説明

エマルションまたは分散体の製造中のインラインプロセス制御用の装置

エマルションまたは分散体の製造中のオンライン(on-line)プロセス制御用の装置を開示している。前記装置は、エマルションまたは分散体を受容するための容器と、前記エマルションまたは分散体へ攪拌入力を生じさせるために前記容器内に配置した攪拌ツールと、前記攪拌入力を連続的に測定するための装置と、前記エマルションまたは分散体の温度および伝導度を連続的に測定するために前記容器内に配置した感応性プローブ類と、前記攪拌入力、前記温度、および前記伝導度を連続的に記録するための記録装置とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エマルション類または分散体類の製造中のインラインプロセス制御用の装置、エマルション類または分散体類の製造に適したプロセスパラメータ類を求めるためのかかる装置の使用、およびエマルション類または分散体類の製造に適したプロセスパラメータ類を求めるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エマルション類および分散体類の製造は、通常、攪拌機反応容器内で断続的に行われる。この場合、投入原料の所要量を混合容器に計量し、そして高速攪拌入力によって乳化または分散する。一般に、この目的のために高性能攪拌機類が使用され、これがキャビテーション力を発生させることができる。あるいは、高圧均質化を行うことがよくある。製造されるエマルション類および分散体類の制御並びにそのプロセスの制御は、通常、対応する混合負荷の完成品において行われるのみである。生産プロセスの連続的な制御は、通常、不可能である。製品は、いずれの場合も、対応する混合負荷の完了後に分析できるのみであることから、エマルション類および分散体類の製造に有利なもしくは最適なプロセスパラメータ類の設定は困難である。最適化された製造は、―仮にあるとすれば、―非常に多くの反復工程を伴う複雑な方式でのみ実行可能である。プロセスパラメータ類と、その結果として(例えば、攪拌入力、温度、および原料の添加方法を介して)得られる製品との相互依存の確認は、既知のプロセスに従って実行することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、エマルション類または分散体類の製造中のインラインプロセス制御用の装置、並びにエマルション類または分散体類の製造に適したプロセスパラメータ類を求めるための方法を提供することであって、ここで、当該技術分野の状況から既知の前記装置類およびプロセス類の欠点は避けるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的は、エマルション類または分散体類の製造中のインラインプロセス制御用の本発明による装置によって達成され、これには、エマルションまたは分散体を受容するための容器、前記エマルションまたは分散体への攪拌入力を生じさせるために前記容器内に配置した攪拌ツール、前記攪拌入力を連続的に測定するための装置、前記エマルションまたは分散体の温度および伝導度を連続的に測定するために前記容器内に配置した測定プローブ類、並びに前記攪拌入力と、前記温度と、前記伝導度とを連続的に記録するための記録装置が包含される。
【0005】
装置は、例えば、実験室規模での、パイロットプラント規模での、または生産規模でのエマルション類および分散体類の断続的な製造に役立つ。
【0006】
前記目的は、更に、エマルション類または分散体類の製造に適したプロセスパラメータ類を求めるためのかかる装置を用いても達成される。
【0007】
前記目的は、更に、エマルション類または分散体類を製造するのに適したプロセスパラメータ類を求めるための方法によっても達成され、ここで、装置には、前述のように、エマルション類または分散体類の出発原料を合わせてまたは別個に前記容器に入れ、そして攪拌入力を発生させることによって混合すること、および攪拌入力と、伝導度と、温度とを連続的に測定し、そして必要ならば、攪拌入力および/または容器の温度を、得られた測定値に応じて修正する。
【0008】
先ず第一に、本発明による装置は、エマルションもしくは分散体またはエマルションもしくは分散体の原料を受容するためのみならず、エマルションまたは分散体の温度および伝導度を連続的に測定するための測定プローブ類を収容するための容器を包含する。温度と伝導度の測定は、組み合わせた測定プローブで行ってよい。加えて、容器は、攪拌ツールを収容することができるようにも設計される。容器は、攪拌機反応容器類とちょうど同じように一面が(上部で)開放されていてよい。これは標準的な場合である。全ての面を閉じるように容器を設計することも可能であり、この場合、容器は、入口および出口、並びに攪拌機用の通路または分析センサー用の通路の他は閉じている。
【0009】
攪拌ツールは、エマルションまたは分散体へ機械的な攪拌入力を生じさせることができる。この目的のために、本発明の一実施形態によれば、攪拌ツールが、キャビテーション力を生じさせずにかつ高圧均質化処理せずに機能するような方式で設計される。好ましい攪拌ツール類では、適当な攪拌要素類が、回転式攪拌機シャフトに配置される。この場合、攪拌ツールは、回転式攪拌シャフトを介して攪拌機モータによって駆動される少なくとも一つの攪拌要素を含む。攪拌ツールは、いわゆるロータ/ステータシステム類で代表されてもよく、この場合、ロータは、モータで駆動されて、作動する。一般に、ハウジングはステータの役割を果たし、このハウジングは、粉砕機類などの内部装置類を備えてよい。例えば、インペラ類は攪拌機類と考えることができ、これには場合により、剥離装置類を備えてもよい。更に、代替物としては、ニーダ類およびその他の好適な攪拌機類、例えば、遊星形パドルミキサー類、アンカー攪拌機、ビーム攪拌機、プロペラ類、ブレード攪拌機類、ディソルバーディスク類、インターミグ(Intermig)類を用いてもよい。別の好適な攪拌機形態類も当業者には既知である。
【0010】
攪拌ツールは、好ましくは、キャビテーション力を生じさせずにかつ高圧均質化処理せずに、エマルションまたは分散体へ攪拌入力を生じさせるような方式で操作される。
【0011】
ホモジナイザは、更に、攪拌容器内(例えば、底部付近)にまたは攪拌容器の一部として提供されてよい。容器は、更に、循環装置を含んでもよく、この場合、例えば、ホモジナイザが提供されてもよい。
【0012】
加えて、研削ビーズまたはボールなどの研削ツール類が、場合により容器内に装備されてもよい。好適な研削ツール類は、当業者に既知である。
【0013】
容器(混合容器)は、流動性材料類または材料混合物類を、あるいは製造すべきエマルション類および分散体類の相それぞれを、好適に相互混合できるのであれば、適当な幾何学的構造を有してよい。好適な幾何学構造は当業者に既知である。混合容器は、好ましくは実質的に円柱状の内部形状のものであって、攪拌ツールの軸は円柱軸の中に配置される。測定プローブ(単数または複数)は、容器の円柱状の空間内に直接提供されてよい。2つの円柱状容器を提供することも可能であって、これらは互いに平行でかつ間隔を空けた関係で配置され、そして攪拌入力によって、両方の円柱状容器内で相互混合を行うことができるような方式で、下端で互いに連通している。添付の図面1〜3には、この種の一実施形態が描写されている。
【0014】
