説明

エリスロポエチン低応答性貧血を治療する方法

本発明は、貧血を治療するためのEPO模倣ペプチドを含む組成物を使用する方法に関する。本発明は、骨髄異形成症候群(MDS)による血液中の赤血球及びヘモグロブリンの不十分な量によってか、又はアルファ若しくはベータサラセミア、又は鎌状赤血球病等の異常ヘモグロビン症に特徴がある疾患を治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年1月7日に出願された米国出願第61/019,367号に対する優先権を請求し、この内容は、参照することにより、その全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、EPO模倣ペプチド組成物を使用して、遺伝的病因とされる貧血、及び慢性疾患に続発するそれらを治療する方法を提供する。本発明は、特に、貧血が組み換えヒトエリスロポエチンに対して低応答性である状態での貧血の治療を意図する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
貧血は、複数の病因を有し、食物摂取不足、例えば、鉄、又は先天性異常によって引き起こされ得るか、又は慢性腎疾患、癌、若しくはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症等の他の病理に関連し得る。同様に、貧血は、末期腎疾患、癌、又はHIV感染症を伴う患者において罹患率及び死亡率の増加に関連する。貧血のそれぞれの場合のための最も適切な治療を特定することは、貧血の病因、及び存在する場合は原因となる医学的状態の理解を必要とする。慢性腎疾患を伴う貧血は、ホルモン、エリスロポエチンを含む天然赤血球生成の低下による。巨赤芽球性貧血等の他の例では、不十分な赤血球生成は、ビタミン、又は葉酸欠乏症による。貧血の多様な提示は、同等に多様な薬理学的及び支持的治療法を必要とする。
【0004】
自然発生のエリスロポエチン(EPO)は、赤血球の産生(赤血球生成)を仲介する主要成長因子である糖タンパク質ホルモンである。赤血球生成の刺激により作用する現在承認されている製品としては、組み換えヒトエリスロポエチン(EPREX(商標)、PROCRIT(商標)、エポチンアルファ、Neorecormon(商標)、エポチンベータ)、及びダルベポエチンアルファ(エリスロポエチンの高度にグリコシル化された変異型である組み換え技術によって産生されたタンパク質)を含む製品を含む。これら、いわゆる赤血球生成促進剤(ESA)は、癌化学療法及び慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血における輸血を回避するために承認される。赤血球生成を刺激するための多数の他の組成物が、探求されている。ESAは、エリスロポエチン受容体(EPO−R)、例えば、EMP−1及び変異型(Johnson et al.,1998及びWrighton et al.,1996)、及びPEG化された合成ペプチド由来の作成物(Fan et al 2006、米国特許第6703480号、同第7084245号)に結合し、それを活性化する組成物のためのペプチドライブラリのスクリーニングによって特定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
癌化学療法及びCKDにおいて、ESAを投与する論理的根拠は、成熟赤血球を維持又は補充するために、損失したか、又は不十分なレベルで存在する内因性エリスロポエチンの交換又は補給である。しかしながら、恐らく癌化学療法患者の50%以上は、毎週400,000単位の承認されているESA、エリスロポエチン、及び2週間おきの200マイクログラムのダルベポエチンの従来の投与量に対して十分に応答できず(Vasu et al.,2006)、CKD患者の15%が、制限された利益しか得ていない(Rossert et al.,2007)。承認されているESAは、異常ヘモグロビン症、例えば、ベータサラセミア(Makis et al.,2001及びKohli−Kumar et al.,2002)、鎌状赤血球貧血(Rodgers et al.,1993)において、及び骨髄異形成症候群(MDS)(Mundle et al.,2006及びMusto et al.,2006)において「認可されてない」状態でも使用されている。これらの病状において、貧血は、赤血球産生欠損又は短い赤血球寿命から生じ、承認されているESAは、制限された治療的成功を有している。したがって、より予測可能な応答性を提供し、EPO又はEPO由来のESAに対して耐性又は低応答性である貧血における治療的有効性を提供するESAの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
異常ヘモグロビン症又は骨髄異形成によって引き起こされる貧血として特徴付けられる低血中ヘモグロビン値又は血中の赤血球の低レベルに特徴がある疾患を有する対象を治療する方法であって、方法は、患者の造血組織を、二量体ポリペプチドを含む化合物の治療的有効量に接触させるステップを含み、各ポリペプチドは、エリスロポエチン模倣ペプチド(EMP)及びヒト免疫グロブリンドメインを含み、二量体ポリペプチド組成物は、エリスロポエチン依存性細胞を増殖させることが可能である、方法。本発明の特定の実施形態では、異常ヘモグロビン症は、鎌状赤血球病を有するか、又はHgbSを発現する対象、又はベータサラセミアを有する対象によって引き起こされる。別の実施形態では、患者は、貧血につながる骨髄異形成を引き起こす腎臓の慢性疾患を患っている。更に別の実施形態では、患者は、貧血につながる骨髄異形成を引き起こす造血組織幹細胞因子受容体の欠陥を有する。
【0007】
対象における貧血を治療する方法の一実施形態では、造血組織は、生体内で接触され、本発明の組成物は、対象に投与される。貧血を治療する方法の別の実施形態では、造血組織は、生体外で、本発明の組成物と接触される。
【0008】
本発明の一実施形態では、EMPは、EMP−1に指定される。本発明の特定の実施形態では、組成物は、配列番号2又は配列番号3のジスルフィド結合したポリペプチドのホモ二量体を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】C57/Bl対Tg197マウスにおけるHgbに対するEPOの効果を示すグラフであり、ヒト腫瘍壊死因子−αの発現は、慢性炎症性疾患による貧血を形に表す。
【図2】同等のUT7活性単位の単回s.c.注射投与後の、Tg197マウスにおける血清Hgbに対する、エポエチン−α及びダルベポエチンアルファ(ダルべ)と比較した、CNTO 530の効果を示すグラフ。
【図3】SCF受容体欠乏症のモデルであるc−kit欠損(W/Wv)マウスにおけるHgbに対するエポエチン−αの効果を示すグラフ。
【図4】c−kit欠損(W/Wv)マウスにおけるヘモグロビンに対する、エポエチン−αと比較した、CNTO 530の効果を示すグラフ。
【図5】ベータサラセミアのモデルであるTh3+/C57BL/6マウスにおけるHgbに対するCNTO 530、エポエチン−α及びダルベポエチン投与量(UT−7単位/kgとして表される)の効果を示すグラフ。
【図6】イオン交換クロマトグラフィによって測定された、ヒトHbS遺伝子導入マウスにおけるHbFに対するCNTO 530(0.3mg/kg)の効果を示すグラフであり、ピーク画分(4)を使用して投薬前/後比率を評価。
【図7】CNTO530(0.3mg/kg)による治療前及び治療後9日目の遺伝子導入マウスにおける見本からの赤血球溶解物で充填された染色された酸性アガロース電気泳動ゲル、及びHgb標準で充填された第3のラインを示し、F=HbF、A=HbA、S=HbS、C=HbC。
【0010】
【表1】

