エレベータの敷居溝清掃装置
【課題】ドアガイドシューと敷居溝の底部との間に異物が挟まってドアがロックすることを抑制できるエレベータの敷居溝清掃装置を得る。
【解決手段】かご出入り口22の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴25bを有する敷居溝25aが形成された敷居25、かご出入り口22を開閉するかごドア23A,23B、及びかごドア23A,23Bの下端から突出するようにかごドア23A,23Bに取り付けられて敷居溝25aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー27Aを有するエレベータの敷居溝清掃装置1において、ドアガイドシュー27Aの下部を含み、かごドア23A,23Bの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝25a内に配置され、かごドア23A,23Bの開閉移動に連動して敷居溝25aの底部上を摺動する第1及び第2ブラシ3a,3bを備えている。
【解決手段】かご出入り口22の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴25bを有する敷居溝25aが形成された敷居25、かご出入り口22を開閉するかごドア23A,23B、及びかごドア23A,23Bの下端から突出するようにかごドア23A,23Bに取り付けられて敷居溝25aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー27Aを有するエレベータの敷居溝清掃装置1において、ドアガイドシュー27Aの下部を含み、かごドア23A,23Bの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝25a内に配置され、かごドア23A,23Bの開閉移動に連動して敷居溝25aの底部上を摺動する第1及び第2ブラシ3a,3bを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの敷居溝を清掃するためのエレベータの敷居溝清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ乗降口の敷居清掃装置は、底部に開口する穴が形成された敷居溝を有する敷居と、扉の下端から突出するように扉に固定されて敷居溝に摺動可能に嵌合されるガイドシューと、ガイドシューの配設部位を除いて扉の下端から敷居溝内に突出するように設けられ、扉の開閉に応じて、敷居溝の異物、及び塵埃を穴に掃き落とすブラシと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1−65283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータ乗降口の敷居清掃装置において、ガイドシューの下部には、ブラシがないので、異物がガイドシューの下部に潜りやすく、ガイドシューと敷居溝の底部との間に異物が挟まってドアがロックしてしまうことがある。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ドアガイドシューと敷居溝の底部との間に異物が挟まってドアがロックすることを抑制できるエレベータの敷居溝清掃装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、出入り口の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴を有する敷居溝が形成された敷居、出入り口を開閉するドア、及びドアの下端から突出するようにドアに取り付けられて敷居溝に摺動可能に嵌合されるドアガイドシューを有するエレベータの敷居溝清掃装置において、ドアガイドシューの下部を含み、ドアの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝内に配置され、ドアの開閉移動に連動して敷居溝の底部上を摺動するブラシを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータの敷居溝清掃装置によれば、ブラシが、ドアガイドシューの下部に位置する敷居溝内に配置されているので、異物が、ドアガイドシューの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物がドアガイドシューと敷居溝の底部との間に挟まってドアがロックされることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータを乗場側から見た正面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】図3のB部拡大図である。
【図5】図2のV−V矢視正面図である。
【図6】図4のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図4のVII−VII矢視断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るエレベータのかご及び乗場の断面図である。
【図9】図8のC部拡大図である。
【図10】図8のX−X矢視正面図である。
【図11】図10のD部拡大図である。
【図12】図11のXII−XII矢視断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】図10のXIV−XIV矢視断面図である。
【図15】図14のXV−XV矢視断面図である。
【図16】図8のXVI−XVI矢視正面図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係るエレベータの敷居溝清掃装置の動作を説明するかごの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータを乗場側から見た正面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図2のA部拡大図、図4は図3のB部拡大図、図5は図2のV−V矢視正面図、図6は図4のVI−VI矢視断面図、図7は図4のVII−VII矢視断面図である。
【0011】
図1及び図2において、エレベータは、昇降路26を昇降するかご20、及び乗場30を有する。
【0012】
かご20は、図2〜図7に示されるように、昇降路26に昇降自在に設けられ、かご出入り口22を有するかご室21と、かご出入り口22を開閉する横引き式の二枚両引きドアで構成される一対のかごドア23A,23Bと、かご出入り口22の下部にかご室21に一体に設けられ、上面に開口し、間口方向に延びる敷居溝25aが凹設されたかご敷居25と、一対のかごドア23A,23Bの下端から突出するようにかごドア23A,23Bのそれぞれに2つずつ固定され、敷居溝25aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー27Aと、を有している。
【0013】
かご室21は、図2に示されるように、かご床21Aと、かご出入り口22の両側でかご床21Aに立設される袖壁21Bと、かご出入り口22の一側の袖壁21Bから他側の袖壁21Bに至るように、かご床21Aの外縁に沿った方向に立設されるかご側壁21Cと、図示しない天井と、を有している。
【0014】
かごドア23Aは、図3及び図4に示されるように、かご室21内に露出される意匠面を表(おもて)面に有し、所定の幅及び高さを有する矩形平板状のドア本体23a、ドア本体23aの裏面の幅方向の両縁部から、高さ方向の全域に亘って互いに相対するようにドア本体23aの裏面に垂直に延出される一対のドア側壁部23b、及びドア側壁部23bの先端から互いの先端が相対するようにドア側壁部23bに垂直に延出される一対の返し部23cを備えている。また、かごドア23Bも同様に構成されている。
【0015】
ドアガイドシュー27Aは、所定の幅及び高さで、所定の長さの直方体に作製されている。そして、ドアガイドシュー27Aは、取付金具29を介して、かごドア23A,23Bのそれぞれのドア本体23aの裏面下部に、ドア本体23aの下端から突出されるように固定されて敷居溝25aに摺動可能に嵌合されている。このとき、一対のドアガイドシュー27Aは、長さ方向をドア本体23aの幅方向に一致させ、ドア本体23aの幅方向に互いに離間するようにドア本体23aの幅方向の両端から所定距離離間した部位に取り付けられている。
【0016】
