エネルギーが最適化され粘度が適合された凍結空気混和塊の微細構造化のための低温押出法及び装置
本発明は、アイス・クリームのような凍結空気混和系のエネルギーが最適化され粘度が適合された微細構造化のための低温押出法及びそれぞれの装置を記述する。本発明によって、(1)粘性摩擦に基づく機械エネルギーの放散と(2)非常に低い温度で非常に高い凍結水割合に達する放散熱及び追加の相転移(凍結)熱の冷媒への伝達との間の最適化されたバランスの下で、非常に細かく分散された微細構造が達成される。この新しい方法及び装置によって、空気混和塊は、連続的に凍結され、最小化された/最適化された機械エネルギー投入下で最適に微細構造化される。このように処理された塊の微細構造は、一方で、極低温でも、改善されたシェーピング、ポーショニング及びスクーピング特性を与える好ましい流動特性を支持し、他方で、改善された貯蔵寿命(熱ショック安定性)及び口触感(例えばクリーム感、融解挙動)を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細かく分散した均一な微細構造を生み出すための機械エネルギーの投入に関する最適化された条件、同時に、関連する低温で高い凍結水割合を達成するための放散熱及び相転移(凍結)熱の伝達に関する最適化された条件で、深冷凍結デザート、具体的にはアイス・クリームを製造する方法、並びにこの方法を実行するための装置を含む。
【背景技術】
【0002】
一軸及び二軸スクリュー押出機はよく知られている連続加工装置であり、主にポリマー及びセラミックスで使用されるが、例えばパスタやスナック製品を生産する食品産業でも使用される。1992年(DE4202231C1)以来、アイス・クリームのような凍結デザートの連続凍結に押出機を使用することも提案されている。
【0003】
加工面
いくつかの文献に記載されているとおり(参考文献2〜19参照)、低温押出機は、アイス・クリーム及び他の食品塊(food mass)、例えばヨーグルトや果肉を、剪断流れによる同時に作用する機械的応力の下で、高い凍結水割合(凍結可能水分の80〜90%)まで急速冷凍(deep−freezing)することができる。
【0004】
結晶化(凍結)熱に加えて、部分的に凍結した高粘性系(最高104Pasの動的粘度)内の粘性摩擦によって生じる放散熱も効率的に伝達されなければならず、発熱と伝熱の間の平衡は、(押出機のハウジングの内壁に付着した製品の層からこのハウジングの鋼壁、この鋼壁から押出機のバレル(barrel)の外壁に接触した気化冷媒への熱伝達を記述する)熱伝達率kに依存して調整されている。
【0005】
これまでのところ、最大の熱伝達率は、押出機のバレルの壁に隣接する凍結材料層を効率的に置き換えるために押出機バレルのフライト(flight)の先端と押出機バレルの内壁との間に狭いリーケージ・ギャップ(leakage gap)を有する押出しスクリュー幾何形状の適切な選択、及び押出機のハウジングを冷却するための気化冷媒(例えばアンモニア)の使用によって達成される。一定の低いスクリュー溝高さを有するスクリュー幾何形状の使用及び二軸式押出機システム内のスクリュー配置の軸方向へのわずかなシフトのため、スクリューの溝(channel)の中に生成される剪断速度の分布は狭い(EP0561118B1)。このことは、非常に高い剪断速度又は非常に低い剪断速度を有する拡張ゾーンがないことを意味する。一般的なアイス・クリーム塊に関する最大剪断速度約20〜30s−1では、押出機の出口で−12から−18℃の出口温度が達成される。
【0006】
押出機出口のアイス・クリーム塊の最低ドロー(draw)温度は、塊の凍結温度降下特性及びそれぞれの温度での塊の関連粘度、並びに粘性摩擦によって引き起こされる機械エネルギーの放散に左右される。
【0007】
(例えばEP0561118、US5,345,781特許に基づく)アイス・クリーム塊の押出しでは、押出機の長さにわたって小さな圧力勾配しか生成されない。押出機の入口と出口の間の総圧力差は一般に≦1−5バールである。このことは、粘度がかなり低い押出機入口の気体−液体(泡)混合物の脱混合(de−mixing)の回避を相当程度に保証する。それぞれEP0561118又はUS5,345,781及びDE4202231C1に基づく、この特定の押出機スクリュー構成、及び低温押出機内のスクリュー配置(二軸スクリュー)はさらに、塊の穏やかで効率的な混合を適用する。これは特に、二軸スクリュー配置のスクリュー間のスクリュー・フライトのオーバーラップ/インターメッシュ(intermeshing)ゾーン内の適当なフロー・ストリーム分布によって達成される。
【0008】
製品面
装置及び方法に関連した上述の側面の他に、低温押出しによって処理されたアイス・クリームで達成することができる製品固有の有利な特性にも関心が集まっている。一般に、低温押出しによって生み出されるこのような有利な特性は、アイス・クリームの微細構造成分、すなわち氷晶(ice crystal)、気泡(air bubble)/気室(air cell)及び脂肪球集塊(fat globule agglomerate)のより細かい分散に関係すると言うことができる。このような分散効果の程度はアイス・クリームのレシピに左右される。以下の説明は、バニラ・アイス・クリームの一般的な標準レシピに関するものだが、脂肪/乳脂肪の含有量(0〜16%)及び乾燥分(35〜43%)に変動が見られる。低温押出しされたアイス・クリームに関して達成される有利な特性は、(1)氷晶、(2)気泡/気室及び(3)脂肪球集塊であるアイス・クリームの中の主な構造化分散要素に関係し、これらは全て、低温条件下の押出機流れの中の層流剪断流れ及び伸長流れ(elongation flow)の場に作用する高い機械応力下でずっと細かく分散される。
【0009】
氷晶に関しては、内側バレル壁の1次氷晶核形成に加えて、結晶の摩滅及び破壊による2次核形成効果によって、冷凍器(freezer)及びそれに続く硬化トンネル内での従来のアイス・クリーム加工に比べ1/2〜1/3のサイズ低減が得られる。気泡/気室の分割につながる増大された作用剪断応力によって、平均気泡/気室サイズは従来の方法に比べて1/3〜1/5に低減される。
【0010】
押出機流れ内の機械処理の強度は塊の粘度に強く依存し、塊の粘度は特定の温度での凍結水割合に関係する。幅の狭い環状ギャップを形成する押出機スクリュー溝の断面にわたって、剪断応力はかなり均一に、且つ狭い範囲に分布する(応力ピークを有する流れゾーン)。押出機の長さにわたって、機械エネルギーの投入は、押出機チャネル内のアイス・クリームの滞留時間の増大、及び凍結水割合の増大の結果としての塊の粘度の増大とともに増大する。
【0011】
大き過ぎるエネルギー放散及び関連する摩擦熱発生によるアイス・クリーム構造の局所的な破壊は、一般に適用される方法/装置剪断速度で回避される(EP056118)。
【0012】
脂肪を含むアイス・クリームには、高圧ホモジナイザ内での液体状態での氷混合処理の結果として、約1ミクロン以下の一般的な主球径を有する脂肪球が存在する。このような脂肪球はさらに、低温押出法の増強された機械処理を経験する。脂肪球に関して、この処理は、タンパク質/乳化剤膜からの脂肪球表面の除去(de−hulling)につながり、部分的にさらに、押出機内で作用する強い剪断による脂肪球の強い変形につながる。その結果、このように処理された脂肪球は、より強い疎水性相互作用を有することが予想される。その結果、さらに、ガス/空気泡界面に対する親和性が増大する。処理された脂肪球間のこの増大した相互作用は脂肪球凝集体の形成につながる。しかし、低温でロードされた高粘性アイス・クリームの中のこのような脂肪球の移動性は低く、その結果として、感覚(口)によって検出可能なサイズに達する大規模に膨張した脂肪球凝集体が形成される可能性はない。このことは、口の中でバターのような感触を引き起こす構造の生成を回避する。
【0013】
感覚の観点から、より小さな氷晶及び気体/気泡、並びに機械処理されたあまり大規模に集塊していない脂肪球は、大幅に増大した知覚可能なクリーム感(creaminess)を製品に与える。同時に、アイス・クリームの低温押出しによって、融解挙動、口中の冷感覚、すくい出し能力などの他の感覚属性も、肯定的な影響をかなり受ける。
【0014】
上述のクリーム感の増大を引き起こすアイス・クリーム分散成分の高い微細分散性によって、低温押出しは、従来のアイス・クリーム加工に匹敵するクリーム感を、はるかに低い脂肪含量で生み出すことができる。
【0015】
構造面(押出機スクリュー)
(1)アイス・クリームの均一な微細構造を生成し、同時に、(2)押出機出口での約−12℃未満の非常に低い塊温度(標準バニラ・アイス・クリーム)を達成するため、適合された回転速度での関連流動条件に関する押出機スクリューの構造は決定的に重要である。
【0016】
EP561118は、特に扁平なスクリュー溝(溝高Hと溝幅Wの比が約0.1、溝高とスクリュー外径の比が約0.1)及び約22から30°のスクリュー角度を有するスクリュー幾何形状を使用した、アイス・クリームの連続凍結−構造化のための二軸スクリュー押出機を記述している。