【発明を実施するための形態】
【0011】
略語
EMPエリスロポエチン模倣ペプチド;EPOヒトエリスロポエチン;EPO−Rエリスロポエチン受容体;ESA赤血球生成促進剤;Hgbヘモグロビン;Hctヘマトクリット;HPFH遺伝性高胎児ヘモグロビン症;SCF幹細胞因子;ILインターロイキン;GH成長ホルモン;GM−CSF顆粒球マクロファージコロニー刺激因子;MCH平均(赤)細胞ヘモグロビン;MCV平均(赤)細胞体積;RBC赤血球、赤血球;TNF−α腫瘍壊死因子アルファ;
【0012】
定義
「貧血」は、概して、正常値以下であり、衰弱、めまい、息切れ、及びより重度の病的状態のリスクを含む個人の健康及び行動への影響に関連する血中のヘモグロビン値を意味する。低血清Hgbは、正常より少ない赤血球数又はRBCにおける正常より少ないHgbの結果であり得、それらを非常に小さくするか(小赤血球、低MCV)、又は不十分に色素沈着させる(低色素性、低MCH)。低い数の正常に形成されたRBCは、血中ヘマトクリット(Hct、RBCによって占有される血液量の割合)を低下させる。したがって、血清Hgbレベルの発現は、赤血球数及び赤血球Hgb補体の全ての可能な事態を包含し、通常、gm Hgb/dL血液で与えられる。成人における正常Hgbの定義は、異なるが、成人男性に対する平均Hgbは、13〜14gm/dLであり、女性に対しては、11.6〜12.3gm/dLであり、これらの低レベル以下の値は、貧血とみなされることがある(Beutler and Waalen 2006 Blood 107:1747〜1750)。年齢、遺伝的背景、及び個人が居住する標高等の他の要因は、良い健康及び行動のために必要とされる血清Hgbの量に影響を与え得る。貧血療法に対する反応性は、血清Hgb濃度の増加として測定される。
【0013】
「EPO」又は「エリスロポエチン」又は「rhEPO」は、配列番号1、単離天然エリスロポエチンの同一アミノ酸配列において、及びUniprot受入番号P01588成熟鎖において示される166のアミノ酸配列を有する、人体において合成されるか、又は組み換え技術によって作製されるポリペプチド鎖モノマーである組成物を意味する。EPOは、活性分解産物、特にC末端切断を含み、グリコシル化若しくは非グリコシル化されるか、又はそうでなければPEG化、若しくはポリペプチド鎖上の特異的又は非特異的部位でのカルバモイル化(国際公開第WO2004003176号参照)等によって修飾されてもよい。体内では、EPOは、主に腎臓において、及びより少ない程度で肝臓において作製される。組み換え技術によって作製されたヒトEPO及び組み換え修飾EPO組成物は、赤血球生成以外に生物活性を提示することが示されている(Bunn,HF 2007.Blood 109:868〜873)。
【0014】
「EPO由来の」ESAは、EPOとの相当な配列同一性を有する、組み換え技術によって作製されることが可能であるポリペプチド鎖モノマーである組成物を意味する。相当な配列同一性は、配列整合アルゴリズムを使用して、EPO由来のESA及びEPOの配列が一致することができ、2つの配列の間の割合同一性が80%以上であることを意味する。EPO由来の生成物の例としては、米国特許第7217689号に記載される配列番号1(EPO)の変異型ポリペプチド鎖配列を含むダルベポエチンアルファ(ARANESP(商標)、Amgen、CA)、その構造が大きいポリマー鎖を組込み、それに延長した半減期を提供するESAである、化学名メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ(MICERA、RRoche、Switzerland)で周知でもあるC.E.R.A.(持続性エリスロポエチン受容体活性化剤)、及びその他(欧州特許第1196443B1号)を含む。
【0015】
「EPO模倣ペプチド」は、それによって、実質的に配列は、自然発生のEPOと整合することはできないが、EPO模倣ペプチドは、EPO−R特異的結合、及びUT7細胞増殖の刺激等であるが、それらに限定されない、EPOと同様である赤血球生成活性を示す、配列において接続される天然、又は天然及び非天然アミノ酸残基の組み合わせを有する組成物を意味する(Komatsu,N.,et al.Blood 82(2),456〜464,1993)。EPO模倣ペプチドの例としては、配列GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(配列番号2及び3の残基4〜23)によって与えられる。
【0016】
ヒトEPO受容体即ち「EPO−R」は、NCBI受入番号NP_000112(配列番号4)によって与えられるアミノ酸配列を有し、成熟鎖は、残基25〜508によって表され、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインを有する。
【0017】
「赤血球生成」、また「赤血球形成」は、それによって、多能性造血幹細胞(HSC)が、主として成熟ヘモグロビン四量体からなる無核細胞である成熟赤血球(赤血球)に分化する過程を意味する。赤血球の前駆細胞は、骨髄又は脾臓の間質細胞からの信号に応答する。赤血球生成の過程は、赤芽球が、赤血球前駆細胞によって囲まれるマクロファージからなる赤芽球島として組織される骨髄において行われる。マクロファージは、赤血球生成活性を制御する細胞伝達物質、GM−CSF、IL−3、及び幹細胞因子(SCF)(コロニー形成単位赤血球マクロファージ顆粒球巨核球(CFU−GEMM)及びバースト形成単位赤血球(BFU−E)を生成する)の多くを提供するが、TGF−β、TNF−アルファ(Dufour et al.2003 Blood 102:2053〜2059)、及びMIP1−アルファは、細胞周期活性及びBFU−E成長を阻害する。EPOは、コロニー形成単位赤血球系(CFU−E)細胞の増幅を誘導し、多くの赤血球特異的イベントによる分化、概して2日の期間にわたって伸展する過程を開始する。SCF及びEPOは、ヒト赤芽球前駆細胞及び前駆体の増殖を駆動するように相乗作用を与える。
【0018】
組成物
CNTO 528及びCNTO 530は、EPO模倣ペプチド抗体融合タンパク質であり、それらの成熟形において、EMP1ペプチドの2つの複製、及びヒトIgG抗体の部分を含む(米国特許第7241733号、米国特許第2004935005号、国際公開第WO2004002424 A2号、同第WO2005032460号)。CNTO528は、配列番号2において示されるポリペプチドのホモ二量体であり、CNTO530は、配列番号3のホモ二量体であり、両方とも分子の免疫グロブリン由来部分に存在するシステイン残基を介するジスルフィド結合によって共有結合し、グリコシル化されるか、又はされない場合がある。米国特許第6703480号及び同第7084245号に記載されるもの等の他の二量体ペプチド由来の作成物は、本発明の方法においても有用であってもよい。
【0019】
CNTO 528、CNTO 530、及びHEMATIDEは、様々な生体外及び生体内の検査システムにおいて薬理活性である。単量体EMP−1は、約200nMのEPO−Rに対する結合親和性を有するが、CNTO 528及びCNTO 530は、約10nMの結合定数でEPO受容体と結合し、アポトーシスを抑制し、赤血球生成の様々な生体外モデルにおいて細胞成長を刺激する際に活性であり、生体内で動物モデルにおける赤血球生成を刺激する。EPO−R結合ペプチド、ペプチド誘導体、及び他のEPO模倣物質の二量体形は、二重結合ドメインが、適切に配向される時に(Balinger and Wells.1998.Nat Structural Biol 5:938〜940)、情報伝達複合体を形成するように、その場でのEPO−Rの細胞外ドメインを適切な近接及び配向へ移動させる際に、EPO−Rを活性化する際のモノマーより強力であることがある(Livnah,O.et al.1996.Science 273:464〜471;Johnson et al.1997.Chem Biol 4:939〜50)ことが認識されている。したがって、配列番号2及び3の二量体形を含むもの等であるが、それらに限定されない、双対又は二量体形で存在する、ヒトEPOのアミノ酸配列と実質的に同一ではないESAは、本発明の対象組成物である。
【0020】
配列番号2及び3の二量体形は、Gクラス免疫グロブリン(Fc)のパパイン分解から生じる結晶化可能フラグメントに類似することが周知である構造を更に含む。抗体のFc領域は、補体に結合し、それと相互作用する能力、免疫系の循環及び非循環細胞及び組織上のFc特異的受容体に結合し、それを活性化する能力等の、ある非抗原結合機能を提供する。組成物のFc領域は、血流の血漿区画内に留まり、腎臓ろ過に抵抗し、FcRn受容体を含む、周知及び非周知の受容体によって細胞膜にわたって運搬される能力に関係する利点も付与する。配列番号2及び3の二量体形の複雑な構造によって付与されるこれら、及び他の利点は、抗体工学の分野のそれらの施術者によって認識される。したがって、成熟構造のFc領域特性と組み合わせて前述されたEMPペプチドの二量体提示は、配列番号2及び3の二量体形によって証明される赤血球生成刺激の方法の履行に比類なく好適である。
【0021】
組成物の赤血球生成活性を試験し、投薬する方法
EPO活性の「国際単位」又は「IU」は、5マイクログラムのコバルトと同量の赤血球刺激を与えるEPO(配列番号1)の量として定義される。コバルト、鉄及びニッケルのものと同様の特性を伴う天然元素は、エリスロポエチン遺伝のより効率的な転写による顕著かつ安定した赤血球増加応答を誘導する。EPO検定のための国際参照基準は、単離ヒト尿中EPを使用する。EPO標準は、参照EPO製剤、特に、World Health Organization(WHO)又はNational Institute for Biological Standards and Control(NIBSC)によって供給されるSecond International Standard for Recombinant−Derived EPOに対して検査される。活性の単位は、5ミクロモルのコバルトと同量の赤血球刺激を与えるEPOの量として定義される。しかしながら、通常、EPO製剤は、参照基準に対する生物学的検定において検査される。ヒト尿中EPOは、典型的に、約70,000U/mgのタンパク質の特異的活性を有するが、ヒト組み換えEPOに関して報告される値は、生成物の炭水化物(グリコシル化)含有量によって、100,000〜200,000U/mgの範囲にあってもよい。
【0022】
他の生体内及び生体外検定を使用して、赤血球生成活性の量を評価することができる。例えば、赤血球生成活性は、造血系の細胞株、例えば、骨髄又は脾臓由来の細胞(FDC−P1/ER、EPO−Rが安定に導入された、よく特徴付けられた非形質転換マウス骨髄由来の細胞株(Dexter,et al.,1980 J.Exp.Med.152:1036〜1047)、又はTF1(Kitamura,et al.,1989 Blood 73:375〜380)若しくはUT7細胞(Kitamura et al.1989.J Cell Physiol.140:323;Komatsu,N.,et al.Blood 82(2),456〜464,1993)等のEPO反応性腫瘍細胞株、又は成長に対してEPOに依存するように操作された細胞株の短期培養において生体外で測定することができる。
【0023】
本発明の方法において有用な組成物を特定し、検査する際に特に有用なのは、UT7細胞増殖検定である。UT7は、EPO依存性になるように適合されたヒト白血病細胞株である。低血中ヘモグロビン含有量を有する対象に投与される組成物又は投与量の選択のためにUT7細胞増殖検定を使用するために、細胞を、通常培地が無くなるように洗浄し、検定前24時間EPO不足にさせる。例えば、UT−7細胞飢餓は、添加L−グルタミン酸及び5%でのFBS(I5Q)を伴うIMDM培地において開始することができる。その後、細胞は調製され、6×105細胞/mLの最終濃度まで適切な培地において懸濁される(96ウェルチャンバにつき30,000細胞の最終濃度を産生する)。EPO標準は、EPOストックを5ng/mLに希釈し、I5Q培地において0.0098ng/mLの濃度まで1:2連続希釈法によって調製される。得られた希釈物は、2.5ng/mL〜0.0024ng/mLの濃度の標準を提供する(試験ウェル内での最終r倍希釈後)。試験試料は、同様の方法で希釈される。UT−7細胞懸濁液の50マイクロLアリコートは、対応するウェルに移動され、プレートは、37℃で48時間培養された。細胞増殖は、メーカーの使用説明書に従って、PromegaのMTS溶液(Promega、Madison、WI)等の生体染色法を使用して評価される。EC50は、発色団の吸光度及び他の信号の増加によって測定される濃度対増殖の曲線適合から計算される。未修飾EPOに対するEC50は、約1.8×10-11Mである。この値を使用して、他の薬剤のためのUT7単位は、EPOに標準化される。
【0024】
UT−7rHuEPO同等物を計算する。
【0025】
UT−7単位/μg=Mol wt×C/試験化合物に対するEC50であり、Cは、同じ検定条件下でrHu EPOの活性から算出される定数であり、rHu EPOの周知の薬理学的特異的活性は、周知である(例えば、120U/μg)。
【0026】
【数1】