かご敷居25には、図3及び図5に示されるように、敷居溝25aの底部に開口する長穴形状の複数の排出穴25bが、長軸方向をかご敷居25の長さ方向に一致させて、かご敷居25の長さ方向に互いに離間するように形成されている。複数の排出穴25bのうちの2つの排出穴25bは、全閉時のかごドア23A,23Bの戸当たり端下部を含む敷居溝25a部位、及び敷居溝25aの両端近傍の部位に形成されている。
【0017】
また、乗場30は、図1〜図3に示されるように、横引き式の二枚両引きドアで構成され、一対のかごドア23A,23Bの開閉移動に連動して移動して乗場出入り口32を開閉する一対の乗場ドア33A,33Bと、乗場出入り口32の下部に設けられ、上面に開口し、間口方向に延びる敷居溝35aが凹設された乗場敷居35と、乗場ドア33A,33Bの下端から突出するように乗場ドア33A,33Bのそれぞれに2つずつ固定され、敷居溝35aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー37Aと、を備える。
【0018】
乗場ドア33A,33Bは、かごドア23A,23Bと同様に構成されている。但し、乗場ドア33A,33Bのドア本体23aの意匠面は、乗場30に向けて配置されている。
ドアガイドシュー37Aは、ドアガイドシュー27Aと同様に作製され、ドアガイドシュー27Aと同様に、乗場ドア33A,33Bのドア本体23aの裏面下部に取付金具29を介して取り付けられている。
また、乗場敷居35には、排出穴35bが、排出穴25bと同様に形成されている。
【0019】
以上のように構成されたエレベータにおいて、エレベータの敷居溝清掃装置1が、かごドア23Aとかごドア23Aに取り付けられたドアガイドシュー27A、かごドア23Bとかごドア23Bに取り付けられたドアガイドシュー27A、乗場ドア33Aと乗場ドア33Aに取り付けられたドアガイドシュー37A、及び乗場ドア33Bと乗場ドア33Bに取り付けられたドアガイドシュー37Aのそれぞれに対して設けられている。
【0020】
エレベータの敷居溝清掃装置1は、図4及び図5に示されるように、ドアガイドシュー27Aに取り付けられる第1ブラシ3aと、ブラシ装着体4A〜4Cと、を有する。
【0021】
ブラシ装着体4A〜4Cは、ブラシ固定金具2A〜2C、及びブラシ固定金具2A〜2Cに取り付けられる第2ブラシ3bにより構成される。
【0022】
ブラシ固定金具2A〜2Cのそれぞれは、長さ方向に直交する断面がL字状に形成されている。そして、ブラシ固定金具2Aの長さは、ドア本体23aの幅方向の一端と一方のドアガイドシュー27Aとの間の長さより僅かに短い長さに対応している。また、ブラシ固定金具2Bの長さは、ドア本体23aに設けられた一対のドアガイドシュー27Aの間の長さより僅かに短い長さに対応している。また、ブラシ固定金具2Cの長さは、ドア本体23aの他端と他方のドアガイドシュー27Aとの間の長さより僅かに短い長さに対応している。
【0023】
また、ブラシ固定金具2A〜2Cの一片の他片からの延出長さは、敷居溝25aの溝幅より若干短く設定されている。そして、図7に示されるように、第2ブラシ3bが、ブラシ固定金具2Bの一片の一面の全域から他片と逆側に突出するように設けられている。詳細には図示しないが、同様に第2ブラシ3bが、ブラシ固定金具2A,2Cの一片の一面の全域から他片と逆側に突出するように設けられている。
【0024】
次いで、敷居溝清掃装置1のかごドア23A及びドアガイドシュー27Aへの取付構造について説明する。
第1ブラシ3aは、ドアガイドシュー27Aのそれぞれの下面全域から突出するようにドアガイドシュー27Aに取り付けられて、その先端が敷居溝25aの底部に押し当てられている。
【0025】
ブラシ装着体4Bは、長さ方向をドア本体23aの幅方向に一致させ、図7に示されるように、第2ブラシ3bの先端が敷居溝25aの底部に押しあてられるように、一対のドアガイドシュー27Aの間に位置するドア本体23aの裏面下部に、ブラシ固定金具2Bの他片を押しあてて配置されている。そして、ブラシ固定金具2Bの他片は、ボルトによりドア本体23aに締着固定されている。
【0026】
同様に、ブラシ装着体4Aが、ドア本体23aの幅方向の一端と一方のドアガイドシュー27Aとの間のドア本体23aの裏面下部に固定され、ブラシ装着体4Cが、ドア本体23aの幅方向の他端と他方のドアガイドシュー27Aとの間のドア本体23aの裏面下部に固定されている。
【0027】
以上のように、第1ブラシ3aと第2ブラシ3a,3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27Aの下部を含み、かごドア23Aの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝25a内に配置されている。より詳しくは、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27A及びドアガイドシュー27Aの取り付け部位を除くかごドア23Aの下端部の開閉方向全域に取り付けられて敷居溝25a内に配置されている。
【0028】
同様にして、敷居溝清掃装置1は、かごドア23Bとかごドア23Bに取り付けられたドアガイドシュー27A、乗場ドア33Aと乗場ドア33Aに取り付けられたドアガイドシュー37A、及び乗場ドア33Bと乗場ドア33Bに取付られたドアガイドシュー37Aに対して設けられている。
【0029】
次いで、敷居溝清掃装置1による敷居溝25a,35aの清掃動作について説明する。
かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bが開閉移動に連動して、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bが敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。
これにより、敷居溝25a,35aの小石や塵埃などの異物は、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bに掃かれて排出穴25b,35bまで移動されて、排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出される。
【0030】
この実施の形態1の敷居溝清掃装置1によれば、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27A,37A、及びドアガイドシュー27A,37Aの取り付け部位を除くかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの下端部の開閉方向全域に取り付けられて敷居溝25a,35a内に配置されている。
【0031】
第1ブラシ3aが、ドアガイドシュー27A,37Aの下部に位置する敷居溝25a,35a内に配置されているので、異物は、ドアガイドシュー27A,37Aの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物が、ドアガイドシュー27A,37Aと敷居溝25a,35aの底部との間に挟まってかごドア23A,23Bや乗場ドア33A,33Bがロックされることを抑制できる。
【0032】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご及び乗場の断面図、図9は図8のC部拡大図、図10は図8のX−X矢視正面図、図11は図10のD部拡大図、図12は図11のXII−XII矢視断面図、図13は図11のXIII−XIII矢視断面図、図14は図10のXIV−XIV矢視断面図、図15は図14のXV−XV矢視断面図、図16は図8のXVI−XVI矢視正面図である。
なお、上記実施の形態と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
図8〜図16において、エレベータは、ドアガイドシュー27A,37Aに代え、ドアガイドシュー27B,37Bを備えている。また、一対の敷居溝清掃装置10Aが、かご20側に設けられた一対の敷居溝清掃装置1に代えて設けられ、一対の敷居溝清掃装置10Bが、乗場30側に配設された一対の敷居溝清掃装置1に代えて設けられている。他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0034】
ドアガイドシュー27Bは、図12に示されるように、敷居溝25aの底部に向けて開口するブラシ挿通凹部27aが、長手方向の全域に亘って所定の深さに形成されている他は、ドアガイドシュー27Aと同様に構成されている。なお、図示しないが、ドアガイドシュー37Bもドアガイドシュー27Bと同様に構成されている。