【0017】
EP713650は、やはり二軸スクリュー押出機を含む、凍結製品の押出法に関する。スクリューの特性は、押出機の長さとスクリューの直径の比しか記述されていない。
【0018】
EP0808577は、EP713650に示されているものと同様のスクリューの構造原理を有する一軸押出機を使用した類似の方法を記述している。
【0019】
WO97/26800は、やはり一軸押出機を使用した、アイス・クリームのような食用凍結発泡体の製造方法及び装置の権利を主張している。この押出機スクリューの幾何形状の特性は、スクリューの長さと押出機ハウジングの内径の比が5から10、スクリューの上昇高さ(ascending height)とスクリュー外径の比が1から2、スクリューの外径とスクリューの内径の比が1.1から1.4である。この押出しスクリューはスクリュー・フライトを1枚だけ有する。
【0020】
さらに、2〜6枚、好ましくは2〜5枚のスクリュー・フライト、及び28から45°、好ましくは32から45°のスクリュー角度を有するアイス・クリーム処理用の低温押出機(一軸及び二軸スクリュー押出機)が知られている。全高と全幅の比が0.2未満、0.1超であることが好ましい。スクリュー・チャネル長とスクリュー内径の好ましい比は2から10、好ましくは2〜4に固定される。これはかなり短い押出機を与える。
【0021】
低温押出しシステム内でのアイス・クリームの連続凍結構造化の基本的な難点は、機械処理と進行中の凍結による同時凝固との組合せに関する。後者は、粘度に比例した粘性摩擦に基づくエネルギー放散の増大につながり、したがって、この凍結法によって解放される結晶化エンタルピーに加えてこの放散エネルギーを伝達する必要性につながる。この結合された熱伝達は、気泡を含むアイス・クリーム塊のかなり低い熱伝導率、及びアイス・クリームの低温押出し層流内の関連する達成可能な熱伝達率kによって制限される。この熱は、流動中のアイス・クリーム塊から、バレルの内壁に付着した混合されないアイス・クリーム層及びバレル壁を通して、バレル外壁に接触した冷媒へと伝達されなければならない。最大限に改善された製品特性に関する押出機内の流動条件の最適化は、押出機出口の最低温度で最も細かく分散された微細構造を達成する最大剪断処理を目標とする。
【0022】
従来から記述されている低温押出し加工用の押出機スクリュー幾何形状では、微細構造化のための高い機械処理効率が、押出機出口に近い低温押出機の終端ゾーンでしか達成されない。構造化効率の高いこの終端ゾーンの長さは一般に押出機全長の50%未満である。
【0023】
従来のアイス・クリーム冷凍器内で前凍結されたアイス・クリームは一般に、−5℃、凍結可能水分の凍結割合約35から45%の入口条件で低温押出機に移されるので、押出機長さの約50%までの押出機入口ゾーンではこの塊が、低い剪断応力しか経験しない。押出機のこの領域内での処理は、微細構造成分(氷晶、気泡/気室、脂肪球集塊)のより微細な分散に貢献しない。
【0024】
最近の研究論文に示されているように、押出機長さの最初の30から50%での気泡/気室サイズの増大も検出されている。その理由は、従来の冷凍器内のアイス・クリームの前処理に比べてより低い機械応力が作用することによって、気泡の分散と気泡の合体の間の動的平衡が、合体の寄与の増大のほうへ移動するためである。
【0025】
図1に、押出機スクリュー案内溝の最初の150mm(押出機長さの15%)における、押出機長さに沿った気泡サイズの発達のこのような効果を例示的に示す。この領域では平均気泡径が約25%増大している(図2も参照されたい)。400から450mm(≒全長1000mmの40〜45%、押出しスクリュー外径65mm、スクリュー溝高7mm)を過ぎてからでないと効率的な微細分散は始まらない。
【0026】
さまざまなスクリュー幾何形状を用いた実験から、押出機チャネル長の最初の25から70%の剪断処理の粘度が適合された増大によって、この状況を、入口ゾーンにおける構造の粗大化が無視できる程度まで著しく改善することができること、したがって押出機容積をはるかに良好に使用することができることが確認された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の課題は、約10ミクロン未満の特性平均径及び狭い径分布(x90,3/x10,3≦10)を与える氷晶、気泡/気室及び脂肪球/脂肪球凝集体のような分散成分の機械的に誘導された同時微細構造化の下で、食品塊を、凍結可能水分の60%超から65%超である可能な最も高い凍結水割合まで連続的に凍結させることにある。
【0028】
他の課題は、このような方法を実施するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
これらの課題は、特許請求項1及び14に与えられた特徴によって解決される。
【0030】
本発明の追加の変更は特許請求項2〜13及び15〜29に記載されている。
【発明の効果】
【0031】
本発明の方法を用いると、以前には不可能であった最小化されたエネルギー/動力投入で、アイス・クリーム塊を連続的に深冷凍結させ、同様に最適に微細構造化することができる。これは、凍結可能水分の80〜90%の高い凍結塊割合、及び本発明の低温押出法の出口での−12から−18℃の非常に低い関連温度を与えるアイス・クリーム塊から気化冷媒への最適化された熱伝達条件によって可能になる。
【0032】
このように処理された凍結塊の微細構造は、以前に知られているよりもはるかに低い温度で非常に良好なフォーミング(forming)、シェーピング(shaping)、ポーショニング(portioning)及びスクーピング(scooping)特性を与える有利なレオロジーをもたらす。
【0033】
さらに、低温押出しされたアイス・クリーム塊は全て、強い追加の硬化(深冷冷却)なしで包装し貯蔵することができ、従来の高エネルギー消費型の硬化トンネルはもはや必要なくなる。
【0034】
他の利点は、従来通りに加工されたアイス・クリームで必要なクリーム感などの消費者に関連した特性を最適化するために従来から使用されている高価な原料成分(例えば乳脂肪、乳化剤)の割合の可能な低減に関する。
【0035】
この特許出願に従って最適化されたアイス・クリームは、乳化剤を必要とせずに、はるかに低い乳脂肪含量(3〜6%の低減)で、改善されたクリーム感を示す。脂肪の低減は栄養上特に関心が高い。
【0036】
追加の特性及び利点は、本発明の一部が例として示された添付図面から得ることができる。
【実施例】
【0037】
本発明によれば、機械動力又は機械エネルギーの局所投入が局所的な熱伝達(アイス・クリームから冷媒への熱流量)に対して適合され、この適合が、押出機の長さに沿ったアイス・クリームの温度の連続低下が図3に示すようになり、押出機の長さの1/2から2/3を過ぎたときに、−11°未満のアイス・クリームの温度(乳脂肪10%、総乾燥分36〜38%、オーバラン100%、及び−11℃で凍結水割合が約55〜65%になる糖組成を有する標準バニラ・アイス・クリーム)、又は凍結可能水に対する凍結水割合が>55〜60%である凍結度に到達するような方法で達成される。
【0038】
押出機の長さの後半ないし最後の1/3において、アイス・クリーム温度≦11℃未満又は正しく(凍結可能水分に関する)凍結水割合≧60%で、流れの中に生じる剪断応力によって、気泡/気室の微細分散(メジャー・ナンバー・フラクション(major number fraction)10μm未満、最大気泡サイズ20μ未満)、脂肪球/脂肪球凝集体(メジャー・ナンバー・フラクション2μm未満、最大脂肪凝集体サイズ10μm未満)、及び、特に氷晶接続性の低減(メジャー・ナンバー・フラクション25μm未満、最大氷晶径50μ未満)が生み出される。
【0039】
押出機内での細かく分散されたこのような最終微細構造化状態に到達するためには、押出機の長さの最初の2/3までの入口ゾーンの分散履歴が特に重要である。押出機のこの部分での効率的な最大前分散が、特に気泡/気室に関して要求される。
同様に氷晶凝集体の形成が低減又は回避されなければならない。この目的のためには、十分に高い機械エネルギー/動力投入及び関連分散応力が必要である。
【0040】
冷却/凍結の増強及び関連したアイス・クリーム粘度の増大に関して、本発明によれば、熱伝達が局所的に最適化されるように変量が調整されたスクリュー幾何形状によって、エネルギー/動力投入が適合される。影響する変量は、(1)スクリュー回転速度、(2)アイス・クリーム層厚、(3)アイス・クリーム密度及び(4)アイス・クリーム粘度である。最適化された熱伝達のためには、1及び3をできる限り増大させ、2及び4をできる限り低下させることが必要である。3は主に、押出機スクリュー・チャネル内の局所的に作用する圧力の影響を受ける。4は、凍結水割合の増大の結果として押出機チャネルに沿って増大する。さらに1及び2も、本発明のコンセプトであるエネルギーが最適化された粘度適合微細構造化(Viscosity Adapted Micro−Structuring)(VAM−コンセプト)に基づく所与の回転速度条件下でスクリュー幾何形状を適合させることによって、本発明に従って局所的に最適化される。
