エラストマーの有孔ウェブの作製方法
エラストマーの有孔ウェブを作製する方法は、エラストマー前駆体ウェブを形成するために漸増的に伸張されるラミネートを含む前駆体ウェブを提供する工程を含む。成形装置は、第1の部材及び第2の部材を備えて提供され、第1の部材は嵌合部材を含み、第2の部材は、第2の部材に接合される歯を含む。エラストマー前駆体ウェブ材料は成形装置を通じて移動され、第2の部材上の歯が係合部材を貫通してエラストマーの有孔ウェブを形成するとき、エラストマー前駆体ウェブ材料に孔が形成される。エラストマーの有孔ウェブは少なくとも約1000g/m2/日のWVTRを呈する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有孔ウェブの作製方法に関する。特にこの方法は、エラストマーの有孔ラミネートを作製するのに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の分野で、特に使い捨ておむつにおける開発の根底にある消費者の要求は、高い保護及び快適さの両方を提供する製品への要求である。快適さの利益は、通気性かつ使用中に着用者の身体に適合するために伸張する材料を導入することによって提供される。通気性及び伸縮性は典型的に、蒸気透過性である通気性のバックシートカバー、及び伸張して着用者の身体に適合するサイドパネルの組み込みに限定されてきた。
【0003】
おむつ上のバックシートカバーは、漏れを防ぐために流体不透過性であり、かつ快適性を提供するために蒸気透過性であるように設計される。バックシートカバーは典型的に、液体には不浸透性ではあるが、蒸気透過性であり、環境とのガス状の交換を可能にする微多孔性フィルムを組み込む。微多孔性フィルムは、限定された伸縮性を有し、したがって、伸張を供給するために別個の伸縮性サイドパネルが必要とされる。
【0004】
伸縮性サイドパネルは、エラストマーフィルム及び延伸性不織布から構成されるラミネートであることが多い。フィルム及び不織布ラミネートは、弾性ラミネートを形成するため漸増的に伸張させることによって活性化される。弾性フィルム及び不織布ラミネートは伸張して、着用者の身体に適合するが、それらは限定された通気性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
適合するフィットのために伸縮性であり、かつ通気性を提供するために蒸気透過性であるバックシートの外側カバーに対する必要性が存在する。したがって、結果として約1000g/m2/日より大きいWVTRを有する通気性弾性ラミネートとなる蒸気透過性の伸縮性ラミネートを製造するプロセスに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
使い捨て吸収性物品の外側カバーとしての使用に好適であるエラストマーの有孔ウェブの作製方法が開示される。本方法は、連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマーのプライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブを提供する工程を含む。前駆体ウェブは、漸増的に伸張させることによって、第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する。成形装置は、第1の部材及び第2の部材を備えて提供され、第1の部材は嵌合部材を含み、第2の部材は、基底部及び先端部からテーパー状の歯を含み、歯は基底部において第2の部材に接合される。エラストマー前駆体ウェブ材料は成形装置を通じて移動され、第2の部材上の歯が第2の部材を貫通してエラストマーの有孔ウェブを形成するとき、エラストマー前駆体ウェブ材料に孔が形成される。エラストマーの有孔ウェブは少なくとも約1000g/m2/日のWVTRを呈する。
【0007】
一実施形態では、1対の噛み合い部材は1対の逆回転の噛み合いローラーを備える。1対の噛み合いローラーは、周囲方向に延在する隆起部及び溝を有する第1のローラーと、第1のローラーの溝と噛み合う歯を有する第2のローラーと、を備える。歯は、基底部から先端部までテーバー状であり、基底部において第2のローラーに接合される。このエラストマー前駆体ウェブは、逆回転の噛み合いローラーのニップを通して移動され、孔は、ローラーのうちの1つ上で歯がもう一方のローラー上の溝と噛み合うとき、前駆体ウェブ材料に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のプロセスの略図。
【図2】漸増的に伸張させる装置の部分の横断面図。
【図3】本発明の成形装置の斜視図。
【図4】図3に示した装置の部分の横断面図。
【図5】本発明のプロセス及び装置の別の実施形態の略図。
【図6】図3又は図5に示した装置の部分の斜視図。
【図7】図6に示した装置の部分の拡大斜視図。
【図8】図3に示した装置の歯の代替構成の斜視図。
【図9】図3に示した装置の歯の代替構成の斜視図。
【図10】図9に示した装置の部分の上面図。
【図11】図9に示される歯の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義:
本明細書及び請求項中で使用するとき、用語「含む」は、包括的又は非制限的であって、列挙されていない追加の要素、構成要素、又は方法工程を排除しない。
【0010】
本明細書で使用するとき、「係合深さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝が相互の中へ延びる程度を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、間に入れられた、しかし織布又は編まれた布地内のような繰り返しの模様内ではなく、通常無作為に配向された繊維を有さない、個々の繊維又は糸の構造体を有するウェブを言う。不織布ウェブ又は布地は、多数のプロセスで形成されており、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、及びカード加工されて熱接着を包含するカードウェブ接着プロセスなどがある。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。ラミネートウェブの坪量は、構成要素層及びいずれか他の付加構成成分の組み合わせ坪量である。本発明での使用に好適なラミネートウェブの坪量は、ウェブの最終用途に依存するが、6gsm〜400gsmの範囲にすることができる。例えば、ハンドタオルとして使用する場合、第1及び第2の両ウェブとも、18gsm〜500gsmの坪量を有する不織布ウェブにすることができる。
【0012】
繊維直径は、大抵、ミクロンで表されるが、繊維寸法は、繊維の単位長さ当りの重量の単位である、デニールでも表すことができる。
【0013】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマーの繊維にすることができ、並びにモノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は二成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)にすることができ、並びに0.1〜500マイクロメートルの範囲の主要横断面寸法(例えば、丸繊維の場合には直径)を有することができる。不織布ウェブの構成繊維は、また、化学(例えば、PE及びPP)、構成成分(モノ−及びビス−)、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形(すなわち、毛管及び丸)などのような特徴において異なる、異なる繊維タイプの混合物であってもよい。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。
【0014】
本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、紡糸口金の微細で通常は円形の複数の毛管から溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径をその後急激に縮径させることによって形成される、比較的小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面に沈着するとき、一般に粘着性がない。スパンボンド繊維は、一般に連続しており、及び7マイクロメートルより大きい、より具体的には約10〜40マイクロメートルの(少なくとも10の試料からの)平均直径を有する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「メルトブローイング」とは、溶融した熱可塑性材料を、微細で通常は円形の複数の金型毛管を通して、通常は加熱された収束する高速気体(例えば、空気)流の中へ、溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この気体流により溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細らせてその直径を縮小することによって、繊維が形成されるプロセスを指しており、直径がマイクロファイバー直径となることもある。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれて、多くはまだ粘着性であるうちに、収集表面上に沈着され、無作為に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても連続していなくてもよい、及び平均直径が一般に10マイクロメートルよりも小さい、マイクロファイバーである。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」には、一般にホモポリマー、コポリマー(ブロック、グラフト、ランダム、及び交互性コポリマーなど)、ターポリマーなど、並びにこれらの混合物及び修飾物が含まれるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」はあらゆる可能な立体化学的な構成、すなわちアイソタクチック、アタクチック、及びシンジオタクチックを含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「モノコンポーネント」繊維とは、1つのポリマーのみを使用して1つ以上の押出成形機から形成される繊維を指す。これは、1つのポリマーから形成されているが、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などのために、少量の添加剤が添加された繊維を除外することを意味しない。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般に約5重量%未満、より一般的には約2重量%未満の量で存在する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「バイコンポーネント繊維」は、別個の押出成形機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つの異なるポリマーから形成された繊維を指す。バイコンポーネント繊維はまた、複合繊維又は多コンポーネント繊維と呼ばれることもある。複数個のポリマーは、バイコンポーネント繊維の横断面にわたって実質的に連続的に位置する別個ゾーンに配置され、バイコンポーネント繊維の長さに沿って連続して延びる。かかるバイコンポーネント繊維の形状は、例えば、1つの繊維が別の繊維により包囲されるシース/コア配置であってもよく、又はサイド・バイ・サイド配置、パイ型配置、又は「海島型」配置であってもよい。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「二成分繊維」は、同じ押出成形機からブレンドとして押し出される少なくとも2つのポリマーから形成された繊維を指す。二成分繊維は、繊維の横断面積を横切って比較的一定に位置付けされる異なる区域内に配置された様々なポリマー構成成分を有するものではなく、様々なポリマーは通常、繊維の全長に沿って連続ではなく、代わりに、通常は、無作為に開始及び終了する繊維を形成する。二成分繊維はまた、多構成成分繊維と呼ばれることもある。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「丸形でない繊維」は、丸形でない横断面を有する繊維について説明し、「成形繊維」及び「毛管チャネル繊維」を含む。かかる繊維は中実又は中空であり得、それらは、3葉形、デルタ形であり得、好ましくは外側表面上に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、例えば「U型」、「H型」、「C型」及び「V型」など、様々な断面の形状であってもよい。好ましい1つの毛管チャネル繊維は、Fiber Innovation Technologies(Johnson City,TN)から入手可能な4DG繊維(商標)と称されるT−401である。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0021】
「吸収性物品」は液体を吸収し、及び/又は収容するデバイスを意味する。着用可能な吸収性物品は、着用者の身体に接触して又は近接して定置され、身体から排泄される様々な排泄物を吸収して収容する吸収性物品である。着用可能な吸収性物品の非限定的な例としては、おむつ、パンツ式又はプルオンおむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティライナー、失禁用具などが挙げられる。
【0022】
「活性化」は、材料のX−Y平面における活性化の方向における延伸性材料の永久的な伸長をもたらす、延伸性材料(例えば、フィルム、不織布、繊維)の1つ以上の部分の機械的変形である。延伸性材料に接合された弾性材料を含むラミネートの活性化は典型的に、結果として、延伸性材料の1つ以上の部分が少なくとも部分的に永久的に延伸され、その一方で弾性材料はその初期寸法に実質的に戻る。「活性化された」とは、活性化プロセスを受けている材料を意味する。吸収性物品、吸収性物品構成要素及び活性化のプロセスの好適な例は、米国特許第5,156,793号、同第4,438,167号、同第5,202,173号、同第5,254,111号、同第5,296,184号、同第5,354,597号、同第6,258,308号、同第6,368,444号、同第6,811,643号、同第6,821,612号、同第6,843,949号、及び同第6,794,023号に見出すことができる。
【0023】
「活性化の方向」とは、材料が活性化プロセス中にX−Y平面において伸張される方向を意味する。延伸性不織布又はフィルムにラミネートされた弾性材料を含むラミネートに関して、活性化の方向は、活性化プロセスの完了後にラミネートが伸張できる方向でもある。弾性挙動を呈さない材料に関して、活性化の方向は、活性化プロセスの結果として最も増加された、材料のX−Y平面における寸法の方向を指す。活性化の方向の例には、機械方向、横断横行、長手方向、横方向、及び斜め方向が挙げられる。
【0024】
「非活性化」は、伸張性を材料に付与する機械的な変形プロセスを受けていない材料を指す。
【0025】
「配置される」とは、物品のある要素が物品の別の要素に対して設置されることを指す。例えば、それらの要素は、おむつの他の要素とともに一体型構造体として、又はおむつの別の要素に接合された別個の要素として、特定の場所又は位置に形成される(接合され及び位置付けられる)。
【0026】
「エラストマー又は弾性材料」は、以下に詳細に記載されているヒステリシス試験において、実質的に破裂又は破損せずに50%まで伸長する材料(例えば、フィルム、繊維、不織布、ラミネート、又はこれらの組み合わせ)である。更に、弾性材料は、ヒステリシス試験に従って測定した場合、20%以下の歪みを有する。例えば、ヒステリシス試験を行ったとき、初期長が25mmの弾性材料は、少なくとも37.5mmまで伸長することができ(50%伸長)、及び10%の歪み(すなわち長さ27.5mm)を有することができる。材料のマイクロ寸法の破裂又は破損は、実質的な破裂又は破損とは見なされず、いくつかの場合では、材料の伸張性メカニズムの一部として発生する場合がある。しかし、構造を貫通するマクロサイズの破裂(例えば、任意の方向における約5mm超の裂け目、又は2つ以上の片への破断、又は材料をその用途に使用できない状態にする相当な構造的劣化をもたらすなどの1つ以上の大きな裂け目)は、実質的な破裂又は破損と見なされる。
【0027】
「延伸性材料」は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに50%まで伸長する材料である。更に、材料は、ヒステリシス試験に従って測定された場合、20%より大きい歪みを有する。例えば、ヒステリシス試験を行ったとき、初期長25mmを有する延伸性材料は、少なくとも37.5mmまで伸長することができ(50%伸長)、及び40%の(すなわち長さ35mm)を有することができる。
【0028】
「伸縮性材料」は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに、50%まで伸長する材料である。「伸縮性材料」は、これまで定義したようにエラストマー又は延伸性であってもよい。非伸縮性材料は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに、50%までの伸長しない材料である。
【0029】
「フィルム」とは、例えば、ポリマー材料をダイの比較的狭いスロットを通す押出成形を含むプロセスによって作製された比較的無孔の不織布材料を指す。フィルムは厚さにおいて1mm未満である。厚さに対するフィルムのX及びY寸法の割合は、100:1より大きい。高分子フィルムは、液体に対して不透過性であるとともに、空気蒸気(air vapor)に対して透過性であってよいが、必ずしもそうである必要はない。フィルム材料の好適な例は、以下により詳細に記載されている。
【0030】
「衣類に面する側」は、着用可能な吸収性物品が意図されるように着用されたときに、その吸収性物品の要素の最も外側の部分を指す。同じ要素の反対側、すなわちその最も内側の部分は、「着用者に面する側」と呼ばれる。要素の、衣類に面する側及び着用者に面する側は、物品の着用者に対する側であって、衣類に面する側は着用者から最も遠く、着用者に面する側は着用者に最も近いと理解されたい。典型的な使い捨ておむつの例では、着用者から見て外方に向く外側カバーの部分は衣類に面する側であり、その外側カバーのその反対側は、着用者に面する側である。
【0031】
「接合される」は、要素が直接的に他の要素に取り付けされることによって要素が直接固定される形態、並びに、要素が中間の部材に取り付けされ、その中間部材が順に他の要素に添付されることにより要素が他の要素に間接的に固定される配置を指す。
