−1629(d);そしてよれより好ましくは、
Re≧1511−1629(d)
を満たす。
【0027】
図3は、特定の本発明の共重合体および従来のランダムコポリマーから作成された未延
伸フィルムについての弾性回復率に対する密度の効果を示す。同じ密度について、本発明
の共重合体は、実質的により高い弾性回復率を有する。
【0028】
ある実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、10MPaを超える引張強
度、好ましくは11MPa以上の引張強度、より好ましくは13Mpa以上の引張強度、
および/または、11cm/分のクロスヘッド分離速度で、少なくとも600パーセント
、より好ましくは少なくとも700パーセント、特に好ましくは少なくとも800パーセ
ント、そして最も高度に好ましくは少なくとも900パーセントの破断点伸度を有する。
【0029】
他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、(1)1〜50、好ま
しくは1〜20、より好ましくは1〜10という貯蔵弾性率比G’(25℃)/G’(1
00℃);および/または(2)80パーセント未満、好ましくは70パーセント未満、
特に60パーセント未満、50パーセント未満、または40パーセント未満という70℃
圧縮永久ひずみを、0パーセントの圧縮永久ひずみまで下がって、有する。
【0030】
さらに他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、80パーセント
未満、70パーセント未満、60パーセント未満、または50パーセント未満、という7
0℃圧縮永久ひずみを有する。好ましくは、共重合体の70℃圧縮永久ひずみは、40パ
ーセント未満、30パーセント未満、20パーセント未満であり、そして約0パーセント
まで下がってもよい。
【0031】
ある実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、85J/g未満の融解
熱、および/または100ポンド/フィート(4800Pa)以下、好ましくは50ポ
ンド/フィート(2400Pa)以下、特に、5ポンド/フィート(240Pa)以
下、そして0ポンド/フィート(0Pa)程度のペレットブロッキング強度を有する。
【0032】
他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、重合型で、少なくとも
50モルパーセントのエチレンを含み、そして80パーセント未満、好ましくは70パー
セント未満、または60パーセント未満、最も好ましくは40〜50パーセント、そして
ゼロパーセント近くまで下がるという70℃圧縮永久ひずみを有する。
【0033】
ある実施形態では、このマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布よりもシュルツフ
ローリー分布にあてはまるPDIを保有する。このコポリマーはさらに、多分散性ブロッ
ク分布と多分散性ブロックサイズ分布の両方を有し、かつブロック長の最確分布を保有す
ると特徴付けられる。好ましいマルチブロックコポリマーは、末端ブロックを含めて、4
つまたはそれ以上のブロックまたはセグメントを含むものを含むものである。より好まし
くは、このコポリマーは、末端ブロックを含めて、少なくとも5、10もしくは20のブ
ロックまたはセグメントを含む。
【0034】
コモノマー含量は、好ましくは核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術による、任
意の適切な技術を用いて測定され得る。さらに、比較的広範なTREF曲線を有するポリ
マーまたはポリマーの混合物については、ポリマーは望ましくは、TREFを用いて、各
々が10℃以下の溶出温度範囲を有する画分に最初に分画される。すなわち、各々の溶出
画分は、10℃以下という収集温度領域を有する。この技術を用いて、このようなブロッ
ク共重合体は、比較対象となる共重合体の対応する画分よりも高モルのコモノマー含量を
有する、少なくとも1つのこのような画分を有する。
【0035】
別の態様では、本発明のポリマーはオレフィン共重合体であって、好ましくは、エチレ
ンおよび1以上の共重合性コモノマーを重合形態で有し、化学的または物理的特性(ブロ
ック化された共重合体)の異なる2以上の重合化されたモノマー単位の複数のブロック(
すなわち、少なくとも2つのブロック)またはセグメントによって特徴付けられ、最も好
ましくはマルチブロックコポリマーを含む。このブロック共重合体は、40℃〜130℃
で溶出(ただし、個々の画分の収集および/または単離はない)するピーク(ただし単な
る分子画分ではない)を有し、このピークで特徴付けられ、このピークは、半値全幅(fu
ll width/half maximum)(FWHM)面積計算を用いて展開されたとき、赤外線分光法
によって評価されるコモノマー含量を有する。ここでブロック化された共重合体は、同じ
溶出温度及び半値全幅(FWHM)面積計算で、比較対象となるランダムエチレン共重合
体のピークのコモノマー含量よりも高い、好ましくは少なくとも5パーセント高い、より
好ましくは少なくとも10パーセント高い、コモノマーの平均モル含量を有する。ここで
、この比較対象となるランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(単数または複数)
を有し、かつメルトインデックス、密度、およびブロック化された共重合体のコモノマー
のモル含量の10パーセント以内のコモノマーのモル含量(ポリマー全体に基づく)を有
する。好ましくは、この比較対象となる共重合体のMw/Mnはまた、ブロック化された
共重合体のMw/Mnの10パーセント内であるか、そして/またはこの比較対象となる
共重合体は、ブロック化された共重合体の総コモノマー含量の10重量パーセント内の総
コモノマー含量を有する。半値全幅(FWHM)計算は、ATREF赤外検出器由来のメ
チレンに対するメチルの応答面積の比[CH/CH]に基づき、この最も高(最高)
のピークは、ベースラインから特定され、次いでこのFWHM面積が決定される。ATR
EFピークを用いて測定された分布については、FWHM面積は、TとTとの間の曲
線下面積として規定され、このTとTは、ピーク高さを2で割ること、次にATRE
F曲線の左部分および右部分を横切る、ベースラインに対して水平な線を引くことによっ
て、ATREFピークの左右に対してポイント決定される。コモノマー含量についての検
量線は、ランダムエチレン/α−オレフィンコポリマーを用い、TREFのピークのNM
R対FWHM面積の比からコモノマー含量をプロットして行われる。この赤外方法につい
ては、この検量線は、目的の同じコモノマータイプについて作成される。本発明のポリマ
ーのTREFピークのコモノマー含量は、TREFピークのFWHMのメチル:メチレン
面積比[CH/CH]を用いてこの検量線を参照することによって決定され得る。
【0036】
コモノマー含量は、好ましくは核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術による、
任意の適切な技術を用いて測定され得る。この技術を用いて、このブロック化された共重
合体は、対応する、比較対象となる共重合体よりも高モルのコモノマー含量を有する。
【0037】
好ましくは、エチレンおよび1−オクテンの共重合体について、このブロック共重合体
は、40℃と130℃との間で溶出するTREF画分のコモノマー含量を量(−0.20
13)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上有
し、このTとは、℃で測定した、比較されているTREF画分のピーク溶出温度の数値で
ある。
【0038】
図4はエチレンおよび1−オクテンのブロック共重合体の実施形態をグラフ表示してお
り、ここではいくつかの比較対象となるエチレン/1−オクテン共重合体(ランダムコポ
リマー)についてのコモノマー含量対TREF溶出温度のプロットが、(−0.2013
)T+20.07(実線)に相当する線に適合する。この式(−0.2013)T+21
.07についての線は、破線で示される。本発明のいくつかのブロックエチレン/1−オ
クテン共重合体(マルチブロックコポリマー)の画分のコモノマー含量も示される。ブロ
ック共重合体画分の全てが、同等の溶出温度でいずれの線より有意に高い1−オクテン含
量を有する。この結果は、本発明の共重合体の特徴であって、結晶質および非結晶質の両
方の性質を有する、ポリマー鎖内の分化型のブロックの存在に起因すると考えられる。
【0039】
図5は、実施例5および下で考察される比較のFについてのポリマー画分のTREF曲
線およびコモノマー含量をグラフ表示する。両方のポリマーについて40〜130℃、好
ましくは60℃〜95℃で溶出するピークを、各々の部分が10℃未満の温度範囲にわた
って溶出する3つの部分に分画する。実施例5についての実際のデータは三角で示す。種
々のコモノマーを含有する共重合体について適切な検量線を作成することができ、それが
、同じモノマーの比較共重合体、好ましくはメタロセンまたは他の均一系触媒組成物を用
いて製造されるランダムコポリマーから得られたTREF値とフィッティングさせる比較
として用いられる線であり得ることは、当業者には理解され得る。本発明の共重合体は、
同じTREF溶出温度で検量線から決定された値より大きい、好ましくは、少なくとも5
パーセント大きい、より好ましくは少なくとも10パーセント大きい、コモノマーのモル
含量で特徴付けられる。
【0040】
上記の態様および本明細書に記載される特性に加えて、本発明のポリマーは、1または
それ以上のさらなる特徴によって特徴付けられ得る。一態様では、本発明のポリマーは、
オレフィン共重合体であり、好ましくは、エチレンおよび1以上の共重合性コモノマーを
重合形態で有し、化学的または物理的特性(ブロック化された共重合体)の異なる2以上
の重合化されたモノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによって特徴付けられ、
最も好ましくはマルチブロックコポリマーを含む。このブロック共重合体は、TREF増
分を用いて分画した場合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有する。ここで、ブロ
ック化された共重合体はこの画分で、同じ温度間で溶出する比較対象となるランダムエチ
レン共重合体画分のコモノマーのモル含量よりも高い、好ましくは少なくとも5パーセン
ト高い、より好ましくは少なくとも10、15または25パーセント高い、コモノマーの
モル含量を有するという点で特徴づけられる。ここで、この比較対象となるランダムエチ
レン共重合体は、同じコモノマー(単数または複数)を含み、好ましくは、これは同じコ
モノマー(単数または複数)であり、そしてメルトインデックス、密度、およびブロック
化された共重合体のコモノマーのモル含量の10パーセント以内のコモノマーのモル含量
(ポリマー全体に基づく)を有する。好ましくは、この比較対象となる共重合体のMw/
Mnはまた、ブロック化された共重合体のMw/Mnの10パーセント内であるか、そし
て/またはこの比較対象となる共重合体は、ブロック化された共重合体の総コモノマー含
量の10重量パーセント内の総コモノマー含量を有する。
【0041】
好ましくは、上記の共重合体は、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの共
重合体であり、特に、それらの共重合体は、約0.855〜約0.935g/cmの全
体ポリマー密度を有し、そしてより詳細には、約1モルパーセントを超えるコモノマーを
有するポリマーについては、このブロック化された共重合体は、40〜130℃で溶出す
るTREF画分のコモノマー含量を、量(−0.1356)T+13.89以上、より好
ましくは量(−0.1356)T+14.93以上、そして最も好ましくは、量(−0.
2013)T+21.07以上有し、Tとは、℃で測定した、比較されているTREF画
分のピークATREF溶出温度の数値である。
【0042】
好ましくは、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの上記の共重合体、特に
、0.855〜約0.935g/cmというポリマー全体密度を有する共重合体につい
て、そしてさらに詳細には、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーに
ついて、ブロック化された共重合体は、40℃〜130℃で溶出するTREF画分のコモ
ノマー含量を、量(−0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2
013)T+21.07以上有し、Tとは、℃で測定した、比較されているTREF画分
のピーク溶出温度の数値である。
【0043】
さらに別の態様では、本発明のポリマーは、オレフィン共重合体であり、好ましくは、
化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数の
ブロックまたはセグメントによって特徴付けられる、エチレンおよび1またはそれ以上の
共重合可能コモノマーを重合型で(ブロック化された共重合体)、最も好ましくはマルチ
ブロックコポリマーを含み、このブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画した場
合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、この画分は、少なくとも約6モルパー
セントのコモノマー含量を有するあらゆる画分が、約100℃より大きい融点を有すると
いう点で特徴付けられる。約3モルパーセント〜約6モルパーセントのコモノマー含量を
有する画分については、あらゆる画分が約110℃以上というDSC融点を有する。より
好ましくは、少なくとも1モルパーセントのコモノマーを有する、このポリマー画分は、
式:
Tm≧(−5.5926)(画分中のモルパーセントコモノマー)+135.90
に相当するDSC融点を有する。
【0044】
さらに別の態様では、本発明のポリマーは、オレフィン共重合体であり、好ましくは、
化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数の
ブロックまたはセグメントによって特徴付けられる、エチレンおよび1またはそれ以上の
共重合可能コモノマーを重合型で(ブロック化された共重合体)、最も好ましくはマルチ
ブロックコポリマーを含み、このブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画した場
合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、この画分は、約76℃以上のATRE
F溶出温度を有するあらゆる画分が、式:
融解熱(J/gm)≦(3.1718)(摂氏のATREF溶出温度)−136.5

に相当する、DSCによって測定された融解エンタルピー(融解熱)を有するという点で
特徴付けられる。
【0045】
本発明のブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画された場合、40℃〜130
℃で溶出する分子画分を有し、この画分は、40℃と約76℃未満との間のATREF溶
出温度を有するあらゆる画分が、式:
融解熱(J/gm)≦(1.1312)(摂氏のATREF溶出温度)+22.97
に相当する、DSCによって測定された融解エンタルピー(融解熱)を有するという点で
特徴付けられる。
【0046】
赤外線検出器によるATREFピークのコモノマー組成測定
TREFピークのコモノマー組成は、Polymer Char,Valencia,
Spain(http://www.polymerchar.com/)から入手可能
なIR4赤外検出器を用いて測定され得る。
【0047】
検出器の「組成モード」は、測定センサー(CH)および組成センサー(CH)を
装備しており、これは2800〜3000cm−1の領域における狭帯域固定型赤外線フ
ィルタである。この測定センサーは、ポリマー上のメチレン(CH)カーボン(これは
、溶液中のポリマー濃度に直接関係する)を検出するが、組成センサーは、ポリマーのメ
チル(CH)基を検出する。組成シグナル(CH)を測定シグナル(CH)によっ
て割った算術比は、溶液中の測定されたポリマーのコモノマー含量の影響を受けやすく、
その応答は、公知のエチレンα−オレフィンコポリマー標準を用いて較正される。
【0048】
ATREF装置を用いる場合、検出器によって、TREFプロセスの間の溶出されたポ
リマーの濃度(CH)および組成(CH)シグナルの応答の両方が得られる。ポリマ
ー特異的な較正は、コモノマー含量が分かっている(好ましくはNMRによって測定され
る)を有するポリマーについてCH対CHの面積比を測定することによって作成され
得る。ポリマーのATREFピークのコモノマー含量は、個々のCHおよびCH応答
について面積の比の比較較正を適用することによって推定され得る(すなわち、面積比C
/CH対コモノマー含量)。
【0049】
ピーク面積は、適切なベースラインを適用してTREFクロマトグラムからの個々のシ
グナル応答を積分した後、半値全幅(FWHM)計算を用いて算出することができる。こ
の半値全幅算出は、ATREF赤外検出器からのメチル対メチレンの応答面積比[CH
/CH]の比に基づき、この最も高い(最高の)ピークはベースラインから特定され、
次いでFWHM面積が決定される。ATREFピークを用いて測定される分布については
、FWHM面積は、T1とT2との間の曲線下面積として規定され、ここでT1およびT
2は、ピーク高さを2で割ること、次にATREF曲線の左部分および右部分を横切る、
ベースラインに対して水平な線を引くことによって、ATREFピークの左右に対してポ
イント測定される。
【0050】
このATREF赤外方法においてポリマーのコモノマー含量を測定するための赤外線分
光法の適用は、原理的には、以下の引用文献:Markovich,Ronald P.;Hazlitt,Lonnie G.;S
mith,Linley;「Development of gel-permeation chromatography-Fourier transform inf
rared spectroscopy for characterization of ethylene-based polyolefin copolymers
」.Polymeric Materials Science and Engineering(1991),65,98-100;およびDeslauriers
,P.J.;Rohlfing,D.C.;Shieh,E.T.;「Quantifying short chain branching microstructur
es in ethylene-1-olefin copolymers using size exclusion chromatography and Fouri
er transform infrared spectroscopy(SEC-FTIR)」,Polymer(2002),43,59-170、に記載さ
れるようなGPC/FTIRシステムのものと同様であり、その両方の引用文献とも、そ
の全体が本明細書において参照によって援用される。
【0051】
他の実施形態では、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、ゼロより大きくか
つ最大約1.0までである平均ブロックインデックス、および約1.3より大きい分子量
分布Mw/Mnによって特徴付けられる。この平均ブロックインデックスABIは、5℃
の増分で、20℃〜110℃の分取TREFで得られたポリマー画分の各々についてのブ
ロックインデックス(「BI」)の重量平均であり:
ABI=Σ(wBI
ここでBIは、分取TREFで得られた本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の
i番目の画分についてのブロックインデックスであり、そしてwは、i番目の画分の重
量パーセンテージである。
【0052】
各々のポリマー画分について、BIは、以下の2つの式(その両方とも同じBI値を与
える)のうちの1つによって規定され:
BI=(1/T−1/TXO)/(1/T−1/TAB)またはBI=−(Ln
−LnPXO)/(LnP−LnPAB
ここでTはi番目の画分についての分取ATREF溶出温度(好ましくはケルビン温度
で表される)であり、Pは、i番目の画分のエチレンモル画分であって、上記のような
NMRまたはIRによって測定され得る。PABは、エチレン/α−オレフィン共重合体
全体のエチレンモル分画(前の画分)であり、これもNMRまたはIRによって測定され
得る。TおよびPは、純粋な「ハードセグメント(hard segments)」(これは共重
合体の結晶セグメントをいう)についてのATREF溶出温度およびエチレンモル画分で
ある。一次の近似として、このTおよびPの値は、この「ハードセグメント」につい
ての実測値を得ることができない場合、高密度ポリエチレンホモポリマーについての値に
設定される。本明細書において行われる計算については、Tは372°Kであって、P
は1である。
【0053】
ABは、同じ組成であって、PABというエチレンモル画分を有するランダムコポリ
マーについてのATREF温度である。TABは、以下の式:
LnPAB=αTAB+β
から計算されてもよく、
ここでαおよびβは多数の公知のランダムエチレンコポリマーを用いる検量によって決定
され得る2つの定数である。αおよびβは、装置間で変化し得ることに注意すべきである
。さらに、目的のポリマー組成を用いて、そしてそれらの画分と同様の分子量範囲に関し
ても、それら自体の検量線を作成する必要がある。わずかな分子量効果がある。この検量
線が、類似の分子量範囲から得られる場合、このような効果は、本質的に無視できる。あ
る実施形態では、ランダムエチレンコポリマーは、以下の関係:
LnP=−237.83/TATREF+0.639
を満たし、
xoは、同じ組成であって、Pというエチレンモル画分を有するランダムコポリマー
についてのATREF温度である。TXOは、LnP=α/TXO+βから算出されて
もよい。逆に、PXOは、同じ組成であって、LnPXO=α/T+βから算出され得
る、TというATREF温度を有するランダムコポリマーについてのエチレンモル画分
である。
【0054】
一旦、各々の分取TREF画分についてブロックインデックス(BI)が得られれば、
ポリマー全体についての重量平均ブロックインデックスABIが算出され得る。ある実施
形態では、ABIは、ゼロより大きいが、約0.3未満、または約0.1〜約0.3であ
る。他の実施形態では、ABIは、約0.3より大きく最大約1.0までである。好まし
くは、ABIは、約0.4〜約0.7、約0.5〜約0.7、約0.6〜約0.9の範囲
であるべきである。ある実施形態では、ABIは、約0.3〜約0.9、約0.3〜約0
.8、または約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、約0.3
〜約0.4の範囲である。他の実施形態では、ABIは、約0.4〜約1.0、約0.5
〜約1.0、または約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8〜約1.0、ま
たは約0.9〜約1.0の範囲である。
【0055】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の別の特徴は、この本発明のエチレン/α
−オレフィン共重合体が、分取TREFによって得られ得る少なくとも1つのポリマー画
分を含み、この画分は約0.1より大きくかつ最大約1.0までのブロックインデックス
、約1.3より大きいM/Mを有する。ある実施形態では、このポリマー画分は、約
0.6より大きくかつ最大約1.0まで、約0.7より大きくかつ最大約1.0まで、約
0.8より大きくかつ最大約1.0まで、約0.9より大きくかつ最大約1.0までのブ
ロックインデックスを有する。他の実施形態では、このポリマー画分は、約0.1より大
きくかつ最大約1.0まで、約0.2より大きくかつ最大約1.0まで、約0.3より大
きくかつ最大約1.0まで、約0.4より大きくかつ最大約1.0まで、または約0.4
より大きくかつ最大約1.0までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態
では、このポリマー画分は、約0.1より大きくかつ最大約0.5まで、約0.2より大
きくかつ最大約0.5まで、約0.3より大きくかつ最大約0.5まで、または約0.4
より大きくかつ最大約0.5までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態
では、このポリマー画分は、約0.2より大きくかつ最大約0.9まで、約0.3より大
きくかつ最大約0.8まで、約0.4より大きくかつ最大約0.7まで、または約0.5
より大きくかつ最大約0.6までのブロックインデックスを有する。
【0056】
エチレンおよびα−オレフィンのコポリマーについては、本発明のポリマーは好ましく
は、(1)少なくとも1.3、より好ましくは少なくとも1.5、少なくとも1.7、ま
たは少なくとも2.0、そして最も好ましくは少なくとも2.6、5.0という最大値ま
で、より好ましくは3.5の最大値まで、そして特に2.7という最大値までのPDI;
(2)80J/g以下の融解熱;(3)少なくとも50重量パーセントのエチレン含量;
(4)−25℃未満、より好ましくは−30℃未満というガラス転移温度T、および/
または(5)唯一のTを保有する。
【0057】
さらに、本発明のポリマーは、log(G’)が100℃の温度で400kPa以上、
好ましくは1.0MPa以上であるような貯蔵弾性率G’を単独で、または本明細書に開
示される任意の他の特性と組み合わせて有することができる。さらに、本発明のポリマー
は、0〜100℃の範囲で温度の関数として比較的平坦な貯蔵弾性率を保有し(図6に図
示される)、これは、ブロックコポリマーの特徴であるが、オレフィンコポリマー、特に
、エチレンおよび1またはそれ以上のC3−8脂肪族α−オレフィンのコポリマーについ
ては今まで知られていない。((この文脈での「比較的平坦な」という用語は、50と1
00℃の間、好ましくは0℃と100℃の間でのlogG’(パスカル)の減少が、1ケ
タ未満であることを意味する)。)。
【0058】
本発明の共重合体は、少なくとも90℃の温度で1mmという熱機械分析針入深度、お
よび3kpsi(20MPa)〜13kpsi(90MPa)という曲げ弾性率によって
さらに特徴付けられ得る。あるいは、本発明の共重合体は、少なくとも104℃の温度で
1mmという熱機械分析針入深度、そして少なくとも3kpsi(20MPa)という曲
げ弾性率を有し得る。それらは、90mm未満という耐摩耗性(または容積減少)を有
することで特徴づけられ得る。図7は、他の公知のポリマーと比較した場合の、本発明の
ポリマーについてのTMA(1mm)対屈曲弾性率を示す。本発明のポリマーは有意に、
他のポリマーよりもよい可撓性−耐熱性のバランスを有する。
【0059】
さらに、エチレン/α−オレフィン共重合体は、0.01〜2000g/10分、好ま
しくは0.01〜1000g/10分、より好ましくは0.01〜500g/10分、そ
して特に0.01〜100g/10分というメルトインデックスIを有し得る。特定の
実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、0.01〜10g/10分、
0.5〜50g/10分、1〜30g/10分、1〜6g/10分または0.3〜10g
/10分というメルトインデックスIを有する。特定の実施形態では、このエチレン/
α−オレフィンポリマーのメルトインデックスは、1g/10分、3g/10分または5
g/10分である。
【0060】
このポリマーは、1,000g/モル〜5,000,000g/モル、好ましくは1,
000g/モル〜1,000,000g/モル、より好ましくは10,000g/モル〜
500,000g/モル、そして特に10,000g/モル〜300,000g/モルの
分子量Mを有し得る。本発明のポリマーの密度は、0.80〜0.99g/cmであ
り得、そして好ましくは、エチレン含有ポリマーについては0.85g/cm〜0.9
7g/cmであり得る。特定の実施形態では、このエチレン/α−オレフィンポリマー
の密度は、0.860〜0.925g/cmまたは0.867g/cm〜0.910
g/cmにおよぶ。
【0061】
このポリマーを作製するプロセスは、以下の特許出願に開示されている:2004年3
月17日出願の米国仮出願第60/553,906号;2005年3月17日出願の米国
仮出願第60/662,937号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/66
2,939号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/5662938号;20
05年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008916号;2005
年3月17日出願のPCT出願第2005/008915号;および2005年3月17
日出願のPCT出願第PCT/US2005/008917号;その全てがその全体が本
明細書において参照によって援用される。例えば、1つのこうした方法は、エチレンおよ
び場合によっては1つまたはそれ以上のエチレン以外の付加重合可能なモノマーを付加重
合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、この触媒組成物は、
(A)高いコモノマー組み込みインデックスを有する第一のオレフィン重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー組み込みインデックスの90パーセント未満、好ましく
は50パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満のコモノマー組み込みインデッ
クスを有する第二のオレフィン重合触媒、および
(C)可逆的連鎖移動剤
を併せることによって得られる混合物または反応生成物を含有する。
【0062】
代表的な触媒および可逆的連鎖移動剤は以下のとおりである。
【0063】
触媒(A1)は、WO03/40195、2003US0204017、USSN10
/429,024(2003年5月2日出願)、およびWO04/24740の教示に従
って調製した、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソ
プロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン
)]ハフニウムジメチルである。
【化1】

