説明

エレベータシステム

【課題】 エレベータを利用する場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く目的階に到着できるかを判断することが可能なエレベータシステムを提供する。
【解決手段】 かごと、かご内に設けられたかご呼び登録装置と、エレベータホールに設けられたホール呼び登録装置と、第1の階床でホール呼び登録装置の呼びが登録された場合に、かごが第2の階床に到着するまでの第1の所要時間を算出する算出部83と、エレベータ以外の昇降手段によって任意の階床間を移動する際の所要時間を記憶する記憶部84と、算出部で算出された第1の所要時間と、記憶部に記憶されたエレベータ以外の昇降手段によって第1の階床から第2の階床まで移動する際の第2の所要時間とを比較する比較部85と、比較部の比較結果に基づく情報を報知する報知部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル内の階床間の移動には、迅速性等の観点からエレベータが広く用いられている。ところが、エレベータの運行状況によっては、階段やエスカレータ等のエレベータ以外の昇降手段を利用した方が、エレベータを利用するよりも早く目的階に到着できる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−016098
【特許文献2】特開2000−226166
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、エレベータを利用した場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く目的階に到着できるか判断できないという問題があった。
【0005】
したがって、エレベータを利用する場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く目的階に到着できるかを判断することが可能なエレベータシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るエレベータシステムは、かごと、前記かご内に設けられたかご呼び登録装置と、エレベータホールに設けられたホール呼び登録装置と、第1の階床で前記ホール呼び登録装置の呼びが登録された場合に、前記かごが第2の階床に到着するまでの第1の所要時間を算出する算出部と、エレベータ以外の昇降手段によって任意の階床間を移動する際の所要時間を記憶する記憶部と、前記算出部で算出された前記第1の所要時間と、前記記憶部に記憶された前記エレベータ以外の昇降手段によって前記第1の階床から前記第2の階床まで移動する際の第2の所要時間とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づく情報を報知する報知部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係るエレベータシステムの全体構成を模式的に示した図である。
【図2】第1の実施形態に係り、エレベータホールの正面図である。
【図3】第1の実施形態に係り、かご内を示した斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係り、エレベータ制御装置の概略構成を示したブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。
【図7】第3の実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。
【図8】第4の実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
【0009】
(実施形態1)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータシステムの全体構成を模式的に示した図である。
【0010】
エレベータ1は、昇降路2に設けられたかご3と、ロープ4が巻き掛けられる巻上機5と、昇降路2内に設けられた釣合い重り6と、かご3とテールコード7によって接続され、かご3の運転を制御するエレベータ制御装置8を収納した制御盤9とを備えている。
【0011】
かご本体は、かご正面に配置された乗降口と、この乗降口を開閉するかごドアとを有している。かごドアの開閉は、かご3或いはホールに設けられたドア開閉装置によって行われる。かご3は、巻上機5を介してロープ4により、釣合い重り6と係合している。かご3の内部には、各種電子機器を収納したかご内操作盤が設けられている。かご内操作盤の信号は、テールコード7を介して制御盤9に入力するようになっている。
【0012】