【0032】
「ラミネート」は、例えば、接着剤結合、熱結合、超音波結合など、当該技術分野で既知の方法によって互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0033】
「ゼロ歪みラミネートウェブ」は、実質的に無張力(ゼロ歪み)状態で同一の広がりを持つ表面の少なくとも一部分に沿って、断続的又は実質的に連続的のいずれかで互いに固定されている材料の少なくとも2つプライから構成されるラミネートウェブを指す。断続的な接合のいくつかの例は、螺旋状又はメルブローン接着、印刷等である。連続的接合のいくつかの例はスロットコーティング、印刷等である。ゼロ歪みラミネートウェブに採用されているプライのうちの1つはエラストマーである材料から構成される。エラストマーのプライに固定された第2のプライは延伸性である。
【0034】
「レッグバンド」は、物品の股領域の少なくとも一部分において、物品の長手方向の側縁部に隣接する個別の伸縮性のある要素又は領域を指す。レッグバンドは弾性的に収縮し、着用者の脚部の少なくとも一部分の周囲で、物品のぴったりとしたフィットを提供するよう機能する。レッグバンドは、物品の表面に取り付けられた別個の要素を備えてもよく、あるいは物品の一部分、例えばトップシート、バックシート、外側カバー又は内側レッグカフ材料など含んでもよい。
【0035】
「長手方向」は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態のときに吸収性物品の腰部端縁から対向する腰部端縁で、又は2つ折りにされた物品において腰部端縁から股部の底まで、実質的に垂直に走る方向を意味する。長手方向の45度以内の方向は、「長手方向」であると見なされる。「横方向」は、物品の側縁から対向する側縁まで走る、長手方向に対して概して垂直の方向を指す。横方向の45度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
【0036】
「機械方向」又は「MD」は、製造プロセス中に移動するウェブの移動方向と平行な方向である。MDの±45度以内の方向は、機械方向であると見なされる。「機械横断方向」又は「CD」は、MDに実質的に垂直であり、かつウェブによって概ね画定された平面における方向である。横断方向の45度以内の方向は、横断方向であると見なされる。
【0037】
「不織布」は、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、スパンボンディング、メルトブローン、カーディング、及びその類のプロセスなどにより作製される多孔質な繊維状材料を指す。不織布は、織った又は編んだフィラメントパターンを有さない。不織布は、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0038】
「外側寄り」及び「内側寄り」とは、それぞれ第2要素に対して吸収性物品の長手方向の中心線から比較的遠くに又は近くに配置される要素の位置を指す。例えば、要素Aが要素Bの外側寄りであるなら、要素Aは、要素Bより長手方向の中心線からより遠くにある。
【0039】
「外側カバー」は、物品が着用されたときに、着用者の皮膚から最も遠い物品の層を指す。外側カバーは、単一材料、ラミネート(例えば、Z方向において、別個ではあるが接合されている材料)、又は複合材料(例えば、X及び/又はY方向において別個ではあるが、接合されている材料)を含んでもよい。伸縮性外側カバーは、外側カバーの一部で少なくとも伸縮性である。概して、弾性的に伸縮性の外側カバーラミネートは、外側カバーの衣類に面する表面上の柔軟な布様材料と、ラミネートの少なくとも一部分における弾性材料と、を含む。第2の柔軟な布様材料は、外側カバーの着用者に面する表面に含まれてもよい。
【0040】
「ウェブ」はロールに巻くことが可能な材料を意味する。ウェブは、フィルム、不織布、ラミネート、有孔ラミネート等であってよい。ウェブの面とは、その縁部とは対照的に、その二次元の表面の1つを指す。
【0041】
「X−Y平面」は、移動ウェブのMD及びCDによって画定される平面を意味する。
【0042】
本明細書において開示される全ての数値範囲に関して、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含すると理解すべきである。加えて、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。更に、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を包含し、並びにその数値範囲内のそれぞれの個々の数値をも、そのようなより狭い数値範囲及び個々の数値が全て、あたかも本明細書に明示的に記載されているかの如く包含するものである。
【0043】
本発明は、エラストマーの有孔ウェブを作製するために使用される方法及び装置に関して説明する。この有孔ウェブは、フィルムと不織布とを含む有孔フィルム又はラミネートであることができる。有孔ウェブはエラストマーである。孔は、マイクロ孔及びマクロ孔を含むことができ、前者は、通常の屋内照明で約1メートルの距離から観察者の裸眼に実質的に不可視であり、後者はそのような条件下で可視である。マイクロ孔及び/又は他のエンボス加工又は非平滑化加工は、本発明の装置によって加工する前に形成することができる。張力適用を介して、歪みがウェブに誘発されたときに、孔の寸法が増加する場合がある。有孔ウェブは、包帯、包装材、失禁用具、おむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、及び痔治療パッドのような使い捨て吸収性物品、並びに例えば床掃除シート、身体拭きシート、洗濯シートのような他の消費者製品に使用することができる。加えて、本発明のウェブは、自動車、農業、電気、又は工業用途の穿孔ウェブとしても利用することができる。
【0044】
有孔ウェブ(aperture web)の物理的特性は、以下の孔径及び開口面積試料に従って測定されたときの平均孔径(mm2)及び開口面積率によって規定される。平均孔径は約0.05〜10mm2であってもよい。好ましくは、孔径は0.07〜5mm2、更により好ましくは0.10〜2.5mm2である。開口面積率は0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、より好ましくは0.3〜2.5%であり得る。
【0045】
本発明の一装置150が概略的に図1に示される。図1に示されるように、ウェブ1は、第1の表面12及び第2の表面14と有する概ね平面の2次元前駆体ウェブ20から形成することができる。前駆体ウェブ20は、高分子フィルムでもよく、又は高分子フィルムと不織布ウェブとのラミネートでもよい。第1の表面12は、前駆体ウェブ20の第1の側面、及びウェブ1の第1の側面に相当する。第2の表面14は、前駆体ウェブ20の第2の側面、及びウェブ1の第2の側面に相当する。一般に、「側面」という用語は、本明細書では、フィルムのような概ね2次元のウェブの2つの主表面を説明する用語の一般的な使い方で用いられる。当然、複合又はラミネート構造物では、ウェブ1の第1の表面12は、最も外側の層又はプライの一方の第1の側面であり、第2の表面14は、他方の最も外側の層又はプライの第2の側面である。
【0046】
図1に示されるように、前駆体ウェブ20は、漸増的に前駆体ウェブを伸張するために機械方向(MD)において活性部材130まで移動され、次いでそこに孔を形成するために、成形装置100上に移動される。機械方向(MD)は、ウェブ材料の製造及び処理の当該技術分野において周知のように、前駆体ウェブ20の移動の方向を指す。同様に機械横方向(CD)は、前駆体ウェブ20の平面においてMDに垂直な方向を指す。
【0047】
前駆体ウェブ20は、直接、ウェブ製造プロセスから、又は図1に示されるように供給ロール152から間接的に、いずれかで提供され得る。前駆体ウェブ20は、2つ以上の前駆体ウェブの複合体又はラミネートであってもよく、例えば高分子フィルムと不織布との組み合わせを含んでもよい。
【0048】
高分子フィルムウェブは、弾性材料、例えば弾性ポリプロピレン系フィルムを含むことができる。外側カバーで使用できる好適なフィルムとしては、厚さ0.013〜0.025mm(0.5〜1.0ミル)(0.0005〜0.001インチ)のVistamaxx(登録商標)(ExxonMobilからのエラストマーポリプロピレン)が挙げられる。好適なエラストマーポリプロピレン系組成物はまた、ExxonMobilへの国際公開第2005/052052号、及びProcter & Gambleへの国際公開第2005/097031号に開示されている。エラストマー組成物としては、不透明度を向上させる目的の二酸化チタン、及び通気性を得るための炭酸カルシウムのような充填剤も挙げてよい。エラストマーポリプロピレンは、スチレンブロックコポリマー、半結晶性ポリオレフィン、又はサブミクロン無機粒子とブレンドしてもよい。
【0049】
不織布ウェブ又は布地は、例えば、エアレイイングプロセス、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡プロセス、スパンレーシングプロセス、及びカードウェブ接着プロセスのような多くの既知のプロセスから形成されてきた。また、多重ビームスパンボンドプロセスによって作製されるスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)ウェブ及び同様の物(例えば、SMMS、SSMS)のような多層ウェブを利用してもよい。それぞれの構成要素(すなわち、スパンボンド又はメルトブローンの構成要素)が同じポリマーである必要はない。したがって、SMSウェブでは、スパンボンド及びメルトブローンの層が同じポリマーを含む必要はない。
【0050】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマー繊維であることができ、モノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は二成分繊維、中空繊維、非丸形状繊維(例えば、成形(例えば3葉)繊維、又は毛管路繊維)であることができ、0.1〜500マイクロメートルの範囲の1マイクロメートル刻みの値の主要横断面寸法(例えば、丸形状繊維の直径、楕円形状繊維の長軸、不規則形状の最長直線寸法)を有することができる。
【0051】
前駆体ウェブ20は、実質的に無張力(ゼロ歪み)状態で同一の広がりを持つ表面の少なくとも一部分に沿って、断続的又は実質的に連続的のいずれかで互いに固定されている材料の少なくとも2つプライから構成されるゼロ歪みラミネートを含み得る。プライのうちの少なくとも1つは、連続的な高速処理を促進するために連続ウェブの形態であることが好ましい。プライの他方は、連続ウェブ、又は所定の位置で連続ウェブに固定された別個の要素若しくはパッチを含んでもよい。ゼロ歪みラミネートウェブに採用されているプライのうちの1つはエラストマーである材料(例えば、弾性フィルム)を含む。エラストマープライに固定された第2プライは延伸性がある。第2プライは、伸長の際に少なくとも、適用した張力を取り除いた際にその最初の歪んでいない形状に完全に戻らない程度に永久に伸ばされる。
【0052】
ゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブは、ラミネートに孔を形成する前に、機械的に活性化されてもよく、又は漸増的に伸張されて(例えば、リングロールによって)エラストマーラミネートを形成してもよい。漸増的に伸張させるプロセスを介した活性化に続いて、エラストマーラミネートにおける孔の形成は、後続の処理又は使用中に(例えば、着用者に対する物品の適用又は着用プロセス自体の間)歪みが誘発されたときに、ウェブの引き裂き及び不具合の初期ポイントとして孔が機能する傾向を低減することができる。
【0053】
活性化部材
ゼロ歪みラミネートからエラストマー前駆体ウェブを作るために、前駆体ウェブは、図1に示される成形装置100に通過する前に、活性部材130を介して漸増的に伸張され得る。本明細書で使用するとき、用語「漸増的に伸張させる」は、リングロール加工とも呼ばれ、緊密に離間した位置でウェブが支えられ、次いで、これらの緊密に離間した位置の間でウェブの支えられていない区間が伸張されるプロセスである。これは、ウェブの移動方向に対して垂直の回転軸を有する対の噛み合い波形ロールの間に形成されたニップにウェブを通過させることによって達成し得る。機械方向及び横断方向の伸張のために設計された漸増的伸張ロールは、米国特許第4,223,059号に記載されている。
【0054】
図2は、それぞれの対向する駆動ロールの歯252と溝254との間の材料のウェブ234を漸増的に伸張させるニップにおける、それぞれの対向する駆動ロールの歯252と溝254との相互係合を示す、拡大された断片的な横断面図である。示されるように、ゼロ歪みラミネートであり得るウェブ234の部分は、互いに嵌合する歯と溝の間に受容される。歯と溝との相互係合により、ウェブ234の横方向に間隔の離れた部分が、歯252によって対向する溝254の中に押し込まれている。駆動ロールの間を通過しているうちに、対向する溝254の中にウェブ234を押し込んでいる歯252の力が、ロール上の歯及び溝の配向次第で機械方向又は機械横方向に作用する引張応力をウェブ234内に課す。引張応力は、隣接する歯252の先端部の間に存在する及びその間の空間を渡る中間ウェブ区域258を、機械方向又は機械横方向に伸張させる又は伸ばすことができ、このことは、中間ウェブ区域258のそれぞれにおいて、ウェブ厚さの局部的減少という結果を得ることができる。不織布ウェブの場合、伸張は、中間のウェブ区域258内で、繊維の再配向、坪量の低下、及び制御された繊維破壊を引き起こすことができる。
【0055】
隣接する歯の間に存在するウェブ234の部分は局所的に伸張されるが、歯の先端部と接触しているウェブの部分は、同程度の拡張を受けない可能性がある。歯252の丸い外側端部の表面と歯の外側端部において歯表面に接触しているウェブ234の隣接区域260との間に存在する摩擦力のために、歯の外側端部の歯表面に相対的なウェブ表面のこれらの部分の摺動運動は、最小限である。その結果、場合によっては、歯先端部の表面に接触しているウェブの区域におけるウェブ234の特性は、中間ウェブ区域258に生じるウェブ特性の変化と比較して、わずかしか変化しない。
【0056】
ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルを含むいくつかの材料は、商業用生産での漸増的な伸張に伴う高速の歪みに耐えることができない。そのような材料は、米国特許出願公開第2008/0224351(A1)号に記載されているプロセス装置に従って低速度の歪みで漸増的に伸張することができる。本公開特許は、比較的低い歪み速度でウェブを漸増的に伸張させるための駆動部材を使用する、方法及び装置を提供する。駆動部材は、駆動ベルト及び単一の駆動部材を包含し、駆動ベルト及び単一の駆動部材が、補完し、変形域においてある係合深さで相互に係合する、複数の歯及び溝を含む。係合深さは、変形域にわたって直線的に増加可能である。代表的な実施形態では、変形域は、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが低歪み速度で漸増的に伸張されるように、変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御することができる。
【0057】
成形装置
エラストマー前駆体ウェブを形成する前駆体ウェブの漸増的な伸張に続いて、エラストマー前駆体ウェブは、様々なアイドラーローラー、伸張−制御ローラー等(これらの全ては示されていない)のいずれかにわたって、又はこれの周囲を含む、当該技術分野において既知の手段によって、機械方向において1対の逆回転の嵌合ロール102及び104によって形成される、成形装置150のニップ116まで連続する。対の噛み合いロール102及び104は、ウェブ20に孔を形成して、有孔ウェブ1を形成するように動作する。噛み合いロール102及び104を図3により詳細に示す。
【0058】
図3を参照すると、有孔ウェブ1に孔を開けるための成形装置150の部分がより詳細に示されている。装置150のこの部分は、図3では成形装置100として示されており、それぞれが軸Aの周囲を回転する対のスチール製噛み合いロール102及び104を備え、軸Aは平行であり、かつ同一平面にある。成形装置100は、以下に図4に関して詳細に示されるように、一定の回転角度にかけてロール104上に前駆体ウェブ20が残るように設計することができるが、図3は、前駆体ウェブ20が成形装置100上のニップ116を通って真っ直ぐに進み、有孔ウェブ1として出るにつれて原則的に何が起きるかを示す。したがって、図3は、ニップ116に真っ直ぐに入り真っ直ぐに出て来る有孔ウェブ1を示しているが、ニップ116より前(前駆体20に関して)又は後(有孔ウェブ1に関して)に、既定の回転角度にかけて前駆体ウェブ20又は有孔ウェブ1をロール102又は104のいずれかに部分的に巻くことも可能である。例えば、ニップ116を出た後、既定の回転角度にかけて有孔ウェブ1をロール104に巻くように導いて、図4に示すように、ロール104の歯110上に孔が静止して「嵌った」まま残るようにすることができる。
【0059】
ローラー102及び104は、スチール製でもアルミニウム製でもよい。一実施形態では、ローラーはステンレススチールで作製することができる。概して、ローラー102及び104は、耐食性かつ耐摩耗性のスチールで作製することができる。
【0060】
ロール102は、ロール102の周囲全体をとぎれずに取り巻いて延びていることができる、複数の隆起部106と対応する溝108とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ウェブ1において、どの種類のパターンが望ましいかに応じて、ロール102は、隆起部106の一部又は全部が周囲方向に連続的でなく、割れ目又は間隙を有するように、例えば、エッチング、ミリング、又はその他の機械加工などにより、一部が除去されている隆起部106を含むことができる。割れ目又は間隙は、円又は菱形のような単純な幾何学パターンを含むパターンを形成するように配列されてもよいが、ロゴ及び商標のような複雑なパターンを含んでもよい。一実施形態では、ロール102は、後に詳述するロール104の歯110と同様の歯を有することができる。このように、有孔ウェブ1の両側に、外向きに延びている部分を有する3次元の孔を有することが可能である。孔に加えて、ロゴ及び/又はデザインを描いたエンボス加工のテクスチャーのマクロパターンを含む、ウェブ1の孔の様々な平面外のマクロ区域を作製することができる。代替実施形態では、ロール102の外面は、結合するロール104上の歯が2つのロールの間に形成されたニップを貫通することを可能にするゴムのようなブラシ又は弾性材を含むことができる。
