説明

エレベータの情報表示装置

【課題】乗かごが階床間を走行中であっても、乗かごの窓ガラスから見える昇降路の外部の現実の景観に適合した景観情報画像を、同じ窓ガラスに表示させることができる。
【解決手段】本発明は、乗かご8の側板に窓ガラス9を有し、この窓ガラス9を通して乗かご8内より昇降路1の外部の景観を見ることができる展望用エレベータに設けられ、窓ガラス9に乗かご8の位置に対応して見える外部の景観に関係する景観情報画像3Dを表示する透過性フィルムスクリーン15Aと、乗かご8に設けられ、景観情報画像3Dが設定され、この景観情報画像3Dを透過性フィルムスクリーン15Aに再生表示させるプロジェクタ14Aと、ロータリエンコーダ6で測定された乗かご8の位置及び速度に応じた画像再生速度となるように、プロジェクタ14Aを制御する情報表示内容制御装置13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展望用エレベータ等のエレベータに設けられ、乗かごの側板の窓ガラスに、窓ガラスを通して見える昇降路の外部の景観に関係する景観情報画像を表示する画像表示装置を備えたエレベータの情報表示装置に関係する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。特許文献1には、展望用エレベータの乗かごの位置を検出し、この乗かごの位置に応じて乗かごの窓ガラスに設けた所定のセグメントに電圧を印加し、不透明に変色させた文字を表示する説明表示器、すなわち乗かごの位置に対応して見える外部の景観に関係する文字から成る景観情報画像を表示する画像表示装置を備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭60−313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に示される従来技術では、乗かごが所定階に停止しているときには、乗かごの窓ガラスを通して見える昇降路の外部の現実の景観に対応する景観情報画像を、同じ窓ガラスに表示させることは可能である。しかし、乗かごが走行することにより乗かごの位置が連続的に変化する場合には、乗かごの乗客の目線に応じて乗かごの窓ガラスから見える現実の景観と、同じ窓ガラスに設けた画像表示装置で表示される景観情報画像とを一致させることができなかった。すなわち、階床間の乗かごの走行中にあっては、乗かごの窓ガラスに、この窓ガラスを通して乗客が見ている現実の景観に適合する景観情報表示を行なうことのできない問題があった。
【0005】
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、乗かごが階床間を走行中であっても、乗かごの窓ガラスから見える昇降路の外部の現実の景観に適合した景観情報画像を、同じ乗かごの窓ガラスに表示させることができるエレベータの情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係るエレベータの情報表示装置は、乗かごの側板に窓ガラスを有し、この窓ガラスを通して前記乗かご内より昇降路の外部の景観を見ることができるエレベータに設けられ、前記窓ガラスに前記乗かごの位置に対応して見える外部の景観に関係する景観情報画像を表示する画像表示装置を備えたエレベータの情報表示装置において、前記乗かごの位置及び速度を測定する測定手段と、前記乗かごに設けられ、前記景観情報画像が設定され、この景観情報画像を前記画像表示装置に再生表示させる表示指令手段と、前記測定手段で測定された前記乗かごの位置及び速度に応じた画像再生速度となるように、前記表示指令手段を制御する情報表示内容制御装置とを備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、乗かごの窓ガラスに備えられた画像表示装置によって表示される景観情報画像は、情報表示内容制御装置による表示指令手段の制御によって、測定手段で測定された乗かごの位置及び速度に応じた画像再生速度で表示されるので、乗かごの乗客が、乗かごの窓ガラスを通して昇降路の外部の現実の景観を見るタイミングと、同じ窓ガラスに該当する景観に関係する景観情報画像が表示されるタイミングとを一致させることができる。すなわち、乗かごが階床間を走行中であっても、乗かごの窓ガラスから見える昇降路の外部の現実の景観に適合した景観情報画像を、同じ乗かごの窓ガラスに表示させることができる。
【0008】
また本発明は、前記発明において、前記画像表示装置は、透過性フィルムスクリーンから成り、前記表示指令手段は、前記透過性フィルムスクリーンに前記景観情報画像を投影するプロジェクタから成ることを特徴としている。