以降で各図面を更に詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2は、本発明による装置内に備えられた容器の断面図を示している。容器は、温度制御用のジャケットを包含し、この中には、温度制御流体を通過させることができる。図1の左上と右下には、温度制御剤(特に、冷却剤または加熱剤)のための入口と出口がそれぞれ示されている。対応する入口と出口は、図2の底部と上部にも(破線の)円形で示されているが、図3では容器の左右に認識できる。図1〜3に示すように、様々な直径の2つの円柱状の陥凹部が冷却/加熱ジャケット内に備えられており、前記円柱状の陥凹部は下部領域で互いに連結されている。このことは、特に、図2から明白である。図2は、左側に小さい方の直径の円柱状開口部が、そして右側に大きい方の直径の円柱状開口部が示されており、これらは下部領域で互いに連結されている。左の開口部は、温度と伝導度を測定するための測定プローブを受容し、一方で、右の開口部は攪拌ツールを収容する。測定プローブと攪拌ツールはいずれも上から挿入される。対応する開口部類を上から図3に表す。作動中、エマルション類/分散体類の相互混合は、左の円柱状の開口部内において、混合されたエマルション/分散体が更に測定プローブのそばを流動するように、攪拌ツールによって達成される。
【0016】
その寸法に関し、本発明に従って用いられる(混合)容器は、それぞれの実施要件に準じて選択されてよい。実験規模では、(混合)容器の内部体積(自由体積)は、好ましくは50mL〜10Lまで、好ましくは100mL〜5Lまで、特に300〜1000mLである。パイロットプラント規模では、内部体積は、好ましくは5〜100Lまで、特に好ましくは10〜50Lである。大規模な工業規模もしくは生産規模では、前記体積または取り入れ容量はそれぞれ、好ましくは20トンを越え、例えば50トンを越える。
【0017】
実験規模では、例えば、円柱状の陥凹部の高さが約13cmの(混合)容器類を使用してよい。陥凹部の内径は、例えば、15〜48mmである。ジャケットを包含する容器全体の外径は、例えば92mmである。図示する容器の総体的な円柱状実施形態では、ジャケットを包含する外径は、好ましくは50〜350mmである。大きい方の円柱状の開口部の直径は、好ましくは25〜300mmである。
【0018】
図1〜3は、温度制御ジャケットを表しており、この中に温度制御剤を流す。ただし、容器の温度を制御するためのその他の好適な装置が提供されてもよい。
【0019】
例えば連続的に、生産規模における混合容器の内容物の一部を取り出し、そしてそれを本発明による装置に供給することも可能である。この場合、攪拌入力は、例えば、両方の容器内で互いに適応されてよい。本発明による装置内で有利なプロセスパラメータ類を求め、そしてそれらをほぼリアルタイムで生産に適用することも可能である。
【0020】
本発明による装置は、特に、エマルション類または分散体類の断続製造に役立つ。このプロセスでは、図示した容器に、エマルション類または分散体類の原料を、上部に備えられた開口部から供給して、完成した分散体またはエマルションも同様にこの開口部から排出する。容器と、供給および排出手段との代替の幾何学的構造は、当業者には既知である。インラインプロセス制御用の装置はまた、パイロットプラント規模または生産規模において既に存在している従来型の攪拌容器類に一体化(例えば、改造)してもよい。
【0021】
攪拌入力が、回転式攪拌シャフトを介して攪拌機モータによって駆動される攪拌要素によって導入される場合、攪拌シャフトはその長さ方向に沿って、好ましくは、攪拌要素と攪拌モータが互いに電気的に絶縁されるような方式で電気絶縁を含む。この絶縁の一例となる一実施形態を図4に模式的に示す。この場合、Rは、攪拌シャフトを表しており、Sは、前記攪拌シャフト上に延伸された、非導電性合成材料から成る熱収縮可能なホースを表しており、そしてMは、熱収縮可能なホースに押し付けられた金属スリーブを表している。攪拌シャフトの電気絶縁は、攪拌シャフトと金属スリーブの間に配置された熱収縮可能なホースによってもたらされる。この絶縁は、伝導度/温度測定への起こり得る妨害を回避する。
【0022】
図5は、一例として、装置全体の模式的な構造を示している。攪拌ツールRuは磁気テープMaを含み、これは、その結果、回転速度センサーDr用の信号変換機として働く。攪拌ツールの攪拌シャフトは容器の方へ突き出ている。更に、温度および伝導度を測定するための測定プローブLeも同様に容器の方へ突き出ている。回転速度センサーと測定プローブとはいずれも、制御−および記録装置Stに接続されており、これは、その結果、コンピュータReによって始動されて、データをコンピュータに送る。温度と回転速度の制御、並びにパラメータ類の測定はモニターMoを介して確認することができる。入力ユニット(例えば、キーボード)を用いてコンピュータや制御装置を作動してもよいが、これは図示していない。通常は、情報出力媒体も同様に提供される。攪拌機モータの作動や、場合により、エマルション類もしくは分散体類の原料のためのポンプ類または投与装置類の作動、並びに測定値の捕捉も、中央コンピュータによって作動されてよい。入手した測定値類(パラメータ類)の評価も同様に、好ましくは中央コンピュータによって行われる。
【0023】
攪拌入力の連続的な記録、および温度と伝導度との連続的な記録は、コンピュータを用いて行われてよいが、プリンタ類またはプロッタ類などの別の好適な媒体を介して行われてもよい。これに関連して、攪拌入力や、場合により容器の温度制御は、コンピュータ制御されており、攪拌入力と、温度と、伝導度との連続的な記録、および妥当な場合には、評価も同様にコンピュータ援用法で行われる。
【0024】
本発明による装置は、十分に配合されたエマルション類および分散体類をそれらの温度および剪断性能について評価することを可能にする。加えて、重要なパラメータ類を、エマルション類および分散体類の製造中に求めて最適化してもよい。一般に、分散体類の製造中の顔料の添加は、重要な意味を持つ。本発明による装置は、エマルションに顔料をどの程度入れなければならないか、そして理想的には顔料の添加をいつ行うべきかを、単純な方法で決定することができる。加えて、エマルション中でのLC−相の形成を、時間分解法で確認してもよい。攪拌速度を変えることによって、スケールアップ・パラメータ類を生産中に求めてもよい。LC−ゲル網状組織の形成は、様々な温度における伝導度によって求めることができる。遅いもしくは速い回転速度の影響も、この場合、同様に観察される場合がある。
【0025】
パイロットプラント規模または生産規模でのエマルション類および分散体類の製造中に、各プロセス工程でのおよびプロセス中の各時点での相互混合、あるいは乳化または分散それぞれの進捗は、好適な測定類、例えば、攪拌入力の調節、エマルションまたは分散体の構成成分類の温度または添加(時間、測度、量)の調整が、エマルション類または分散体類の製造を最適化するために引き起こされ得るように、遅滞無くリアルタイム(すなわち、インライン)で、そして攪拌容器自体の中で分析してよい。
【0026】
総じて、1つ以上の前記パラメータ類の連続的な決定によって、連続的なプロセス制御やエマルションまたは分散体の組成の連続的な制御が可能となる。これにより、製造中の品質保証がかなり改善されるかまたは単純化される。これは、特に、医薬品において極めて重要である。
【0027】