【0061】
あるいは、ロール102の代わりに、1998年9月8日付でJourdeらに発行された米国特許第5,802,682号に開示されているようなブラシコンベヤを使用してもよい。この実施形態では、結合するロール104上の歯と接触するようにブラシコンベヤを配列して、ロール104とブラシコンベヤとの間に形成されたニップで歯がブラシを貫通するようにすることができる。
【0062】
ロール104はロール102に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出することができる隆起部を有さず、ロール104は、ロール104の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯110の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を備える。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。作動中、ロール102及び104は、ロール102の隆起部106がロール104の溝112内まで伸張し、ロール104の歯110がロール102の溝108内まで伸張するように噛み合う。噛み合せが、以下で議論される、図8の断面表示でより詳細に示される。ロール102及び104の両方又はいずれかを、熱油入ローラー又は電気加熱ローラーを組み込むことによるなど、当該技術分野において既知の手段によって加熱することができる。あるいは、加熱は伸縮性ウェブには必要とされない場合があるが、ローラーの両方又は一方は、表面対流によって、又は表面放射によって加熱されてもよい。
【0063】
歯110は、ローラー104と接合することができる。「接合」とは、溶接、圧縮嵌め合い、又は別の方法で歯を接合して取り付けることができることを意味する。しかし、「接合」には、ローラー104から余分な材料を取り除くことによって機械加工された歯の場合のような一体的な取り付けも含まれる。歯110がローラー104に接合される位置は、その基底部である。基底部に平行な任意の横断面の位置で、それぞれの歯は非丸形の横断面区域を有することができる。周囲方向において、横断面区域の横断面長さ(下記のように歯の長さに対応する)は、横断面区域の中心でその長さ寸法に垂直に測定された横断面の幅の少なくとも2倍である。代替実施形態では、歯は、円筒形、円錐形、六角形、又は、対応する所望の孔の形に依存する他の形のピンを備えることができる。
【0064】
隆起部106及び代表的な歯110を含む噛み合いロール102及び104の部分の横断面が図4に示されている。図示されるように、歯110は、歯高TH(THは、隆起部106高さにも適用され得ることに留意すること、好ましい実施形態において、歯高及び隆起部高さは等しい)、並びにピッチPと示される歯間間隔(又は隆起部間間隔)を有する。図示されているように、係合深さ(DOE)Eは、ロール102及び104の噛み合い度の測定値であり、隆起部106の先端部から、歯110の先端部までを測定したものである。係合深さE、歯高TH、及びピッチPは、本発明の前駆体ウェブ20の特性及び有孔ウェブ1の所望の特徴に応じ、所望によって変えることができる。例えば、概して、ウェブ1の火山形構造物8又は孔6の密度をより高くするためには、以下に説明するように、ピッチはより小さくあるべきであり、かつ歯の横断面長さTL及び歯間隔距離TDもより小さくあるべきである。
【0065】
また、有孔ウェブ1の特性及び特徴を変化させるために、歯110のサイズ、形、配向、及び間隔をロール104の周囲及び幅に沿って変えてもよいことも想到される。
【0066】
加えて、ローション、インク、界面活性剤などのような物質を、ニップ116に入る前の又は後の有孔ウェブ1に、スプレー、コーティング、スロットコーティング、押出し、又は別の方法で適用することができる。そのような処理の適用のための当該技術分野において既知の任意のプロセスを利用することができる。
【0067】
有孔ウェブ1が形成された後、それは保管のため及び他の製品の構成要素として更に加工するために、有孔ウェブ1を供給ロール160に巻き取ることができる。使い捨て吸収性製品のような完成品への組み込みを含む、更なる後プロセスへ有孔ウェブ1を案内してもよい。
【0068】
一実施形態では、ウェブ1は、図5に示すような装置200を通して前駆体ウェブ20を加工することによって形成することができる。装置200のマルチローラー配列は、有孔ウェブ1が既定の回転角にかけて歯付きローラー104と接触したままになる既定の滞在時間を提供するように設計される。回転角は、フィルムのタイプ、ローラーの温度、及びウェブの移動速度に依存して最適化することができるが、概して、巻きの角度は少なくとも部分的に、結合するローラーの相対的サイズに依存して少なくとも10度、最高約270度以上であることができる。図のように、上記の図1で装置150のローラー102に関して説明したように、前駆体20は、ローラー105を導くために様々なガイドローラー及び引張部材(図示せず)の周囲で及びロール102A上に導くことができる。ローラー102Aを加熱して、火山形構造物8及び孔6の形成を助けてもよい。一実施形態では、ローラー102を約93℃まで(200°F)加熱することができる。
【0069】
図5に示すように、前駆体ウェブ20は、噛み合いローラー104と102Aとの相互係合によって形成されるニップ116Aに入る。装置200のローラー104は、図1の装置150に関して上述したような歯付きローラーであることができる。前駆体ウェブ20がニップ116Aを通過するにつれて、ローラー104上の歯110は、前駆体ウェブ20を内に及び/又は通って圧して貫通して、火山形構造物8及び孔6を形成する。次に、有孔ウェブ1は、ローラー104とローラー102Bとの相互係合によって形成されたニップ116Bに到達するまで、回転ローラー104との固定接点を維持する。ローラー102Bは、上記の図1の装置150のローラー102に関して説明したような隆起部及び溝を有することができる。
【0070】
ニップ116Bを出るにつれ、ウェブ1はローラー104から離れてローラー102B上へと導かれ、必要に応じて様々なガイドローラー105を越えてから、更なるプロセス、搬送、又は工業製品への組み込みのための配置のために巻き取られる。一実施形態では、ウェブ1は、使い捨て吸収性物品のための製造プロセスに送られ、ウェブ1は、カバーシートとしてプロセスに供給され、バックシートウェブのような他の構成要素と接合され、最終形状に切断され、包装され、小売販路へと出荷される。別の実施形態では、ウェブはおむつ製品の製造プロセスに送られ、ウェブ1はバックシートとしてプロセスに供給され、トップシートのような他の構成要素と接合される。
【0071】
ローラー104から剥離される際にウェブ1が歯110にくっつく傾向がある場合は、多様な加工助剤を必要に応じて加えることができる。例えば、シリコーン又はフッ化炭素のようなくっつき防止処理を加えることができる。様々な潤滑剤、界面活性剤、又は他の加工助剤を前駆体ウェブ20又はローラー104に加えることができる。ウェブをローラーから取り外すのを助ける他の方法としては、エアナイフ又はブラッシングが挙げられる。一実施形態では、ローラー104は、ウェブの取り外しのポイントでローラー102B上に正空気圧をもたらすために内部チャンバ及び手段を有することができる。概して、ローラー104からローラー102Bへの移動の制御は、ウェブ速度、相対ローラー速度(すなわち、ローラー104とローラー102Bの接線速度)、ウェブ張力、及び相対摩擦係数の影響を受ける。当業者に既知のようにこれらのパラメータのそれぞれを変更して、ウェブ1のローラー102Bへの望ましい移動を確保することができる。
【0072】
図5に示すような装置を有することによる利益は、ウェブ1がローラー104の歯110と接触して「入れ子になる」時間が延長されることである。このようにして、火山形構造物8及び孔6は、硬化までの追加的な時間を有することになり、ローラー104から取り外された後に3次元構成を維持する可能性が高くなる。理論に束縛されることなく、ローラー104の周囲、ローラー102A、104、及び/又は102Bの温度、並びにローラーの摩擦係数を調整することによって、このより長い滞在時間を利用し、ウェブ1が加工され得るライン速度を増して、永久的な3次元の火山形構造物8を作製することができると考えられる。ローラー102A、104、及び/又は102Bの温度は全て同じ温度でもよく、あるいは、異なる温度でもよい。ローラーは特定の温度まで加熱されてもよく、又はおよそ周囲温度で加熱されなくてもよい。例えば、ローラー102Bを室温以下にする一方で、ローラー102A及び104を加熱することができる。加えて、様々なローラーの速度を同じ速度に維持してもよく、あるいは、ローラーによって異なる速度を確立してもよい。
【0073】
上述したような装置150又は200のローラーのいずれかを加熱する場合、熱膨張を考慮するように注意しなければならない。一実施形態では、図4に示されている寸法、及び本明細書に記載されている寸法は動作温度における寸法であり、隆起部、溝、及び/又は歯の寸法は、熱膨張を考慮して機械加工される。
【0074】
成形装置の歯
図6は、有孔ウェブ1を作製するのに有用な、複数の歯110を有するローラー104の一実施形態の一部を示す。図7は、図6に示した歯110の拡大図である。図7に示されるように、それぞれの歯110は、基底部111、歯先端部112、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端部112は、概ね尖っているか、鈍く尖っているか、又は別の方法で前駆体ウェブ20を伸張及び/又は穿刺するように成形される。歯110は、概ね平らなブレードのような形状を有することができる。すなわち、横断面が概ね円形の丸いピンのような形状とは対照的に、歯110は、一方を伸ばされて、概ね非円形の細長い横断面形状を有することができる。例えば、その基底部111において、歯110の横断面は、少なくとも2つ、又は少なくとも約3つ、又は少なくとも約5つ、又は少なくとも約7つ、又は少なくとも約10、又はそれ以上のTL/TWの歯のアスペクト比ARを呈する歯の長さTL及び歯の幅TWを有し得る。一実施形態では、横断面寸法のアスペクト比ARは、歯高に対して実質的に一定のままである。
【0075】
ローラー104の一実施形態では、歯110は、歯110の基底部111にて前縁LEから後縁TEまで概ね測定される、約1.25mmの均一横断面長さ寸法TLと、基底部にて周囲長さ寸法に対して概ね垂直に測定される、約0.3mmの歯の横断面幅TWとを有し得る。歯は、約1.5mmの距離TDをおいて周囲方向に互いから均等に離間し得る。前駆体ウェブ20から、約5gsm〜約200gsmの範囲の坪量を有する柔らかい繊維状の3次元の有孔ウェブ1を作製するために、ロール104の歯110は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL、約0.3mm〜約1mmの歯幅TW、約0.5mm〜約5mmの間隔TD、約0.5mm〜約10mmの範囲の歯高TH、及び約1mm(0.040インチ)〜3mm(0.100インチ)のピッチPを有することができる。係合深さEは、約0.5mm〜約5mm(最高で歯高THに近づくまで)であり得る。
【0076】
当然、係合深さE、ピッチP、歯高TH、間隔TD、及び歯横断面長さTLは、孔6の所望のサイズ、間隔、及び面密度(有孔ウェブ1の単位面積当たりの孔6の数)を達成するために、それぞれ互いに独立に変えられてもよい。例えば、生理用ナプキン及び他の吸収性物品に使用するのに好適な有孔フィルム及び不織布を作製するために、基底部における歯の横断面長さTLは、約2mm〜約3.81mmの範囲であり得、歯幅TWは、約0.508mm〜約1.27mmの範囲であり得、歯間隔TDは、約1.0mm〜約4.0mmの範囲であり得、ピッチPは、約1.106mm〜約2.54mmの範囲であり得、及び歯高THは、約2.0mm〜約9.0mmであり得る。係合深さEは、約0.5mm〜約5mmであり得る。歯の先端部112の曲率半径Rは、0.07mm〜約0.4mmであり得る。理論に束縛されるものではないが、基底部における歯の長さTLは、約0.254mm〜約12.7mmの範囲であり得、歯幅TWは、約0.254mm〜約5.08mmの範囲であり得、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mm(又はそれ以上)の範囲であり得、ピッチPは、約1.106mm〜約15.0mmの範囲であり得、歯高THは、0.254mm〜約18mmの範囲であり得、及び係合の深さEは、0.254mm〜約6.35mmの範囲であり得ると考えられている。開示された範囲のそれぞれに関して、寸法は、最小寸法から最大寸法までの範囲内で、0.001mmの増分で変更可能であることが本明細書に開示され、本開示は、範囲限界及び全ての中間寸法を0.001mmの増分(増分が0.0001mmの増分で変化するものとして開示される曲率半径Rを除く)で教示することが本明細書に開示される。
【0077】
理論に束縛されず、かつ現在係属中の工具設計と一貫して、本発明の方法及び装置に他の寸法を使用することも可能であると考えられる。例えば、基底部における歯の長さTLは、約0.254mm〜約12.7mmの範囲であり得、2.03mm、4.42mm、4.572mm、及び約5.56mmを含むことができ、歯幅TWは、約0.254mm〜約5.08mmの範囲であり得、0.63mm、0.84mm、及び1.78mmを含むことができ、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mmの範囲であり得、2.032mm及び3.68mmを含むことができ、ピッチPは、約1.106mm〜約7.62mmの範囲であり得、2.54mmを含むことができ、歯高THは、0.254mm〜約18mmの範囲であり得、5.08mm及び8.2mm含むことができ、及び係合深さEは、0.254mm〜約6.35mmの範囲であり得る。曲率半径は、約0.00mm〜約6.35mmの範囲であり得る。開示された範囲のそれぞれに関して、寸法は、最小寸法から最大寸法までの範囲内で、0.001mmの増分で変更可能であることが本明細書に開示され、本開示は、範囲限界及び全ての中間寸法を0.001mmの増分(増分が0.0001mmの増分で変化するものとして開示される曲率半径Rを除く)で教示することが本明細書に開示される。歯は、約10mm〜1000mm又はそれ以上の幅、及び144mmを含む、約50mm〜1000mmの直径を有する回転ロール上に配置され得る。ロールは、約10〜1000m/分の接線速度で孔を形成するプロセス中に回転し得る。
【0078】
一実施形態では、有孔ウェブ1の火山形構造物8及び/又は孔6を作製するために、LE及びTEを、サメの歯のような形として説明され得る全体として錐体又は、錐台形の点に向かってテーパー状に形成しなくてはならない。図7に示されるように、全体として先の尖った錐体のサメ歯形は、6つの側面114を有することができ、それぞれの側面は全体として三角形である。2つの側面の頂点は前縁LEを作り、2つの側面の頂点は歯110の後縁TEを作る。先端縁又は後縁の頂点は比較的鋭くてもよく、又は丸い曲率半径を有するように機械加工されてもよい。歯の先端部の曲率半径は、0.127mm(0.005インチ)であり得る。
【0079】
他の歯の形を用いて孔を作製してもよい。例えば、図8に示されるように、図6に示される全体として錐体形を切頭して、先端部112の鋭さを取り除いてもよい。切頭は、概ね平らな領域120が歯110の遠位端に作られるように基底部111から既定の距離で行うことができる。概ね平らな領域120は、歯110の横断面形に対応する面形を有することができる。したがって、概ね平らな領域120は細長くてもよく、すなわち、幅寸法より大きい長さ寸法及び歯110のアスペクト比に対応するアスペクト比ARを有することができる。一実施形態では、平らな領域120は概して鋭い頂点で側面114に移行することができるか、あるいは、その移行が曲率半径であって、滑らかで、丸く、平らな歯の先端部をもたらすことができる。
【0080】
別の実施形態では、図9に示されるように、歯110はローラー104の表面に対して概ね垂直に延在する少なくとも1つの縁を有することができる。図9でローラー104の部分斜視図に示されるように、例えば、サメのヒレに似た歯は、歯の先端部112に向かって角度をなして延在する前縁LE及び歯の先端部112に向かって基底部111から概ね垂直に延在する後縁TLを有することができる。別の実施形態では、歯110は同じ形を有することができるが、前縁と後縁が逆になり、したがって、概ね垂直の縁が前縁になる。
【0081】
図10は、図9に示したローラー104の部分の上面図である。図の実施形態には様々な寸法が示されており、前縁及び後縁を作っている側面114がなす角度が含まれる。同様に、図11は、図9に示される歯の詳細であり、代表的な寸法を示す。概して、図の寸法は、使い捨て吸収性物品のトップシートとして有用な3次元成形フィルムの作製に有益であると現在考えられているが、全ての寸法は前駆体ウェブ20の所望の孔の密度、間隔、サイズ、及びウェブの型式に依存して必要に応じて変えられてもよい。
【0082】
理論に束縛されることなく、歯110上に比較的鋭い先端部を有することは、歯110が前駆体ウェブ20を「きちんと」、すなわち局所的に及びはっきりと穿孔することを可能にし、これによって得られるウェブ1は、主に「エンボス加工されている」というよりはむしろ、主に「孔を形成されている」と記載することができる。一実施形態では、前駆体ウェブ20の穿刺はウェブ20をほとんど変形しないきれいな穿刺であるので、結果的にもたらされるウェブは実質的に2次元の穿孔ウェブとなる。
【0083】
有孔ウェブ1の変化した特性及び特徴を提供するために、歯110の寸法、形状、配向、及び間隔をロール104の周囲及び幅に沿って変えてもよいことが想到される。孔6の数、間隔、及び大きさは、歯110の形、数、間隔、及び大きさを変えると共に、必要に応じてロール104及び/又はロール102に対応する寸法的変化を加えることによって変えることができる。この変化は、前駆体ウェブ20において可能な変化及び加工工程における、例えばライン速度、ロール温度のような変化、並びに他の加工後の変化とともに、多くの目的のために多くの異なる有孔ウェブ1を作製することを可能にする。
【0084】
本発明に従って有孔ウェブは、湿気管理手段としておむつなどの吸収性物品に組み込むことができる。湿気管理手段は、漏れ保護を提供し、その一方で同時に、蒸気がおむつから逃れるのを可能にし、その一方で、排出物が外側カバーを通過するのを更に防止する外側カバーであってもよい。本発明に従う有孔ウェブはまた、湿気管理機能を提供スル必要のない伸縮性外側カバーとして、おむつなどの吸収性物品に組み込まれてもよい。そのような設計では、通気可能なバックシートを備えるコアバケット、トップシート、及びそれらの間の吸収性コアは全て、流体処理機能(すなわち、尿及びBM)を提供する。