【0064】
触媒(A2)は、WO03/40195、2003US0204017、USSN10
/429,024(2003年5月2日出願)、およびWO04/24740の教示に従
って調製した、[N−2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチル
フェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウム
ジメチルである。
【化2】

【0065】
触媒(A3)は、ビス[N,N’’’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド
)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである。
【化3】

【0066】
触媒(A4)は、US−A−2004/0010103の教示に実質的に従って調製さ
れた、ビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(
メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルジルコニ
ウム(IV)ジベンジルである。
【化4】

【0067】
触媒(B1)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−
(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジル
【化5】

である。
【0068】
触媒(B2)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−
(2−メチルシクロヘキシル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベン
ジル
【化6】

である。
【0069】
触媒(C1)は、米国特許第6,268,444号の教示に実質的に従って調製された
、(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−イ
ンデン−1−イル)シランチタニウムジメチル
【化7】

である。
【0070】
触媒(C2)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製され
た、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,
7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチル
【化8】

である。
【0071】
触媒(C3)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製され
た、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,
8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタニウムジメチル
【化9】

である。
【0072】
触媒(D1)は、Sigma−Aldrichから入手可能なビス(ジメチルジシロキ
サン)(インデン−1−イル)塩化ジルコニウム
【化10】

である。
【0073】
可逆的移動剤(shuttling agent)。使用される可逆的移動剤としては、ジエチル亜鉛
、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−
ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)
、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル
)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)
、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチル
アルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチ
ルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、
エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)
、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタン
アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル
亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)が挙げら
れる。
【0074】
好ましくは、前述のプロセスは、相互変換できない複数の触媒を用いる、ブロックコポ
リマー、特にマルチブロックコポリマー、好ましくは2またはそれ以上のモノマー、さら
に詳細にはエチレンおよびC3−20オレフィンまたはシクロオレフィン、そして最も詳
細にはエチレンおよびC4−20α−オレフィンの線状マルチブロックコポリマーを形成
するための連続溶液プロセスの形態をとる。すなわち、この触媒は化学的に別個である。
連続的な溶液重合条件のもとで、このプロセスは理想的には、高いモノマー変換でのモノ
マーの混合物の重合に適している。これらの重合条件のもとで、可逆的連鎖移動剤(chai
n shuttling agent)から触媒への可逆的移動(shuttling)は、鎖成長に比較して有利に
なり、そしてマルチブロックコポリマー、詳細には線状マルチブロックコポリマーが高い
効率で形成される。
【0075】
本発明の共重合体は、従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的混合物、および逐
次的モノマー付加、流動触媒、アニオンおよびカチオンリビング重合技術により調製され
たブロックコポリマーとは区別することができる。詳細には、同等の結晶性または弾性率
で同じモノマーおよびモノマー含量のランダムコポリマーと比較して、本発明の共重合体
は、融点で測定した場合には優れた(高い)耐熱性を、動的機械分析によって判定した場
合にはTMA針入温度、高温引張強度、および/または高い高温ねじり貯蔵弾性率(tors
ion storage modulus)を有する。同じモノマーおよびモノマー含量を含有するランダム
コポリマーと比較して、本発明の共重合体は、低い圧縮永久ひずみ(特に、高温で)、低
い応力緩和、高い耐クリープ性、高い引裂強度、高い耐ブロッキング性、高い結晶化(固
化)温度に起因する迅速な硬化、高い回復(特に高温で)、良好な耐摩耗性、高い収縮力
、ならびに良好な油および充填剤の受け入れを有する。
【0076】
本発明の共重合体はまた、固有の結晶化および分枝分布関係を示す。すなわち、本発明
の共重合体は、特に、同じモノマーおよびモノマーレベルを含むランダムコポリマーまた
は等価の総合密度でのポリマーの物理的ブレンド、例えば、高密度ポリマーと低密度コポ
リマーのブレンドと比較して、CRYSTAFおよびDSCを用いて測定した融解熱の関
数として最高のピーク温度の間に比較的大きな差を有する。本発明の共重合体のこの固有
の特徴は、ポリマーの骨格内のブロックにおけるコモノマーの一意的な分布に起因すると
考えられる。詳細には、本発明の共重合体は、異なるコモノマー含量(ホモポリマーブロ
ックを含む)の交互のブロックを含んでもよい。本発明の共重合体はまた、異なる密度ま
たはコモノマー含量のポリマーブロックの数および/またはブロックサイズの分布を含ん
でもよく、これは、シュルツ−フローリー(Schultz-Flory)型の分布である。さらに、
本発明の共重合体はまた、固有のピーク融点および結晶化温度プロフィールを有し、これ
は実質的には、ポリマーの密度、弾性率(modulus)および形態とは独立している。好ま
しい実施形態では、ポリマーの微結晶性秩序は、特徴的な球晶およびラメラを示し、これ
は1.7未満、または1.5未満、最低1.3未満のPDI値においてでさえ、ランダム
コポリマーまたはブロックコポリマーとは区別できる。
【0077】
さらに、本発明の共重合体は、塊化(blockiness)の程度またはレベルに影響する技術
を用いて調製され得る。すなわち、コモノマーの量および各々のポリマーブロックまたは
セグメントの長さは、触媒および可逆的移動剤の比およびタイプ、ならびに重合の温度お
よび他の重合の変数を制御することによって変更され得る。この現象の驚くべき利点は、
塊化の程度が増大されるほど、得られたポリマーの光学的特性、引裂強度および高温回復
特性が改善されるという発見である。詳細には、曇りは減少するが、透明度、引裂強度お
よび高温回復特性は、ポリマーにおけるブロックの平均数の増大につれて増大する。可逆
的移動剤および所望の可逆的移動能力(低レベルの連鎖停止反応で高い可逆的移動速度(
shuttling))を有する触媒の組み合わせを選択することによって、他の形態のポリマー
停止は効率的に抑制される。従って、β水素化物脱離が、本発明の実施形態によるエチレ
ン/α−オレフィンコモノマー混合物の重合でほとんど観察されず、そして得られた結晶
ブロックは高度に、または実質的に完全に、線状であり、長鎖分枝をほとんどまたはまっ
たく保有しない。
【0078】
高結晶性連鎖末端を有するポリマーは、本発明に実施形態によって選択的に調製され得
る。エラストマー用途では、非結晶性のブロックで終わるポリマーの相対量を減少させる
ことによって、結晶性領域に対する分子間希薄化効果が減少される。この結果は、連鎖反
応停止剤、および水素または他の可逆的連鎖移動剤に対して適切な応答を有する触媒を選
択することによって得ることができる。詳細には、高結晶性ポリマーを生成する触媒が、
(例えば、より高いコモノマー組み込み、レジオ−エラー(regio-error)、またはアタ
クチックポリマー形成によって)より少ない結晶性ポリマーセグメントを生成する原因と
なる触媒より、(例えば、水素の使用による)連鎖反応停止を受けやすい場合には、高結
晶性ポリマーセグメントが、そのポリマーの末端部分を優先的に占める。得られる末端基
が結晶性であるだけでなく、停止次第、高結晶性のポリマー形成触媒部位は、ポリマー形
成の再始動にもう一度利用可能である。従って、最初に形成されたポリマーは、別の高結
晶性のポリマーセグメントである。従って、得られたマルチブロックコポリマーの両方の
末端は優先的に高度に結晶性である。
【0079】
本発明の実施形態で用いられるエチレンα−オレフィン共重合体は好ましくは、少なく
とも1つのC−C20α−オレフィンを有するエチレンの共重合体である。エチレンお
よびC−C20α−オレフィンのコポリマーが特に好ましい。この共重合体はさらに、
−C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンを含んでもよい。エチレン
との重合のために有用な適切な不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和モ
ノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。こ
のようなコモノマーの例としては、C−C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、
イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。1−ブテンお
よび1−オクテンが特に好ましい。他の適切なモノマーとしては、スチレン、ハロ−また
はアルキル−置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7
−オクタジエン、およびナフテン酸(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシ
クロオクテン)が挙げられる。
【0080】
エチレン/α−オレフィン共重合体が好ましいポリマーであるが、他のエチレン/オレ
フィンポリマーも用いられ得る。本明細書において用いられるオレフィンとは、少なくと
も1つの炭素間二重結合を有する不飽和の炭化水素系化合物のファミリーをいう。触媒の
選択に依存して、オレフィンは、本発明の実施形態で用いられ得る。好ましくは、適切な
オレフィンは、ビニル不飽和を含むC−C20脂肪族および芳香族化合物、ならびに環
状化合物、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、およびノル
ボルネンであって、これには、限定はしないが、C−C20ヒドロカルビルまたはシク
ロヒドロカルビル基で5および6位で置換されたノルボルネンが挙げられる。このような
オレフィンの混合物、およびこのようなオレフィンとC−C40ジオレフィン化合物と
の混合物も含まれる。
【0081】
オレフィンモノマーの例としては、限定はしないが、プロピレン、イソブチレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセンおよび1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、
1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシク
ロヘキセン、ノルボルナジエン、エチルイデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、C−C40ジエンが挙げられ、これ
には限定はしないが、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、他のC−C
40α−オレフィンなどが挙げられる。特定の実施形態では、α−オレフィンは、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはそれらの組み合わ
せである。ビニル基を含む任意の炭化水素が本発明の実施形態で用いられてもよいが、実
際的な問題、例えば、モノマーの有効性、コスト、および得られたポリマーから未反応の
モノマーを都合よく除去する能力は、このモノマーの分子量が大きくなり過ぎると、さら
に問題となり得る。
【0082】
本明細書に記載される重合プロセスは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、t−ブチルスチレンなどのモノビリデン芳香族モノマーを含むオレフィンポリマ
ーの生成に十分適している。詳細には、エチレンおよびスチレンを含む共重合体は、本明
細書の教示に従うことによって調製され得る。必要に応じて、エチレン、スチレンおよび
−C20αオレフィンを含み、必要に応じてC4−C20ジエンを含み、改善された
特性を有するコポリマーが調製され得る。
【0083】
適切な非共役ジエンモノマーは、適切な非共役ジエンモノマーは、6〜15個の炭素原
子を有する直鎖、分枝鎖または環状炭化水素ジエンであり得る。適切な非共役ジエンの例
としては、限定はしないが、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6
−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、分枝鎖非環式ジエン、例
えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;
3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンおよびジヒドロミリセンおよびジヒドロオシネ
ンの混合異性体、単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロペンタジエン;1,4−シ
クロヘキサジエン;1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエン、お
よび多環脂環式縮合および架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラ
ヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−
ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボ
ルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB);5−プロペニル−2−ノ
ルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)
−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノ
ルボルネンおよびノルボルナジエンが挙げられる。EPDMを調製するために代表的に用
いられるジエンのうち、特に好ましいジエンは1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、
5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)およびジシクロペンタジエン(DCPD)で
ある。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および1,
4−ヘキサジエン(HD)である。
【0084】
本発明の実施形態に従って作成され得る所望のポリマーの1分規(class)は、エチレ
ンのエラストマー系共重合体、C−C20α−オレフィン、特にプロピレン、および必
要に応じて、1またはそれ以上のジエンモノマーである。本発明の実施形態で用いるため
の好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRで示され、Rは、1〜12個の炭素
原子の線状または分枝したアルキル基である。適切なα−オレフィンの例としては、限定
はしないが、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが挙げられる。特に好ましいα−オレフィン
は、プロピレンである。プロピレン系ポリマーは一般に、当分野では、EPまたはEPD
Mポリマーと呼ばれる。このようなポリマーを調製する際に使用する適切なジエン、特に
マルチブロックEPDM型のポリマーとしては、4〜20個の炭素を含む、共役または非
共役、直鎖または分枝鎖−、環状−または多環式−ジエンが挙げられる。好ましいジエン
としては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンおよび5−ブチリデン−2−ノルボ
ルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0085】
ジエン含有ポリマーは交互のセグメントまたはブロックであって、より大量もしくは少
量のジエン(なしも含む)およびα−オレフィン(なしも含む)を含むセグメントまたは
ブロックを含むので、ジエンおよびα−オレフィンの総量は、その後にポリマーの特性を
失うことなく軽減され得る。すなわち、ジエンおよびα−オレフィンのモノマーは、ポリ
マー全体にわたって均一でもまたはランダムでもなく、ポリマーのブロックの1タイプに
優先的に組み込まれるので、それらは、より効率的に利用され、そして引き続きこのポリ
マーの架橋密度は、さらに良好に制御され得る。このような架橋可能なエラストマーおよ
び硬化した生成物は、より高い引張強度およびより良好な弾性回復率を含む、有利な特性
を有する。
【0086】
ある実施形態では、種々の量のコモノマーを組み込んでいる2つの触媒で作成された本
発明の共重合体は、それによって形成されたブロックの重量比95:5〜5:95を有す
る。所望の弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、20〜90パーセントのエチ
レン含量、0.1〜10パーセントのジエン含量、そして10〜80パーセントのα−オ
レフィン含量を有する。より好ましくは、マルチブロック弾性ポリマーは、ポリマーの総
重量に対して、60〜90パーセントのエチレン含量、0.1〜10パーセントのジエン
含量、そして10〜40パーセントのα−オレフィン含量を有する。好ましいポリマーは
、高分子量のポリマーであって、これは、10,000〜約2,500,000、好まし
くは、20,000〜500,000、より好ましくは20,000〜350,000と
いう平均分子量(Mw)、および3.5未満、より好ましくは3.0未満という多分散性
、そして1〜250のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有する高分子量ポリマ
ーである。より好ましくは、このようなポリマーは、65〜75パーセントのエチレン含
量、0〜6パーセントのジエン含量、および20〜35パーセントのα−オレフィン含量
を有する。
【0087】
エチレン/α−オレフィン共重合体は、そのポリマー構造中に少なくとも1つの官能基
を組み込むことによって官能化され得る。例示的な官能基は、例えば、エチレン不飽和単
官能および二官能性のカルボン酸、エチレン不飽和単官能性および二官能性のカルボン酸
無水物、その塩およびそのエステルを含み得る。このような官能基は、エチレン/α−オ
レフィン共重合体にグラフトされてもよいし、またはこれは、エチレンおよび任意のさら
なるコモノマーと共重合されて、エチレンの共重合体、官能コモノマーおよび必要に応じ
て他のコモノマー(単数または複数)を形成してもよい。ポリエチレンに官能基をグラフ
トする手段は、例えば、それらの特許の開示がその全体が参照によって本明細書に援用さ
れる、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,95
0,541号に記載される。特に有用な官能基の1つは、リンゴ酸無水物である。
【0088】
官能共重合体に存在する官能基の量は、変化し得る。官能基は代表的には、少なくとも
約1.0重量パーセント、好ましくは少なくとも約5重量パーセント、そしてより好まし
くは少なくとも約7重量パーセントの量でコポリマー型官能性共重合体に存在し得る。こ
の官能基は代表的には、コポリマー型官能性共重合体中に、約40重量パーセント未満、
好ましくは約30重量パーセント未満、そしてより好ましくは約25重量パーセント未満
の量で存在する。
【0089】
試験方法
以下の実施例では、以下の分析技術が使用される:
【0090】
サンプル1〜4およびA〜CについてGPC法
160℃に設定された加熱針を装備した自動化液体処理ロボットを用いて、各々の乾燥
ポリマーサンプルに対して300ppmのIonolで安定化した十分な1,2,4−ト
リクロロベンゼンを添加して、30mg/mLという最終濃度を得る。小さいガラス撹拌
ロッドを各々のチューブに入れて、そのサンプルを、250rpmで回転する加熱式オー
ビタルシェーカーを用いて160℃で2時間加熱する。次いで濃縮されたポリマー溶液を
、自動化液体処理ロボットおよび160℃に設定された加熱針を用いて1mg/mlに希
釈する。
【0091】
Symyx Rapid GPCシステムを用いて各々のサンプルについての分子量デ
ータを決定する。2.0ml/分の流量に設定したGilson 350ポンプを用いて
、直列に配置され、160℃に加熱された3つのPlgel10マイクロメーター(μm
)MixedB300mm×7.5mmカラムを通して300ppmのIonolで安定
化させヘリウム−でパージした1,2−ジクロロベンゼンを移動相としてポンプで送る。
エバポレーターを250℃に設定し、ネブライザーを165℃に設定し、および窒素流量
を60〜80psi(400〜600kPa)Nの圧で1.8SLMに設定したPol
ymer Labs ELS 1000 Detectorを用いる。ポリマーサンプル
を160℃に加熱して、各々のサンプルを、液体処理ロボットおよび加熱ニードルを用い
て250μlのループに注入した。2つの切り替えループおよび重複注入を用いるポリマ
ーサンプルの連続的分析を用いる。このサンプルデータを収集して、Symyx Epo
ch(商標)ソフトウェアを用いて分析する。ピークを手技的に積分するが、報告された
分子量情報は、ポリスチレン標準検量線に対して未補正である。
【0092】
標準的なCRYSTAF方法
分枝分布は、PolymerChar,Valencia,Spainから市販されて
いるCRYSTAF 200ユニットを用いて結晶分析分別(crystallization analysis
fractionation)(CRYSTAF)によって決定する。このサンプルは、160℃で1,2,
4トリクロロベンゼン(0.66mg/mL)に1時間溶解させ、そして95℃で45分間
安定化させる。サンプリング温度は、0.2℃/分の冷却速度で95〜30℃におよぶ。
赤外線検出器を用いて、ポリマー溶液の濃度を測定する。累積溶解濃度は、温度の低下と
同時にポリマーが結晶化する間に測定する。累積プロフィールの分析導関数は、そのポリ
マーの短鎖分枝分布を反映する。
【0093】
CRYSTAFのピーク温度および面積は、CRYSTAFソフトウェア(Versi
on 2001.b,PolymerChar,Valencia,Spain)に含ま
れるピーク分析モジュールによって特定される。CRYSTAFピーク検出法(finding
routine)は、ピーク温度をdW/dT曲線の最大値として特定し、そしてその微分曲線
におけるその特定されたピークの両側の正の最大変曲間の面積を特定する。CRYSTA
F曲線を算出するために、好ましい処理パラメーターは、70℃の温度限界を有し、なら
びにその温度限界より上では0.1の、およびその温度限界より下では0.3の平滑化パ
ラメーターを有するものである。
【0094】