本発明による装置は、例えば、水中油型エマルション類または水性分散体類の製造のための理想的なインラインプロセス制御を可能にする。製造中、攪拌機の周速度、エマルション/分散体の温度、およびエマルション/分散体の伝導度などの重要なパラメータ類は、自動的に連続して記録される。伝導度データは、乳化プロセス中に確立され、温度と攪拌強度とに応じて、エマルション構造の非常に良好な解明を可能にする。エマルション/分散体の伝導度は、その分散度、粘度および構造と直接因果関係がある。
【0028】
分散体類のインライン伝導度測定による分散度の決定
分散度が増加すると、エマルション/分散体それぞれの伝導度、またはイオンの移動度が水相中で低下する。というのも、分散度が増加するにつれて、粘度がアインシュタインによる関係式の観点では増加するためである。そのため、エマルション/分散体における粘度と分散度との平衡が優先する。
【0029】
例えば、顔料をo/w−エマルションに混合する場合、この顔料の添加後に伝導度が低下する。顔料の添加中の攪拌速度が十分に高ければ、顔料のほぼ添加直後に平衡が成り立つ。顔料の添加が増加すると、顔料の分布は、特定の攪拌出量では、より長くかかる。平衡が極めて緩慢にしか進まない場合、周速度を増加することが有利である。図6から分かるように、本発明に準じる装置によるインライン測定は、このプロセスを非常に上手く反映する。図6は、エマルションへの顔料の添加を示している。矢印で示した位置では、攪拌しながら顔料を2gずつエマルションに添加した。伝導度は、測定時間の関数として求めた。曲線は、時間的均衡が達成された結果を示唆する(曲線の勾配はゼロに近づいていく)。顔料の最後の添加後に、伝導度が更に連続して低下することが分かる。これは、顔料の最後の添加前に、平衡時に比べて最大量の顔料が、選択された攪拌速度で添加されたことを表す。結果として、本発明によれば、顔料分散の間接的な測定と、エマルション中に分散できる顔料の量の測定とが可能となる。
【0030】
エマルション類
一方、エマルション類では、伝導度は、分散度の増加に伴って必ずしも低下しなくてよい。そこで、それは、分散度の増加に伴って、更に増加する場合もある。この現象は、特に無機乳化剤類を用いた場合に生じる。油滴の分散度が増加するのに伴って、更に大きな界面が現れ、これが乳化剤で専有される。乳化剤のカウンターイオンの解離を経由して、水相中のイオン濃度、および結果として、エマルションの伝導度が増加する。無機乳化剤類によって安定化されたo/w−エマルションの伝導度がどのようにして増加するかについての典型的な例を図7に示す。図7では、伝導度を測定時間に対してプロットしている。個々の矢印は、エマルションの製造中の様々な添加を示している。初めに、脱塩水から進める。矢印で示した最初の位置では、キサンタンガムを添加した。矢印で示した二番目の位置では、油相を添加した。矢印で示した三番目の位置では、エマルションの冷却を開始して、LC−相の形成を引き起こした。LC−相の形成は、伝導度に基づいて速やかに判る。
【0031】
構造形成の検出
水中油型エマルションは、液晶ゲル網状組織によって安定化されることがよくある。混合する乳化剤類の融点に応じて、これらは、60℃未満の温度範囲で形成される。
【0032】
本発明による装置は、形成が始まる温度と、それが完了する温度とを、極めて上手くたどることができる。
【0033】
そのため、最適な均質化が生じるべき臨界温度、または、例えば防腐剤類を好ましく投入すべき臨界温度を検出することが可能である。図8には、冷却時の臨界ゲル網状組織温度の確認を示す。伝導度が、温度に対してプロットされている。低温では、LC−ゲル網状組織が存在する。好ましくは、防腐剤類は、より少量が良好な有効性に必要なことから、LC−ゲル網状組織が存在する前記温度で導入される。伝導度が増加する温度では、粒径が、その後の均質化によって再び減少する可能性がある。LC−ゲル網状組織への転移温度はまた、(例えば光保護剤の)耐水性に関する結論も容認する。約30℃での転移は、この場合、非耐水性の組成物を意味する。
【0034】
図9は、乳化にかかる時間に対する、攪拌速度の影響を表している。どの場合も、伝導度が、測定時間に対してプロットされている。乳化が、攪拌速度3,15m/sで生じた場合、安定なエマルションは約2000秒後までに形成されるが、攪拌速度1,44m/sでは3000秒超を要する。結果として、本発明による装置によれば、最適な攪拌速度、およびその結果としてのスケールアップ・パラメータ類を求めることができる。
【0035】
図10は、様々な製造温度でのLC−ゲル網状組織形成能力を示す。伝導度が、温度に対してプロットされている。第1LC−ゲル網状組織は80℃で生成され、第2LC−ゲル網状組織は65℃で生成された。高温で生成されたゲル網状組織の場合、図10に示すように、より低い伝導度はより低い温度で生じる。
【0036】
前述の例は、本発明による装置を使用することによって、そして本発明によるプロセスを用いることによって、エマルション類および分散体類の製造のための多数の実施関連プロセスパラメータ類を見つけ出すことができることを示している。重要なパラメータ類を、単純な方法で求めることができる。攪拌入力を変更することによって、エマルションの質を、攪拌速度に応じて見積もることもできる。測定データ、攪拌速度、伝導度、および温度は、(混合)容器内で直接求められる。
【0037】
本発明によれば、分散相の多種多様な容積測定割合を有するエマルション類および分散体類の製造を評価することができる。通常、分散相の容積測定割合に対するエマルションまたは分散体の粘度の依存は、指数関数に相当する。本発明にしたがって操作可能な重要な粘弾性領域は、粘度が容積測定割合と共に極めて顕著に増加する領域である。二重相エマルションの場合、相の重量比は、好ましくは1:15〜15:1、好ましくは1:5〜5:1、好ましくは1:2〜2:1、特に1:1.5〜1.5:1の範囲で選択される。特に水中油型エマルション類(o/w)、油中水型エマルション類(w/o)および油中ポリオール型エマルション類(p/o)の場合、対応する相の重量部は、好ましくはこの範囲にある。
【0038】
エマルション類および分散体類の製造中、最初に高い粘度範囲で作業し、そしてその後、更に希釈することによって、低い粘度範囲で作業することも可能である。微粒子エマルションまたは分散体の設定は、これに関連して高い粘度範囲で達成されるが、最終濃度への希釈がその後で生じる。粘弾性の記述については、レンプ(Rompp)、ヘミーレキシコン(Chemielexikon)(化学百科事典)、第9版、キーワード「粘弾性(Viskoelastizitat)」を参照する。
【0039】
2つの相の求められた量比に従うことによって、極めて強い混合作用は、低い剪断エネルギーの入力によっても達成される場合がある。理論に束縛されないが、相を混合するときに生成されるマイクロエマルションは、マイクロエマルションが単層の性能を示すことができるように、2つの相互貫入する網状組織の系と理解されてよい。
【0040】
伝導度は、相の容積比についての結果を容認する。そのため、伝導度を測定することによって、エマルションの組成変化または相の容積それぞれの変化を容易に求めることができる。プロセス制御は、例えば生産規模で、例えば1トン規模まで(例えば、1〜20トンの範囲のエマルションまたは分散体)で、インラインで(すなわち、製造プロセス中に連続して)行われる。これは、最後には理想的なバッチを生成することができるように、エマルション類または分散体類の組成の偏差に直ぐに反応することができる。例えば、攪拌入力を制御することによって、エマルション類および分散体類の製造を制御してよい。プロセス制御は、これに関し、記載した測定によって、例えば、攪拌機反応器または混合容器の中で直接行われ、それによって、結果として、例えば市販製品の場合、生産または質の制御がもたらされる。