【0027】
試験化合物に対するEC50は、UT−7生死判別検定を使用して、濃度対応答に適合される曲線から算出され、50%最大細胞増殖活性での濃度を見つけることが到達される。したがって、投与されるESAの投与量は、それぞれのmg/kg投与量を、各化合物の生体外活性で乗ずることによって、mg/kgからUT−7U/kgへ変換されてもよい。
【0028】
赤血球生成は、生体外で反復され、半固体の細胞培養におけるBFU−e及びCFU−eによる研究は、この過程の我々の理解に加えたが、骨髄間質細胞及びマクロファージは、幹細胞及び赤芽球島のための微環境を作製することに重要な役割をそれぞれ果たす(Sadahira and Mori,1999)。これらの細胞は、様々なサイトカイン及び接着分子を発現し、マクロファージは、赤芽球のためのナース細胞として作用するように想定される。骨髄マクロファージは、通常、相当量のフェリチンを含有するため、それらは鉄代謝に対する影響も有する可能性がある。調製及び培養技術によって、これらの細胞及びそれらのサイトカインの機能は、生体外系において損失され得る。したがって、生体外で行われる観察は、生体内設定へ直接翻訳されない場合がある。
【0029】
赤血球生成活性のための生体内生物学的検定は、赤血球生成を修飾する他の化合物及び内因性物質によって更に影響され得る。これらの理由で、動物を使用する生体内検定は、注意深く制御されなければならない。これらの本来的な相違を反映し、食事による鉄の摂取量、炎症の有無、他の成長因子、ステロイドホルモン等のパラメーターを制御する疾病のモデルを使用して、赤血球生成及び療法に対する応答の特徴を研究することができる。
【0030】
配列番号2及び3のホモ二量体構造によって例示され、本明細書に記載されるEPO模倣物質融合タンパク質の投与量は、0.1単位/mL〜20単位/mL、好ましくは0.5単位/mL〜2単位/mL、又はその中の任意の範囲又は値で使用することができるEPOと活性において同等に投与されてもよい。赤血球生成又は非赤血球生成のいずれかであるEPO模倣物質融合タンパク質の使用の他の用途において、投与される投与量は、赤血球生成単位に関連する必要はない。
【0031】
出願人は、EPO模倣ペプチドの二量体作成物を含む非エリスロポエチン由来のESAを使用してこれらの疾病を有利に治療し得ることを、異常ヘモグロビン症及び骨髄異形成の動物モデルを使用して思いがけなく発見した。加えて、出願人は、CNTO528及びCNTO530が、同じモデルにおける他のESAと比較して、生体外EPO依存性細胞増殖活性に基づいてより大きい程度及び/又はより持続した期間、血中Hgbの増加として証明される赤血球生成及び造血を刺激することを、生体内モデルを使用して示している。
【0032】
組成物を使用する方法
慢性腎疾患を伴う患者の約5〜10%は、皮下経路によって投与される週1回の300IU/kgのエリスロポエチン又は週1回の1.5μg/kgのダルベポエチンの連続的な必要性として定義される、ESAに対する低応答性を証明する。そのような低応答性は、慢性腎疾患における罹患率、死亡率、及び医療経済的負担の著しい一因であり、重要な診断上及び管理挑戦を提示する。ESA耐性の最も一般的な原因は、ノンコンプライアンス、絶対的、又は機能的鉄欠乏症及び炎症である。十分な鉄貯蔵を維持することは、ESAに対する必要条件を減少させ、それの有効性を高めるために重要であることが広く受け入れられている。ESA低応答性は、ESA組成物又は宿主因子に特異的な様々な要因のためであり得る。ESA低応答性のいくつかの確立した原因は、不十分な透析、副甲状腺機能高進症、栄養不足(ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、カルチニン)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、アルミニウム過剰、抗体仲介赤芽球癆、原発性骨髄疾患、骨髄抑制薬剤、異常ヘモグロビン症、溶血及び脾機能高進症(概説のために、Johnson,DW et al.(2007)Erythropoiesis−stimulating agent hyporesponsiveness.Nephrology 12(4),321〜330を参照)を含む。
【0033】
いずれの1つの動作理論に拘束されたくないが、ある機械論的考察は、EPO模倣ペプチド組成物と一本鎖ポリペプチド組成物との間の相違を定義する。造血成長ホルモン、エリスロポエチン(EPO)の機能的模倣は、EMP−1ペプチドのある二量体提示によって到達することができる。EPO受容体の細胞外ドメインを伴うこの作動ペプチドの複合体の0.00028μm(2.8オングストローム)解像度での結晶構造は、EMP−1ペプチド二量体が受容体の二量化を誘導することを明らかにする。EPO−R及びヒト成長ホルモン(hGH)受容体は、ある構造的特徴を共有するが、hGH受容体リガンド複合体は、EPO−EPOR二量体錯体と異なり、二量化の2つ以上の様式が、信号伝達及び細胞増殖を誘導することが可能であってもよいことを示唆する(Livnah,et al.1996 Science 273(5274):464〜471)。結合領域に、及び配列番号2及び3等であるが、それらに限定されない免疫グロブリンGクラス定常ドメインに融合したEMP−1のホモ二量体を表すCNTO528及びCNTO530は、EPO受容体信号伝達を誘導するように空間的配向に到達し(配列番号4)、赤血球生成を刺激するが(国際公開第WO04/002424号;Bugelski et al.(2005)Blood 106(11):Abstract 4261;Franson et al.(2005)Blood 106(11):Abstract 4283;国際公開第WO05032460A2号を参照)、これらの作成物及び得られたホモ二量体3次元構造に特有の性質により、EPO受容体と相互作用するそれらの能力に特有の特徴は、天然EPOと異なる活性スペクトルをこれらの分子に提供してもよい。加えて、CNTO530及びCNTO528を含む、ペプチド模倣物質ESAの1次、2次、3次、及び4次構造は、天然EPOと異なるため、作成物は、分布、代謝、及び抗原性の異なるパターン、又はそれらの不足を有する。出願人は、EMP1を含む作成物が、組み換えヒトEPOの単一ポリペプチド鎖又は天然EPOタンパク質配列の単一ポリペプチド鎖変異型(ダルベポエチン)の生体外に基づく生物活性単位(ESA依存性細胞増殖)と比較して、ヘモグロビン応答の程度及び/又は持続時間に関して、高められた赤血球生成を誘発することを、異常ヘモグロビン症及び骨髄異形成から生じるヒト貧血の動物モデルを使用して、思いがけなく見出している。
【0034】
異常ヘモグロビン症
ヒトヘモグロビンは、2つのしっかりと結合された遺伝子クラスタ、染色体16上のアルファ様グロビン遺伝子及び染色体11上のベータ様遺伝子においてコードされる。重要な調節配列は、各遺伝子の両側に位置し、プロモータ要素は上流にある。ガンマ及びベータ遺伝子の5’隣接領域における配列は、これらの遺伝子の正確な発生的調節に不可欠であると考えられるが、古典的なエンハンサ及びサイレンサのように機能する要素は、3’隣接領域にある。更に上流に位置する遺伝子座制御領域(LCR)要素は、各クラスタの発現の全体的なレベルを制御すると考えられる。これらの要素は、トランス作用転写因子と相互作用することによって、それらの調節作用に到達する。後者は、ヘム生合成のための酵素をコードする遺伝子等の、赤血球生成中に特異的に発現する遺伝子を調節するとも考えられる。正常な赤血球(RBC)分化のために、グロビン遺伝子が、ヘム及び鉄代謝に関与する遺伝子と協調して発現する必要がある。
【0035】
異常ヘモグロビン症の5つの主要なクラスが存在し、構造的(例えば、鎌状細胞)、変異型(例えば、変化したO2親和性を伴う)、サラセミア(変化したか、又は誤協調的なヘモグロビン鎖合成)、遺伝性高胎児ヘモグロビン症(HPFH)、及び先天性(例えば、メトヘモグロビン)、クラスがある。サラセミアヘモグロビン変異型は、サラセミア(例えば、異常グロビン生合成)及び構造的異常ヘモグロビン症(例えば、異常アミノ酸配列)の特徴を組み合わせる。
【0036】
鎌状赤血球症候群は、第6のアミノ酸を、グルタミン酸からバリン及び指定されたヘモグロビンS(HgbS)へ変化させるベータグロビン遺伝子における点変異によって引き起こされる。HgbSは、脱酸素化される時、可逆的に重合され、赤血球膜の硬化及び特徴的な鎌状形状を引き起こす。鎌状赤血球は、粘着性及び非可塑性であり、相互及び血管内皮に粘着する。これらの異常は、明らかな溶血による、及び脾臓による除去のための両方で、微小血管血管閉塞症及び未熟RBC破壊の予測不可能な症状の発現を誘発する。著名な兆候は、脾臓、中枢神経系、骨、肝臓、腎臓、及び肺における虚血性疼痛(即ち、痛みを伴う転換点)及び虚血性機能不全、又は明らかな梗塞の症状の発現を含む。
【0037】
サラセミア症候群は、アルファ又はベータグロビン生合成の遺伝性疾患である。サラセミアを引き起こす突然変異は、転写、mRNA前駆体の処理、翻訳、及びグロビンポリペプチド鎖の翻訳後代謝の、グロビン遺伝子発現の経路における任意のステップに影響を与えることがある。最も一般的な型は、mRNA前駆体のスプライシングを混乱させるか、又はmRNAの翻訳を時期尚早に終了させる突然変異から生じる。グロビンサブユニットの不平衡な蓄積は、影響を受けていないグロビンの合成が、正常率で進展するために生じる。完全ヘモグロビン四量体(アルファ2ベータ2)の産生の減少は、赤血球血色素減少症及び小赤血球症を引き起こす。臨床的重症度は、影響を受けたグロビンの合成が正常に機能しない程度、他のグロビン鎖の変化した合成、及び他の異常グロビン対立遺伝子の共同相続によって大きく異なる。ベータ遺伝子由来及びアルファ遺伝子由来のアルファ及びベータサラセミアは、両方とも、周知であり、特徴付けられている。サラセミアの最も一般的な型は、クーリー貧血とも称される重症型ベータサラセミアであり、200以上の突然変異によって引き起こされ、ヘモグロブリンのベータ鎖の変化した産生につながる。他の型は、軽症型ベータサラセミア、及び中間型ベータサラセミアを含むが、それらに限定されない。
【0038】
HPFHは、成人期におけるHgbF、高胎児ヘモグロビンの高レベルの連続合成に特徴がある。産生されるヘモグロビンの全てがHgbFであっても、悪影響は見られない。したがって、鎌状赤血球貧血及びサラセミア等における、アルファ又はベータ遺伝子における遺伝的欠陥を持つ患者におけるHgbF形成及びそれらの処理を促進する任意の刺激は、有効であることを証明することができる。
【0039】
骨髄不全
骨髄異形成、骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血、赤芽球癆(PRCA)、及び骨髄癆は、骨髄不全に特徴がある疾病である。骨髄異形成症候群(MDS、以前は「前白血病」として周知)は、血球の無効な産生、及び急性骨髄性白血病への形質転換の様々なリスクに特徴がある血液学的病状の多様な集合である。MDSは、血液学的腫瘍内分類される。常習的な輸血を必要とする貧血は、頻繁に存在する。低増殖性貧血は、正色素性、正球性、又は大球性であり、低網状赤血球数に特徴がある。RBCの不完全な産生は、感染症、炎症、及び癌に続発し得る、骨髄損傷及び機能不全によって生じる。これらの疾患における貧血は、しばしば、孤立性又は主要な血液学的所見でさえもない。MDSの骨髄不全は、貧血、白血球減少症、及び血小板減少症の汎血球減少症をもたらし得る。
【0040】
造血(時折、血液生成でもある)は、血液細胞成分の形成である。血液の細胞成分の全ては、造血幹細胞に由来する。糖タンパク質成長因子は、髄質から血液へ入る細胞の増殖及び成熟を調節し、1つ以上の関係した細胞株における細胞を増殖及び成熟させることが周知である。一般的な骨髄性前駆細胞、多能性幹細胞は、赤血球生成と称される過程である、赤血球系細胞及び赤血球を産生するために、SCF、IL−3、GM−CSF、及びEPOを含む成長因子に応答する。赤血球生成は、低酸素症に応答して腎臓において産生されるEPOに大きく依存しする。しかしながら、EPO受容体は、骨髄性前駆細胞に加えて他の細胞型上で見られ、前述のとおり、様々な下流信号伝達イベントが、リガンドによるPO受容体活性化から生じる。赤血球生成活性が無効である、ある誘導体、エリスロポエチン誘導体、リジンカルバミル化エリスロポエチンによる非赤血球生成関連心臓及び神経組織防御も、言及されている(Leist et al.2004 Science 305:239)。
【0041】
治療適用
本発明は、細胞、組織、器官、動物、又は患者において貧血を調節又は治療する方法を提供し、小児及び/又は成人癌関連貧血、癌治療関連貧血、放射線治療又は化学療法関連貧血、寄生生物、ウイルス、又は細菌性感染症関連貧血、腎損傷又は不全による貧血、未熟児貧血、異常ヘモグロビン症による貧血、又は骨髄不全による貧血の任意の貧血の少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。より具体的には、貧血は、リンパ腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、AIDS、末期腎疾患(ESRD)、透析、慢性腎不全に関連する貧血、先天性形成不良性貧血、ファンコーニ貧血等の造血疾病、ベータサラセミア及びアルファサラセミアを含むが、それらに限定されないサラセミア、及び鎌状赤血球病を含む、癌又は感染症による1次又は2次影響に関連し得る。
【0042】
本発明のESA組成物は、例えば、慢性感染症、炎症過程、放射線療法、及び細胞増殖抑制剤治療によって誘導されるか、又は骨髄異形成症候群(MDS)、及び慢性病が骨髄及び赤血球生成を抑制する他の病状によって包含される貧血の非腎臓型のために使用することもできる。
【0043】
本発明は、細胞、組織、器官、動物、又は患者において感染症に関連する貧血を示す患者を調節又は治療するための方法も提供し、急性又は慢性細菌感染、細菌、ウイルス、及び菌感染を含む急性及び慢性寄生又は感染プロセス、HIV感染/HIV神経障害、髄膜炎、肝炎、敗血症性関節炎、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、大腸菌0157:h7、溶血性尿毒症症候群、塞栓性血小板減少性紫斑病、マラリア、デング出血熱、リーシュマニア症、ハンセン病、中毒性ショック症候群、連鎖球菌筋炎、ガス壊疽、ヒト型結核菌、トリ型結核菌、ニューモシスティス・カリニ肺炎、骨盤感染症、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ、ライム病、A型インフルエンザ、エプスタイン・バーウイルス、ウイルス関連血球貪食症候群、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎等のうちの少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。