巻上機5のモータには、このモータのモータ軸の回転数を検出する回転数検出器が設けられている。巻上機5とエレベータ制御装置8とは、信号線10によって接続されている。巻上機5は、エレベータ制御装置8へ回転数信号を出力し、この回転数信号を用いてエレベータ制御装置8はかご3の昇降速度を演算し、かご3の運転を制御している。エレベータ制御装置8は、巻上機5へ速度指令等の制御信号を出力している。巻上機5が動作することによりかご3が昇降し、エレベータ1が運転される。巻上機5の動作は、エレベータ制御装置8によって制御されている。
【0013】
テールコード7は、エレベータ制御装置8からかご3に電力を供給する機能と、エレベータ制御装置8とかご内操作盤との間で必要な情報を授受する機能とを有している。エレベータ制御装置8は、CPU、ROM及びRAM等から構成されており、かご呼びやホール呼びの登録に基づき、巻上機5の駆動制御を含むエレベータ1全体の制御を行う。このエレベータ制御装置8の詳細については後述する。
【0014】
図2は、各階床におけるエレベータホールの正面図である。
【0015】
ホール11において、ホールドア12近傍の取り付け壁には、ホール音声出力器13及び操作盤14が埋設されている。ホール音声出力器13にはスピーカが用いられており、取り付け壁でホール音声出力器13と制御盤9とが配線されている。このホール音声出力器13は、エレベータ制御装置8からの出力信号を受信すると、予め決められた音声出力命令にしたがって音声を出力する。操作盤14には、到着予報用のホール表示器15と、利用者が上又は下の階床へ移動をする際に押されるホール呼びボタン(ホール呼び登録装置)16とが設けられている。なお、ホール呼び登録装置16の近傍に人感センサ(人検出部)19が設けられていてもよい。
【0016】
図3は、かご内を示した斜視図である。
【0017】
かご3内には、目的階を登録するためのかご呼びボタン(かご呼び登録装置)17と、かご位置等を表示するかご内表示器18とが設けられている。
【0018】
図4は、エレベータ制御装置8の概略構成を示したブロック図である。
【0019】
エレベータ制御装置8は、運行制御部81、呼び登録制御部82、算出部83、記憶部84、比較部85及び報知制御部86を有している。
【0020】
運行制御部81は、エレベータ全体の運行を制御するものであり、呼び登録情報等に基づいてエレベータの運行を制御する。呼び登録制御部82は、呼び登録装置(ホール呼び登録装置16、かご呼び登録装置17)からの呼びの登録や呼びの取り消しを制御するものである。
【0021】
算出部83は、ある階床X(第1の階床)でホール呼び登録装置16の呼びが登録された場合に、かご3が他の階床Y(第2の階床)に到着するまでの所要時間(第1の所要時間)を算出するものである。この算出部83は、かご呼び登録装置17によるかご呼びの登録情報、ホール呼び登録装置16によるホール呼びの登録情報及びかご3の運行情報に基づいて、かご3が他の階床Yに到達するまでの所要時間を算出する。上記運行情報には、かご3の現在位置に関する情報及びかご3の進行方向(上方向、下方向)に関する情報が含まれる。例えば、X階でホール呼び登録装置16によって下方向の呼びがあり、そのときにかご3がX階よりも上階に位置していたとする。この場合、算出部83ではX階よりも下の全て階までのエレベータの所要時間を算出する。
【0022】
記憶部84は、エレベータ以外の昇降手段(ここでは、階段及びエスカレータとする)によって任意の階床間を移動する際の所要時間を記憶するものである。例えば、そのエレベータが設置されたビルが10階であったとすると、m階とn階(m<n、mは1階から9階までの任意の階、nは2階から10階までの任意の階)との間のエレベータ以外の昇降手段による移動時間が全て記憶されている。すなわち、m階とn階の全ての組み合わせについて、エレベータ以外の昇降手段によって移動する際の所要時間(階段を利用した場合の所要時間、エスカレータを利用した場合の所要時間)が記憶されている。
【0023】
比較部85は、算出部83で算出されたエレベータによるY階までの所要時間(第1の所要時間)と、記憶部84に記憶されたエレベータ以外の昇降手段によって階床間(X階とY階との間)を移動する際の所要時間(第2の所要時間)とを比較するものである。例えば、5階のホール呼び登録装置16によって下方向の呼びがあった場合、4階までの所要時間、3階までの所要時間、2階までの所要時間及び1階までの所要時間、全てについて、エレベータによる所要時間とエレベータ以外の昇降手段による所要時間とを比較する。これにより、X階からY階に移動する場合に、エレベータを利用した場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く到着するかがわかる。
【0024】