【0009】
また本発明は、前記発明において、前記乗かご内に乗り込んだ乗客の身長を計測する身長計測手段を備え、前記情報表示内容制御装置は、前記身長計測手段で計測された乗客の身長に応じて、前記プロジェクタの投影アングルを調整する制御を行なうことを特徴としている。このように構成した本発明は、情報表示内容制御装置によって乗客の身長に応じてプロジェクタの投影アングルが調整されて、乗客の身長に応じた乗客の目線の高さ位置で見える外部の現実の景観に適合した乗かごの窓ガラスの位置に、該当する景観に関係する景観情報画像を画像表示装置によって表示させることができる。
【0010】
また本発明は、前記発明において、前記身長計測手段は、前記情報表示内容制御装置に含まれ、前記乗かごのドアに設けられた赤外線センサに対する乗客の遮光状態データである乗客身長データ、及び前記乗かご内を撮影するカメラの画像データである乗客身長データの少なくとも一方の乗客身長データに基づいて、乗客の身長を演算する演算手段から成ることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、前記発明において、前記演算手段は、前記乗かご内の複数の乗客の平均身長を演算する平均身長演算手段から成り、前記情報表示内容制御装置は、前記平均身長演算手段で演算された平均身長に応じて、前記プロジェクタの撮影アングルを調整する制御を行なうことを特徴としている。このように構成した本発明は、情報表示内容制御装置によって複数の乗客の平均身長に応じたプロジェクタの投影アングルとなるように調整されるので、平均身長から想定される目線の高さ位置で見える外部の現実の景観に適合した乗かごの窓ガラスの位置に、該当する景観に関係する景観情報画像を画像表示装置によって表示させることができる。
【0012】
また本発明は、前記発明において、前記画像表示装置は、LEDディスプレイから成り、前記表示指令手段は、前記景観情報画像を前記LEDディスプレイに表示させるLEDディスプレイ制御ユニットから成ることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記発明において、前記表示指令手段に、前記乗かごの位置及び速度に関係する運行情報画像を設定し、前記情報表示内容制御装置は、前記測定手段で測定した前記乗かごの位置及び速度に応じた前記運行情報画像が前記画像表示装置に表示されるように、前記表示指令手段を制御することを特徴としている。このように構成した本発明は、乗かごの同じ窓ガラスに、外部の現実の景観に適合した景観情報画像と、乗かごの位置及び速度に関係する運行情報を併せて表示させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、乗かごの位置及び速度を測定する測定手段と、乗かごに設けられ、昇降路の外部の景観に関係する景観情報画像が設定され、この景観情報画像を乗かごの窓ガラスの画像表示装置に再生表示させる表示指令手段と、測定手段で測定された乗かごの位置及び速度に応じた画像再生速度となるように、表示指令手段を制御する情報表示内容制御装置とを備えたことから、乗かごの乗客が、乗かごの窓ガラスを通して昇降路の外部の現実の景観を見るタイミングと、乗かごの窓ガラスに該当する景観に関係する景観情報画像が表示されるタイミングとを一致させることができる。すなわち、乗かごが階床間を走行中であっても、乗かごの窓ガラスから見える昇降路の外部の現実の景観に適合した景観情報画像を、同じ乗かごの窓ガラスに表示させることができ、従来に比べて乗かごの乗客に対する景観説明サービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る情報表示装置の第1実施形態が備えられるエレベータの一例として挙げた展望用エレベータと、この展望用エレベータの乗かごの昇降に応じて乗かごから見られる外部の景観と、第1実施形態で得られる情報表示例とを示す図である。
【図2】本発明に係る情報表示装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る情報表示装置の第1実施形態に備えられる各機器と、対応する各データとを含む制御シーケンスを示す図である。
【図4】本発明に係る情報表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るエレベータの情報表示装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る情報表示装置の第1実施形態が備えられるエレベータの一例として挙げた展望用エレベータと、この展望用エレベータの乗かごの昇降に応じて乗かごから見られる外部の景観と、第1実施形態で得られる情報表示例とを示す図である。