【0041】
このコンセプトは、押出機内の局所的な流れの場を最適化することを意図し、動力投入を最小化し、同時にアイス・クリームの分散構造成分の分散効率を最大化し、さらに、対流に支持された熱伝達を最適化するために混合効率を最大化することを目指す。
【0042】
低温押出機でのこのコンセプトの建設的実現は、実験によって示されるように、(1)スクリュー・フライトの外縁とバレル・ハウジングの間のリーケージ・ギャップの最小化、(2)スクリュー・フライト前縁の最適化された輪郭/断面形状、(3)局所的に適合されたスクリュー溝高さH、(4)スクリュー・フライトの局所的に適合された数及び/又は(5)局所的に適合されたスクリュー角度及び/又は(6)スクリュー・フライトの局所的に適合されたカット(cut)、或いは(7)バレル・ハウジングの内側に固定され、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュする局所的に適合されたピンによって支持されることによって意外に単純に適合させることができる。
【0043】
低温押出機のそれぞれの長さ区間の局所温度及びアイス・クリームの微細構造を測定することができる特別な測定/サンプリング技法を使用した実験研究に基づいて(参考文献17〜20参照)、本発明の押出機スクリューの以下の幾何学的構造が得られた。これらの構造は、低温押出しのための既存の構造に比べてはるかに有利である。
【0044】
(1)スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間の最小リーケージ・ギャップ
スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間の本発明に基づくリーケージ・ギャップは、<0.1mm、好ましくは<0.05mmに固定される。
【0045】
(2)スクリュー・フライト前縁の最適化された輪郭/断面形状
スクリュー・フライトの前縁でのアイス・クリーム塊の流れは、この縁の輪郭/断面形状の影響を強く受ける。
【0046】
図4に本発明の例示的な構造を示す。平らな傾斜面又はアール(radius)の適用は、フライトの縁の前に圧縮流を生み出し、それによってバレル内壁に残る凍結したアイス・クリーム層の厚さをスクリュー・フライト前縁が鋭い場合に比べて低減させることを可能にする。バレル壁に付着したアイス・クリームの低減はΔsとして図4に示されている。
【0047】
この壁に付着する層の厚さの低減はたとえ小さくても、アイス・クリーム塊からバレル内壁への熱伝達に対して意外に強い肯定的な影響を有することが示されている。本発明によれば、厚さ5mm超のスクリュー・フライトに関して、リーケージ・ギャップの幅が0.1mm未満(好ましくは0.05mm未満)、フライトの縁の傾きが、スクリュー・フライトの厚さ≧2mmにわたって30〜45°でなければならない。スクリュー・フライトの前縁の輪郭がアールを持つ場合、関連するアールは≧2mmでなければならない。
【0048】
(3)局所的に適合されたスクリュー溝高さH
低減されたスクリュー溝高さH(図5参照)は、一定のスクリュー回転速度において、剪断速度を、1/Hに比例して増大させる。これは、分散剪断応力の関連した増大につながる。その結果、粘性摩擦熱として放散される機械エネルギー投入の割合も増大する。スクリュー溝高さの低減によるスクリュー溝の中のアイス・クリーム塊の層厚の低減は熱伝達条件を改善する。さらに、スクリュー溝内のアイス・クリームの流動挙動に関して、増大した剪断速度下でのアイス・クリーム粘度の低減(非ニュートンずり減粘流動挙動)を考慮しなければならない。
【0049】
従来のアイス・クリーム冷凍器の中で従来通りに前凍結させたアイス・クリーム(標準バニラ・アイス・クリーム;−5℃、凍結水割合約35〜40%、剪断速度1s−1における粘度約10Pas)を、本発明に従って、(I)スクリュー溝高さとスクリュー外径の比が0.03から0.07の押出機の入口ゾーン、(II)この比が0.1から0.15の押出機長さの中間ゾーン、及び(III)この比が0.1から0.25の押出機長さの最後の1/3のゾーンに供給することが調整される。
【0050】
これによりスクリュー溝の絶対高さは、フィージビリティ・スタディで使用されたスクリュー外径65mmの二軸スクリュー押出機に関して、(I)入口ゾーンで2〜5mm、(II)中間ゾーンで6.5から9mm、(III)出口ゾーンで最高6.5〜16.25mmになる。
【0051】
1つのゾーンから次のゾーンへスクリュー溝高さを段階的に変化させることもできるが、連続変化のほうが好ましい。後者の場合、図6に示されたバレル内壁とスクリューの付け根の輪郭との間の角度(α)の好ましい範囲が0.4°≦α<0.7°である(図5)。
【0052】
(4)スクリュー・フライトの局所的に適合された数
スクリュー・フライトの数の増大は、それに反比例してスクリュー溝の幅を低減させ、その結果、スクリュー溝の数を増大させる(図6及び7参照)。バレル壁の「ワイピング頻度(wiping frequency)」はスクリュー・フライトの数に比例して増大する。これは、(i)熱伝達を改善するが、同様に(ii)機械動力/エネルギー投入を増大させ、したがって放散熱を増大させる。後者は、低温及び高粘度においてスクリュー・フライトの数を制限する。本発明によれば、押出機は、その長さに沿って最低3つの区間に分割される。押出機長さの最初の1/3では3〜6枚、次の1/3では2〜3枚、最後の1/3では1〜3枚のスクリュー・フライトが取り付けられることが好ましい。
【0053】
(5)局所的に適合されたスクリュー角度
45°までのスクリュー角度θの増大は、押出機スクリューの軸方向の自己運搬(self−conveying)質量流量特性を増大させ、さらに混合を促進する。混合はさらに、対流性熱伝達に対して肯定的な影響を有するより大きなスクリュー角度に関して増大させることができる。しかしこれはさらに、機械的に誘導された粘性摩擦による放散熱に対して強い影響を有する。そのため、凍結水割合の増大による塊の粘度の増大が結果的に、スクリュー角度の増大も制限している。
【0054】
本発明によれば、押出機の入口ゾーンでは、45から90°(好ましくは45から60°)のスクリュー角度が考慮される。90°の極端なケースは、もはやスクリューを形成しない軸方向を向いた「ステアリング(steering)」ブレード(blade)を意味する(図8参照)。押出機長さの中間ゾーンでは30から35°、押出機長さの最後の1/3では25から30°のスクリュー角度を考慮することが好ましい。
【0055】
(6)スクリュー・フライトの局所的に適合されたカット
図9に基づくスクリュー・フライトの局所的なカット(cut)は、混合及び分散並びに対流熱伝達を向上させ、これらのカットを通したアイス・クリーム塊の移送を可能にする。同時に、粘性摩擦及び関連した放散熱が増大する。したがってこのような処理は、アイス・クリーム塊の粘度があまり高くない場合にのみ意味をなす。本発明によれば、スクリュー・フライトのカットは押出機の入口ゾーン(押出機長さの最初の約20〜30%)に適用される。カットの幅はスクリュー溝高さに近く、又はこれと同様でなければならない。これと同じ規則が、スクリュー・フライトの非カット部分に対しても有効でなければならない。
【0056】
(7)スクリュー・フライトのカットに対して局所的に適合された、バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピン
バレル内壁に取り付けられ、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするピンの適合は、スクリュー・フライトとピンの間のすき間でのより強い分散流れにつながる(図10及び11参照)。これは、低粘度条件下の押出機の入口ゾーンの気泡/気室の再合体を回避する場合に特に有利である。高粘度範囲では、このようなすき間での高エネルギー放散は不利である。
【0057】
本発明によれば、押出機スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするピンは、押出機長さの最初の10〜20%に取り付けられることが好ましい。
【0058】
図12に、押出機長さにわたるアイス・クリームの平均気泡サイズの推移に対する、部分的に最適化されたスクリュー溝高さの例示的な効果を示す。最終製品における約20〜30%の平均気泡サイズの低減は、クリーム感及び融解挙動並びにアイス・クリームの熱ショック安定性のかなりの改善を有する。
【0059】
特許請求項の概要並びに本明細書の説明及び関連図面に記載された特性は、本発明の実現の中で別々に、又は任意の組合せで出現することができる。
【0060】
図1〜12の略記号リスト:
図1:
図2:
図3:
図4:
S1、S2=バレル内壁に付着したアイス・クリームの層厚(S1は本発明、S2は従来技術)
ΔS=付着層の低減(=S2−S1)
vax=スクリュー・フライトの軸方向の速度成分
n=r.p.m.