【0035】
敷居溝清掃装置10Aは、ワイヤ11、滑車12、ワイヤ11の一端から所定の長さだけ延在するようにワイヤ11に取り付けられる第3ブラシ13、及びワイヤ11の他端側が巻回されて、常時ワイヤ11を巻き取る方向にワイヤ11を付勢するワイヤ緊張手段としてのワイヤ巻取り手段15と、ワイヤ巻取り手段15をかご側壁21Cに支持するL字状の取付部材14Aと、を備えている。
第3ブラシ13は、ワイヤ11の周方向の全域から径方向に突出されている。
【0036】
また、ワイヤ巻取り手段15は、図14及び図15に示されるように、中空の直方体に作製されたケース16と、ケース16に軸周りに回転自在に支持され、ワイヤ11が巻きつけられる回転体17と、回転体17を回転させる復元力を発揮するように回転体17に連結された付勢手段としてのゼンマイばね18と、を備えている。
【0037】
そして、ケース16の底部には、第1ワイヤ挿通穴16aが形成されている。
また、回転体17は、ワイヤ11が巻きかけられる巻取りドラム17Aと、巻取りドラム17Aの外径より大きな直径を有する円板状をなし、巻取りドラム17Aの両開口を塞口するように巻取りドラム17Aの軸方向の両端に取り付けられた一対のフランジ体17B,17Cと、巻取りドラム17Aと同軸に配置されるように一対のフランジ体17B,17Cに突設された支持軸17D,17Eと、を備えている。
【0038】
支持軸17D,17Eは、軸周りに回転自在にケース16に軸受け19を介して支持されている。
ゼンマイばね18は、ワイヤ11を巻取りドラム17Aに巻き取る方向に巻取りドラム17Aを回転させる復元力(付勢力)を発揮するように、一方の支持軸17Dに一端を固定されて、支持軸17Dまわりに渦巻き状に配置されている。
【0039】
取付部材14AはL字状に作製され、その一片には第2ワイヤ挿通穴14aが、厚み方向に穿設されている。
【0040】
また、敷居溝清掃装置10Bは、取付部材14Aに代え、ワイヤ巻取り手段15を乗場壁31に支持する取付部材14Bを有する他は、敷居溝清装置10Aと同様に構成されている。
取付部材14Bは、図8及び図16に示されるように、L字状に作製され、その一片には図示しない第2ワイヤ挿通穴が、厚み方向に穿設されている。
【0041】
次いで、一方の敷居溝清掃装置10Aのかご20への取付構造について説明する。
一方の敷居溝清掃装置10Aの滑車12は、奥行き方向に回転軸12aを一致させ、間口方向に相対する一対のかご側壁21Cのうちの一方のかご側壁21C(以下、間口方向の一方のかご側壁21Cとする)に、回転軸12aまわりに回転自在に支持されている。このとき、滑車12は、かごドア23Aの開方向に位置するかご敷居25の端部近傍に配置され、滑車12の外周面の下端部は、高さ方向に関して敷居溝25aの底部よりやや上方に位置している。
【0042】
また、取付部材14Aが、滑車12の上方に一片が水平に配置されるように、間口方向の一方のかご側壁21Cの外面に他片を固定されている。
そして、ケース16が、第1ワイヤ挿通穴16aを第2ワイヤ挿通穴14aに対応させて、取付部材14Aの一片上に固定されている。このとき、ワイヤ巻取り手段15は、巻取りドラム17A及び支持軸17D,17Eの軸方向が、奥行き方向に一致するように向けられている。
【0043】
また、ワイヤ11は、一端をかごドア23Aの閉方向の端部下部に固定され、敷居溝25a内をかごドア23Aの開方向に延在し、敷居溝25aの端部から延出されている。このとき、ワイヤ11は、ドアガイドシュー27Bのブラシ挿通凹部27aに通されている。また、第3ブラシ13は、敷居溝25aの底部を押圧するように配置される。
【0044】
そして、かご敷居25から延出されたワイヤ11は、滑車12に掛けられ、ワイヤ11の他端側が、第2ワイヤ挿通穴14a及び第1ワイヤ挿通穴16aを介してケース16内に引き込まれて、巻取りドラム17Aに巻かれている。
【0045】
前述したように、ゼンマイばね18は、ワイヤ11を巻取りドラム17Aに巻き取る方向に巻取りドラム17Aを回転させる復元力を発揮する。これにより、ワイヤ11は、常に緊張状態に保たれる。ワイヤ11を付勢するゼンマイばね18の復元力は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの閉方向への移動力より十分に小さく、ワイヤ11が、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開閉移動に影響を及ぼすことはない。
【0046】
そして、第3ブラシ13は、ワイヤ11の一端から他端側に向かって略かご敷居25の半分の長さだけ延在するようにワイヤ11取り付けられて、ワイヤ11の周方向全域から径方向に突出されている。すなわち、第3ブラシ13は、かごドア23Aの下方に位置するワイヤ11の部位に取り付けられるだけでなく、かごドア23Aの開方向の端部下部のワイヤ11部位からワイヤ11の他端側に所定量延長されるようにワイヤ11に取り付けられる。
【0047】
また、他方の敷居溝清掃装置10Aは、かごドア23B及び間口方向の他方のかご側壁21Cに、一方の敷居溝清掃装置10Aと同様に取り付けられている。
【0048】
次いで、一方の敷居溝清掃装置10Bの乗場30への取付構造について説明する。
図16において、一方の敷居溝清掃装置10Bの滑車12は、奥行き方向に回転軸12aを一致させ、乗場壁31に回転軸12aまわりに回転自在に支持されている。このとき、滑車12は、乗場ドア33Aの開方向に位置する敷居溝35aの端部近傍に配置され、
滑車12の外周面の下端部は、高さ方向に関して、敷居溝35aの底部よりやや上方に位置している。
【0049】
また、取付部材14Bが、滑車12の上方に、一片が水平に延在するように、乗場壁31の裏側に他片を取り付けられている。
そして、ワイヤ巻取り手段15のケース16が、第1ワイヤ挿通穴16aを取付部材14Bの一片に形成された第2ワイヤ挿通穴に対応させて、取付部材14Bの一片上に固定されている。このとき、ワイヤ巻取り手段15は、図示しない巻取りドラムの軸方向が、奥行き方向に一致するように向けられている。
【0050】
また、ワイヤ11は、一端を乗場ドア33Aの閉方向の端部下部に固定され、敷居溝35a内を乗場ドア33Aの開方向に延在し、敷居溝35aの端部から延出されている。このとき、ワイヤ11は、ドアガイドシュー37Bの図示しないブラシ挿通凹部に通されている。
【0051】
そして、乗場敷居35から延出されたワイヤ11は、滑車12に掛けられ、ワイヤ11の他端側が、第1ワイヤ挿通穴16a及び第2ワイヤ挿通穴を介してケース16内に引き込まれて、巻取りドラム17Aに巻かれている。
【0052】
前述したように、敷居溝清掃装置10Bの図示しないゼンマイばねは、敷居溝清掃装置10Aと同様、ワイヤ11を常に緊張状態に保つ復元力を発揮する。これにより、ワイヤ11は、常に緊張状態に保たれる。
【0053】
また、第3ブラシ13が、敷居溝清掃装置10Aの場合と同様に、ワイヤ11に取り付けられている。
【0054】
また、他方の敷居溝清掃装置10Bは、乗場出入り口32の間口方向の中心に対して一方の敷居溝清掃装置10Bと乗場出入り口32間口中心の両側に対称の位置関係となるように、乗場ドア33B及び乗場壁31に対して設けられている。
【0055】
次いで、敷居溝清掃装置10A,10Bによる敷居溝25a,35aの清掃動作について説明する。
図17はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの敷居溝清掃装置の動作を説明するかごの正面図である。
【0056】
初期状態として、図8に示されるように、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bは、かご出入り口22及び乗場出入り口32を全閉しているものとする。このとき、敷居溝清掃装置10A,10Bの第3ブラシ13は、敷居溝25a,35aの底部の全域を押し付けるように配置される。
【0057】
かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが開方向への移動時、ワイヤ11は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの開方向への移動量だけ、ゼンマイばね18の付勢力によって巻取りドラム17Aに巻き取られるので、ワイヤ11の緊張状態が保たれる。また、敷居溝25a,35a内に配置されているワイヤ11は、ドアガイドシュー27B,37B、及び滑車12により、敷居溝25a,35aの開口から上方に移動することが規制される。
