説明

エラー発生時の診断画像表示のために1又はそれ以上のカメラを内蔵するプリンタ

診断システムを備えるスキャナ付き印刷システムは、本体に取り付けられた1又はそれ以上の画像捕捉モジュールを有する。これにより、画像形成モジュールは、印刷機構の周囲の診断領域を走査し、その診断領域の代表画像を捕捉する。診断領域に対して動かないよう本体に取り付けられた1又はそれ以上の画像捕捉モジュールは、出力を生成するために診断領域の代表画像のストリームを捕捉するよう動作し、続いて、望ましい補正動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、より具体的には、診断システムを含むよう動作する1又はそれ以上の画像捕捉モジュールを備えるスキャナを有する印刷システム、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナを備える文書印刷システムは、家庭及び職場の両方でよく出回っているコンピュータアクセサリとなりつつある。基本的に、スキャナを備える文書印刷システム(あるいは、単に「スキャナ付き印刷システム」または「オールインワン印刷システム」)は、枚葉給紙の印刷システムと、プラテン(platen)印刷システムと、枚葉給紙機能及びプラテン走査機能の堅固な組合せを有する印刷システムとを含む3つの区別され得るスキャナの種類に入る。オールインワン印刷システムの1タイプに関して、照射源とともに線形イメージングセンサ及びレンズを一般的に有する画像形成サブシステムは、固定位置にあるセンサのそばを通り過ぎて用紙を動かすことによって画像を走査する。文書は、スタックから給紙されて、センサの視野に配置されている用紙経路を通される。夫々の文書がセンサの前を通ると、個々のラスター・ラインは、イメージング装置によって撮像されて、元の文書の2次元(2D)表現を作り出すよう統合される。イメージング装置は、文書がセンサのそばを通り過ぎて動かされる間、ライン毎に画像の幅を捕捉する。
【0003】
プラテンを有する他のオールインワン印刷システムに関して、文書は、印刷システムの固定された平坦な透明表面上にうつ伏せに配置され、画像形成サブシステム及び照射源は、走査動作を行うよう固定の文書の真下を動く。この場合に、イメージング装置は文書の長さを動かされ、一方、光学器械の構成要素は、走査される文書の幅にわたる。プラテン印刷システムは、ふたを持ち上げて、1枚ずつ文書用紙をうつ伏せに置くことを必要とする。プラテン機能は、また、確実にはスタックから給紙しない文書を扱うために用いられる。
【0004】
印刷システム及びスキャナは、速度、機能及び費用が様々であり、しばしば、大量の文書を走査するためにビジネスで使用される。所与の設定における走査に対する要求は、毎日数百(100)から数十万(100,000)ページ程度である。スキャナを備える1つのタイプのオールインワン印刷システムは、スキャナ付き枚葉給紙印刷システムの機能を、スキャナ付きプラテン印刷システムの機能と組み合わせるよう試みている。本質的に、スキャナを備えるこのような複合印刷システムは、1つの箱の中でプラテン走査機能を用紙移動機能と組み合わせる単一ユニットとして製造される。
【0005】
スキャナを備える従来の枚葉給紙印刷システム、プラテン印刷システム、又は複合印刷システムによれば、ユーザは、1つのタイプを、他のものを支持して選択すべきである。スキャナ付き枚葉給紙印刷システムに対する一次要求を有するが、時たまプラテンの有用性を必要とする顧客は、スキャナを備える複合装置又は2つの別個の印刷システム(1つは枚葉給紙印刷システムであり、もう1つはプラテン印刷システムである。)を購入しなければならない。1つのタスクは、スキャナ付き枚葉給紙印刷システムに適した大量の同じ文書を走査することを必要とするが、プラテンは必要とされない。次の場面における次なるタスクは、脆弱な文書又は書籍を走査することを必要とし、プラテンの使用が必要とされる。このように、複数の走査機能を再構成し実行する能力及び移植性は、サービスとして文書を走査するためにスキャナ付き印刷システムを購入する者によって重要である。従って、コピー及びファクシミリ送信等の各機能を提供するためにプリンタ及びモデムも内蔵するオールインワン装置として使用される場合にコンピュータから独立に動作することができるこのような新しいスキャナ付き印刷システムが、一般的になっている。しかし、このようなスキャナ付き印刷システムは、通常、多数の更なる機構部分を有し、従って、より複雑であり問題を伴う。
【0006】
困難を増すものは、新しいオールインワンプリンタが実行するよう求められる多数の機能である。スキャナ付き印刷システムは、画像、文書、アートワーク等を含むフラットアート(flat art)の様々なサイズに適合するよう求められる。走査開口より大きい文書を走査する場合、画像の複数の重複部分を完全なシームレスのデジタル画像に結合するためにデジタルスティッチングアルゴリズム(digital stitching algorithms)を使用することが知られている。多数の画像は、のり(glues)、接着剤(adhesives)及びテープを用いる多種多様な技術によりページに接着された画像坦持媒体を有してフォトアルバムに格納される有形な媒体に記録されるので、フォトアルバムからのかかる画像坦持担体の除去は、大きな労働力及び多大な時間を要し、且つ、脆弱な比類のない画像に潜在的な損害を与えうる。通常、フォトアルバムは、装丁されたページによって構成されるので、給紙メカニズムを内蔵した小型の印刷システムによりこれらのページを走査することは不可能である。加えて、スキャナを備える典型的な平床式印刷システムにより装丁されたアルバムを走査しようとする場合、開かれているアルバムを走査開口に対して押しつけるときに、綴じ部、製本手段、及び/又は書物の背への損傷が起こりうる。最後に、コンピュータから独立に動作することが可能でない、スキャナを備える大型の文書印刷システムを、装丁されたフォトアルバムから画像をコピーするためにイベント(例えば、家族連れで出かける休日の祝典等)に持っていくことは、実行不可能でないとしても難しい。
【0007】
様々なタイプの用紙及びサイズ並びに様々なタイプの受容体(receivers)を伴うこれら全てのタスクを実行することができるオールインワン印刷システムは、通常、多数の更なる機構部分を有しており、より複雑であり且つ多種多様な問題を伴う。例となる起こり得る問題としては、紙詰まり及びホットオフセット(hot offset)並びに部分的及び複数枚の給紙、更には、印刷サイクルで容易には検出され得ず、従って、文書又は機械に損傷を与えることなく直すことが困難である他の問題がある。これは、スキャナ付き印刷システムが、古く、脆弱で、且つ希少な文書をデジタル化するためにますます使用されているために、重要である。同様に、スキャナの部品は、プリンタの誤用又は互換性がない受容体に起因して、紙詰まり又は故障を起こすことがある。かかる困難な状況は、近頃、走査速度に関して、より一般的になりつつある。先行技術に従うスキャナ付き印刷システムは、プレビュー機能を有することがあるが、実際には、実時間で問題を示すことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