【0044】
本発明は、細胞、組織、臓器における癌の存在に関連する貧血を示す患者を調節又は治療するための方法も提供し、白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞、T細胞、又はB細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、直腸結腸癌、膵臓癌、鼻咽頭癌、悪性組織球増殖症、悪性の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、固形腫瘍、腺癌、肉腫、悪性黒色腫等を含むが、それらに限定されない。
【0045】
本発明は、細胞、組織、臓器における神経変性病に関連する貧血を示す患者を調節又は治療するための方法も提供し、多発性硬化症、片頭痛、AIDSによる認知症、多発性硬化症及び急性横断性脊髄炎等の脱髄疾患、皮質脊髄系の病変等の錐体外路系及び小脳疾患、大脳基底核又は小脳疾患の疾患、ハンチントン舞踏病及び老人性舞踏病等の運動過剰疾患、CNSドーパミン受容体を遮断する薬剤によって誘導されるもの等の薬物誘発性運動疾患、パーキンソン病等の運動低下疾患、進行性核上性麻痺、小脳の構造病変、脊髄性運動失調症、フリードライヒ運動失調症、小脳皮質変性症、多系統変性症(Mencel、Dejerine−Thomas、Shi−Drager、及びMachado−Joseph)等の髄小脳変性症、全身性疾患(レフサム病、無ベータリポタンパク質血症、運動失調、毛細血管拡張症、及びミトコンドリア多系統疾患)、多発性硬化症、急性横断性脊髄炎等の脱髄性中核疾患、及び神経原性筋萎縮症等の運動単位の疾患(筋萎縮性側索硬化症、乳児脊髄性筋萎縮症、及び若年性脊髄性筋萎縮症等の前角細胞変性)、アルツハイマー病、中年におけるダウン症候群、びまん性レビー小体病、レビー小体型老年性認知症、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、慢性アルコール依存症、クロイツフェルト・ヤコブ疾病、亜急性硬化性全汎脳炎、ハレルフォルデン・スパッツ病、及び拳闘家認知症等を含むが、それらに限定されない。
【0046】
本発明は、心臓血管疾患に関連する貧血を示す患者を調節又は治療するための方法も提供し、心失神症候群、心筋梗塞、うっ血性心不全、脳卒中、虚血性脳卒中、出血、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性アテリオスクレロティック疾患、高血圧、動脈性高血圧、腎血管性高血圧、失神、ショック、心血管系梅毒、心不全、肺性心、原発性肺高血、心不整脈、心房異所性拍動、心房粗動、心房細動(持続性又は発作性)、多源性又は多発性心房頻拍、一定狭幅QRS頻拍、特異的不整脈、心室細動、ヒス束不整脈、房室ブロック、脚ブロック、虚血性心筋疾患、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、心筋症、拡張型鬱血性心筋症、拘束型心筋症、心臓弁膜症、心内膜炎、心膜疾患、心臓腫瘍、大動脈及び末梢動脈瘤、大動脈解離、大動脈の炎症、腹部大動脈及びその分岐の閉塞、末梢血管疾患、閉塞性動脈疾患、末梢アテローム硬化性疾患、閉塞性血栓血管炎、機能性末梢動脈疾患、レイノー現象及びレイノー病、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈疾患、静脈血栓症、静脈瘤、動静脈瘻、リンパ浮腫、脂肪性浮腫、不安定狭心症、再かん流傷害、ポストポンプ症候群、虚血再灌流障害等を含むが、それらに限定されない。
【0047】
そのような方法は、配列番号2又は3、又はそのような調節、治療、又は療法を必要とする細胞、組織、臓器、動物又は患者に特異的な部分又は変異型を含むが、それらに限定されない、本発明のCH1欠損EMP−1ペプチド免疫グロブリン融合タンパク質等であるが、それに限定されない少なくとも1つのESA組成物を含む少なくとも1つ組成物又は医薬組成物の有効量を投与するステップを任意で含むことができる。CNTO528(配列番号2のホモ二量体)は、5つの用量コホートにおける44人の対象の無作為化単純盲検及びプラシーボ(PBO)対照試験(0.03、0.09、0.3、0.9mg/kgのCNTO 528又はPBOの単回IV投与を受けた1期の35人の対象、3及び5日目にCNTO 528又はPBOの分割IV投与(0.09mg/kg又はPBOの3回の点滴)を受けた2期の9人の対象)において、耐容性良好であることを示し、顕著に低い対象間変動性を伴う長期用量依存性赤血球生成応答をもたらしている。IV CNTO528の薬物動態学は、直線的であり、ほぼ用量に比例した。ヘモグロビン(Hgb)濃度は、用量依存的に増加し、22日目に最大効果が生じた。平均Hgb濃度は、単回投与の約2.5カ月後の最後の測定で0.4g/dL基礎値を超えて留まった。RBC数における用量依存性の増加は、正常範囲内で全てのRBC指標(MCV、MCH、MCHC)に見られ、正球性の正色素性RBCの増加を示した。全てのCNTO528で治療した対象において、可溶性トランスフェリン受容体濃度における用量依存性の増加が見られた。内因性EPO濃度における用量依存性の増加、その後、内因性EPO濃度における用量依存性の低下が見られた。免疫原性は見られなかった。このデータは、赤血球生成模倣物質抗体融合タンパク質による赤血球生成応答及び内因性EPOレベルの上方制御に対する、ヒトにおける概念実証を提供する(Franson et al.2005)Blood 106(11):Abstract 4283)。
【0048】
組成物を含むEPO模倣ペプチドは、自己骨髄培養において等、生体外で使用することもできる。その後、治療された髄質は、任意で患者が別の薬剤又は電離放射線等のモダリティで治療された後に患者に戻される。組成物、及び任意で他の幹細胞増殖及び分化因子を含むEPO模倣ペプチドは、髄質又は末梢血前駆(PBPC)細胞の生体外増幅のために使用することもできる。任意で、組成物を含むEPO模倣ペプチドは、任意で後に患者に戻される細胞を高密度培養へ分化し、増殖させるように、SCF、G−CSF、IL−3、GM−CSF、IL−6、又はIL−11を含むが、それらに限定されない1つ又はそれ以上の他のサイトカインと組み合わせて使用することができる。
【0049】
本発明は一般的な用語で説明したが、本発明の実施形態は、以下の実施例において更に開示される。
【0050】
組成物のための背景非臨床薬理学
生体外で、CNTO 528は、UT−7EPO細胞の成長を刺激する際、組み換えヒトEPO(rhEPO)より、モル基準で約10分の1有力であった。低い生体外効力にもかかわらず、正常ラットにおけるrhEPO及びダルベポエチンと比較して、CNTO 528の単回皮下投与は、より長く持続する網状赤血球増加及びヘモグロビンのより長く持続する増加を引き起こした。フローサイトメトリー方法によって測定されたように、CNTO 528は、赤血球分布幅(RDW)又は平均細胞体積(MCV)の小さな変化のみを引き起こし、成熟網状赤血球の放出をもたらし、平均血小板容積(MPV)に対する効果は有さなかった。CNTO 528は、貧血のラットモデル及び赤芽球癆のラットモデルにおいて有効であることが示された(Bugelski et al.(2005)Blood 106:(11)Abstract 4261)。
【0051】
EPO−Rを表示し、増殖のためにESAを必要とするUT−7細胞を使用して、阻害されたCNTO 530と125I−EPOとの間のヒトEPO−Rのための競合的結合を測定した。CNTO 530は、約60nMのIC50により、EPO(0.5nM)が細胞に結合することを防止した。CNTO 530は、UT−7細胞、及びアポトーシスからEPOを奪われたCNTO 530救出細胞を使用した単一増殖検定におけるモル基準でrHuEPOより約24分の1倍有力であり(CNTO 530のEC50は、約21pM)、より高い濃度で、CNTO 530は、増殖の頑強な誘導を引き起こした(CNTO 530のEC50は、約55pM)。
【0052】
ヒト骨髄において、コロニー形成検定を使用して、赤血球前駆細胞成長及び分化に対するその効果を決定した。CNTO 530は、赤血球コロニー形成における濃度依存性の増加を誘導した。
【0053】
正常動物における生体内非臨床的薬理学的研究は、CNTO 530が0、0.01、0.3、0.1、又は0.3mg/kgで皮下投与された時に正常雌C57Bl/6マウスにおいて赤血球生成の用量反応性刺激を引き起こしたことを証明した。好塩基性赤芽球は、髄質における最も敏感な細胞であり、好塩基性赤芽球に対するCNTO 530の無効果投与量は、0.01mg/kgであった。髄質における非赤血球系細胞に対する効果はなかった。組み換えヒトエリスロポエチン及びダルベポエチンと比較して、CNTO 530は、より効果的であり、赤血球生成に対するより長く続く効果を有した。0、0.01、0.03、0.1、0.3、又は1mg/kgでの正常雌Sprague−DawleyラットへのCNTO 530の単回皮下投与を使用して、CNTO 530は、網状赤血球における迅速な用量依存性の一過性増加、及びRBC、Hct、及びHgbにおける持続性増加を引き起こした。網状赤血球を増加させるためのCNTO 530の無効果投与量は、<0.01mg/kgであった。Hgbを増加させるために、無効果投与量は、0.01mg/kgであり、ED50は、0.1mg/kgであった。CNTO 530は、白血球数(WBC)における一過性の非用量反応性の(1.5倍まで)増加も引き起こした。WBCを増加させるための無効果投与量は、0.01mg/kgであった。1mg/kgの投与量で、CNTO 530は、平均血小板容積(MPV)における一過性の(1.5倍まで)増加を引き起こした。MPVを増加させるための無効果投与量は、0.3mg/kgであった。CNTO 530の高いIV及びSC投与量(0、0.3、3、及び30mg/kg)を与える時、雌Sprague−Dawleyラットは、網状赤血球における一過性の非用量反応性の増加、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hgb)、及びヘマトクリット(Hct)における持続する増加、WBCにおける一過性の非用量反応性の増加、血小板数及び平均血小板容積(MPV)における一過性の用量反応性の増加を示した。
【0054】
正常雌ウサギにおいて、0、0.3、3、又は30mg/kgでの皮下のCNTO 530は、網状赤血球における一過性の非用量反応性の増加、及びRBC、Hct、及びHgbにおけるより長く持続する増加を引き起こした。CNTO 530は、平均血小板容積(MPV)における増加を引き起こした。MPVに対する効果は、0.3〜3mg/kgの間で用量反応性であったが、30mg/kgの投与量は、3mg/kgと同様の効果を有した。
【0055】
雄及び雌カニクイザルにおいて、0、0.03、0.1、0.3、又は3.0mg/kgのIVで与えられたCNTO 530は、網状赤血球数、RBC、Hct、及びHgbにおける用量依存性の増加を引き起こした。無効果投与量は、0.1mg/kgであった。正常雄カニクイザルにおける高投与量IV及び皮下のCNTO 530(IV0、3、及び30mg/kg)は、網状赤血球数における一過性の用量反応性の増加、及び赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hgb)、及びヘマトクリット(Hct)における持続する非用量反応性の増加、血小板数における一過性の非用量反応性の増加、及び平均血小板容積(MPV)における持続する非用量反応性の増加を引き起こした。
【実施例】
【0056】
実施例1:骨髄異形成に関連する慢性疾患のモデル
このモデルにおいて、3’非翻訳領域がC57Bl/6背景上のベータグロビン遺伝子の3’非翻訳領域からの配列によって置換されたヒトTNFアルファ導入遺伝子を持つTg197マウスは、無秩序なヒトTNFα遺伝子発現を示す。C57Bl/6及びTg197マウスにおけるエポエチン−αの薬理学を最初に比較した。次に、Tg197マウスにおけるCNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンを比較した。
【0057】
材料及び方法。9週齢のヘテロ接合Tg197−CBA F1遺伝子導入マウス、年齢を適合させたC57Bl/6マウス、及び年齢を適合させたCBA−C57Bl/6 F1ハイブリッド(CBF1)マウスは、Ace Laboratories(Boyertown、PA)、Ace Laboratories and Jackson Laboratories(Bar Harbor、ME)からそれぞれ入手した。トランスジェニックコロニーのための創始Tg197マウスは、G.Kolliasから入手した。種畜は、ホモ接合体として維持され、それらの関節炎を制御するために、マウス抗ヒトTNFa抗体(10mg/kg、腹腔内)の毎週の注入を受けた。これらの実験のために、ホモ接合性Tg197雄を、CBA雌に繁殖させた。CBF1マウスは、それらの疾病がホモ接合性のTg197マウスにおいて見られるそれより遅く進行するため、使用した。マウスは、上部をフィルタで覆われたプラスチックの靴箱型ケージで群ごとに収容した(1ケージにつき4匹)。動物は、耳標いより個々に特定され、研究開始少なくとも1週間前に配置した。餌及び水は、自由に摂取可能であり、部屋は、12時間明/暗周期を有した。全てのマウスは、Centocor R&D,Inc.、Radnor PAの無菌生態動物園において維持した。CentocorのInstitutional Animal Care and Use Committeeは、全ての関連する処置を承認した。
【0058】
CNTO 530、組み換えヒトエリスロポエチン(エポエチン−α、OrthoBiotech、Raritian NJ)、ダルベポエチン(Amgen、Thousand Oaks、CA)、及びPBS。投与量は、mg/kg、又はUT−7単位/kg(U/kg)として表した。
【0059】
C57Bl/6及びTg197マウスにおけるエポエチン−αの薬理学を比較するために、研究動物は、表1に示される群に割り当てた。0日目、マウスは、被験物質(在庫から新たに希釈された)又はPBSの重量調整された皮下注入を受けた。マウスは、CO2窒息によって安楽死させ、血液を各試料のために収集した。
【0060】
【表2】