報知制御部86では、比較部85の比較結果に基づく情報を報知部(本実施形態では、ホール音声出力器13)で報知するための制御を行う。具体的には、エレベータ以外の昇降手段を用いた場合の所要時間(第2の所要時間)の方がエレベータを用いた場合の所要時間(第1の所要時間)よりも短い場合に、エレベータ以外の昇降手段によって移動すべきことを報知させる。例えば、5階のホール呼び登録装置16によって下方向の呼びがあった場合、4階までの所要時間及び3階までの所要時間はエレベータ以外の昇降手段を利用した方が早いが、2階までの所要時間及び1階までの所要時間はエレベータの方が早い場合には、「3階までは階段(或いはエスカレータ)の方が早く到着します」といった内容の報知をさせる。
【0025】
図5は、本実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。フローチャートに示した動作は、主としてエレベータ制御装置8に格納されたプログラムに基づいて実行される。
【0026】
まず、エレベータ以外の昇降手段(階段、エスカレータ)を利用した場合の所要時間を記憶部84に記憶させておく(S11)。この所要時間には、エレベータ以外の昇降手段(例えば階段)での所要時間の他、エレベータホールからエレベータ以外の昇降手段(例えば階段)までの所要時間も含まれる。この所要時間は、エレベータ制御装置8のプログラムで算出しておいてもよいし、他の外部装置で算出した所要時間をエレベータ制御装置8に組み込んでおいてもよい。
【0027】
次に、ホール呼びが発生したか否かが判断される(S12)。ホール呼びが発生していない場合には、通常運転となる(S16)。
【0028】
ホール呼びが発生した場合には、算出部83によりエレベータを利用した場合の所要時間が算出される(S13)。具体的には、ホール呼びによって選択された進行方向側の全ての階について、エレベータを利用した場合の所要時間を算出する。
【0029】
次に、記憶部84に記憶されたエレベータ以外の昇降手段(階段、エスカレータ)を利用した利用した場合の所要時間とエレベータを利用した場合の所要時間とを比較し、エレベータ以外の昇降手段を利用した方が早いか否かが判断される(S14)。以下、具体的に説明する。
【0030】
p階からq階に移動する場合を想定する。階段を利用した場合の所要時間をTKpq、エスカレータを利用した場合の所要時間をTSpq、エレベータを利用した場合の所要時間をTLpq、とする。そして、4階ホールで下方向へのホール呼びが発生したとする。
【0031】
算出部83では、4階よりも下の階へエレベータで移動した場合の所要時間を算出する。すなわち、エレベータの現在位置から3階までの所要時間TL43、エレベータの現在位置から2階までの所要時間TL42、及びエレベータの現在位置から1階までの所要時間TL41を算出する。そして、比較部85により、エレベータを利用した場合の所要時間と、予め記憶部84に記憶されたエレベータ以外の昇降手段(階段、エスカレータ)を利用した利用した場合の所要時間(TK43、TK42、TK41、TS43、TS42、TS41)とが比較される。
【0032】
エレベータを利用した場合よりもエレベータ以外の昇降手段を利用した場合の方が早く到着する階床がある場合には、報知制御部86を介して報知部にその旨を報知させるようにする(S15)。以下、具体的に説明する。
【0033】
例えば、4階でホール呼びが発生したとする。そして、3階までの移動について、TL43=50秒、TK43=30秒、TS43=35秒、2階までの移動について、TL42=55秒、TK42=55秒、TS42=50秒、1階までの移動について、TL41=60秒、TK41=80秒、TS41=65秒、であったとする。この場合、ホール音声出力器13により、「3階までの移動は階段をお使いになるとより早く到着します」、「2階までの移動は階段又はエスカレータをお使いになるとより早く到着します」、といった報知を行う。4階のホールにいる利用者は、このような報知を考慮して、所望の昇降手段で目的階まで移動することができる。
【0034】
以上のように、本実施形態では、エレベータを利用した場合の所要時間とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合の所要時間とを比較し、その比較結果に基づく情報を報知する。したがって、利用者は、エレベータを利用する場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く目的階に到着できるかを容易に判断することが可能となる。その結果、目的階への迅速な移動が可能となる。
【0035】