Sp=スクリュー溝の幅
x、y、z=座標
図5:
H(z)=スクリュー溝の高さ(ここでは長さ座標zの関数)
De(z)=スクリュー内径(ここでは長さ座標zの関数)
α=スクリュー内側輪郭線とバレル内壁の間の角度
θ=スクリュー角度(スクリュー軸に垂直な線と図の平面内のスクリュー・フライトの投影像との間の角度)
δ=リーケージ・ギャップ高さ(バレルの内半径とスクリュー・フライトの外半径の半径差)
図6:
A=スクリュー軸の距離
図7:上記参照
図8:
θa=ある長さ座標位置のスクリュー角度
θb=入口ゾーンのスクリュー端のスクリュー角度
図9:
b1=スクリュー軸に垂直なスクリュー・フライト断面の投影像の長さ
Da=スクリュー外径
D=バレル内径
図10:
c=バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピンの半径方向の長さ
d=バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピンの軸方向の長さ
a=スクリュー軸に平行な平面へのスクリュー・フライト断面の投影像の長さ
図11:
f=バレル内壁のインターメッシュ・ピンの円周方向の長さ
図12:
構成1=従来の押出機スクリュー構成
構成2=本発明に基づく押出機スクリュー構成
【0061】
(参考文献)
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】押出機の長さに沿って測定された気泡径分布を示す図である。
【図2】押出機の長さに沿った最大気泡径を温度の関数として示す図である。
【図3】アイス・クリーム塊の中で測定された押出機の長さに沿った一般的な温度プロファイルを示す図である。
【図4】スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間のリーケージ・ギャップの幾何学的構造を示す図である。
【図5】押出機の長さに沿って増大するスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(2枚のスクリュー・フライトを有するスクリューの例)。
【図6】一定のスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(1枚のスクリュー・フライトを有するスクリューの例)。
【図7】一定のスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図8】押出機の長さに沿って増大するスクリュー溝高さ及び押出機の長さに沿って同様に低下するスクリュー角度を有する2つのスクリューの配置を示す図である(2枚のフライトを有する押出しスクリューの例)。
【図9】スクリュー・フライトにカットを有するスクリューの例示的な構造を示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図10】スクリュー・フライトのカット及びバレル内壁に固定されたインターメッシュ・ピンを有するスクリューの配置示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図11】スクリュー・フライトのカット及びバレル内壁に固定されたインターメッシュ・ピンを有する2つのスクリューの配置の断面図である。
【図12】2つの異なるスクリュー構成の押出し長さに沿った最大気泡径の推移の比較を示す図である(構成1:従来技術;構成2:本発明、適合されたスクリュー溝高さを有する)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、細かく分散した均一な微細構造を生み出すための機械エネルギーの投入に関する最適化された条件、同時に、関連する低温で高い凍結水割合を達成するための放散熱及び相転移(凍結)熱の伝達に関する最適化された条件で、深冷凍結デザート、具体的にはアイス・クリームを製造する方法、並びにこの方法を実行するための装置を含む。
【背景技術】
【0002】
一軸及び二軸スクリュー押出機はよく知られている連続加工装置であり、主にポリマー及びセラミックスで使用されるが、例えばパスタやスナック製品を生産する食品産業でも使用される。1992年(DE4202231C1)以来、アイス・クリームのような凍結デザートの連続凍結に押出機を使用することも提案されている。
【0003】
加工面
いくつかの文献に記載されているとおり(参考文献2〜19参照)、低温押出機は、アイス・クリーム及び他の食品塊(food mass)、例えばヨーグルトや果肉を、剪断流れによる同時に作用する機械的応力の下で、高い凍結水割合(凍結可能水分の80〜90%)まで急速冷凍(deep−freezing)することができる。
【0004】
結晶化(凍結)熱に加えて、部分的に凍結した高粘性系(最高104Pasの動的粘度)内の粘性摩擦によって生じる放散熱も効率的に伝達されなければならず、発熱と伝熱の間の平衡は、(押出機のハウジングの内壁に付着した製品の層からこのハウジングの鋼壁、この鋼壁から押出機のバレル(barrel)の外壁に接触した気化冷媒への熱伝達を記述する)熱伝達率kに依存して調整されている。
【0005】
これまでのところ、最大の熱伝達率は、押出機のバレルの壁に隣接する凍結材料層を効率的に置き換えるために押出機バレルのフライト(flight)の先端と押出機バレルの内壁との間に狭いリーケージ・ギャップ(leakage gap)を有する押出しスクリュー幾何形状の適切な選択、及び押出機のハウジングを冷却するための気化冷媒(例えばアンモニア)の使用によって達成される。一定の低いスクリュー溝高さを有するスクリュー幾何形状の使用及び二軸式押出機システム内のスクリュー配置の軸方向へのわずかなシフトのため、スクリューの溝(channel)の中に生成される剪断速度の分布は狭い(EP0561118B1)。このことは、非常に高い剪断速度又は非常に低い剪断速度を有する拡張ゾーンがないことを意味する。一般的なアイス・クリーム塊に関する最大剪断速度約20〜30s−1では、押出機の出口で−12から−18℃の出口温度が達成される。
【0006】
押出機出口のアイス・クリーム塊の最低ドロー(draw)温度は、塊の凍結温度降下特性及びそれぞれの温度での塊の関連粘度、並びに粘性摩擦によって引き起こされる機械エネルギーの放散に左右される。
【0007】
(例えばEP0561118、US5,345,781特許に基づく)アイス・クリーム塊の押出しでは、押出機の長さにわたって小さな圧力勾配しか生成されない。押出機の入口と出口の間の総圧力差は一般に≦1−5バールである。このことは、粘度がかなり低い押出機入口の気体−液体(泡)混合物の脱混合(de−mixing)の回避を相当程度に保証する。それぞれEP0561118又はUS5,345,781及びDE4202231C1に基づく、この特定の押出機スクリュー構成、及び低温押出機内のスクリュー配置(二軸スクリュー)はさらに、塊の穏やかで効率的な混合を適用する。これは特に、二軸スクリュー配置のスクリュー間のスクリュー・フライトのオーバーラップ/インターメッシュ(intermeshing)ゾーン内の適当なフロー・ストリーム分布によって達成される。
【0008】
製品面
装置及び方法に関連した上述の側面の他に、低温押出しによって処理されたアイス・クリームで達成することができる製品固有の有利な特性にも関心が集まっている。一般に、低温押出しによって生み出されるこのような有利な特性は、アイス・クリームの微細構造成分、すなわち氷晶(ice crystal)、気泡(air bubble)/気室(air cell)及び脂肪球集塊(fat globule agglomerate)のより細かい分散に関係すると言うことができる。このような分散効果の程度はアイス・クリームのレシピに左右される。以下の説明は、バニラ・アイス・クリームの一般的な標準レシピに関するものだが、脂肪/乳脂肪の含有量(0〜16%)及び乾燥分(35〜43%)に変動が見られる。低温押出しされたアイス・クリームに関して達成される有利な特性は、(1)氷晶、(2)気泡/気室及び(3)脂肪球集塊であるアイス・クリームの中の主な構造化分散要素に関係し、これらは全て、低温条件下の押出機流れの中の層流剪断流れ及び伸長流れ(elongation flow)の場に作用する高い機械応力下でずっと細かく分散される。
【0009】
氷晶に関しては、内側バレル壁の1次氷晶核形成に加えて、結晶の摩滅及び破壊による2次核形成効果によって、冷凍器(freezer)及びそれに続く硬化トンネル内での従来のアイス・クリーム加工に比べ1/2〜1/3のサイズ低減が得られる。気泡/気室の分割につながる増大された作用剪断応力によって、平均気泡/気室サイズは従来の方法に比べて1/3〜1/5に低減される。
【0010】
押出機流れ内の機械処理の強度は塊の粘度に強く依存し、塊の粘度は特定の温度での凍結水割合に関係する。幅の狭い環状ギャップを形成する押出機スクリュー溝の断面にわたって、剪断応力はかなり均一に、且つ狭い範囲に分布する(応力ピークを有する流れゾーン)。押出機の長さにわたって、機械エネルギーの投入は、押出機チャネル内のアイス・クリームの滞留時間の増大、及び凍結水割合の増大の結果としての塊の粘度の増大とともに増大する。
【0011】
大き過ぎるエネルギー放散及び関連する摩擦熱発生によるアイス・クリーム構造の局所的な破壊は、一般に適用される方法/装置剪断速度で回避される(EP056118)。
【0012】
脂肪を含むアイス・クリームには、高圧ホモジナイザ内での液体状態での氷混合処理の結果として、約1ミクロン以下の一般的な主球径を有する脂肪球が存在する。このような脂肪球はさらに、低温押出法の増強された機械処理を経験する。脂肪球に関して、この処理は、タンパク質/乳化剤膜からの脂肪球表面の除去(de−hulling)につながり、部分的にさらに、押出機内で作用する強い剪断による脂肪球の強い変形につながる。その結果、このように処理された脂肪球は、より強い疎水性相互作用を有することが予想される。その結果、さらに、ガス/空気泡界面に対する親和性が増大する。処理された脂肪球間のこの増大した相互作用は脂肪球凝集体の形成につながる。しかし、低温でロードされた高粘性アイス・クリームの中のこのような脂肪球の移動性は低く、その結果として、感覚(口)によって検出可能なサイズに達する大規模に膨張した脂肪球凝集体が形成される可能性はない。このことは、口の中でバターのような感触を引き起こす構造の生成を回避する。