DSC標準法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry)の結果は、RCS冷却アク
セサリおよびオートサンプラーを装備したTAIモデルQ1000 DSCを用いて決定
する。50ml/分という窒素パージガス流を用いる。このサンプルを、薄膜にプレスし
て、約175℃でプレス内で溶融し、次いで室温(25℃)まで空冷する。次いで3〜1
0mgの物質を6mmの直径のディスクに切断し、正確に秤量し、軽量アルミのパン(約
50mg)に入れ、次いで圧着する。サンプルの熱挙動は、以下の温度プロフィールで検
討する。このサンプルを180℃まで急速に加熱して、3分間恒温に保持して、以前の熱
履歴を除く。次いで、このサンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−4
0℃で3分間保持する。次いで、このサンプルを10℃/分の加熱速度で150℃まで加
熱する。その冷却および第二の加熱曲線を記録する。
【0095】
DSC融解ピークは、−30℃と融解終点との間にひいた直線のベースラインに関する
熱流量(W/g)における最大として測定される。融解熱は直線のベースラインを用いて
−30℃と融解終点との間の融解曲線の下の面積として測定される。
【0096】
GPC法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
このゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、Polymer Laboratori
es Model PL−210またはPolymer Laboratories M
odel PL−220のいずれかの装置から構成される。このカラムおよびカルーセル
の区画は、140℃で操作される。3つのPolymer Laboratories
10ミクロン Mixed−Bカラムを用いる。この溶媒は、1,2,4トリクロロベン
ゼンである。サンプルは、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有
する50ミリリットルの溶媒中に0.1グラムというポリマー濃度で調製する。サンプル
は、160℃で2時間、軽く撹拌することによって調製する。用いられる注入容積は、1
00μlであり、そして流量は1.0ml/分である。
【0097】
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量の間の少なくとも10の隔たりがある6つ
の「カクテル(cocktail)」混合物で準備した、580〜8,400,000におよぶ分
子量を有する、21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質で行われる。この標準物
質は、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)から
購入する。ポリスチレン標準物質は、分子量1,000,000以上については、50ミ
リリットルの溶媒中に0.025グラムで、そして分子量1,000,000未満につい
ては50ミリリットル中に0.05グラムで調製する。このポリスチレン標準物質は、穏
やかに撹拌しながら80℃で30分間溶解する。狭い標準物質混合物を最初にランし、そ
して分解を最小にするために最も高い分子量の成分から低いものへと順番にランする。ポ
リスチレン標準物質ピーク分子量を、以下の式を用いてポリスチレン分子量に変換する(
Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のように:Mポリエチ
レン=0.431(Mポリスチレン)。
【0098】
ポリエチレン等量分子量の計算は、Viscotek TriSECソフトウェアのV
ersion3.0を用いて行う。
【0099】
圧縮永久ひずみ
圧縮永久ひずみは、ASTMD395に従って測定する。このサンプルは、総厚みが1
2.7mmに達するまで、3.2mm、2.0mmおよび0.25mmという厚みの25
.4mmの直径の丸いディスクを重ねることによって調製する。このディスクは、以下の
条件下においてホットプレスで成形した12.7cm×12.7cmの圧縮成形プラーク
から切り出す:190℃で3分間ゼロ圧、続いて190℃で2分間86MPa、続いてプ
レス内部で冷水を流しながら86MPaで冷却。
【0100】
密度
密度測定のためのサンプルは、ASTMD1928に従って調製する。測定は、AST
MD792、方法Bを用いて1時間内のサンプルプレスで行う。
【0101】
屈曲/割線弾性率/貯蔵弾性率
サンプルは、ASTMD1928を用いて圧縮成形する。曲げ弾性率および2%の割線
弾性率を、ASTM D−790に従って測定する。貯蔵弾性率はASTM D5026
−01または等価な技術に従って測定する。
【0102】
光学的特性
0.4mmの厚みのフィルムを、ホットプレス(Carver Model#4095
−4PR1001R)を用いて圧縮成形する。このペレットは、ポリテトラフルオロエチ
レンシートの間に置いて、190℃で55psi(380kPa)で3分間、続いて1.
3MPaで3分間、次いで2.6MPaで3分間加熱する。次いで、このフィルムを、1
.3Mpaで1分間、冷水を流しながらプレス中で冷却する。この圧縮成形フィルムを、
光学測定、引張挙動、回復および応力緩和のために用いる。
【0103】
透明度は、ASTMD1746で特定されたようにBYK Gardner Haze
−gardを用いて測定する。
【0104】
45°光沢(gloss)は、ASTM D−2457に特定されたように、BYK Ga
rdner Glossmeter Microgloss45°を用いて測定する。
【0105】
内部の曇り(internal haze)は、ASTMD1003手順Aに基づいてBYK Ga
rdner Haze−gardを用いて測定する。鉱油をこのフィルムの表面に塗布し
て、表面のスクラッチを除去する。
【0106】
機械的特性−引張、ヒステリシス(履歴現象)および引裂
短軸引張における応力−ひずみ挙動を、ASTMD1708微小引張試験片(microten
sile specimens)を用いて測定する。サンプルは、21℃で1分あたり500%でIns
tronを用いて延伸する。引張強度および破断点伸度は、5つの試験片の平均から報告
される。
【0107】
100%および300%のヒステリシスは、Instron(商標)装置でASTMD
1708微小引張試験片を用いて100%および300%までの循環荷重から決定される
。サンプルに、21℃で3サイクル、1分あたり267%で荷重を負荷し、除荷する。3
00%および80℃でのサイクル実験は、環境チャンバを用いて行う。80℃の実験では
、サンプルは、試験の前に試験温度で45分間、平衡化させる。21℃、300%ひずみ
のサイクル実験では、第一の除荷のサイクルからの150%のひずみでの収縮性応力を記
録する。全ての実験についての回復パーセントは、荷重がベースラインに戻るひずみを用
いて第一の除荷サイクルから算出する。回復パーセントは以下に規定される:
回復%=(ε−ε)/ε×100
ここでεは、循環荷重についてとったひずみであり、εは、1回目の除荷サイクル
の間に荷重がベースラインに戻るひずみである。
【0108】
応力緩和は、環境チャンバを装備したInstron(商標)装置を用いて、50%の
ひずみおよび37℃で12時間、測定する。ゲージの形状は76mm×25mm×0.4
mmであった。環境チャンバ中で37℃で45分間の平衡させた後、サンプルを1分あた
り333%で50%ひずみまで延伸した。応力は、時間の関数として12時間記録した。
12時間後の応力緩和パーセントは式:
応力緩和%=(L−L12)/L×100
を用いて算出した。
ここでLは、0時点での50%ひずみの荷重であり、そしてL12は、12時間後時
点の50%ひずみの荷重である。
【0109】
引張ノッチ付引裂実験(tensile notched tear experiments)は、Instron(商
標)装置を用いて0.88g/cc以下の密度を有するサンプルで行う。この形状は、7
6mm×13mm×0.4mmのゲージ部分からなり、このサンプルにはその試験片の長
さの半分の位置に2mmの切込みが入っている。そのサンプルが壊れるまで、21℃で1
分あたり508mmで延伸させる。この引裂エネルギーは、最大荷重でのひずみまでの応
力−延伸曲線下面積として算出する。少なくとも3つの試験片の平均が報告される。
【0110】
TMA
熱機械的分析(Thermal Mechanical Analysis)(針入温度)は、180℃および10
MPa成形圧で5分間形成され、次いで風で急速冷却された、30mm直径×3.3mm
厚みの圧縮成形ディスクで行う。用いた装置は、Perkin−Elmerから入手可能
なブランド、TMA7である。この試験では、1.5mmの半径の先端を有するプローブ
(P/N N519−0416)を、1Nの力を用いてサンプルディスクの表面に適用す
る。その温度を25℃から1分あたり5℃上昇させる。このプローブ針入距離は、温度の
関数として測定される。このプローブがサンプルに1mm針入した時、実験が終わる。
【0111】
DMA
動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis)(DMA)は、180℃で10MPaの圧
力で5分間、ホットプレス中において成形され、次いで1分あたり90℃でこのプレス中
で水冷された圧縮成形ディスクで測定する。試験は、ねじり試験のための二重カンチレバ
ー固定具を装備したARES制御ひずみレオメーター(TA instrument)を
用いて行う。
【0112】
1.5mmのプラークをプレスして、32×12mmの寸法のバーに切断する。そのサ
ンプルを10mm(グリップ間隔ΔL)ずつ隔てた固定具の間において両端でクランプし
て、−100℃〜200℃の逐次的温度段階(1段階あたり5℃)に供する。各々の温度
でねじり剛性率G’を、10rad/sの角周波数で測定し、このひずみ振幅は、トルク
が十分であること、そして測定値が直線状態のままあることを保証するために0.1パー
セント〜4パーセントの間で維持させる。
【0113】
10gという最初の静止力を維持して(自動引っ張り方式)、熱膨張が生じる時のサン
プル中のゆるみを防ぐ。結果として、グリップ間隔ΔLは、温度とともに、特に、ポリマ
ーサンプルの融点または軟化点より上で、増大する。試験は、最大温度か、または固定具
の間の隙間が65mmに達した時に終わる。
【0114】
メルトインデックス
メルトインデックスIは、ASTM D1238,条件190℃/2.16kgに従
って測定する。メルトインデックスI10はまた、ASTM D1238,条件190℃
/10kgに従って測定する。
【0115】
ATREF
分析的昇温溶離分別(analytical temperature rising elution fractionation)(A
TREF)分析は、その全体が参照によって本明細書に援用される、米国特許第4,79
8,081号およびWilde,L.;Ryle,T.R.;Knobeloch,D.C.;Peat,I.R.;Determination of B
ranching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymer,J.Polym.Sci.,20,44
1〜455(1982)に記載された方法に従って行う。分析されるべき組成物は、トリクロロベン
ゼンに溶解して、1分あたり0.1℃の冷却速度で20℃までゆっくり温度を下げること
によって、不活性支持体(ステンレス鋼ショット)を含むカラム中で結晶させる。このカ
ラムには、赤外線検出器が装備されている。次いで、1分あたり1.5℃の速度で20か
ら120℃へ溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度をゆっくり上昇させることによりカ
ラムから結晶化ポリマーサンプルを溶出することによって、ATREFのクロマトグラフ
ィー曲線を作成する。
【0116】
13C NMR分析
サンプルは、10mmのNMRチューブ中で0.4gのサンプルに対してテトラクロロ
エタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50の混合物の約3gを添加することに
よって調製する。そのサンプルは、このチューブおよびその内容物を150℃に加熱する
ことによって溶解して、均質化する。100.5MHzという13Cの共振周波数に相当
する、JEOL Eclipse(商標)400MHz分光計、またはVarian U
nity Plus(商標)400MHz分光計を用いてデータを収集する。そのデータ
は、6秒のパルス繰り返し時間遅延により1データファイルについて4000の減衰シグ
ナルを用いて得る。定量的分析のための最小のシグナル対ノイズ比を達成するために、複
数のデータファイルを一緒に加える。スペクトルの幅は25,000Hzであり、最小の
ファイルサイズは32Kのデータポイントである。このサンプルは、10mmの広帯域プ
ローブ中で130℃で分析する。コモノマーの取り込みは、その全体が参照によって本明
細書に援用される、Randallのトライアッド法(Randall,J.C.;JMS-Rev.Macromol.
Chem.Phys.,C29,201-317(1989)を用いて決定される。
【0117】
TREFによるポリマー分画
大規模なTREF分画は、160℃で4時間撹拌することによって2リットルの1,2
,4−トリクロロベンゼン(TCB)中に15〜20gのポリマーを溶解することによっ
て行う。このポリマー溶液は、30−40メッシュ(600〜425μm)球状の、技術
的品質のガラスビーズ(Potters Industries,HC30 Box20
,Brownwood,TX,76801から入手可能)およびステンレス鋼、0.02
8”(0.7mm)の直径のカットワイアショット(Pellets,Inc.63 I
ndustrial Drive,North Tonawanda,NY,14120
から入手可能)の60:40(v:v)混合物をパックした3インチ×4フィート(7.
6cm×12cm)のスチールカラム上に15psig(100kPa)窒素によって圧
入する。このカラムを、160℃に最初に設定した、熱制御されたオイルジャケットに浸
す。このカラムは125℃に弾道的に最初に冷却し、次いで1分あたり0.04℃で20
℃までゆっくり冷却して、1時間保持する。新鮮なTCBは、温度を1分あたり0.16
7℃で上昇させながら、1分あたり約65mlで導入する。
【0118】
分取TREFカラムからの約2000mL分の溶離液を、16のステーションの加熱さ
れたフラクションコレクターに収集する。このポリマーを、約50〜100mlのポリマ
ー溶液が残るまで、ロータリーエバポレーターを用いて各々の画分中で濃縮させる。この
濃縮溶液を、一晩静置させて、その後に、過剰のメタノールを添加し、濾過して、洗浄す
る(最終の洗浄を含む約300〜500mlのメタノール)。濾過工程は、5.0μmの
ポリテトラフルオロエチレンコーティング濾紙(Osmonics Inc.から入手可
能、カタログ番号Z50WP04750)を用いて、3位置の真空利用濾過ステーション
で行う。濾過された画分は、60℃で真空オーブン中において一晩乾燥させて、さらなる
試験の前に化学天秤で秤量する。
【0119】
溶融強度
溶融強度(MS)は、2.1mmの直径、約45度の入口角を有する20:1のダイと
適合されたキャピラリーレオメータを用いることによって測定する。190℃で10分間
サンプルを平衡化した後、このピストンを1分あたり1インチ(2.54cm/分)の速
度で動かす。標準試験温度は190℃である。サンプルを2.4mm/秒の加速を有す
るダイの100mm下に配置される1セットの加速ニップに単軸に延伸する。必要な張力
は、ニップロールの巻き取り速度の関数として記録する。試験の間に到達する最大張力が
、溶融強度として規定される。ドローレゾナンスを示すポリマー溶融の場合、ドローレゾ
ナンスの発生の前の張力が、溶融強度とされた。溶融強度は、センチニュートン(centiN
ewtons)(「cN」)で記録される。
【0120】
触媒
「一晩(overnight)」という用語を用いる場合、約16〜18時間の時間をいい、「
室温(room temperature)」とは、20〜25℃の温度をいい、そして「混合アルカン(
mixed alkanes)」という用語は、ExxonMobil Chemical Comp
anyから、IsoparE(登録商標)という商品名で利用可能なC6−9脂肪族炭化
水素の商業的に得られる混合物を指す。この事象では、本明細書において化合物の名称が
、その構造図に従わない場合には、構造図が優先するものとする。全ての金属錯体の合成
および全てのスクリーニング実験の準備は、ドライボックス技術を用いて乾燥窒素雰囲気
で行った。用いた全ての溶媒は、HPLC等級であって、その使用前に乾燥させた。
【0121】
MMAOとは、Akzo−Nobla Corporationから市販されている、
修飾メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム変性メチルアルモキサンをいう。
【0122】
触媒(B1)の調製は、以下のとおり行う。
a)(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)メ
チルイミンの調製
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(3.00g)を10mLのイソプロピル
アミンに添加する。この溶液は急速に鮮黄色に変わる。周囲温度での3時間の撹拌後、揮
発性物質を減圧下で取り出して、鮮黄色の結晶性固体を得る(97パーセント収率)。
b)1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチル
エチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン
(605mg、2.2ミリモル)を5mLのトルエンに含有する溶液を、50mLのトル
エンにZr(CHPh)(500mg、1.1mmol)を含む溶液にゆっくり添加
する。得られた濃黄色の溶液を30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成
物を赤褐色固体として得る。
【0123】
触媒(B2)の調製は以下のとおり行う。
a)(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t
−ブチル)フェニル)イミンの調製
2−メチルシクロヘキシルアミン(8.44mL、64.0mmol)をメタノール(
90mL)に溶解して、ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(di-t-butylsalicaldehyde
)(10.00g、42.67mmol)を添加する。その反応混合物を3時間撹拌し、
ついで−25℃で12時間冷却する。得られた黄色固体沈殿物を濾過によって収集して、
冷メタノール(2×15mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させる。収量は、11.
17gの黄色固体である。H NMRは、異性体の混合物として所望の生成物と一致す
る。
b)ビス−(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−
ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−(2−メチルシクロヘキシルアミン)エチル)2−オキソイル−3,5−ジ(t
−ブチル)フェニル)イミン(7.63g、23.2mmol)を含有する200mLの
トルエンの溶液を、600mLのトルエンに含有されるZr(CHPh)(5.28
g、11.6mmol)の溶液にゆっくり添加する。得られた濃黄色の溶液を25℃で1
時間撹拌する。その溶液を680mLのトルエンでさらに希釈して、0.00783Mの
濃度を有する溶液を得る。
【0124】
触媒1.実質的に米国特許第5,919,9883号、実施例2に開示されるように、
長鎖トリアルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、Akzo−Nobel,In
cから入手可能)、HClおよびLi[B(C]の反応によって調製される、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(本明細書において以降ではホウ酸アル
ミニウム)のメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物。
【0125】
触媒2.米国特許第6,395,671号、実施例16に従って調製された、ビス(ト
リス(ペンタフルオロフェニル)−アルマネ)−2−ウンデシルイミダゾリドの混合C
4−18アルキルジメチルアンモニウム塩。
【0126】
可逆的移動剤。使用される可逆的移動剤としては、ジエチル亜鉛(DEZ、SA1)、
ジ(i−ブチル)亜鉛(SA2)、ジ(n−ヘキシル)亜鉛(SA3)、トリエチルアル
ミニウム(TEA,SA4)、トリオクチルアルミニウム(SA5)、トリエチルガリウ
ム(SA6)、i−ブチルアルミニウム ビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)(
SA7)、i−ブチルアルミニウム ビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)(SA8)
、n−オクチルアルミニウム ジ(ピリジン−2−メトキシド)(SA9)、ビス(n−
オクタデシル)i−ブチルアルミニウム(SA10)、i−ブチルアルミニウム ビス(
ジ(n−ペンチル)アミド)(SA11)、n−オクチルアルミニウム ビス(2,6−
ジ−t−ブチルフェノキシド)(SA12)、n−オクチルアルミニウム ジ(エチル(
1−ナフチル)アミド)(SA13)、エチルアルミニウム ビス(t−ブチルジメチル
シロキシド)(SA14)、エチルアルミニウム ジ(ビス(トリメチルシリル)アミド
)(SA15)、エチルアルミニウム ビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシク
ロヘプタンアミド)(SA16)、n−オクチルアルミニウム ビス(2,3,6,7−
ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA17)、n−オクチルアルミニウム
ビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド(SA18)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニ
ルフェノキシド)(SA19)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)(SA20)が挙げ
られる。
【0127】
実施例1−4、比較A−C
一般的なハイスループットパラレル重合条件
重合は、Symyx technologies,Inc.から入手可能なハイスルー
プットの並列式重合反応装置(parallel polymerization reactor)(PPR)を用いて
行い、そして米国特許の6,248,540号、同第6,030,917号、同第6,3
62,309号、同第6,306,658号および同第6,316,663号に実質的に
従って操作する。エチレン共重合は、用いた総触媒に基づいて共触媒1の1.2当量(M
MAOが存在する場合1.1当量)を用いて、必要時にエチレンを用いて130℃でかつ
200psi(1.4MPa)で行う。一連の重合は、予め秤量したガラスチューブが取
り付けられている48の個々の反応セルを6x8配列で備えている並列式耐圧反応装置(
PPR)で行う。各々の反応装置セル中の作業容積は6000μLである。各々のセルは
、個々の撹拌パドルによって与えられる撹拌で制御される温度および圧力が制御される。
モノマーのガスおよびクエンチガスをPPRユニットに直接配管して、自動バルブで制御
する。液体試薬を、シリンジによって各々の反応装置セルにロボット制御により添加して
、そのリザーバー溶媒は混合アルカンである。添加の順序は、混合アルカン溶媒(4ml
)、エチレン、1−オクテンコモノマー(1ml)、共触媒1または共触媒1/MMAO
混合物、可逆的移動剤、および触媒または触媒混合物である。触媒1およびMMAOの混
合物、または2つの触媒の混合物を用いる場合、その試薬は、反応装置への添加の直前に
小さいバイアル中で事前に混合する。実験で試薬が省略される場合、その他は上記の順序
の添加が維持される。重合は、所定のエチレン消費に到達するまで、約1〜2分間行う。
COでのクエンチング後、その反応装置を冷却して、ガラスチューブを取り外す。そのチ
ューブを遠心分離/真空乾燥ユニットに移して、60℃で12時間乾燥する。乾燥された
ポリマーを含むチューブを秤量して、その重量と風袋重量との間の相違で、ポリマーの正
味の収量が得られる。結果は表1に含まれる。表1で、そして本出願のどこかでは、比較
化合物は、星印()によって示される。
【0128】
実施例1〜4は、極めて狭いMWDの形成によって証明されるような本発明による線状
ブロックコポリマー、特にDEZが存在する場合は単頂性のコポリマー、そしてDEZの
非存在下における二頂性の広い分子量分布の生成物(別々に生成されたポリマーの混合物
)の合成を実証する。触媒(A1)が触媒(B1)よりもオクテンを組み込むことが公知
であるという事実に起因して、本発明の得られたコポリマーの種々のブロックまたはセグ
メントは、分枝または密度に基づいて識別可能である。
【表1】