検出システムを用いることによって上記の問題を解決する印刷システム及び関連する印刷方法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、より幅広い側面において、本体と、該本体に配置される1又はそれ以上の印刷機構とを提供し、前記印刷機構の周囲の領域は診断領域に対応する。本発明は、また、1又はそれ以上の前記診断領域の夫々の部分に面して前記本体に配置される1又はそれ以上の画像捕捉モジュールを有し、夫々の画像捕捉モジュールは、印刷中に、例えば、何らかの印刷に関連した問題の検出及び修正等の診断を提供するために、画像のストリームを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】先行技術に従う枚葉給紙印刷システムの斜視図である。
【図2】先行技術に従うプラテン印刷システムの斜視図である。
【図3】先行技術に従う複合印刷システムの斜視図である。
【図4】本発明に従う診断システム付き印刷システムの斜視図である。
【図5】本発明に従う診断システム付き印刷システムの詳細を示す。
【図6】診断システムの内部機能の詳細を示す略側面図である。
【図7】診断システムの実施形態の一部を示す。
【図8】診断システムの一実施形態である。
【図9】診断システム付き印刷システムの使用方法のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明並びにその目的及び利点は、以下の詳細な記載を読むとともに、図面を参照することで明らかになるであろう。
【0012】
本質的に、オールインワン印刷システム(あるいは、単に「スキャナ付き印刷システム」)は、3つの区別され得る種類の1つに含まれるスキャナを備える。すなわち、図1に示される枚葉給紙スキャナ10、図2に示されるプラテンスキャナ、及び図3に示される、枚葉給紙機能及びプラテン走査機能の堅固な組合せを有するスキャナ30である。枚葉給紙スキャナ10に関して、照射源とともに線形イメージングセンサ及びレンズを通常有する、例えば、プリンタ、カメラ、電話機及びエンターテイメント装置等の画像形成サブシステムは、固定位置にあるセンサのそばを通り過ぎて用紙を動かすことによって画像を走査する。文書は、スタックから給紙されて、センサの視野に配置されている用紙経路を通される。夫々の文書がセンサの前を通ると、個々のラスター・ラインは、イメージング装置によって撮像されて、元の文書の2次元(2D)表現を作り出すよう統合される。イメージング装置は、文書がセンサのそばを通り過ぎて動かされる間、ライン毎に画像の幅を捕捉する。
【0013】
プラテンスキャナ20に関して、文書は、走査ユニットの固定された平坦な透明表面上にうつ伏せに配置され、画像形成サブシステム及び照射源は、走査動作を行うよう固定の文書の真下を動く。この場合に、装置は文書の長さを動かされ、一方、光学器械の構成要素は、走査される文書の幅にわたる。プラテンスキャナは、ふたを持ち上げて、1枚ずつ文書用紙をうつ伏せに置くことを必要とする。プラテン機能は、また、確実にはスタックから給紙しない文書を扱うために用いられる。
【0014】
上記のようなスキャナを組み合わすスキャナを備えるオールインワン印刷システムは、速度、機能及び費用が様々であり、しばしば、大量の文書を走査するためにビジネスで使用される。所与の設定における走査に対する要求は、毎日数百(100)から数十万(100,000)ページ程度である。スキャナ付き枚葉給紙印刷システムは、用紙経路の両側でイメージングシステムを用いて、一度の走査動作の間にそれぞれの文書の両面を撮像することによって、最大の生産性を提供する。印刷エンジンを付加することによってプリンタに組み込まれる1つのタイプのスキャナ30は、スキャナ付き枚葉給紙印刷システムの機能を、スキャナ付きプラテン印刷システムの機能と組み合わせるよう試みている。本質的に、スキャナを備えるこのような複合印刷システムは、1つの箱の中でプラテン走査機能を用紙移動機能と組み合わせる単一ユニットとして製造される。
【0015】
印刷速度は、今日、非常に速く、小型のデスクトップ型装置で毎分30頁超のカラー印刷が可能であるから、印刷エラーが起こる場合に、相応なTCO(Total Cost of Ownership)を維持するのに介入(intervention)は重要である。用紙の破損、紙詰まり、ヒューザー(fuser)オフセット、不適切なヒュージング(fusing)、低トナー、スキューエラー、デュプレックスエラー、スケール、レイアウトエラー等の印刷エラーは、直ぐには検出されない場合に、処置、修正及び再印刷されることを必要とする、使用不可能な大量の印刷を生じさせうる。ユーザがオールインワンプリンタを使用している場合、文書の一部が物理的に走査領域にないことがある。すなわち、アイテムは物理的に再構成されなければならず、問題を引き起こす。同様に、スキャナの部品は、プリンタの誤用又は互換性がない受容体に起因して、紙詰まり又は故障を起こすことがある。かかる困難な状況は、近頃、走査速度に関して、より一般的になりつつある。
【0016】
図4は、これらの問題を解決することができる診断システム及び関連する診断方法を備えるオールインワンプリンタ100を示す。診断システム付きプリンタ100は、本体102と、本体102によって保持されるプラテン104と、任意のふた106とを有する。システム100は、本体に取り付けられている診断ビューイングモジュール108と、プラテンの下に設けられている走査モジュール110とを有する。走査モジュール110は、線形撮像装置112等の画像形成サブシステムを有する。線形撮像装置112はプラテン104に対して平行移動可能であり、本実施形態で、プラテン104は、印刷エンジン120がアイテム115(例えば、画像118を含む文書116)を印刷する前に、アイテム115のキャプチャ区間114を定める。アイテムの一部が適切に位置付けられず、あるいは、機構上の異常がある場合(例えば、正常に動作しないローラが用紙の給紙に失敗した場合)、印刷エンジン120は適切に印刷を行わず、診断システム130は、機構が実時間で見られることを可能にする。診断システムは、代表画像122及び/又は他のデータの使用によって問題の検出を可能にする。診断画像は、通常、時間にわたって又は信号に応答して収集される代表画像であり、アーカイバルであっても又はそうでなくともよく、目に見えない問題が起こりうることを心配せずに、印刷中に、診断システム130を用いて、問題又は潜在的な問題を正すために使用され得る。画像は、また、1又はそれ以上の機構の間の過去又は現在いずれかの差異であってよい。代表画像は、斜曲点(skewed point)をもたらしうる、例えば、トナー色の変化又は微妙な画像シフト等の、緩やかすぎて気付かない時間にわたる変化を示すよう、1又はそれ以上のリファレンスと比較されてよい。診断システム130は、また、例えば過去の動作条件等の、記憶されている情報に基づいて問題の可能性を判断するよう、例えば温度等のライン又は標準読込を参照することもできる。