なお、ステップS14において、予め定められた階床数以上の移動についてのみ、比較を行うようにしてもよい。例えば、1階床分の移動では、通常はエレベータを利用した場合よりも階段を利用した場合の方が早く目的階に到着する。そのため、1階床分の移動については比較を行わず、2階床以上の移動について比較を行う。例えば、4階でホール呼びが発生したとする。そして、2階までの移動について、TL42=55秒、TK42=55秒、TS42=50秒、1階までの移動について、TL41=60秒、TK41=80秒、TS41=65秒、であったとする。この場合、「2階までの移動は階段又はエスカレータをお使いになるとより早く到着します」、といった報知を行う。これにより、エレベータ以外の昇降手段を利用した場合の方が早く到着することがほぼ明らかな場合に、無駄な報知や計算を行わなくてもすむ。
【0036】
(実施形態2)
図6は、本実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。なお、基本的な構成や動作は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態で説明した事項についての説明は省略する。
【0037】
S21〜S25の動作は、第1の実施形態のS11〜S15の動作と同様である。本実施形態では、報知部(ホール音声出力器13)によって報知が行われた後、人検出部(人感センサ19)が人を一定時間以上検出しない場合に、呼び登録制御部82によってホール呼び登録装置16の呼びの登録を取り消すようにしている。具体的には、S26のステップにおいて、エレベータホールに人がいない状況が一定時間継続していないかが判断される。人がいない状況が一定時間継続している場合には、S22で発生したホール呼びを取り消し(S27)、通常運転となる(S28)。すなわち、このような場合には、エレベータ以外の昇降手段によって利用者が移動したものと考えられるため、ホール呼びが取り消される。人がいない状況が一定時間継続していない場合には、ホール呼びは取り消さない。
【0038】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、報知部(ホール音声出力器13)からの報知にしたがって利用者がエレベータ以外の昇降手段によって移動したような場合に、ホール呼びを取り消すことにより、エレベータは不要な呼びに応答しなくてもすむ。したがって、効率的なエレベータの運転が可能となる。
【0039】
(実施形態3)
図7は、本実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。なお、基本的な構成や動作は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態で説明した事項についての説明は省略する。
【0040】
S31〜S35の動作は、第1の実施形態のS11〜S15の動作と同様である。本実施形態では、報知部(ホール音声出力器13)によって報知が行われた後、かご3の着床制御開始直前に人検出部(人感センサ19)が人を検出しない場合に、呼び登録制御部82によってホール呼び登録装置16の呼びの登録を取り消すようにしている。具体的には、S36のステップにおいて、エレベータホールに人がいないかが判断される。人がいる場合には、通常運転となる(S39)。S36のステップのステップでエレベータホールに人がいないと判断された場合、かご3の着床制御開始直前にエレベータホールに人がいるか判断される(S37)。かご3の着床制御開始直前にエレベータホールに人がいない場合には、S22で発生したホール呼びを取り消し(S38)、通常運転となる(S39)。かご3の着床制御開始直前にエレベータホールに人がいる場合には、ホール呼びは取り消さない。以下、説明を加える。
【0041】
S36のステップでエレベータホールに人がいないと判断された後、S37のステップにおいて、かご3の着床制御開始直前にもエレベータホールに人がいないと判断された場合には、エレベータ以外の昇降手段によって利用者が移動したものと考えられるため、ホール呼びが取り消される。一方、利用者が近くのトイレ等に行き、一時的にエレベータホールから離れたような場合、かご3の着床制御開始直前にエレベータホールに戻っていれば、ホール呼びは取り消さないですむ。
【0042】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、報知部(ホール音声出力器13)からの報知にしたがって利用者がエレベータ以外の昇降手段によって移動したような場合に、ホール呼びを取り消すことにより、エレベータは不要な呼びに応答しなくてもすむ。したがって、効率的なエレベータの運転が可能となる。さらに、利用者が一時的にエレベータホールから離れた場合でも、かご3の着床制御開始直前にエレベータホールに戻っていれば、ホール呼びは取り消さないですむため、利用者の便宜をはかることができる。
【0043】
(実施形態4)