【0041】
(混合)容器の温度制御の他に、エマルション類および分散体類のための出発原料の供給は、コンピュータ制御された方式で同様に行われてもよい。プロセスパラメータ類は全て、中央コンピュータによって制御およびモニターされてよい。センサーによって与えられる測定値も、好ましくは同様に、上述のように、コンピュータに供給されて、コンピュータ援用法で評価される。
【0042】
(混合)容器は、いかなる好適な材料から構成されてもよい。好適な不活性材料類の例は、プラスチック、V2A−もしくはV4A−鋼または銅などの鋼類である。好適な材料類または物質類は、当業者には既知である。
【0043】
攪拌ツールの選択や(混合)容器などの大きさの選択は、実用的要件に従って行われ、また簡単な予備試験によって確立することができる。好適なツール類を選択することにより、本発明による装置を、複雑ではない方法で多数の応用に適応することができる。本発明によるインラインプロセス制御はまた、生産規模での既知の混合容器に一体化されてもよい。
【0044】
本発明による装置および本発明による方法は、多数のエマルション類または分散体類に適用することができる。特に、エマルション類または多重エマルション類が、本発明に従って製造される。それらの例は、ow−エマルション類、wo−エマルション類、po−エマルション類、多重エマルション類、LC−ゲル類、リポソーム類、またはパール光沢濃縮物類である。本発明によれば、極めて多種多様な粒径がエマルションでは使用可能である。通常のエマルション類とは別に、平均直径が5〜1000nm、好ましくは15〜300nmの範囲のエマルション液滴類を含むナノエマルション類も同様に製造され得る。ナノ−分散体類の製造も同様に実行可能である。
【0045】
少なくとも1つの製薬上、化粧用、および/または食品工業上の活性物質を含有する水性活性物質キャリア―ナノ―分散体を製造する場合、活性物質と、脂質系の活性物質キャリアと、ラメラ構造を形成する少なくとも1つの乳化剤とが、最初に、融点または軟化点よりも高い温度で混合されてよい。この場合、相Bが形成される。その後、相Bを、水相Aと、前記活性物質キャリアの融点または軟化点よりも高い温度で混合してよい。
【0046】
脂質系の粒子類を活性物質キャリア粒子類として使用する。これらには、脂質および脂質様の構造体が包含される。好適な脂質類の例は、炭素原子数12〜30個の飽和直鎖脂肪酸類(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸)のモノ−、ジ−、およびトリグリセリド類、並びにこれらとその他の多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、マンニトール、ソルビトール)、炭素原子数が12〜22個の飽和脂肪アルコール類(例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール)、炭素原子数24〜30個の飽和ワックスアルコール類(例えば、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、セロチルアルコール、ミリシルアルコール)とのエステル類である。モノ−、ジ−、トリグリセリド類、脂肪族アルコール類、これらのエステル類またはエーテル類、ワックス類、脂質ペプチド類、あるいはこれらの混合物が好ましい。特に、合成のモノ−、ジ−、トリグリセリド類を、単体物質として、または混合物の形態で(例えば、硬質の脂肪の形態で)使用する。グリセロールトリ脂肪酸エステル類は、例えば、グリセロールトリラウレート、グリセロールトリミリステート、グリセロールトリパルミテート、グリセロールトリステアレート、またはグリセロールトリベヘネートである。好適なワックス類は、例えば、パルミチン酸セチル、およびセラ・アルバ(Cera alba)(晒蜜蝋、DAB 9)である。ポリアルキルアクリレート類、ポリアルキルシアノアクリレート類、ポリアルキルビニルピロリドン類、アクリルポリマー類、ポリ乳酸類、またはポリラクタイド類、時にはそのようなもの、あるいはこれらと多糖類との組み合わせを脂質類として使用してよい。
【0047】
水性活性物質キャリア分散体全体に対する活性物質キャリア粒子の量は、好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。脂質類に加えて、分散安定化剤類を使用してもよい。これらは、例えば、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で使用されてよい。好適な物質類の例は、界面活性剤類、特にエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル類、ブロックポリマー類、およびブロックコポリマー類(例えば、ポロキサマー類およびポロキサミン類のようなもの)、ポリグリセロールエーテル類およびポリグリセロールエステル類、様々な起源のレシチン類(例えば、卵または大豆レシチン)、化学変性レシチン類(例えば、水添レシチン)、並びにリン脂質類およびスフィンゴ脂質類、レシチン類とリン脂質類との混合物、ステロール類(例えば、コレステロールおよびスチグマステロールなどのコレステロール誘導体類)、糖類および糖アルコール類と脂肪酸類または脂肪族アルコール類とのエステル類およびエーテル類(例えば、サッカロースモノステアレート)、立体安定性の物質類、例えばポロキサマー類およびポロキサミン類(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー類)、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル類、エトキシル化モノ−およびジグリセリド類、エトキシル化脂質類およびリポイド類、エトキシル化脂肪族アルコール類もしくは脂肪酸類、および例えば、ジセチルホスフェート類、ホスファチジルグリセロールのような電荷安定化剤類または電荷キャリア類、並びに飽和および不飽和脂肪酸類、コール酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、またはこれらの混合物、アミノ酸類、または硝酸ナトリウムなどの解こう剤類(J.S.ラックス(J. S. Lucks)、B.W.ミュラー(B. W. Muller)、R.H.ミュラー(R. H. Muller)、製剤学会国際誌(Int. J. Pharmaceutics)63、183〜189頁(1990年)を参照のこと)、セルロースエーテル類および−エステル類などの増粘物質類(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートなどのポリビニル誘導体類、アルギネート類、ポリアクリレート類(例えば、カーボポール(carbopol))、キサンタン類、およびペクチン類である。
【0048】
