説明

エレベータ用ドア装置

【課題】平行リンクのリンク部に介装されているベアリングに対して、曲げモーメントが作用しないような構成のエレバータのドア装置を提供する。
【解決手段】かごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達する第1の係合ローラ10と、第1の係合ローラ10に対して相対的に変位するロック機構を作動させる第2の係合ローラ11と、かごドアに設けられ、ベアリングが配設された平行リンク機構を介して互いに接離する開閉方向に平行移動する第1および第2の係合ベーン部材18、21を有し、係合ベーン部材18、21が互いに接近して閉じ合うことによりその両係合ベーン部材18、21間で係合ローラ10、11を挟みつけて係合ローラ11の位置をロック機構が解除される位置に保持し、挟みつけを解除してロック機構を作動させる係合ベーン機構と、係合ベーン部材18、21とリンクプレート間またはリンクプレートとかごドア間に介装された支え部材25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかごの着床時にかごドアと乗り場ドアとを係合させて、そのかごドアの開閉駆動力を乗り場ドアに伝達させるための係合装置を備えるエレベータ用ドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物のエレベータ乗り場には、エレベータの乗りかごに乗降するための出入口が設けられ、この出入口に引き戸式の乗り場ドアが設置されている。この乗り場ドアは、通常時には閉鎖されていて、昇降路内を昇降する乗りかごがエレベータ乗り場に着床して停止した際に、その乗りかごのかごドアからの駆動力を受けて開閉動作する。また、乗り場ドアにはロック機構が備えられていて、乗り場ドアが戸閉したときにロックされ、戸開動作が開始されるときにそのロックが解除される。
【0003】
かごドアと乗り場ドアとの間には、かごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達し、かつロック機構を作動させるための係合装置が設けられている。この係合装置は、かごドアに設けられた平行リンク機構により支持されて、平行を保ったままその間隔幅を変化させるように開閉する垂直方向に延びる一対の係合ベーンを備えている。
【0004】
エレバータの乗り場ドアとかごドアの係合装置を複雑にすることなく、乗り場ドアが閉じ切るまでかごドアによる駆動力を乗り場ドアに伝達して適正に戸閉を達成することができるエレベータ用ドア装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
これは、乗り場ドアのロック機構を作動させる一対の係合ローラと、互いに開閉してその閉じ状態で係合ローラを挟みつけて前記ロック機構を作動解除状態に保持する一対の係合ベーンとを具備し、両係合ベーンの閉じ状態をカムローラとカム板との接触ならびにマグネットの磁気吸引力で保持し、乗り場ドアが戸閉方向に移動してカムローラとカム板との接触による保持が解除された後にも、マグネットの磁気吸引力で両係合ベーンの閉じ状態を保持し、乗り場ドアが戸当り位置に達して停止した時の反力でマグネットの磁気吸引力に抗して両係合ベーンを開き方向に移動させてロック機構を作動させるものである。
【特許文献1】特開2006−290566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した平行リンク機構のリンク部にはベアリングが使用されている。ベアリングは、一般的には、曲げモーメントが作用する場合を想定していない。そのため、平行リンク機構はかごドアと一緒に動くので、戸開時、戸閉時に、曲げの力を受けたベアリングは転動体である玉が圧壊したり、ベアリングそのものが破損する虞があった。そして、このような場合には、かごドアは円滑には開閉しない。
【0007】
特許文献1記載のドア装置では、平行リンク機構のリンク部に介装されているベアリングに対して、曲げモーメントが作用しないような配慮はされていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、平行リンク機構のリンク部に介装されているベアリングに対して、曲げモーメントが作用しないような構成のエレバータのドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、エレベータの乗りかごの出入口を開閉するかごドア、およびエレベータ乗り場の出入口を開閉する乗り場ドアと、前記かごドアを駆動する駆動機構と、前記乗り場ドアを閉鎖状態にロックするロック機構と、前記乗りかごが前記エレベータ乗り場に着床する状態のもとで、前記かごドアの動作でそのかごドアと乗り場ドアとを係合させ、その係合によりかごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達し、かつその係合の解除に応じて前記ロック機構を作動させる係合装置とを備えたエレベータ用ドア装置であって、前記係合装置は、前記乗り場ドアに設けられ、かごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達する第1の係合子と、同じく乗り場ドアに設けられ、前記第1の係合子に対して相対的に変位することにより前記ロック機構を作動させる第2の係合子と、前記かごドアに設けられ、ベアリングが配設されたリンク部材で組み合わせた平行リンク機構を介して互いに接離する開閉方向に平行移動する第1および第2の係合ベーン部材を有し、第1および第2の係合ベーン部材が互いに接近して閉じ合うことによりその両係合ベーン部材間で前記第1および第2の係合子を挟みつけて前記第2の係合子の位置を前記ロック機構が解除される位置に保持し、乗り場ドアの戸当りによる停止に応じて第1および第2の係合ベーン部材が互いに離反して開くことにより前記第1および第2の係合子の挟みつけを解除して前記ロック機構を作動させる係合ベーン機構と、少なくとも前記第1および第2の係合ベーン部材とリンク部材間またはリンク部材と前記かごドア間に介装された支え部材とを備えることを特徴とするエレベータ用ドア装置が提供される。