【0061】
Tg197マウスにおけるCNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンの比較薬理学:研究動物は、表2に示される群に割り当てた。0日目、マウスは、被験物質(在庫から新たに希釈された)又はPBSの重量調整された皮下注入を受けた。マウスの群は、CO2窒息によって安楽死させ、血液/骨髄を収集した。
【0062】
【表3】

【0063】
血液学:モデル特徴付け及び薬理学研究におけるマウスからの血液試料は、表1及び2に示される時間で収集した。血液は、市販のEDTAでコーティングされたミクロチューブへ開胸心穿刺を介してCO2混合物で麻酔されたマウスから収集した。血液解析は、ADVIA120血液分析器(Bayer Diagnostics、Tarrytown、NY)を使用して全血に対して実施した。データを群平均±標準偏差として表す。
【0064】
結果:データを群平均及び標準偏差としてか、又は対照からの群平均変化として表す。PBS対照マウスの平均値は、1日目基準として使用した。図示するために、名目上の日は、採血の実際の日と1日異なる場合がある。
【0065】
30匹のCBF1及び50匹のTg197PBS対照マウス(9〜13週齢)に関する平均(±標準偏差)血液学的データを表3に示す。Tg197マウスは、年齢を適合させたCBF1マウスと比較して、わずかに低下したHgb(1g/dL)及びHct(2%)を示した。正常網状赤血球及び赤血球数、MCV、及びわずかに低下したMCHに基づいて、Tg197マウスは、軽度の代償性、正球性、低色素性の貧血を提示しているように説明することができる。
【0066】
結果:C57Bl/6及びTg197マウスにおけるエポエチン−αの薬理学の比較の結果を図1に示す。C57Bl/6マウスにおいて、エポエチン−αは、ヘモグロビンにおける用量依存性の増加を引き起こした。対照的に、Tg197マウスにおいて、0.03〜0.3mg/kgの間で用量反応はほとんどなかった。また、Tg197マウスにおける0.3mg/kgのエポエチン−αに対するHgb反応は、C57Bl/6マウスにおいて見られた、15日目まで基準に戻らなかったHgbにおける約1.5g/dLの増加と比較して、短期間であり(8日目までに基準まで戻った)、鈍化していた(〜1g/dL)。
【0067】
【表4】

