説明

エネルギー貯蔵用のメソポーラスカーボン材料

エネルギー貯蔵デバイス内の電極表面上に形成したメソポーラスカーボン材料、およびメソポーラスカーボン材料を形成する方法を開示する。メソポーラスカーボン材料は、エネルギー貯蔵デバイス用の大表面積イオンインターカレーション媒体として機能し、フラーレン/カーボンナノチューブ(CNT)ハイブリッド基質中で相互接続されたCVD堆積したカーボンフラーレン「オニオン」およびカーボンナノチューブから作られる。フラーレン/CNTハイブリッド基質は、かなりの量の電気的エネルギーを貯蔵するのに有用な濃度にリチウムイオンを保持することが可能な高気孔率材料である。一実施形態によれば、本方法は、高分子量炭化水素前駆体を蒸発させるステップと、伝導性基板上にメソポーラスカーボン材料を形成するために伝導性基板上へと蒸気を導くステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に電気的エネルギー貯蔵デバイスに関係し、より詳しくは、かかるデバイス中で使用するためのメソポーラスカーボン材料、およびメソポーラスカーボン材料を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーキャパシタおよびリチウム(Li)イオン電池などの、高速充電、大容量エネルギー貯蔵デバイスは、携帯型電子機器や、医療機関や、輸送機関や、グリッド接続された大エネルギー貯蔵装置や、再生可能エネルギー貯蔵装置や、無停電電源(UPS)を含む、ますます多くの応用例において使用されている。最新の再充電可能エネルギー貯蔵デバイスでは、電流コレクタが電気伝導体から作られる。正の電流コレクタ(カソード)用の材料の例は、アルミニウムや、ステンレス鋼や、ニッケルを含む。負の電流コレクタ(アノード)用の材料の例は、銅や、ステンレス鋼や、ニッケルを含む。かかるコレクタは、一般に約6マイクロメートルから50マイクロメートルまでの範囲におよぶ厚さを有する箔か、膜か、または薄板とすることができる。
【0003】
Li−イオン電池の正電極中の能動電極材料は、典型的には、LiMnや、LiCoO、および/またはLiNiOなどのリチウム遷移金属酸化物から選択され、炭素すなわちグラファイトなどの電気伝導性粒子および結合剤材料を含む。かかる正電極材料は、伝導性材料の量が重量で0.1%から15%までの範囲内であるリチウム−インターカレーション化合物であると考えられている。
【0004】
グラファイトを、通常、負電極の能動電極材料として使用し、ほぼ10マイクロメートルの直径を有するリチウム−インターカレーションメソ炭素マイクロビーズ(MCMB)からなるリチウム−インターカレーションMCMB粉末の形にすることができる。リチウム−インターカレーションMCMB粉末を、ポリマ結合剤基質中に分散させる。結合剤基質用のポリマは、ゴム弾性のあるポリマを含む熱可塑性ポリマから作られる。ポリマ結合剤は、クラック形成を排除し、電流コレクタの表面上のMCMB粉末の分散を防止するために、MCMB材料粉末を一緒に固めるように働く。ポリマ結合剤の量は、重量で2%から30%の範囲内である。
【0005】
Li−イオン電池のセパレータを、典型的にはマイクロポーラスポリエチレンおよびポリオレフィンから作り、別々の製造ステップにおいて適用する。
【0006】
大部分のエネルギー貯蔵応用例に関して、エネルギー貯蔵デバイスの充電時間および容量は、重要なパラメータである。それに加えて、かかるエネルギー貯蔵デバイスのサイズや、重量、および/または価格は、かなりの制限がある場合がある。エネルギー貯蔵デバイス内の電気伝導性粒子およびMCMB粉末ならびにそれらに付随する結合剤材料の使用は、多くの欠点を有する。すなわち、かかる材料は、かかる材料から組み立てられる電極の最小厚さを制限し、エネルギー貯蔵デバイス中に好ましくない内部抵抗を生み出し、複雑で多岐にわたる製造方法を必要とする。
【0007】
したがって当技術分野において、より小さく、より軽く、もっと費用効率良く製造することができる高速充電、大容量エネルギー貯蔵デバイスが必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、電極上にインターカレーション層を形成する方法が、高分子量炭化水素前駆体を蒸発させるステップと、伝導性基板上にカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブを包含するメソポーラスカーボン材料を堆積させるために、伝導性基板上へと蒸発させた高分子量炭化水素前駆体を導くステップとを備え、高分子量炭化水素前駆体は、少なくとも18個の炭素(C)原子を有する分子を包含し、球形カーボンフラーレンオニオンの直径およびカーボンナノチューブの長さは、約5nmと約50nmとの間である。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、エネルギー貯蔵デバイス用の電極が、伝導性基板と、伝導性基板の表面上に形成されたカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブを備えたメソポーラスカーボン材料であって、球形カーボンフラーレンオニオンの直径およびカーボンナノチューブの長さが約5nmと約50nmとの間である、メソポーラスカーボン材料とを備える。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、メソポーラスインターカレーション層が、約5nmと約50nmとの間の第1の直径を有する第1のカーボンフラーレンオニオンと、第1のカーボンフラーレンオニオンに接続され、約5nmと約50nmとの間の第1の長さを有する第1のカーボンナノチューブと、第1のカーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第2の直径を有する第2のカーボンフラーレンオニオンと、第1のカーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第2の長さを有する第2のカーボンナノチューブと、第2のカーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第3の直径を有する第3のカーボンフラーレンオニオンとを備える。
【0011】
したがって、本発明の上に記述したフィーチャを詳細に理解することが可能な方式で、上に簡潔に要約されている本発明のより明細な説明を、その一部が添付した図面に図示されている実施形態を参照することによって知ることができる。しかしながら、本発明が他の同様に有効な実施形態を許容することができるので、添付した図面が本発明の典型的な実施形態だけを図示し、それゆえ、本発明の範囲を限定するようには見なされないことに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図Aは本発明の一実施形態による、電極上に形成したメソポーラスカーボン材料を具備する電極の概略的断面図であり、図Bは本発明の一実施形態による、電極上に形成したメソポーラスカーボン材料を具備する電極の概略的断面図である。
【図2】メソポーラスカーボン材料中の球形カーボンフラーレンオニオンの複数の層のうちの1つを作ることができるカーボンフラーレンの概念的モデル図である。
【図3A】球形カーボンフラーレンオニオンの構成の概念的モデル図である。
【図3B】球形カーボンフラーレンオニオンの構成の概念的モデル図である。
【図4】本発明の実施形態中へと組み込むことができるカーボンナノチューブの一構成の概念的モデル図である。
【図5−1】図Aは本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブの様々な可能性のある構成の図であり、図Bは本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブの様々な可能性のある構成の図である。
【図5−2】図Cは本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブの様々な可能性のある構成の図であり、図Dは本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブの様々な可能性のある構成の図である。
【図5−3】図Eは本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブの様々な可能性のある構成の図である。
【図6A】本発明の実施形態による、フラーレン−ハイブリッド材料を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーンの異なる構成の概略図である。
【図6B】本発明の実施形態による、フラーレン−ハイブリッド材料を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーンの異なる構成の概略図である。
【図6C】本発明の実施形態による、フラーレン−ハイブリッド材料を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーンの異なる構成の概略図である。
【図6D】本発明の実施形態による、フラーレン−ハイブリッド材料を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーンの異なる構成の概略図である。
【図6E】本発明の実施形態による、フラーレン−ハイブリッド材料を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーンの異なる構成の概略図である。
【図7】図Aは本発明の実施形態による、高アスペクト比ハイブリッドフラーレンチェーンへと形成されたカーボンフラーレンオニオンを示すフラーレン−ハイブリッド材料のSEM像であり、図Bは本発明の実施形態による、別の1つのフラーレンオニオンにカーボンナノチューブによって接続された複数の壁のあるシェルのTEM像である。
【図8A】本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料から形成されたインターカレーション層を具備するLi−イオン電池の概略図である。
【図8B】本明細書において説明する構成要素の実施形態による負荷に電気的に接続された片面Li−イオン電池セル二重層の概略図である。
【図9】図Aは本発明の実施形態による、複数の大表面積マイクロ構造を用いて増大させた表面を具備する伝導性電極の概略的断面図であり、図Bは本発明の実施形態による、大表面積マイクロ構造上に共形で堆積した薄層として形成されたメソポーラスカーボン材料を具備する電極の図であり、図Cは本発明の実施形態による、平坦化層として電極上に形成されたメソポーラスカーボン材料を具備する電極の図である。
【図10】本発明の一実施形態による、電極上にメソポーラスカーボン材料を形成するための方法を要約したプロセス流れ図である。
【図11】本明細書において説明する実施形態を実行するための化学気相堆積(CVD)処理チャンバの一実施形態の概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、エネルギー貯蔵デバイス内の電極表面上に形成したメソポーラスカーボン材料およびメソポーラスカーボン材料を形成する方法を検討する。本明細書中で規定するように、メソポーラス材料は、約2ナノメートル(nm)と約50nmとの間の直径を具備する細孔を含有する材料である。メソポーラスカーボン材料は、エネルギー貯蔵デバイス用の大表面積イオンインターカレーション媒体として機能し、フラーレン/カーボンナノチューブ(CNT)ハイブリッド基質中で相互接続されたCVD堆積したカーボンフラーレン「オニオン」およびカーボンナノチューブから作られる。連続自己集合プロセスによって、フラーレンオニオンおよびCNTを電極の伝導性表面上に形成し、そこでは、ハイブリッド基質を形成するために編みこむ高アスペクト比チェーンまたはデンドライトに、フラーレンオニオンおよびCNTを相互接続する。フラーレン/CNTハイブリッド基質は、かなりの量の電気的エネルギーを貯蔵するのに有用な濃度にリチウムイオンを保持することが可能な高気孔率材料である。一実施形態によれば、本方法は、高分子量炭化水素前駆体を蒸発させるステップと、伝導性基板上にメソポーラスカーボン材料を形成するために伝導性基板上へと蒸気を導くステップとを含む。
【0014】
本明細書において説明する実施形態を実行することができる特定の装置を限定しないが、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社によって販売される織布ベースのロールからロールへのシステム上で本実施形態を実施することは、特に有益である。本明細書において説明する実施形態をその上で実施することができる例示的なロールからロールへのシステムおよび別個の基板システムが、本明細書において説明され、APPARATUS AND METHODS FOR FORMING ENERGY STORAGE OR PV DEVICES IN A LINEAR SYSTEMという名称の米国仮特許出願第61/243,813号(代理人文書番号第APPM/014044/ATG/ATG/ESONG)およびAPPARATUS AND METHOD FOR FORMING 3D NANOSTRUCTURE ELECTRODE FOR ELECTROCHEMICAL BATTERY AND CAPACITORという名称の米国特許出願第12/620,788号(代理人文書番号第APPM/012922/EES/AEP/ESONG)中にさらに詳細に記載されており、それらの全体を引用によって、そのすべてを本明細書中に組み込んでいる。
【0015】
図1Aおよび図1Bは、本発明の一実施形態による、電極上に形成したメソポーラスカーボン材料102を具備する電極100の概略的断面図を図示する。図1Aは、形成の初期ステージにおけるメソポーラスカーボン材料102を表し、図1Bは、電極100上に完全に形成した後のメソポーラスカーボン材料102を表す。電極100は、伝導性基板101を含み、多数のエネルギー貯蔵デバイスの構成要素である場合があり、Li−イオン電池内のアノードか、スーパーキャパシタ電極か、または燃料電池電極を含む。メソポーラスカーボン材料102は、球形カーボンフラーレン「オニオン」111およびカーボンナノチューブ112から成り、下記に説明するナノスケール自己集合プロセスによって伝導性基板101の表面105上に形成される。
【0016】