【0085】
他の実施形態では、湿気管理手段は、異なる通気性及び/又は液体透過性の領域を含み得る。例えば、湿気管理手段は、領域内の通気性及び/又は液体透過性において高くてもよく、これは吸収性コアとは一致しない。本明細書で使用するとき、用語「通気性」は、材料を通る水蒸気の拡散移送を指す。湿気管理手段は、1つ以上の層に組み立てられてもよく、好ましくは、液体不透過性である少なくとも1つの層を含み、液体不透過性層は好ましくは吸収性コアに隣接して配置され、好ましくは少なくとも吸収性コアと同じ大きさの面積を被覆する。
【0086】
使い捨て吸収性物品に使用するための有孔ウェブを形成するための上述のような装置150又は200の明確な便益は、そのような物品を作製するための既存のプロセスにおいて、装置150又は200を単位操作として適応し、位置付ける能力である。例えば、有孔ウェブ1は、使い捨ておむつなどの吸収性物品においてバックシート外側カバーであってもよい。おそらくは地理的に遠隔な場所でオフラインで有孔ウェブを作製するのでなく、使い捨ておむつ又はパンツを作製する生産ラインに成形装置150を伸縮性外側カバー材料の供給とともにラインに含めて設置することによって、有孔ウェブ1をオンラインで作製することができる。そのようにすることは、いくつかの明確な利点をもたらす。第1に、おむつ生産ラインに直接に、外側カバーに孔を開ける成形装置150を有することは、従来のプロセスによって作製されると費用がかさむ場合がある、有孔ウェブを購入する必要をなくす。第2に、歯付きの領域が既定のパターンで作製されるように歯付きロール104を構成することによって、有孔バックシート外側カバーの有孔部分を既定パターンで形成することができる。例えば、外側カバーは、孔のみが腰部領域、尻部領域、股領域若しくはコア領域、又は上記のいずれかの組み合わせに配置されるライン上で作製されてもよい。更に、外側カバーは異なる孔密度、形状、孔径、又はこれらのいずれかの組み合わせを外側カバーの異なる領域において有して作製されてもよい。例えば、外側カバーの長手方向中心線に近接する孔密度は、長手方向中心線の遠位の孔密度よりも高くてもよい。同様に、有孔領域が、チャネル、しるし、色信号などを含む他の可視の構成要素と位置合わせされるように孔を形成することができる。
【実施例】
【0087】
エラストマーの有孔ウェブを形成するのに使用されるラミネートは18gsmの70/30 PP/PEスパンボンド二成分外側不織布層を含み、これは18gsmの50/50 PP/PEスパンボンド二成分不織布に積層されている22gsmのVISTAMAXXフィルムを含む押出成形二重ラミネートに接着積層されている(3gsmのPE系表面を用いて)。2つの不織布は、商用名SOFTEXでFiberweb(Simpsonville,SC)から入手することができる。VISTAMAXX、エラストマーポリプロピレン樹脂は、Exxon Mobil(Chemical,Houston,TX)から入手可能である。VISTAMAXフィルム及びSOFTEX不織布の二重ラミネートは、Clopay(Cincinnati,OH)から入手することができる。ラミネートを接着するときに使用される接着剤は、Bostik Findley(Wauwatosa,WI)によって供給されるH2861(螺旋バターン、坪量=9gsm)を含む。
【0088】
ラミネートは、成形装置に通過させる前に、機械的に活性化され、エラストマーウェブ材料を形成する。成形装置は以下の特徴を有する:
歯の形状=六角形
基底部における歯の長さ=2.034mm
基底部における歯の幅=0.84mm
歯の高さ=8.2mm
歯の間隔=3.68mm
ロール直径=144.46mm
ロール幅=200mm
ウェブ速度/接線ロール速度=320m/分
ロール温度=周囲温度(22℃)
嵌合の深さ=3.0、3.6及び4.1mm(0.120、0.140及び0.160インチ)
【0089】
以下の表1は、孔が形成された3つのエラストマーウェブに関するヒステリシス試験及び通気性データを示し、孔の形成は異なるDOEで実施される。表2は、10%歪みで測定された、結果として得られるエラストマーの孔が形成されたウェブの平均孔径及び開口面積率を示す。
【表1】
【表2】
【0090】
試験方法
次の試験方法は、コンピュータとインターフェイス接続された市販引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton,MA)のもの、SINTECH−MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)のもの、又は同等物)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、かつデータの収集、計算、及び報告を行う。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試料は試験前に24時間条件付けされる。
【0091】
ヒステリシス試験
1.試験用に2.54cm(幅)×7.62cm(長さ)の材料試料を選択する。場合によっては、2.54cm×7.62cmの試料を得ることが不可能であれば、より小さい試料を使用してもよいが、その場合も25mmのゲージ長さを使用しなくてはならない。試料が活性化している、又は活性部分を含む場合、試料の長さは、活性方向に取る。
2.適切なつかみ具及びロードセルを選択する。つかみ具は平らな表面を有する必要があり、試料を適応させるために十分に幅広(例えば、少なくとも幅2.54cm)でなくてはならない。また、つかみ具は、試料が試験中に滑らないことを確実にするために十分な力を提供しなくてはならない。試験する試料からの引張応答が、使用するロードセルの許容量の25%〜75%であるようにロードセルを選択する。
3.メーカーの指示に従って試験装置を較正する。
4.握り部間の距離(ゲージ長)を25mmで設定する。
5.試料の長手方向軸線が標点距離方向に実質的に平行になるようにつかみ具の平面に試料を定置する。最少のたるみで試料を装着する。たるみの予荷重を0.02N/cmに設定する。これは、0.02N/cmの力でたるみが取り除かれたときにデータ収集が始まることを意味する。歪みは、0.02N/cmの力での引張試験機のグリップの間の試料の長さである、調整された標点距離(lini)に基づいて計算される。調整された標点距離は試料の初期長さとして取られ、0%の歪みに相当する。試験中の任意の点での歪み百分率は、長さにおける変化を、調整された標点距離で割って、100%を掛けることによって得られる。
6.a.第1周期荷重:一定のクロスヘッド速度254mm/分で歪み50%まで試料を引っ張る。
b.第1周期除荷:試料を30秒間、歪み50%で保持し、次いでクロスヘッドを、254mm/分の一定のクロスヘッド速度で、調節されたゲージ長(0%歪み)に対応する位置に戻す。試料を歪みのない状態で1分間保持する。
c.第2周期荷重からの歪み:0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の荷重に達するまで、254mm/分の一定クロスヘッド速度で試料を引っ張る。伸びた標点距離(lext)を記録する。次いで、254mm/分の一定のクロスヘッド速度で、拡張から戻しの間は滞留時間なしで、調節されたゲージ長(0%歪み)に対応する位置まで、クロスヘッドを戻す。歪みは、0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の第2周期荷重での最大歪みとして定義される。下記のように%歪みを計算する。
【0092】
コンピュータデータシステムが、試験中に試料にかけられる力を適用された歪みの関数に応じて記録する。その結果得られる生成されたデータから、以下の数量が報告される(報告される荷重は、試料の厚みを考慮せずに力を試料の幅で割って得られることに注意)。
1.25%歪み及び50%歪みでの荷重(N/cm)
2.%歪み(0.02N/cm)の第2周期荷重で測定される%歪み)
歪み率=(lext−lini)/lini*100%
【0093】
それぞれの試料について5回繰り返し、平均及び標準偏差を報告する。
【0094】
水蒸気透湿度(WVTR)試料
水蒸気透過度は、水蒸気が可撓性バリア材料を通って流れる割合の尺度である。WVTRは、WSP 70.4(08)に従って測定され、これは500〜100,000gsm/日の蒸気透湿度に関する標準試験方法である。本方法は、有孔ウェブのWVTRを決定するのに使用される。Permatran−Wモデル100KがMOCON(Minnesota,MN)から購入された。試料方法は、以下の条件及び設定の下で、WSP標準試験に従って実行された。
1)試験装置の温度は37.8℃度に設定される。
2)各セルにおける制御ノブは、60% +/−1.5%の相対湿度(RH)を得るように調節される必要がある。
3)試験モード=試料及び基準参照フィルムを実行するために標準、周期数=2;周期時間=5分。
4)設備が適正に実行されていることを確認するために、試料の試験をする前に基準参照フィルム(MOCONのS/N 1008WK089)を実行しなくてはならない。標準基準フィルムの結果は+/−10%内にあるべきである。
【0095】
孔径及び開口面積試験
孔の平均孔径(mm2)及び開口面積率(%)は、画像解析を備える光顕微鏡検査で測定された。0.5xのNikon WD136 HR Plan Apoレンズ及びステージ光照明器が取り付けられたNikon SMZ1500顕微鏡が使用された。倍率は約30×25mmの表示画面を与えるように0.75xで設定された。透過光画像が、Evolution MP Color Digital Camera(Media Cybernetics,Bethesda,MD)を使用して得られ、ImageJソフトウェア、バージョン1.42(NIH,Bethesda,MD)を使用して処理された。試験片は伸張され、次いで、顕微鏡上で見るために、矩形のプレキシガラスフレーム(厚さ0.5cm、全体寸法12.5×18.5cm、内側開口部7.5×12.5mm)上に固定された。伸張の特定の方向において、試料を10%伸張する。伸張の方向が特定されていない場合は、試料のスクラップ辺の縁部を静かに引っ張ることによって、伸張の方向を決定する。伸張の方向は、横方向と呼ばれ、垂直な方向は長手方向と呼ばれる。試料から15cm×15cmの試験片を切断し、それを以下の解析のために準備する。試験片を平坦な表面上(例えば、実験台)上に上向きに配置する。先端部の横方向縁部に沿って、試験片の縁部の中間点で中央に合わせて10cmを正確に測定し、印を付ける。マスキングテープを用いて、試料片の長手方向側部をこれらの印でテープを貼り付け、10cm(横方向)×15cm(長手方向)の試験領域を画定する。マスキングテープを用いて、試験片の左の長手方向縁部を実験台に固定する。100mm幅の試料領域が横方向に110mmまで延伸されるように、静かに、かつ均一に右側部を横方向に伸ばす。マスキングテープを用いて、試験片の右側部を実験台に固定する。プレキシグラスフレームを試験片上で中央において、両面テープを使用して取り付ける。試験片を台から取り除き、ここでフレームは、試験片を伸びた状態に固定している。
【0096】
カメラキャプチャーソフトウェアを8ビットのグレースケールに設定する。ステージ照明を点灯し、試験片を顕微鏡ステージ上に配置し、像に焦点を合わせる。試験片を取り除き、ステージ上に校正ルーラーを配置する。像の校正に対してルーラーの像を撮る(ルーラーの像を撮るために上部照明が一時的に必要となる)。倍率及びフォーカスは、校正像が撮られた後に変更する必要はない。試験片をステージ上に戻し、孔が明かに照らされるまで、ステージの光を調節する。試験片の表面に沿って、異なる位置で5つの像を収集する。
【0097】
解析のために像をImageJにロードする。ルーラーの像を開いて、長さの1mm当たりの画素数に関してソフトウェアを校正する。次に、試験片像を開き、コントラストを調節して白黒表示する。バイナリマスクを適用し、白の背景に黒の孔を得るために像を反転させる。像の縁部と接触している孔を排除するように、ソフトウェアを設定する。平均孔径の算出のために(合計の開口面積ではない)、孔内に含まれるいずれかの孔(充填孔(fill holes))を排除し、0.02mm2未満の面積を有する孔を排除する。これらの設定に従って、平均孔面積及び孔の合計開口面積を算出する。孔面積の平均は平均孔径を得る。開口面積率は、試験片の合計面積に対する孔の合計開口面積の比率を100倍したものである。この手順を、試験片の5つの全ての像で繰り返し、個々の結果を平均化する。小数点第2位まで平均を記録する。
【0098】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周囲の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0099】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0100】
1.本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有孔ウェブの作製方法に関する。特にこの方法は、エラストマーの有孔ラミネートを作製するのに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の分野で、特に使い捨ておむつにおける開発の根底にある消費者の要求は、高い保護及び快適さの両方を提供する製品への要求である。快適さの利益は、通気性かつ使用中に着用者の身体に適合するために伸張する材料を導入することによって提供される。通気性及び伸縮性は典型的に、蒸気透過性である通気性のバックシートカバー、及び伸張して着用者の身体に適合するサイドパネルの組み込みに限定されてきた。
【0003】
おむつ上のバックシートカバーは、漏れを防ぐために流体不透過性であり、かつ快適性を提供するために蒸気透過性であるように設計される。バックシートカバーは典型的に、液体には不浸透性ではあるが、蒸気透過性であり、環境とのガス状の交換を可能にする微多孔性フィルムを組み込む。微多孔性フィルムは、限定された伸縮性を有し、したがって、伸張を供給するために別個の伸縮性サイドパネルが必要とされる。
【0004】
伸縮性サイドパネルは、エラストマーフィルム及び延伸性不織布から構成されるラミネートであることが多い。フィルム及び不織布ラミネートは、弾性ラミネートを形成するため漸増的に伸張させることによって活性化される。弾性フィルム及び不織布ラミネートは伸張して、着用者の身体に適合するが、それらは限定された通気性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
適合するフィットのために伸縮性であり、かつ通気性を提供するために蒸気透過性であるバックシートの外側カバーに対する必要性が存在する。したがって、結果として約1000g/m2/日より大きいWVTRを有する通気性弾性ラミネートとなる蒸気透過性の伸縮性ラミネートを製造するプロセスに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
使い捨て吸収性物品の外側カバーとしての使用に好適であるエラストマーの有孔ウェブの作製方法が開示される。本方法は、連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマーのプライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブを提供する工程を含む。前駆体ウェブは、漸増的に伸張させることによって、第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する。成形装置は、第1の部材及び第2の部材を備えて提供され、第1の部材は嵌合部材を含み、第2の部材は、基底部及び先端部からテーパー状の歯を含み、歯は基底部において第2の部材に接合される。エラストマー前駆体ウェブ材料は成形装置を通じて移動され、第2の部材上の歯が第2の部材を貫通してエラストマーの有孔ウェブを形成するとき、エラストマー前駆体ウェブ材料に孔が形成される。エラストマーの有孔ウェブは少なくとも約1000g/m2/日のWVTRを呈する。
【0007】
一実施形態では、1対の噛み合い部材は1対の逆回転の噛み合いローラーを備える。1対の噛み合いローラーは、周囲方向に延在する隆起部及び溝を有する第1のローラーと、第1のローラーの溝と噛み合う歯を有する第2のローラーと、を備える。歯は、基底部から先端部までテーバー状であり、基底部において第2のローラーに接合される。このエラストマー前駆体ウェブは、逆回転の噛み合いローラーのニップを通して移動され、孔は、ローラーのうちの1つ上で歯がもう一方のローラー上の溝と噛み合うとき、前駆体ウェブ材料に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のプロセスの略図。
【図2】漸増的に伸張させる装置の部分の横断面図。
【図3】本発明の成形装置の斜視図。
【図4】図3に示した装置の部分の横断面図。
【図5】本発明のプロセス及び装置の別の実施形態の略図。
【図6】図3又は図5に示した装置の部分の斜視図。
【図7】図6に示した装置の部分の拡大斜視図。
【図8】図3に示した装置の歯の代替構成の斜視図。
【図9】図3に示した装置の歯の代替構成の斜視図。
【図10】図9に示した装置の部分の上面図。
【図11】図9に示される歯の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義:
本明細書及び請求項中で使用するとき、用語「含む」は、包括的又は非制限的であって、列挙されていない追加の要素、構成要素、又は方法工程を排除しない。
【0010】
本明細書で使用するとき、「係合深さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝が相互の中へ延びる程度を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、間に入れられた、しかし織布又は編まれた布地内のような繰り返しの模様内ではなく、通常無作為に配向された繊維を有さない、個々の繊維又は糸の構造体を有するウェブを言う。不織布ウェブ又は布地は、多数のプロセスで形成されており、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、及びカード加工されて熱接着を包含するカードウェブ接着プロセスなどがある。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。ラミネートウェブの坪量は、構成要素層及びいずれか他の付加構成成分の組み合わせ坪量である。本発明での使用に好適なラミネートウェブの坪量は、ウェブの最終用途に依存するが、6gsm〜400gsmの範囲にすることができる。例えば、ハンドタオルとして使用する場合、第1及び第2の両ウェブとも、18gsm〜500gsmの坪量を有する不織布ウェブにすることができる。