【0068】
Tg197マウスにおける薬理学研究の結果を図2に要約する。CNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンの間の直接比較を可能にするために、投与量をUT−7単位/kgに変換した。CNTO 530は、慢性疾患のEPO耐性貧血のモデルにおけるエポエチン−α又はダルベポエチンのいずれかより、Hgbにおけるより強い、かつより長く持続する反応を引き起こした。
【0069】
実施例2.幹細胞因子受容体欠乏におけるEPO耐性
c−kit、肝細胞因子のための受容体が不足しているマウスを使用して、造血過程における補助受容体の効果を証明した。
【0070】
材料及び方法。雄及び雌WBB6F1/J−KitW/KitW−v(黒目、白毛、罹患、関連遺伝子型ala KitW/KitW−v)(W/Wv)マウスは、5〜7週の年齢でJackson Laboratories、Bar Harbor、MEから入手した。これらのマウスは、c−kit、SCFに対する受容体が不足している。マウスは、上部をフィルタで覆われたプラスチックの靴箱型ケージで群ごとに収容した。CNTO 530(30UT−7単位/μg)及びエポエチン−α(120UT−7単位/μg)を試験し、PBS、pH7.4を対照物質をして使用した。
【0071】
研究設計:1日目、マウスは、表4に従ってエポエチン−α、CNTO 530、又はPBS(10mL/kg)の重量調整された皮下(s.c.)投与量を受けた。性別ごとに3匹のマウスは、表4に従って指定の時点で各群ごとに出血させた。4、9、14、及び28(雄)、又は30(雌)日目、マウスはCO2で麻酔させ、血液試料(〜0.4mL)を血液学のために開胸心穿刺を介して取った。血液は、EDTAで調製したチューブへ直接収集し、約10秒間完全に混合し、凝固を防止するためのロッカー上に配置した。全血をADVIA120血液分析器を使用して分析した。
【0072】
【表5】