水、水溶液、または水と水混和性液体(例えば、グリセロールまたはポリエチレングリコール)との混合物を利用して、水相Aとして用いてもよい。水相のための更に追加の構成成分は、例えば、マンノース、グルコース、フルクトース、キシロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、キシライト、または他のポリオール類(例えば、ポリエチレングリコール)、並びに電解質類(例えば、塩化ナトリウム)である。これら追加の構成成分は、水相Aに対して0.5〜60重量%、例えば1〜30重量%の範囲の量で使用されてよい。
【0049】
所望により、欧州特許第B−0605497号に記載されているような増粘性物質類または電荷キャリア類を更に利用することもできる。
【0050】
天然産物または合成製品は、ラメラ構造を形成する乳化剤類として利用されてよい。界面活性剤混合物の使用も同様に可能である。好適な乳化剤類の例は、生理学上の胆汁塩、例えば、コール酸ナトリウム、ヒドロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウムである。動物性および植物性リン脂質類、例えばそれらの水添形態を包含するレシチン類、並びにそれらの変性形態を包含するゼラチン類などのポリペプチド類も利用してよい。
【0051】
スルホコハク酸の塩類、ポリオキシエチレン酸ベタインエステル類(polyoxyethylene acid betane esters)、酸ベタインエステル類(acid betane esters)およびソルビタンエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル類、並びにポリオキシエチレン−メトポリオキシプロピレンエーテル類の対応する混合濃縮物類、エトキシル化飽和グリセリド類、部分脂肪酸グリセリド類、およびポリグリセリド(polyglycides)類は、合成の界面活性物質として好適である。バイオベース(Biobase(登録商標))EPおよびセラリューション(Ceralution(登録商標))Hが、好適な界面活性剤類の例である。
【0052】
好適な乳化剤類の例は、更に、グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、ソルビタンエステル類、ソルビトールエステル類、脂肪族アルコール類、プロピレングリコールエステル類、アルキルグルコサイトエステル類、糖エステル類、レシチン、シリコンコポリマー類、羊毛脂、並びにそれらの混合物または誘導体類でもある。グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、アルコキシレート類、および脂肪族アルコール類、並びにイソアルコール類は、例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、およびカプリン酸から誘導されてよい。前記エステル類とは別に、コハク酸エステル類、脂肪酸のアミド類またはエタノールアミド類が更に存在してもよい。エトキシレート類、プロポキシレート類、または混成エトキシレート類/プロポキシレート類は、特に、脂肪酸アルコキシレート類とみなされる。
【0053】
本発明による化粧用エマルション類の製造では、乳化剤類も同様に通常利用される。グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、ソルビタンエステル類、ソルビトールエステル類、脂肪族アルコール類、プロピレングリコールエステル類、アルキルグルコサイトエステル類、糖エステル類、レシチン、シリコンコポリマー類、羊毛脂、並びにそれらの混合物および誘導体類は、好適な乳化剤類の例とみなされる。グリセロールエステル類、ポリグリセロールエステル類、アルコキシレート類および脂肪族アルコール類、並びにイソアルコール類は、例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸(mauric acid)、およびカプリン酸から誘導されてよい。前記エステル類の他に、コハク酸エステル類、脂肪酸類のアミド類またはエタノールアミド類が更に存在してもよい。エトキシレート類、プロポキシレート類、または混成エトキシレート類/プロポキシレート類は特に脂肪酸アルコキシレート類とみなされる。更に、ラメラ構造を形成する乳化剤類を使用してもよい。かかる乳化剤類の例は、生理学上の胆汁塩、例えば、コール酸ナトリウム、ヒドロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウムである。動物性および植物性リン脂質類、例えばそれらの水添形態を包含するレシチン類、並びにそれらの変性形態を包含するゼラチン類などのポリペプチド類も利用してよい。
【0054】
スルホコハク酸の塩類、ポリオキシエチレン酸ベタインエステル類(polyoxyethylene acid betane esters)、酸ベタインエステル類(acid betane esters)およびソルビタンエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル類、並びにポリオキシエチレン−メトポリオキシプロピレンエーテル類の対応する混合濃縮物類、エトキシル化飽和グリセリド類、部分脂肪酸グリセリド類、およびポリグリセリド類は、合成の界面活性物質として好適である。バイオベース(Biobase(登録商標))EPおよびセラリューション(Ceralution(登録商標))Hが、好適な界面活性剤類の例である。
【0055】
脂質類および乳化剤類は、50:1〜2:1、好ましくは15:1〜30:1の重量比で好ましく使用される。
【0056】
活性な製薬上、化粧用、および/または食品工業上の物質類は、相Bに対して好ましくは0.1〜80重量%、特に好ましくは1〜10重量%の量で使用される。
【0057】
以降に、活性な製薬上の物質類を一例として挙げるが、これらは、例えば、遊離形態で、塩、エステル、またはエーテルとして使用されてよい。
【0058】
鎮痛剤類/抗リウマチ剤類、例えば、モルヒネ、コデイン、ピリトラミド(piritamide)、フェンタニルおよびフェンタニル誘導体類、レヨメタドン(leyomethadone)、トラマドール、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ピロキシカム、ペニシラミン;抗アレルギー剤類、例えば、フェニラミン、ジメチンデン、テルフェナジン、アステルニゾール(asternizol)、ロラタジン(loratidine)、ドキシラミン、メクロジン、バミピン、クレマスチン;ポリペプチド抗菌剤類のような抗菌剤類/化学療法薬類、例えば、コリスチン、ポリミキシン(polymyxine)B、テイコプラニン、バンコマイシン;抗マラリア剤類、例えば、キニン(chinine)、ハロファントリン、メフロキン、クロロキン、抗ウィルス剤類、例えば、ガンシクロビル、ホスカルネット、ジドブジン、アシクロビル、および別のもの、例えば、ダプソン、ホスホマイシン、フサファンギン、トリメトプリム(trimetoprim);抗てんかん薬類、例えば、フェニトイン、メスクシミド、エトスクシミド、プリミドン、フェノバルビタール、バルプロ酸、カルバマゼピン、クロナゼパム;内的抗真菌剤類、例えば:ニスタチン、ナタリシン(natarrycin)、アンホテリシンB、フルサイトアン(flucytoane)、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール;更に外的なもの:クロチルマゾール(clotirmazol)、エコナゾール、チオコナゾール、フェンチコナゾール、ビホナゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾール、イソコナゾール、トルナフタート;コルチコイド類(内的なもの)、例えば、アルドステロン、フルドロコルチゾン、ベタメタゾン(betametasone)、デキサメタゾン(dexametasone)、トリアムシノロン、フルオコルトロン、ヒドロキシコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、クロプレドノール、メチルプレドニゾロン;皮膚科学的製剤類、例えば、抗生物質類:テトラサイクリン、エリスロマイシン、ネオマイシン、ゲンタマイシン、クリンダマイシン、フラマイセチン、リトスリシン、クロルテトラサイクリン、ミピロシン、フシジン酸;上述のような抗ウィルス剤類、加えて:ポドヒロトキシン(podohyllotoxine)、ビダラビン、トロマンタジン;上述のようなコルチコイド類、加えて:アムシノニド、フルグプレドニデン(flugprednidene)、アルクロメタゾン、クロベタゾール、ジフロラゾン、ハルシノニド、フルオシノロン、クロコルトロン、フルメタゾン、ジフルオコルトロン(difluocortolone)、フルドロキシコルチド、ハロメタゾン、デスオキシメタゾン(desoximtasone)、フルオシノリド(fluocinolid)、フルオコルチンブチル(fluocortinbutyl)、フルプレドニデン、プレドニカルベート、デソニド;診断薬類、例えば、脂質類もしくはリポイド類または他の分子類と共有結合した、あるいは錯体中の、Te99m、In111またはI131などの放射性同位元素類、例えば脂質類のように高度に置換されたヨウ素含有化合物類;止血剤類(haemostyptics)、例えば、凝血因子VIII、IX;睡眠薬類、鎮静薬類、例えば、シクロバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、メタカロン、ベンゾジアゼピン(フルラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム(netrazepam)、ロルメタゼパム、フルニトラゼパム、トリアゾラム(trazolam)、ブロチゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム);脳下垂体ホルモン類、視床下部ホルモン類、調節ペプチド類、およびそれらの抑制物質類、例えば、コルチコトロピン、テトラコサクチド、絨毛性ゴナドトロピン、ウロフォリトロピン、ウロゴナドトロピン、ソマトロピン、メテルゴリン、ブロモクリプチン、テルリプレシン、デスモプレシン、オキシトシン、アルギプレシン、オルニプレシン、リュープロレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリン(goselerin)、ソマトスタチン;免疫療法薬類およびサイトカイン類、例えば、ジメプラノール−4−アセテートアミドベンゾエート、チモペンチン、α−インターフェロン、β−インターフェロン、フィルグラスチム、インターロイシン類、アザチオプリン、シクロスポリン(ciclosporine);局所麻酔薬類、例えば、内的には:ブタニリカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、リドカイン、アルチカイン、プリロカイン;更に外的には:プロピトカイン(propipocaine)オキシブプロカイン、テトラカイン(etracaine)、ベンゾカイン;偏頭痛製剤類、例えば、プロキシバーバル、リスリド、メチセルジド、ジヒドロエルゴタミン、クロニジン、エルゴタミン、ピゾチフェン(pizotifene);麻薬類、例えば、メトヘキシタール、プロポフォール、エトミデート、ケタミン、アルフェンタニル、チオペンタール、ドロペリドール、フェンタニル;副甲状腺ホルモン類、カルシウム代謝調節剤類、例えば、ジヒドロタキステロール、カルシトニン(calcitonine)、クロドロン酸、エチドロン酸;眼科製剤類、例えば、アトロピン、シクロドリン(cyclodrine)、シクロペントラート、ホマトロピン、トロピカミド(tronicamide)、スコポラミン、ホレドリン(pholedrine)、エドクスジン、イドウリジン(idouridine)、トロマンタジン、アシクロビル、アセタゾラミド、ジクロフェナミド、カルテオロール、チモロール、メチプラノロール(metipranalol)、ベタキソロール、ピンドロール、ベフノロール、ブプラノロール、レボブヌノール(levobununol)、カルバコール、ピロカルピン、クロニジン、ネオスチグミン;向精神薬類、例えば、ベンゾジアゼピン(ロラゼパム、ジアゼパム)、クロメチアゾール;甲状腺治療薬類、例えば、1−チロキシン、カルビマゾール(carbinazole)、チアマゾール、プロピルチオウラシル;血清、免疫グロブリン類、ワクチン類、例えば、一般にそしてとりわけ、肝炎型、風疹、巨大細胞、狂犬病に対する免疫グロブリン類;FSME、水疱帯状疱疹、破傷風、アカゲザル因子、抗血清、例えば、ボツリヌス抗毒素、ジフテリア、ガス壊疽、ヘビの毒、サソリの毒、ワクチン類、例えば、インフルエンザ、結核、コレラ、ジフテリア、肝炎型、FSME、風疹、ヘモフィルス感染症、麻疹、ナイセリア、流行性耳下腺炎、小児麻痺、破傷風、狂犬病、チフスに対するもの;性ホルモン類およびそれらの抑制剤類、例えば、タンパク質同化薬類、アンドロゲン、抗アンドロゲン薬、ゲスターゲン類、エストロゲン類、抗エストロゲン類(タモキシフェン等);細胞分裂停止剤類および腫瘍転移抑制剤類、例えば、アルキラント類様のニムスチン、メルファラン、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロランブシル、ブスルファン、トレオスルファン、プレドニムスチン(predninmustin)、チオテパ、代謝拮抗薬類、例えば、シタラビン、フルオロウラシル、メトロトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン、アルカロイド類、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン;抗菌剤類、例えば、アクラルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、プリカマイシン、亜族元素(例えば、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Pt)の錯体類、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、並びにメタロセン化合物類、例えば、チタノセンジクロライド、アムサクリン、ダカルバシン、エストラムスチン、エトポシド、ヒドロキシカルバミド、ミトキシントロン、プロカルバジン、テニポシド(temiposide)、アルキルアミドリン脂質類(J.M.ザイドラー(J. M. Zeidler)、F.エムリング(F. Emling)、W.ジマーマン(W. Zimmermann)およびH.J.ロス(H. J. Roth)、薬学の記録(Archiv der Pharmazie)、324(1991年)、687に記載されているもの)。エーテル脂質類、例えば、R.ザイジグ(R. Zeisig)、D.アーント(D. Arndt)、およびH.ブラキヴィッツ(H. Brachwitz)、薬学(Pharmazie)45(1990年)809〜818に記載されているヘキサデシルホスホコリン、イルモホシン、および類似物。