【0058】
このため、敷居溝25a,35a内を移動するワイヤ11の部位に取り付けられた第3ブラシ13は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの移動に連動して敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。このとき、敷居溝25a,35aの端部の外側に移動する第3ブラシ13は、図17に示されるように、滑車12を通過した後に鉛直方向に延在方向を変える。
【0059】
かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが開方向への移動に連動して、第3ブラシ13が移動すると、敷居溝25a,35a内の異物は、第3ブラシ13に掃かれて排出穴25b,35bのいずれの場所まで移動し、排出穴25b,35bからかご敷居25,35の外部に排出される。
【0060】
また、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが、閉方向に移動すると、ゼンマイばね18の復元力に抗して、ワイヤ11は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの移動力により巻取りドラム17Aから引っ張り出される。このときも、敷居溝25a,35a内に配置される第3ブラシ13は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの移動に連動して、敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。これにより、敷居溝25a,35a内の異物は、第3ブラシ13に掃かれて排出穴25b,35bのいずれの場所まで移動し、排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出される。
【0061】
この実施の形態2の敷居溝清掃装置10A,10Bは、一端がかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの閉方向の端部下部に固定されて、ドアガイドシュー27B,37Bと敷居溝25a,35aの底部との間を通過するようにして敷居溝25a,35a内をかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向に延在し、他端側が敷居溝25a,35aから延出されるワイヤ11と、ワイヤ11の一端からワイヤ11に沿って、かご敷居25及び乗場敷居35の長さの略半分の長さだけ延在するようにワイヤ11に取り付けられる第3ブラシ13と、を備えている。さらに、敷居溝清掃装置10A,10Bは、敷居溝25a,35a内のワイヤ11に対してかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の力が働くようにワイヤ11を付勢して緊張状態に保つワイヤ巻取り手段15を備える。具体的には、ワイヤ巻取り手段15は、ワイヤ11の他端側を巻き取り可能に構成された回転体17、及びワイヤ11の他端側を巻き取る方向に回転体17を回転させてワイヤ11を付勢するゼンマイばね18を有する。
【0062】
ワイヤ11の緊張状態を保つワイヤ巻取り手段15により、ワイヤ11が緩んで、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bに引っ掛かるこが未然に防止される。また、第3ブラシ13は、ドアガイドシュー27B,37Bの下部を含む敷居溝25a,35a内に配置されているので、異物は、ドアガイドシュー27B,37Bの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物が、ドアガイドシュー27B,37Bと敷居溝25a,35aの底部との間に挟まってかごドア23A,23Bや乗場ドア33A,33Bがロックされることを抑制できる。
【0063】
また、間口方向に関し、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部より、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向に位置する敷居溝25a,35aの部位は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部下部の部位からワイヤ11の他端側に延長される第3ブラシ13に常に押し当てられる。このため、当該敷居溝25a,35aの部位では、異物の掃き残しが抑制され、かご敷居25及び乗場敷居35の外部への異物の排出効果が一層得られる。
【0064】
なお、この実施の形態2では、第3ブラシ13は、ワイヤ11の一端から他端側に向かってかご敷居25及び乗場敷居35の長さの半分の長さ範囲にあるワイヤ11の部位に取り付けられるものとして説明したが、第3ブラシ13は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向端部下部の部位より他端側に延在するワイヤ11の部位に取り付けなくてもよい。この場合でも、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開閉動作により、敷居溝25a,35aの異物を排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出できる。
【0065】
また、第3ブラシ13は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向端部下部の部位からある程度延長されていれば、かごドア23a,23B及び乗場ドア33A,33Bが全閉されているときのかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部下部より開方向に位置する敷居溝25a,35aの部位では、第3ブラシ13による異物のかご敷居25及び乗場敷居35の外部への排出効果が向上される。
【0066】
また、ワイヤ緊張手段は、ワイヤ巻取り手段15であるものとして説明したが、ワイヤ緊張手段は、例えば、ワイヤ11の他端側を引っ張るように付勢するコイルばねなどを用いてもよい。
【0067】
また、各実施の形態では、敷居溝清掃装置は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの両方に取り付けるものとして説明したが、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bのいずれかに対して取り付けられているものでもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 敷居溝清掃装置、10A,10B 敷居溝清掃装置、11 ワイヤ、15 ワイヤ巻取り手段(ワイヤ緊張手段)、17 回転体、18 ゼンマイばね(付勢手段)、22 かご出入り口(出入り口)、23A,23B かごドア(ドア)、25 かご敷居(敷居)、25a 敷居溝、25b 排出穴、27A,27B ドアガイドシュー、32 乗場出入り口(出入り口)、33A,33B 乗場ドア(ドア)、35 乗場敷居、35a 敷居溝、35b 排出穴、37A,37B ドアガイドシュー。