伝導性基板101を、図1に示したように、金属板か、金属箔か、またはその上に形成した伝導性層121を具備する非伝導性基板120とすることができる。本発明の実施形態によって検討する金属板または金属箔は、エネルギー貯蔵デバイス内の電極および/または伝導体として有用な任意の金属の電気的伝導性材料を含むことができる。かかる伝導性材料は、数ある中で特に、銅(Cu)や、アルミニウム(Al)や、ニッケル(Ni)や、ステンレス鋼や、パラジウム(Pd)や、プラチナ(Pt)を含む。例えば、パラジウムおよびプラチナは、燃料電池内で使用する電極構造にとって特に有用であるのに対して、銅や、アルミニウム(Al)や、ルテニウム(Ru)や、ニッケル(Ni)は、電池および/またはスーパーキャパシタ内での使用にとってより良く適している場合がある。非伝導性基板120を、ガラスか、シリコンか、またはポリマ基板および/または柔軟な材料とすることができ、伝導性層121を、数ある中で特に、物理気相堆積(PVD)や、化学気相堆積(CVD)や、原子層堆積(ALD)や、熱蒸着や、電気化学メッキを含む当技術分野において公知の従来型の薄膜堆積技術を使用して形成することができる。伝導性層121は、伝導性基板101に対して上に列挙したような、エネルギー貯蔵デバイス内の電極として有用な任意の金属の電気的伝導性材料を含むことができる。伝導性層121の厚さ122は、電極100の電気的必要条件に依存する。
【0017】
図1に図示したように、メソポーラスカーボン材料102は、カーボンナノチューブ112によって接続された球形カーボンフラーレンオニオン111で作られる。カーボンフラーレンは、炭素原子のみからできており、中空の球形か、楕円体か、管か、または面の形である一群の炭素分子である。カーボンフラーレンオニオンは、当技術分野において公知の球形フラーレンカーボン分子の変種であり、各炭素層が直径の大きくなる球形カーボンフラーレン、すなわち「バッキーボール」である、複数の入れ子になった炭素層から作られる。やはり「バッキーチューブ」とも呼ばれるカーボンナノチューブは、円柱状のフラーレンであり、通常、直径でわずかに数ナノメートルであり、様々な長さのものである。カーボンナノチューブはまた、別々の構造として形成されてフラーレンオニオンに接続されない場合に、当技術分野において公知である。カーボンナノチューブの独特の分子構造は、高い引張強度や、高い電気的伝導性や、高い延性や、熱に対する高い耐性や、相対的に化学的不活性度を含む並外れた巨視的な特性をもたらし、その多くが、エネルギー貯蔵デバイスの構成要素にとって有用である。
【0018】
図2は、フラーレン−ハイブリッド材料102中の球形カーボンフラーレンオニオン111の複数の層のうちの1つを作ることができるカーボンフラーレン200の概念的モデルを図示する。球形カーボンフラーレン200は、C60分子であり、図示したように、20個の六角形および12個の五角形に構成された60個の炭素原子201から成る。炭素原子201が各多角形の各頂点のところに位置し、結合が各多角形の辺202に沿って形成される。科学文献では、球形カーボンフラーレン200のファンデアワールス直径が約1ナノメートル(nm)であり、球形カーボンフラーレン200の核から核までの距離が約0.7nmであることが、報告されている。
【0019】
図3Aは、文献中に報告されているような、球形カーボンフラーレンオニオン111の1つの構成の概念的モデル300を図示する。この例では、球形カーボンフラーレンオニオン111は、球形カーボンフラーレン200に類似のC60分子301およびC60分子301を囲んでいる1つまたは複数の大きなカーボンフラーレン分子302を含み、図示したような複数壁シェルを有する炭素分子を形成する。C60が球形カーボンフラーレンオニオン111などのフラーレンオニオン構造中に存在する最小の球形カーボンフラーレンであることを、当技術分野において周知のモデルリングが示している。大きなカーボンフラーレン分子302は、C60分子301よりも多くの炭素数、例えば、C70、C84、C112、等、を有する球形カーボンフラーレン分子である。一実施形態では、C60分子301を、複数の大きなカーボンフラーレンオニオン層、例えば、C70、C84、C112、等、中に含有することができ、それによって2層より多くの層を有するフラーレンオニオンを形成する。
【0020】
図3Bは、文献中に報告されているような、球形カーボンフラーレンオニオン111のもう1つの構成の概念的モデル350を図示する。この実施形態では、図示したように、球形カーボンフラーレンオニオン111は、C60分子301およびC60分子301を囲み複数壁シェル310を有する炭素分子を形成する複数の層のグラフェン面309を含む。あるいは、60個よりも多くの炭素数、例えば、C70、C84、C112、等、を有する球形カーボンフラーレンは、球形カーボンフラーレンオニオン111のコアを形成することができる。別の一実施形態では、金属、例えば、ニッケル(Ni)や、コバルト(Co)や、パラジウム(Pd)や、鉄(Fe)か、金属酸化物か、またはダイアモンドから成るナノ粒子は、球形カーボンフラーレンオニオン111のコアを代わりに形成することができる。
【0021】
図1と関連して上に説明したように、本発明の実施形態によれば、メソポーラスカーボン材料102のカーボンフラーレンオニオン111を、カーボンナノチューブ112によって互いに接続することができ、それによって伝導性基板101の表面105上に拡張した3次元構造を形成する。図4は、本発明の実施形態中へと組み込むことができるカーボンナノチューブ112の一構成の概念的モデル400を図示する。概念的モデル400は、カーボンナノチューブ112の3次元構造を示す。球形カーボンフラーレンオニオン111と同様に、炭素原子201は、カーボンナノチューブ112を作る多角形の各頂点のところに存在し、結合を各多角形の辺202に沿って形成する。カーボンナノチューブ112の直径401を、約1nm〜10nmの間とすることができる。単一壁のCNTを、概念的モデル400に図示する。しかしながら、カーボンナノチューブ112が複数壁のCNTまたは単一壁のCNTと複数壁のCNTとの組み合わせを含むことができることを、本発明の実施形態は、やはり検討する。
【0022】
科学文献中の理論的な研究報告からの図5−1〜3のA〜Eは、本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料102を作る3次元構造を形成することができるカーボンフラーレンオニオン111およびカーボンナノチューブ112の様々な可能性のある構成501〜505を図示する。構成501〜505は、SEMを使用して発明者によって得られたメソポーラスカーボン材料102の画像と一致する。それぞれ、図5−1のA、B及び図5−2のCに示したように、構成501や、502や、503は、1つまたは複数の単結合として球形カーボンフラーレン511とカーボンナノチューブ512との間の結合を表す。構成501では、接続部501Aは、単一の炭素結合520または球形カーボンフラーレン511の1つの頂点、すなわち、炭素原子とカーボンナノチューブ512の1つの頂点との間に形成される単一炭素結合のチェーンから成る。構成502では、図示したように、球形カーボンフラーレン511中に含有される炭素結合521が、カーボンナノチューブ512の対応する炭素結合522に実質的に平行な向きに近接するように、球形カーボンフラーレン511が向いている。かかる立体構造では、接続部502Aは、炭素結合521および炭素結合522の2つの頂点間に図示されたように形成される2つの炭素結合523、524から成る。構成503では、球形カーボンフラーレン511は、多角形面が、カーボンナノチューブ512の対応する多角形面に実質的に平行に近接するように向いている。対応する多角形面の頂点は、位置を合わせられ、接続部503Aは、図示したように、球形カーボンフラーレン511およびカーボンナノチューブ512の2つの平行な多角形面の頂点間に形成された3個から6個の炭素結合から成る。それぞれ、図5−2のDおよび図5−3のEに図示した構成504および505は、それぞれナノチューブ状構造531、532のような球形カーボンフラーレン511とカーボンナノチューブ512との間の接続部を表す。