【0059】
更に好適な活性物質類は、例えば、ジクロルフェナク、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、サリチル酸、エリスロマイシン、ケトプロフェン、コルチゾン、グルココルチコイド類である。
【0060】
活性な化粧用物質類も更に好適であり、これらは、特に例えば、ポリフェノール類のように、酸化または加水分解感応性がある。カテキン類(例えば、エピカテキン、エピカテキン−3−ガラート、エピガロカテキン、エピガロカテキン−3−ガレート)、フラボノイド類(例えば、ルテオリン、アピゲニン、ルチン、ケルセチン(quercitin)、フィセチン、ケンフェロール(kaempherol)、ラメチン) イソフラボン類(例えば、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、プルネチン)、クマリン類(例えば、ダフネチン、ウンベリフェロン)、エモジン、レスベラトロール、オルゴニンが本明細書では挙げられる。
【0061】
ビタミン類、例えば、レチノール、トコフェロール、アスコルビン酸、リボフラビン、ピリドキシンが適している。植物からの全抽出物もまた適しており、これは、とりわけ、上記分子類または分子分類を含有する。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、活性物質類は、光保護フィルター類で代表される。これらは、有機光保護フィルター類として周囲温度(25℃)において液状または固体形態で存在していてもよい。好適な光保護フィルター類(UV−フィルター類)は、例えば、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアンアクリレート系、またはp−アミノ安息香酸系の化合物類である。具体例は、(INCI−またはCTFA−指定類)ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−9、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−11、エトクリレン、オクトクリレン、PEG−25、PABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、エチルヘキシルメトキシシンナメート、エチルヘキシルジメチルPABA、4−メチルベンジリデンカンファー、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルサリチレート、ホモサラート、並びにメチレン―ビス―ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(2,2’−メチレン―ビス―{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール} (2,2'-methylene-bis-{6-(2H-benzoetriazol-2-yl)-4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-phenol}))、2―ヒドロキシ―4―メトキシベンゾフェノン―5―スルホン酸、および2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジンである。
【0063】
オクチルトリアゾン類、アボベンゾン類、オクチルメトキシシンナメート類、オクチルサリチレート類、ベンゾトリアゾール類、およびトリアジン類もまた有機光保護フィルター類である。
【0064】
本発明の更なる実施形態によれば、活性なフケ予防物質類は、化粧用または製薬上の処方類中に通常存在するような活性物質類として使用される。ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−ジメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン)は、この一例であり;好ましくは、2−アミノエタノールと組み合わせる(1:1)。フケを治療するために更に好適な試薬は、当業者には既知である。
【0065】
親水性被覆されたミクロ顔料類、電解質類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、硫酸バリウム、アルコール類、ワックス類、金属石鹸類、ステアリン酸マグネシウム類、ワセリン、またはその他の成分類は、エマルション類の更に利用可能な構成成分である。例えば、香料類、香油類、または香料芳香族化合物も同様に添加されてよい。ポリフェノール類と、例えば、それらに由来する化合物類とは、適した活性な化粧用物質類である。レチノール、トコフェロール、アスコルビン酸、リボフラビン、およびピリドキシンは、好適なビタミン類である。
【0066】
加えて、例えば、トコフェロールなどの酸化感応性活性物質類はいずれも、活性な物質類とみなされる。
【0067】
本発明の更なる実施形態によれば、有機染料類は、活性物質類としてまたは活性物質類の代わりに使用される。
【0068】
本発明によるプロセスは、あらゆる既知のそして好適な油中水型エマルション類または水中油型エマルション類の製造を可能にする。この目的のために、乳化剤類について記載した原料および更なる成分を使用してよい。油中ポリオール型エマルション類の製造も同様に実行可能である。この目的のために、いかなる好適なポリオール類を使用してもよい。
【0069】
エマルション類では、2つの主要相の割合を広範に変えることができる。例えば、5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に20〜80重量%の各相が存在し、総量は100重量%となる。
【0070】
記載したp/o−エマルションはまた、水に、または油中水型エマルションに乳化されてよい。この場合、水中油中ポリオール型エマルション(p/o/w−エマルション
)となり、これは少なくとも1つの前記エマルションと、更に少なくとも1つの水相とを含有する。このような多重エマルション類は、その構造に関して、ドイツ特許第A−4341113号およびドイツ特許第A−4341114号に記載されているエマルション類に相当する場合がある。
【0071】
本発明に従ってp/o−エマルションを水または水系に導入する場合、個々の相の重量比を広範に変えてよい。最終的に得られるp/o/w−エマルションでは、p/oエマルションの重量割合は、p/o/w−エマルション全体に対して、好ましくは0.01〜80重量%、特に好ましくは0.1〜70重量%、とりわけ1〜30重量%である。
【0072】