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの敷居溝を清掃するためのエレベータの敷居溝清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ乗降口の敷居清掃装置は、底部に開口する穴が形成された敷居溝を有する敷居と、扉の下端から突出するように扉に固定されて敷居溝に摺動可能に嵌合されるガイドシューと、ガイドシューの配設部位を除いて扉の下端から敷居溝内に突出するように設けられ、扉の開閉に応じて、敷居溝の異物、及び塵埃を穴に掃き落とすブラシと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1−65283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベータ乗降口の敷居清掃装置において、ガイドシューの下部には、ブラシがないので、異物がガイドシューの下部に潜りやすく、ガイドシューと敷居溝の底部との間に異物が挟まってドアがロックしてしまうことがある。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ドアガイドシューと敷居溝の底部との間に異物が挟まってドアがロックすることを抑制できるエレベータの敷居溝清掃装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、出入り口の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴を有する敷居溝が形成された敷居、出入り口を開閉するドア、及びドアの下端から突出するようにドアに取り付けられて敷居溝に摺動可能に嵌合されるドアガイドシューを有するエレベータの敷居溝清掃装置において、ドアガイドシューの下部を含み、ドアの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝内に配置され、ドアの開閉移動に連動して敷居溝の底部上を摺動するブラシを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータの敷居溝清掃装置によれば、ブラシが、ドアガイドシューの下部に位置する敷居溝内に配置されているので、異物が、ドアガイドシューの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物がドアガイドシューと敷居溝の底部との間に挟まってドアがロックされることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータを乗場側から見た正面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】図3のB部拡大図である。
【図5】図2のV−V矢視正面図である。
【図6】図4のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図4のVII−VII矢視断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るエレベータのかご及び乗場の断面図である。
【図9】図8のC部拡大図である。
【図10】図8のX−X矢視正面図である。
【図11】図10のD部拡大図である。
【図12】図11のXII−XII矢視断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】図10のXIV−XIV矢視断面図である。
【図15】図14のXV−XV矢視断面図である。
【図16】図8のXVI−XVI矢視正面図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係るエレベータの敷居溝清掃装置の動作を説明するかごの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータを乗場側から見た正面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図2のA部拡大図、図4は図3のB部拡大図、図5は図2のV−V矢視正面図、図6は図4のVI−VI矢視断面図、図7は図4のVII−VII矢視断面図である。
【0011】
図1及び図2において、エレベータは、昇降路26を昇降するかご20、及び乗場30を有する。
【0012】
かご20は、図2〜図7に示されるように、昇降路26に昇降自在に設けられ、かご出入り口22を有するかご室21と、かご出入り口22を開閉する横引き式の二枚両引きドアで構成される一対のかごドア23A,23Bと、かご出入り口22の下部にかご室21に一体に設けられ、上面に開口し、間口方向に延びる敷居溝25aが凹設されたかご敷居25と、一対のかごドア23A,23Bの下端から突出するようにかごドア23A,23Bのそれぞれに2つずつ固定され、敷居溝25aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー27Aと、を有している。
【0013】
かご室21は、図2に示されるように、かご床21Aと、かご出入り口22の両側でかご床21Aに立設される袖壁21Bと、かご出入り口22の一側の袖壁21Bから他側の袖壁21Bに至るように、かご床21Aの外縁に沿った方向に立設されるかご側壁21Cと、図示しない天井と、を有している。
【0014】
かごドア23Aは、図3及び図4に示されるように、かご室21内に露出される意匠面を表(おもて)面に有し、所定の幅及び高さを有する矩形平板状のドア本体23a、ドア本体23aの裏面の幅方向の両縁部から、高さ方向の全域に亘って互いに相対するようにドア本体23aの裏面に垂直に延出される一対のドア側壁部23b、及びドア側壁部23bの先端から互いの先端が相対するようにドア側壁部23bに垂直に延出される一対の返し部23cを備えている。また、かごドア23Bも同様に構成されている。
【0015】
ドアガイドシュー27Aは、所定の幅及び高さで、所定の長さの直方体に作製されている。そして、ドアガイドシュー27Aは、取付金具29を介して、かごドア23A,23Bのそれぞれのドア本体23aの裏面下部に、ドア本体23aの下端から突出されるように固定されて敷居溝25aに摺動可能に嵌合されている。このとき、一対のドアガイドシュー27Aは、長さ方向をドア本体23aの幅方向に一致させ、ドア本体23aの幅方向に互いに離間するようにドア本体23aの幅方向の両端から所定距離離間した部位に取り付けられている。
【0016】
かご敷居25には、図3及び図5に示されるように、敷居溝25aの底部に開口する長穴形状の複数の排出穴25bが、長軸方向をかご敷居25の長さ方向に一致させて、かご敷居25の長さ方向に互いに離間するように形成されている。複数の排出穴25bのうちの2つの排出穴25bは、全閉時のかごドア23A,23Bの戸当たり端下部を含む敷居溝25a部位、及び敷居溝25aの両端近傍の部位に形成されている。
【0017】
また、乗場30は、図1〜図3に示されるように、横引き式の二枚両引きドアで構成され、一対のかごドア23A,23Bの開閉移動に連動して移動して乗場出入り口32を開閉する一対の乗場ドア33A,33Bと、乗場出入り口32の下部に設けられ、上面に開口し、間口方向に延びる敷居溝35aが凹設された乗場敷居35と、乗場ドア33A,33Bの下端から突出するように乗場ドア33A,33Bのそれぞれに2つずつ固定され、敷居溝35aに摺動可能に嵌合されるドアガイドシュー37Aと、を備える。
【0018】
乗場ドア33A,33Bは、かごドア23A,23Bと同様に構成されている。但し、乗場ドア33A,33Bのドア本体23aの意匠面は、乗場30に向けて配置されている。
ドアガイドシュー37Aは、ドアガイドシュー27Aと同様に作製され、ドアガイドシュー27Aと同様に、乗場ドア33A,33Bのドア本体23aの裏面下部に取付金具29を介して取り付けられている。
また、乗場敷居35には、排出穴35bが、排出穴25bと同様に形成されている。
【0019】
以上のように構成されたエレベータにおいて、エレベータの敷居溝清掃装置1が、かごドア23Aとかごドア23Aに取り付けられたドアガイドシュー27A、かごドア23Bとかごドア23Bに取り付けられたドアガイドシュー27A、乗場ドア33Aと乗場ドア33Aに取り付けられたドアガイドシュー37A、及び乗場ドア33Bと乗場ドア33Bに取り付けられたドアガイドシュー37Aのそれぞれに対して設けられている。
【0020】
エレベータの敷居溝清掃装置1は、図4及び図5に示されるように、ドアガイドシュー27Aに取り付けられる第1ブラシ3aと、ブラシ装着体4A〜4Cと、を有する。
【0021】
ブラシ装着体4A〜4Cは、ブラシ固定金具2A〜2C、及びブラシ固定金具2A〜2Cに取り付けられる第2ブラシ3bにより構成される。
【0022】
ブラシ固定金具2A〜2Cのそれぞれは、長さ方向に直交する断面がL字状に形成されている。そして、ブラシ固定金具2Aの長さは、ドア本体23aの幅方向の一端と一方のドアガイドシュー27Aとの間の長さより僅かに短い長さに対応している。また、ブラシ固定金具2Bの長さは、ドア本体23aに設けられた一対のドアガイドシュー27Aの間の長さより僅かに短い長さに対応している。また、ブラシ固定金具2Cの長さは、ドア本体23aの他端と他方のドアガイドシュー27Aとの間の長さより僅かに短い長さに対応している。
【0023】
また、ブラシ固定金具2A〜2Cの一片の他片からの延出長さは、敷居溝25aの溝幅より若干短く設定されている。そして、図7に示されるように、第2ブラシ3bが、ブラシ固定金具2Bの一片の一面の全域から他片と逆側に突出するように設けられている。詳細には図示しないが、同様に第2ブラシ3bが、ブラシ固定金具2A,2Cの一片の一面の全域から他片と逆側に突出するように設けられている。
【0024】
次いで、敷居溝清掃装置1のかごドア23A及びドアガイドシュー27Aへの取付構造について説明する。
第1ブラシ3aは、ドアガイドシュー27Aのそれぞれの下面全域から突出するようにドアガイドシュー27Aに取り付けられて、その先端が敷居溝25aの底部に押し当てられている。
【0025】
ブラシ装着体4Bは、長さ方向をドア本体23aの幅方向に一致させ、図7に示されるように、第2ブラシ3bの先端が敷居溝25aの底部に押しあてられるように、一対のドアガイドシュー27Aの間に位置するドア本体23aの裏面下部に、ブラシ固定金具2Bの他片を押しあてて配置されている。そして、ブラシ固定金具2Bの他片は、ボルトによりドア本体23aに締着固定されている。
【0026】
同様に、ブラシ装着体4Aが、ドア本体23aの幅方向の一端と一方のドアガイドシュー27Aとの間のドア本体23aの裏面下部に固定され、ブラシ装着体4Cが、ドア本体23aの幅方向の他端と他方のドアガイドシュー27Aとの間のドア本体23aの裏面下部に固定されている。
【0027】
以上のように、第1ブラシ3aと第2ブラシ3a,3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27Aの下部を含み、かごドア23Aの開閉方向の一端下部から他端下部に至る敷居溝25a内に配置されている。より詳しくは、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27A及びドアガイドシュー27Aの取り付け部位を除くかごドア23Aの下端部の開閉方向全域に取り付けられて敷居溝25a内に配置されている。
【0028】
同様にして、敷居溝清掃装置1は、かごドア23Bとかごドア23Bに取り付けられたドアガイドシュー27A、乗場ドア33Aと乗場ドア33Aに取り付けられたドアガイドシュー37A、及び乗場ドア33Bと乗場ドア33Bに取付られたドアガイドシュー37Aに対して設けられている。
【0029】
次いで、敷居溝清掃装置1による敷居溝25a,35aの清掃動作について説明する。
かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bが開閉移動に連動して、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bが敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。
これにより、敷居溝25a,35aの小石や塵埃などの異物は、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bに掃かれて排出穴25b,35bまで移動されて、排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出される。
【0030】
この実施の形態1の敷居溝清掃装置1によれば、第1ブラシ3a及び第2ブラシ3bからなるブラシ群が、ドアガイドシュー27A,37A、及びドアガイドシュー27A,37Aの取り付け部位を除くかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの下端部の開閉方向全域に取り付けられて敷居溝25a,35a内に配置されている。
【0031】
第1ブラシ3aが、ドアガイドシュー27A,37Aの下部に位置する敷居溝25a,35a内に配置されているので、異物は、ドアガイドシュー27A,37Aの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物が、ドアガイドシュー27A,37Aと敷居溝25a,35aの底部との間に挟まってかごドア23A,23Bや乗場ドア33A,33Bがロックされることを抑制できる。
【0032】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご及び乗場の断面図、図9は図8のC部拡大図、図10は図8のX−X矢視正面図、図11は図10のD部拡大図、図12は図11のXII−XII矢視断面図、図13は図11のXIII−XIII矢視断面図、図14は図10のXIV−XIV矢視断面図、図15は図14のXV−XV矢視断面図、図16は図8のXVI−XVI矢視正面図である。
なお、上記実施の形態と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0033】
図8〜図16において、エレベータは、ドアガイドシュー27A,37Aに代え、ドアガイドシュー27B,37Bを備えている。また、一対の敷居溝清掃装置10Aが、かご20側に設けられた一対の敷居溝清掃装置1に代えて設けられ、一対の敷居溝清掃装置10Bが、乗場30側に配設された一対の敷居溝清掃装置1に代えて設けられている。他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0034】
ドアガイドシュー27Bは、図12に示されるように、敷居溝25aの底部に向けて開口するブラシ挿通凹部27aが、長手方向の全域に亘って所定の深さに形成されている他は、ドアガイドシュー27Aと同様に構成されている。なお、図示しないが、ドアガイドシュー37Bもドアガイドシュー27Bと同様に構成されている。
【0035】
敷居溝清掃装置10Aは、ワイヤ11、滑車12、ワイヤ11の一端から所定の長さだけ延在するようにワイヤ11に取り付けられる第3ブラシ13、及びワイヤ11の他端側が巻回されて、常時ワイヤ11を巻き取る方向にワイヤ11を付勢するワイヤ緊張手段としてのワイヤ巻取り手段15と、ワイヤ巻取り手段15をかご側壁21Cに支持するL字状の取付部材14Aと、を備えている。
第3ブラシ13は、ワイヤ11の周方向の全域から径方向に突出されている。
【0036】
また、ワイヤ巻取り手段15は、図14及び図15に示されるように、中空の直方体に作製されたケース16と、ケース16に軸周りに回転自在に支持され、ワイヤ11が巻きつけられる回転体17と、回転体17を回転させる復元力を発揮するように回転体17に連結された付勢手段としてのゼンマイばね18と、を備えている。
【0037】
そして、ケース16の底部には、第1ワイヤ挿通穴16aが形成されている。
また、回転体17は、ワイヤ11が巻きかけられる巻取りドラム17Aと、巻取りドラム17Aの外径より大きな直径を有する円板状をなし、巻取りドラム17Aの両開口を塞口するように巻取りドラム17Aの軸方向の両端に取り付けられた一対のフランジ体17B,17Cと、巻取りドラム17Aと同軸に配置されるように一対のフランジ体17B,17Cに突設された支持軸17D,17Eと、を備えている。
【0038】
支持軸17D,17Eは、軸周りに回転自在にケース16に軸受け19を介して支持されている。
ゼンマイばね18は、ワイヤ11を巻取りドラム17Aに巻き取る方向に巻取りドラム17Aを回転させる復元力(付勢力)を発揮するように、一方の支持軸17Dに一端を固定されて、支持軸17Dまわりに渦巻き状に配置されている。
【0039】
取付部材14AはL字状に作製され、その一片には第2ワイヤ挿通穴14aが、厚み方向に穿設されている。
【0040】
また、敷居溝清掃装置10Bは、取付部材14Aに代え、ワイヤ巻取り手段15を乗場壁31に支持する取付部材14Bを有する他は、敷居溝清装置10Aと同様に構成されている。
取付部材14Bは、図8及び図16に示されるように、L字状に作製され、その一片には図示しない第2ワイヤ挿通穴が、厚み方向に穿設されている。
【0041】
次いで、一方の敷居溝清掃装置10Aのかご20への取付構造について説明する。
一方の敷居溝清掃装置10Aの滑車12は、奥行き方向に回転軸12aを一致させ、間口方向に相対する一対のかご側壁21Cのうちの一方のかご側壁21C(以下、間口方向の一方のかご側壁21Cとする)に、回転軸12aまわりに回転自在に支持されている。このとき、滑車12は、かごドア23Aの開方向に位置するかご敷居25の端部近傍に配置され、滑車12の外周面の下端部は、高さ方向に関して敷居溝25aの底部よりやや上方に位置している。
【0042】
また、取付部材14Aが、滑車12の上方に一片が水平に配置されるように、間口方向の一方のかご側壁21Cの外面に他片を固定されている。