【0012】
繊維直径は、大抵、ミクロンで表されるが、繊維寸法は、繊維の単位長さ当りの重量の単位である、デニールでも表すことができる。
【0013】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマーの繊維にすることができ、並びにモノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は二成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)にすることができ、並びに0.1〜500マイクロメートルの範囲の主要横断面寸法(例えば、丸繊維の場合には直径)を有することができる。不織布ウェブの構成繊維は、また、化学(例えば、PE及びPP)、構成成分(モノ−及びビス−)、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形(すなわち、毛管及び丸)などのような特徴において異なる、異なる繊維タイプの混合物であってもよい。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。
【0014】
本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、紡糸口金の微細で通常は円形の複数の毛管から溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径をその後急激に縮径させることによって形成される、比較的小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面に沈着するとき、一般に粘着性がない。スパンボンド繊維は、一般に連続しており、及び7マイクロメートルより大きい、より具体的には約10〜40マイクロメートルの(少なくとも10の試料からの)平均直径を有する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「メルトブローイング」とは、溶融した熱可塑性材料を、微細で通常は円形の複数の金型毛管を通して、通常は加熱された収束する高速気体(例えば、空気)流の中へ、溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この気体流により溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細らせてその直径を縮小することによって、繊維が形成されるプロセスを指しており、直径がマイクロファイバー直径となることもある。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれて、多くはまだ粘着性であるうちに、収集表面上に沈着され、無作為に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても連続していなくてもよい、及び平均直径が一般に10マイクロメートルよりも小さい、マイクロファイバーである。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」には、一般にホモポリマー、コポリマー(ブロック、グラフト、ランダム、及び交互性コポリマーなど)、ターポリマーなど、並びにこれらの混合物及び修飾物が含まれるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」はあらゆる可能な立体化学的な構成、すなわちアイソタクチック、アタクチック、及びシンジオタクチックを含む。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「モノコンポーネント」繊維とは、1つのポリマーのみを使用して1つ以上の押出成形機から形成される繊維を指す。これは、1つのポリマーから形成されているが、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などのために、少量の添加剤が添加された繊維を除外することを意味しない。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般に約5重量%未満、より一般的には約2重量%未満の量で存在する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「バイコンポーネント繊維」は、別個の押出成形機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つの異なるポリマーから形成された繊維を指す。バイコンポーネント繊維はまた、複合繊維又は多コンポーネント繊維と呼ばれることもある。複数個のポリマーは、バイコンポーネント繊維の横断面にわたって実質的に連続的に位置する別個ゾーンに配置され、バイコンポーネント繊維の長さに沿って連続して延びる。かかるバイコンポーネント繊維の形状は、例えば、1つの繊維が別の繊維により包囲されるシース/コア配置であってもよく、又はサイド・バイ・サイド配置、パイ型配置、又は「海島型」配置であってもよい。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「二成分繊維」は、同じ押出成形機からブレンドとして押し出される少なくとも2つのポリマーから形成された繊維を指す。二成分繊維は、繊維の横断面積を横切って比較的一定に位置付けされる異なる区域内に配置された様々なポリマー構成成分を有するものではなく、様々なポリマーは通常、繊維の全長に沿って連続ではなく、代わりに、通常は、無作為に開始及び終了する繊維を形成する。二成分繊維はまた、多構成成分繊維と呼ばれることもある。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「丸形でない繊維」は、丸形でない横断面を有する繊維について説明し、「成形繊維」及び「毛管チャネル繊維」を含む。かかる繊維は中実又は中空であり得、それらは、3葉形、デルタ形であり得、好ましくは外側表面上に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、例えば「U型」、「H型」、「C型」及び「V型」など、様々な断面の形状であってもよい。好ましい1つの毛管チャネル繊維は、Fiber Innovation Technologies(Johnson City,TN)から入手可能な4DG繊維(商標)と称されるT−401である。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0021】
「吸収性物品」は液体を吸収し、及び/又は収容するデバイスを意味する。着用可能な吸収性物品は、着用者の身体に接触して又は近接して定置され、身体から排泄される様々な排泄物を吸収して収容する吸収性物品である。着用可能な吸収性物品の非限定的な例としては、おむつ、パンツ式又はプルオンおむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティライナー、失禁用具などが挙げられる。
【0022】
「活性化」は、材料のX−Y平面における活性化の方向における延伸性材料の永久的な伸長をもたらす、延伸性材料(例えば、フィルム、不織布、繊維)の1つ以上の部分の機械的変形である。延伸性材料に接合された弾性材料を含むラミネートの活性化は典型的に、結果として、延伸性材料の1つ以上の部分が少なくとも部分的に永久的に延伸され、その一方で弾性材料はその初期寸法に実質的に戻る。「活性化された」とは、活性化プロセスを受けている材料を意味する。吸収性物品、吸収性物品構成要素及び活性化のプロセスの好適な例は、米国特許第5,156,793号、同第4,438,167号、同第5,202,173号、同第5,254,111号、同第5,296,184号、同第5,354,597号、同第6,258,308号、同第6,368,444号、同第6,811,643号、同第6,821,612号、同第6,843,949号、及び同第6,794,023号に見出すことができる。
【0023】
「活性化の方向」とは、材料が活性化プロセス中にX−Y平面において伸張される方向を意味する。延伸性不織布又はフィルムにラミネートされた弾性材料を含むラミネートに関して、活性化の方向は、活性化プロセスの完了後にラミネートが伸張できる方向でもある。弾性挙動を呈さない材料に関して、活性化の方向は、活性化プロセスの結果として最も増加された、材料のX−Y平面における寸法の方向を指す。活性化の方向の例には、機械方向、横断横行、長手方向、横方向、及び斜め方向が挙げられる。
【0024】
「非活性化」は、伸張性を材料に付与する機械的な変形プロセスを受けていない材料を指す。
【0025】
「配置される」とは、物品のある要素が物品の別の要素に対して設置されることを指す。例えば、それらの要素は、おむつの他の要素とともに一体型構造体として、又はおむつの別の要素に接合された別個の要素として、特定の場所又は位置に形成される(接合され及び位置付けられる)。
【0026】
「エラストマー又は弾性材料」は、以下に詳細に記載されているヒステリシス試験において、実質的に破裂又は破損せずに50%まで伸長する材料(例えば、フィルム、繊維、不織布、ラミネート、又はこれらの組み合わせ)である。更に、弾性材料は、ヒステリシス試験に従って測定した場合、20%以下の歪みを有する。例えば、ヒステリシス試験を行ったとき、初期長が25mmの弾性材料は、少なくとも37.5mmまで伸長することができ(50%伸長)、及び10%の歪み(すなわち長さ27.5mm)を有することができる。材料のマイクロ寸法の破裂又は破損は、実質的な破裂又は破損とは見なされず、いくつかの場合では、材料の伸張性メカニズムの一部として発生する場合がある。しかし、構造を貫通するマクロサイズの破裂(例えば、任意の方向における約5mm超の裂け目、又は2つ以上の片への破断、又は材料をその用途に使用できない状態にする相当な構造的劣化をもたらすなどの1つ以上の大きな裂け目)は、実質的な破裂又は破損と見なされる。
【0027】
「延伸性材料」は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに50%まで伸長する材料である。更に、材料は、ヒステリシス試験に従って測定された場合、20%より大きい歪みを有する。例えば、ヒステリシス試験を行ったとき、初期長25mmを有する延伸性材料は、少なくとも37.5mmまで伸長することができ(50%伸長)、及び40%の(すなわち長さ35mm)を有することができる。
【0028】
「伸縮性材料」は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに、50%まで伸長する材料である。「伸縮性材料」は、これまで定義したようにエラストマー又は延伸性であってもよい。非伸縮性材料は、ヒステリシス試験において実質的に破裂又は破損せずに、50%までの伸長しない材料である。
【0029】
「フィルム」とは、例えば、ポリマー材料をダイの比較的狭いスロットを通す押出成形を含むプロセスによって作製された比較的無孔の不織布材料を指す。フィルムは厚さにおいて1mm未満である。厚さに対するフィルムのX及びY寸法の割合は、100:1より大きい。高分子フィルムは、液体に対して不透過性であるとともに、空気蒸気(air vapor)に対して透過性であってよいが、必ずしもそうである必要はない。フィルム材料の好適な例は、以下により詳細に記載されている。
【0030】
「衣類に面する側」は、着用可能な吸収性物品が意図されるように着用されたときに、その吸収性物品の要素の最も外側の部分を指す。同じ要素の反対側、すなわちその最も内側の部分は、「着用者に面する側」と呼ばれる。要素の、衣類に面する側及び着用者に面する側は、物品の着用者に対する側であって、衣類に面する側は着用者から最も遠く、着用者に面する側は着用者に最も近いと理解されたい。典型的な使い捨ておむつの例では、着用者から見て外方に向く外側カバーの部分は衣類に面する側であり、その外側カバーのその反対側は、着用者に面する側である。
【0031】
「接合される」は、要素が直接的に他の要素に取り付けされることによって要素が直接固定される形態、並びに、要素が中間の部材に取り付けされ、その中間部材が順に他の要素に添付されることにより要素が他の要素に間接的に固定される配置を指す。
【0032】
「ラミネート」は、例えば、接着剤結合、熱結合、超音波結合など、当該技術分野で既知の方法によって互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0033】
「ゼロ歪みラミネートウェブ」は、実質的に無張力(ゼロ歪み)状態で同一の広がりを持つ表面の少なくとも一部分に沿って、断続的又は実質的に連続的のいずれかで互いに固定されている材料の少なくとも2つプライから構成されるラミネートウェブを指す。断続的な接合のいくつかの例は、螺旋状又はメルブローン接着、印刷等である。連続的接合のいくつかの例はスロットコーティング、印刷等である。ゼロ歪みラミネートウェブに採用されているプライのうちの1つはエラストマーである材料から構成される。エラストマーのプライに固定された第2のプライは延伸性である。
【0034】
「レッグバンド」は、物品の股領域の少なくとも一部分において、物品の長手方向の側縁部に隣接する個別の伸縮性のある要素又は領域を指す。レッグバンドは弾性的に収縮し、着用者の脚部の少なくとも一部分の周囲で、物品のぴったりとしたフィットを提供するよう機能する。レッグバンドは、物品の表面に取り付けられた別個の要素を備えてもよく、あるいは物品の一部分、例えばトップシート、バックシート、外側カバー又は内側レッグカフ材料など含んでもよい。
【0035】
「長手方向」は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態のときに吸収性物品の腰部端縁から対向する腰部端縁で、又は2つ折りにされた物品において腰部端縁から股部の底まで、実質的に垂直に走る方向を意味する。長手方向の45度以内の方向は、「長手方向」であると見なされる。「横方向」は、物品の側縁から対向する側縁まで走る、長手方向に対して概して垂直の方向を指す。横方向の45度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
【0036】
「機械方向」又は「MD」は、製造プロセス中に移動するウェブの移動方向と平行な方向である。MDの±45度以内の方向は、機械方向であると見なされる。「機械横断方向」又は「CD」は、MDに実質的に垂直であり、かつウェブによって概ね画定された平面における方向である。横断方向の45度以内の方向は、横断方向であると見なされる。
【0037】
「不織布」は、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、スパンボンディング、メルトブローン、カーディング、及びその類のプロセスなどにより作製される多孔質な繊維状材料を指す。不織布は、織った又は編んだフィラメントパターンを有さない。不織布は、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0038】
「外側寄り」及び「内側寄り」とは、それぞれ第2要素に対して吸収性物品の長手方向の中心線から比較的遠くに又は近くに配置される要素の位置を指す。例えば、要素Aが要素Bの外側寄りであるなら、要素Aは、要素Bより長手方向の中心線からより遠くにある。
【0039】
「外側カバー」は、物品が着用されたときに、着用者の皮膚から最も遠い物品の層を指す。外側カバーは、単一材料、ラミネート(例えば、Z方向において、別個ではあるが接合されている材料)、又は複合材料(例えば、X及び/又はY方向において別個ではあるが、接合されている材料)を含んでもよい。伸縮性外側カバーは、外側カバーの一部で少なくとも伸縮性である。概して、弾性的に伸縮性の外側カバーラミネートは、外側カバーの衣類に面する表面上の柔軟な布様材料と、ラミネートの少なくとも一部分における弾性材料と、を含む。第2の柔軟な布様材料は、外側カバーの着用者に面する表面に含まれてもよい。
【0040】
「ウェブ」はロールに巻くことが可能な材料を意味する。ウェブは、フィルム、不織布、ラミネート、有孔ラミネート等であってよい。ウェブの面とは、その縁部とは対照的に、その二次元の表面の1つを指す。
【0041】
「X−Y平面」は、移動ウェブのMD及びCDによって画定される平面を意味する。
【0042】
本明細書において開示される全ての数値範囲に関して、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含すると理解すべきである。加えて、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。更に、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を包含し、並びにその数値範囲内のそれぞれの個々の数値をも、そのようなより狭い数値範囲及び個々の数値が全て、あたかも本明細書に明示的に記載されているかの如く包含するものである。
【0043】
本発明は、エラストマーの有孔ウェブを作製するために使用される方法及び装置に関して説明する。この有孔ウェブは、フィルムと不織布とを含む有孔フィルム又はラミネートであることができる。有孔ウェブはエラストマーである。孔は、マイクロ孔及びマクロ孔を含むことができ、前者は、通常の屋内照明で約1メートルの距離から観察者の裸眼に実質的に不可視であり、後者はそのような条件下で可視である。マイクロ孔及び/又は他のエンボス加工又は非平滑化加工は、本発明の装置によって加工する前に形成することができる。張力適用を介して、歪みがウェブに誘発されたときに、孔の寸法が増加する場合がある。有孔ウェブは、包帯、包装材、失禁用具、おむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、及び痔治療パッドのような使い捨て吸収性物品、並びに例えば床掃除シート、身体拭きシート、洗濯シートのような他の消費者製品に使用することができる。加えて、本発明のウェブは、自動車、農業、電気、又は工業用途の穿孔ウェブとしても利用することができる。
【0044】
有孔ウェブ(aperture web)の物理的特性は、以下の孔径及び開口面積試料に従って測定されたときの平均孔径(mm2)及び開口面積率によって規定される。平均孔径は約0.05〜10mm2であってもよい。好ましくは、孔径は0.07〜5mm2、更により好ましくは0.10〜2.5mm2である。開口面積率は0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、より好ましくは0.3〜2.5%であり得る。