【0129】
本発明に従って生成されるポリマーは、可逆的移動剤の非存在下で調製したポリマーよ
りも比較的狭い多分散性(Mw/Mn)および比較的大きいブロック−コポリマー含量(
三量体、四量体またはそれ以上)を有することが示され得る。
【0130】
さらなる特性付けのために、図を参照して、表1のポリマーについてのデータを判定す
る。さらに詳細にはDSCおよびATREFの結果によって、以下が示される:
【0131】
実施例1のポリマーについてのDSC曲線は、158.1J/gという融解熱で115
.7℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、34.5℃で最高のピー
クを示し、52.9パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間の相違は81.2℃である。
【0132】
実施例2のポリマーのDSC曲線は、214.0J/gの融解熱で109.7℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、46.2℃で最高のピ
ークを示し、57.0パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystaf
との間の相違は63.5℃である。
【0133】
実施例3のポリマーのDSC曲線は、160.1J/gの融解熱で120.7℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、66.1℃で最高のピ
ークを示し、71.8パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystaf
との間の相違は54.6℃である。
【0134】
実施例4のポリマーのDSC曲線は、170.7J/gの融解熱で104.5℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃で最高のピーク
を示し、18.2パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafとの
間の相違は74.5℃である。
【0135】
比較AのDSC曲線は、86.7J/gの融解熱で90.0℃の融点(Tm)を示す。
対応するCRYSTAF曲線は、48.5℃で最高のピークを示し、29.4パーセント
のピーク面積である。これらの値の両方とも、密度が低い樹脂と一致する。DSC Tm
とTcrystafとの間の相違は41.8℃である。
【0136】
比較BのDSC曲線は、237.0J/gの融解熱で129.8℃の融点(Tm)を示
す。対応するCRYSTAF曲線は、82.4℃で最高のピークを示し、83.7パーセ
ントのピーク面積である。これらの値の両方とも、密度が高い樹脂と一致する。DSC
TmとTcrystafとの間の相違は47.4℃である。
【0137】
比較CのDSC曲線は、143.0J/gの融解熱で125.3℃の融点(Tm)を示
す。対応するCRYSTAF曲線は、34.7パーセントのピーク面積で81.8℃で最
高のピークを、そして52.4℃でより低い結晶ピークを示す。この2つのピークの間の
分離は、高結晶性および低結晶性のポリマーの存在と一致する。DSC TmとTcry
stafとの間の相違は43.5℃である。
【0138】
実施例5−19、比較D−F、連続的溶液重合、結晶A1/B2+DEZ
連続溶液重合は、内部スターラーを装備したコンピューター制御のオートクレーブ反応
装置で行う。精製された混合アルカン溶媒(ExxonMobil Chemical
Companyから入手可能なIsopar(商標)E)、エチレン2.70lbs/時
間(1.22kg/時間)、1−オクテンおよび水素(用いる場合)を、温度制御のため
のジャケットおよび内部熱電対を装備した3.8Lの反応装置に供給する。この反応装置
へ供給された溶媒は、マスフローコントローラーによって測定する。変速ダイヤフラムポ
ンプが、溶媒流量および反応装置に対する圧を制御する。ポンプの排出の際に、側流をと
って触媒および共触媒1注入ラインおよび反応装置撹拌のためのフラッシュフローを設け
る。これらのフローは、Micro−Motionマスフローメーターによって測定して
、制御バルブによって、またはニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒
を、1−オクテン、エチレンおよび水素(用いる場合)と合わせて、反応装置に供給する
。マスフローコントローラーを用いて、必要に応じて反応装置に水素を供給する。溶媒/
モノマー溶液の温度は、反応装置に入れる前、熱交換器の使用によって制御する。この流
れを反応装置の底に入れる。触媒成分溶液を、ポンプおよびマスフローメーターを用いて
測定して、触媒フラッシュ溶媒とあわせ、そして反応装置の底に入れる。その反応装置を
激しく撹拌しながら500psig(3.45MPa)で液体を満たして反応させる。生
成物を反応装置の頂部の出口ラインから取り出す。反応装置からの全ての出口ラインは蒸
気トレースおよび絶縁が施されている。重合は、任意の安定化剤または他の添加剤ととも
に出口ラインに少量の水を添加すること、および静的ミキサーを通じた混合物の通過によ
って停止させる。次いで、この生成物の流れを、脱揮の前に熱交換器を通過させることに
よって加熱する。ポリマー生成物は、脱揮押出機および水冷ペレタイザーを用いる押出に
よって回収する。プロセスの詳細および結果は表2に含まれる。選択されたポリマーの特
性を表3に提供する。
【表2】

【表3】

【0139】
得られたポリマーは、前の実施例と同様に、DSCおよびATREFによって試験され
る。
結果は以下のとおりである:
【0140】
実施例5のポリマーのDSC曲線は、60.0J/gの融解熱で119.6℃の融点(
Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、47.6℃で最高のピー
クを示し、59.5パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは72.0℃である。
【0141】
実施例6のポリマーのDSC曲線は、60.4J/gの融解熱で115.2℃の融点(
Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、44.2℃で最高のピー
クを示し、62.7パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは71.0℃である。
【0142】
実施例7のポリマーのDSC曲線は、69.1J/gの融解熱で121.3℃の融点を
有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、49.2℃で最高のピークを示し
、29.4パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafとの間のΔ
は72.1℃である。
【0143】
実施例8のポリマーのDSC曲線は、67.9J/gの融解熱で123.5℃の融点(
Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、80.1℃で最高のピー
クを示し、12.7パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは43.4℃である。
【0144】
実施例9のポリマーのDSC曲線は、73.5J/gの融解熱で124.6℃の融点(
Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、80.8℃で最高のピー
クを示し、16.0パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは43.8℃である。
【0145】
実施例10のポリマーのDSC曲線は、60.7J/gの融解熱で115.6℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、40.9℃で最高のピ
ークを示し、52.4パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystaf
との間のΔは74.7℃である。
【0146】
実施例11のポリマーについてのDSC曲線は、70.4J/gの融解熱で113.6
℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、25.2パー
セントのピーク面積で39.6℃で最高のピークを示す。DSC TmとTcrysta
fとの間のΔは74.1℃である。
【0147】
実施例12のポリマーについてのDSC曲線は、48.9J/gという融解熱で113
.2℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃以
上のピークを示さない。(従って、さらなる計算の目的のためのTcystafは30℃
に設定する)。DSC TmとTcrystafとの間のΔは83.2℃である。
【0148】
実施例13のポリマーのDSC曲線は、49.4J/gの融解熱で114.4℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、33.8℃で最高のピ
ークを示し、7.7パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは84.4℃である。
【0149】
実施例14のポリマーのDSC曲線は、127.9J/gの融解熱で120.8℃の融
点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、72.9℃で最高の
ピークを示し、92.2パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrysta
fとの間のΔは47.9℃である。
【0150】
実施例15のポリマーのDSC曲線は、36.2J/gの融解熱で114.3℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、32.3℃で最高のピ
ークを示し、9.8パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystafと
の間のΔは82.0℃である。
【0151】
実施例16のポリマーのDSC曲線は、44.9J/gの融解熱で116.6℃の融点
(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、48.0℃で最高のピ
ークを示し、65.0パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrystaf
との間のΔは68.6℃である。
【0152】
実施例17のポリマーについてのDSC曲線は、47.0J/gの融解熱で116.0
℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、56.8パー
セントのピーク面積で43.1℃で最高のピークを示す。DSC TmとTcrysta
fとの間のΔは72.9℃である。
【0153】
実施例18のポリマーについてのDSC曲線は、141.8J/gという融解熱で12
0.5℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、70.
0℃で最高のピークを示し、94.0パーセントのピーク面積である。DSC TmとT
crystafとの間のΔは50.5℃である。
【0154】
実施例19のポリマーのDSC曲線は、174.8J/gの融解熱で124.8℃の融
点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、79.9℃で最高の
ピークを示し、87.9パーセントのピーク面積である。DSC TmとTcrysta
fとの間のΔは45.0℃である。
【0155】
比較DのポリマーについてのDSC曲線は、31.6J/gの融解熱で37.3℃の融
点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃以上のピーク
を示さない。これらの値の両方とも、低密度である樹脂と一致する。DSC TmとTc
rystafとの間のΔは7.3℃である。
【0156】
比較EのポリマーについてのDSC曲線は、179.3J/gの融解熱で124.0℃
の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、79.3℃で最
高のピークを示し、94.6パーセントのピーク面積である。これらの値の両方とも、高
密度である樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafとの間のΔは44.6℃で
ある。
【0157】
比較FのポリマーについてのDSC曲線は、90.4J/gの融解熱で124.8℃の
融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、77.6℃で最高
のピークを示し、19.5パーセントのピーク面積である。2つのピークの間の隔たりは
、高結晶性ポリマーと低結晶性ポリマーの両方の存在と一致する。DSC TmとTcr
ystafとの間のΔは47.2℃である。
【0158】
物理的特性試験
ポリマーサンプルは、物理的特性、例えば、TMA温度試験によって証明されるような
高温耐性の特性、ペレットブロックキング強度、高温回復、高温圧縮永久ひずみ、および
貯蔵弾性率G’(25℃)/G’(100℃)について評価される。いくつかの市販のポ
リマーが、試験に含まれる:比較Gは実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマ
ー(AFFINITY(登録商標)、The Dow Chemical Compan
yから入手可能)であり、比較Hは、エラストマーで、実質的には線状のエチレン/1
−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)EG8100、Dow Chem
ical Companyから入手可能)であり、比較Iは、実質的には線状のエチレン
/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)PL1840、The Do
w Chemical Companyから入手可能)であり、比較Jは、水素化スチレ
ン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー(KRATON(商標)G1652,
KRATON Polymersから入手可能)であり、比較Kは、熱可塑性加硫物(T
PV,架橋されたエラストマーをその中に分散して含むポリオレフィン混合物)。結果は
表4に示す。
【表4】

【0159】
表4では、比較F(触媒A1およびB1を用いる同時の重合から生じる2つのポリマー
の物理的な混合物である)は、約70℃という1mm針入温度であるが、実施例5〜9は
、100℃以上の1mm針入温度を有する。さらに実施例10〜19は全てが、85℃よ
り大きい1mm針入温度を有し、ほとんどが、90℃を超えるかまたはさらには100℃
より大きい1mmのTMA温度を有する。これによって、新規なポリマーは、物理的な混
合物に比較して、より高い温度でより良好な寸法安定性を有することが示される。比較J
(市販のSEBS)は、約107℃という良好な1mmのTMA温度を有し、ただし、こ
れは約100パーセントという極めて乏しい(高温70℃)圧縮永久ひずみを有し、そし
てまた高温(80℃)300パーセントひずみ回復の間に回復できない(サンプルが壊れ
た)。従って、例示されたポリマーは、いくつかの市販の高性能の熱可塑性エラストマー
においてでさえ得ることができない特性の固有の組み合わせを有する。
【0160】
同様に、表4は、本発明のポリマーについて、6以下という低い(良好な)貯蔵弾性率
比G’(25℃)/G’(100℃)を示すが、物理的混合物(比較F)は、9という貯
蔵弾性率比を有し、そして同様の密度のランダムなエチレン/オクテンコポリマー(比較
G)は、1桁大きい貯蔵弾性率比を有する(89)。ポリマーの貯蔵弾性率比はできるだ
け1に近いことが所望される。このようなポリマーは比較的温度によって影響されないし
、このようなポリマーから作成される二次加工品は、広範な温度範囲にわたって有用に使
用され得る。低い貯蔵弾性率比および温度独立性のこの特徴は、エラストマーの用途にお
いて、例えば、感圧粘着剤配合物において、特に有用である。
【0161】
表4のデータによってまた、本発明のポリマーが改善されたペレットブロッキング強度
を保有することが実証される。詳細には、実施例5は、0MPaというペレットブロッキ
ング強度を有し、このことは、このポリマーが、かなりのブロッキングを示す比較Fおよ
び比較Gに比較して、試験された条件下で自由流動することを意味する。ブロッキング強
度は、重要である。なぜなら、大きいブロッキング強度を有するポリマーの貨物輸送は、
貯蔵または出荷(shipping)の際に生成物同士のくっつきまたは粘着を生じ、取り扱いの
特性が劣る。
【0162】
本発明のポリマーの高温(70℃)圧縮永久ひずみは一般に良好であって、このことは
一般に約80パーセント未満、好ましくは約70%未満、そして特に約60パーセント未
満を意味する。対照的に、比較F、G、HおよびJは全てが、100パーセントという7
0℃圧縮永久ひずみを有する(最大可能値、回復がないことを示す)。ガスケット(gask
ets)、窓枠、O−リングなどのような用途には、良好な高温圧縮永久ひずみ(低い数値
)が特に必要である。
【表5】

【0163】
表5は、新規なポリマーについての機械的特性について、そして周囲温度での種々の比
較ポリマーについての結果を示す。本発明のポリマーは、ISO4649に従って試験し
た場合、極めて良好な耐磨耗性を有することが示され得、これは一般に、約90mm
満、好ましくは約80mm未満、そして特に、約50mm未満という容積減少を示す
。この試験では、数が大きいほど、大きい容積減少を示し、そして結果として低い耐磨耗
性を示す。
【0164】
本発明のポリマーの引張ノッチ付引裂強度によって測定した引裂強度は一般に、表5に
示されるように、1000mJ以上である。本発明のポリマーの引裂強度は、3000m
J程度の高さ、または5000mJ程度の高さであってさえよい。比較ポリマーは一般に
、750mJ以下の引裂強度を有する。
【0165】
表5によってまた、本発明のポリマーが、いくつかの比較サンプルよりも150パーセ
ントひずみでより良好な収縮応力を有する(より高い収縮応力値によって実証される)こ
とが示される。比較の実施例F、GおよびHは、400kPa以下という150パーセン
トひずみでの収縮応力値を有するが、本発明のポリマーは、500kPa(実施例11)
から約1100kPa(実施例17)程度の高さという150パーセントひずみでの収縮
応力値を有する。150パーセント収縮応力値よりも高い値を有するポリマーは、弾性を
有する用途、例えば、弾性の繊維および織布、特に不織布にかなり有用である。他の用途
としては、オムツ、衛生および医療用衣類ウエストバンドの用途、例えば、タブおよび弾
性バンドが挙げられる。
【0166】
表5によってまた、応力緩和(50パーセントひずみ)がまた、例えば、比較Gに対し
て比較した場合、本発明のポリマーについて改善される(少ない)ことが示される。応力
緩和が低いとは、ポリマーがその力を、長期間にわたって体温の弾性特性の保持が所望さ
れる、オムツおよび他の衣類のような用途において、より良好に保持しているということ
を意味する。
光学的試験
【表6】

