説明

エネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法および運転計画作成装置

【課題】複数種類のエネルギーを対象とした多様なエネルギーシステムにおいて、エネルギー貯蔵装置の最適な運転を求め、エネルギーシステム全体での効率を向上させるエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法および運転計画作成装置を提供する。
【解決手段】エネルギー貯蔵装置運転作成手段13は、記憶手段D1に記憶されたエネルギー予測需要と、記憶手段D2に記憶されたエネルギー発生装置運転計画、並びに機器接続情報の3つの情報に基づいて、エネルギー貯蔵装置運転計画と、エネルギー発生装置修正後運転計画と、エネルギー貯蔵装置修正後運転計画を作成し、機器制御手段17に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様なエネルギー形態を有するエネルギーシステムにおけるエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法および運転計画作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護および省エネルギーの観点から、多様なエネルギー形態を同時に対象とするエネルギーシステムが増加している。
例えば、発電と発電設備からの排熱を回収し、利用形態に適合する熱に変換して、電力と共に供給するいわゆる熱電併給システムは、発生電力だけを利用する場合の効率の倍近い極めて高い総合効率を実現することをねらっている。
【0003】
図7にある地域における電力需要と熱需要のグラフを、横軸に時間を縦軸に電力負荷及び熱負荷を表わして示すと明らかなように、一般的に、熱供給は発電と同時に行われるものであるから、熱電併給システムにおいて高い総合効率は、基本的に電力の需要状況と熱の需要状況が量的にも時間的にも一致していることが条件となる。
【0004】
しかしながら、実際には電力の需要状況と熱の需要状況は必ずしも一致しないので、電力又は熱のどちらかの需要に供給を合わせた場合に余剰が生じてしまい、当初期待されていたような総合効率が得られないという問題が生じる。そこで、蓄電装置あるいは蓄熱装置を導入することで、高い総合効率を確保するという対策が考えられる。
【0005】
蓄電装置又は蓄熱装置あるいはその両方を導入したシステムにおいて課題となるのは、ある期間における運転を考えた場合に、どのタイミングで蓄電装置又は蓄熱装置に対する蓄電又は蓄熱を行うのが合理的か、あるいは、どのタイミングで蓄電装置又は蓄熱装置からの放電又は放熱を行うのが合理的かということである。ある期間における蓄電装置又は蓄熱装置の運転を考えた場合、蓄電装置又は蓄熱装置の容量の制約から、一方的に放電又は放熱し続けることはできず、ある時間帯で放電又は放熱により蓄電又は蓄熱量を減少させた分、別の時間帯で蓄電又は蓄熱を行い、蓄電又は蓄熱量を挽回する必要が生じる。また、これらの装置は独立で考えるよりも同時に最適化したほうがより効果が高いことが予想される。
【0006】
従来のエネルギーシステムの運転計画作成法においては、例えば、蓄電装置に関して、夜間に蓄電する時間帯と、電力負荷のピーク時に放電する時間帯を決めてルール的に運転する計画を作成するものが一般的であった。
【0007】
このようなエネルギーシステムの運転計画作成法において、混合整数計画問題を直接適用できることを示唆しているものが見られる(特許文献1)。また、この代用として、メタヒューリスティクス手法を適用し近似解を求める方法が提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−257097号公報
【特許文献2】特開2004−171548号公報
【非特許文献1】「岩波講座 応用数学15〔方法7〕最適化法」(藤田宏,今野浩,田邉國士(1998))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多様なエネルギー形態を同時に対象とするエネルギーシステムに対して、従来のエネルギーシステム運転計画作成方法では、2種類以上のエネルギー貯蔵装置を同時に最適化する運転計画を求める実用的な方法は確立されていないため、エネルギーシステムトータルで見た場合に必ずしも最適な運転がなされているとは言えなかった。
【0009】
例えば、特許文献1において示される混合整数計画問題を適用した場合、現在の技術で扱える課題は混合整数2次計画問題に限定され、このためエネルギーシステムに存在する機器の燃料消費特性が下に凸な2次式で表現されるものに限定されてしまう。また、一般に、このような混合整数2次計画問題は、計算時間の制約から実用に供さないものが多い。
【0010】