【0045】
本発明の一装置150が概略的に図1に示される。図1に示されるように、ウェブ1は、第1の表面12及び第2の表面14と有する概ね平面の2次元前駆体ウェブ20から形成することができる。前駆体ウェブ20は、高分子フィルムでもよく、又は高分子フィルムと不織布ウェブとのラミネートでもよい。第1の表面12は、前駆体ウェブ20の第1の側面、及びウェブ1の第1の側面に相当する。第2の表面14は、前駆体ウェブ20の第2の側面、及びウェブ1の第2の側面に相当する。一般に、「側面」という用語は、本明細書では、フィルムのような概ね2次元のウェブの2つの主表面を説明する用語の一般的な使い方で用いられる。当然、複合又はラミネート構造物では、ウェブ1の第1の表面12は、最も外側の層又はプライの一方の第1の側面であり、第2の表面14は、他方の最も外側の層又はプライの第2の側面である。
【0046】
図1に示されるように、前駆体ウェブ20は、漸増的に前駆体ウェブを伸張するために機械方向(MD)において活性部材130まで移動され、次いでそこに孔を形成するために、成形装置100上に移動される。機械方向(MD)は、ウェブ材料の製造及び処理の当該技術分野において周知のように、前駆体ウェブ20の移動の方向を指す。同様に機械横方向(CD)は、前駆体ウェブ20の平面においてMDに垂直な方向を指す。
【0047】
前駆体ウェブ20は、直接、ウェブ製造プロセスから、又は図1に示されるように供給ロール152から間接的に、いずれかで提供され得る。前駆体ウェブ20は、2つ以上の前駆体ウェブの複合体又はラミネートであってもよく、例えば高分子フィルムと不織布との組み合わせを含んでもよい。
【0048】
高分子フィルムウェブは、弾性材料、例えば弾性ポリプロピレン系フィルムを含むことができる。外側カバーで使用できる好適なフィルムとしては、厚さ0.013〜0.025mm(0.5〜1.0ミル)(0.0005〜0.001インチ)のVistamaxx(登録商標)(ExxonMobilからのエラストマーポリプロピレン)が挙げられる。好適なエラストマーポリプロピレン系組成物はまた、ExxonMobilへの国際公開第2005/052052号、及びProcter & Gambleへの国際公開第2005/097031号に開示されている。エラストマー組成物としては、不透明度を向上させる目的の二酸化チタン、及び通気性を得るための炭酸カルシウムのような充填剤も挙げてよい。エラストマーポリプロピレンは、スチレンブロックコポリマー、半結晶性ポリオレフィン、又はサブミクロン無機粒子とブレンドしてもよい。
【0049】
不織布ウェブ又は布地は、例えば、エアレイイングプロセス、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡プロセス、スパンレーシングプロセス、及びカードウェブ接着プロセスのような多くの既知のプロセスから形成されてきた。また、多重ビームスパンボンドプロセスによって作製されるスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)ウェブ及び同様の物(例えば、SMMS、SSMS)のような多層ウェブを利用してもよい。それぞれの構成要素(すなわち、スパンボンド又はメルトブローンの構成要素)が同じポリマーである必要はない。したがって、SMSウェブでは、スパンボンド及びメルトブローンの層が同じポリマーを含む必要はない。
【0050】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマー繊維であることができ、モノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は二成分繊維、中空繊維、非丸形状繊維(例えば、成形(例えば3葉)繊維、又は毛管路繊維)であることができ、0.1〜500マイクロメートルの範囲の1マイクロメートル刻みの値の主要横断面寸法(例えば、丸形状繊維の直径、楕円形状繊維の長軸、不規則形状の最長直線寸法)を有することができる。
【0051】
前駆体ウェブ20は、実質的に無張力(ゼロ歪み)状態で同一の広がりを持つ表面の少なくとも一部分に沿って、断続的又は実質的に連続的のいずれかで互いに固定されている材料の少なくとも2つプライから構成されるゼロ歪みラミネートを含み得る。プライのうちの少なくとも1つは、連続的な高速処理を促進するために連続ウェブの形態であることが好ましい。プライの他方は、連続ウェブ、又は所定の位置で連続ウェブに固定された別個の要素若しくはパッチを含んでもよい。ゼロ歪みラミネートウェブに採用されているプライのうちの1つはエラストマーである材料(例えば、弾性フィルム)を含む。エラストマープライに固定された第2プライは延伸性がある。第2プライは、伸長の際に少なくとも、適用した張力を取り除いた際にその最初の歪んでいない形状に完全に戻らない程度に永久に伸ばされる。
【0052】
ゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブは、ラミネートに孔を形成する前に、機械的に活性化されてもよく、又は漸増的に伸張されて(例えば、リングロールによって)エラストマーラミネートを形成してもよい。漸増的に伸張させるプロセスを介した活性化に続いて、エラストマーラミネートにおける孔の形成は、後続の処理又は使用中に(例えば、着用者に対する物品の適用又は着用プロセス自体の間)歪みが誘発されたときに、ウェブの引き裂き及び不具合の初期ポイントとして孔が機能する傾向を低減することができる。
【0053】
活性化部材
ゼロ歪みラミネートからエラストマー前駆体ウェブを作るために、前駆体ウェブは、図1に示される成形装置100に通過する前に、活性部材130を介して漸増的に伸張され得る。本明細書で使用するとき、用語「漸増的に伸張させる」は、リングロール加工とも呼ばれ、緊密に離間した位置でウェブが支えられ、次いで、これらの緊密に離間した位置の間でウェブの支えられていない区間が伸張されるプロセスである。これは、ウェブの移動方向に対して垂直の回転軸を有する対の噛み合い波形ロールの間に形成されたニップにウェブを通過させることによって達成し得る。機械方向及び横断方向の伸張のために設計された漸増的伸張ロールは、米国特許第4,223,059号に記載されている。
【0054】
図2は、それぞれの対向する駆動ロールの歯252と溝254との間の材料のウェブ234を漸増的に伸張させるニップにおける、それぞれの対向する駆動ロールの歯252と溝254との相互係合を示す、拡大された断片的な横断面図である。示されるように、ゼロ歪みラミネートであり得るウェブ234の部分は、互いに嵌合する歯と溝の間に受容される。歯と溝との相互係合により、ウェブ234の横方向に間隔の離れた部分が、歯252によって対向する溝254の中に押し込まれている。駆動ロールの間を通過しているうちに、対向する溝254の中にウェブ234を押し込んでいる歯252の力が、ロール上の歯及び溝の配向次第で機械方向又は機械横方向に作用する引張応力をウェブ234内に課す。引張応力は、隣接する歯252の先端部の間に存在する及びその間の空間を渡る中間ウェブ区域258を、機械方向又は機械横方向に伸張させる又は伸ばすことができ、このことは、中間ウェブ区域258のそれぞれにおいて、ウェブ厚さの局部的減少という結果を得ることができる。不織布ウェブの場合、伸張は、中間のウェブ区域258内で、繊維の再配向、坪量の低下、及び制御された繊維破壊を引き起こすことができる。
【0055】
隣接する歯の間に存在するウェブ234の部分は局所的に伸張されるが、歯の先端部と接触しているウェブの部分は、同程度の拡張を受けない可能性がある。歯252の丸い外側端部の表面と歯の外側端部において歯表面に接触しているウェブ234の隣接区域260との間に存在する摩擦力のために、歯の外側端部の歯表面に相対的なウェブ表面のこれらの部分の摺動運動は、最小限である。その結果、場合によっては、歯先端部の表面に接触しているウェブの区域におけるウェブ234の特性は、中間ウェブ区域258に生じるウェブ特性の変化と比較して、わずかしか変化しない。
【0056】
ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルを含むいくつかの材料は、商業用生産での漸増的な伸張に伴う高速の歪みに耐えることができない。そのような材料は、米国特許出願公開第2008/0224351(A1)号に記載されているプロセス装置に従って低速度の歪みで漸増的に伸張することができる。本公開特許は、比較的低い歪み速度でウェブを漸増的に伸張させるための駆動部材を使用する、方法及び装置を提供する。駆動部材は、駆動ベルト及び単一の駆動部材を包含し、駆動ベルト及び単一の駆動部材が、補完し、変形域においてある係合深さで相互に係合する、複数の歯及び溝を含む。係合深さは、変形域にわたって直線的に増加可能である。代表的な実施形態では、変形域は、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが低歪み速度で漸増的に伸張されるように、変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御することができる。
【0057】
成形装置
エラストマー前駆体ウェブを形成する前駆体ウェブの漸増的な伸張に続いて、エラストマー前駆体ウェブは、様々なアイドラーローラー、伸張−制御ローラー等(これらの全ては示されていない)のいずれかにわたって、又はこれの周囲を含む、当該技術分野において既知の手段によって、機械方向において1対の逆回転の嵌合ロール102及び104によって形成される、成形装置150のニップ116まで連続する。対の噛み合いロール102及び104は、ウェブ20に孔を形成して、有孔ウェブ1を形成するように動作する。噛み合いロール102及び104を図3により詳細に示す。
【0058】
図3を参照すると、有孔ウェブ1に孔を開けるための成形装置150の部分がより詳細に示されている。装置150のこの部分は、図3では成形装置100として示されており、それぞれが軸Aの周囲を回転する対のスチール製噛み合いロール102及び104を備え、軸Aは平行であり、かつ同一平面にある。成形装置100は、以下に図4に関して詳細に示されるように、一定の回転角度にかけてロール104上に前駆体ウェブ20が残るように設計することができるが、図3は、前駆体ウェブ20が成形装置100上のニップ116を通って真っ直ぐに進み、有孔ウェブ1として出るにつれて原則的に何が起きるかを示す。したがって、図3は、ニップ116に真っ直ぐに入り真っ直ぐに出て来る有孔ウェブ1を示しているが、ニップ116より前(前駆体20に関して)又は後(有孔ウェブ1に関して)に、既定の回転角度にかけて前駆体ウェブ20又は有孔ウェブ1をロール102又は104のいずれかに部分的に巻くことも可能である。例えば、ニップ116を出た後、既定の回転角度にかけて有孔ウェブ1をロール104に巻くように導いて、図4に示すように、ロール104の歯110上に孔が静止して「嵌った」まま残るようにすることができる。
【0059】
ローラー102及び104は、スチール製でもアルミニウム製でもよい。一実施形態では、ローラーはステンレススチールで作製することができる。概して、ローラー102及び104は、耐食性かつ耐摩耗性のスチールで作製することができる。
【0060】
ロール102は、ロール102の周囲全体をとぎれずに取り巻いて延びていることができる、複数の隆起部106と対応する溝108とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ウェブ1において、どの種類のパターンが望ましいかに応じて、ロール102は、隆起部106の一部又は全部が周囲方向に連続的でなく、割れ目又は間隙を有するように、例えば、エッチング、ミリング、又はその他の機械加工などにより、一部が除去されている隆起部106を含むことができる。割れ目又は間隙は、円又は菱形のような単純な幾何学パターンを含むパターンを形成するように配列されてもよいが、ロゴ及び商標のような複雑なパターンを含んでもよい。一実施形態では、ロール102は、後に詳述するロール104の歯110と同様の歯を有することができる。このように、有孔ウェブ1の両側に、外向きに延びている部分を有する3次元の孔を有することが可能である。孔に加えて、ロゴ及び/又はデザインを描いたエンボス加工のテクスチャーのマクロパターンを含む、ウェブ1の孔の様々な平面外のマクロ区域を作製することができる。代替実施形態では、ロール102の外面は、結合するロール104上の歯が2つのロールの間に形成されたニップを貫通することを可能にするゴムのようなブラシ又は弾性材を含むことができる。
【0061】
あるいは、ロール102の代わりに、1998年9月8日付でJourdeらに発行された米国特許第5,802,682号に開示されているようなブラシコンベヤを使用してもよい。この実施形態では、結合するロール104上の歯と接触するようにブラシコンベヤを配列して、ロール104とブラシコンベヤとの間に形成されたニップで歯がブラシを貫通するようにすることができる。
【0062】
ロール104はロール102に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出することができる隆起部を有さず、ロール104は、ロール104の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯110の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を備える。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。作動中、ロール102及び104は、ロール102の隆起部106がロール104の溝112内まで伸張し、ロール104の歯110がロール102の溝108内まで伸張するように噛み合う。噛み合せが、以下で議論される、図8の断面表示でより詳細に示される。ロール102及び104の両方又はいずれかを、熱油入ローラー又は電気加熱ローラーを組み込むことによるなど、当該技術分野において既知の手段によって加熱することができる。あるいは、加熱は伸縮性ウェブには必要とされない場合があるが、ローラーの両方又は一方は、表面対流によって、又は表面放射によって加熱されてもよい。
【0063】
歯110は、ローラー104と接合することができる。「接合」とは、溶接、圧縮嵌め合い、又は別の方法で歯を接合して取り付けることができることを意味する。しかし、「接合」には、ローラー104から余分な材料を取り除くことによって機械加工された歯の場合のような一体的な取り付けも含まれる。歯110がローラー104に接合される位置は、その基底部である。基底部に平行な任意の横断面の位置で、それぞれの歯は非丸形の横断面区域を有することができる。周囲方向において、横断面区域の横断面長さ(下記のように歯の長さに対応する)は、横断面区域の中心でその長さ寸法に垂直に測定された横断面の幅の少なくとも2倍である。代替実施形態では、歯は、円筒形、円錐形、六角形、又は、対応する所望の孔の形に依存する他の形のピンを備えることができる。
【0064】
隆起部106及び代表的な歯110を含む噛み合いロール102及び104の部分の横断面が図4に示されている。図示されるように、歯110は、歯高TH(THは、隆起部106高さにも適用され得ることに留意すること、好ましい実施形態において、歯高及び隆起部高さは等しい)、並びにピッチPと示される歯間間隔(又は隆起部間間隔)を有する。図示されているように、係合深さ(DOE)Eは、ロール102及び104の噛み合い度の測定値であり、隆起部106の先端部から、歯110の先端部までを測定したものである。係合深さE、歯高TH、及びピッチPは、本発明の前駆体ウェブ20の特性及び有孔ウェブ1の所望の特徴に応じ、所望によって変えることができる。例えば、概して、ウェブ1の火山形構造物8又は孔6の密度をより高くするためには、以下に説明するように、ピッチはより小さくあるべきであり、かつ歯の横断面長さTL及び歯間隔距離TDもより小さくあるべきである。
【0065】
また、有孔ウェブ1の特性及び特徴を変化させるために、歯110のサイズ、形、配向、及び間隔をロール104の周囲及び幅に沿って変えてもよいことも想到される。
【0066】
加えて、ローション、インク、界面活性剤などのような物質を、ニップ116に入る前の又は後の有孔ウェブ1に、スプレー、コーティング、スロットコーティング、押出し、又は別の方法で適用することができる。そのような処理の適用のための当該技術分野において既知の任意のプロセスを利用することができる。
【0067】
有孔ウェブ1が形成された後、それは保管のため及び他の製品の構成要素として更に加工するために、有孔ウェブ1を供給ロール160に巻き取ることができる。使い捨て吸収性製品のような完成品への組み込みを含む、更なる後プロセスへ有孔ウェブ1を案内してもよい。
【0068】
一実施形態では、ウェブ1は、図5に示すような装置200を通して前駆体ウェブ20を加工することによって形成することができる。装置200のマルチローラー配列は、有孔ウェブ1が既定の回転角にかけて歯付きローラー104と接触したままになる既定の滞在時間を提供するように設計される。回転角は、フィルムのタイプ、ローラーの温度、及びウェブの移動速度に依存して最適化することができるが、概して、巻きの角度は少なくとも部分的に、結合するローラーの相対的サイズに依存して少なくとも10度、最高約270度以上であることができる。図のように、上記の図1で装置150のローラー102に関して説明したように、前駆体20は、ローラー105を導くために様々なガイドローラー及び引張部材(図示せず)の周囲で及びロール102A上に導くことができる。ローラー102Aを加熱して、火山形構造物8及び孔6の形成を助けてもよい。一実施形態では、ローラー102を約93℃まで(200°F)加熱することができる。
【0069】
図5に示すように、前駆体ウェブ20は、噛み合いローラー104と102Aとの相互係合によって形成されるニップ116Aに入る。装置200のローラー104は、図1の装置150に関して上述したような歯付きローラーであることができる。前駆体ウェブ20がニップ116Aを通過するにつれて、ローラー104上の歯110は、前駆体ウェブ20を内に及び/又は通って圧して貫通して、火山形構造物8及び孔6を形成する。次に、有孔ウェブ1は、ローラー104とローラー102Bとの相互係合によって形成されたニップ116Bに到達するまで、回転ローラー104との固定接点を維持する。ローラー102Bは、上記の図1の装置150のローラー102に関して説明したような隆起部及び溝を有することができる。
【0070】