【0018】
この図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る情報表示装置が備えられるエレベータは、例えば展望用エレベータであり、昇降路1の略全体が、昇降路1の外部の景観を見ることができるようにガラス張りに形成されている。したがって、乗かごが最下階乗かご位置2Aにあるときには、乗かごの乗客は、乗かごの側板に設けられる窓ガラスを通して外部の現実の景観2Bを見ることができ、乗かごが最上階乗かご位置4Aにあるときには、乗かごの乗客は、前述の窓ガラスを通して景観4Bを見ることができ、乗かごが階床間乗かご位置3Aにあるときには、乗かごの乗客は前述の窓ガラスを通して外部の現実の景観3Bを見ることができる。乗かごは制御盤7によって駆動される巻上機6に巻回されるワイヤロープによって昇降路1内を走行する。
【0019】
この図1に示すように、後述する第1実施形態に係る情報表示装置にあっては、階床間乗かご位置3Aの前述の窓ガラスから見た外部の現実の景観3Bに対応させて、同じ窓ガラスに、情報表示例3Cで例示するように、「□□ビル」「○○ビル」「△△ビル」「××ビル」等の景観情報画像3Dを表示するようになっている。また、情報表示例3Cで例示するように、同じ窓ガラスに、乗かごの位置及び速度に関係する運行情報3Eも表示するようにしてある。
【0020】
第1実施形態に係る情報表示装置は、乗かごの位置及び速度を測定する測定手段を備えている。この測定手段は、例えば図1に示すように、巻上機5の回転数に応じた信号を出力するロータリエンコーダ6から成っている。
【0021】
図2は本発明に係る情報表示装置の第1実施形態を示す縦断面図、図3は本発明に係る情報表示装置の第1実施形態に備えられる各機器と、対応する各データとを含む制御シーケンスを示す図である。
【0022】
図2に示すように、第1実施形態に係る情報表示装置は、乗かご8の窓ガラス9に、乗かご8の位置に対応して見える外部の景観に関する景観情報画像、すなわち図1に示す景観情報画像3D、及び運行情報画像3Eを表示する画像表示装置を設けてある。この画像表示装置は、例えば窓ガラス9に貼り付けた透過性フィルムスクリーン15Aから成っている。
【0023】
また、第1実施形態は、乗かご8に設けられ、景観情報画像3D及び運行情報画像3Eが設定され、これらの景観情報画像3D及び運行情報画像3Eを画像表示装置に再生表示させる表示指令手段を備えている。この表示指令手段は、例えば乗かご8内の天井付近に設置され、景観情報画像3D及び運行情報画像3Eを透過性フィルムスクリーン15Aに投影可能なプロジェクタ14Aから成っている。
【0024】
また、第1実施形態は、測定手段すなわちロータリエンコーダ6で測定された乗かご8の位置及び速度に応じた画像再生速度となるように、表示指令手段すなわちプロジェクタ14Aを制御する情報表示内容制御装置13を備えている。この情報表示内容制御装置13は、例えば乗かご8の天井の上部に設置してある。
【0025】
さらに、この第1実施形態は、乗かご8内に乗り込んだ乗客の身長を計測する身長計測手段を備えており、情報表示内容制御装置13は、身長計測手段で計測された乗客の身長に応じて、プロジェクタ14Aの現実の投影アングル、あるいは見かけ上の投影アングルを調整する制御を行なう。身長計測手段は、例えば、情報表示内容制御装置13に含まれ、乗かご8のドア10に配置された赤外線センサ11に対する図3に示す乗客の遮光状態データD1である乗客身長データ、及び乗かご8内を撮影するカメラ、例えば防犯カメラ12の画像データである乗客身長データの少なくとも一方の乗客身長データD3に基づいて、乗客の身長を演算する演算手段から成っている。
【0026】
なお、プロジェクタ14の投影アングルの調整は、情報表示内容制御装置13から出力される信号に基づいて、プロジェクタ14に備えられるレンズの角度を変更させるようにして調整してもよく、また、プロジェクタ14に予めレンズの角度を変更させた場合の複数の景観情報画像、すなわち窓ガラス9に対して異なる高さ位置に表示される複数の景観情報画像を設定しておき、情報表示内容制御装置13から出力される信号に応じて、複数の景観情報画像のうちの対応する画像を選定するようにして調整するようにしてもよい。
【0027】
また、図3に示すように、ロータリエンコーダ6から出力される信号は、かご位置データD4、及び速度データD5として情報表示内容制御装置13に入力され、情報表示内容制御装置13に含まれる演算手段は、これらのかご位置データD4、及び速度データD5に基づいて乗かご8の位置及び速度を演算するようになっている。