そして、ケース16が、第1ワイヤ挿通穴16aを第2ワイヤ挿通穴14aに対応させて、取付部材14Aの一片上に固定されている。このとき、ワイヤ巻取り手段15は、巻取りドラム17A及び支持軸17D,17Eの軸方向が、奥行き方向に一致するように向けられている。
【0043】
また、ワイヤ11は、一端をかごドア23Aの閉方向の端部下部に固定され、敷居溝25a内をかごドア23Aの開方向に延在し、敷居溝25aの端部から延出されている。このとき、ワイヤ11は、ドアガイドシュー27Bのブラシ挿通凹部27aに通されている。また、第3ブラシ13は、敷居溝25aの底部を押圧するように配置される。
【0044】
そして、かご敷居25から延出されたワイヤ11は、滑車12に掛けられ、ワイヤ11の他端側が、第2ワイヤ挿通穴14a及び第1ワイヤ挿通穴16aを介してケース16内に引き込まれて、巻取りドラム17Aに巻かれている。
【0045】
前述したように、ゼンマイばね18は、ワイヤ11を巻取りドラム17Aに巻き取る方向に巻取りドラム17Aを回転させる復元力を発揮する。これにより、ワイヤ11は、常に緊張状態に保たれる。ワイヤ11を付勢するゼンマイばね18の復元力は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの閉方向への移動力より十分に小さく、ワイヤ11が、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開閉移動に影響を及ぼすことはない。
【0046】
そして、第3ブラシ13は、ワイヤ11の一端から他端側に向かって略かご敷居25の半分の長さだけ延在するようにワイヤ11取り付けられて、ワイヤ11の周方向全域から径方向に突出されている。すなわち、第3ブラシ13は、かごドア23Aの下方に位置するワイヤ11の部位に取り付けられるだけでなく、かごドア23Aの開方向の端部下部のワイヤ11部位からワイヤ11の他端側に所定量延長されるようにワイヤ11に取り付けられる。
【0047】
また、他方の敷居溝清掃装置10Aは、かごドア23B及び間口方向の他方のかご側壁21Cに、一方の敷居溝清掃装置10Aと同様に取り付けられている。
【0048】
次いで、一方の敷居溝清掃装置10Bの乗場30への取付構造について説明する。
図16において、一方の敷居溝清掃装置10Bの滑車12は、奥行き方向に回転軸12aを一致させ、乗場壁31に回転軸12aまわりに回転自在に支持されている。このとき、滑車12は、乗場ドア33Aの開方向に位置する敷居溝35aの端部近傍に配置され、
滑車12の外周面の下端部は、高さ方向に関して、敷居溝35aの底部よりやや上方に位置している。
【0049】
また、取付部材14Bが、滑車12の上方に、一片が水平に延在するように、乗場壁31の裏側に他片を取り付けられている。
そして、ワイヤ巻取り手段15のケース16が、第1ワイヤ挿通穴16aを取付部材14Bの一片に形成された第2ワイヤ挿通穴に対応させて、取付部材14Bの一片上に固定されている。このとき、ワイヤ巻取り手段15は、図示しない巻取りドラムの軸方向が、奥行き方向に一致するように向けられている。
【0050】
また、ワイヤ11は、一端を乗場ドア33Aの閉方向の端部下部に固定され、敷居溝35a内を乗場ドア33Aの開方向に延在し、敷居溝35aの端部から延出されている。このとき、ワイヤ11は、ドアガイドシュー37Bの図示しないブラシ挿通凹部に通されている。
【0051】
そして、乗場敷居35から延出されたワイヤ11は、滑車12に掛けられ、ワイヤ11の他端側が、第1ワイヤ挿通穴16a及び第2ワイヤ挿通穴を介してケース16内に引き込まれて、巻取りドラム17Aに巻かれている。
【0052】
前述したように、敷居溝清掃装置10Bの図示しないゼンマイばねは、敷居溝清掃装置10Aと同様、ワイヤ11を常に緊張状態に保つ復元力を発揮する。これにより、ワイヤ11は、常に緊張状態に保たれる。
【0053】
また、第3ブラシ13が、敷居溝清掃装置10Aの場合と同様に、ワイヤ11に取り付けられている。
【0054】
また、他方の敷居溝清掃装置10Bは、乗場出入り口32の間口方向の中心に対して一方の敷居溝清掃装置10Bと乗場出入り口32間口中心の両側に対称の位置関係となるように、乗場ドア33B及び乗場壁31に対して設けられている。
【0055】
次いで、敷居溝清掃装置10A,10Bによる敷居溝25a,35aの清掃動作について説明する。
図17はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの敷居溝清掃装置の動作を説明するかごの正面図である。
【0056】
初期状態として、図8に示されるように、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bは、かご出入り口22及び乗場出入り口32を全閉しているものとする。このとき、敷居溝清掃装置10A,10Bの第3ブラシ13は、敷居溝25a,35aの底部の全域を押し付けるように配置される。
【0057】
かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが開方向への移動時、ワイヤ11は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの開方向への移動量だけ、ゼンマイばね18の付勢力によって巻取りドラム17Aに巻き取られるので、ワイヤ11の緊張状態が保たれる。また、敷居溝25a,35a内に配置されているワイヤ11は、ドアガイドシュー27B,37B、及び滑車12により、敷居溝25a,35aの開口から上方に移動することが規制される。
【0058】
このため、敷居溝25a,35a内を移動するワイヤ11の部位に取り付けられた第3ブラシ13は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの移動に連動して敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。このとき、敷居溝25a,35aの端部の外側に移動する第3ブラシ13は、図17に示されるように、滑車12を通過した後に鉛直方向に延在方向を変える。
【0059】
かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが開方向への移動に連動して、第3ブラシ13が移動すると、敷居溝25a,35a内の異物は、第3ブラシ13に掃かれて排出穴25b,35bのいずれの場所まで移動し、排出穴25b,35bからかご敷居25,35の外部に排出される。
【0060】
また、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bが、閉方向に移動すると、ゼンマイばね18の復元力に抗して、ワイヤ11は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの移動力により巻取りドラム17Aから引っ張り出される。このときも、敷居溝25a,35a内に配置される第3ブラシ13は、かごドア23A,23Bと乗場ドア33A,33Bの移動に連動して、敷居溝25a,35aの底部上を摺動する。これにより、敷居溝25a,35a内の異物は、第3ブラシ13に掃かれて排出穴25b,35bのいずれの場所まで移動し、排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出される。
【0061】
この実施の形態2の敷居溝清掃装置10A,10Bは、一端がかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの閉方向の端部下部に固定されて、ドアガイドシュー27B,37Bと敷居溝25a,35aの底部との間を通過するようにして敷居溝25a,35a内をかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向に延在し、他端側が敷居溝25a,35aから延出されるワイヤ11と、ワイヤ11の一端からワイヤ11に沿って、かご敷居25及び乗場敷居35の長さの略半分の長さだけ延在するようにワイヤ11に取り付けられる第3ブラシ13と、を備えている。さらに、敷居溝清掃装置10A,10Bは、敷居溝25a,35a内のワイヤ11に対してかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の力が働くようにワイヤ11を付勢して緊張状態に保つワイヤ巻取り手段15を備える。具体的には、ワイヤ巻取り手段15は、ワイヤ11の他端側を巻き取り可能に構成された回転体17、及びワイヤ11の他端側を巻き取る方向に回転体17を回転させてワイヤ11を付勢するゼンマイばね18を有する。