【0023】
明確にするために、構成501〜505内の球形カーボンフラーレン511を、1つの壁がある球形カーボンフラーレンとして図示している。構成501〜505を、また、複数の壁のあるフラーレン構造、すなわち、メソポーラスカーボン材料102中に含有することができるカーボンフラーレンオニオンに同じように適用することが可能であることを、当業者なら理解するであろう。同様に、カーボンナノチューブ512が、構成501〜505内では単一壁のCNTとして図示されているが、複数壁のCNTを、やはり、構成501〜505内に含むことができる。一実施形態では、メソポーラスカーボン材料102内の球形カーボンフラーレン511とカーボンナノチューブ512との間の接続部は、構成501〜505のうちの2つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0024】
図6A〜図6Eは、本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料102を作ることができるハイブリッドフラーレンチェーン610や、620や、630や、640や、650の異なる構成の概略図である。図6A〜図6Eは、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して発明者によって得られたメソポーラスカーボン材料102の画像に基づいている。図6Aは、1つの壁のあるカーボンナノチューブ612によって接続された複数の球形カーボンフラーレンオニオン111の高アスペクト比構成であるハイブリッドフラーレンチェーン610を概略的に表す。図6A〜図6Eには円形の断面として表されているが、球形カーボンフラーレンオニオン111が完全に球でない場合があることは、当技術分野において公知である。球形カーボンフラーレンオニオン111は、断面で扁円形や、長円形や、楕円形、等である場合がある。それに加えて、図7Aおよび図7Bに示したように、TEMおよびSEMを介して球形カーボンフラーレンオニオン111のかかる非対称な形状および/または非球形の形状を、発明者は観察している。1つの壁のあるカーボンナノチューブ612は、図4に関連して上に説明した1つの壁のあるカーボンナノチューブ112と実質的に同じであり、直径で約1nm〜10nmである。図示したように、1つの壁のあるカーボンナノチューブ612は、各1つの壁のあるカーボンナノチューブ612の長さ613がそれ自体の直径614にほぼ等しい球形カーボンフラーレンオニオン111間の比較的低アスペクト比接続部を形成する。図3A〜図3Bに関連して上に説明したように、球形カーボンフラーレンオニオン111は、各球形カーボンフラーレンオニオン111およびグラフェン面の複数の層のコア615を形成するC60分子または他のナノ粒子を各々が含むことができる。
【0025】
図6Bは、ハイブリッドフラーレンチェーン620を概略的に表し、1つの壁のあるカーボンナノチューブ612によって接続された球形カーボンフラーレンオニオン111の高アスペクト比構成であり、1つまたは複数のカーボンフラーレンオニオン111を取り囲む1つの壁のあるカーボンナノチューブシェル619をやはり含む。図6Cは、ハイブリッドフラーレンチェーン630を概略的に表し、複数の壁のあるカーボンナノチューブ616によって接続された複数の球形カーボンフラーレンオニオン111の高アスペクト比構成である。図示したように、複数の壁のあるカーボンナノチューブ616は、球形カーボンフラーレンオニオン111間の比較的低アスペクト比接続部を形成し、そこでは、各複数の壁のあるカーボンナノチューブ616の長さ617がそれ自体の直径618にほぼ等しい。図6Dは、ハイブリッドフラーレンチェーン640を概略的に表し、複数の壁のあるカーボンナノチューブ616によって接続された球形カーボンフラーレンオニオン111の高アスペクト比構成であり、1つまたは複数のカーボンフラーレンオニオン111を取り囲む1つ以上の複数の壁のあるカーボンナノチューブシェル621をやはり含む。図6Eは、複数の壁のあるカーボンナノチューブ650の断面図を表し、メソポーラスカーボン材料102中に含有される高アスペクト比構造の一部を形成する場合がある。図示したように、複数の壁のあるカーボンナノチューブ650は、互いに接続され、複数の壁のあるカーボンナノチューブ616によってカーボンナノチューブ650に接続された1つまたは複数の球形カーボンフラーレンオニオン111を含有し、そこでは球形カーボンフラーレンオニオン111がカーボンナノチューブ650の内径の内側に含有される。
【0026】
図7Aは、本発明の実施形態による、高アスペクト比ハイブリッドフラーレンチェーンへと形成されたカーボンフラーレンオニオン111を示すメソポーラスカーボン材料102のSEM像である。いくつかの場所では、カーボンフラーレンオニオン111を接続するカーボンナノチューブ112が、明瞭に見える。図7Bは、本発明の実施形態による、別の1つのフラーレンオニオン703にカーボンナノチューブ702によって接続された複数の壁のあるシェル701のTEM像である。
【0027】
カーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブを形成するための方法は、公知である。しかしながら、本発明の実施形態による、ハイブリッドフラーレンチェーン610や、620や、630や、640や、650は、伝導性基板上にメソポーラスカーボン材料102の形成を可能にするということを当業者なら理解するであろう。第1に、かかるハイブリッドフラーレンチェーンは、極めて大きな表面積を有する。それに加えて、ハイブリッドフラーレンチェーンが形成されるナノスケールの自己集合プロセスのために、メソポーラスカーボン材料102を形成するハイブリッドフラーレンチェーンは、やはり、大きな引張強度や、電気的伝導性や、熱耐性や、化学的不活性度を保有する。さらに、かかる構造を形成する方法は、大表面積電極の形成に非常に適している。なぜなら、メソポーラスカーボン材料102を形成するハイブリッドフラーレンチェーンは、形成される際に伝導性基板に機械的にかつ電気的に結合されるものであり、別個のプロセスで形成されてから伝導性基板上へと堆積されるのではないためである。
【0028】
図1Aおよび図1Bを参照すると、メソポーラスカーボン材料102中の球形カーボンフラーレンオニオン111の直径およびカーボンナノチューブ112の長さが、約5nmと約50nmとの間の範囲であることを、発明者は、SEM画像およびTEM画像を通して決定した。Li−イオン電池のアノードなどのエネルギー貯蔵デバイス内のインターカレーション材料として、メソポーラスカーボン材料102を使用するときに、球形カーボンフラーレンオニオン111およびカーボンナノチューブ112の内部容積は、リチウムイオンがその中に存在することができるサイトとして働く。化学では、インターカレーションは、2個の違った分子または基間での、分子か、基か、またはイオンの可逆的な包有である。したがって、メソポーラスカーボン材料102の公称の細孔サイズは、約5nmと約50nmとの間である。メソポーラスカーボン材料102のスポンジ状の性質が、その内部に非常に大きな内部表面積を生じ、それによって、適切な電解質、例えば、有機溶媒中のリチウム塩で満たされたときに比較的高濃度のリチウムイオンをメソポーラスカーボン材料102が保持することを可能にする。インターカレーション層内に貯蔵することができる高濃度のリチウムイオンのために、インターカレーション層としてメソポーラスカーボン材料102を使用するエネルギー貯蔵デバイスを、小さくすることができ、および/または大きなエネルギー貯蔵容量を有することができる。