【0013】
感覚の観点から、より小さな氷晶及び気体/気泡、並びに機械処理されたあまり大規模に集塊していない脂肪球は、大幅に増大した知覚可能なクリーム感(creaminess)を製品に与える。同時に、アイス・クリームの低温押出しによって、融解挙動、口中の冷感覚、すくい出し能力などの他の感覚属性も、肯定的な影響をかなり受ける。
【0014】
上述のクリーム感の増大を引き起こすアイス・クリーム分散成分の高い微細分散性によって、低温押出しは、従来のアイス・クリーム加工に匹敵するクリーム感を、はるかに低い脂肪含量で生み出すことができる。
【0015】
構造面(押出機スクリュー)
(1)アイス・クリームの均一な微細構造を生成し、同時に、(2)押出機出口での約−12℃未満の非常に低い塊温度(標準バニラ・アイス・クリーム)を達成するため、適合された回転速度での関連流動条件に関する押出機スクリューの構造は決定的に重要である。
【0016】
EP561118は、特に扁平なスクリュー溝(溝高Hと溝幅Wの比が約0.1、溝高とスクリュー外径の比が約0.1)及び約22から30°のスクリュー角度を有するスクリュー幾何形状を使用した、アイス・クリームの連続凍結−構造化のための二軸スクリュー押出機を記述している。
【0017】
EP713650は、やはり二軸スクリュー押出機を含む、凍結製品の押出法に関する。スクリューの特性は、押出機の長さとスクリューの直径の比しか記述されていない。
【0018】
EP0808577は、EP713650に示されているものと同様のスクリューの構造原理を有する一軸押出機を使用した類似の方法を記述している。
【0019】
WO97/26800は、やはり一軸押出機を使用した、アイス・クリームのような食用凍結発泡体の製造方法及び装置の権利を主張している。この押出機スクリューの幾何形状の特性は、スクリューの長さと押出機ハウジングの内径の比が5から10、スクリューの上昇高さ(ascending height)とスクリュー外径の比が1から2、スクリューの外径とスクリューの内径の比が1.1から1.4である。この押出しスクリューはスクリュー・フライトを1枚だけ有する。
【0020】
さらに、2〜6枚、好ましくは2〜5枚のスクリュー・フライト、及び28から45°、好ましくは32から45°のスクリュー角度を有するアイス・クリーム処理用の低温押出機(一軸及び二軸スクリュー押出機)が知られている。全高と全幅の比が0.2未満、0.1超であることが好ましい。スクリュー・チャネル長とスクリュー内径の好ましい比は2から10、好ましくは2〜4に固定される。これはかなり短い押出機を与える。
【0021】
低温押出しシステム内でのアイス・クリームの連続凍結構造化の基本的な難点は、機械処理と進行中の凍結による同時凝固との組合せに関する。後者は、粘度に比例した粘性摩擦に基づくエネルギー放散の増大につながり、したがって、この凍結法によって解放される結晶化エンタルピーに加えてこの放散エネルギーを伝達する必要性につながる。この結合された熱伝達は、気泡を含むアイス・クリーム塊のかなり低い熱伝導率、及びアイス・クリームの低温押出し層流内の関連する達成可能な熱伝達率kによって制限される。この熱は、流動中のアイス・クリーム塊から、バレルの内壁に付着した混合されないアイス・クリーム層及びバレル壁を通して、バレル外壁に接触した冷媒へと伝達されなければならない。最大限に改善された製品特性に関する押出機内の流動条件の最適化は、押出機出口の最低温度で最も細かく分散された微細構造を達成する最大剪断処理を目標とする。
【0022】
従来から記述されている低温押出し加工用の押出機スクリュー幾何形状では、微細構造化のための高い機械処理効率が、押出機出口に近い低温押出機の終端ゾーンでしか達成されない。構造化効率の高いこの終端ゾーンの長さは一般に押出機全長の50%未満である。
【0023】
従来のアイス・クリーム冷凍器内で前凍結されたアイス・クリームは一般に、−5℃、凍結可能水分の凍結割合約35から45%の入口条件で低温押出機に移されるので、押出機長さの約50%までの押出機入口ゾーンではこの塊が、低い剪断応力しか経験しない。押出機のこの領域内での処理は、微細構造成分(氷晶、気泡/気室、脂肪球集塊)のより微細な分散に貢献しない。
【0024】
最近の研究論文に示されているように、押出機長さの最初の30から50%での気泡/気室サイズの増大も検出されている。その理由は、従来の冷凍器内のアイス・クリームの前処理に比べてより低い機械応力が作用することによって、気泡の分散と気泡の合体の間の動的平衡が、合体の寄与の増大のほうへ移動するためである。
【0025】
図1に、押出機スクリュー案内溝の最初の150mm(押出機長さの15%)における、押出機長さに沿った気泡サイズの発達のこのような効果を例示的に示す。この領域では平均気泡径が約25%増大している(図2も参照されたい)。400から450mm(≒全長1000mmの40〜45%、押出しスクリュー外径65mm、スクリュー溝高7mm)を過ぎてからでないと効率的な微細分散は始まらない。
【0026】
さまざまなスクリュー幾何形状を用いた実験から、押出機チャネル長の最初の25から70%の剪断処理の粘度が適合された増大によって、この状況を、入口ゾーンにおける構造の粗大化が無視できる程度まで著しく改善することができること、したがって押出機容積をはるかに良好に使用することができることが確認された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の課題は、約10ミクロン未満の特性平均径及び狭い径分布(x90,3/x10,3≦10)を与える氷晶、気泡/気室及び脂肪球/脂肪球凝集体のような分散成分の機械的に誘導された同時微細構造化の下で、食品塊を、凍結可能水分の60%超から65%超である可能な最も高い凍結水割合まで連続的に凍結させることにある。
【0028】
他の課題は、このような方法を実施するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
これらの課題は、特許請求項1及び14に与えられた特徴によって解決される。
【0030】
本発明の追加の変更は特許請求項2〜13及び15〜29に記載されている。
【発明の効果】
【0031】
本発明の方法を用いると、以前には不可能であった最小化されたエネルギー/動力投入で、アイス・クリーム塊を連続的に深冷凍結させ、同様に最適に微細構造化することができる。これは、凍結可能水分の80〜90%の高い凍結塊割合、及び本発明の低温押出法の出口での−12から−18℃の非常に低い関連温度を与えるアイス・クリーム塊から気化冷媒への最適化された熱伝達条件によって可能になる。
【0032】
このように処理された凍結塊の微細構造は、以前に知られているよりもはるかに低い温度で非常に良好なフォーミング(forming)、シェーピング(shaping)、ポーショニング(portioning)及びスクーピング(scooping)特性を与える有利なレオロジーをもたらす。
【0033】
さらに、低温押出しされたアイス・クリーム塊は全て、強い追加の硬化(深冷冷却)なしで包装し貯蔵することができ、従来の高エネルギー消費型の硬化トンネルはもはや必要なくなる。
【0034】
他の利点は、従来通りに加工されたアイス・クリームで必要なクリーム感などの消費者に関連した特性を最適化するために従来から使用されている高価な原料成分(例えば乳脂肪、乳化剤)の割合の可能な低減に関する。
【0035】
この特許出願に従って最適化されたアイス・クリームは、乳化剤を必要とせずに、はるかに低い乳脂肪含量(3〜6%の低減)で、改善されたクリーム感を示す。脂肪の低減は栄養上特に関心が高い。
【0036】
追加の特性及び利点は、本発明の一部が例として示された添付図面から得ることができる。
【実施例】
【0037】
本発明によれば、機械動力又は機械エネルギーの局所投入が局所的な熱伝達(アイス・クリームから冷媒への熱流量)に対して適合され、この適合が、押出機の長さに沿ったアイス・クリームの温度の連続低下が図3に示すようになり、押出機の長さの1/2から2/3を過ぎたときに、−11°未満のアイス・クリームの温度(乳脂肪10%、総乾燥分36〜38%、オーバラン100%、及び−11℃で凍結水割合が約55〜65%になる糖組成を有する標準バニラ・アイス・クリーム)、又は凍結可能水に対する凍結水割合が>55〜60%である凍結度に到達するような方法で達成される。
【0038】
押出機の長さの後半ないし最後の1/3において、アイス・クリーム温度≦11℃未満又は正しく(凍結可能水分に関する)凍結水割合≧60%で、流れの中に生じる剪断応力によって、気泡/気室の微細分散(メジャー・ナンバー・フラクション(major number fraction)10μm未満、最大気泡サイズ20μ未満)、脂肪球/脂肪球凝集体(メジャー・ナンバー・フラクション2μm未満、最大脂肪凝集体サイズ10μm未満)、及び、特に氷晶接続性の低減(メジャー・ナンバー・フラクション25μm未満、最大氷晶径50μ未満)が生み出される。
【0039】
押出機内での細かく分散されたこのような最終微細構造化状態に到達するためには、押出機の長さの最初の2/3までの入口ゾーンの分散履歴が特に重要である。押出機のこの部分での効率的な最大前分散が、特に気泡/気室に関して要求される。
同様に氷晶凝集体の形成が低減又は回避されなければならない。この目的のためには、十分に高い機械エネルギー/動力投入及び関連分散応力が必要である。
【0040】