【0167】
表6に報告される光学的特性は、実質的に配向性を欠く圧縮成形フィルムに基づく。ポ
リマーの光学的な特性は、重合において使用される可逆的連鎖移動剤の量の変動から生じ
る、結晶化サイズにおけるバリエーションに起因して広範な範囲で変化し得る。
【0168】
マルチブロックコポリマーの抽出
実施例5、7のポリマーおよび比較Eのポリマーの抽出研究を行う。この実験では、ポ
リマーサンプルは、ガラス円筒濾紙(glass fritted extraction thimble)に秤量して、
Kumagawa型の抽出機(extractor)に取り付ける。サンプルを含む抽出機を窒素
でパージして、500mLの丸底フラスコに350mLのジエチルエーテルを充填する。
次いでフラスコをこの抽出機に適合させる。エーテルを撹拌しながら加熱する。エーテル
が円筒濾紙に凝縮し始める時点を書き留めて、抽出は窒素下で24時間進行させる。この
時点では、加熱を停止して、溶液を冷却させる。抽出機中に残っている全てのエーテルを
フラスコに戻す。フラスコ中のエーテルを周囲温度で減圧下でエバポレートして、得られ
た固体を窒素でパージ乾燥(purged dry)させる。残渣をヘキサンの連続的な洗浄を用い
て秤量ボトルに移す。次いで、合わせたヘキサン洗浄液を別の窒素パージでエバポレート
させて、残渣を40℃において一晩減圧下で乾燥させる。抽出機中に残留するエーテルを
窒素でパージ乾燥させる。
【0169】
次いで350mLのヘキサンを充填した第二の清浄な丸底フラスコを、この抽出機に接
続する。円筒濾紙中でヘキサンの凝縮に最初に気付いた後、ヘキサンを撹拌しながら加熱
還流して、還流下で24時間維持する。次いで加熱を停止して、フラスコを冷却させる。
抽出機中に残っているヘキサンをフラスコに戻す。そのヘキサンを周囲温度で減圧下での
エバポレーションによって除去して、フラスコ中に残っている残渣を連続的なヘキサン洗
浄を用いて秤量ボトルに移す。フラスコ中のヘキサンを窒素パージによってエバポレート
して、その残渣を40℃で一晩減圧下で乾燥させる。
【0170】
抽出後に円筒濾紙中に残っているポリマーサンプルを、円筒濾紙から秤量ボトルに移し
て、40℃で一晩減圧乾燥する。結果は表7に含まれる。
【表7】

【0171】
追加のポリマー実施例19A〜J、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
実施例19A−Iについて
コンピュータ制御完全混合反応装置(computer controlled well-mixed reactor)にお
いて連続溶液重合を行う。精製混合アルカン溶媒(Exxon Mobil,Inc.か
ら購入できるIsopar(商標))、エチレン、1−オクテンおよび(用いる場合)水
素を併せ、27ガロン反応装置に供給する。反応装置への供給量は、マスフローコントロ
ーラーによって測定する。供給流の温度は、その反応装置に入る前にグリコール冷却式熱
交換器の使用により制御する。触媒成分溶液は、ポンプおよびマスフローメーターを使用
して測定する。液体を満たしたその反応装置を約550psigの圧で運転(run)する
。その反応装置を出次第、そのポリマー溶液に水および添加剤を注入する。その水が、触
媒を加水分解し、重合反応を停止させる。次に、二段階脱揮の準備で、後反応器の溶液を
加熱する。溶媒および未反応モノマーは、その脱揮プロセス中に除去される。ポリマー溶
融物をポンプで水中ペレット切断用のダイに送る。
【0172】
実施例19Jについて
内部スターラーを装備したコンピュータ制御オートクレーブ反応装置において連続溶液
重合を行う。精製混合アルカン溶媒(ExxonMobile Chemical Co
mpanyから購入できるIsopar(商標));2.70ポンド/時(1.22kg
/時)でエチレン;1−オクテン;および(用いる場合)水素を、温度制御のためのジャ
ケットおよび内臓型熱電対を供えた3.8L反応装置に供給する。反応装置に対する溶媒
供給量は、マスフローコントローラーによって測定する。変速ダイヤフラムポンプにより
、反応装置に対する溶媒流量および圧を制御する。そのポンプの駆動時、側流を使って、
触媒および共触媒注入ラインと反応装置攪拌機(reactor agitator)とのためにフラッシ
ュフローの供給が開始される。これらのフローは、Mico−Motionマスフローメ
ーターによって測定し、また、制御バルブによってまたはニードルバルブの手動調節によ
って制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレンおよび(用いる場合)水素と併せ、
反応装置に供給する。必要に応じて、マスフローコントローラーを使用して反応装置に水
素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応装置に入る前に熱交換器の使用により
調節する。この流れを、反応装置の底部に入れる。ポンプおよびマスフローメーターを使
用して触媒成分溶液を測定し、触媒フラッシュ溶媒と併せ、反応装置の底部に入れる。そ
の反応装置を、満液で、激しく攪拌しながら、500psig(3.45MPa)で運転
(run)する。生成物は、その反応装置の頂部の出口ラインから取り出す。その反応装置
の全ての出口ラインは、蒸気トレースおよび絶縁が施されている。任意の安定剤または他
の添加剤とともにその出口ラインに沿って少量の水を添加し、その混合物をスタティック
ミキサーに通すことによって、重合を停止させる。次に、その生成物の流れを熱交換器を
通過させることによって加熱した後、脱揮する。脱揮押出機および水冷式ペレタイザーを
使用する押出しにより、ポリマー生成物を回収する。
【0173】
プロセスの詳細および結果は、表8に含める。選択したポリマーの特性を表9A〜Bに
提供する。
【0174】
表9Bにおいて、本発明の実施例19Fおよび19Gは、500%延伸後、約65〜7
0%の低い直後残留ひずみを示している。
【表8】

【表9A】

【表9B】

【表9C】

【0175】
耐衝撃性改良組成物
具体的なエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体および耐衝撃性改良剤とし
て利用されるその量は、数ある可変要素の中でも、特に、耐衝撃性を改良するポリマー、
その適用および所望の特性に依存して、変わるであろう。改良された低温耐衝撃性が望ま
れる場合には、比較的多い可逆的連鎖移動剤を使用して調製されたエチレン/α−オレフ
ィンマルチブロック共重合体のほうが有用であり得ることが判明した。いずれの量の可逆
的移動剤も有用であり得るが、50から300ppmの可逆的連鎖移動剤を使用して共重
合体を調製することが、多くの場合、好適である。いずれの特定の理論にも拘束されるこ
とを望まないが、多くの場合、これは、例えば、2004年3月17日出願の米国特許仮
出願第60/553,906号の優先権を主張する、2005年3月17日出願のPCT
出願番号PCT/US2005/008917に記載されているような、有利なマルチコ
アシェル(multi-core shell)形態における結果であると考えられる。米国特許実務のた
めに、前記仮出願およびPCT出願の内容は、それら全体が本明細書において参照により
援用される。
【0176】
エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体の密度を減少させると、ある程度ま
で強化効率(最少量の耐衝撃性改良剤から期待される改良の量)が改善されることも判明
した。このため、多くの場合、約0.85から約0.93g/ccの密度を有する共重合
体を利用する。
【0177】
利用されるエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体の量は、数ある可変要素
の中でも、特に、耐衝撃性を改良するポリマー、その適用および所望の特性に依存して、
変わるであろう。代表的には、エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体を欠く
同様の組成物より少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少
なくとも約15%上に、20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度を維持または増大させる
、耐衝撃性改良量が、利用される。低温耐衝撃特性を望む場合にも、エチレン/α−オレ
フィンマルチブロック共重合体を欠く同様の組成物より少なくとも約5%、好ましくは少
なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約15%上に、−20℃でのノッチ付アイ
ゾッド衝撃強度を維持または増大させるために十分な量を利用できる。この量は、20℃
でノッチ付アイゾッド衝撃強度を維持または増大させるために利用される量と同じである
場合もあり、異なる場合もある。
【0178】
利用される材料の量は、数ある中でも、特に、所望の特性およびその適用に依存して、
異なるであろう。多くの場合、マルチブロックコポリマーのポリオレフィンに対する重量
比は、約49:51から約5:95、より好ましくは35:65から約10:90であり
得る。好ましくは、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約5、より好ましくは少なく
とも約10、そしてさらに好ましくは少なくとも約20重量パーセントのエチレン/α−
オレフィンマルチブロック共重合体またはブレンドを耐衝撃性改良剤として利用すること
が望ましい。同様に、約50重量パーセント以下、好ましくは約35重量パーセント以下
、より好ましくは約25重量パーセント以下のエチレン/α−オレフィンマルチブロック
共重合体またはブレンドを耐衝撃性改良剤として利用することが望ましい。
【0179】
耐衝撃性を改良することができるポリマー組成物
上で論じた1つまたはそれ以上のエチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体の
添加により、ほぼ如何なる熱可塑性ポリマー組成物も有益に耐衝撃性を改善することがで
きる。こうしたポリマー組成物は、熱可塑性ポリウレタン(例えば、The Dow C
hemical Company製のPellathane(商標)またはIsopla
st(商標))、ポリ塩化ビニル(PVC)、スチレン系樹脂、ポリオレフィン[例えば
、エチレン一酸化炭素コポリマー(ECO)または線状交互ECOコポリマー、例えば、
John B.HefnerおよびBrian W.S.Kolthammerの名で1
993年1月22日に出願された、「Improved Catalysts For The Preparation of Line
ar Carbon Monoxid / Alpha Olefin Copolymer」と題する米国特許出願第08/009,
198号(現在は放棄されている)(これは、本明細書において参照により援用される)
に開示されているもの、およびエチレン/プロピレン一酸化炭素ポリマー(EPCO)を
含む]、様々なエンジニアリングサーモプラスチック(例えば、ポリカーボネート、熱可
塑性ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリアセタール、またはポリスル
ホン)、およびこれらの混合物を含む。一般に、使用頻度が最も高いと言えるポリオレフ
ィンポリマーは、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン、例えば、スラリーまたは
気相重合プロセスによって製造されたもの)またはポリプロピレンもしくはプロピレン系
ポリマーである。
【0180】
本発明において有用な高密度ポリエチレン(HDPE)の特性は、所望のその適用に依
存して変わる。代表的に、有用なHDPEは、0.94g/cmより大きい密度を有す
る。好ましくは、この密度は、0.95g/cmより大きいが、約0.97g/cm
未満である。HDPEは、Crおよびチーグラーナッタ触媒プロセスをはじめとする任意
のプロセスによって製造することができる。本発明において使用するためのHDPEの分
子量は、そのその適用に依存して変わるが、IおよびIとしてそれぞれ知られている
ASTM D−1238−03 条件190℃/2.16kgおよび条件190℃/5.
0kgに従ってメルトフロー測定を用いて適宜示すことができる。メルトフローの判定は
、より高い分子量のものであっても、例えば、ASTM D−1238、条件190℃/
10.0kgおよび条件190℃/21.6kg(これらは、それぞれ、I10およびI
21として知られている)に従って行うことができる。溶融流量は、プロピレン系ポリマ
ーに使用され、そのポリマーの分子量に反比例する。溶融流量(MFR)は、ASTM
D 1238、条件230C/2.16kg(以前は条件L)に従って試験される。従っ
て、この関係は直線状態ではないが、分子量が高いほど溶融流量は低い。本明細書におい
て有用なHDPEについてのメルトインデックス(I)の下限は、その適用、例えばブ
ロー成形または射出成形、に依存して広範に変わるが、一般には少なくとも約0.1グラ
ム/10分(g/10分)から、好ましくは約0.5g/10分から、特に約1g/10
分から、メルトインデックスの上限の約80g/10分まで、好ましくは約25g/10
分まで、特に20g/10分までである。本発明において、特にパイプ用途に、使用する
ためのHDPEの分子量は、その適用に依存して変わるが、ASTM D−1238、条
件190C/5kg(Iとしても知られている)に従ってメルトフロー測定を用いて示
すこともできる。本明細書において有用なHDPEについてのメルトインデックス(I
)の下限は、一般には約0.1グラム/10分(g/10分)から、好ましくは約0.2
g/10分から、メルトインデックス上限の約0.6g/10分までである。選択される
HDPEの分子量分布(Mw/Mn)は、狭い場合もあり、広い場合もあり、例えば、約
2から約40ほどもの高さのMw/Mnである場合がある。
【0181】
ポリプロピレンは、一般に、イソタクチック形のホモポリマーポリプロピレンであるが
、他の形(例えば、シンジオタクチックまたはアタクチック)のポリプロピレンも使用す
ることができる。しかし、ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー(例えば、エチレンとプロ
ピレンを反応させる第二重合段階を利用するもの)およびランダムコポリマー(反応体も
変性され、通常、プロピレンと共重合させたエチレンを1.5〜7%含有する)も、本明
細書に開示するTPO配合物において使用することができる。様々なポリプロピレンポリ
マーの完全な考察が、Modern Plastics Encyclopedia / 89, mid October 1988 Issue, V
olume 65, Number 11, pp.86-92 に含まれており、その開示全体が本明細書において参照
により援用される。本発明において使用するためのポリプロピレンの分子量および従って
溶融流量は、その適用に依存して変わる。本明細書において有用なポリプロピレンについ
ての溶融流量は、一般に、約0.1グラム/10分(g/10分)から約100g/10
分、好ましくは約0.5g/10分から約80g/10分、および特に約4g/10分か
ら約70g/10分である。このプロピレンポリマーは、ポリプロピレンホモポリマーで
あることがあり、ランダムコポリマーであることがあり、または(既にゴム相を有してい
る)耐衝撃性コポリマーでさえあり得る。こうしたプロピレンポリマーの例としては、V
ISTAMAX(Exxon Mobil製)、VERSIFYおよびINSPIRE(
The Dow Chemical Co.製)が挙げられる。
【0182】
ブレンド組成物の作製方法
本発明のブレンド組成物は、個々の成分をドライブレンドし、次に、完成品(例えば、
自動車部品)を作製するために使用される押出機の中で直接溶融混合するか、別の押出機
(例えば、バンバリーミキサー)における予備溶融混合により溶融混合することを含む、
任意の従来の方法によって作製される。代表的に、これらのブレンドは、一方または両方
の成分の融点温度付近またはそれより上の温度でそれぞれの成分を混合または混練するこ
とにより作製される。大部分のマルチブロックコポリマーについて、この温度は、130
℃より高く、最も一般的には約145℃より高く、および最も好ましくは150℃より高
い。所望の温度に達することができ、その混合物を溶融可塑化することが可能である代表
的なポリマー混合または混練装置を利用することができる。これらには、ミル、混練機、
押出機(単軸スクリュー(single screw)と双軸スクリュー(twin screw)の両方)、バ
ンバリーミキサー、カレンダーなどが挙げられる。混合の順序および方法は、最終組成物
に依存し得る。バンバリーバッチミキサーと連続ミキサーの併用、例えば、バンバリーミ
キサー、続いてミルミキサー、続いて押出機、を利用することもできる。
【0183】
成形作業
様々な射出成形プロセス(例えば、Modern Plastics Encyclopedia / 89, Mid October
1988 Issue, Volume 65, Number 11, pp. 264-268, "Introduction to Injection Moldi
ng" およびpp. 270-271, "Injection Molding Thermoplastics"(これらの開示は、本明
細書において参照により援用されている)に記載されているもの)およびブロー成形プロ
セス(例えば、Modern Plastics Encyclopedia / 89, Mid October 1988 Issue, Volume
65, Number 11, pp. 217-218, "Extrusion-Blow Molding"(この開示は、本明細書におい
て参照により援用されている)に記載されているもの)および異形押出をはじめとする、
本明細書に開示するTPO配合物から有用な二次加工品または部品を形成するために使用
することができる多数のタイプの成形作業がある。一部の二次加工品としては、燃料タン
ク、屋外用家具、パイプ、自動車用容器用途、自動車バンパー、計器盤、ホイールカバー
およびグリル、ならびに例えば冷蔵庫用容器をはじめとする他の家庭用および個人用品が
挙げられる。勿論、当業者は、ポリマーを組み合わせて屈折率を有利に利用して、冷蔵庫
用容器などの最終用途製品の透明性を向上または維持することもできる。
【0184】
添加剤
添加剤、例えば、酸化防止剤[例えば、ヒンダードフェノール樹脂(例えば、Irga
nox(商標)1010)、亜リン酸塩(例えば、Irgafos(商標)168)]、
粘着剤(例えば、PIB)、粘着防止剤、顔料、充填剤(例えば、タルク、珪藻土、ナノ
フィラー、クレー、金属粒子、ガラスファイバーまたは粒子、カーボンブラック、他の強
化用繊維など)なども、本出願人が発見した強化された配合物特性に干渉しない程度に、
本TPO配合物に含めることができる。
【0185】
向上した衝撃強度
本発明の組成物は、向上した衝撃強度を有する。衝撃強度は、例えば、ノッチ付アイゾ
ッド衝撃試験を用いて測定することができる。ノッチ付アイゾッド衝撃は、振子からの衝
撃に対する材料の耐性を測定する単点試験である。アイゾッド衝撃は、破壊を開始し、試
験片が破壊されるまで破壊を継続するために必要な運動エネルギーと定義される。アイゾ
ッド試験片にノッチを付けて、衝撃時の試験片の変形を防止する。この試験は、ASTM
D56に従って行われる。代表的に、本発明の組成物は、20℃でのノッチ付アイゾッ
ド衝撃強度を、エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体を欠く同様の組成物よ
り少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約15
%上に維持または増大させる。さらに、本発明の組成物は、多くの場合、−20℃でのノ
ッチ付アイゾッド衝撃強度を、エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体を欠く
同様の組成物より少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少
なくとも約15%上に維持または増大させる。これらの新規な耐衝撃性組成物は、延性−
脆性遷移温度も有する−すなわち、延性破壊から脆性破壊への遷移が、耐衝撃性を改良し
たポリマーより低い温度、代表的には少なくとも約5℃、好ましくは10℃、およびより
好ましくは少なくとも15℃低い温度、かつ(本マルチブロックとほぼ同じ密度およびメ
ルトインデックスの)ランダムエチレン/アルファ−オレフィンコポリマーを耐衝撃性改
良剤として使用して耐衝撃性を改良した組成物より低い温度で発生する。
【0186】
本発明の実施例および比較例
ブレンドの調製
一連の高密度ポリエチレン(成分1)+耐衝撃性改良ポリマー(成分2)のブレンドを
、様々な濃度の前記2成分を溶融ブレンドすることにより調製する。ブレンドを加工する
前に、シールバッグの中のそれら2成分の物理的混合物に粉末酸化防止剤パッケージを添
加する。このパッケージは、200ppmのIRGANOX 1010および400pp
mのIRGAFOS 168から成る。その物理的ポリマーブレンドをタンブリングして
、その樹脂サンプル全体に酸化防止剤を分散させる。各物理的ブレンドを窒素でパージし
て、そのバッグからの一切の残留酸素の除去を助長する。
【0187】
この物理的ポリマーブレンド+添加剤パッケージの組み合わせを、Leistritz
18mm 双軸スクリュー押出機(L/D=30)と、ロングピッチパワースクリュー
を装備したK−TRON K2VT20 双軸スクリューオーガー式フィーダーと、2つ
の冷水循環槽急冷タンクと、Berlyn PELL−2 4枚羽根ストランドチョッパ
ーとを補ったHaakeシステムを用いて加工する。水循環器を前記押出機の供給口のジ
ャケットに取り付け、20℃に設定して、ポリマーが溶融してその供給口を塞がないよう
にする。押出機の温度帯は、150、180、200、215および215℃に設定する
。押出機のダイは、215℃に設定する。押出す前に、窒素ラインに付属している蓋を供
給ホッパーの頂部に配置する。フィーダー吐出しから押出機供給口までの移行範囲は、大
量のアルミニウム箔で封止する。その押出機を予熱し、較正し、そして酸素をパージする
ためにシステム全体に窒素を流しながら空で運転(run)する。
【0188】
その窒素付属蓋を適所に有する押出機供給ホッパーに前記のポリマー/酸化防止剤物理
的ブレンドを入れる。その物理的ブレンドを押出機に供給し、溶融ブレンドし、押出す。
押出物を2つの急冷タンクに通して、溶融物をポリマーストランドに凝固させる。そのス
トランドをエアナイフに通して、水分を除去し、次に、Berlynストランドチョッパ
ーによってペレットに細断する。それらのペレットを吐出シュートからラベル付バッグへ
と回収する。
【0189】
試験方法
密度
樹脂密度は、アルキメデス変位法、ASTM D 792−03、方法Bによりイソプ
ロパノール中で測定した。試験片は、測定前に23℃のイソプロパノール浴の中で8分間
コンディショニングして熱平衡に達した後、成形から1時間以内に測定した。ASTM
D−4703−00 Annex Aに従って、Procedure Cにより約190
℃で5分の初期加熱時間および15℃/分の冷却速度で試験片を圧縮成形した。試験片を
そのプレスの中で45℃に冷却し、「手で触れる程度」まで冷却を継続した。
【0190】
押出プラストマーによる溶融流量
溶融流量の測定は、ASTM D−1238−03に従って、条件190℃/2.16
kgおよび条件190℃/5.0kg(これらは、それぞれ、IおよびIとして知ら
れている)で行った。溶融流量は、ポリマーの分子量に反比例する。従って、この関係は
直線状態ではないが、分子量が高いほど溶融流量は低い。溶融流量の決定は、より高い分
子量のものであっても、例えば、ASTM D−1238に従って、条件190℃/10
.0kgおよび条件190℃/21.6kg(これらは、それぞれ、I10およびI21
として知られている)で行うことができる。流量比(FRR)は、特に別の指定がない限
り、溶融流量(I21)の溶融流量(I)に対する比である。例えば、場合により、特
に、より高い分子量のポリマーについては、FRRをI21/Iと表現することがある