【0017】
代表画像122は、表示スクリーン124(例えば、LCDスクリーン)の部分としてプリンタシステムに表示される。表示スクリーン124は、システム100と通信を行う診断ビューイングモジュール108の部分として示されており、図4では、プリンタの本体に取り付けられているように示されている。この表示部は、プリンタ本体102に隣接して又はプリンタ本体102から離して有線又は無線により接続されてよい。これは、ユーザ又はコントローラが、システム100内にあるもののライブ画像及び他の診断情報に実時間でアクセスすることを可能にし、これにより、問題は実時間で正され、プリンタの損失時間は回避される。かかるシステムは、キーパッドとして図4に示される入力装置126を介してアクセスされ得る。ユーザ入力システム126又は他の装置は、ユーザから入力を受け取って、この入力を、制御ユニット128にあるプロセッサによって使用可能なフォーマットに変換することができる。例えば、ユーザ入力システム126は、タッチスクリーン入力、タッチパッド入力、4Wayスイッチ、6Wayスイッチ、8Wayスイッチ、スタイラスシステム、トラックボールシステム、ジョイスティックシステム、音声認識システム、ジェスチャ認識システム又は他のこのようなシステムを有する。図4に表される実施例では、ユーザ入力システム126は、ユーザからの入力を受け取るキーパッド又はキーボードを有する。表示部124は、制御ユニット128に接続されており、ユーザがプリンタ120及び診断プリンタシステム100と対話することができるように、ユーザに情報を提供する。ユーザ入力システム126及び表示部124の様々な構成部品は、筐体内に配置されても、あるいは筐体とは別であってもよい。別である場合、ユーザ入力システム126及び表示部124は、有線又は無線信号及び接続によって制御ユニット128と信号をやり取りすることができる。
【0018】
[走査ユニット]
走査モジュールとも呼ばれる走査ユニット110は、筐体又はキャビネットとも呼ばれる本体102の上側部分に配置される。本体102は、上側の走査モジュール110と、下側のプリンタエンジン又はモジュール120とを収容することができる。本体102の上側部分は、ここでは透明な板(例えば、ガラス板)として示されているプラテン104を有し、プラテン104上には、アイテム115(例えば、図4に示されるように、画像118を有する文書116)がうつ伏せに載置される。ガラスプラテン104は、文書が画像形成サブシステム(例えば、図4に示される線形撮像装置112)に関して置かれる場所である。留意すべき点は、走査ユニットは物理的にプリンタに接続される必要はないことである。それは、有線、無線及び/又はネットワーク接続を介してプリンタに接続されてよい。
【0019】
かかる走査モジュールは、アイテムを走査し印刷するよう協働すると当該技術で知られている他の構成において配置されてよいことが知られる。本実施形態で、ガラストップ又はプラテン104は、走査される文書が載置される場所を提供する。任意のふた106は、走査される文書を覆うことができ、文書の適切な走査を妨げうる外部への光の影響を制限するとともに、プラテン104に対して如何なるアイテムも平らに保つ働きをする。ふた106は、ヒンジによって又は他の適切な方法で取り付けられており、あるいは、持ち上げることができる別個の部分であってもよい。
【0020】
診断システム付きプリンタは、文書の走査を達成するために必要な様々な部品、装置、サブシステム、及び他の機構に筐体を提供する。走査の前に、ふた106は、適切な照明、背景、及び適切な制約条件を画像形成サブシステム112に提供するよう、特に、何らかのレンズを含む光学システムがプラテン104に載置されている文書に現れる画像の適切な光反射を受け取ることを可能にするよう、閉じられる。走査ユニット110は、制御及び画像処理機能と動作上組み合わせて文書の完全なプラテン走査を可能にする機構の組を有する。プラテン要素は、ガラストップが取り付けられている頂面を有する囲い(enclosure)を有する。プラテン要素は、ガラストップに載置されている文書を覆うのに適した略平らな面を備えたふたを有してよい。ふたは、リッドを囲いと結合する可動結合部(例えば、ヒンジ)により開閉を可能にされる。
【0021】
[診断システムユニット]
本体102の下側部分は、印刷並びに診断システム130及びコントローラ128の収容を達成するために必要な機構158を収容する下側プリンタエンジン又はモジュール120を含む。かかるモジュール及び機構は、問題を診断するために協働するよう様々な構成で配置され、モニタリングを容易にするよう特定のプリンタ機構識別インジケータ(ids)を有してよい。本実施形態で、ガラストップ又はプラテン104は、走査される文書が置かれる場所を提供する。任意のふた106は、走査される文書の覆うことができ、文書の適切な走査を妨げる光の外部への影響を制限するとともに、プラテン104に対してあらゆるアイテムを平らに保つ働きをする。ふた106は、ヒンジによって又は他の適切な方法で取り付けられ、あるいは、持ち上げることが可能な別個の部分であってよい。診断システム130は、印刷診断を達成するために必要な様々な構成要素、装置、サブシステム、及び他の機構を提供する。
【0022】
図6は、媒体とも呼ばれる受容体136を媒体供給部138から運搬ベルト128に供給する用紙経路と、1又はそれ以上の印刷エンジンとを有する、診断システム付きプリンタの一部を示す。運搬ベルトは、撮像システム142及びトナーシステム144を含む印刷ステーションを過ぎた受容体136を、1又はそれ以上のローラ148を通って、集合的に印刷機構158と呼ばれるプリンタのあらゆる他の動作部分とともに出口ローラ150を全て含むヒュージングシステム146に運ぶ。印刷機構の他の例には、媒体ピッキングモータ、出口ローラモータ、媒体アージ(urge)ローラモータ、運搬ベルトステッパモータ、印刷ステーションエンゲージメントモータ、ヒューズローラモータ及びソレノイド制御媒体経路ダイバータ、並びにトナー供給システム及びあらゆるプリンタ関連システム(例えば、グロッサー(glosser)、製本器、及び他の仕上げ装置等)があるが、これらに限定されない。