冷却/凍結の増強及び関連したアイス・クリーム粘度の増大に関して、本発明によれば、熱伝達が局所的に最適化されるように変量が調整されたスクリュー幾何形状によって、エネルギー/動力投入が適合される。影響する変量は、(1)スクリュー回転速度、(2)アイス・クリーム層厚、(3)アイス・クリーム密度及び(4)アイス・クリーム粘度である。最適化された熱伝達のためには、1及び3をできる限り増大させ、2及び4をできる限り低下させることが必要である。3は主に、押出機スクリュー・チャネル内の局所的に作用する圧力の影響を受ける。4は、凍結水割合の増大の結果として押出機チャネルに沿って増大する。さらに1及び2も、本発明のコンセプトであるエネルギーが最適化された粘度適合微細構造化(Viscosity Adapted Micro−Structuring)(VAM−コンセプト)に基づく所与の回転速度条件下でスクリュー幾何形状を適合させることによって、本発明に従って局所的に最適化される。
【0041】
このコンセプトは、押出機内の局所的な流れの場を最適化することを意図し、動力投入を最小化し、同時にアイス・クリームの分散構造成分の分散効率を最大化し、さらに、対流に支持された熱伝達を最適化するために混合効率を最大化することを目指す。
【0042】
低温押出機でのこのコンセプトの建設的実現は、実験によって示されるように、(1)スクリュー・フライトの外縁とバレル・ハウジングの間のリーケージ・ギャップの最小化、(2)スクリュー・フライト前縁の最適化された輪郭/断面形状、(3)局所的に適合されたスクリュー溝高さH、(4)スクリュー・フライトの局所的に適合された数及び/又は(5)局所的に適合されたスクリュー角度及び/又は(6)スクリュー・フライトの局所的に適合されたカット(cut)、或いは(7)バレル・ハウジングの内側に固定され、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュする局所的に適合されたピンによって支持されることによって意外に単純に適合させることができる。
【0043】
低温押出機のそれぞれの長さ区間の局所温度及びアイス・クリームの微細構造を測定することができる特別な測定/サンプリング技法を使用した実験研究に基づいて(参考文献17〜20参照)、本発明の押出機スクリューの以下の幾何学的構造が得られた。これらの構造は、低温押出しのための既存の構造に比べてはるかに有利である。
【0044】
(1)スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間の最小リーケージ・ギャップ
スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間の本発明に基づくリーケージ・ギャップは、<0.1mm、好ましくは<0.05mmに固定される。
【0045】
(2)スクリュー・フライト前縁の最適化された輪郭/断面形状
スクリュー・フライトの前縁でのアイス・クリーム塊の流れは、この縁の輪郭/断面形状の影響を強く受ける。
【0046】
図4に本発明の例示的な構造を示す。平らな傾斜面又はアール(radius)の適用は、フライトの縁の前に圧縮流を生み出し、それによってバレル内壁に残る凍結したアイス・クリーム層の厚さをスクリュー・フライト前縁が鋭い場合に比べて低減させることを可能にする。バレル壁に付着したアイス・クリームの低減はΔsとして図4に示されている。
【0047】
この壁に付着する層の厚さの低減はたとえ小さくても、アイス・クリーム塊からバレル内壁への熱伝達に対して意外に強い肯定的な影響を有することが示されている。本発明によれば、厚さ5mm超のスクリュー・フライトに関して、リーケージ・ギャップの幅が0.1mm未満(好ましくは0.05mm未満)、フライトの縁の傾きが、スクリュー・フライトの厚さ≧2mmにわたって30〜45°でなければならない。スクリュー・フライトの前縁の輪郭がアールを持つ場合、関連するアールは≧2mmでなければならない。
【0048】
(3)局所的に適合されたスクリュー溝高さH
低減されたスクリュー溝高さH(図5参照)は、一定のスクリュー回転速度において、剪断速度を、1/Hに比例して増大させる。これは、分散剪断応力の関連した増大につながる。その結果、粘性摩擦熱として放散される機械エネルギー投入の割合も増大する。スクリュー溝高さの低減によるスクリュー溝の中のアイス・クリーム塊の層厚の低減は熱伝達条件を改善する。さらに、スクリュー溝内のアイス・クリームの流動挙動に関して、増大した剪断速度下でのアイス・クリーム粘度の低減(非ニュートンずり減粘流動挙動)を考慮しなければならない。
【0049】
従来のアイス・クリーム冷凍器の中で従来通りに前凍結させたアイス・クリーム(標準バニラ・アイス・クリーム;−5℃、凍結水割合約35〜40%、剪断速度1s−1における粘度約10Pas)を、本発明に従って、(I)スクリュー溝高さとスクリュー外径の比が0.03から0.07の押出機の入口ゾーン、(II)この比が0.1から0.15の押出機長さの中間ゾーン、及び(III)この比が0.1から0.25の押出機長さの最後の1/3のゾーンに供給することが調整される。
【0050】
これによりスクリュー溝の絶対高さは、フィージビリティ・スタディで使用されたスクリュー外径65mmの二軸スクリュー押出機に関して、(I)入口ゾーンで2〜5mm、(II)中間ゾーンで6.5から9mm、(III)出口ゾーンで最高6.5〜16.25mmになる。
【0051】
1つのゾーンから次のゾーンへスクリュー溝高さを段階的に変化させることもできるが、連続変化のほうが好ましい。後者の場合、図6に示されたバレル内壁とスクリューの付け根の輪郭との間の角度(α)の好ましい範囲が0.4°≦α<0.7°である(図5)。
【0052】
(4)スクリュー・フライトの局所的に適合された数
スクリュー・フライトの数の増大は、それに反比例してスクリュー溝の幅を低減させ、その結果、スクリュー溝の数を増大させる(図6及び7参照)。バレル壁の「ワイピング頻度(wiping frequency)」はスクリュー・フライトの数に比例して増大する。これは、(i)熱伝達を改善するが、同様に(ii)機械動力/エネルギー投入を増大させ、したがって放散熱を増大させる。後者は、低温及び高粘度においてスクリュー・フライトの数を制限する。本発明によれば、押出機は、その長さに沿って最低3つの区間に分割される。押出機長さの最初の1/3では3〜6枚、次の1/3では2〜3枚、最後の1/3では1〜3枚のスクリュー・フライトが取り付けられることが好ましい。
【0053】
(5)局所的に適合されたスクリュー角度
45°までのスクリュー角度θの増大は、押出機スクリューの軸方向の自己運搬(self−conveying)質量流量特性を増大させ、さらに混合を促進する。混合はさらに、対流性熱伝達に対して肯定的な影響を有するより大きなスクリュー角度に関して増大させることができる。しかしこれはさらに、機械的に誘導された粘性摩擦による放散熱に対して強い影響を有する。そのため、凍結水割合の増大による塊の粘度の増大が結果的に、スクリュー角度の増大も制限している。
【0054】
本発明によれば、押出機の入口ゾーンでは、45から90°(好ましくは45から60°)のスクリュー角度が考慮される。90°の極端なケースは、もはやスクリューを形成しない軸方向を向いた「ステアリング(steering)」ブレード(blade)を意味する(図8参照)。押出機長さの中間ゾーンでは30から35°、押出機長さの最後の1/3では25から30°のスクリュー角度を考慮することが好ましい。
【0055】
(6)スクリュー・フライトの局所的に適合されたカット
図9に基づくスクリュー・フライトの局所的なカット(cut)は、混合及び分散並びに対流熱伝達を向上させ、これらのカットを通したアイス・クリーム塊の移送を可能にする。同時に、粘性摩擦及び関連した放散熱が増大する。したがってこのような処理は、アイス・クリーム塊の粘度があまり高くない場合にのみ意味をなす。本発明によれば、スクリュー・フライトのカットは押出機の入口ゾーン(押出機長さの最初の約20〜30%)に適用される。カットの幅はスクリュー溝高さに近く、又はこれと同様でなければならない。これと同じ規則が、スクリュー・フライトの非カット部分に対しても有効でなければならない。
【0056】
(7)スクリュー・フライトのカットに対して局所的に適合された、バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピン
バレル内壁に取り付けられ、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするピンの適合は、スクリュー・フライトとピンの間のすき間でのより強い分散流れにつながる(図10及び11参照)。これは、低粘度条件下の押出機の入口ゾーンの気泡/気室の再合体を回避する場合に特に有利である。高粘度範囲では、このようなすき間での高エネルギー放散は不利である。
【0057】
本発明によれば、押出機スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするピンは、押出機長さの最初の10〜20%に取り付けられることが好ましい。
【0058】
図12に、押出機長さにわたるアイス・クリームの平均気泡サイズの推移に対する、部分的に最適化されたスクリュー溝高さの例示的な効果を示す。最終製品における約20〜30%の平均気泡サイズの低減は、クリーム感及び融解挙動並びにアイス・クリームの熱ショック安定性のかなりの改善を有する。
【0059】
特許請求項の概要並びに本明細書の説明及び関連図面に記載された特性は、本発明の実現の中で別々に、又は任意の組合せで出現することができる。
【0060】
図1〜12の略記号リスト:
図1:
図2:
図3:
図4:
S1、S2=バレル内壁に付着したアイス・クリームの層厚(S1は本発明、S2は従来技術)
ΔS=付着層の低減(=S2−S1)
vax=スクリュー・フライトの軸方向の速度成分
n=r.p.m.