また、特許文献2に示されるメタヒューリスティクス手法を適用した場合には、一般にメタヒューリスティクス手法では現実的な計算時間で解が得られるものの、説明容易性を欠く場合が多いため、結果の解析が困難になるという課題があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、複数種類のエネルギーを対象とした多様なエネルギーシステムにおいて、エネルギー貯蔵装置の最適な運転を求め、エネルギーシステム全体での効率を向上させるエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法および運転計画作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、請求項1に記載のように、エネルギー発生装置を複数備えたエネルギー発生装置群と、エネルギーの発生および貯蔵の両方を行うことのできるエネルギー貯蔵装置を複数備えたエネルギー貯蔵装置群とを用いて行うエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法において、所定期間の各時間帯におけるエネルギー貯蔵装置全体の需要を予測するエネルギー需要予測処理と、前記各エネルギー発生装置において所定期間のエネルギー需要を賄うための各時間帯における運転計画を与えるエネルギー発生装置運転計画作成処理と、前記各エネルギー発生装置の分担すべき負荷を与えられたある離散量ずつ複数同時または単独で変化させ、この変化からエネルギー供給コストの変化を計算する処理と、予測された前記エネルギー需要及び前記運転計画に基づき、前記エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵装置の運転計画を、エネルギー発生装置の当該期間におけるエネルギー供給コストの合計が最小となるよう決定するエネルギー貯蔵装置運転計画作成処理と、を実行することを特徴とする。また、本発明では、このような方法の発明を装置の発明として捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数種類のエネルギーを対象とした多様なエネルギーシステムにおいて、エネルギー貯蔵装置の最適な運転を求め、エネルギーシステム全体での効率を向上させるエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法および運転計画作成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のエネルギーシステムの運転計画作成方法は、与えられたエネルギーシステム全体の電熱需要、起動停止計画(各機器の起動/停止情報)、蓄電装置の蓄電量予測値、蓄熱装置の蓄熱量予測値に基づいて、複数時間帯にわたるエネルギー発生装置のエネルギー供給コストが最小となる出力配分値を計算し、運転計画を作成するものである。以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図1〜図6を参照して具体的に説明する。なお、各図を通して同一部分には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0015】
[1.第1の実施形態]
[1−1.概略的構成並びに作用]
図1は、本発明の第1の実施形態(以下、本項において「本実施形態」という。)を表わした全体構成図であり、より具体的にはエネルギーシステム運転計画作成装置1とエネルギー発生システム2との接続構成と、それに基づくエネルギーと制御情報の流れを示すブロック図である。
【0016】
エネルギーシステム運転計画作成装置1は、概略すると、エネルギー貯蔵装置の運転計画D4と、エネルギー発生装置の修正後の運転計画D5と、エネルギー貯蔵装置の修正後の運転計画D6を作成し、それぞれエネルギー発生システム2の機器制御手段17に受け渡す。
【0017】
これを受け取った機器制御手段17は、貯蔵装置運転計画D4と、発生装置修正後運転計画D5および貯蔵装置修正後運転計画D6に基づいて、各機器を制御するための情報を、エネルギー発生装置群21とエネルギー貯蔵装置群22へ、制御信号伝達手段31を介して伝達する。エネルギー負荷23に対しては、エネルギー発生装置群21またはエネルギー貯蔵装置群22からエネルギー伝達手段32を介してエネルギーが供給される。
【0018】
このエネルギーシステム運転計画作成装置1の内部には、エネルギー需要予測手段11と、エネルギー発生装置運転計画作成手段12と、エネルギー貯蔵装置運転作成手段13とを備える。
【0019】
エネルギー需要予測手段11は、将来のエネルギー需要を予測して、エネルギー予測需要を作成し、これを記憶手段D1に記憶させる手段である。また、エネルギー発生装置運転計画作成手段12は、機器設備データベースD3に記憶された機器設備情報に基づいて、エネルギー発生装置の運転計画、すなわち、各機器の起動や停止情報を作成し、これを記憶手段D2に記憶させる手段である。なお、これらのエネルギー需要の予測、及びエネルギー発生装置の運転計画の作成の手法は、従来技術と同様である。
【0020】
本実施形態において特徴を有するのは、エネルギー貯蔵装置運転作成手段13における処理である。このエネルギー貯蔵装置運転作成手段13は、記憶手段D1に記憶されたエネルギー予測需要と、記憶手段D2に記憶されたエネルギー発生装置運転計画、並びに機器接続情報の3つの情報に基づいて、エネルギー貯蔵装置運転計画と、エネルギー発生装置修正後運転計画と、エネルギー貯蔵装置修正後運転計画を作成し、機器制御手段17に送るものである。そこで、以下、このエネルギー貯蔵装置運転作成手段13の構成について詳細に説明する。