【0023】
診断システム130は、1又はそれ以上の印刷機構の周囲領域に対応する診断領域Aによって囲まれている印刷機構のうちの少なくとも1つに関して動作上配置されている1又はそれ以上の診断画像捕捉モジュール152を有する。1又はそれ以上の画像捕捉モジュール152は、各画像捕捉モジュール152が、ここでは代表のメモリとして示されている制御ユニット内のメモリ154への画像のストリームを生成することができるように、前記1又はそれ以上の診断領域の夫々の部分に面してプリンタ内に配置されている。画像捕捉コントローラ156は、ここでは、所定の基準155に関して画像捕捉モジュール152を制御するために、制御ユニット128と通信するよう示されている。制御ユニット156は、制御ユニット128を介して制御信号160及び命令(例えば、ユーザ又はコントローラにより発せられた命令)に応答して、プリンタ及び周囲領域並びに関連する使用から収集され得る診断情報と結合された映像等の情報を供給するために、画像捕捉コントローラ156を用いて基準155に関して画像捕捉モジュール152の動作を開始する。供給される情報には、室内温度及びプリンタ温度、印刷モード、ユーザ、受容体並びに他の印刷関連情報が含まれるが、これらに限定されない。映像フォーマットでの診断情報は、印刷システムの通常動作に見合うレートでメモリに伝送される。診断システム130は、診断画像を処理及び送信するためにホストコンピュータ、ハードウェア及びファームウェアと通信するためのサブシステム及び付加的なシステム、並びにあらゆる必要なコントローラ等を有する。
【0024】
画像捕捉モジュールは、また、粉塵、破片、逸出トナー粒子、紙繊維等の蓄積を検出することができる基準画像又はビューである基準155を使用することもできる。また、基準画像と比較することによって、条件の変更は、メンテナンスプロシージャ又は修正措置を示唆するために使用され得る。例えば、黄色トナーの急速な蓄積が観測される場合に、システムは、ユーザに、黄色トナーのカートリッジが適切に位置付けられていることを確認するよう警告することができる。紙繊維及び粉塵の蓄積が検出される場合は、システムは、ユーザがユニットを掃除機で掃除して、イソプロピル・アルコールにより駆動ローラを洗浄するよう求める。
【0025】
基準画像は、メモリに記憶されており、時間にわたる変化を検出するために画像捕捉モジュールによって使用されてよい。基準画像は、工場での較正モードにおいて又は最初のセットアッププロシージャ中に、画像捕捉モジュールを用いて作成されてよい。メモリ及び計算リソースを節約するよう、画像はヒストグラムに変換されてよく、基準画像とその後に捕捉される画像との間の差のみが記憶される。
【0026】
図6に示されるように、検出器とも呼ばれる画像捕捉モジュール152は、1又はそれ以上のカメラを有してよい。図6に示される画像捕捉モジュール152は、診断システムとともにプリンタの本体に配置される動画カメラ(又は複数の動画カメラ)であり、システム100と通信を行う、すなわち、システムから遠く離れた診断ビューイングモジュール122の一部としての表示スクリーン124(例えば、図示されるLCDスクリーン)に出力する。カメラは、目に見えるスペクトルで見ることができ、あるいは、フィルタ(例えば、偏光フィルタ又は特定波長フィルタ)及び当該技術で知られている他の光学関連装置を用いる特殊なカメラであってよい。例えば、不可視の又はほぼ不可視の赤外線照射を捕捉するための赤外線感知画像捕捉モジュールの使用は、従来の可視光感知画像捕捉モジュールによっては目に見えない局所的な熱パターンを検出するために印刷装置の内部で使用されてよい。事前に記憶されているIR基準画像155が利用可能である場合に、熱パターンの変化が観測可能であり、例えば、正常仕様外のモータ動作及び過熱等の潜在的な不具合状態を示すことができる。
【0027】
診断システム130は、1又はそれ以上の印刷エラー検出基準を組み込んでよい。一実施形態で、基準は、非印刷面にウォーターマークを有する片面媒体(例えば、写真グレード)により又は両面モードでの印刷時には両面媒体により使用されてよく、画像捕捉モジュールが、ウォーターマークの位置を検出することによって、片面媒体が適切な印刷位置にあるかどうかを決定することを可能にする。プリンタが両面モードで両面媒体を使用している場合に、画像捕捉モジュールは、同じくウォーターマークの位置を検出することによって、媒体が適切な印刷位置にあるかどうかを決定するために、印刷処理中に媒体の印刷面及び白紙面をモニタリングすることができる。
【0028】
診断システム130における画像モジュールの他の実施形態は、図5に図示されているように他の情報とともに映像表示スクリーンに示される「時間捕捉(time capture)」の記録と印刷エラー検出基準を対とする。それは、紙詰まりの状態が注目される最初の時点についてサービスマンが論じているような場合のやり取りにおいて有用である。かかる情報は、ヒストグラム・データベースで検索可能である。例えば:
‘08年1月28日1時12分27秒に紙詰まり開始
‘08年1月28日1時12分41秒に、紙詰まりにより媒体運搬システム停止。
【0029】
図4で、ビューイングモジュール122は、診断領域Aで見られるように低解像度画像であるライブ画像又は映像へのユーザアクセスを可能にする。診断領域は、画像の画像捕捉装置の画角によって定められる。図6に図示される実施例は4つの画像捕捉モジュール152を有しており、各画像捕捉モジュールは画角を有し、給紙システム138、運搬ベルト128、印刷システム132、出口ローラ150及びヒュージングシステム146を含む4つのプリンタ機構のうちの1つを包含する画角を共に形成する。
【0030】
ビューアーは、上述されるように他の診断データと対にされ得る、プリンタ内の機構のアクティブ/ライブプレビューを有する。収集された診断データは、記憶され、及び/又は、疑われる問題若しくはエラーに関する他のデータと比較されて、ビジュアルアイコンやデータのヒストグラムを含む多数の方法で表示され、又はプリンタ、モニタ、携帯電話機若しくは他の通信装置及び/又はユーザを介して印刷されコントローラに伝送される。印刷は、例えば、現在の画像、ヒストグラム、チャート、新たなメンテナンス命令、警告、消耗品(例えば、トナー)の供給者への直の通信供給、及び他の有用且つ効果的な手段を含みうる。このビューは低解像度であってよく、観察下での現在の状況を表す。収集されたデータは、それらが分析されて、代表的でない場合は廃棄され得る場合に、長期使用の対象とされる必要はない。
【0031】