【0010】
本発明の一態様に係るエレベータ用ドア装置において、前記支え部材は、前記第1および第2の係合ベーン部材の可動範囲の全てを支えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様に係るエレベータ用ドア装置において、前記支え部材は、中央部に軸を貫通するための孔を形成した円盤状の基部と、前記孔を取り囲むように複数個、配設された摺動部材から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、平行リンク機構のリンク部に介装されているベアリングに対して、曲げモーメントを作用させないので、ベアリングの破損を防止するとともに、ドア装置の開閉をスムースにさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0014】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るエレベータ用ドア装置の概略の構造を示す斜視図である。図1には、乗りかご(図示せず)の前面の出入口に設けられたかごドア装置を乗り場側から見た様子を示してある。乗りかごの前面には枠部材5が据え付けられ、この枠部材5の上部に左右に長く、かつ略箱型のドアマシンベース1が水平に取り付けられている。ドアマシンベース1の内側には、左右に長くハンガーレール2が水平に取り付けられている。このハンガーレール2に一対のかごドアパネル4a、4bがその上部に取り付けられたハンガー3を介して左右に並ぶように懸架されている。ハンガー3には、ハンガーレール2上を回動するハンガーローラ3a、3bが取り付けられており、かごドアパネル4a、4bがハンガーレール2に沿って左右に移動し、この移動で乗りかごの前面の出入口(図示せず)が開閉されるようになっている。
【0015】
図2は、乗りかご(図示せず)の前面の出入口に設けられたかごドア装置を乗りかご側から見た様子を示してある。
【0016】
かごドア装置と相対向して配設される乗り場ドア装置(図示せず)は、エレベータ乗り場の出入口を開閉する一対の乗り場ドア(図示せず)を備え、これらの乗り場ドアが互に連動して左右対称に移動するようになっている。乗り場ドア装置の乗り場ドアには、左右の乗り場ドアをロックするロック機構6が設けられている。このロック機構6は、L状に屈曲するフックレバー6aを有しており、フックレバー6aは、軸7を介して乗り場ドアに回転自在に取り付けられている。
【0017】
フックレバー6aの一端側には鉤状の係合爪6bが形成されている。係合爪6bの近傍には、図中、下向きに細長い舌片部材8が取り付けられている。そして、舌片部材8には、かごドアパネル4aの上部に配設されると共に略L字状に形成された係合部9が係合している。フックレバー6aは反時計回り方向に回動するように設けられ、フックレバー6aはほぼ水平を保つようにその回動範囲が規制されている。係合部9には、回転自在に取り付けられた係合子としての第1の係合ローラ10と、第2の係合ローラ11とを有している。第2の係合ローラ11は、第1の係合ローラ10の上方側に配置されている。
【0018】
図1に示すように、左側のかごドアパネル4aには、図示しない乗り場ドア装置の乗り場ドアと係合してかごドアパネル4aによる駆動力を乗り場ドアに伝達するための係合装置が取り付けられている。以下、この係合装置の構成について説明する。
【0019】
図3は、ドア装置における係合装置の要部の構造を示す正面図である。図3に示すように、かごドア装置のかごドアにはベース板13が取り付けられている。このベース板13には上下の2個所に軸14、15が取り付けられている。これらの軸14、15にはそれぞれベアリング14a、15aを介して平行リンク機構を構成するリンクプレート16、17が回動自在に組み付けられている。
【0020】
リンクプレート16、17には、軸14、15を境とする一方側の端部に断面L字状の第1の係合ベーン部材18がそれぞれ軸19、20を介して回動自在に取り付けられている。これらの軸19、20にはそれぞれベアリング19a、20aが介装されている。他方側の端部に第2の係合ベーン部材21がそれぞれ軸22、23を介して回動自在に取り付けられている。これらの軸22、23にはそれぞれベアリング22a、23aが介装されている。
【0021】
第1の係合ベーン部材18と第2の係合ベーン部材21は、互いに平行に上下方向に延びて相対向し、リンクプレート16、17が軸14、15を中心に回動することにより互いに接離する開閉方向に平行移動する。
【0022】
リンクプレート16、17は図における右上がり方向に傾斜し、これらリンクプレート16、17が時計回り方向に回動することにより第1の係合ベーン部材18が下降するとともに第2の係合ベーン部材21が上昇して両係合ベーン部材18、21が互いに接近する閉じ方向に平行移動し、またリンクプレート16、17が時計回りの逆方向に回動することにより第1の係合ベーン部材18が上昇するとともに第2の係合ベーン部材21が下降して両係合ベーン部材18、21が互いに離反する開き方向に平行移動する。なお、リンクプレート16、17の時計回り方向の回動はストッパ(図示せず)により一定範囲に規制されている。