図8は、本実施形態に係るエレベータシステムの動作を示したフローチャートである。なお、基本的な構成や動作は第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態で説明した事項についての説明は省略する。
【0044】
本実施形態では、ある階でホール呼び登録装置の呼びが登録されたものと仮定してエレベータの所要時間を算出する。
【0045】
S41の動作は、第1の実施形態のS11の動作と同様である。本実施形態では、S42のステップにおいて、ホール呼びが登録されていない階床においてホール呼び登録装置の呼びが登録されたものと仮定して、エレベータの所要時間を算出する。S43及びS44の動作は、第1の実施形態のS14及びS15の動作と同様である。
【0046】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、ホール呼びが発生していなくても、仮想的にホール呼びが発生したものと仮定してエレベータの所要時間を算出する。したがって、利用者はホール呼びを発生させることなく、報知部(ホール音声出力器13)からの報知により、目的階により早く到着できる昇降手段を判断することができる。
【0047】
なお、上述した各実施形態では、報知部として音声出力器を想定したが、表示器を用いて報知を行うようにしてもよい。また、複数台のエレベータの運行制御と、上述した各実施形態とを組み合わせてもよい。
【0048】
以上のように、上述した各実施形態によれば、エレベータを利用する場合とエレベータ以外の昇降手段を利用した場合とで、どちらが早く目的階に到着できるかを判断することが可能なエレベータシステムを提供することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…エレベータ 2…昇降路 3…かご
4…ロープ 5…巻上機 6…釣合い重り
7…テールコード 8…エレベータ制御装置 9…制御盤
10…信号線 11…ホール 12…ホールドア
13…ホール音声出力器 14…操作盤 15…ホール表示器
16…ホール呼び登録装置 17…かご呼び登録装置
18…かご内表示器 19…人感センサ
81…運行制御部 82…呼び登録制御部 83…算出部
84…記憶部 85…比較部 86…報知制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごと、
前記かご内に設けられたかご呼び登録装置と、
エレベータホールに設けられたホール呼び登録装置と、
第1の階床で前記ホール呼び登録装置の呼びが登録された場合に、前記かごが第2の階床に到着するまでの第1の所要時間を算出する算出部と、
エレベータ以外の昇降手段によって任意の階床間を移動する際の所要時間を記憶する記憶部と、
前記算出部で算出された前記第1の所要時間と、前記記憶部に記憶された前記エレベータ以外の昇降手段によって前記第1の階床から前記第2の階床まで移動する際の第2の所要時間とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づく情報を報知する報知部と、
を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
前記算出部は、前記第1の階床で前記ホール呼び登録装置の呼びが登録された場合に、前記かご呼び登録装置によるかご呼びの登録情報、前記ホール呼び登録装置によるホール呼びの登録情報及び前記かごの運行情報に基づいて、前記かごが第2の階床に到達するまでの所要時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記報知部は、前記第2の所要時間の方が前記第1の所要時間よりも短い場合に、前記エレベータ以外の昇降手段によって移動すべきことを報知する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記ホール呼び登録装置の近傍に設けられた人検出部と、
前記報知部によって報知が行われた後、前記人検出部が人を一定時間以上検出しない場合に、前記ホール呼び登録装置の呼びの登録を取り消す呼び登録制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記ホール呼び登録装置の近傍に設けられた人検出部と、
前記報知部によって報知が行われた後、前記かごの着床制御開始直前に前記人検出部が人を検出しない場合に、前記ホール呼び登録装置の呼びの登録を取り消す呼び登録制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記算出部は、前記第1の階床で前記ホール呼び登録装置の呼びが登録されたものと仮定して前記第1の所要時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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