問題(例えば、未知の場所での紙詰まり又はローラ残留物(ホットオフセット))がある場合は、代表画像のストリームが、可能性がある懸案事項の領域を示すよう、時間ごとの多数の画像フレームとして定義されるフレームレートで流れる。画像捕捉モジュール152のうちの1又はそれ以上は画像検出器を有し、プリンタの本体内に配置され、外部の表示部124と通信を行う。診断システムユニット付きプリンタは、画像を記憶する何らかの電子機器(例えば、携帯電話機、パーソナルデジタルアシスタント、パーソナルコンピュータ、及び画像再生器等)を含む何らかの撮像装置と画像及び関連データをやり取りするために使用されるインターフェースに関与するよう構成されてよい。画像捕捉モジュール152は、印刷機構を照射して、モジュール152が必要とする光を供給するために必要な光エネルギを提供するために、1又はそれ以上の光源を有してよい。診断システム130は、光を機構上に向ける1又はそれ以上のレンズと、反射光を文書からレンズを通って撮像モジュールに導く等、領域内で使用されるシステム内の1又はそれ以上のミラーとを有してよい。診断システム130からの画像情報は、修正措置が取られるように、プリンタ動作(例えば、給紙速度、適切な駆動及び画像処理回路等)を変更するよう必要に応じてプリンタ及びプリンタドライバに供給される。
【0032】
[制御ユニット]
コントローラ128とも呼ばれる制御ユニットは、システムの部分を制御することができ、画像の走査、処理、記憶及び診断共有処理を管理するよう構成されるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はその他電子回路を有することができる。診断システム130は、コンピュータ又は他の装置の一部であってよい中央演算処理装置(CPU)を含む、コントローラとも呼ばれる制御ユニット128へ送る情報を収集するよう、1又はそれ以上のセンサ155を有してよい。捕捉されたデジタル画像及び他の関連する診断情報は、望まれるように記憶され、送信され、及び/又は扱われてよい。通常、画像を含む捕捉診断情報は、例えば、CD又はコンピュータディスク等の記憶媒体に情報を書き込む装置へ送られ、非アーカイバル(non-archival)がビューアーに送られる。代替的に、データは画像記憶装置に送られてよい。画像記憶装置は、画像の所有者のコンピュータ、画像の印刷のためのプリンタ、あるいは、単に長期若しくは一時記憶装置又は設備であってよい。制御ユニットは画像処理を有してよい。ホストコンピュータが画像処理を行うこととは対照的に、診断システム付きプリンタで画像処理が構成されることは、このための専用の電子ハードウェアを使用することを可能にし、より速い処理速度を提供する。画像処理には、画像エンハンスメント、グレースケール又は白黒画像への変換、画像スキュー修正、境界除去、背景フォーム・ドロップアウト(background form dropout)、及び画像ファイル圧縮があるが、これらに限定されない。
【0033】
[印刷エンジン]
図4は、また、プリンタ120とも呼ばれる印刷エンジン120を示す。印刷エンジンは、従来の4色オフセット分離印刷又は他の密着印刷(contact printing)、シルクスクリーニング、アメリカ合衆国ニューヨーク州ロチェスターにあるイーストマン・コダック・カンパニから販売されているNexPress2100で使用されているようなドライ・エレクトロフォログラフィ(dry electrophotography)、感熱式プリント技術、ドロップ・オン・デマンド(drop on demand)のインクジェット技術及び連続式インクジェット技術を含む様々な既知の技術を用いて、受容媒体136の上に画像を記録することができる。以下の議論のために、印刷エンジンは、カラー画像を生成するタイプであるとして記載される。なお、このことは必須ではなく、請求される方法及び装置は、例えば、黒及び白、グレースケール又はセピアトーンの画像等、モノトーン画像を形成するよう構成される印刷エンジンを有して実現されてよい。
【0034】
媒体の前進は、受容媒体136への画像の記録を助けるよう受容媒体及び/又は印刷エンジンをお互いに対して位置付けるために用いられる。
【0035】
上記のコントローラ128は、多数のプレ印刷動作を行うべくプロセッサを有してよい。プレ印刷動作には、デジタル画像データを受容媒体に印刷される色に変換すること、受容媒体による印刷のための印刷速度を決定すること、画像が読み込まれている受容媒体のタイプ又は形状により印刷可能であるかどうかを決定すること、印刷媒体供給を再ロードする必要があるかどうかを決定すること、受容媒体を用いる印刷に使用されるダイ又は染料セットを選択すること、および/又は、印刷エンジン120が受容媒体上に画像を記録することができるようデータ及び素材を用意するのに必要なその他機能が含まれる。このような印刷動作の他の例には、プリンタ120が所望のタイプの印刷媒体をロードされているかどうかを印刷の前に決定することがある。プレ印刷動作が完了すると、制御ユニット128は、印刷エンジン120及び任意に受容媒体運搬経路を、印刷可能な層に印刷エンジンを用いて画像を記録するよう動作させることができる。印刷には、当該技術で知られているあらゆる形態の印刷が含まれてよい。コントローラ128及びプロセッサは、また、多数の修正動作を行うことができる。かかる修正動作には、潜在的な問題状態(例えば、受容体が逆さまであることや、斜めにされていること等)を示すための観察(watching)があり、前提条件を修正し、及び/又は、修正措置が取られるべきことをユーザに知らせることができる。同様に、コントローラ128及びプロセッサは、目下の窮地を認識及び検出し、多数の修正措置を行うことができる。通信は、上述されるように、有線又は無線のいずれであってもよい。
【0036】
診断ビューイングモジュール108は、ユーザがコントローラ128によって検出可能な方法で情報を入力することを可能にするヒューマンインターフェース機能を備えたユーザインターフェース、及びシステムがユーザに情報を提供することを可能にする表示部124として動作する。表示部124は、例えば、可視的な信号又はアイコン、テキストメッセージ、又は画像等のステータスインジケータを有することができる。図6に示される実施形態で、システムは、コントローラ128から信号を受信し、これらの信号を、ユーザに情報を提供するために表示部124によって使用され得る形態に変換するために使用されてよい。この情報は、走査中にプラテン104上にあるアイテムの実時間画像を含む。
【0037】