【0021】
[1−2.具体的構成並びに作用]
上記の本実施形態の概略に基づき、エネルギー貯蔵装置運転作成手段13の具体的構成について図2のブロック図を参照して説明する。図2に示すように、エネルギー貯蔵装置運転作成手段13は、制約設定手段131と、非線形計画問題求解手段132と、動的計画問題求解手段133とを備える。
【0022】
制約設定手段131は、記憶手段D1に記憶されたエネルギー予測需要と、記憶手段D2に記憶されたエネルギー発生装置運転計画、並びに機器設備データベースD3に記憶された機器設備情報の3つの入力を受け、非線形計画問題求解手段132に対して、問題の設定条件を与えるものである。
【0023】
非線形問題求解手段132は、機器設備データベースD3から得られるエネルギー貯蔵装置の貯蔵量変化における離散量(以下、「貯蔵量ステップ」ともいう。)の組み合わせ各々に対して、分担すべき負荷を与えられたある離散量ずつ複数同時または単独で変化させ、この変化からエネルギー供給コストの変化を計算し、エネルギー供給コスト変化D131に格納するものである。
【0024】
動的計画問題求解手段133は、エネルギー供給コスト変化D131に格納されている値を使用し、エネルギー貯蔵装置の最適な運転計画を求めD4に出力する。同時に修正されたエネルギー発生装置の最適な運転計画を求められるので、D5に出力する。
【0025】
まず、非線形問題求解手段132の処理について述べる。非線形問題求解手段132は、以下の最適化問題をエネルギー貯蔵装置の貯蔵量ステップの組み合わせに対して求解する。図3に2つのエネルギー貯蔵装置の貯蔵量ステップの組み合わせイメージを示す。この図に示されるようなメッシュ状の組み合わせ各々に対して、エネルギー供給コスト変化が、以下の式により求められる。
【0026】
【数1】

ここで、
t:時間帯添え字
i:エネルギー発生装置添え字
s:エネルギー貯蔵装置添え字(エネルギー種別添え字でもある)
N:エネルギーシステム内のエネルギー発生装置数
S:エネルギーシステム内のエネルギー貯蔵装置数
i :エネルギー発生装置iの負荷率に対するエネルギー供給コスト特性
i,t :エネルギー発生装置iの時間帯tにおける負荷率
i,s :エネルギー発生装置iのエネルギー種別sの出力特性
j(s):エネルギー貯蔵装置sの貯蔵量変化ステップ
ΔDPs,j(s) :エネルギー貯蔵装置sの貯蔵量変化ステップj(s)のエネルギー貯蔵量変化
ηs :エネルギー貯蔵装置sの貯蔵効率
なお、式1でエネルギーバランス制約は等式表現としたが、不等式制約を含む場合も同様の扱いが可能である。
【0027】
上記式1のような、連続型の非線形問題に対しては、例えば、逐次2次計画法を適用することで解を得ることができる。逐次2次計画法は、各反復において元の問題を近似した2次計画問題を逐次解いていく方法であるがその詳細は、例えば、非特許文献1に記述されているのでここでは省略する。このような方法によれば、エネルギー供給コスト特性は2次特性に限定されることはない。
【0028】
次に、動的計画問題求解手段133について述べる。
今後、全エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵量は、以下のベクトルで表現することにする。このベクトルをエネルギー貯蔵状態とも呼ぶことにする。
t,s,m
ここで、t,s,mはそれぞれ以下を表す添え字とする。
t:時間帯
s:エネルギー貯蔵装置番号
m:貯蔵量ステップ
【0029】
時間帯t−1から時間帯tへの全エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵状態の変化は以下のベクトルで表現される。
ΔDPt,s,m,l=Vt,s,m−Vt-1,s,l
この変化分は、エネルギーシステム全体のエネルギー需給バランスを確保するために、その他のエネルギー発生装置の発生エネルギーに反映される。したがって、このベクトル値を(式1)に代入して非線形計画問題を求解することで、エネルギー貯蔵量Vt-1,s,lから、エネルギー貯蔵量Vt,s,mへのエネルギー発生装置のエネルギー供給コスト変化
ΔC(Vt-1,s,l',Vt,s,m
が計算できる。
【0030】
実際には本値は、エネルギー供給コスト変化D131に格納されている値を使用する。エネルギー貯蔵状態の時間遷移を考えた際に、エネルギー貯蔵状態同士を結ぶ経路のことをパスと呼ぶことにする。ある時間帯t−1におけるエネルギー貯蔵量Vt-1,s,lまでのエネルギー供給コスト変化量が最小なパスと、そのときの当該エネルギー貯蔵状態Vt-1,s,lに到達するまでの、時間帯t−1までのエネルギー発生装置のエネルギー供給コスト変化合計Φ(Vt-1,s,l)が求まっているときに、次の時間帯tにおけるエネルギー貯蔵量に到達する最適なパスは、以下の式2により計算できる。
【0031】
Φ(Vt,s,m)=min[Φ(Vt-1,s,l)+ΔC(Vt,s,m)] …式2
通常は、エネルギー貯蔵量の始端、終端条件、容量上下限も与える。
【数2】

【0032】