【0029】
図8Aは、本発明の実施形態による、メソポーラスカーボン材料102と実質的に同じメソポーラスカーボン材料から形成されたインターカレーション層802を具備するLi−イオン電池800の概略図である。Li−イオン電池800の主要な機能構成要素は、電流コレクタ801や、インターカレーション層802や、カソード構造物803や、セパレータ804や、電解質(図示せず)を含む。電解質は、インターカレーション層802や、カソード構造物803や、セパレータ804内に含有され、有機溶媒中のリチウム塩などの様々な材料を電解質として使用することができる。動作では、Li−イオン電池800は、電気的エネルギーを供給する、すなわち、図8に示したように、インターカレーション層802およびカソード構造物803が負荷809に電気的に結合されたときに放電する。電子は、電流コレクタ801から負荷809を通ってカソード構造物803の電流コレクタ813へと流れ、リチウムイオンが、インターカレーション層802を作るメソポーラスカーボン材料からセパレータ804を通ってカソード構造物803中へと動く。インターカレーション層802を作るメソポーラスカーボン材料が、上に詳述したように、高いメソポーラス性を有するために、高濃度のリチウムイオンを、インターカレーション層802内に貯蔵することができ、それによってLi−イオン電池800の重量および体積を小さくする。
【0030】
図8Bは、本明細書において説明する実施形態による、負荷821に電気的に接続されたインターカレーション層834a、834bを具備する片面Li−イオン電池セル二重層802の概略図である。片面Li−イオン電池セル二重層802は、図8Aに図示したLi−イオン電池800と同様に機能する。Li−イオン電池セル二重層820の主要な機能構成要素は、インターカレーション構造物822a、822bや、カソード構造物823a、823bや、セパレータ層824a、824bや、電流コレクタ831a、831b、833a、および833b間の領域内に配置された電解質(図示せず)を含む。Li−イオン電池セル820を、電流コレクタ831a、831b、833a、および833b用のリード部を具備する適切なパッケージ中に電解質と共に密封する。インターカレーション構造物822a、822bや、カソード構造物823a、823bや、流体浸透性セパレータ層824a、824bを、電流コレクタ831aと833aとの間に形成された領域および電流コレクタ831bと833bとの間に形成された領域内の電解質中に浸漬する。絶縁体層835を、電流コレクタ833aと電流コレクタ833bとの間に配置する。
【0031】
インターカレーション構造物822a、822bおよびカソード構造物823a、823bは、Li−イオン電池820のハーフセルとしてそれぞれ機能し、Li−イオン電池820の完全な作用二重層セルを一緒に形成する。インターカレーション構造物822a、822bは、金属製電流コレクタ831a、831bおよびコンテナ層を有するリチウムイオンを保持するための炭素ベースのインターカレーション母材などのインターカレーション層834a、834bをそれぞれ含む。同様に、カソード構造物823a、823bは、それぞれ電流コレクタ833a、833bおよびリチウムイオンを保持するための金属酸化物などの第2の電解質含有材料832a、832bを含む。電流コレクタ831a、831b、833a、および833bは、金属などの電気的伝導性材料から成る。あるケースでは、絶縁性層であり、多孔質層であり、流体浸透性層である、例えば、誘電体層であるセパレータ層824a、824bを、インターカレーション構造物822a、822b中の構成要素とカソード構造物823a、823bとの間の直接の電気的接触を防ぐために使用することができる。Li−イオン電池セル二重層820を図8Aおよび図8Bに図示しているが、本明細書において説明する実施形態が、Li−イオン電池セル二重層構造に限定されないことを、やはり理解するはずである。インターカレーション構造物およびカソード構造物を、いずれか直列にまたは並列に接続することができることを、やはり理解するはずである。
【0032】
図1Bを参照すると、電極100を含有するエネルギー貯蔵デバイスのインターカレーション層必要条件に応じて、メソポーラスカーボン材料102の厚さTは変化する。例えば、図8AのLi−イオン電池800では、電極100が、電流コレクタ801として機能することができ、メソポーラスカーボン材料102が、アノードのところのリチウムイオン用のインターカレーション層802として機能することができる。その結果、メソポーラスカーボン材料102の厚さTが厚いほど、結果として電極100のエネルギー貯蔵容量が大きくなる。メソポーラスカーボン材料102の厚さTを、電極100の所望の機能に応じて、ほぼ20ミクロンから50ミクロンまでの範囲とすることができる。
【0033】
伝導性基板101の表面105のモフォロジが、やはり、メソポーラスカーボン材料102の厚さTに影響を及ぼすことがある。図1Bでは、基板101の表面105が、一様な面として描かれている。しかしながら、あるエネルギー貯蔵デバイスでは、電極100を、伝導性基板101の表面積を増加させることによって、エネルギー貯蔵デバイスの内部抵抗を減少させるように構成することができる。図9Aは、本発明の実施形態による、複数の大表面積マイクロ構造902を用いて増大させた表面905を具備する伝導性電極900の概略的断面図を図示する。大表面積マイクロ構造902を除いては、電極900は、図1A、図1Bの電極100と実質的に同じである。大表面積マイクロ構造902は、実質的に平坦な表面を有する電極と比較して著しく大きな表面積を具備する伝導性電極900を提供する。大表面積マイクロ構造902を、当技術分野において一般に公知のマスキング技術や、金属堆積技術、および/または金属エッチング技術、例えば、PVDや、電気化学メッキなどを使用して電極900上に形成することができる。図9B、図9Cに図示したように、マイクロ構造902のモフォロジおよび電極900の使用目的に応じて、メソポーラスカーボン材料102の厚さを、電極900上に形成したときに変えることができると考えられる。
【0034】
図9Bは、本発明の実施形態による、大表面積マイクロ構造902上に共形で堆積した薄層903として形成されたメソポーラスカーボン材料102を具備する電極900を図示する。メソポーラスカーボン材料102を基板上に形成するプロセスは、共形のプロセスであり、図8に関連して下記に説明する。かかる実施形態では、メソポーラスカーボン材料102の厚さ904は、図示したように、大表面積マイクロ構造902の各々の間の間隔906よりも実質的に小さい。このように、電極900の表面積は、メソポーラスカーボン材料102の形成の後では顕著には減少せず、これは、エネルギー貯蔵デバイス内の電極900のある応用例にとって有益である場合がある。図9Cは、本発明の実施形態による、平坦化層907として電極上に形成されたメソポーラスカーボン材料102を具備する電極900を図示する。かかる実施形態では、図示したように、大表面積マイクロ構造902の各々の間の間隔906を埋め、かつ電極900上に実質的に平坦化した表面909を形成する厚さ904を有するように、メソポーラスカーボン材料102を電極900上に形成する。電極900上に形成され表面909を平坦化するメソポーラスカーボン材料102の比較的大きな体積は、エネルギー貯蔵デバイス内の電極900のある応用例にとって有益であることが知られている。