【0191】
示差走査熱量測定(DSC)
本明細書において報告する全ての結果は、RCS(冷凍冷却システム)冷却アクセサリ
ーおよびオートサンプラーを装備したTA Instruments Model Q1
000 DSCにより生じたものである。全体にわたって50mL/分の窒素パージガス
フローを用いた。175℃および1500psi(10.3MPa)の最大圧で約15秒
間、プレスを用いてサンプルを薄膜にプレスし、次に、大気圧で室温まで空気冷却した。
次に、紙用穴あけパンチを使用して約3から10mgの材料を6mmの直径のディスクに
切断し、0.001mgに最も近い値に秤量し、軽量アルミパン(約50mg)に入れ、
次に、圧着する。サンプルの熱挙動は、以下の温度プロフィールで検討する:サンプルを
180℃まで急速に加熱し、3分間恒温に保持して、以前の熱履歴を除く。次に、このサ
ンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分間保持する。次に
、そのサンプルを10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱する。その冷却および第二の
加熱曲線を記録する。
【0192】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
以下の手順を用いて、様々なポリマー組成物の分子構造を決定した。このクロマトグラ
フシステムは、Precision Detectors(マサチューセッツ州、アマー
スト)2角度レーザー光散乱検出器 Model 2040を装備したWaters(マ
サチューセッツ州、ミルフォード)150℃高温ゲル浸透クロマトグラフから成るもので
あった。角度15°の光散乱検出器を計算のために使用した。データ収集は、Visco
tek TriSECソフトウェア バージョン3および4−チャンネルViscote
k Data Manager DM400を使用して行った。このシステムは、Pol
ymer Laboratoriesからのオンライン溶媒脱気装置を装備していた。
【0193】
カルーセル区画は140℃で操作し、カラム区画は150℃で操作した。使用したカラ
ムは、4本のShodex HT 806M 300mm,13μmカラム、および1本
のShodex HT803M 150mm,12μmカラムであった。使用した溶媒は
、1,2,4トリクロロベンゼンであった。サンプルは、50ミリリットルの溶媒中に0
.1グラムというポリマー濃度で調製した。クロマトグラフ溶媒およびサンプル調製溶媒
は、200μg/gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。両方の溶媒源
に窒素をスパージした。ポリエチレンサンプルを160℃で4時間、穏やかに攪拌した。
使用した注入量は、200マイクロリットルであり、流量は、0.67ミリリットル/分
であった。
【0194】
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量の間に少なくとも10の隔たりがある6つ
の「カクテル」混合物で準備した、580から8,400,000g/molにおよぶ分
子量を有する、21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質で行った。この標準物質
は、Polymer Laboratories(英国、シュロップシア)から購入した
。ポリスチレン標準物質は、分子量1,000,000g/molまたはそれ以上につい
ては50ミリリットルの溶媒中に0.025グラムで調製し、そして分子量1,000,
000g/mol未満については50ミリリットルの溶媒中に0.05グラムで調製した
。このポリスチレン標準物質を穏やかに攪拌しながら80℃で30分間溶解する。狭い標
準物質混合物を最初にランし、そして分解を最小にするために最も高い分子量の成分から
低いものへと順番にランした。ポリスチレン標準物質のピーク分子量を、(William and
Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載されるように)式8:
M ポリエチレン=A×(M ポリスチレン) (1)
(式中、Mは、分子量であり、Aは、0.41の値を有し、およびBは1.0である)
を用いてポリエチレン分子量に変換する。
【0195】
Balke、Moureyら(Mourey and Balke, Chromatography Polym. Chapt 12,
(1992) および Balke, Thitiratsakul, Lew, Cheung, Mourey, Chromatography Polym. C
hpt 13, (1992))により発表されたものと一致した方法でマルチ検出器オフセットの判定
のための系統的アプローチを行って、Dow ブロードポリスチレン1683からのデュ
アル検出器対数結果を、社内ソフトウェアを使用して狭い標準物質較正曲線からの狭い標
準カラム較正結果に最適化した。オフセット判定用の分子量データは、Zimm(Zimm,
B. H., J. Chem. Phys., 16, 1099 (1948))およびKratochvil(Kratochvil,
P., Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Elsevier, Oxford, NY (198
7))により発表されたものと一致した方法で得た。分子量の決定のために使用した総合的
な注入濃度は、サンプル屈折率領域、およびNIST ポリエチレンホモポリマー標準物
質1475を基準として測定した115,000g/molの分子量の線状ポリエチレン
ホモポリマーからの屈折率の検出器較正から得た。クロマトグラフ濃度は、第二ビリアル
係数の効果(分子量に対する濃度の効果)への対処を無視できるほど低いと仮定した。
【0196】
分子量の計算は、社内ソフトウェアを使用して行った。数平均分子量、重量平均分子量
およびz平均分子量の計算は、屈折計シグナルが重量分率に正比例すると仮定して、以下
の式に従って行った。ベースラインを減算した屈折計シグナルを下の式中の重量分率に直
接置き換えることができる。分子量は、従来の較正曲線からのものまたは光散乱対屈折計
シグナル比からの絶対分子量からのものであることに留意しなければならない。z平均分
子量の改善された推定値、ベースラインを減算した光散乱シグナルを下の式(2)の中の
重量平均分子量と重量分率の積に代入することができる:
【数1】

【0197】
本明細書で用いられる場合、用語「二頂性」は、GPC曲線におけるMWDが2つの成
分ポリマーを示すことを意味し、この場合、一方の成分ポリマーが、他方の成分ポリマー
のMWDに対してハンプ、ショルダーまたはテールとして存在することさえある。二頂性
MWDは、2つの成分:LMW成分とHMW成分にデコンボリュートすることができる。
デコンボリュートした後、各成分のピーク半値幅(WAHM)および平均分子量(Mw)
を得ることができる。次に、2成分間の分離度(DOS)を式3:
【数2】

により計算することができ、式中、MwおよびMwは、HMW成分およびLMW成分
のそれぞれの重量平均分子量であり;ならびにWAHMおよびWAHMは、HMW成
分およびLMW成分についてのデコンボリュートされた分子量分布曲線のそれぞれのピー
ク半値幅である。新規な組成物についてのDOSは、約0.01またはそれ以上である。
ある実施形態において、DOSは、約0.05、0.1、0.5または0.8より高い。
好ましくは、二頂性成分についてのDOSは、少なくとも約1またはそれ以上である。例
えば、DOSは、少なくとも約1.2、1.5、1.7、2.0、2.5、3.0、3.
5、4.0、4.5または5.0である。ある実施形態において、DOSは、約5.0か
ら約100の間、約100から500の間、約500から1000の間である。DOSは
、上記範囲のいずれの数であり得ることに留意しなければならない。他の実施形態では、
DOSは、1,000を超える。
【0198】
ATREF
ある実施形態において、分布の二頂性は、例えば、Wild et al., Journal of Polymer
Science, Poly. Phys. Ed., Vol. 20, p. 441 (1982)、米国特許第4,798,081号
(Hazlittら)または米国特許第5,089,321号(Chumら)に記載され
ているように、昇温溶離分別(一般に「TREF」と略記される)における最高温度ピー
クの重量分率によって特徴付けられる。前記参考文献全ての開示は、本明細書において参
照によって援用される。最高温度ピークに対応する重量分率は、短鎖分枝をほぼんどまた
はまったく含まないので、高密度画分と呼ばれる。従って、残りの分率は、そのポリマー
に固有のほぼ全ての短鎖分枝を含む画分を表すので、短鎖分枝(SCB)画分と呼ばれる
。この画分は、低密度画分とも呼ばれる。
【0199】
分析的昇温溶離分別分析(米国特許第4,798,081号に記載されているとおりの
ものであり、本明細書では「ATREF」と略記する)では、分析すべき組成物を適する
熱溶媒(例えば、1,2,4トリクロロベンゼン)に溶解し、そして不活性支持体(例え
ば、ステンレス鋼ショット)を含むカラムの中で温度をゆっくりと低下させることにより
結晶させる。このカラムには、赤外線検出器と示差粘度計(DV)検出器の両方が装備さ
れている。次に、その溶離溶媒(1,2,4トリクロロベンゼン)の温度をゆっくりと上
昇させることによりそのカラムからその結晶ポリマーサンプルを溶出させることにより、
ATREF−DVクロマトグラム曲線を作成する。ATREF−DV法は、WO 99/
14271(この開示は、本明細書において参照によって援用される)にさらに詳細に記
載されている。WO 99/14271には、多成分ポリマーブレンド組成物に適するデ
コンボリューション法も記載されている。多くの場合、ATREF曲線は、短鎖分枝分散
(SCBD)とも呼ばれる。それが、溶離温度が低下するにつれてコモノマー成分が増加
するということで、そのコモノマー(例えば、ヘキサン)が、そのサンプル全体にわたっ
てどの程度均等に分散しているかを示すからである。屈折率検出器は、短鎖分布情報を提
供し、示差粘度計検出器は、粘度平均分子量の推定量を提供する。前述の件に関する考察
は、L. G. Hazlitt, J. Appl. Polym. Sci.: Appl. Poly. Symp., 45, 25-37 (1990)(こ
れは、本明細書において参照によって援用される)において見出すことができる。
【0200】
膨潤
樹脂膨潤は、押出されたポリマーストランドが230mmの所定の距離を走行(travel
)するために必要とする時間として測定することから成る、Dow Lob Swell
法によって測定した。12mmのバレルを有し、かつ10L/D容量のダイを装備したG
ottfert Rheograph 2003を測定に使用した。測定は、190℃で
、2つの固定剪断速度(それぞれ、300s−1および1,000s−1)で行った。樹
脂膨潤が大きいほど、自由ストランド端の走行は遅く、230mm走破するためにかかる
時間が長い。膨潤は、t300およびt1000(秒)値として報告される。
【0201】
レオロジー
レオロジーを測定するためにサンプルをディスクに圧縮成形した。サンプルを0.07
1”(1.8mm)厚のプラークにプレスすることによりディスクを作製し、次に、1イ
ンチ(25.4mm)のディスクに切断した。この圧縮成形手順は、次の通りであった:
100psi(689kPa)で5分間、365°F(185℃);1500psi(1
0.3MPa)で3分間、365°F(185℃);27°F(15℃)/分で周囲温度
(約23℃)に冷却。
【0202】
ARES I(Advanced Rheometric Expansion Sy
stem)Rheometerで、樹脂のレオロジーを測定した。ARESはひずみ制御
流量計であり、ロータリーアクチュエータ(サーボモーター)が剪断変形をひずみの形で
サンプルに加える。それに応えてサンプルがトルクを生じさせ、それを変換器によって測
定する。ひずみおよびトルクを用いて、弾性率および粘度などの動的機械的特性を計算す
る。サンプルの粘弾特性は、その溶融液で、パラレルプレート機構を用いて一定のゆがみ
(5%)および温度(190℃)で変動周波数(0.01から500秒−1)の関数とし
て測定した。樹脂の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、タンジェントデルタおよ
び複素粘性率(eta)は、Rheometrics Orchestratorソフ
トウェア(v.6.5.8)を使用して決定した。
【0203】
応力制御モードでRheometrics SR5000を用い、25mmパラレルプ
レート固定具を使用して、低剪断レオロジーの特性付けを行った。このタイプの幾何形状
は、サンプル負荷中に最低限の絞りしか必要とせず、従って残留応力を減少させるので、
コーンとプレートのタイプより好ましい。
【0204】
曲げ弾性率および割線弾性率の特性
5%のゆがみでの曲げ弾性率ならびに1%および2%のゆがみでの割線弾性率を、AS
TM D 790−99、方法Bに従って0.5インチ/分(13mm/分)の試験速度
で測定することによって、樹脂の剛性を特性付けした。ASTM D−4703−00、
Annex 1に従って、Procedure Cにより、約190℃での5分の初期加
熱時間および15℃/分の冷却速度で試験片を圧縮成形した。その試験片をそのプレスの
中で45℃に冷却し、「手で触れる程度」まで冷却を継続した。
【0205】
引張特性
ASTM D−638−03に従って、降伏点引張強度および破断点伸度を測定した。
両方の測定は、ASTM D 4703−00、Annex A−1に従って、Proc
esure Cにより、約190℃での5分の初期加熱時間および15℃/分の冷却速度
で圧縮成形した硬質タイプIV試験片を用いて、23℃で行った。その試験片をそのプレ
スの中で45℃に冷却し、「手で触れる程度」まで冷却を継続した。
【0206】
耐環境応力亀裂性(ESCR)
ASTM−D 1693−01、方法Bに従って、樹脂の耐環境応力亀裂性(ESCR
)を測定した。ASTM D−4703−00、Annex Aに従って、Proced
ure Cにより、約190℃での5分の初期加熱時間および15℃/分の冷却速度で試
験片を成形した。その試験片をそのプレスの中で45℃に冷却し、「手で触れる程度」ま
で冷却を継続した。
【0207】
この試験では、樹脂の亀裂による機械的破壊の受けやすさを、一定のひずみ条件下、亀
裂促進剤、例えば石鹸、湿潤剤などの存在下で測定する。測定は、50℃に維持した10
0容量%のIgepal CO−630(販売元Rhone−Poulec、ニュージャ
ージー州)水溶液中でノッチ付試験片を用いて行った。1回の測定につき10個の試験片
を評価した。樹脂のESCR値は、F50(確率グラフからの50%破壊時間計算値)と
して報告される。
【0208】
衝撃強度
200インチポンドの力量の振り子を有するTinius Olsen Izod M
anual Impact装置を使用し、ASTM D 256−03、方法Aに従って
、23℃および−40℃で、ノッチ付圧縮成形プラークについて、アイゾッド衝撃強度(
ft.lb/in)を判定した。
【0209】
これらのアイゾッド圧縮成形プラークは、ASTM D−4703−00、Annex
Aに従って、Procedure Cにより、約190℃での5分の初期加熱時間およ
び15℃/分の冷却速度で作製した。その試験片をそのプレスの中で45℃に冷却し、「
手で触れる程度」まで冷却を継続した。
【0210】
HDPEの耐衝撃特性の改良
耐衝撃性改良高密度ポリエチレン(HDPE)ブレンドを製造するために使用した成分
を表Aに列挙する。
【表A】

【0211】
重合条件
本発明の実施例および比較例を製造するために用いた重合プロセス条件を下に説明する

【0212】
実施例A マルチブロックポリマー製造手順
内部スターラーを装備したコンピュータ制御オートクレーブ反応装置において連続溶液
重合を行う。精製混合アルカン溶媒(Exxon Mobil,Inc.から入手できる
Isopar(商標)E)、エチレン(2.70ポンド/時(1.22kg/時)で)、
1−オクテンおよび(用いる場合)水素を、温度制御のためのジャケットと内部熱電対を
装備した3.8L反応装置に供給する。反応装置に供給する溶媒を、マスフローコントロ
ーラーによって測定する。変速ダイヤフラムポンプにより、反応装置に対する溶媒流量お
よび圧を制御する。そのポンプの排出の際に、側流を使って、触媒および共触媒注入ライ
ンならびに反応装置攪拌機のためにフラッシュフローをもたらす。これらのフローは、M
ico−Motionマスフローメーターによって測定し、ならびに制御バルブによって
またはニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレ
ンおよび(用いる場合)水素と併せ、反応装置に供給する。必要に応じて、マスフローコ
ントローラーを使用して反応装置に水素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応
装置に入る前に熱交換器の使用により調節する。この流れを、反応装置の底部に入れる。
ポンプおよびマスフローメーターを使用して触媒成分溶液を測定し、触媒フラッシュ溶媒
と併せ、反応装置の底部に入れる。その反応装置を、満液で、激しく攪拌しながら、50
0psig(3.45MPa)でランする。生成物は、その反応装置の頂部の出口ライン
から取り出す。その反応装置からの全ての出口ラインは、蒸気トレースおよび絶縁が施さ
れている。任意の安定剤または他の添加剤とともにその出口ラインに沿って少量の水を添
加し、その混合物をスタティックミキサーに通すことによって重合を停止させる。次に、
その生成物の流れを熱交換器を通過させることによって加熱した後、脱揮する。脱揮押出
機および水冷式ペレタイザーを使用する押出しにより、ポリマー生成物を回収する。プロ
セスの詳細および結果は、下の表Bに含まれている。
【0213】
実施例B マルチブロックポリマー製造条件
内部スターラーを装備したコンピュータ制御完全混合反応装置において連続溶液重合を
行う。精製混合アルカン溶媒(Exxon Mobil,Inc.から入手できるIso
par(商標)E)、エチレン(5.96ポンド/時(2.7kg/時)で)、1−オク
テンおよび(用いる場合)水素を、温度制御のためのジャケットと内部熱電対を装備した
5.0L反応装置に供給する。反応装置に供給する溶媒を、マスフローコントローラーに
よって測定する。変速ダイヤフラムポンプにより、反応装置に対する溶媒流量および圧を
制御する。そのポンプの排出の際に、側流を使って、触媒および共触媒1注入ラインなら
びに反応装置攪拌機のためにフラッシュフローをもたらす。これらのフローは、Mico
−Motionマスフローメーターによって測定し、ならびに制御バルブによってまたは
ニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレンおよ
び(用いる場合)水素と併せ、反応装置に供給する。必要に応じて、マスフローコントロ
ーラーを使用して反応装置に水素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応装置に
入る前に熱交換器の使用により調節する。この流れを、反応装置の底部に入れる。ポンプ
およびマスフローメーターを使用して触媒成分溶液を測定し、触媒フラッシュ溶媒と併せ
、反応装置の底部に入れる。その反応装置を、満液で、激しく攪拌しながら、406ps
ig(2.8MPa)でランする。生成物は、その反応装置の頂部の出口ラインから取り
出す。その反応装置からの全ての出口ラインは、蒸気トレースおよび絶縁が施されている
。任意の安定剤または他の添加剤とともにその出口ラインに沿って少量の水を添加し、そ
の混合物をスタティックミキサーに通すことによって重合を停止させる。次に、その生成
物の流れを熱交換器により加熱し、2つの直列の脱揮装置に通し、次に、それを水冷する
。プロセスの詳細および結果は、下の表Bに含まれている。
【表B】