この計算を初期時間帯から最終時間帯まで逐次的に実行していくことで、最終時間帯におけるエネルギー供給コスト変化を計算できるが、そのうちでエネルギー供給コスト変化が最小(すなわちエネルギー発生装置のエネルギー供給コスト削減効果が最大の)パスを選択することができるが、そのパスがすなわち、エネルギー貯蔵装置の最適な運転計画である。
【0033】
以上のような本実施の形態によれば、与えられたエネルギーシステム全体の予測需要、エネルギー発生装置の運転計画(各機器の起動/停止情報)に応じて、複数時間帯にわたるエネルギー発生装置のエネルギー供給コスト最小な出力配分値を計算することができ、これにより、複数種類のエネルギーを対象とした多様なエネルギーシステムにおいて、エネルギー貯蔵装置の最適な運転を求め、エネルギーシステム全体での効率を向上させることができる。
【0034】
[2.第2の実施形態]
次に第2の実施の形態(以下、本項において「本実施形態」という。)について、図4のブロック図を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態におけるエネルギー貯蔵装置運転作成手段13の具体的構成に改良を加えたものである。なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0035】
図4において、制約設定手段131は、記憶手段D1に記憶されたエネルギー予測需要と、記憶手段D2に記憶されたエネルギー発生装置運転計画、並びに機器設備データベースD3に記憶された機器設備情報の3つの入力を受け、非線形計画問題求解手段136に対して、問題の設定条件を与えるものである。
【0036】
非線形計画問題求解手段135は、エネルギー貯蔵装置運転計画D4としてエネルギー貯蔵装置の貯蔵量ステップ値を得る。このステップ値を制約条件として、エネルギー発生装置およびエネルギー貯蔵装置の最適な配分を計算し、エネルギー発生装置修正後運転計画を記憶手段D5に出力し、エネルギー貯蔵装置修正後運転計画を記憶手段D6に出力する。
【0037】
非線形問題求解手段135は、以下の最適化問題を求解する。ここで、エネルギー貯蔵量ステップ制約は、記憶手段D4に記憶されたエネルギー貯蔵装置運転計画から求めたエネルギー貯蔵装置の貯蔵量ステップ値の範囲にエネルギー貯蔵量があるという制約を表している。図5に、上記第1の実施形態形態で求めた離散的な解と、本実施形態において求める連続値の解の違いを示す。
【0038】
【数3】

ここで、
T:計算期間
である。
【0039】
以上のような実施の形態によれば、第1の実施形態における方法よりもさらに高精度な解を得ることができる。
【0040】
[3.第3の実施形態]
次に第3の実施の形態(以下、本項において「本実施形態」という。)について、図6のブロック図を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態におけるエネルギー貯蔵装置運転作成手段13に代えて、エネルギー供給単価算出手段14と、起動停止順位算出手段15と、から構成したものである。なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0041】
エネルギー供給単価計算手段14は、エネルギー供給単価を作成し、これを記憶手段D7に記憶する。起動停止順位算出手段15は、このエネルギー供給単価の入力に基づき、起動停止順位を作成し、記憶手段D8に記憶する。
【0042】
エネルギー発生装置起動停止考慮エネルギー貯蔵装置運転計画作成手段16は、エネルギー貯蔵装置運転計画D4、エネルギー発生装置修正後運転計画D5、およびエネルギー貯蔵装置修正後運転計画D6を作成する。
【0043】
エネルギー単価計算手段14で計算する運転単価は、例えば、以下の(式4)で計算される。
【数4】

【0044】
この値が大きいエネルギー発生装置ほど効率が悪い運転と考えられるため、停止候補となる。逆に起動候補は、例えば、最大負荷率における(式4)の値が小さいエネルギー発生装置となる。
【0045】
したがって起動停止順位算出手段15は、この値が大きい順にエネルギー発生装置をソートする。エネルギー発生装置起動停止考慮エネルギー貯蔵装置運転計画作成手段16は、起動停止順位D8の順に発電機を停止した条件の元で(式1)の評価式を行い、以降は第1の実施の形態に示した手順と同様に、エネルギー貯蔵装置運転計画D4、エネルギー発生装置修正後運転計画D5、エネルギー貯蔵装置修正後運転計画D6を作成する。
【0046】
以上のような実施の形態によれば、当初与えられたエネルギー発生装置運転計画からさらに低コストのエネルギー発生装置運転計画およびエネルギー貯蔵装置運転計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエネルギーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るエネルギーシステムの部分構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るエネルギー貯蔵装置の貯蔵量ステップ組み合わせを示すイメージ図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るエネルギーシステムの部分構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施形態形態における解と第2の実施形態における解の相違を示すイメージ図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るエネルギーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図7】電力負荷及び熱負荷の一日の変化例を示す図。