【0023】
第2の係合ベーン部材21の上部には、カム機構(図示せず)を構成するカムローラ24が回転自在に取り付けられている。
【0024】
乗りかごがエレベータホールに着床して停止し、かごドアが乗り場ドアに対向すると両ドアが開き、エレベータへの乗降が済むと両ドアは戸閉される。このとき、例えば、乗り場に強い風が吹いているような場合には、両ドアが互いに押し付けられるような力がかかり、両ドアの開閉がスムースにいかないことがある。このような場合、上記したベアリング14a、15a、19a、20a、22a、23aには、想定外の曲げモーメントが作用する。図4は、ベアリングに対して、曲げモーメントが作用する場合を説明する図である。ベアリングは、外輪と内輪の間に転動体として玉やころを入れて、ころがり接触をさせて摩擦を軽減した軸受である。したがって、転動体がころがる方向に働く力に対しては、何等問題なく、軸受として機能する。しかしながら、転動体に対して、転動体を保持する保持器に押し付けられるような力、すなわち、曲げモーメントが作用する場合には、転動体の変形、転動体の圧壊、保持器の破損が生じる。ベアリングに対して、どの程度の曲げモーメントに対してまで、当該ベアリングが耐えられるかについては、一概に断定することは困難である。ベアリングの破損等を回避するためには、図4に示すような、言わば、ベアリングの破損限界角度に至るような曲げモーメントが作用しないようにする必要がある(図4参照。)。
【0025】
そこで、本実施形態では、ベアリングに対して曲げモーメントが直接作用しないように、支え部材を所定の箇所に介装させている。図5は、ドア装置をベアリングの近傍で切断し上方から見た略断面図である。図5に示すように、かごドアパネル4a、4bとリンクプレート16、17はベアリング14a、15aを介して軸14、15によって取り付けられている。そして、リンクプレート16、17と第1の係合ベーン部材18は、ベアリング19a,20aを介して軸19、20によって取り付けられている。同様に、リンクプレート16、17と第2の係合ベーン部材21は、ベアリング22a、23aを介して軸22、23によって取り付けられている。かごドアパネル4a、4bとリンクプレート16、17の隙間には、支え部材25が介装されている。同様に、リンクプレート16、17と第1および第2の係合ベーン部材18、21の隙間にも、支え部材25が介装されている。したがって、支え部材25は、係合装置12の主要構成部材に対して、それらの可動範囲の全てにおいて支えていることになる。
【0026】
ここで、支え部材25について説明する。図6は、支え部材25の一例を示す斜視図である。支え部材25は、中央部に軸を貫通するための孔26aを形成した円盤状の基部26と、基部26の孔26aを取り囲むように複数個、配設された摺動部27から構成されている。基部26は、例えば金属製とし、孔26aには、軸14、15、19、20、22、23が貫通する。摺動部27は、例えば摺動の良好な樹脂製とするのが好適である。摺動部27の形状は、図6に示した円柱状のころには限られず、球状体であってもよい。摺動部27及びその周囲には、二硫化モリブデン等の潤滑剤を塗布することも好適なことである。
【0027】
図5に示すように、X方向に乗り場ドアが動き、戸開/戸閉動作するに伴い、かごドアパネル4a、4b及び第1および第2の係合ベーン部材18、21には、Y方向の曲げモーメントが作用する。しかしながら、本実施形態では、支え部材25がかごドアパネル4a、4b及び第1および第2の係合ベーン部材18、21の隙間に介装されているので、Y方向の曲げモーメントは支え部材25によって受け止められる。すなわち、第1および第2の係合ベーン部材18、21が撓んでも、ベアリングが破損する限界のたわみ量になる前に、支え部材25によって支えられている。しかも、支え部材25には、摺動性が十分に確保されているので、曲げモーメントが作用しても、リンクプレート16、17や第1および第2の係合ベーン部材18、21等の動きを損なうことはない。そのため、支え部材25はベアリング19a,20a・・・に対して緩衝材の機能を果たすことになり、ベアリング19a,20a・・・の破損等を防止する。
【0028】
上記したかごドアパネル4a、4bとリンクプレート16、17の隙間の大きさは、ベアリング14a、15aが破損する限界のたわみ量よりも小さく設定することが好適である。リンクプレート16、17と第1および第2の係合ベーン部材18、21の隙間についても、同様のことが言える。図7は、これら隙間を説明する図である。
【0029】
次に、本実施形態の変形例について説明する。図8は、ドア装置をベアリングの近傍で切断し上方から見た略断面図である。この変形例では、図8に示すように、支え部材25に加えて、円柱状あるいは球状の支え部材B28をかごドアパネル4a、4bとリンクプレート16、17の隙間や、リンクプレート16、17と係合ベーン部材18、21の隙間に介装させている。このような構成を採用することにより、ベアリングに作用する虞のある曲げモーメントの影響を排除することができる。
【0030】
尚、リンクプレート16、17の略中心に配設するベアリングの取り付け位置は、より荷重を受ける係合ベーン側に偏心させた位置とすることが好適である。該ベアリングに対して均等に負荷を与えるためである。