【0028】
このように構成した第1実施形態にあっては、図1に示したように、制御盤7による巻上機5の駆動によって乗かご8が走行した際に、乗かご8の側板の窓ガラス9を通して乗かご8の乗客は、ガラス張りに形成された昇降路1の外部の景観を見ることができる。また、同じ窓ガラス9に設けられた透過性スクリーン15Aに、プロジェクタ14Aに設定された景観情報画像3D及び乗かご8の運行情報画像3Eが、このプロジェクタ14Aから投射され、これらの画像を見ることができる。
【0029】
このとき、透過性フィルムスクリーン15Aによって表示される景観情報画像3D及び運行情報画像3Eは、情報表示内容制御装置13によるプロジェクタ14Aの制御によって、ロータリエンコーダ6で測定された乗かご8の位置及び速度に応じた画像再生速度で表示されるので、乗かご8の乗客が、乗かご8の窓ガラス9を通して昇降路1の外部の現実の景観を見るタイミングと、同じ窓ガラス9に該当する景観に関係する景観情報画像3Dが表示されるタイミングとを一致させることができる。すなわち、乗かご8が走行し、例えば図1の階床間乗かご位置3Aに至ったときであっても、乗かご8の窓ガラス9から見える昇降路1の外部の景観に適合した景観情報画像3Dを、同じ乗かご8の窓ガラス9に表示させることができる。なお、乗かご8が所定階に停止しているときには、昇降路1の外部の現実の景観に適合した景観情報画像3Dを同じ乗かご8の窓ガラス9に表示させることができる。また、このとき、停止している階を表示する運行情報画像3Eも、同じ乗かご8の窓ガラス9に表示させることができる。
【0030】
また、この第1実施形態は、図3に示す乗客身長データD3に基づいて情報表示内容制御装置13の演算手段で演算された乗かご8内の乗客の身長に応じて、プロジェクタ14Aの投影アングルを調整するようにしてあることから、乗客の身長に応じた乗客の目線の高さ位置で見える外部の現実の景観に適合した乗かご8の窓ガラス9の位置に、該当する景観に関係する景観情報画像3Dを透過性フィルムスクリーン15Aによって表示させることができる。したがって、乗客が例えば背の低い子供等であっても、その子供が見ている昇降路1の外部の現実の景観に適合した景観情報画像3Dを窓ガラス9に表示させることができ、子供等に対する景観説明サービス性を向上させることができる。
【0031】
さらに、この第1実施形態は、透過性フィルムスクリーン15Aに、景観情報画像3Dとともに、乗かご8の運行情報画像3Eを併せて表示させるようにしてあることから、乗かご8の乗客が目的階を乗り越さないように注意喚起することができる。
【0032】
なお、この第1実施形態において、情報表示内容制御装置13に設けられる乗客の身長を演算する演算手段を、乗かご8の複数の乗客の平均身長を演算する平均身長演算手段によって構成してもよい。
【0033】
このように構成したものでは、情報表示内容制御装置13によって複数の乗客の平均身長に応じたプロジェクタ14Aの投影アングルとなるように調整されるので、平均身長から想定される目線の高さ位置で見える昇降路1の外部の現実の景観に適合した乗かご8の窓ガラス9の位置に、該当する景観に関係する景観情報画像3Dを透過性フィルムスクリーン15Aによって表示させることができる。
【0034】
図4は本発明に係る情報表示装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
【0035】
この図4に示す第2実施形態は、乗かご8の窓ガラス9に設けられる画像表示装置がLEDディスプレイ15Bから成っている。また、情報表示内容制御装置13によって制御され、景観情報画像3DをLEDディスプレイ15Bに表示させる表示指令手段が、例えば乗かご8の上部に情報表示内容制御装置13と並設されるLEDディスプレイ制御ユニット14Bから成っている。その他の構成は、前述した第1実施形態と同等である。
【0036】
なお、この第2実施形態にあっては、例えばLEDディスプレイ制御ユニット14B内に、第1実施形態における異なる投影アングルに該当する複数の景観情報画像を予め設定してあり、赤外線センサ11あるいは防犯カメラ12を介して取得される乗客身長データD3に基づく演算によって求められた乗客の身長に相応する信号が情報表示内容制御装置13から出力された際に、複数の景観情報画像のうちの前述の信号に対応する景観情報画像が選定され、その画像信号がLEDディスプレイ15Bに送信される。したがって、LEDディスプレイ15Bに乗かご8の乗客の身長に対応する目線の高さ位置に相応する窓ガラス8の位置に、該当する景観情報画像3Dが表示される。その他の作用効果については前述した第1実施形態と同等である。