システム100は、また、メモリ156を有してよい。メモリ156は、ソリッドステート、磁気、光又は他のデータ記憶装置を含む従来のメモリ装置を有してよい。メモリ156はプリンタ120内に固定されても、又は着脱可能であってもよい。図6の実施形態で、メモリ156は制御ユニット128に隣接して示されている。データ(例えば、制御プログラム、デジタル画像及びメタデータ等)は遠隔メモリに記憶されてもよい。プリンタ120は、例えば遠隔メモリシステム等と通信を行うための通信システム160を使用してよい。通信システム160は、例えば、光信号、無線周波数信号又は他の形態の信号によって遠隔メモリシステム等の遠隔の装置に伝えられる形態に画像及び他のデータを変換するためにトランスデューサ及び適切な信号処理回路を有する光学無線周波数回路であってよい。通信システム160は、また、ホストコンピュータ又はネットワークからデジタル画像及び他の情報を受け取るために使用されてもよい。通信システム160は、自身が受信した信号からの命令を制御ユニット128に供給する。
【0038】
図7は、一実施形態の一部を示すものである。この一実施形態で、診断システム130は、本体102において1又はそれ以上の印刷機構158を有するとともに、印刷機構158のうちの少なくとも1つに対して本体102に配置されている撮像モジュール152を有する。診断システムモジュール172の一部としての画像捕捉モジュール152は、1又はそれ以上の印刷機構158の夫々の部分に面して本体102に配置されている。夫々の画像捕捉モジュールは、1又はそれ以上の印刷機構158並びに最終的に印刷ジョブ及び総じてプリンタシステムに関してそれらを含むシステムにおけるあらゆる目下の状態又は前置条件を検出するために、画像捕捉モジュール152から少なくとも1つの画像、望ましくは、画像のストリーム174を生成する。画像捕捉モジュール152は、媒体詰まりに応答してエラー信号176を生成し、制御ユニット128は、画像捕捉モジュール152からの画像のストリーム及び任意にプリンタからのエラー信号を受信する。一実施形態で、制御ユニットは、エラー信号に応答して、1若しくはそれ以上のストリーム及び/又は全てのストリームからの更なる現在の画像のうちの1つを含むログ178を生成する。
【0039】
本実施形態の診断システムは少なくとも2つの画像モジュール152を有し、画像モジュール152は2つのカメラとしてここでは示されており、お互いと連動して作動して、夫々の診断ビューイング領域Aが重なることを確かにする。ここで、第1のカメラは、印刷経路上の給紙領域全体のビュー(トップ又はサイドビュー)があるように第1の検出領域Aに対して媒体136に垂直に位置付けられ、第2のカメラは、第2の診断ビューイング領域Aが、印刷機構のみを見るとともに同時に用紙経路が示しているものを見るために異なる角度から第1のカメラの診断ビューシング領域をカバーするように、図示されるように印刷機構に平行に且つ第1のカメラに対して位置付けられている。これは、また、2又はそれ以上の画像捕捉モジュールを使用するデュアル画像捕捉モジュールシステム190とも呼ばれ、1つのカメラは原則的に印刷媒体の表面に対して垂直であり、別の1つのカメラは原則的に印刷媒体の少なくとも一方のサイドエッジに対して垂直である。
【0040】
ログ178は、画像モジュール152から収集された画像及びデータストリームの組の夫々から代表の画像シーケンスを収集する。システムは、例えば紙詰まり等の問題を検出し、それを直すために、複数のユーザにより変更可能な及び/又はテーブルに格納されている動作パラメータを、夫々の画像に関連付けられているメタデータとして供給される、ユーザにより変更可能な動作パラメータに関連付けられているログ並びに現在の値及び情報とともに、使用する。ユーザにより変更可能な動作パラメータの例として、温度及び湿度並びに用紙タイプ、プリンタモード及び過去の情報があるが、システム及び/又はユーザモニタはいずれのパラメータを有してもよい。印刷機構は循環式の給紙装置を有してよく、印刷機構の他のものは受容体運搬部である。留意すべきは、複数の画像捕捉モジュールがある場合に、それらの画像捕捉モジュールはお互いに交換可能であってよい点である。
【0041】
1又はそれ以上の印刷機構は、印刷システムにおける複数の場所で媒体詰まりに陥り、制御ユニットは、エラー信号及びログに応答して複数の異なった救済信号のうちの1つを生成可能な人工知能コンポーネントを有する。かかる人工知能コンポーネントは、以下のもの、すなわち、ルールベース・システム、定理証明システム、意味的知識ネットワークアプローチ、フレームベースの知識システム、ニューラルネットワーク、ファジー理論ベースのシステム、標準アルゴリズム機構、及びヒューリスティックベースのシステムのうちの1又はそれ以上を個々に又は何らかの組み合わせにおいて有する。
【0042】
モニタリングユニット180は、有線又は無線であってよく、幾つかの実施形態では遠隔であり、第1の電気通信インターフェースを有してよい。この場合に、印刷システムは、本体に取り付けられている第2の電気通信インターフェースを有し、第1及び第2の電気通信インターフェースは動作上接続可能である。制御ユニット及びモニタリングユニットは、ログを選択的にアップロードしてモニタリングユニットに表示するよう実施形態で構成され、電気通信インターフェースは夫々音声通信機能を有し、更に、各ストリームを選択的にアップロードしてモニタリングユニットに表示する。
【0043】
走査モジュール200は、連続的である、又は必要に応じて(例えば、重要書類が、画像捕捉モジュール152からエラー信号を生成することによって走査されている場合等に)開始される診断領域のアーカイバル画像を捕捉する間、機構を走査するよう動作可能である。エラー信号が受信されると、それは、動作を最適化し且つ将来の問題(例えば、紙詰まり)を最小限とするためにコントローラ及び/又はユーザによって使用されるよう、エラー信号のログに加えられる。画像捕捉モジュール152は、ユーザが実際に実時間の状態及び/又は問題並びに問題を引き起こして容易に修正措置を開始する条件を見ることを可能にする。図8に示される診断方法200が用いられ、かかる方法は、画像捕捉モジュール及び印刷機構によって定められる診断領域における印刷機構の全て又は一部分を見るために1又はそれ以上のビューを備えた画像診断モジュールを用いて1又はそれ以上の印刷機構の間を走査することを含む診断モード220のステップ有する。次いで、ユーザが診断モード220にある間に、診断領域の画像及び画像ストリームを検出し(230)、出力する(240)。任意に、出力の前に又はその後に、診断信号を介してユーザ入力を含む付加的な診断データを受け取る(245)。更に、診断領域の1又はそれ以上の夫々の代表画像シーケンスを捕捉し(250)、それらの代表画像及び/又は画像シーケンスストリームを他の記憶されている及び/又は前の画像及び/又はデータと比較する(260)。その後に、問題を正すために必要なイベントのシーケンスを示す推奨される修正措置を出力する(270)。
【0044】