【0214】
実施例Cおよび実施例Dは、米国特許第5,272,236号および米国特許第5,2
78,272号に従って作製するが、勿論、分子量および密度は調節する。
【0215】
ブレンドの調製
一連の高密度ポリエチレンa)DMDF 6230+耐衝撃性改良ポリマー(本発明の
ポリマーまたは比較ポリマー)ブレンドおよびb)DMDH 6400+耐衝撃性改良ポ
リマー(本発明のポリマーまたは比較ポリマー)ブレンドを、様々な濃度のそれら2成分
(表C)を溶融ブレンドすることによって調製する。比較のため、HDPEサンプルを耐
衝撃性改良HDPEブレンドサンプルと同じ熱押出履歴に付す。ブレンド中の比較ポリマ
ーの濃度を調節して、本発明のHDPEブレンドと同じ総合ブレンド密度を生じさせる。
【0216】
ブレンドを加工する前に、封止されたバッグの中のそれら2成分の物理的混合物に粉末
酸化防止剤パッケージを添加する。このパッケージは、200ppmのIRGANOX
1010および400ppmのIRGAFOS 168から成る。その物理的ポリマーブ
レンドをタンブリングして、その樹脂サンプル全体に酸化防止剤を分散させる。各物理的
ブレンドを窒素でパージして、そのバッグからの一切の残留酸素の除去を助長する。
【表C】

【0217】
この物理的ポリマーブレンド+添加剤パッケージの組み合わせを、Leistritz
18mm 双軸スクリュー押出機(L/D=30)と、ロングピッチパワースクリュー
を装備したK−TRON K2VT20 双軸スクリューオーガー式フィーダーと、2つ
の冷水循環槽急冷タンクと、Berlyn BPELL−2 4枚羽根ストランドチョッ
パーとを補ったHaakeシステムを用いて加工する。水循環器を前記押出機の供給口の
ジャケットに取り付け、20℃に設定して、ポリマーが溶融してその供給口を塞がないよ
うにする。押出機の温度帯は、150、180、200、215および215℃に設定す
る。押出機のダイは、215℃に設定する。押出す前に、窒素ラインに付属している蓋を
供給ホッパーの頂部に配置する。フィーダー吐出しから押出機供給口までの移行範囲は、
大量のアルミニウム箔で封止する。その押出機を予熱し、較正し、そして酸素をパージす
るためにシステム全体に窒素を流しながら空でランする。
【0218】
その窒素付属蓋を適所に有する押出機供給ホッパーに前記ポリマー/酸化防止剤物理的
ブレンドを入れる。その物理的ブレンドを押出機に供給し、溶融ブレンドし、押出す。押
出物を2つの急冷タンクに通して、溶融物をポリマーストランドに凝固させる。そのスト
ランドをエアナイフに通して、水分を除去し、次に、Berlynストランドチョッパー
によってペレットに細断する。それらのペレットを吐出シュートからラベル付バッグへと
回収する。
【0219】
ブレンド密度は、
【数3】

(式中、ρは、ブレンド密度であり、wは、ブレンド成分1の重量分率であり、ρ
は、成分1の密度であり、およびρは、ブレンド成分2の密度である)
の関係を用いて計算する。
HDPEブレンドの特性
【0220】
ニートのHDPE DMDH 6400ポリマーおよびそのブレンドサンプルを様々な
分析法によって特性付けする。
【0221】
HDPE DMDH 6400およびDMDH 6400+本発明の耐衝撃性改良マル
チブロックポリマー実施例A、ブレンドのDSCオーバーレイを図8に示す。単一のDS
Cピークが観察され、これは、2つの成分の相溶性を示している。GPCによって特性付
けした場合の分子量分布を図9に示す。溶融強度の比較を図10に示す。
【0222】
測定された特性を表Dに列挙する。
【表D】

【0223】
本発明のサンプルと比較サンプルのDSC比較を図11に示し、ATREF比較を図1
2に示す。
【0224】
本発明のブレンドと比較ブレンドの機械的(剛性−靭性)特性を表Eに列挙する。
【表E】

【0225】
HD2ブレンド系列における本発明のマルチブロックポリマー、実施例Aの0重量%か
ら10重量%への濃度の増加に伴って、そのブレンドの耐衝撃特性および耐環境応力亀裂
特性が漸進的に改良される(表E)。密度および曲げ弾性率によって特徴づけられるよう
なブレンドの剛性は、基本的には変化しない。しかし、実施例Aポリマーの濃度を20%
へと増加させていくと、ブレンド(本発明のブレンドHD2A3)の室温および低温ア
イゾッド衝撃試験での性能(Izod impact performance)に有意な改良が観察される(表
E)。(DMDH 6400 HD2+実施例A)ブレンドの性能を(DNDH 640
0 HD2+実施例C)ポリマーブレンドのものと比較した。可変要素を最小限にするた
めに、類似した総合密度およびメルトインデックスのブレンド間で比較を行う。DMDH
6400 HD2+実施例Aのブレンドは、DMDH 6400 HD2+実施例Cの
ブレンドと比較して、剛性と耐衝撃性の優れたバランスを示す。引張特性も優れている(
表E)。第二の本発明のブレンド系列、(DMDH 6400 HD2+実施例B)ブレ
ンドも、曲げ弾性率と耐衝撃性の良好なバランスを有する(表E)。この場合の性能は、
比較ブレンドのものと同様である。
【0226】
TPOの耐衝撃性の改良
配合サンプルを調製する際に使用した原料を表Fに示す。ICP耐衝撃性コポリマーポ
リプロピレンサンプルを除き、一般に認められているような条件で材料を使用した。この
サンプルは、使用前に粉砕した。
【表F】

【0227】
重合条件
マルチブロックオクテンコポリマーサンプルEは、直ぐ下で説明するプロセスを用いて
生成製造した。
【0228】
内部スターラーを装備したコンピュータ制御オートクレーブ反応装置において連続溶液
重合を行う。精製混合アルカン溶媒(Exxon Mobil,Inc.から入手できる
Isopar(商標)E)、エチレン(2.70ポンド/時(1.22kg/時)で)、
1−オクテンおよび(用いる場合)水素を、温度制御のためのジャケットと内部熱電対を
装備した3.8L反応装置に供給する。反応装置に供給する溶媒を、マスフローコントロ
ーラーによって測定する。変速ダイヤフラムポンプにより、反応装置に対する溶媒流量お
よび圧を制御する。そのポンプの排出の際に、側流を使って、触媒および共触媒注入ライ
ンならびに反応装置攪拌機のためにフラッシュフローをもたらす。これらのフローは、M
ico−Motionマスフローメーターによって測定し、ならびに制御バルブによって
またはニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレ
ンおよび(用いる場合)水素と併せ、反応装置に供給する。必要に応じて、マスフローコ
ントローラーを使用して反応装置に水素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応
装置に入る前に熱交換器の使用により調節する。この流れを、反応装置の底部に入れる。
ポンプおよびマスフローメーターを使用して触媒成分溶液を測定し、触媒フラッシュ溶媒
と併せ、反応装置の底部に入れる。その反応装置を、満液で、激しく攪拌しながら、50
0psig(3.45MPa)でランする。生成物は、その反応装置の頂部の出口ライン
から取り出す。その反応装置からの全ての出口ラインは、蒸気トレースおよび絶縁が施さ
れている。任意の安定剤または他の添加剤とともにその出口ラインに沿って少量の水を添
加し、その混合物をスタティックミキサーに通すことによって重合を停止させる。次に、
その生成物の流れを熱交換器を通過させることによって加熱した後、脱揮する。脱揮押出
機および水冷式ペレタイザーを使用する押出しにより、ポリマー生成物を回収する。
【0229】
マルチブロックブテンコポリマーサンプルFは、直ぐ下で説明するプロセスを用いて生
成製造した。
【0230】
内部スターラーを装備したコンピュータ制御完全混合反応装置において連続溶液重合を
行う。精製混合アルカン溶媒(Exxon Mobil,Inc.から入手できるIso
par(商標)E)、エチレン(5.96ポンド/時(2.7kg/時)で)、1−オク
テンおよび(用いる場合)水素を、温度制御のためのジャケットと内部熱電対を装備した
5.0L反応装置に供給する。反応装置に供給する溶媒を、マスフローコントローラーに
よって測定する。変速ダイヤフラムポンプにより、反応装置に対する溶媒流量および圧を
制御する。そのポンプの排出の際に、側流を使って、触媒および共触媒1注入ラインなら
びに反応装置攪拌機のためにフラッシュフローをもたらす。これらのフローは、Mico
−Motionマスフローメーターによって測定し、ならびに制御バルブによってまたは
ニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレンおよ
び(用いる場合)水素と併せ、反応装置に供給する。必要に応じて、マスフローコントロ
ーラーを使用して反応装置に水素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応装置に
入る前に熱交換器の使用により調節する。この流れを、反応装置の底部に入れる。ポンプ
およびマスフローメーターを使用して触媒成分溶液を測定し、触媒フラッシュ溶媒と併せ
、反応装置の底部に入れる。その反応装置を、満液で、激しく攪拌しながら、406ps
ig(2.8MPa)でランする。生成物は、その反応装置の頂部の出口ラインから取り
出す。その反応装置からの全ての出口ラインは、蒸気トレースおよび絶縁が施されている
。任意の安定剤または他の添加剤とともにその出口ラインに沿って少量の水を添加し、そ
の混合物をスタティックミキサーに通すことによって重合を停止させる。次に、その生成
物の流れを熱交換器により加熱し、2つの直列の脱揮装置に通し、次に、それを水冷する

【0231】
配合条件
全てのサンプルは、スクリュー設計ZSK30−0097の30mm W&P 共回転式
双軸スクリュー押出機を使用して配合した。押出し中は真空を用いた(18〜20インチ
のHg)。タンブル(tumble)ブレンドしたサンプルを押出機の供給口に供給した。配合
条件を表Gに示す。トルク約80%を維持する速度でサンプルを供給することが望ましか
った。押出機の状態は、ストランドドロップを無くすようにも調節した。
【表G】

【0232】
サンプルを90トン Toyo Molding Machineで射出成形した。
金型: 1キャビティー無ベントASTM 1/8” Tバー、および1キャビティー無
ベントASTM 4”x 1/8”ディスク
成形条件:
バレル温度:400°F
金型温度:140°F
充填時間:1.6秒
充填圧:700psi
保持時間:25秒
冷却時間:25秒

試験方法:
アイゾッド−ASTM D256
屈曲特性−ASTM D790、2mm/分
引張特性−ASTM D638、50mm/分
【0233】
サンプルの特性
本発明のブレンドサンプルICP−EおよびICP−Fならびに比較サンプルIC
P−Gのノッチ付アイゾッド衝撃強度−温度依存性を表Hに示し、図13にプロットす
る。
【表H】

【0234】
本発明の実施例は、比較例より高い低温靭性を示す。
【0235】
多くの場合、材料の延性は、材料が脆弱な様子で破壊する温度より下の温度として定義
される脆性−延性遷移温度によって測定される。この比較のために、延性−脆性遷移温度
は、ノッチ付アイゾッド衝撃強度が約6ft−lb/inに達する温度と定義される。図
13は、本発明の実施例(ICP−Fについては−20°F;ICP−Eについては
−30°F)が、比較例(ICP−Gについては−10°F)より低い延性−脆性遷移
温度を示すことを図示している。3つ全ての実施例の弾性率が同様であると仮定すると、
より少ない量の本発明の改良剤を配合物に添加して、その弾性率または剛性を増大させる
ことができるということになる。結果として生じるブレンドは、比較例と同様の低温靭性
をなお有するはずである。これらのデータは、本発明のポリマーで改良されたブレンドが
、比較改良剤で改良されたものより良好な剛性−靭性バランスを有するであろうというこ
とを示している。
【0236】
OBC77およびREOCを使用する追加のブレンド
以下のポリマーを様々なブレンド組成物において用いた。
【0237】
本発明の実施例OBC77は、77重量%の複合材料1−オクテン含量、0.854g
/ccの複合材料密度、105℃のDSCピーク融点、DSC測定に基づき6.8重量%
のハードセグメント、73℃のATREF結晶化温度、0.915g/ccのハードセグ
メント密度、0.851g/ccのソフトセグメント密度、188,254ダルトンの数
平均分子量、329,600ダルトンの重量平均分子量、190℃、2.16kgで1.
0dg/分のメルトインデックスおよび190℃、10kgで37.0dg/分のメルト
インデックスを有するエチレン/1−オクテンオレフィンブロックコポリマー(OBC)
である。
【0238】
比較例REOCは、0.87g/ccの密度、38重量%の1−オクテン含量、59.
7℃のピーク融点、59,000ダルトンの数平均分子量、121,300の重量平均分
子量、190℃、2.16kgで1.0dg/分のメルトインデックスおよび190℃、
10kgで7.5dg/分のメルトインデックスを有するランダムエチレン/1−オクテ
ンコポリマー(REOC)である。この製品は、The Dow Chemical C
ompanyから商品名ENGAGE(登録商標)8100で市販されている。
【0239】
上述のポリマーを、230℃、2.16kgで2.0dg/分のメルトフローインデッ
クスおよび0.9g/ccの密度を有するポリプロピレンホモポリマー(PPH)と溶融
混合した。この製品は、Dow Polypropylene H110−02Nという
商品名で市販されている。全てのブレンドについて、熱安定性のために、フェノール系酸
化防止剤/亜リン酸塩酸化防止剤の1:1ブレンド(商品名Irganox B215で
入手可能)を全ポリマー100部当たり0.2部添加した。表Iではこの添加剤をAOと
呼ぶ。
【0240】
以下の混合手順を用いた。ロール刃を取り付けた69cc容量 Haakeバッチ式混
合ボウルを全ての領域について200℃に加熱した。この混合ボウルのローター速度を3
0rpmに設定し、PPHを充填し、1分間溶融させ、次に、AOを充填し、さらに2分
間溶融させた。次に、その混合ボウルに本発明の実施例OBC77、比較例REOC、ま
たは本発明の実施例OBC77と比較例REOCの1:1ブレンドのいずれかを充填した
。そのエラストマーの添加後、混合ボウルのローター速度を60rpmの上昇させ、さら
に3分間混合させた。次に、その混合物を混合ボウルから取り出し、金属板の間に挟んだ
Mylarシートの間でプレスし、15℃で冷却するように設定したCarver圧縮成
形機において20kpsiの圧力で圧縮した。次に、その冷却された混合物を、3分間、
190℃、圧力2kpsiで3分間、190℃、圧力20kpsiで3分間圧縮し、15
℃、20kpsiで3分間冷却することにより、2インチ×2インチ×0.06インチの
プラークに圧縮成形した。上で説明した手順のもとで調製した混合物を下の表に列挙する

【表I】

【0241】
圧縮成形したプラークの耳切りをして、その中心部で切片を回収した。耳切りしたプラ
ークは、エラストマー相のスミアリングを防止するために、−60℃でそれらのブロック
から切片を取り出すことにより染色前に冷間研磨した(cryopolished)。冷間研磨したブ
ロックを、周囲温度で3時間、2%四酸化ルテニウム溶液の気相で染色した。この染色溶
液は、0.2mgの塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3×H2O)を計量して
ネジ蓋を有するガラス瓶に入れ、そのジャーに10mLの5.25%次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液を添加することにより調製した。両面テープを有するスライドガラスを使用して
サンプルをそのガラスジャーの中に配置した。そのスライドガラスは、染色溶液の約1イ
ンチ上にブロックを吊るすように瓶の中に配置した。Leica EM UC6ミクロト
ームでダイヤモンドナイフを使用して厚さ約100ナノメートルの切片を周囲温度で回収
し、観察のために400メッシュの未使用TEM用グリッドの上に配置した。
【0242】
100kVの加速電圧で操作し、Gatan 791およびGatan 794デジタ
ルカメラを使用して収集するJEOL JEM 1230を用いて、明視野像を収集した
。Adobe Photoshop 7.0を使用してそれらの像を後処理した。
【0243】
図14、15および16は、それぞれ、上記混合物1、2および混合物3の透過電子顕
微鏡写真である。暗い領域は、RuClXHOで染色されたエチレン/1−オクテン
ポリマーである。わるように、本発明の実施例OBC77を含む領域は、比較例REOC
よりずっと小さい。本発明の実施例OBC77の領域サイズは、<0.1から2μmの範
囲にわたり、これに対して比較例REOCの領域サイズは、約0.2から5μmを超える
範囲にわたる。混合物3は、本発明の実施例OBC77と比較例REOCの1:1ブレン
ドを含有する。混合物3の領域サイズは混合物2のものよりかなり低く、これは、本発明
の実施例OBC77が比較例REOCのPPHとの相溶性を改良することを示しているこ
とに留意しなければならない。
【0244】
Leica Qwin Pro V2.4ソフトウェアを使用し、5kX TEM像で
混合物1、2および3の画像解析を行った。画像解析のために選択した倍率は、解析すべ
き粒子の数およびサイズに依存した。バイナリーイメージの生成を可能ならしめるために
、ブラックSharpieマーカーを使用して、TEM写真プリントからエラストマー粒
子を手作業でトレースした。トレースしたTEM像を、Hewlett Packard
Scan Jet 4を使用してスキャンして、デジタル画像を生成した。これらのデ
ジタル画像をLeica Quin Pro V2.4プログラムにインポートし、そし
て関連のある機能を含むようにグレーレベル閾値を設定することによりバイナリーイメー
ジに変換した。バイナリーイメージを生成したら、画像解析前に他の加工ツールを使用し
て画像を編集した。これらの機能の一部としては、縁を除去する機能、受け入れまたは排
除機能、および分離を必要とする手作業での切断機能が挙げられる。画像中の粒子を測定
したら、その分粒データをスプレッドシートにエクスポートし、それを用いてゴム粒子の
ビン範囲を作成した。分粒データを適切なビン範囲に入れ、頻度のパーセントに対する粒
子長(最大粒子長)のヒストグラムを生成した。報告されたパラメーターは、最小、最大
、平均粒径および標準偏差であった。下の表は、混合物の領域サイズの画像解析の結果を
示すものである。
【表J】

【0245】
これらの結果は、混合物1と混合物2の両方が、有意に低い平均エラストマー領域およ
び狭い領域サイズ分布を示すことを明確に示した。混合物3における比較例Aとの1:1
ブレンド場合、本発明の実施例1からの有益な界面効果が明確にわかる。得られた領域平
均粒径および範囲は、エラストマー成分として本発明の実施例1しか含有しない混合物1
とほぼ同じである。
【0246】
本発明の実施例OBC77を作製するための手順
上述の混合物において使用したOBC77を作製するための手順は、次の通りである:単
一の1ガロンオートクレーブ連続攪拌タンク型反応装置(CSTR)をこれらの実験に使
用した。この反応装置は、満液で、約540psigで運転(run)し、プロセスフロー
は低部から入り頂部から出る。この反応装置には、反応熱の一部の除去を促進するために
、オイルジャケットが付いている。主温度制御は、溶媒/エチレン添加ライン上の2つの
熱交換器によって達成される。ISOPAR(登録商標)E、水素、エチレンおよび1−
オクテンを制御された流量でその反応装置に供給した。
【0247】
触媒成分を無空気グローブボックス内で希釈した。2つの触媒を異なる保持タンクから
所望の比率で個々に供給した。触媒供給ラインが詰まるのを避けるために、触媒ラインと
共触媒ラインを分け、反応装置に別々に供給した。共触媒は、ジエチルスズ可逆的移動剤
と混合された後、反応装置に入った。
【0248】
生成サンプルがメルトインデックスまたは密度に関する実質的な変化を示さないことを
1時間ごとに数回示した後、安定した反応装置条件のもとで主生成物を回収した。それら
の生成物を、IRGANOX(登録商標)1010とIRGANOX(登録商標)107
6とIRGAFOS(登録商標)176の混合物で安定させた。
【表K】