Sp=スクリュー溝の幅
x、y、z=座標
図5:
H(z)=スクリュー溝の高さ(ここでは長さ座標zの関数)
De(z)=スクリュー内径(ここでは長さ座標zの関数)
α=スクリュー内側輪郭線とバレル内壁の間の角度
θ=スクリュー角度(スクリュー軸に垂直な線と図の平面内のスクリュー・フライトの投影像との間の角度)
δ=リーケージ・ギャップ高さ(バレルの内半径とスクリュー・フライトの外半径の半径差)
図6:
A=スクリュー軸の距離
図7:上記参照
図8:
θa=ある長さ座標位置のスクリュー角度
θb=入口ゾーンのスクリュー端のスクリュー角度
図9:
b1=スクリュー軸に垂直なスクリュー・フライト断面の投影像の長さ
Da=スクリュー外径
D=バレル内径
図10:
c=バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピンの半径方向の長さ
d=バレル内壁に接続されたインターメッシュ・ピンの軸方向の長さ
a=スクリュー軸に平行な平面へのスクリュー・フライト断面の投影像の長さ
図11:
f=バレル内壁のインターメッシュ・ピンの円周方向の長さ
図12:
構成1=従来の押出機スクリュー構成
構成2=本発明に基づく押出機スクリュー構成
【0061】
(参考文献)
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】押出機の長さに沿って測定された気泡径分布を示す図である。
【図2】押出機の長さに沿った最大気泡径を温度の関数として示す図である。
【図3】アイス・クリーム塊の中で測定された押出機の長さに沿った一般的な温度プロファイルを示す図である。
【図4】スクリュー・フライトの縁とバレル内壁との間のリーケージ・ギャップの幾何学的構造を示す図である。
【図5】押出機の長さに沿って増大するスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(2枚のスクリュー・フライトを有するスクリューの例)。
【図6】一定のスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(1枚のスクリュー・フライトを有するスクリューの例)。
【図7】一定のスクリュー溝高さを有する2つのスクリューの配置を示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図8】押出機の長さに沿って増大するスクリュー溝高さ及び押出機の長さに沿って同様に低下するスクリュー角度を有する2つのスクリューの配置を示す図である(2枚のフライトを有する押出しスクリューの例)。
【図9】スクリュー・フライトにカットを有するスクリューの例示的な構造を示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図10】スクリュー・フライトのカット及びバレル内壁に固定されたインターメッシュ・ピンを有するスクリューの配置示す図である(スクリュー・フライト2枚の例)。
【図11】スクリュー・フライトのカット及びバレル内壁に固定されたインターメッシュ・ピンを有する2つのスクリューの配置の断面図である。
【図12】2つの異なるスクリュー構成の押出し長さに沿った最大気泡径の推移の比較を示す図である(構成1:従来技術;構成2:本発明、適合されたスクリュー溝高さを有する)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイス・クリームのような凍結空気混和塊のエネルギーが最適化され粘度が適合された微細構造化のための低温押出法であって、押出機スクリュー・チャネルの長さにわたって、その局所的な粘度に関してゾーンごとに適合された、部分的に凍結された空気混和塊の機械処理が、後続のそれぞれの前記ゾーンで、気泡/気室の分散の進行が達成され、同時に、温度低下及び関連した凍結水割合の増大が達成されるように実施される方法。
【請求項2】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であり、押出機に沿ったこれらのゾーンの長さが一定であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であり、ゾーン特性長が、塊の粘度の局所的な変化に対して適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所与の押出機スクリュー幾何形状に対する加工パラメータ、(1)スクリュー回転速度、(2)押出機入口に取り付けられたポジティブ・リプレースメント・ポンプ(positive replacement pump)によって調整される質量流量、及び(3)使用される冷媒の気化圧力によって調整される押出機ハウジングの内壁の冷却温度の適合が、従来の標準バニラ・アイス・クリームに関して、塊温度≦−11℃、又はより一般的に総凍結可能水分に関する凍結水質量割合約≧60%が、押出機入口から測定された押出機の長さの最初の50〜75%、好ましくは50〜65%で達成されるように調節されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー溝高さの適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項7】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリューの数の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項8】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー角度の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項9】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー・フライトのカットの幅の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項10】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、押出機バレルの内壁に、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするように固定された調整されたピンによることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項11】
スクリュー・フライトの外径と押出機ハウジングの内径との間のリーケージ・ギャップの幅を最小化することによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った温度降下の増大及び凍結水割合の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項12】
リーケージ・ギャップの幅よりも小さい、スクリュー・フライトによって拭い取られない壁の凍結材料層の厚さの低減をもたらす流れのパターンをスクリュー・フライトの外側前端面に生み出すことによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った塊温度の低下、関連した凍結塊割合の増大及び微細構造の分散の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項13】
バレル内壁に対して傾いた、又は輪郭のはっきりしたアールによって丸められたスクリュー・フライトの前縁の断面形状を調整することにより、リーケージ・ギャップの幅よりも小さい、スクリュー・フライトによって拭い取られない壁の凍結材料層の厚さの低減をもたらす流れのパターンをスクリュー・フライトの外側前端面に生み出すことによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った塊温度の低下、関連した凍結塊割合の増大及び微細構造の分散の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項14】
請求項1又はその後続の請求項の一項に記載のアイス・クリームのような凍結空気混和系のエネルギーが最適化され粘度が適合された微細構造化条件下での低温押出しのための装置であって、押出機の長さに沿って可変のスクリュー幾何形状が、局所的な粘度に従って、効率的な分散の進行、同時の温度降下及び関連した水の凍結の進行に関して、局所的に調整される装置。
【請求項15】
スクリュー・フライトとバレルの内壁との間のリーケージ・ギャップの幅が0.1mm未満、好ましくは0.05mm未満であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
スクリュー・フライトの厚さが2から20mmであり、1.:バレル内壁に対するスクリュー・フライトの前縁の傾きが10〜45°、好ましくは30〜35°であり、前記傾きは、スクリュー・フライトの高さの外側の最初の2mmに適用されることが好ましく、又は2.:スクリュー・フライトの前縁が、好ましくは≧2mmのアールで丸められていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
押出機スクリュー溝の高さが、押出機の長さに沿って、塊の粘度に対して調製され、(I)押出機のフィード・ゾーンでは、スクリュー溝の高さHとスクリュー外径Dの比が好ましくは0.03から0.07に調整され、(II)中間(長さ)ゾーンでは0.1から0.15、押出機の長さの最後の1/3では0.1から0.25に調整されることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
塊の入口と出口の間のスクリューの付け根のスクリュー抜き輪郭線が、スクリューの中心長さ軸と、0.03から0.1°、好ましくは0.05から0.07°の角度をなすように、押出機の長さに沿って連続的に増大するスクリュー溝高さを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
押出機の長さの最初の1/3で3から7枚、好ましくは4〜5枚、押出機の長さの次の1/3で1〜4枚、好ましくは2〜3枚、押出機の出口の近くの押出機の長さの最後の1/3で、2〜3枚、好ましくは1〜2枚のスクリュー・フライトを含む、1つ又は複数のスクリューを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
2〜10区間、好ましくは3〜5区間の押出機の等長又は可変長区間にわたってスクリュー・フライトの数が次第に減り、スクリューの数が区間ごとに1〜2枚ずつ連続的に減ることを特徴とする、請求項14及び19に記載の装置。
【請求項21】
スクリュー角度が、(I)入口ゾーンで35から90°、好ましくは45から60°、押出機の中間で30から45°、好ましくは30から35°、押出機の長さの最後の1/3で20から35°、好ましくは25から30°であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
(I)押出機の入口ゾーンの45から90°、好ましくは45から60°から、(III)押出機の出口ゾーンの20から35°、好ましくは25から30°までのスクリュー角度の一定又は可変の低減を特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
押出機の長さの最初の10から30%、好ましくは15から20%にわたってスクリュー・フライトにカットがあることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
バレル内壁のそれぞれの部分で塊がスクレーピング(scraping)/「ワイピングオフ(wiping off)」流れにかけられるように軸方向にずらされた2枚以上のスクリュー・フライト及び前記それぞれのスクリュー・フライトのカットを有するスクリューを特徴とする、請求項14及び21から23までに記載の装置。
【請求項25】