上述されるように、1又はそれ以上の画像捕捉モジュール152は、実施形態において診断領域に対して固定で本体に設置されるが、動かすこともできる。1又はそれ以上の画像捕捉モジュールは、診断領域の代表画像のストリームを捕捉するよう動作する。夫々の画像捕捉モジュールは、1又はそれ以上の画像捕捉モジュールが、診断領域に面して、診断領域の代表画像のストリームを出力するよう動作するように、領域アレイ撮像装置(area array imager)を有してよい。
【0045】
診断システム及び図9に示される関連の方法は、問題がほとんどの状況で検出又は予測される場合に使用されるが、1又はそれ以上の画像捕捉モジュール152によって供給される外観検査及び/又はログによって助けられるあらゆる問題に適用可能である。図9の診断方法300は、事前に記憶されているデータの使用を含む印刷システムで、問題とも呼ばれるエラー状態の予測及び/又は修正を可能にする漸進的変化を検出するよう、時間にわたって、事前に記憶されているデータ及び画像を使用して又は使用せずに、プリンタ機構をモニタリングするステップ310を有する。事前に記憶されているデータは、画像モジュールによって捕捉された画像を含み、エラー及び/又は既知のエラー条件が発生したか又はまさに発生しようとしていると自動で判断するよう能力を高めることができる。例えば、機構(例えば、用紙ガイド)のビューは、用紙ガイドの予め記憶されている画像に対してアラインメント又は位置から外れることがある。代替的に、予め記憶されている基準はリファレンスマークであってよい。原位置紙詰まり検出アプリケーションの例には、カメラにより正常動作中の装置を通る用紙の動きをモニタリングすることがあり、紙詰まりが起こり始める(例えば、用紙の端及び/又は表面がその直線的な及び/又はローラに適合した形状から変形し始める)と、用紙駆動部は停止又は反転又は適切に修正され、用紙詰まりの拡大を最小限にし及び/又は装置へのダメージを防ぐ。モニタリング中に、1又はそれ以上の媒体運搬部の夫々の部分に面して配置されている1又はそれ以上の画像捕捉モジュールを操作する(314)。夫々の画像捕捉モジュールは、画像のストリームを生成する(316)。
【0046】
モニタリング中、診断システムは、発生した又はまさに発生しようとしているあらゆる問題エラー及び/又は既知のエラー条件(例えば、用紙ガイドが、用紙ガイドの予め記憶されている画像に対して又は代替的にリファレンスマークを参照して、アラインメント又は位置から外れること。)を検出する(318)。差分画像320の使用は、根拠として履歴画像を用いる履歴差分画像、及び/又は現在の画像ストリームから若しくは記憶されているデータを含む他のデータを比較して代表画像を使用する現在の差分画像を含む。次いで、システムは問題に応答する(330)。例えば、紙詰まりを監視し、又は他の印刷、媒体、レイアウト、ヒュージング等のエラーを検出する場合に、後述されるようにエラー及びエラータイプをユーザに知らせ、又は問題を正すことによって、多数のエラーコピーが作成されることを防ぐことができる。
【0047】
システムが応答すると、システムはエラー信号を生成し(340)、任意に、エラー信号に応答して、1若しくはそれ以上のストリーム及び/又は全てのストリームからの更なる現在の画像のうちの1つを含むログを生成する(342)。ログは、ストリームの夫々からの画像シーケンス及び/又はストリームの全てからの現在の画像を含み、問題を正すために用いられる。システムは、また、修正ステップ350の間に問題を正すために使用される。例えば、原位置紙詰まり検出に関し、カメラにより正常動作中の装置を通る紙の動きをモニタリングする場合に、紙詰まりが起こり始める(例えば、用紙の端及び/又は表面がその直線的な及び/又はローラに適合した形状から変形し始める)と、用紙駆動部は停止又は反転又は適切に修正され、用紙詰まりの拡大を最小限にし及び/又は装置へのダメージを防ぐ。このことは、用紙経路全体が見られるように例えばトップビュー又はサイドビューから用紙経路全体を撮像する第1のカメラと、1つの機構を見て、そのビューを第1のカメラのビューと比較する第2のカメラとを備えるデュアルイメージモジュールを使用してよい。
【0048】
システムは、更に、ユーザにより変更可能な動作パラメータの現在の値を示すメタデータをログにおける夫々の画像と関連付けるステップ342と、ストリームの少なくとも1つ及びログを遠隔のモニタリングユニットにアップロードするステップ(352)とを有することができる。また、リファレンスマーク(例えば、既知の色、サイズ又は形状のグラフィックドット、矢印、直線等)が、最適な位置における(ピークで動作するよう)印刷機構及び個々の構成要素の正確な配置を決定するために用いられる。これらのインジケータマークは、媒体自体が動かされなくなる位置を決定するよう、媒体自体が動かされる位置をより正確に決定するために、媒体経路に沿ったスケールでラインを有してよい。同様に、特別のリファレンス“文書(document)”(例えば、装置によって印刷される媒体用紙上にあるターゲット)が、移動の検出を高めるために使用されてよい。一例として、カメラビューが媒体用紙に対して垂直である場合に、移動の速度及び/又は位置を決定する(356)ために、固定スケールが使用される(354)。この固定リファレンスは、また、代替可能な量(例えば、トナー量)にとって有用であり、エラー信号は、1又はそれ以上の供給者に送られ(競争入札を可能にする。)(360)、トナーが供給され(362)、使用に間に合うよう受け取られる(364)。
【0049】
様々なモニタリングモードの使用は、診断モード、制御モード、テスト中の観察モード、開始サービスプロシージャモード、プリンタの全体又は一部の開始サービスモードを含み、全てのモードが、遅い又は速い詳細な又は大まかな画像収集を可能にする種々のサブモードを有してよい。例えば、代表画像は、毎分10秒間収集され、前日の同時刻の捕捉から得られた記憶されている画像に対して適合されたスローモーションのビデオストリームであってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に配置される1又はそれ以上の印刷機構であって、該印刷機構の周囲の領域が診断領域に対応する前記印刷機構と、
前記印刷機構の中の少なくとも1つの印刷機構に動作上関連して前記本体に配置される印刷エンジンと、
1又はそれ以上の前記診断領域の夫々の部分に面して前記本体に配置される1又はそれ以上の画像捕捉モジュールであって、各画像捕捉モジュールはメモリへの画像のストリームを選択的に発生させることができる前記画像捕捉モジュールと、
所定の基準に関して前記画像捕捉モジュールを制御する画像捕捉コントローラと、