ニップ116Bを出るにつれ、ウェブ1はローラー104から離れてローラー102B上へと導かれ、必要に応じて様々なガイドローラー105を越えてから、更なるプロセス、搬送、又は工業製品への組み込みのための配置のために巻き取られる。一実施形態では、ウェブ1は、使い捨て吸収性物品のための製造プロセスに送られ、ウェブ1は、カバーシートとしてプロセスに供給され、バックシートウェブのような他の構成要素と接合され、最終形状に切断され、包装され、小売販路へと出荷される。別の実施形態では、ウェブはおむつ製品の製造プロセスに送られ、ウェブ1はバックシートとしてプロセスに供給され、トップシートのような他の構成要素と接合される。
【0071】
ローラー104から剥離される際にウェブ1が歯110にくっつく傾向がある場合は、多様な加工助剤を必要に応じて加えることができる。例えば、シリコーン又はフッ化炭素のようなくっつき防止処理を加えることができる。様々な潤滑剤、界面活性剤、又は他の加工助剤を前駆体ウェブ20又はローラー104に加えることができる。ウェブをローラーから取り外すのを助ける他の方法としては、エアナイフ又はブラッシングが挙げられる。一実施形態では、ローラー104は、ウェブの取り外しのポイントでローラー102B上に正空気圧をもたらすために内部チャンバ及び手段を有することができる。概して、ローラー104からローラー102Bへの移動の制御は、ウェブ速度、相対ローラー速度(すなわち、ローラー104とローラー102Bの接線速度)、ウェブ張力、及び相対摩擦係数の影響を受ける。当業者に既知のようにこれらのパラメータのそれぞれを変更して、ウェブ1のローラー102Bへの望ましい移動を確保することができる。
【0072】
図5に示すような装置を有することによる利益は、ウェブ1がローラー104の歯110と接触して「入れ子になる」時間が延長されることである。このようにして、火山形構造物8及び孔6は、硬化までの追加的な時間を有することになり、ローラー104から取り外された後に3次元構成を維持する可能性が高くなる。理論に束縛されることなく、ローラー104の周囲、ローラー102A、104、及び/又は102Bの温度、並びにローラーの摩擦係数を調整することによって、このより長い滞在時間を利用し、ウェブ1が加工され得るライン速度を増して、永久的な3次元の火山形構造物8を作製することができると考えられる。ローラー102A、104、及び/又は102Bの温度は全て同じ温度でもよく、あるいは、異なる温度でもよい。ローラーは特定の温度まで加熱されてもよく、又はおよそ周囲温度で加熱されなくてもよい。例えば、ローラー102Bを室温以下にする一方で、ローラー102A及び104を加熱することができる。加えて、様々なローラーの速度を同じ速度に維持してもよく、あるいは、ローラーによって異なる速度を確立してもよい。
【0073】
上述したような装置150又は200のローラーのいずれかを加熱する場合、熱膨張を考慮するように注意しなければならない。一実施形態では、図4に示されている寸法、及び本明細書に記載されている寸法は動作温度における寸法であり、隆起部、溝、及び/又は歯の寸法は、熱膨張を考慮して機械加工される。
【0074】
成形装置の歯
図6は、有孔ウェブ1を作製するのに有用な、複数の歯110を有するローラー104の一実施形態の一部を示す。図7は、図6に示した歯110の拡大図である。図7に示されるように、それぞれの歯110は、基底部111、歯先端部112、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端部112は、概ね尖っているか、鈍く尖っているか、又は別の方法で前駆体ウェブ20を伸張及び/又は穿刺するように成形される。歯110は、概ね平らなブレードのような形状を有することができる。すなわち、横断面が概ね円形の丸いピンのような形状とは対照的に、歯110は、一方を伸ばされて、概ね非円形の細長い横断面形状を有することができる。例えば、その基底部111において、歯110の横断面は、少なくとも2つ、又は少なくとも約3つ、又は少なくとも約5つ、又は少なくとも約7つ、又は少なくとも約10、又はそれ以上のTL/TWの歯のアスペクト比ARを呈する歯の長さTL及び歯の幅TWを有し得る。一実施形態では、横断面寸法のアスペクト比ARは、歯高に対して実質的に一定のままである。
【0075】
ローラー104の一実施形態では、歯110は、歯110の基底部111にて前縁LEから後縁TEまで概ね測定される、約1.25mmの均一横断面長さ寸法TLと、基底部にて周囲長さ寸法に対して概ね垂直に測定される、約0.3mmの歯の横断面幅TWとを有し得る。歯は、約1.5mmの距離TDをおいて周囲方向に互いから均等に離間し得る。前駆体ウェブ20から、約5gsm〜約200gsmの範囲の坪量を有する柔らかい繊維状の3次元の有孔ウェブ1を作製するために、ロール104の歯110は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL、約0.3mm〜約1mmの歯幅TW、約0.5mm〜約5mmの間隔TD、約0.5mm〜約10mmの範囲の歯高TH、及び約1mm(0.040インチ)〜3mm(0.100インチ)のピッチPを有することができる。係合深さEは、約0.5mm〜約5mm(最高で歯高THに近づくまで)であり得る。
【0076】
当然、係合深さE、ピッチP、歯高TH、間隔TD、及び歯横断面長さTLは、孔6の所望のサイズ、間隔、及び面密度(有孔ウェブ1の単位面積当たりの孔6の数)を達成するために、それぞれ互いに独立に変えられてもよい。例えば、生理用ナプキン及び他の吸収性物品に使用するのに好適な有孔フィルム及び不織布を作製するために、基底部における歯の横断面長さTLは、約2mm〜約3.81mmの範囲であり得、歯幅TWは、約0.508mm〜約1.27mmの範囲であり得、歯間隔TDは、約1.0mm〜約4.0mmの範囲であり得、ピッチPは、約1.106mm〜約2.54mmの範囲であり得、及び歯高THは、約2.0mm〜約9.0mmであり得る。係合深さEは、約0.5mm〜約5mmであり得る。歯の先端部112の曲率半径Rは、0.07mm〜約0.4mmであり得る。理論に束縛されるものではないが、基底部における歯の長さTLは、約0.254mm〜約12.7mmの範囲であり得、歯幅TWは、約0.254mm〜約5.08mmの範囲であり得、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mm(又はそれ以上)の範囲であり得、ピッチPは、約1.106mm〜約15.0mmの範囲であり得、歯高THは、0.254mm〜約18mmの範囲であり得、及び係合の深さEは、0.254mm〜約6.35mmの範囲であり得ると考えられている。開示された範囲のそれぞれに関して、寸法は、最小寸法から最大寸法までの範囲内で、0.001mmの増分で変更可能であることが本明細書に開示され、本開示は、範囲限界及び全ての中間寸法を0.001mmの増分(増分が0.0001mmの増分で変化するものとして開示される曲率半径Rを除く)で教示することが本明細書に開示される。
【0077】
理論に束縛されず、かつ現在係属中の工具設計と一貫して、本発明の方法及び装置に他の寸法を使用することも可能であると考えられる。例えば、基底部における歯の長さTLは、約0.254mm〜約12.7mmの範囲であり得、2.03mm、4.42mm、4.572mm、及び約5.56mmを含むことができ、歯幅TWは、約0.254mm〜約5.08mmの範囲であり得、0.63mm、0.84mm、及び1.78mmを含むことができ、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mmの範囲であり得、2.032mm及び3.68mmを含むことができ、ピッチPは、約1.106mm〜約7.62mmの範囲であり得、2.54mmを含むことができ、歯高THは、0.254mm〜約18mmの範囲であり得、5.08mm及び8.2mm含むことができ、及び係合深さEは、0.254mm〜約6.35mmの範囲であり得る。曲率半径は、約0.00mm〜約6.35mmの範囲であり得る。開示された範囲のそれぞれに関して、寸法は、最小寸法から最大寸法までの範囲内で、0.001mmの増分で変更可能であることが本明細書に開示され、本開示は、範囲限界及び全ての中間寸法を0.001mmの増分(増分が0.0001mmの増分で変化するものとして開示される曲率半径Rを除く)で教示することが本明細書に開示される。歯は、約10mm〜1000mm又はそれ以上の幅、及び144mmを含む、約50mm〜1000mmの直径を有する回転ロール上に配置され得る。ロールは、約10〜1000m/分の接線速度で孔を形成するプロセス中に回転し得る。
【0078】
一実施形態では、有孔ウェブ1の火山形構造物8及び/又は孔6を作製するために、LE及びTEを、サメの歯のような形として説明され得る全体として錐体又は、錐台形の点に向かってテーパー状に形成しなくてはならない。図7に示されるように、全体として先の尖った錐体のサメ歯形は、6つの側面114を有することができ、それぞれの側面は全体として三角形である。2つの側面の頂点は前縁LEを作り、2つの側面の頂点は歯110の後縁TEを作る。先端縁又は後縁の頂点は比較的鋭くてもよく、又は丸い曲率半径を有するように機械加工されてもよい。歯の先端部の曲率半径は、0.127mm(0.005インチ)であり得る。
【0079】
他の歯の形を用いて孔を作製してもよい。例えば、図8に示されるように、図6に示される全体として錐体形を切頭して、先端部112の鋭さを取り除いてもよい。切頭は、概ね平らな領域120が歯110の遠位端に作られるように基底部111から既定の距離で行うことができる。概ね平らな領域120は、歯110の横断面形に対応する面形を有することができる。したがって、概ね平らな領域120は細長くてもよく、すなわち、幅寸法より大きい長さ寸法及び歯110のアスペクト比に対応するアスペクト比ARを有することができる。一実施形態では、平らな領域120は概して鋭い頂点で側面114に移行することができるか、あるいは、その移行が曲率半径であって、滑らかで、丸く、平らな歯の先端部をもたらすことができる。
【0080】
別の実施形態では、図9に示されるように、歯110はローラー104の表面に対して概ね垂直に延在する少なくとも1つの縁を有することができる。図9でローラー104の部分斜視図に示されるように、例えば、サメのヒレに似た歯は、歯の先端部112に向かって角度をなして延在する前縁LE及び歯の先端部112に向かって基底部111から概ね垂直に延在する後縁TLを有することができる。別の実施形態では、歯110は同じ形を有することができるが、前縁と後縁が逆になり、したがって、概ね垂直の縁が前縁になる。
【0081】
図10は、図9に示したローラー104の部分の上面図である。図の実施形態には様々な寸法が示されており、前縁及び後縁を作っている側面114がなす角度が含まれる。同様に、図11は、図9に示される歯の詳細であり、代表的な寸法を示す。概して、図の寸法は、使い捨て吸収性物品のトップシートとして有用な3次元成形フィルムの作製に有益であると現在考えられているが、全ての寸法は前駆体ウェブ20の所望の孔の密度、間隔、サイズ、及びウェブの型式に依存して必要に応じて変えられてもよい。
【0082】
理論に束縛されることなく、歯110上に比較的鋭い先端部を有することは、歯110が前駆体ウェブ20を「きちんと」、すなわち局所的に及びはっきりと穿孔することを可能にし、これによって得られるウェブ1は、主に「エンボス加工されている」というよりはむしろ、主に「孔を形成されている」と記載することができる。一実施形態では、前駆体ウェブ20の穿刺はウェブ20をほとんど変形しないきれいな穿刺であるので、結果的にもたらされるウェブは実質的に2次元の穿孔ウェブとなる。
【0083】
有孔ウェブ1の変化した特性及び特徴を提供するために、歯110の寸法、形状、配向、及び間隔をロール104の周囲及び幅に沿って変えてもよいことが想到される。孔6の数、間隔、及び大きさは、歯110の形、数、間隔、及び大きさを変えると共に、必要に応じてロール104及び/又はロール102に対応する寸法的変化を加えることによって変えることができる。この変化は、前駆体ウェブ20において可能な変化及び加工工程における、例えばライン速度、ロール温度のような変化、並びに他の加工後の変化とともに、多くの目的のために多くの異なる有孔ウェブ1を作製することを可能にする。
【0084】
本発明に従って有孔ウェブは、湿気管理手段としておむつなどの吸収性物品に組み込むことができる。湿気管理手段は、漏れ保護を提供し、その一方で同時に、蒸気がおむつから逃れるのを可能にし、その一方で、排出物が外側カバーを通過するのを更に防止する外側カバーであってもよい。本発明に従う有孔ウェブはまた、湿気管理機能を提供スル必要のない伸縮性外側カバーとして、おむつなどの吸収性物品に組み込まれてもよい。そのような設計では、通気可能なバックシートを備えるコアバケット、トップシート、及びそれらの間の吸収性コアは全て、流体処理機能(すなわち、尿及びBM)を提供する。
【0085】
他の実施形態では、湿気管理手段は、異なる通気性及び/又は液体透過性の領域を含み得る。例えば、湿気管理手段は、領域内の通気性及び/又は液体透過性において高くてもよく、これは吸収性コアとは一致しない。本明細書で使用するとき、用語「通気性」は、材料を通る水蒸気の拡散移送を指す。湿気管理手段は、1つ以上の層に組み立てられてもよく、好ましくは、液体不透過性である少なくとも1つの層を含み、液体不透過性層は好ましくは吸収性コアに隣接して配置され、好ましくは少なくとも吸収性コアと同じ大きさの面積を被覆する。
【0086】
使い捨て吸収性物品に使用するための有孔ウェブを形成するための上述のような装置150又は200の明確な便益は、そのような物品を作製するための既存のプロセスにおいて、装置150又は200を単位操作として適応し、位置付ける能力である。例えば、有孔ウェブ1は、使い捨ておむつなどの吸収性物品においてバックシート外側カバーであってもよい。おそらくは地理的に遠隔な場所でオフラインで有孔ウェブを作製するのでなく、使い捨ておむつ又はパンツを作製する生産ラインに成形装置150を伸縮性外側カバー材料の供給とともにラインに含めて設置することによって、有孔ウェブ1をオンラインで作製することができる。そのようにすることは、いくつかの明確な利点をもたらす。第1に、おむつ生産ラインに直接に、外側カバーに孔を開ける成形装置150を有することは、従来のプロセスによって作製されると費用がかさむ場合がある、有孔ウェブを購入する必要をなくす。第2に、歯付きの領域が既定のパターンで作製されるように歯付きロール104を構成することによって、有孔バックシート外側カバーの有孔部分を既定パターンで形成することができる。例えば、外側カバーは、孔のみが腰部領域、尻部領域、股領域若しくはコア領域、又は上記のいずれかの組み合わせに配置されるライン上で作製されてもよい。更に、外側カバーは異なる孔密度、形状、孔径、又はこれらのいずれかの組み合わせを外側カバーの異なる領域において有して作製されてもよい。例えば、外側カバーの長手方向中心線に近接する孔密度は、長手方向中心線の遠位の孔密度よりも高くてもよい。同様に、有孔領域が、チャネル、しるし、色信号などを含む他の可視の構成要素と位置合わせされるように孔を形成することができる。
【実施例】
【0087】
エラストマーの有孔ウェブを形成するのに使用されるラミネートは18gsmの70/30 PP/PEスパンボンド二成分外側不織布層を含み、これは18gsmの50/50 PP/PEスパンボンド二成分不織布に積層されている22gsmのVISTAMAXXフィルムを含む押出成形二重ラミネートに接着積層されている(3gsmのPE系表面を用いて)。2つの不織布は、商用名SOFTEXでFiberweb(Simpsonville,SC)から入手することができる。VISTAMAXX、エラストマーポリプロピレン樹脂は、Exxon Mobil(Chemical,Houston,TX)から入手可能である。VISTAMAXフィルム及びSOFTEX不織布の二重ラミネートは、Clopay(Cincinnati,OH)から入手することができる。ラミネートを接着するときに使用される接着剤は、Bostik Findley(Wauwatosa,WI)によって供給されるH2861(螺旋バターン、坪量=9gsm)を含む。
【0088】
ラミネートは、成形装置に通過させる前に、機械的に活性化され、エラストマーウェブ材料を形成する。成形装置は以下の特徴を有する:
歯の形状=六角形
基底部における歯の長さ=2.034mm
基底部における歯の幅=0.84mm
歯の高さ=8.2mm
歯の間隔=3.68mm
ロール直径=144.46mm
ロール幅=200mm
ウェブ速度/接線ロール速度=320m/分
ロール温度=周囲温度(22℃)
嵌合の深さ=3.0、3.6及び4.1mm(0.120、0.140及び0.160インチ)
【0089】
以下の表1は、孔が形成された3つのエラストマーウェブに関するヒステリシス試験及び通気性データを示し、孔の形成は異なるDOEで実施される。表2は、10%歪みで測定された、結果として得られるエラストマーの孔が形成されたウェブの平均孔径及び開口面積率を示す。
【表1】
【表2】
【0090】
試験方法
次の試験方法は、コンピュータとインターフェイス接続された市販引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton,MA)のもの、SINTECH−MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)のもの、又は同等物)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、かつデータの収集、計算、及び報告を行う。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試料は試験前に24時間条件付けされる。
【0091】
ヒステリシス試験
1.試験用に2.54cm(幅)×7.62cm(長さ)の材料試料を選択する。場合によっては、2.54cm×7.62cmの試料を得ることが不可能であれば、より小さい試料を使用してもよいが、その場合も25mmのゲージ長さを使用しなくてはならない。試料が活性化している、又は活性部分を含む場合、試料の長さは、活性方向に取る。
2.適切なつかみ具及びロードセルを選択する。つかみ具は平らな表面を有する必要があり、試料を適応させるために十分に幅広(例えば、少なくとも幅2.54cm)でなくてはならない。また、つかみ具は、試料が試験中に滑らないことを確実にするために十分な力を提供しなくてはならない。試験する試料からの引張応答が、使用するロードセルの許容量の25%〜75%であるようにロードセルを選択する。
3.メーカーの指示に従って試験装置を較正する。
4.握り部間の距離(ゲージ長)を25mmで設定する。
5.試料の長手方向軸線が標点距離方向に実質的に平行になるようにつかみ具の平面に試料を定置する。最少のたるみで試料を装着する。たるみの予荷重を0.02N/cmに設定する。これは、0.02N/cmの力でたるみが取り除かれたときにデータ収集が始まることを意味する。歪みは、0.02N/cmの力での引張試験機のグリップの間の試料の長さである、調整された標点距離(lini)に基づいて計算される。調整された標点距離は試料の初期長さとして取られ、0%の歪みに相当する。試験中の任意の点での歪み百分率は、長さにおける変化を、調整された標点距離で割って、100%を掛けることによって得られる。