p/o−エマルションをo/w−エマルションに導入する場合、p/o−エマルションの割合は、最終的に生成されるp/o/w−エマルションに対して、好ましくは0.01〜60重量%、特に好ましくは0.1〜40重量%、とりわけ1〜30重量%である。この目的のために用いられるo/w−エマルションにおいて、油の割合は、用いられるo/w−エマルションに対して、好ましくは1〜80重量%、特に好ましくは1〜30重量%である。p/o−エマルションの代わりに、w/o−エマルションを導入してもよく、この結果、w/o/w−エマルションとなる。エマルション類の個々の相は、個々の相に対して既知の、従来の成分を更に包含してもよい。個々の相は、例えば、これらの相に溶解可能な、更に活性な製薬上または化粧用の物質を含有してもよい。水相は、例えば、溶解性の有機光保護フィルター類、親水性被覆されたミクロ顔料類、電解質類、アルコール類などを含有してよい。個々のまたは全ての相は更に、好ましくは、顔料類またはミクロ顔料類、微小球類、シリカゲル、および同様の物質類から選択される固体類を含有してよい。油相は、例えば、有機変性粘土鉱物類、親水性被覆された(ミクロ)顔料類、有機の油溶性光保護フィルター類、油溶性の活性な化粧用物質類、ワックス類、金属石鹸類(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、ワセリン、またはこれらの混合物を含有してよい。二酸化チタン、酸化亜鉛、および硫酸バリウム、並びに珪灰石、カオリン、タルク、Al、ビスマスオキシクロライド、微粉砕ポリエチレン、雲母、ウルトラマリン、エオシン染料類、アゾ染料類を、(ミクロ)顔料類として挙げることができる。化粧品では、特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛が光保護フィルターとして利用され、そして本発明によるエマルション類を用いて特に平坦にかつ均一に皮膚に適用してもよい。微小球類またはシリカゲルは、活性物質類用のキャリアとして使用されてよく、一方でワックス類は、例えば、研磨剤類用のベースとして使用されてよい。
【0073】
水相は、更に、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、および同様の化合物類、並びにこれらの誘導体類を含有してよい。
【0074】
エマルション類における常套手段および追加の物質類の使用は、当業者には既知である。
【0075】
水、水溶液、または水と水混和性液体類(例えば、グリセリンまたはポリエチレングリコール)との混合物を水相として利用してよい。加えて、電解質類、例えば、塩化ナトリウムが水相に含有されてもよい。所望により、欧州特許第B−0605497号に記載されているように、増粘性物質類または電荷キャリア類を更に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明による、容器の断面図を示す。
【図2】図2は、本発明による、容器の、図1と互いに垂直な関係にある断面図を示す。
【図3】図3は、本発明による、容器の上面図を示す。
【図4】図4は、絶縁攪拌シャフトの模式的な構造を示す。
【図5】図5は、本発明による装置の模式的な構造を示す。
【図6】図6は、測定時間に対してプロットした伝導度のグラフを示す。
【図7】図7は、測定時間に対してプロットした伝導度のグラフを示す。
【図8】図8は、温度に対してプロットした伝導度のグラフを示す。
【図9】図9は、測定時間に対してプロットした伝導度のグラフを示す。
【図10】図10は、温度に対してプロットした伝導度のグラフを示す。
【符号の説明】
【0077】
R 攪拌シャフト
S ホース
M 金属スリーブ
Ru 攪拌ツール
Ma 磁気テープ
Dr 回転速度センサー
Le 測定プローブ
St 制御−および記録装置
Re コンピュータ
Mo モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エマルション類または分散体類の製造中のインラインプロセス制御用の装置であって、前記装置が、
エマルションまたは分散体を受容するための容器と、
前記エマルションまたは分散体への攪拌入力を生じさせるために前記容器内に配置した攪拌ツールと、
前記攪拌入力を連続的に測定するための装置と、
前記エマルションまたは分散体の温度および伝導度を連続的に測定するために前記容器内に配置した測定プローブ類と、
前記攪拌入力、前記温度、および前記伝導度を連続的に記録するための記録装置と
を包含する、前記装置。
【請求項2】
前記攪拌機ツールが、回転式攪拌シャフトを介して攪拌機モータによって駆動される少なくとも一つの攪拌機要素を包含すること、および前記攪拌入力の測定が、前記攪拌シャフトの回転速度を測定することによって行われることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記攪拌シャフトがその長さ方向に沿って、前記攪拌機要素と前記攪拌モータが互いに電気的に絶縁されるような方式で電気絶縁を含むことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、実験規模、パイロットプラント規模、または生産規模でのエマルション類または分散体類の連続的な製造に用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、前記容器の温度制御用の装置を包含することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、制御ユニットとしてコンピュータを含むこと、および前記攪拌入力と、妥当な場合には、前記容器の前記温度制御とが、コンピュータ制御されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記攪拌入力と、前記温度と、伝導度との前記連続的な記録、および任意にそれらの評価が、コンピュータ援用法で行われることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
エマルション類または分散体類の製造に好適なプロセスパラメータ類を求めるための請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項9】
エマルション類または分散体類の製造に好適なプロセスパラメータ類を求めるための方法であって、前記方法が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置において、前記エマルション類または分散体類の出発原料を合わせてまたは別個に前記容器に入れて、攪拌入力を発生させることによって混合すること、および前記攪拌入力と、前記伝導度と、前記温度とを連続的に測定すること、そして必要な場合、前記攪拌入力および/または前記容器の前記温度を、得られた測定値に応じて修正することとを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
様々な攪拌入力における前記伝導度の時間に伴う変化、もしくは前記エマルション類または分散体類の出発原料の添加に応じた変化、あるいは前記伝導度の前記温度への依存性を、場合により様々な製造温度で、求めることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−509732(P2009−509732A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532602(P2008−532602)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010480
【国際公開番号】WO2007/036240
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508095636)イーエフアーツェー ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー (1)
【Fターム(参考)】