制御信号に応答して前記画像捕捉コントローラにより前記所定の基準に関して前記画像捕捉モジュールの動作を開始し、印刷装置の通常動作に相応するレートで診断情報と結合された前記画像のストリームを前記メモリへ送る制御ユニットと
を有する印刷装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記1又はそれ以上の印刷機構で何らかの問題を検出する場合にエラー信号を生成し、
前記制御ユニットは、前記エラー信号に応答して、前記画像のストリームの1又はそれ以上から更なる現在の画像の中の1つを含むログを生成する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御ユニットはデジタルプロセッサを有し、該デジタルプロセッサに割り込む、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
視覚インジケータを更に有し、
前記制御ユニットは、当該印刷装置の状態に従って前記視覚インジケータを作動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記診断情報は、温度、プリンタモード、ユーザ、受容体タイプ、記憶されているデータ、記憶されている診断画像、及び現在の画像の中の1又はそれ以上を含むデータを有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
差分画像を更に有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
診断システムは、結果として得られた命令を送信する出力システムを有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
デジタルプロセッサは、前記レートとは異なり該レートより速い又は遅い処理スループットレートで、記憶されている画像ストリームのブロックに作用する診断動作を有し、
前記デジタルプロセッサは、画像ストリームのブロックを対応する圧縮された画像信号のストリームに変換し、前記画像ストリームの利用を監視する診断コントローラを含み、これによって、当該印刷装置の現在の状態に関して情報が生成される、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記画像捕捉モジュールは赤外線カメラを有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記所定の基準は、前記診断領域及び前記印刷機構に対応する記憶画像を有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記所定の基準はリファレンスマークを有する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記リファレンスマークは、媒体経路に沿ったスケールにおけるラインと、ターゲットリファレンスとを有する、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記画像捕捉モジュールは、診断領域に対して位置付けられる2又はそれ以上のカメラを有し、1つのカメラは、印刷経路を見るよう媒体用紙に対して略垂直であり、1つのカメラは、前記印刷機構のみを見るために前記印刷機構に対して略平行である、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項14】
本体と、
前記本体に配置される1又はそれ以上の印刷機構であって、該印刷機構の周囲の領域が診断領域に対応する前記印刷機構と、
前記印刷機構の中の少なくとも1つの印刷機構に動作上関連して前記本体に配置される機構コントローラと、
1又はそれ以上の前記診断領域の夫々の部分に面して前記本体に配置される1又はそれ以上の画像捕捉モジュールであって、各画像捕捉モジュールはメモリへの画像のストリームを選択的に発生させることができる前記画像捕捉モジュールと、
所定の基準に関して前記画像捕捉モジュールを制御する画像捕捉コントローラと、
制御信号に応答して前記画像捕捉コントローラにより前記所定の基準に関して前記画像捕捉モジュールの動作を開始し、診断可能印刷装置の通常動作に相応するレートで診断情報と結合された前記画像のストリームを前記メモリへ送る制御ユニットと
を有する診断可能印刷装置。
【請求項15】
当該診断可能印刷装置に応答して停止されるプリンタを更に有する、請求項14に記載の診断可能印刷装置。
【請求項16】
更新されたメンテナンススケジュールを含む出力を更に有する、請求項14に記載の診断可能印刷装置。
【請求項17】
診断情報を伴うヒストグラムを含む出力を更に有する、請求項14に記載の診断可能印刷装置。
【請求項18】
画像捕捉モジュール及び印刷機構によって定められる診断領域において一部又は全ての印刷機構を見るよう、1又はそれ以上の視野を有する画像診断モジュールにより、1又はそれ以上の印刷機構の間を走査する段階と、
前記診断領域の1又はそれ以上の代表画像を検出し出力する段階と、
前記代表画像を他の記憶されている画像と比較する段階と、
前記比較する段階に応答して、1又はそれ以上の前記画像診断モジュールから更なる現在の画像の中の1つを含む出力を生成する段階と
を有する印刷方法。
【請求項19】
前記出力は、現在のデータを含むログを有する、請求項18に記載の印刷方法。
【請求項20】
前記出力を生成する段階は、ユーザにより変更可能な動作パラメータの現在の値を示すメタデータを前記ログにおいて夫々の画像と関連付ける段階を有する、請求項19に記載の印刷方法。
【請求項21】
画像及び記憶されているデータのうち少なくとも1つを遠隔監視ユニットへアップロードする段階を更に有する、請求項18に記載の印刷方法。
【請求項22】
前記検出する段階は、差分画像を更に有する、請求項18に記載の印刷方法。
【請求項23】
前記検出する段階は、1又はそれ以上の基準を使用する、請求項18に記載の印刷方法。
【請求項24】
前記生成する段階は、補正動作を更に有する、請求項18に記載の印刷方法。
【請求項25】
前記補正動作は、予め計画された動作を更に有する、請求項24に記載の印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−511561(P2011−511561A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545002(P2010−545002)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/000405
【国際公開番号】WO2009/097094
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】