【0062】
ワイヤ11の緊張状態を保つワイヤ巻取り手段15により、ワイヤ11が緩んで、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bに引っ掛かるこが未然に防止される。また、第3ブラシ13は、ドアガイドシュー27B,37Bの下部を含む敷居溝25a,35a内に配置されているので、異物は、ドアガイドシュー27B,37Bの下部に潜りにくくなっている。これにより、異物が、ドアガイドシュー27B,37Bと敷居溝25a,35aの底部との間に挟まってかごドア23A,23Bや乗場ドア33A,33Bがロックされることを抑制できる。
【0063】
また、間口方向に関し、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部より、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向に位置する敷居溝25a,35aの部位は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部下部の部位からワイヤ11の他端側に延長される第3ブラシ13に常に押し当てられる。このため、当該敷居溝25a,35aの部位では、異物の掃き残しが抑制され、かご敷居25及び乗場敷居35の外部への異物の排出効果が一層得られる。
【0064】
なお、この実施の形態2では、第3ブラシ13は、ワイヤ11の一端から他端側に向かってかご敷居25及び乗場敷居35の長さの半分の長さ範囲にあるワイヤ11の部位に取り付けられるものとして説明したが、第3ブラシ13は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向端部下部の部位より他端側に延在するワイヤ11の部位に取り付けなくてもよい。この場合でも、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開閉動作により、敷居溝25a,35aの異物を排出穴25b,35bからかご敷居25及び乗場敷居35の外部に排出できる。
【0065】
また、第3ブラシ13は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向端部下部の部位からある程度延長されていれば、かごドア23a,23B及び乗場ドア33A,33Bが全閉されているときのかごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの開方向の端部下部より開方向に位置する敷居溝25a,35aの部位では、第3ブラシ13による異物のかご敷居25及び乗場敷居35の外部への排出効果が向上される。
【0066】
また、ワイヤ緊張手段は、ワイヤ巻取り手段15であるものとして説明したが、ワイヤ緊張手段は、例えば、ワイヤ11の他端側を引っ張るように付勢するコイルばねなどを用いてもよい。
【0067】
また、各実施の形態では、敷居溝清掃装置は、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bの両方に取り付けるものとして説明したが、かごドア23A,23B及び乗場ドア33A,33Bのいずれかに対して取り付けられているものでもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 敷居溝清掃装置、10A,10B 敷居溝清掃装置、11 ワイヤ、15 ワイヤ巻取り手段(ワイヤ緊張手段)、17 回転体、18 ゼンマイばね(付勢手段)、22 かご出入り口(出入り口)、23A,23B かごドア(ドア)、25 かご敷居(敷居)、25a 敷居溝、25b 排出穴、27A,27B ドアガイドシュー、32 乗場出入り口(出入り口)、33A,33B 乗場ドア(ドア)、35 乗場敷居、35a 敷居溝、35b 排出穴、37A,37B ドアガイドシュー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴を有する敷居溝が形成された敷居、上記出入り口を開閉するドア、及び上記の下端から突出するように上記ドアに取り付けられて上記敷居溝に摺動可能に嵌合されるドアガイドシューを有するエレベータの敷居溝清掃装置であって、
上記ドアガイドシューの下部を含み、上記ドアの開閉方向の一端下部から他端下部に至る上記敷居溝内に配置され、上記ドアの開閉移動に連動して上記敷居溝の底部上を摺動するブラシを備えることを特徴とするエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項2】
上記ブラシは、上記ドアガイドシューの下部、及び上記ドアガイドシューの取り付け部位を除く上記ドアの下端部の開閉方向全域に取り付けられて、上記敷居溝の底部まで延在していることを特徴とする請求項1記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項3】
一端が上記ドアの閉方向の端部下部に固定されて、上記ドアガイドシューと上記敷居溝の底部との間を通過するようにして上記敷居溝内を上記ドアの開方向に延在し、他端側が上記敷居溝から延出されるワイヤと、
上記ドアの閉方向の移動力より小さな力で上記ワイヤを付勢して緊張状態に保つワイヤ緊張手段と、
を備え、
上記ブラシが、上記ドアの下部に位置する上記ワイヤの部位に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項4】
上記ブラシは、上記ドアの開方向の端部下部の部位から上記ワイヤの他端側に延長されるように上記ワイヤに取り付けられていることを特徴とする請求項3にエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項5】
上記ワイヤ緊張手段は、
上記ワイヤの他端側が巻きつけられる回転体と、
上記ワイヤの他端側を巻き取る方向に上記回転体を回転させる付勢手段と、
を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項1】
出入り口の下部に設けられて間口方向に延在し、底部に開口する排出穴を有する敷居溝が形成された敷居、上記出入り口を開閉するドア、及び上記の下端から突出するように上記ドアに取り付けられて上記敷居溝に摺動可能に嵌合されるドアガイドシューを有するエレベータの敷居溝清掃装置であって、
上記ドアガイドシューの下部を含み、上記ドアの開閉方向の一端下部から他端下部に至る上記敷居溝内に配置され、上記ドアの開閉移動に連動して上記敷居溝の底部上を摺動するブラシを備えることを特徴とするエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項2】
上記ブラシは、上記ドアガイドシューの下部、及び上記ドアガイドシューの取り付け部位を除く上記ドアの下端部の開閉方向全域に取り付けられて、上記敷居溝の底部まで延在していることを特徴とする請求項1記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項3】
一端が上記ドアの閉方向の端部下部に固定されて、上記ドアガイドシューと上記敷居溝の底部との間を通過するようにして上記敷居溝内を上記ドアの開方向に延在し、他端側が上記敷居溝から延出されるワイヤと、
上記ドアの閉方向の移動力より小さな力で上記ワイヤを付勢して緊張状態に保つワイヤ緊張手段と、
を備え、
上記ブラシが、上記ドアの下部に位置する上記ワイヤの部位に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項4】
上記ブラシは、上記ドアの開方向の端部下部の部位から上記ワイヤの他端側に延長されるように上記ワイヤに取り付けられていることを特徴とする請求項3にエレベータの敷居溝清掃装置。
【請求項5】
上記ワイヤ緊張手段は、
上記ワイヤの他端側が巻きつけられる回転体と、
上記ワイヤの他端側を巻き取る方向に上記回転体を回転させる付勢手段と、
を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエレベータの敷居溝清掃装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−213444(P2011−213444A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82555(P2010−82555)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]