【0035】
メソポーラスカーボン材料102中の球形カーボンフラーレンオニオン111およびカーボンナノチューブ112が、ナノスケール自己集合プロセスによって形成され相互接続されるため、電極の表面上に形成されたメソポーラスカーボン材料102の層は、グラフェンフレークから形成された材料などの、当技術分野において公知の他の炭素ベースのインターカレーション材料よりも大きな電気伝導性を有するであろう。一実施形態では、メソポーラスカーボン材料102の50ミクロン厚の層を、伝導性基板上に高伝導性チェーンとして堆積した。かかる伝導性の改善は、インターカレーション層としてメソポーラスカーボン材料102を使用するエネルギー貯蔵デバイスの、内部抵抗を有利に減少させ、充電/放電時間を短縮する。一実施形態では、メソポーラスカーボン材料102の密度は、従来技術のインターカレーション材料の密度の30%と50%との間である場合がある。別の一実施形態では、メソポーラスカーボン材料102の密度は、従来技術のインターカレーション材料の密度の50%と80%との間である場合がある。
【0036】
図10は、本発明の一実施形態による、図1Aの電極100上にメソポーラスカーボン材料102を形成するための方法1000を要約したプロセス流れ図である。ステップ1001において、伝導性層121を、非伝導性基板120の表面上に形成する。伝導性層121を、数ある中で特に、電気化学メッキや、無電解メッキや、PVDや、CVDや、ALDや、熱蒸着を含む当技術分野において公知の1つまたは複数の金属薄膜堆積技術を使用して形成することができる。あるいは、金属箔または金属板などの伝導性基板を、ステップ1001において設ける。
【0037】
ステップ1002〜ステップ1004では、メソポーラスカーボン材料102を伝導性基板上に形成する。フラーレンを形成するための従来技術の方法とは違って、鉄(Fe)またはナノダイアモンド粒子などの触媒ナノ粒子を、メソポーラスカーボン材料102を形成するためにステップ1002では使用しない。その代わりに、炭化水素前駆体ガス中の炭素原子が表面105上に連続ナノスケール自己集合プロセスを行うことを可能にするCVD様のプロセスを使用して、メソポーラスカーボン材料102を伝導性基板101の表面105上に形成する。
【0038】
ステップ1002では、液体または固体前駆体とすることができる高分子量炭化水素前駆体を、前駆体ガスを形成するために蒸発させる。C2040や、C2042や、C2244、等を包含するか、これらから成るか、基本的にこれらから成る群から選択される炭化水素前駆体などの、18個以上の炭素原子を有する炭化水素前駆体を使用することができる。使用する個々の炭化水素前駆体の特性に応じて、前駆体を300℃と1400℃との間に加熱する。かかるプロセス用の蒸気を形成するために炭化水素前駆体を加熱すべき適切な温度を、当業者なら容易に決定することができる。
【0039】
ステップ1003では、伝導性基板の温度が、例えば、約220℃よりも高くない比較的冷たい温度に維持されている伝導性基板の表面上へと、炭化水素前駆体蒸気を導く。伝導性表面がこのプロセスステップ中に維持されている温度を、基板のタイプに応じて変えることができる。例えば、一実施形態では、基板が温度耐性のないポリマを含み、ステップ1003中に約100℃と300℃との間の温度に維持することができる。別の一実施形態では、基板が銅箔などの銅基板であり、ステップ1003中に約300℃と900℃との間の温度に維持することができる。さらに別の一実施形態では、基板がステンレス鋼などのより熱耐性のある材料から成り、ステップ1003中に約1000℃までの温度で維持する。裏面ガスおよび/または機械的に冷却した基板支持部を用いて堆積プロセス中に、基板を積極的に冷却することができる。あるいは、堆積プロセス中に適切な温度に基板の伝導性表面を維持するために、基板の熱的な慣性が十分である場合がある。伝導性基板の表面に炭化水素前駆体ガスをうまく配送するために、アルゴン(Ar)または窒素(N)などのキャリアガスを使用することができる。ガス流の均一性を改善するために、炭化水素前駆体蒸気およびキャリアガスの混合物を、シャワーヘッドを通って基板の伝導性表面に導くことができる。低真空、すなわち、大気圧近くのCVDプロセスおよび高真空CVDプロセスの両方を、メソポーラスカーボン材料102を形成するために使用することができる。ガス流の均一性を改善するために、炭化水素前駆体蒸気およびキャリアガスの混合物を、シャワーヘッドを通って基板の伝導性表面に導くことができる。あるいは、炭化水素前駆体蒸気および/またはキャリアガスを、1つまたは複数のガス注入ジェットを介して処理チャンバ中へと導入することができ、各ジェットを、ガスの組み合わせまたは1つのガス、例えば、キャリアガスや、炭化水素前駆体蒸気、等を導入するように構成することができる。常圧CVDプロセスおよび常圧近くのCVDプロセスは、大表面積基板上への堆積や、高スループットや、低価格処理機器を可能にする。高真空プロセスは、その場で、すなわち、基板を雰囲気に曝さずに連続堆積プロセスを使用して、メソポーラスカーボン材料102および伝導性層121の形成を可能にする。高真空プロセスは、また、堆積した層の低い汚染の可能性および、したがって、堆積した層間の優れた接着をもたらす。
【0040】
ステップ1004では、フラーレン−ハイブリッド材料を、伝導性基板の表面上に形成する。そのような説明した条件下では、炭化水素前駆体蒸気中に含有される炭素ナノ粒子が、メソポーラスカーボン材料102、すなわち、ナノチューブによって接続されたフラーレンオニオンから作られる3次元構造の基質へと冷たい表面上で「自己集合」するであろうと本発明者らは判断した。したがって、プロセスは、メソポーラスカーボン材料102を形成するために触媒ナノ粒子を使用しない触媒ナノ粒子フリーのプロセスである。それに加えて、メソポーラスカーボン材料102を形成するフラーレン含有材料は、個々のナノ粒子および分子を構成しない。むしろ、メソポーラスカーボン材料102は、伝導性基板の表面に機械的に結合された高アスペクト比のデンドライト状構造から作られる。したがって、球形カーボンフラーレンオニオン111およびカーボンナノチューブ112を互いにまたは伝導性基板と結合させるために、後続のアニールプロセスを必要としない。
【0041】
高アスペクト比を有する点在した別々のナノカーボンチェーンの形成で自己集合が始まることを、自己集合プロセス中の違った時間におけるSEMによる実験的観察が示している。フラーレンオニオン直径は、5nm〜20nmの範囲内であり、ハイブリッドフラーレンチェーンは、長さで20ミクロンまでである。かかるフラーレンチェーンの成長が銅粒界および/または銅格子内の欠陥上で始まると考えられている。自己集合が進むにつれて、非常に多孔質の材料、すなわち、図1中のフラーレン−ハイブリッド材料102の層を形成するために、ハイブリッドフラーレンチェーンは、互いに相互接続するようになる。相互接続したハイブリッドフラーレンチェーンの自己集合プロセスは、自己触媒プロセスとして継続する。1ミクロンや、10ミクロンや、20ミクロンや、30ミクロンや、40ミクロンや、50ミクロンの厚さのナノカーボン材料の層が観察されている。
【0042】