【0031】
本実施形態によれば、平行リンク機構のリンクプレートに介装されているベアリングに対して、曲げモーメントが作用しないような構成のエレバータのドア装置が得られるので、ベアリングの破損を防止するとともに、ドア装置の開閉をスムースにさせることができる。
【0032】
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係るエレベータ用ドア装置の概略の構造を示す乗り場側から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエレベータ用ドア装置の概略の構造を示す乗りかご側から見た斜視図である。
【図3】ドア装置における係合装置の要部の構造を示す正面図である。
【図4】ベアリングに対して、曲げモーメントが作用する場合を説明する図である。
【図5】ドア装置をベアリングの近傍で切断し上方から見た略断面図である。
【図6】支え部材の一例を示す斜視図である。
【図7】係合ベーンの主要部における隙間を説明する図である。
【図8】ドア装置をベアリングの近傍で切断し上方から見た略断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・ドアマシンベース、2・・・ハンガーレール、3・・・ハンガー、4a、4b・・・かごドアパネル、5・・・枠部材、6・・・ロック機構、7、14、15、19、20、22、23・・・軸、8・・・舌片部材、9・・・係合部、10・・・第1の係合ローラ、11・・・第2の係合ローラ、12・・・係合装置、13・・・ベース板、16、17・・・リンクプレート、18・・・第1の係合ベーン部材、21・・・第2の係合ベーン部材、19a,20a、22a、23a・・・ベアリング、24・・・カムローラ、25・・・支え部材、28・・・支え部材B。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗りかごの出入口を開閉するかごドア、およびエレベータ乗り場の出入口を開閉する乗り場ドアと、前記かごドアを駆動する駆動機構と、前記乗り場ドアを閉鎖状態にロックするロック機構と、前記乗りかごが前記エレベータ乗り場に着床する状態のもとで、前記かごドアの動作でそのかごドアと乗り場ドアとを係合させ、その係合によりかごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達し、かつその係合の解除に応じて前記ロック機構を作動させる係合装置とを備えたエレベータ用ドア装置であって、
前記係合装置は、
前記乗り場ドアに設けられ、かごドアの駆動力を乗り場ドアに伝達する第1の係合子と、同じく乗り場ドアに設けられ、前記第1の係合子に対して相対的に変位することにより前記ロック機構を作動させる第2の係合子と、
前記かごドアに設けられ、ベアリングが配設されたリンク部材で組み合わせた平行リンク機構を介して互いに接離する開閉方向に平行移動する第1および第2の係合ベーン部材を有し、第1および第2の係合ベーン部材が互いに接近して閉じ合うことによりその両係合ベーン部材間で前記第1および第2の係合子を挟みつけて前記第2の係合子の位置を前記ロック機構が解除される位置に保持し、乗り場ドアの戸当りによる停止に応じて第1および第2の係合ベーン部材が互いに離反して開くことにより前記第1および第2の係合子の挟みつけを解除して前記ロック機構を作動させる係合ベーン機構と、
少なくとも前記第1および第2の係合ベーン部材とリンク部材間またはリンク部材と前記かごドア間に介装された支え部材と
を備えることを特徴とするエレベータ用ドア装置。
【請求項2】
前記支え部材は、前記第1および第2の係合ベーン部材の可動範囲の全てを支えることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ドア装置。
【請求項3】
前記支え部材は、中央部に軸を貫通するための孔を形成した円盤状の基部と、前記孔を取り囲むように複数個、配設された摺動部材から構成されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ドア装置。
【請求項4】
前記摺動部材は、円柱状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のエレベータ用ドア装置。
【請求項5】
前記係合ベーン部材が撓んでも、前記ベアリングが破損する限界のたわみ量になる前に、前記支え部材によって支えられることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ドア装置。
【請求項6】
前記係合ベーン部材と前記リンク部材または前記リンク部材と前記かごドア間の隙間の大きさは、前記ベアリングが破損する限界のたわみ量よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ドア装置。
【請求項7】
前記リンク部材に配設する前記ベアリングの取り付け位置が、前記係合ベーン部材側に偏心していることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−137958(P2010−137958A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315678(P2008−315678)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】