【0073】
結果。データを群平均及び標準偏差としてか、又は対照からの群平均変化として表す。PBS対照マウスの平均値は、1日目基準として使用した。図示するために、名目上の日は、採血の実際の日と1日異なる場合がある。
【0074】
PBSを受けたala+/+及びW/Wvマウスの血液学的分析は、W/Wvマウスが軽度の大球性の正色素性貧血を有したことを明らかにした(表5)。W/Wvマウスにおける%網状赤血球及び高RNA含有量の網状赤血球の数は、ala+/+対照マウスより約2倍高かったが、網状赤血球の絶対数は、同様であった。これらをもとに、MCV、MCH、及び高RNA網状赤血球数、並びに正常総網状赤血球数の増加は、肝細胞のレベルでの欠乏に加えて、これらのマウスが、EBC成熟の後期における欠陥も有することを示唆した。
【0075】
【表6】

【0076】
c−kit欠乏マウスが、エポエチン−αに対して低応答性であることを裏付けるデータを図3に示す。正常ala+/+同腹子におけるエポエチン−αの単回皮下投与後のHgbにおける約2g/dLの増加と対照的に、W/WvマウスにおいてHgbにおける1g/dL未満の増加があった。ESAに対するW/Wvマウスの相対的ヘモグロビン応答を図4に示す。12,000U/kgの投与量のCNTO 530の単回皮下投与は、エポエチン−αに応答して見られるHgbにおける1g/dL未満の短期間の増加と比較して、ヘモグロビンにおける持続する約2g/dLの増加を引き起こした。したがって、CNTO 530は、幹細胞欠陥に続発する貧血のこのEPO耐性モデルにおいて、rHuEPOよりもHgbにおける強い、かつ長く持続する応答を引き起こした。
【0077】
実施例3:B−サラセミアのEPO耐性モデル
Th3+/C57BL/6マウスは、b1及びb2グロビン遺伝子両方の欠失に対してヘテロ接合であるため(Yang et al.1995.Proc Nat Acad Sci,USA,92:11608〜11612)、ベータサラセミアに関連する貧血につながるヘモグロビン合成の異常調節(異常ヘモグロビン症)の原型を作製する際に有用である。
【0078】
材料及び方法。無菌生態動物園に維持される雄及び雌Th3+/C57BL/6(ヘテロ接合)マウス。コロニーのための創始Th3+/C57BL/6マウスは、ペンシルベニア大学から入手した。種畜は、ヘテロ接合体として維持された。Th3+/C57BL/6を、血の気がない外観及び脾腫に基づいて薬理学研究のために選択した。選択戦略を予備的研究において検証した(以下参照)。CNTO530、組み換えヒトエリスロポエチン(エポエチン−α)(OrthoBiotech、Raritian NJ)、ダルベポエチン(ARANESP(商標)、Amgen、Thousand Oaks、CA)を試験した。投与量は、mg/kg又はUT−7単位/kg(U/kg)として表した。
【0079】
予備的研究設計:7匹のTh3+/C57BL/6及び7匹の正常同腹子は、CO2で麻酔させ、血液試料(0.4mL)を血液学のために開胸心穿刺を介して取った。血液は、EDTAで調製したチューブへ直接収集し、約10秒間完全に混合し、凝固を防止するためのロッカー上に配置した。全血をADVIA 120血液分析器を使用して分析した。
【0080】
Th3+/C57BL/6マウスにおけるCNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンの比較薬理学の研究:0日目、マウスは、被験物質(在庫から新たに希釈された)又はPBSの重量調整された皮下注入を受けた。1日目、8匹のマウスの群は、表6に従ってrhEPO、CNTO 530、エポエチン−α、又はダルベポエチンCNTO 530調製緩衝液(10mL/kg)の重量調整された皮下(s.c.)投与量を受けた。
【0081】
【表7】

【0082】
血液学:モデル特徴付け予備的研究におけるマウスからの血液試料は、単一時点で収集した。薬理学研究におけるマウスからの血液試料は、表6に示される時間で収集した。血液は、市販のEDTAでコーティングされたミクロチューブへ開胸心穿刺を介してCO2混合物で麻酔されたマウスから収集した。血液解析は、ADVIA 120血液分析器(Bayer Diagnostics、Tarrytown、NY)を使用して全血に対して実施した。データを群平均±標準偏差として表す。データを群平均及び標準偏差としてか、又は対照からの群平均変化として表す。PBS対照マウスの平均値は、1日目基準として使用した。図示するために、名目上の日は、採血の実際の日と1日異なる場合がある。
【0083】
結果
C57BL/6及びTh3+/C57BL/6同腹子の血液学的分析の結果を表7に示す。Th3+/C57BL/6マウスは、年齢を適合させたC57BL/6マウスと比較してRBC、Hgb、及びHct(2%)の低下を示し、Th3+/C57BL/6としてのそれらの任務を確認した。著しい網状赤血球数、%網状赤血球、及び高RNA網状赤血球数の増加に基づき、これらのマウスがそれらの貧血を修正しようしていることが明白である。この試みは効果がないということは、より小さい平均細胞体積(MCV)、赤血球分布幅(RDW)の増加、及び細胞ヘモグロビン指標の低下によって反映される。したがって、Th3+/C57BL/6マウスは、著しい小赤血球性の低色素性再生貧血を伴って提示するとして説明することができる。
【0084】
【表8】