長さがスクリュー溝の高さの2.5から3倍、好ましくは1から2倍であるスクリュー・フライトのカットを特徴とし、スクリュー・フライトの非カット部分に対しても同じ寸法が有効であることを特徴とする、請求項14及び23に記載の装置。
【請求項26】
バレル内壁に接続され、スクリューの回転中にスクリュー・フライトのカットとインターメッシュする組み込まれた要素、例えばピンを特徴とする、請求項14、23及び24に記載の装置。
【請求項27】
バレル内壁の周界に規則正しく又は不規則に配置された2〜10箇所、好ましくは3〜5箇所の異なる位置でバレル内壁に接続された要素、例えばピンを特徴とする、請求項14及び25に記載の装置。
【請求項28】
2枚以上のスクリュー・フライトを特徴とし、それらのスクリュー・フライトのカットが、組み込まれた要素、例えばピンとインターメッシュすることを可能にする同じ軸方向の位置を有することを特徴とする、請求項14及び25から27までに記載の装置。
【請求項29】
請求項14から28までの一項又は数項に記載の凍結空気混和塊の低温押出しのための一軸又は二軸スクリュー押出機配置及び適合された幾何形状特性を特徴とする、請求項14及び28に記載の装置。
【請求項1】
アイス・クリームのような凍結空気混和塊のエネルギーが最適化され粘度が適合された微細構造化のための低温押出法であって、押出機スクリュー・チャネルの長さにわたって、その局所的な粘度に関してゾーンごとに適合された、部分的に凍結された空気混和塊の機械処理が、後続のそれぞれの前記ゾーンで、気泡/気室の分散の進行が達成され、同時に、温度低下及び関連した凍結水割合の増大が達成されるように実施される方法。
【請求項2】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であり、押出機に沿ったこれらのゾーンの長さが一定であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
気泡/気室の分散の進行、並びに同時の温度低下又は凍結水割合の増大のための機械エネルギー投入の適合に関して押出機が分割されたゾーンの特性長が、スクリュー外径の1から10倍、好ましくはスクリュー外径の1から2倍であり、ゾーン特性長が、塊の粘度の局所的な変化に対して適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所与の押出機スクリュー幾何形状に対する加工パラメータ、(1)スクリュー回転速度、(2)押出機入口に取り付けられたポジティブ・リプレースメント・ポンプ(positive replacement pump)によって調整される質量流量、及び(3)使用される冷媒の気化圧力によって調整される押出機ハウジングの内壁の冷却温度の適合が、従来の標準バニラ・アイス・クリームに関して、塊温度≦−11℃、又はより一般的に総凍結可能水分に関する凍結水質量割合約≧60%が、押出機入口から測定された押出機の長さの最初の50〜75%、好ましくは50〜65%で達成されるように調節されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー溝高さの適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項7】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリューの数の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項8】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー角度の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項9】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、スクリュー・フライトのカットの幅の適合された変動によることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項10】
関連押出機ゾーン内の塊の粘度に関する塊の機械処理の調整が、押出機バレルの内壁に、スクリュー・フライトのカットとインターメッシュするように固定された調整されたピンによることを特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項11】
スクリュー・フライトの外径と押出機ハウジングの内径との間のリーケージ・ギャップの幅を最小化することによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った温度降下の増大及び凍結水割合の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項12】
リーケージ・ギャップの幅よりも小さい、スクリュー・フライトによって拭い取られない壁の凍結材料層の厚さの低減をもたらす流れのパターンをスクリュー・フライトの外側前端面に生み出すことによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った塊温度の低下、関連した凍結塊割合の増大及び微細構造の分散の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項13】
バレル内壁に対して傾いた、又は輪郭のはっきりしたアールによって丸められたスクリュー・フライトの前縁の断面形状を調整することにより、リーケージ・ギャップの幅よりも小さい、スクリュー・フライトによって拭い取られない壁の凍結材料層の厚さの低減をもたらす流れのパターンをスクリュー・フライトの外側前端面に生み出すことによって最適化された、押出機ハウジングの外壁と接触した気化冷媒への熱伝達に起因する、押出機の長さに沿った塊温度の低下、関連した凍結塊割合の増大及び微細構造の分散の増大を特徴とする、請求項1から5までに記載の方法。
【請求項14】
請求項1又はその後続の請求項の一項に記載のアイス・クリームのような凍結空気混和系のエネルギーが最適化され粘度が適合された微細構造化条件下での低温押出しのための装置であって、押出機の長さに沿って可変のスクリュー幾何形状が、局所的な粘度に従って、効率的な分散の進行、同時の温度降下及び関連した水の凍結の進行に関して、局所的に調整される装置。
【請求項15】
スクリュー・フライトとバレルの内壁との間のリーケージ・ギャップの幅が0.1mm未満、好ましくは0.05mm未満であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
スクリュー・フライトの厚さが2から20mmであり、1.:バレル内壁に対するスクリュー・フライトの前縁の傾きが10〜45°、好ましくは30〜35°であり、前記傾きは、スクリュー・フライトの高さの外側の最初の2mmに適用されることが好ましく、又は2.:スクリュー・フライトの前縁が、好ましくは≧2mmのアールで丸められていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
押出機スクリュー溝の高さが、押出機の長さに沿って、塊の粘度に対して調製され、(I)押出機のフィード・ゾーンでは、スクリュー溝の高さHとスクリュー外径Dの比が好ましくは0.03から0.07に調整され、(II)中間(長さ)ゾーンでは0.1から0.15、押出機の長さの最後の1/3では0.1から0.25に調整されることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
塊の入口と出口の間のスクリューの付け根のスクリュー抜き輪郭線が、スクリューの中心長さ軸と、0.03から0.1°、好ましくは0.05から0.07°の角度をなすように、押出機の長さに沿って連続的に増大するスクリュー溝高さを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
押出機の長さの最初の1/3で3から7枚、好ましくは4〜5枚、押出機の長さの次の1/3で1〜4枚、好ましくは2〜3枚、押出機の出口の近くの押出機の長さの最後の1/3で、2〜3枚、好ましくは1〜2枚のスクリュー・フライトを含む、1つ又は複数のスクリューを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
2〜10区間、好ましくは3〜5区間の押出機の等長又は可変長区間にわたってスクリュー・フライトの数が次第に減り、スクリューの数が区間ごとに1〜2枚ずつ連続的に減ることを特徴とする、請求項14及び19に記載の装置。
【請求項21】
スクリュー角度が、(I)入口ゾーンで35から90°、好ましくは45から60°、押出機の中間で30から45°、好ましくは30から35°、押出機の長さの最後の1/3で20から35°、好ましくは25から30°であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
(I)押出機の入口ゾーンの45から90°、好ましくは45から60°から、(III)押出機の出口ゾーンの20から35°、好ましくは25から30°までのスクリュー角度の一定又は可変の低減を特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
押出機の長さの最初の10から30%、好ましくは15から20%にわたってスクリュー・フライトにカットがあることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
バレル内壁のそれぞれの部分で塊がスクレーピング(scraping)/「ワイピングオフ(wiping off)」流れにかけられるように軸方向にずらされた2枚以上のスクリュー・フライト及び前記それぞれのスクリュー・フライトのカットを有するスクリューを特徴とする、請求項14及び21から23までに記載の装置。
【請求項25】
長さがスクリュー溝の高さの2.5から3倍、好ましくは1から2倍であるスクリュー・フライトのカットを特徴とし、スクリュー・フライトの非カット部分に対しても同じ寸法が有効であることを特徴とする、請求項14及び23に記載の装置。
【請求項26】
バレル内壁に接続され、スクリューの回転中にスクリュー・フライトのカットとインターメッシュする組み込まれた要素、例えばピンを特徴とする、請求項14、23及び24に記載の装置。
【請求項27】
バレル内壁の周界に規則正しく又は不規則に配置された2〜10箇所、好ましくは3〜5箇所の異なる位置でバレル内壁に接続された要素、例えばピンを特徴とする、請求項14及び25に記載の装置。
【請求項28】
2枚以上のスクリュー・フライトを特徴とし、それらのスクリュー・フライトのカットが、組み込まれた要素、例えばピンとインターメッシュすることを可能にする同じ軸方向の位置を有することを特徴とする、請求項14及び25から27までに記載の装置。
【請求項29】
請求項14から28までの一項又は数項に記載の凍結空気混和塊の低温押出しのための一軸又は二軸スクリュー押出機配置及び適合された幾何形状特性を特徴とする、請求項14及び28に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−537720(P2007−537720A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550035(P2006−550035)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000526
【国際公開番号】WO2005/070225
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000526
【国際公開番号】WO2005/070225
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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