【図8】電熱発生装置の負荷率に対する発電出力及び回収熱量例を示す図。
【符号の説明】
【0048】
1…エネルギーシステム運転計画作成装置
2…エネルギーシステム
11…エネルギー需要予測手段
12…エネルギー発生装置運転計画作成手段
13…エネルギー貯蔵装置運転計画作成手段
14…エネルギー供給単価計算手段
15…起動停止順位算出手段
16…エネルギー発生装置起動停止考慮エネルギー貯蔵装置運転計画作成手段
17…機器制御手段
21…エネルギー発生装置群
22…エネルギー貯蔵装置群
23…エネルギー負荷
24…電力負荷
25…熱負荷
31…制御信号伝達手段
32…エネルギー伝達手段
131…制約設定手段A
132…非線形計画問題求解手段A
133…動的計画問題求解手段
135…制約設定手段B
136…非線形計画問題求解手段B
D1…エネルギー予測需要
D2…エネルギー発生装置運転計画
D3…機器設備データベース
D4…エネルギー貯蔵装置運転計画
D5…エネルギー発生装置修正後運転計画
D6…エネルギー貯蔵装置修正後運転計画
D7…エネルギー供給単価
D8…起動停止順位
D131…エネルギー供給コスト変化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー発生装置を複数備えたエネルギー発生装置群と、エネルギーの発生および貯蔵の両方を行うことのできるエネルギー貯蔵装置を複数備えたエネルギー貯蔵装置群とを用いて行うエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法において、
所定期間の各時間帯におけるエネルギー貯蔵装置全体の需要を予測するエネルギー需要予測処理と、
前記各エネルギー発生装置において所定期間のエネルギー需要を賄うための各時間帯における運転計画を与えるエネルギー発生装置運転計画作成処理と、
前記各エネルギー発生装置の分担すべき負荷を与えられたある離散量ずつ複数同時または単独で変化させ、この変化からエネルギー供給コストの変化を計算する処理と、
予測された前記エネルギー需要及び前記運転計画に基づき、前記エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵装置の運転計画を、エネルギー発生装置の当該期間におけるエネルギー供給コストの合計が最小となるよう決定するエネルギー貯蔵装置運転計画作成処理と、
を実行することを特徴とするエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置運転計画作成処理は、各エネルギー貯蔵装置の貯蔵量変化における離散量が与えられたときに、各エネルギー貯蔵装置の運転計画を、与えられた前記離散量の範囲内において連続値が取れる条件のもとで、エネルギー発生装置の当該期間におけるエネルギー供給コストの合計が最小となるよう決定するものであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法。
【請求項3】
任意のエネルギー発生装置の任意の時間帯におけるエネルギー供給単価を計算するエネルギー供給単価計算処理と、
与えられたエネルギー発生装置の運転計画から、任意のエネルギー発生装置の任意の時間帯の起動停止状態を変更する起動停止計画変更処理と、
を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエネルギー貯蔵装置の運転計画作成方法。
【請求項4】
エネルギー発生装置を複数備えたエネルギー発生装置群と、エネルギーの発生および貯蔵の両方を行うことのできるエネルギー貯蔵装置を複数備えたエネルギー貯蔵装置群とを有し、運転計画を作成するエネルギー貯蔵装置の運転計画作成装置において、
所定期間の各時間帯におけるエネルギーシステム全体の需要を予測するエネルギー需要予測手段と、
前記各エネルギー発生装置において所定期間のエネルギー需要を賄うための各時間帯における運転計画を与えるエネルギー発生装置運転計画作成手段と、
前記各エネルギー発生装置の分担すべき負荷を与えられたある離散量ずつ複数同時または単独で変化させ、この変化からエネルギー供給コストの変化を計算する手段と、
予測された前記エネルギー需要及び前記運転計画に基づき、前記エネルギーシステムのエネルギー貯蔵装置の運転計画を、エネルギー発生装置の当該期間におけるエネルギー供給コストの合計が最小となるよう決定するエネルギー貯蔵装置運転計画作成手段と、
を備えたことを特徴とするエネルギー貯蔵装置の運転計画作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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