【0085】
Th3+/C57BL/6におけるCNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンの薬理学:結果を図5においてグラフを使用して示す。CNTO 530、エポエチン−α、及びダルベポエチンの間の直接比較を可能にするために、投与量をUT−7単位/kgとして表す。10,000U/kgの投与量のCNTO 530の単回皮下投与は、エポエチン−α又はダルベポエチンに応答して見られるHgbにおける1g/dL未満の短期間の増加と比較して、ヘモグロビンにおける持続する約4g/dLの増加を引き起こした。したがって、CNTO 530は、b−サラセミアのこのEPO低応答性のモデルにおいて、エポエチン−αよりもHgbにおける強い、かつ長く持続する応答を引き起こした。
【0086】
実施例4:鎌状赤血球病の動物モデルにおけるCNTO530
鎌状赤血球病において、貧血は、赤血球産生欠損又は短い赤血球寿命から生じる。鎌状赤血球ヘモグロビンによって引き起こされる赤色細胞への損傷の改善又は予防のための可能な方法は、胎児性ヘモグロビンが赤血球ヘモグロビンの少なくとも一部を交換するか、又は表すことである。胎児性ヘモグロビン合成を刺激するCNTO530の能力を検査した。
【0087】
材料及び方法
10匹の16週齢のHba Hbatm1P tm1Paz az Hb Hbbtm1T tm1Tow Tg(HBA−HBB(HBBs)4)41P 1Paz/Jaz/マウスは、Ace Laboratories(Boyertown、PA)から入手した。トランスジェニックコロニーのための創始マウスは、Jackson Laboratories(Bar Harbor ME)から入手した。Paszty et al(Paszty et al.1997 Science 278:876〜878)によって最初に説明されたように、マウスアルファ及びベータグロビンのための遺伝子は、崩壊(ノックアウト)され、ヒトアルファ、ベータ(鎌状)及びガンマグロビン遺伝子に対してトランスジェニックである。したがって、それらは、ヒトヘモグロビンA(HbAsickle)(又は鎌状ヘモグロビン、HbS)を排他的に発現し、ヒト胎児性ヘモグロビン(HbF)も発現することができる。
【0088】
マウスは、上部をフィルタで覆われたプラスチックの靴箱型ケージで群ごとに収容した。計7匹のマウスを使用した。実験は、3部で実施した。7日目、マウスは、CO2混合物で麻酔させ、HbF(イオン交換クロマトグラフィグラフィ及び電気泳動による)評価及び%RBC含有HbF(フローサイトメトリーによる)の計数のために、EDTAでコーティングされたミクロチューブへ眼窩後血管叢から毛細管により出血させた。1日目、マウスは、CNTO 530(在庫から新たに希釈された)の重量調整された皮下注入を受けた。投与量は、mg/kgとして表した。9日目、血液は、EDTAでコーティングされたミクロチューブへ開胸心穿刺を介してCO2混合物で麻酔されたマウスから収集した。
【0089】
ADVIA 120血液分析器(Siemens Diagnostic Solutions、Tarrytown、NY)を使用して、血液学的分析を9日目に全血に対して実施した。血液分析器からの総Hgb値及び分光光度法で測定された全血希釈系列の結果(OD 415)を使用して、投与前の総Hgb及び総Hgbの変化を計算した(以下参照)。
【0090】
HbFのイオン交換クロマトグラフ分析は、Morin及びBartonの方法(Morin and Barton 1987)の後に実施した。つまり、50μLの新鮮な全血を200μLの蒸留H2O含有0.1%Triton−X 100及び200mMのKCN中で溶解し、凍結させ、−70℃で保存した。分析の日、投与前後の試料を解凍し、1mLの吸収緩衝液を添加した。吸収緩衝液は、200mMのビス−トリアセテート(pH4.5)、200mMのKCN、及び防腐剤として微量のトリクロロブタノールを含有した。1cmの使い捨てミニカラムを3mLのSephadex CM−50(10g/吸収緩衝液中の400mL)のスラリーで充填した。カラムは、最小限の真空下で排水させ、充填物はガラス原料で覆い、吸収緩衝液で洗浄した。
【0091】
1mLの溶解全血を充填物上に層状にした。投与前後の試料は、同時に動作させた。カラムは、非結合ヘモグロビンを除去するために、吸収緩衝液の1mLアリコート2個で洗浄した。カラムを溶出緩衝液の2mLアリコートで溶出し、2mLの画分を重力下で収集した。(溶出緩衝液は、100mMのビス−トリアセテート(pH6)、4.8g/Lのマグネシウムアセテート、200mMのKCN、及び防腐剤として微量のトリクロロブタノールを含有した。)
収集された画分(0.33mL)のアリコートを96ウェルプレートに移動させ、OD 415(Hgbのソーレーピーク)をMolecular Devices SpectraMax 340PC(Sunnyvale、CA)上で読み取った。投与前後のHbF比率を各動物に対するピーク値(画分4)を使用して計算した。データを平均±標準偏差として表す。統計的有意性は、t−検定によって決定した。P値<0.05を有意として認めた。
【0092】
総ヘモグロビン濃度を計算するために、250μLの残りの全血溶解物を2mLに希釈し、一連の2倍希釈物を吸収緩衝液中で調製した。これらの希釈物(0.33mL)のアリコートを96ウェルプレートに移動させ、415nmでのODを記録した。これらの値を、血液分析器によって測定された総Hgbとともに使用して、投与前の値及び総Hgbにおける薬物性変化を計算した。データを平均±標準偏差として表す。統計的有意性は、t−検定によって決定した。P値<0.05を有意として認めた。
【0093】
胎児性ヘモグロビンを発現するRBC及び網状赤血球のフローサイトメトリー分析を、B Davis及びK Davisの方法(Current Protocols in Cytometry,2004)の後に実施した。つまり、約25×106RBCを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1mLの冷却0.05%グルタルアルデヒドで10分間固定した。細胞を、PBS中の2mLの0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)0.1%アジ化ナトリウム(BSA−PBS)で洗浄し、500μLの0.1%Triton−X 100(BSA−PBS)で3〜5分間透過処理し、洗浄し、500μLのBSA−PBS中で再懸濁した。10μLアリコートを、96ウェル丸底プレートにおいて抗HbF抗体(80μLのBSA−PBS中の5μLにおいて)で15分間染色した(マウスモノクローナル抗ヒトHbF、クローンHbF−1(12)Cy5(TRI−COLOR(登録商標)、TC)(カタログ番号HFH−06、Invitrogen))。細胞を洗浄し、200μLのチアゾールオレンジ(Retic−Count(商標)Reticulocyte Reagent System,Becton Dickinson Biosciences、San Jose、CA、カタログ番号349204)中で15〜30分間再懸濁した。染色は、Fetal Hemoglobin Control Kit(Fetaltrol)、Invitrogen、カタログ番号FH102、及びBD Retic−Count(商標)Control Kit(Tri−Level Control)、カタログ番号340999で制御した。
【0094】
データは、Becton Dickinson FACSCalibur上で取得した。単分散細胞は、前方及び側方散乱に基づいてゲートで制御した。HbF−1で染色された細胞は、HbF+として数え、チアゾールオレンジで染色された細胞は、網状赤血球として数えた。
【0095】
データを%HbF+網状赤血球及び%HbF+総RBCに対する平均±標準偏差として表す。データは、正常に分布されたかったため、それらは、t−検定による統計分析のために変形された記録である。P値<0.05を有意として認めた。
【0096】
ヘモグロビンの電気泳動分析は、QuickGel(登録商標)酸性ヘモグロビンキット(カタログ番号3519)、QuickGel(登録商標)チャンバ(カタログ番号1284)、及びTitan Plusパワーサプライ(カタログ番号1504)(Helena Laboratories、Beaumont、Texas)により実施した。全ての試薬は、ゲルを34μLの溶解物で充填し、140ボルトで23分間動作させたことを除き、メーカーの使用説明書に従って供給された通りに使用した。AFSC Hemo Control(カタログ番号5331)を対照として使用した。
【0097】
結果
総Hgbに対するCNTO 530の効果を表8に示す。CNTO 530(0.3mg/kg)の単回sc投与量を受けた9日後、総Hgbにおける統計的に有意な(5.8g/dL)増加があった。
【0098】
【表9】

*投与前より統計的に大きい(P=0.011、t−検定)
【0099】
HbF(イオン交換クロマトグラフィグラフィ)に対するCNTO 530の効果:イオン交換クロマトグラフィグラフィの結果を図6及び表9に示す。CNTO 530(0.3mg/kg)の単回sc投与量を受けた9日後、HgFにおける統計的に有意な増加があった。総Hgbにおける倍増加とHbFにおける倍増加との間に有意差はなかった(t−検定)。
【0100】
【表10】

【0101】
Hgb電気泳動の結果を図7及び表10に示す。CNTO 530(0.3mg/kg)の単回sc投与量を受けた9日後、HbFバンドは弱すぎて定量できなかったが、全ての7匹のマウスに対するHbS及びHbFバンドにおいて認識できる増加があった。
【0102】
【表11】

【0103】
HbF+細胞に対するCNTO 530の効果:HbF+細胞のフローサイトメトリー分析の結果を表11及び12に示す。CNTO 530(0.3mg/kg)の単回sc投与量を受けた9日後、%HbF+網状赤血球における増加(4.5倍)及び総%HbF+細胞(網状赤血球及びRBC)における統計的に有意な増加(3.7倍)への傾向があった。
【0104】
【表12】

*投与前より統計的に大きい(P=0.011、t−検定)
【0105】
【表13】

*投与前より統計的に大きい(P=0.044、t−検定)
【0106】
(概要)
CNTO 530の単回sc投与量は、投与9日後に鎌状赤血球貧血のマウスモデルにおける胎児性ヘモグロビン(HbF)の発現を増加させる。HbFの発現の増加は、鎌状赤血球マウスにおける臓器機能の増加(Fabry et al.2001 Blood 97:410〜418)及び鎌状赤血球危機の発生の低下(Moore et al.2000 Hematol 64:26〜31)に関連する。したがって、CNTO 530による長期治療は、鎌状赤血球病の貧血を改善し、鎌状赤血球危機の発生を低下させるとみなすことができる。
【0107】
参照
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常ヘモグロビン症又は骨髄異形成によって引き起こされる貧血として特徴付けられる低血中ヘモグロビン値又は血液中の赤血球の低レベルに特徴がある疾患を有する患者を治療するための方法であって、該患者の造血組織を、二量体ポリペプチドを含む化合物の治療的有効量と接触させるステップを含み、各ポリペプチドは、エリスロポエチン模倣ペプチド(EMP)及びヒト免疫グロブリンドメインを含み、該二量体ポリペプチド組成物は、エリスロポエチン依存性細胞を増殖させることが可能である、方法。
【請求項2】
前記貧血の原因が、末期腎不全又は透析、AIDS、自己免疫疾患に関連する貧血、ベータサラセミア、鎌状赤血球病、嚢胞性線維症、慢性炎症性疾患に関連する貧血、加齢による貧血、及び腫瘍性疾患からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記EMP組成物が、幹細胞因子受容体における欠陥又は欠乏に特徴がある病状に由来する貧血を治療する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記EPO模倣ペプチド組成物が、鎌状赤血球貧血、サラセミア、後天性である異常ヘモグロビン症、又はヒトヘモグロビンの構造的変異型に関連する異常ヘモグロビン症からなる群より選択される異常ヘモグロビン症を治療する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記EPO模倣ペプチド組成物が、配列番号2又は3のいずれかのホモ二量化ジスルフィド結合ポリペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記二量体EMPポリペプチド組成物の前記治療的有効量が、UT7細胞増殖検定を使用してrhEPOに対して計算される、請求項1〜5に記載の方法。
【請求項7】
前記貧血が、骨髄不全によって引き起こされ、前記患者の造血組織は、生体外で前記二量体EMPポリペプチド組成物と接触した骨髄である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記骨髄組織が、前記患者へ前記組織を戻す前に生体外で培養される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記骨髄組織が、SCF、G−CSF、IL−3、GM−CSF、IL−6、又はIL−11のうちの少なくとも1つを含む付加的な造血刺激因子によって接触される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記患者が、鉄の供給源を追加的に投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−508777(P2011−508777A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541460(P2010−541460)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/084497
【国際公開番号】WO2009/088572
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(509087759)セントコア・オーソ・バイオテツク・インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】