【0037】
前述した第1,第2実施形態は、展望用エレベータに設けてあるが、乗かごの側板の窓ガラスから昇降路の外部の景観を見ることができるように昇降路が形成されているエレベータであれば、昇降路の全面をガラス張りにした展望用エレベータに限られることなく本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 昇降路
2A 最下階乗かご位置
2B 景観
3A 階床間乗かご位置
3B 景観
3C 情報表示例
3D 景観情報画像
3E 運行情報画像
4A 最上階乗かご位置
4B 景観
5 巻上機
6 ロータリエンコーダ(測定手段)
7 制御盤
8 乗かご
9 窓ガラス
10 ドア
11 赤外線センサ
12 防犯カメラ
13 情報表示内容制御装置
14A プロジェクタ(表示指令手段)
14B LEDディスプレイ制御ユニット(表示指令手段)
15A 透過性フィルムスクリーン(画像表示装置)
15B LEDディスプレイ(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗かごの側板に窓ガラスを有し、この窓ガラスを通して前記乗かご内より昇降路の外部の景観を見ることができるエレベータに設けられ、
前記窓ガラスに前記乗かごの位置に対応して見える外部の景観に関係する景観情報画像を表示する画像表示装置を備えたエレベータの情報表示装置において、
前記乗かごの位置及び速度を測定する測定手段と、
前記乗かごに設けられ、前記景観情報画像が設定され、この景観情報画像を前記画像表示装置に再生表示させる表示指令手段と、
前記測定手段で測定された前記乗かごの位置及び速度に応じた画像再生速度となるように、前記表示指令手段を制御する情報表示内容制御装置とを備えたことを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記画像表示装置は、透過性フィルムスクリーンから成り、
前記表示指令手段は、前記透過性フィルムスクリーンに前記景観情報画像を投影するプロジェクタから成ることを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記乗かご内に乗り込んだ乗客の身長を計測する身長計測手段を備え、
前記情報表示内容制御装置は、前記身長計測手段で計測された乗客の身長に応じて、前記プロジェクタの投影アングルを調整する制御を行なうことを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記身長計測手段は、前記情報表示内容制御装置に含まれ、前記乗かごのドアに設けられた赤外線センサに対する乗客の遮光状態データである乗客身長データ、及び前記乗かご内を撮影するカメラの画像データである乗客身長データの少なくとも一方の乗客身長データに基づいて、乗客の身長を演算する演算手段から成ることを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記演算手段は、前記乗かご内の複数の乗客の平均身長を演算する平均身長演算手段から成り、
前記情報表示内容制御装置は、前記平均身長演算手段で演算された平均身長に応じて、前記プロジェクタの撮影アングルを調整する制御を行なうことを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記画像表示装置は、LEDディスプレイから成り、
前記表示指令手段は、前記景観情報画像を前記LEDディスプレイに表示させるLEDディスプレイ制御ユニットから成ることを特徴とするエレベータの情報表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6に記載のエレベータの情報表示装置において、
前記表示指令手段に、前記乗かごの位置及び速度に関係する運行情報画像を設定し、
前記情報表示内容制御装置は、前記測定手段で測定した前記乗かごの位置及び速度に応じた前記運行情報画像が前記画像表示装置に表示されるように、前記表示指令手段を制御することを特徴とするエレベータの情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−6760(P2012−6760A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146790(P2010−146790)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】