説明

エフェクター機能が向上した抗体

【課題】エフェクター機能が増強された抗体、該抗体を簡易に製造する方法、抗体のエフェクター機能を向上させる方法、及び該抗体を含み、薬理活性が高く投与量を低減でき、しかも副作用が少なく、広範な用途に利用可能な治療用組成物を提供する。
【解決手段】(1)特定の位置の複数のアミノ酸が置換したムテイン抗体、(2)抗体に結合する糖鎖のフコースが低減された抗体であって、KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸が、システイン残基に置き換えられた抗体。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸がシステイン残基に置き換えられた抗体であって、以下の(a)及び/又は(b)に記載の特徴を有する抗体;
(a)定常領域において295番目以外の3つのアミノ酸が他のアミノ酸に置き換えられた抗体、及び/又は
(b)Fc領域に結合しているN-グリコシド結合糖鎖において還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない抗体。
【請求項2】
KabatのEUインデックス番号で298、333、334、及び295番目のアミノ酸が、それぞれ、アラニン、アラニン、アラニン、及びシステイン残基に置き換えられたことを特徴とする抗体。
【請求項3】
KabatのEUインデックス番号で239、330、332、及び295番目のアミノ酸が、それぞれ、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、及びシステイン残基に置き換えられたことを特徴とする抗体。
【請求項4】
KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸が、システイン残基に置き換えられた抗体であって、Fc領域に結合しているN-グリコシド結合糖鎖において還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない抗体。
【請求項5】
定常領域がヒトIgGの定常領域である請求項1から4の何れかの項に記載の抗体。
【請求項6】
ヒト細胞表層存在分子を認識する部位を有する、請求項1から5の何れかの項に記載の抗体。
【請求項7】
サイトカイン受容体、細胞接着分子、がん細胞表層分子、がん幹細胞表層分子、血液細胞表層分子、ウイルス感染細胞表層分子からなる群から選択される少なくとも一つを認識する、請求項1から6の何れかの項に記載の抗体。
【請求項8】
抗原CD3、CD11a、CD20、CD22、CD25、CD28、CD33、CD52、Her2/neu、EGF受容体、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFalpha受容体、VEGF受容体、CTLA−4、AILIM/ICOS、インテグリン分子からなる群から選択される少なくとも一つを認識する、請求項1から7の何れかの項に記載の抗体。
【請求項9】
請求項1から8の何れかの項に記載の抗体をコードする単離された核酸。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸を含むベクター。
【請求項11】
請求項10に記載のベクターを有する宿主細胞又は宿主生物。
【請求項12】
請求項11に記載の宿主細胞又は宿主生物を、核酸がコードする抗体を発現するように培養することを特徴とする抗体の製造方法。
【請求項13】
請求項1から8の何れかの項に記載の抗体を含む治療用組成物。
【請求項14】
KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸残基がシステイン残基に置き換えられたエフェクター機能を有する抗体を発現する細胞であって、還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースを付加する酵素の活性が低減、または欠失した細胞。
【請求項15】
以下(1)から(3)の工程を含むエフェクター機能が向上した抗体の製造方法;
(1)エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で298、333、334、及び295番目のアミノ酸を、それぞれ、アラニン、アラニン、アラニン、及びシステイン残基に置き換える工程、
(2)KabatのEUインデックス番号で298、333、334、及び295番目のアミノ酸が、それぞれ、アラニン、アラニン、アラニン、及びシステイン残基に置換されたH鎖をコードするDNA、及び、L鎖をコードするDNAを宿主細胞又は宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、及び
(3)発現産物を回収する工程。
【請求項16】
以下(1)から(3)の工程を含むエフェクター機能が向上した抗体の製造方法;
(1)エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で239、330、332、及び295番目のアミノ酸を、それぞれ、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、及びシステイン残基に置き換える工程、
(2)KabatのEUインデックス番号で239、330、332、及び295番目のアミノ酸が、それぞれ、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、及びシステイン残基に置き換えられたH鎖をコードするDNA、及び、L鎖をコードするDNAを宿主細胞又は宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、及び
(3)発現産物を回収する工程。
【請求項17】
以下(1)から(3)の工程を含むエフェクター機能が向上した抗体の製造方法;
(1)エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸残基をシステイン残基に置き換える工程、
(2)KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸残基がシステイン残基に置き換えられたH鎖をコードするDNA、及び、L鎖をコードするDNAを、還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースを付加する酵素の活性が低減、または欠失した宿主細胞又は宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、及び
(3)発現産物を回収する工程。
【請求項18】
エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で298、333、334、及び295番目のアミノ酸を、それぞれ、アラニン、アラニン、アラニン、及びシステイン残基に置き換える工程を含む、抗体のエフェクター機能を向上させる方法。
【請求項19】
エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で239、330、332、及び295番目のアミノ酸を、それぞれ、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、及びシステイン残基に置き換える工程を含む、抗体のエフェクター機能を向上させる方法。
【請求項20】
下記(1)から(3)の工程を含む抗体のエフェクター機能を向上させる方法;
(1)エフェクター機能を有する抗体におけるKabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸残基をシステイン残基に置き換える工程、
(2)KabatのEUインデックス番号で295番目のアミノ酸残基がシステイン残基に置き換えられたH鎖をコードするDNA、及び、L鎖をコードするDNAを、還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースを付加する酵素の活性が低減、または欠失した宿主細胞又は宿主生物に導入し、該DNAを発現させる工程、及び
(3)発現産物を回収する工程。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−95249(P2009−95249A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267207(P2007−267207)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(390004097)株式会社医学生物学研究所 (41)
【出願人】(302060306)大塚化学株式会社 (88)
【Fターム(参考)】