6.a.第1周期荷重:一定のクロスヘッド速度254mm/分で歪み50%まで試料を引っ張る。
b.第1周期除荷:試料を30秒間、歪み50%で保持し、次いでクロスヘッドを、254mm/分の一定のクロスヘッド速度で、調節されたゲージ長(0%歪み)に対応する位置に戻す。試料を歪みのない状態で1分間保持する。
c.第2周期荷重からの歪み:0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の荷重に達するまで、254mm/分の一定クロスヘッド速度で試料を引っ張る。伸びた標点距離(lext)を記録する。次いで、254mm/分の一定のクロスヘッド速度で、拡張から戻しの間は滞留時間なしで、調節されたゲージ長(0%歪み)に対応する位置まで、クロスヘッドを戻す。歪みは、0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の第2周期荷重での最大歪みとして定義される。下記のように%歪みを計算する。
【0092】
コンピュータデータシステムが、試験中に試料にかけられる力を適用された歪みの関数に応じて記録する。その結果得られる生成されたデータから、以下の数量が報告される(報告される荷重は、試料の厚みを考慮せずに力を試料の幅で割って得られることに注意)。
1.25%歪み及び50%歪みでの荷重(N/cm)
2.%歪み(0.02N/cm)の第2周期荷重で測定される%歪み)
歪み率=(lext−lini)/lini*100%
【0093】
それぞれの試料について5回繰り返し、平均及び標準偏差を報告する。
【0094】
水蒸気透湿度(WVTR)試料
水蒸気透過度は、水蒸気が可撓性バリア材料を通って流れる割合の尺度である。WVTRは、WSP 70.4(08)に従って測定され、これは500〜100,000gsm/日の蒸気透湿度に関する標準試験方法である。本方法は、有孔ウェブのWVTRを決定するのに使用される。Permatran−Wモデル100KがMOCON(Minnesota,MN)から購入された。試料方法は、以下の条件及び設定の下で、WSP標準試験に従って実行された。
1)試験装置の温度は37.8℃度に設定される。
2)各セルにおける制御ノブは、60% +/−1.5%の相対湿度(RH)を得るように調節される必要がある。
3)試験モード=試料及び基準参照フィルムを実行するために標準、周期数=2;周期時間=5分。
4)設備が適正に実行されていることを確認するために、試料の試験をする前に基準参照フィルム(MOCONのS/N 1008WK089)を実行しなくてはならない。標準基準フィルムの結果は+/−10%内にあるべきである。
【0095】
孔径及び開口面積試験
孔の平均孔径(mm2)及び開口面積率(%)は、画像解析を備える光顕微鏡検査で測定された。0.5xのNikon WD136 HR Plan Apoレンズ及びステージ光照明器が取り付けられたNikon SMZ1500顕微鏡が使用された。倍率は約30×25mmの表示画面を与えるように0.75xで設定された。透過光画像が、Evolution MP Color Digital Camera(Media Cybernetics,Bethesda,MD)を使用して得られ、ImageJソフトウェア、バージョン1.42(NIH,Bethesda,MD)を使用して処理された。試験片は伸張され、次いで、顕微鏡上で見るために、矩形のプレキシガラスフレーム(厚さ0.5cm、全体寸法12.5×18.5cm、内側開口部7.5×12.5mm)上に固定された。伸張の特定の方向において、試料を10%伸張する。伸張の方向が特定されていない場合は、試料のスクラップ辺の縁部を静かに引っ張ることによって、伸張の方向を決定する。伸張の方向は、横方向と呼ばれ、垂直な方向は長手方向と呼ばれる。試料から15cm×15cmの試験片を切断し、それを以下の解析のために準備する。試験片を平坦な表面上(例えば、実験台)上に上向きに配置する。先端部の横方向縁部に沿って、試験片の縁部の中間点で中央に合わせて10cmを正確に測定し、印を付ける。マスキングテープを用いて、試料片の長手方向側部をこれらの印でテープを貼り付け、10cm(横方向)×15cm(長手方向)の試験領域を画定する。マスキングテープを用いて、試験片の左の長手方向縁部を実験台に固定する。100mm幅の試料領域が横方向に110mmまで延伸されるように、静かに、かつ均一に右側部を横方向に伸ばす。マスキングテープを用いて、試験片の右側部を実験台に固定する。プレキシグラスフレームを試験片上で中央において、両面テープを使用して取り付ける。試験片を台から取り除き、ここでフレームは、試験片を伸びた状態に固定している。
【0096】
カメラキャプチャーソフトウェアを8ビットのグレースケールに設定する。ステージ照明を点灯し、試験片を顕微鏡ステージ上に配置し、像に焦点を合わせる。試験片を取り除き、ステージ上に校正ルーラーを配置する。像の校正に対してルーラーの像を撮る(ルーラーの像を撮るために上部照明が一時的に必要となる)。倍率及びフォーカスは、校正像が撮られた後に変更する必要はない。試験片をステージ上に戻し、孔が明かに照らされるまで、ステージの光を調節する。試験片の表面に沿って、異なる位置で5つの像を収集する。
【0097】
解析のために像をImageJにロードする。ルーラーの像を開いて、長さの1mm当たりの画素数に関してソフトウェアを校正する。次に、試験片像を開き、コントラストを調節して白黒表示する。バイナリマスクを適用し、白の背景に黒の孔を得るために像を反転させる。像の縁部と接触している孔を排除するように、ソフトウェアを設定する。平均孔径の算出のために(合計の開口面積ではない)、孔内に含まれるいずれかの孔(充填孔(fill holes))を排除し、0.02mm2未満の面積を有する孔を排除する。これらの設定に従って、平均孔面積及び孔の合計開口面積を算出する。孔面積の平均は平均孔径を得る。開口面積率は、試験片の合計面積に対する孔の合計開口面積の比率を100倍したものである。この手順を、試験片の5つの全ての像で繰り返し、個々の結果を平均化する。小数点第2位まで平均を記録する。
【0098】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周囲の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0099】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0100】
1.本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマーの有孔ウェブを作製する方法であって、前記方法は、
a.連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマープライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブを提供する工程と、
b.前記前駆体ウェブを漸増的に伸張させることによって、前記第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する工程と、
c.第1の部材及び第2の部材を備える成形装置を提供する工程であって、前記第1の部材が嵌合部材を含み、前記第2の部材が、基底部及び先端部からテーパー状の歯を含み、前記歯は前記基底部において前記第2の部材に接合される、工程と、
d.前記エラストマー前駆体ウェブ材料を前記成形装置を通じて移動させる工程であって、前記第2の部材上の前記歯が前記嵌合部材を貫通して前記エラストマーの有孔ウェブを形成するとき、前記エラストマー前駆体ウェブ材料に孔が形成される、工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記成形装置が1対の逆回転のローラーを備え、前記第1の部材が第1のローラーを備え、前記第2の部材が、列に配列された前記歯を有する第2のローラーを備え、それぞれの列は前記第2のローラーの周囲に少なくとも部分的に延在し、前記エラストマー前駆体ウェブが、前記逆回転のローラーの間に形成されるニップを通って移動し、前記エラストマー前駆体ウェブに孔を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のローラーが、前記第2のローラー上の前記歯と前記ニップで噛み合う、周囲方向に延在する隆起部及び溝を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のローラーが、ブラシを形成する放射状に延在した剛毛を備えていて、これが前記第2のローラー上の前記歯と前記ニップで接触する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のローラーが加熱される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記歯が、少なくとも6面を有する全体として錐体形であり、前記面が実質的に三角形であり、実質的に一点に向かってテーパー状に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記優勢な分子配向が機械方向にあり、それぞれの歯が前記機械方向に対して約30度を超える角度をなして配向される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記エラストマーの有孔ウェブが少なくとも1000g/m2/日のWVTRを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおける単位操作であり、前記方法が、前記エラストマーの有孔ウェブを前記使い捨て吸収性物品製造プロセスに送る工程を更に含み、前記エラストマーの有孔ウェブは、使い捨て吸収性物品の外側カバーを形成するように変換され、前記外側カバーが少なくとも約1500g/m2/日のWVTRを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
エラストマーの有孔ウェブを作製する方法であって、前記方法は、
e.連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマーのプライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブ材料を提供する工程と、
f.前記前駆体ウェブを漸増的に伸張させることによって、前記第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する工程と、
g.成形装置を提供する工程と、
h.前記エラストマー前駆体ウェブ材料を前記成形装置を通じて移動させる工程であって、前記成形装置が前記ウェブを貫通してそこに孔を形成する、工程と、を含む、方法。
【請求項11】
前記成形装置が、一対の逆回転する噛み合いローラーを備えていて、その間にニップを形成し、第1のローラーは周囲方向に延在する隆起部と溝とを備え、第2のローラーは放射状に延在する貫通部材を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通部材が、基底部及び先端部からテーパー状の歯を備え、前記歯が前記基底部で前記第2のローラーに接合され、前記歯の前記基底部が、横断面幅寸法より大きい横断面長さ寸法を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のエラストマーのプライが高分子フィルムを含み、前記第2のプライが不織布ウェブを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマーの有孔ウェブが少なくとも約1000g/m2/日のWVTRを呈する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおける単位操作であり、前記方法が、前記有孔弾性的延伸性前駆体ウェブを前記使い捨て吸収性物品製造プロセスに送る工程を更に含み、前記弾性的延伸性の有孔前駆体ウェブは、前記使い捨て吸収性物品の外側カバーを形成するように変換され、前記外側カバーが少なくとも約1500g/m2/日のWVTRを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項1】
エラストマーの有孔ウェブを作製する方法であって、前記方法は、
a.連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマープライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブを提供する工程と、
b.前記前駆体ウェブを漸増的に伸張させることによって、前記第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する工程と、
c.第1の部材及び第2の部材を備える成形装置を提供する工程であって、前記第1の部材が嵌合部材を含み、前記第2の部材が、基底部及び先端部からテーパー状の歯を含み、前記歯は前記基底部において前記第2の部材に接合される、工程と、
d.前記エラストマー前駆体ウェブ材料を前記成形装置を通じて移動させる工程であって、前記第2の部材上の前記歯が前記嵌合部材を貫通して前記エラストマーの有孔ウェブを形成するとき、前記エラストマー前駆体ウェブ材料に孔が形成される、工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記成形装置が1対の逆回転のローラーを備え、前記第1の部材が第1のローラーを備え、前記第2の部材が、列に配列された前記歯を有する第2のローラーを備え、それぞれの列は前記第2のローラーの周囲に少なくとも部分的に延在し、前記エラストマー前駆体ウェブが、前記逆回転のローラーの間に形成されるニップを通って移動し、前記エラストマー前駆体ウェブに孔を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のローラーが、前記第2のローラー上の前記歯と前記ニップで噛み合う、周囲方向に延在する隆起部及び溝を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のローラーが、ブラシを形成する放射状に延在した剛毛を備えていて、これが前記第2のローラー上の前記歯と前記ニップで接触する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のローラーが加熱される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記歯が、少なくとも6面を有する全体として錐体形であり、前記面が実質的に三角形であり、実質的に一点に向かってテーパー状に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記優勢な分子配向が機械方向にあり、それぞれの歯が前記機械方向に対して約30度を超える角度をなして配向される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記エラストマーの有孔ウェブが少なくとも1000g/m2/日のWVTRを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおける単位操作であり、前記方法が、前記エラストマーの有孔ウェブを前記使い捨て吸収性物品製造プロセスに送る工程を更に含み、前記エラストマーの有孔ウェブは、使い捨て吸収性物品の外側カバーを形成するように変換され、前記外側カバーが少なくとも約1500g/m2/日のWVTRを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
エラストマーの有孔ウェブを作製する方法であって、前記方法は、
e.連続ウェブを含む実質的に無張力の第2の延伸性プライに固定された、実質的に無張力の第1のエラストマーのプライを含むゼロ歪みラミネートを含む前駆体ウェブ材料を提供する工程と、
f.前記前駆体ウェブを漸増的に伸張させることによって、前記第2のプライが永久的に伸長され、エラストマー前駆体ウェブを形成する工程と、
g.成形装置を提供する工程と、
h.前記エラストマー前駆体ウェブ材料を前記成形装置を通じて移動させる工程であって、前記成形装置が前記ウェブを貫通してそこに孔を形成する、工程と、を含む、方法。
【請求項11】
前記成形装置が、一対の逆回転する噛み合いローラーを備えていて、その間にニップを形成し、第1のローラーは周囲方向に延在する隆起部と溝とを備え、第2のローラーは放射状に延在する貫通部材を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通部材が、基底部及び先端部からテーパー状の歯を備え、前記歯が前記基底部で前記第2のローラーに接合され、前記歯の前記基底部が、横断面幅寸法より大きい横断面長さ寸法を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のエラストマーのプライが高分子フィルムを含み、前記第2のプライが不織布ウェブを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマーの有孔ウェブが少なくとも約1000g/m2/日のWVTRを呈する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおける単位操作であり、前記方法が、前記有孔弾性的延伸性前駆体ウェブを前記使い捨て吸収性物品製造プロセスに送る工程を更に含み、前記弾性的延伸性の有孔前駆体ウェブは、前記使い捨て吸収性物品の外側カバーを形成するように変換され、前記外側カバーが少なくとも約1500g/m2/日のWVTRを有する、請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−500175(P2013−500175A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523130(P2012−523130)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044186
【国際公開番号】WO2011/017285
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044186
【国際公開番号】WO2011/017285
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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