ステップ1002において説明したプロセスが、基板上にカーボンナノチューブ含有構造を堆積するための当技術分野において公知のプロセスとは実質的に異なることに留意する。かかるプロセスは、一般に、1つのプロセスステップにおけるカーボンナノチューブまたはグラフェンフレークの形成や、第2のプロセスステップにおける事前に形成したカーボンナノチューブまたはグラフェンフレークおよび結合剤を含有するスラリの形成や、第3のプロセスステップにおける基板表面へのスラリの塗布や、基板上に炭素分子の相互接続した基質を形成するために、最終プロセスステップにおけるスラリのアニールを必要とする。本明細書において説明する方法は格段に複雑でなく、1つの処理チャンバ内で終わらせることができ、基板上に高アスペクト比炭素構造を形成するために、アニールステップに依存するよりはむしろ連続自己集合プロセスに依存する。自己集合プロセスは、スラリベースの炭素構造よりもより大きな化学的安定性があり高い電気的伝導性の炭素構造を形成すると考えられており、その両方とも、エネルギー貯蔵デバイスの構成要素にとって有益な特性である。さらに、高温のアニールプロセスがないことは、炭素構造を基板上に形成するために、数ある中で特に、非常に薄い金属箔およびポリマ膜を含む多種多様な基板の使用を可能にする。
【0043】
1つのプロセス例では、メソポーラスカーボン材料102と実質的に同じフラーレン−ハイブリッド材料を、非伝導性基板の表面上に形成した伝導性層上に形成する、ここでは、非伝導性基板が熱耐性のあるポリマであり、伝導性層がその上に形成した銅薄膜である。炭化水素前駆体蒸気を生成するために、高分子量炭化水素を含有する前駆体を300℃〜1400℃に加熱する。ほぼ10リットル〜50リットルのプロセス容積を有するCVDチャンバに炭化水素前駆体蒸気を配送するために、700℃〜1400℃の最大温度でアルゴン(Ar)や、窒素(N)や、空気や、一酸化炭素(CO)や、メタン(CH)や、水素(H)や、これらの組み合わせを、キャリアガスとして使用する。炭化水素前駆体蒸気の流量は、ほぼ0.2sccmから5sccmであり、キャリアガスの流量は、ほぼ0.2sccmから5sccmであり、CVDチャンバ内で維持されるプロセス圧力は、ほぼ10−2Torrから10−4Torrである。基板温度を、ほぼ100℃から700℃に維持し、堆積時間は、所望の堆積する材料の厚さに応じて、約1秒と60秒との間である。一実施形態では、燃焼のようなCVDプロセスを引き起こすために、酸素(O)または空気を、0.2sccm〜1.0sccmの流量で、約10℃と100℃との間の温度でCVDチャンバのプロセス容積中へと、やはり導入する。反応が、基板表面とガス注入ジェットまたはシャワーヘッドとの間の反応領域内で、約400℃と700℃で行われる。蒸気のプロセス条件は、本明細書において説明するようなフラーレン−ハイブリッド材料102と実質的に同じフラーレン−ハイブリッド材料を生み出す。
【0044】
ある種の実施形態では、本明細書において説明するメソポーラスカーボン材料を、複合アノード構造の一部とすることができる。ある種の実施形態では、複合アノード構造は、メソポーラスカーボン材料および、スズや、シリコンや、酸素や、これらの組み合わせを包含する群から選択される材料を包含するか、これらから成るか、基本的にこれらから成る。複合アノード構造の例は、メソポーラスカーボン−スズ−シリコンや、メソポーラスカーボン−シリコン−酸素や、メソポーラスカーボン−スズや、メソポーラスカーボンシリコンを含む。
【0045】
ある種の実施形態では、本明細書において説明するメソポーラスカーボン材料を、複合カソード構造の一部とすることができる。ある種の実施形態では、複合カソード構造は、メソポーラスカーボン材料および、マンガン酸化物や、ニッケル−マンガン−コバルト(NMC)や、BiFや、鉄や、これらの組み合わせを包含する群から選択される材料を包含するか、これらから成るか、基本的にこれらから成る。複合カソード構造の例は、メソポーラスカーボン−ニッケル−マンガン−コバルトや、メソポーラスカーボン−BiFや、メソポーラスカーボン−鉄や、メソポーラスカーボン−マンガン酸化物を含む。
【0046】
一実施形態では、最初の充電の後で、リチウムを複合電極構造内へと入れる。別の一実施形態では、リチウム含有溶液に複合アノード構造を曝すことによって、プレリチオ化プロセスを介して複合アノード構造内へとリチウムを入れる。一実施形態では、前記のメッキ溶液にリチウムソースを添加することによって、プレリチオ化プロセスを実行することができる。適したリチウムソースは、LiHPOや、LiOHや、LiNOや、LiCHCOOや、LiClや、LiSOや、LiPOや、Li(C)や、リチウム表面安定化粒子(例えば、炭素コートしたリチウム粒子)や、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。プレリチオ化プロセスは、メッキ溶液に錯化剤、例えば、クエン酸、およびその塩を添加することをさらに包含することができる。
【0047】
ある種の実施形態では、ふるい分け技術や、静電スプレイ技術や、熱スプレイまたは溶射技術や、流動床コーティング技術や、スリットコーティング技術や、ロールコーティング技術や、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されない粉末塗布技術を使用して粒子の形で電極にリチウムを塗布することによって、プレリチオ化プロセスを実行することができ、そのすべての技術が当業者には公知である。
【0048】
図11は、本明細書において説明する実施形態を実行するための化学気相堆積(CVD)処理チャンバ1100の一実施形態の概略的側面図である。一実施形態では、化学気相堆積(CVD)プロセスを使用して、処理領域1150内に設置した基板1102を覆うメソポーラスインターカレーション層を形成するために、処理チャンバ1100を使用する。チャンバ1100中では、プロセスガスを、1つまたは複数のガスソース1132、1134から、それぞれ、弁1136、1138を介してシャワーヘッド1130に与える。システムコントローラ1106の支援回路から受け取る信号によって、弁1136、1138を制御する。シャワーヘッド1130に与えられるプロセスガスは、カーボンメソポーラスインターカレーション層を形成するために使用するガスを含む。この実施形態では2つのガスソース1132、1134を示しているが、使用するガスの数および組み合わせに応じて、1つのガスソースまたは複数のガスソースを設けることができる。一実施形態では、膜質を向上させ、堆積速度および/または膜均一性を高めるために、シャワーヘッド1130および/または基板1102にバイアスを印加することによって、CVDプロセスを増進させることができる。一実施形態では、電源1140を、システムコントローラ1106の支援回路から受け取る信号に基づいてシャワーヘッド1130をRFバイアスするように構成する。システム必要条件に応じて、印加する電圧を、RFか、DCか、またはACとすることができる。別の一実施形態では、誘導結合プラズマを、やはり、電源1140の使用によって処理領域1150内に形成することができる。
【0049】
一連の基板搬送ポート1112を、処理チャンバ1100の入口および出口のところに設けて、処理中に各チャンバ内の必要な環境を維持しながら、チャンバ間で基板を渡すことを可能にする。基板が様々なチャンバを通って案内されるように、一連のローラ1114は、基板1102を支持する。ある実施形態では、ローラ1114間の織布1102に追加の支持を与えるために、コンベアを形成するように駆動ベルト(図示せず)を含むことができる。ローラ1114を共通駆動システム(図示せず)によって機械的に駆動することができ、その結果、これらが調和して制御され、それによって、織布1102がしわを作ることまたは延びることを回避する。駆動機構1120によって受け取られるシステムコントローラ(図示せず)からの命令に基づいて、ローラ1114は、次のチャンバへと織布1102を進めることができる。一実施形態では、処理領域内を真空にし、圧力を制御するために、ポンピングデバイス1124を、処理領域1150に連結する。基板1102の加熱または冷却を必要とする実施形態では、1つまたは複数の温度調整素子1110を設けることができる。