【0249】
触媒A1およびA2についての構造を下に示す:
【化11】

【化12】

【0250】
無水マレイン酸変性ポリマーの実施例
2005年3月17日に出願された(そしてまた、2004年3月17日出願の米国特
許仮出願第60/553,906号の優先権を主張する)PCT出願番号PCT/US2
005/008917に記載されているとおり、エチレン−オクテンマルチプロック共重
合体の基礎ポリマーを先ず調製した。前記各出願は、本明細書において参照により援用さ
れる。比較の基礎ポリマーは、The Dow Chemical Companyによ
りAFFINITY(登録商標)の名で販売されているものなどの幾何形状拘束触媒を使
用して調製したエチレン−オクテンランダムコポリマーである。
【表L】

【0251】
マルチブロックR21およびマルチブロックR22連続溶液重合、触媒A1/B2+D
EZ
コンピュータ制御完全混合反応装置において連続溶液重合を行った。精製混合アルカン
溶媒(Exxon Mobil,Inc.から入手可能なIsopar(商標))、エチ
レン、1−オクテンおよび(用いる場合)水素を併せ、102L反応装置に供給した。反
応装置への供給量は、マスフローコントローラーによって測定した。供給流の温度は、そ
の反応装置に入る前にグリコール冷却式熱交換器の使用により制御した。触媒成分溶液は
、ポンプおよびマスフローメーターを使用して計量した。反応装置を満液で、約550p
sigの圧力で運転した。反応装置を終了させるとき、そのポリマー溶液に水および添加
剤を注入した。その水が、触媒を加水分解し、重合反応を停止させる。次に、二段階脱揮
の準備で、後反応装置の溶液を加熱した。溶媒および未反応モノマーは、その脱揮プロセ
ス中に除去された。ポリマー溶融物をポンプで水中ペレット切断用のダイに送った。プロ
セス条件を下の表にまとめる。
【表M】

【0252】
溶融マレイン化−双軸スクリュー押出機内でのオレフィン共重合体へのMAHのグラフ

MAHグラフト樹脂は、双軸スクリュー押出機を使用する連続反応押出プロセスで調製
した。このプロセスに使用した樹脂は、AFFINITY(登録商標)KC8852、A
FFINITY(登録商標)EG8200、上で説明したようなマルチブロックR21お
よびマルチブロックR22であった。この装置は、35.67の長さ対直径比を有する3
0mm ZSK−30押出機であった。この押出機における温度設定点は、235℃であ
った。スクリュー回転速度は、300RPMであった。樹脂ペレットを10lb/時の速
度でこの押出機に供給した。過酸化物開始剤は、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)
−2,5−ジメチルへキサンであった。約1.24重量%の過酸化物、49.38重量%
のMAHおよび49.38重量%のメチルエチルケトンを含有する溶液を約6.17g/
分の速度でその押出機に供給した。この添加速度は、樹脂の質量を基準にして4重量%の
MAHおよび100ppmの過酸化物の添加に相当した。その押出機の末端に吸引孔を取
り付けて、メチルエチルケトンおよび過剰な未グラフトMAHを除去した。グラフト樹脂
は押出機を出し、それらをペレット化し、回収した。
【0253】
各グラフト樹脂の約2.5gを100mLの沸騰キシレンに溶解し、次に、5倍量のア
セトンにその溶液を注入することにより沈殿させた。固体を回収し、乾燥させ、滴定して
、グラフトMAHのレベルを決定した。EO870樹脂は、1.85重量%のグラフトM
AHを含有した。EO875樹脂は、1.85重量%のグラフトMAHを含有した。マル
チブロック21樹脂は、1.80重量%のグラフトMAHを含有した。マルチブロックR
22樹脂は、1.49重量%のMAHを含有した。これらのグラフト樹脂を下で論じるよ
うにポリアミド樹脂とブレンドした。
【0254】
MAHグラフト樹脂/ポリアミドブレンド
MAHグラフト樹脂
MAHグラフト樹脂に関するメルトインデックスデータを下に示す。
【表N】

【0255】
ブレンド:代表手順
約454グラムの無水マレイン酸グラフト樹脂(MAH−g−EO870、MAH−g
−875、MAH−g−マルチブロックR22またはMAH−g−マルチブロックR21
)と1816グラムのポリアミド(BASFから入手できるUltramide(登録商
標)B−3)とを、両方の樹脂を25mm Haake双軸スクリュー押出機に1時間に
つき2724グラムの瞬間速度で供給することによりペレットブレンドした。この押出機
温度プロフィールは、一定で250℃であった。回収したサンプルを、次に、射出成形し
て、アイゾッド試験および曲げ弾性率試験のためのASTM試験バーを製造した。機械的
試験データを下の表にまとめる。
【表O】

【0256】
低粘度のマルチブロック樹脂は、高粘度の比較樹脂と比較して、匹敵するまたはより良
好でさえある機械的特性を有する。
【0257】
これらの樹脂を射出成形プラークにし、耐衝撃特性について試験した。結果を下の表に
示す。
【表P】

【0258】
注記: 本発明のポリマー(Run#3および4)は、比較サンプル(ラン#1および
2)に対して低温で有意に高い耐衝撃性を有する。サンプル#3は、高い弾性率と高い耐
衝撃性との最高のバランスを有する。この改良された耐衝撃性は、室温でも、低温でも実
証される。試験片は射出成形プラークであり、ASTM D 3763(射出成形パーツ
)に概説されているような手順を用いて試験を完了した。曲げ弾性率は、ASTM D−
790に従って行い、アイゾッド衝撃は、D−256に従って行った。
【0259】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、1つの実施形態の特定の特徴が、
本発明の他の実施形態に帰することはないであろう。単一の実施形態が、本発明の全ての
態様の代表ではない。ある実施形態における組成物または方法は、本明細書において言及
されていない非常に多数の化合物または段階を含むことがある。他の実施形態における組
成物または方法は、本明細書に列挙されていない任意の化合物または段階を含まない、ま
たは実質的に有さない。記載されている実施形態からの変形および変更が存在する。最後
に、本明細書に開示されている任意の数は、その数の説明に「約」または「おおよそ」と
いう語が用いられているかどうかにかかわらず、近似値を意味すると解釈しなければなら
ない。添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲に入る全ての変更および変形を包含すると
考える。
【図面の簡単な説明】
【0260】
【図1】従来のランダムコポリマー(丸で示す)およびチーグラーナッタコポリマー(三角で示す)と比較して、本発明のポリマー(ひし形で示す)についての融点と密度の関係を示す図である。
【図2】様々なポリマーについてのDSC融解エンタルピーの関数としてのデルタDSC−CRYSTAFのプロットを示す図である。ひし形は、エチレン/オクテンランダムコポリマーを示し;四角は、実施例1〜4のポリマーを示し;三角は、実施例5〜9のポリマーを示し;および丸は、実施例10〜19のポリマーを示す。記号「X」は、ポリマー例A〜Fを示す。
【図3】本発明のインターポリマー(四角および丸で示す)および従来のコポリマー(三角で示す。これらは、様々なDow AFFINITY(登録商標)ポリマーである)から作製した未延伸フィルムについての弾性回復に対する密度の影響を示す図である。四角は、本発明のエチレン/ブタジエンコポリマーを示し;および丸は、本発明のエチレン/オクテンコポリマーを示す。
【図4】実施例5のポリマー(丸で示す)ならびに比較ポリマーEおよびF(記号「X」で示す)についての、画分のTREF溶出温度に対する、TREFで分画されたエチレン/1−オクテンコポリマー画分のオクテン含量のプロットである。ひし形は、従来のエチレン/オクテンランダムコポリマーを示す。
【図5】実施例5のポリマー(曲線1)および比較例F(曲線2)についての、画分のTREF溶出温度に対する、TREFで分画されたエチレン/1−オクテンコポリマー画分のオクテン含量のプロットである。四角は、実施例Fを示し、および三角は、実施例5を示す。
【図6】比較エチレン/1−オクテンコポリマー(曲線2)およびプロピレン/エチレン−コポリマー(曲線3)ならびに異なる量の可逆的連鎖移動剤を用いて作製した本発明の2つのエチレン/1−オクテンブロックコポリマー(曲線1)についての温度の関数としての貯蔵弾性率の対数のグラフである。
【図7】幾つかの公知ポリマーと比較して、幾つかの本発明のポリマー(ひし形で示す)についての曲げ弾性率に対するTMA(1mm)のプロットを示す図である。三角は、様々なDOW VERSIFY(登録商標)ポリマーを示;丸は、様々なエチレン/スチレンランダムコポリマーを示し;および四角は、様々なDow AFFINITY(登録商標)ポリマーを示す。
【図8A】DSCオーバーレイを示す図である:HDPE DMDH 6400+実施例Aのブレンド。
【図8B】DSCオーバーレイを示す図である:HDPE DMDH 6400+実施例Aのブレンド。
【図9】GPCオーバーレイを示す図である:HDPE DMDH 6400+実施例Aのブレンド。
【図10】溶融強度比較を示す図である:HDPE DMDH 6400+実施例Aのブレンド。
【図11】本発明のサンプルおよび比較サンプルのDSC曲線を示す図である。
【図12】本発明のサンプルおよび比較サンプルのATREF曲線を示す図である。
【図13】温度に対するノッチ付アイゾッド衝撃の依存性を示す図である。
【図14】ポリプロピレンとエチレン−オクテンブロックコポリマーの混合物の透過電子顕微鏡写真である。
【図15】ポリプロピレンとエチレン−オクテンランダムコポリマーの混合物の透過電子顕微鏡写真である。
【図16】ポリプロピレンとエチレン−オクテンブロックコポリマーとエチレン−オクテンランダムコポリマーの混合物の透過電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)熱可塑性ポリマー組成物、および
B)耐衝撃性改良量のエチレン/α−オレフィン共重合体
を含む組成物であって、前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、
(a)約1.7から約3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および
密度d(g/cm)を有し、前記Tmおよびdの数値が、
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
の関係に相当する;または
(b)約1.7から約3.5のMw/Mnを有し、ならびに融解熱ΔH(J/g)、お
よび最高のDSCピークと最高のCRYSTAFピークの間の温度差として規定されるデ
ルタ量ΔT(℃)によって特徴付けられ、
前記ΔTおよびΔHの数値が、以下の関係:
ΔHがゼロより大きく、130J/gまでの値を有する場合、ΔT>−0.1299
(ΔH)+62.81、
ΔHが130J/gより大きい場合、ΔT>48℃
を有し、ならびに
前記CRYSTAFピークが、累積ポリマーのうちの少なくとも5パーセントを用い
て決定され、そしてこのポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピーク
を有するならば、CRYSTAF温度が30℃である;または
(c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された、300パ
ーセントのひずみかつ1サイクルでの弾性回復率Re(%)を有し、および密度d(g/
cm)によって特徴付けられ、前記Reおよびdの数値が、そのエチレン/α−オレフ
ィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係:
Re>1481−1629(d)
を満たす;または
(d)TREFを用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分
を有し、この同じ温度間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコモ
ノマーモル含量より少なくとも5パーセント高いコモノマーモル含量を有するという点で
特徴付けられ、この比較対象となるランダムエチレン共重合体が、同じコモノマー(単数
または複数)を有し、かつこのエチレン/α−オレフィン共重合体のものの10パーセン
ト内のコモノマーモル含量(ポリマー全体に基づく)、メルトインデックス、及び密度を
有する、
組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリマー組成物が、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、スチレン、ポリオレ
フィン、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールおよび
ポリスルホンから成る群より選択される1つまたはそれ以上のポリマーを含む、請求項1
に記載の組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマー組成物が、ポリプロピレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマー組成物が、高密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の組成物

【請求項5】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約1.7から約3.5のMw/Mn、少な
くとも1つの融点Tm(℃)、および密度d(g/cm)を有し、前記Tmおよびdの
数値が、Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)の関係に相
当する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約1.7から約3.5のMw/Mnを有し
、ならびに融解熱ΔH(J/g)、および最高のDSCピークと最高のCRYSTAFピ
ークの間の温度差として規定されるデルタ量ΔT(℃)によって特徴付けられ、前記ΔT
およびΔHの数値が、以下の関係:
ΔHがゼロより大きく、130J/gまでの場合、ΔT>−0.1299(ΔH)+
62.81、
ΔHが130J/gより大きい場合、ΔT>48℃
を有し、ならびに前記CRYSTAFピークが、累積ポリマーのうちの少なくとも5パー
セントを用いて決定され、そしてこのポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYS
TAFピークを有するとき、CRYSTAF温度は30℃である、請求項1に記載の組成
物。
【請求項7】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮
成形フィルムで測定された、300パーセントのひずみかつ1サイクルでの弾性回復率R
e(%)を有し、および密度d(g/cm)によって特徴付けられ、前記Reおよびd
の数値が、そのエチレン/α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以
下の関係:
Re>1481−1629(d)
を満たす、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、TREFを用いて分画される場合、40℃
と130℃との間で溶出する分子画分であって、この同じ温度間で溶出する比較対象とな
るランダムエチレン共重合体画分のコモノマーモル含量より少なくとも5パーセント高い
コモノマーモル含量を有するという点で特徴付けられる画分を有し、この比較対象となる
ランダムエチレン共重合体が、同じコモノマー(単数または複数)を有し、かつこのエチ
レン/α−オレフィン共重合体のものの10パーセント内のメルトインデックス、密度、
およびコモノマーモル含量(ポリマー全体に基づく)を有する、請求項1に記載の組成物

【請求項9】
A)少なくとも1つのプロピレンポリマー、および
B)全組成物に基づき約1から約25重量%のエチレン/α−オレフィン共重合体
を含む組成物であって、前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、
(a)約1.7から約3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および
密度d(g/cm)を有し、前記Tmおよびdの数値が、
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
の関係に相当する;または
(b)約1.7から約3.5のMw/Mnを有し、ならびに融解熱ΔH(J/g)、お
よび最高のDSCピークと最高のCRYSTAFピークの間の温度差として規定されるデ
ルタ量ΔT(℃)によって特徴付けられ、
前記ΔTおよびΔHの数値が、以下の関係:
ΔHがゼロより大きく、130J/gまでの場合、ΔT>−0.1299(ΔH)+
62.81、
ΔHが130J/gより大きい場合、ΔT>48℃
を有し、ならびに
前記CRYSTAFピークが、累積ポリマーのうちの少なくとも5パーセントを用い
て決定され、そしてこのポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピーク
を有するとき、CRYSTAF温度が30℃である;または
(c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された、300パ
ーセントのひずみかつ1サイクルでのパーセントである弾性回復率Reを有し、および密
度d(g/cm)によって特徴付けられ、前記Reおよびdの数値が、そのエチレン/
α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係:
Re>1481−1629(d)
を満たす;または
(d)TREFを用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分
であって、この同じ温度間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコ
モノマーモル含量より少なくとも5パーセント高いコモノマーモル含量を有するという点
で特徴付けられる画分を有し、この比較対象となるランダムエチレン共重合体が、同じコ
モノマー(単数または複数)を有し、かつこのエチレン/α−オレフィン共重合体のもの
の10パーセント内のメルトインデックス、密度、およびコモノマーモル含量(ポリマー
全体に基づく)を有する、
組成物。
【請求項10】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じプロピレンポリマー組成物と比較した場合に少なくとも5%高い、請求項9
に記載の組成物。
【請求項11】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じプロピレンポリマー組成物と比較した場合に少なくとも10%高い、請求項
9に記載の組成物。
【請求項12】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じプロピレンポリマー組成物と比較した場合に少なくとも15%高い、請求項
9に記載の組成物。
【請求項13】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約50ppmから約300ppmの可逆的
連鎖移動剤を使用して調製された、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記可逆的連鎖移動剤が、ジエチル亜鉛である、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約0.85から約0.93g/cmの密
度を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
A)少なくとも約0.94g/cmの密度を有する高密度ポリエチレン、および
B)全組成物に基づき約1から約25重量%のエチレン/α−オレフィン共重合体
を含む組成物であって、前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、
(a)約1.7から約3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および
密度d(g/cm)を有し、前記Tmおよびdの数値が、
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
の関係に相当する;または
(b)約1.7から約3.5のMw/Mnを有し、ならびに融解熱ΔH(J/g)、お
よび最高のDSCピークと最高のCRYSTAFピークの間の温度差として規定されるデ
ルタ量ΔT(℃)によって特徴付けられ、
前記ΔTおよびΔHの数値が、以下の関係:
ΔHがゼロより大きく、130J/gまでの場合、ΔT>−0.1299(ΔH)+
62.81、
ΔHが130J/gより大きい場合、ΔT>48℃
を有し、ならびに
前記CRYSTAFピークが、累積ポリマーのうちの少なくとも5パーセントを用い
て決定され、そしてこのポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピーク
を有するとき、CRYSTAF温度が30℃である;または
(c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された、300パ
ーセントのひずみかつ1サイクルでのパーセントである弾性回復率Reを有し、および密
度d(g/cm)によって特徴付けられ、前記Reおよびdの数値が、そのエチレン/
α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係:
Re>1481−1629(d)
を満たす;または
(d)TREFを用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分
であって、この同じ温度間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコ
モノマーモル含量より少なくとも5パーセント高いコモノマーモル含量を有するという点
で特徴付けられる画分を有し、この比較対象となるランダムエチレン共重合体が、同じコ
モノマー(単数または複数)を有し、かつこのエチレン/α−オレフィン共重合体のもの
の10パーセント内のメルトインデックス、密度、およびコモノマーモル含量(ポリマー
全体に基づく)を有する、
組成物。
【請求項17】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じ高密度ポリエチレン組成物と比較した場合に少なくとも5%高い、請求項1
6に記載の組成物。
【請求項18】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じ高密度ポリエチレン組成物と比較した場合に少なくとも10%高い、請求項
16に記載の組成物。
【請求項19】
20℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度が、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含まない同じ高密度ポリエチレン組成物と比較した場合に少なくとも15%高い、請求項
16に記載の組成物。
【請求項20】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約50ppmから約300ppmの可逆的
連鎖移動剤を使用することにより作製された、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
前記可逆的連鎖移動剤が、ジエチル亜鉛である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、約0.85から約0.93g/cmの密
度を有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
酸化防止剤、亜リン酸塩、粘着剤、粘着防止剤、顔料および充填剤から成る群より選択
される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組
成物。
【請求項24】
A)熱可塑性ポリマー組成物、および
B)耐衝撃性改良量のエチレン/α−オレフィン共重合体
を含む組成物であって、前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、
(a)TREFを用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分
であって、少なくとも0.5、かつ約1までのブロックインデックスを有するという点で
特徴付けられる少なくとも1つの分子画分を有する;または
(b)ゼロより大きく、かつ約1.0までの平均ブロックインデックス、および約1.
3より大きい分子量分布Mw/Mnを有する;または
(c)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃での貯蔵弾性率G’(10
0℃)を有し、前記G’(25℃)対G’(100℃)の比が、約1:1から約9:1の
範囲である、組成物。
【請求項25】
請求項1〜22または24のいずれか一項に記載の組成物から作製される二次加工品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−237013(P2012−237013A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−185567(P2012−185567)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2008−502126(P2008−502126)の分割
【原出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】