【0050】
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から乖離せずに考案することができ、本発明の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極上にメソポーラスインターカレーション層を形成する方法であって、
高分子量炭化水素前駆体を蒸発させるステップと、
伝導性基板上に球形カーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブを包含するメソポーラスカーボン材料を堆積させるために、前記伝導性基板上へと前記蒸発させた高分子量炭化水素前駆体を導くステップと
を備え、
前記高分子量炭化水素前駆体が、少なくとも18個の炭素(C)原子を有する分子を包含し、前記球形カーボンフラーレンオニオンの直径および前記カーボンナノチューブの長さが、約5nmと約50nmとの間である、方法。
【請求項2】
前記高分子量炭化水素前駆体が、C2040や、C2042や、C2244や、これらの組み合わせを包含する群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蒸発させた高分子量炭化水素前駆体を伝導性基板上へと導きながら、前記伝導性基板の表面を冷たい温度に維持するステップをさらに備え、冷たい温度に前記基板を維持するステップが、裏面ガスを用いて前記伝導性基板を積極的に冷却するステップおよび前記伝導性基板が設置される基板支持部を機械的に冷却するステップのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メソポーラスカーボン材料が、前記伝導性基板の表面に機械的に結合される高アスペクト比のデンドライト状構造から作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記蒸発させた高分子量炭化水素前駆体内の炭素ナノ粒子が、自己集合プロセスを介して前記メソポーラスカーボン材料を形成するように前記伝導性基板の前記冷却した表面上に自己集合し、前記自己集合プロセスが、
高アスペクト比を有する点在した別々のナノ−カーボンハイブリッドフラーレンチェーンを形成するステップと、
前記メソポーラスカーボン材料を形成するように前記別々のナノ−カーボンハイブリッドフラーレンチェーンを相互接続するステップとを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
高分子量炭化水素前駆体を蒸発させるステップが、摂氏300度と摂氏1400度との間の温度に前記高分子量炭化水素前駆体を加熱するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
伝導性基板上へと前記蒸発させた高分子量炭化水素前駆体を導くステップが、ほぼ10リットル〜50リットルのプロセス容積を有するCVDチャンバへ前記炭化水素前駆体蒸気を配送するために、摂氏700度と摂氏1400度との間の最大温度で、アルゴン(Ar)や、窒素(N)や、空気や、一酸化炭素(CO)や、メタン(CH)や、水素(H)や、これらの組み合わせを包含する群から選択されるキャリアガスを流すステップを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素前駆体蒸気の流量が、0.2sccmから5sccmまでの間であり、前記キャリアガスの流量が、0.2sccmから5sccmまでの間であり、前記CVDチャンバ内の圧力が、10−2Torrと10−4Torrとの間に維持される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
燃焼のようなCVDプロセスを引き起こすために、0.2sccmから1.0sccmまでの間の流量で10℃と100℃との間の温度で前記炭化水素前駆体蒸気と共に前記CVDチャンバの前記プロセス容積中へと酸素(O)を流すステップをさらに備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エネルギー貯蔵デバイス用の電極であって、
伝導性基板と、
前記伝導性基板の表面上に形成されたカーボンフラーレンオニオンおよびカーボンナノチューブを備えたメソポーラスカーボン材料であって、球形の前記カーボンフラーレンオニオンの直径および前記カーボンナノチューブの長さが約5nmと約50nmとの間であり、前記メソポーラスカーボン材料が、メソポーラスカーボン−スズ−シリコンや、メソポーラスカーボン−シリコン−酸素や、メソポーラスカーボン−スズや、メソポーラスカーボンシリコンを包含する群から選択される複合構造の一部である、メソポーラスカーボン材料とを備えた電極。
【請求項11】
前記伝導性基板の前記表面が大面積マイクロ構造を備え、前記メソポーラスカーボン材料が前記大表面積マイクロ構造上に共形層を形成する、請求項10に記載の電極。
【請求項12】
約5nmと約50nmとの間の第1の直径を有する第1のカーボンフラーレンオニオンと、
前記第1のカーボンフラーレンオニオンに接続され、約5nmと約50nmとの間の第1の長さを有する第1のカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第2の直径を有する第2のカーボンフラーレンオニオンと、
前記第1のカーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第2の長さを有する第2のカーボンナノチューブと、
前記第2のカーボンナノチューブに接続され、約5nmと約50nmとの間の第3の直径を有する第3のカーボンフラーレンオニオンと
を備えた、メソポーラスインターカレーション層。
【請求項13】
前記第1のカーボンナノチューブが、複数の壁のあるカーボンナノチューブである、請求項12に記載のメソポーラスインターカレーション層。
【請求項14】
前記第1のカーボンフラーレンオニオンが、複数の壁のあるカーボンフラーレンオニオンである、請求項12に記載のメソポーラスインターカレーション層。
【請求項15】
前記第1のカーボンナノチューブ、および前記第2のカーボンナノチューブ、ならびに前記第1のカーボンフラーレンオニオン、前記第2のカーボンフラーレンオニオン、および前記第3のカーボンフラーレンオニオンが、高アスペクト比チェーンの一部を形成し、前記高アスペクト比チェーンが少なくとも約1ミクロンの長さである、請求項12に記載のメソポーラスインターカレーション層。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−517399(P2012−517399A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549308(P2011−549308)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/023484
【国際公開番号】WO2010/091352
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】